第5・6学年総合的な学習の時間学習指導案
日 時 平成16年9月8日(水)5校時 児 童 5年生 男5名 女5名 計10名
6年生 男3名 女3名 計 6名 場 所 5・6年教室
指導者 佐々木 真澄、藤原 尚也
1 単元名 手をつなごう、今を生きるわたしたち
2 単元について
(1)設定の理由
本校の総合的な学習の時間は、学習指導要領の趣旨を踏まえて、人や地域との関わ りを通して、課題を見出し解決する能力や態度、豊かなものの見方・考え方、主体的・
創造的な実践力を育て、自らの生き方を考えることができることをねらいとしている。
本単元「手をつなごう、今を生きるわたしたち」は、人権教育と関連をもたせて設 定した単元である。今、この時を生きているのは、自分だけではなく、生まれたばか りの赤ちゃんから90歳、100歳のお年寄りまで、多くの人がいることや、自分た ちと同じ年齢、同じ学年であっても障害をもっている人、障害はなくても自分とは違 う人がいるなど、児童が、このような様々な人達と共に生きているということに気付 き、お互いを認め合い、自分にはどのようなことができるのかを考えて、行動できる ようにすることが大事であると考える。
そこで、本単元を学習することで、目の前の友達や家族、そして、地域の方々とこ れまで以上に認め合い、自他共に大切にし、人権を尊重した行動ができることを願い、
本単元を設定した。
(2)児童について
5・6年生は、昨年度から複式学級として編成され、今年度は2年目を迎える。昨 年度、中国人のT・Mが転入してきた。T・Mは、本来ならば4年生であるが、日本 語に慣れるために2学年児童と一緒に多くの学習をした。しかし、総合的な学習の時 間では、4・5年生(今の5・6年生)と一緒に中国を題材とした学習を行った。人 一倍頑張り、運動能力も高いこの児童は、今年度は5年生として他の子たちと一緒に 学習を進めている。
6年生の児童T・Sは、通常の学習にはついていけない状況にあるが、反面、イン ターネットの検索やキーボードでの入力などが速くできたり、友達や先生方の誕生日 を正確に覚えていたりするという長所をもっている。
複式2年目ということで、5・6年の仲は良いのだが、上下関係ができてきている。
また、T・MやT・Sに対して、なじめなかったり、自分よりも能力が劣るものや自 分とは考えや性格などが違うと感じるものに対して十分に認め合っているとはいいが たい状況にある。
このような児童の実態から、本単元を学習することで、さらにお互いを認め合いな がら友達同士が関わっていけるように指導していきたいと考えている。
(3)指導にあたって
児童に、単元の学習を進めるうえで様々な体験をさせたいと考えて、5年生には保 育所の子どもたちとの保育体験と介護センターでの介護体験、6年生には聾学校の児 童との交流を設定した。この体験活動を実施する前に、どんな活動をしたいか、どん なことができるのか、どんな人達なのかなどを調べ、考え、話し合う活動を通して、
自分たちなりの思いをもたせると共に、学習に対する意欲を高めさせたい。6年生は、
一昨年に保育所と介護センターでの体験活動をしてきているので、5年生の活動はあ る程度分かると思われる。
保育所での体験活動は、0歳〜2歳の小さい子どもたちとで、介護センターでの体 験活動は80歳の方や90歳の方とであるから、5年生の児童は、今を生きている人 の上下の幅(年齢の幅)を体験することになる。
聾学校での交流活動の対象は、6年生である。自分たちと同じ年齢でも耳に障害の ある子どもたちがいることや、自分たちとは違った学習をしたり、あるいは同じ学習 をしているなど、それぞれ感じとることがたくさんあったと思われる。6年生の児童 は、今を生きている人の左右の幅を少し体験することになる。
これらの体験活動を基にして、今を生きる自分たちと他の人達とを比べさせ、違い や共通点を見つけさせていきたい。そして、地域の人との関わりをもちながらそれら をさらに詳しく調べさせることによって、一人一人の違いを認め合って、自分も他人 も大切にしていくことの重要性に気付き、これからの生活に生かしていけるようにさ せたい。
研究仮説「自分を取り巻く人たちとの関わりを多く取り入れた体験活動」との関わ りにおいては、単元の始まりの部分で5年生は町内の施設「前沢町立保育所」「まえさ わ介護センター」を訪問し、体験活動をした。また、6年生は、学習旅行にあわせて
「宮城県立聾学校」を訪問し、交流することによって体験活動を行った。そして、児 童それぞれの課題を追求し解決する段階では、またそれらの施設を訪問したり、質問 やインタビューをしたりするなどして、更に関わりを深めていくように指導していき たい。更に、その関わりを新しい施設や地域の他の人などにも広げさせていきたいと 考えている。
研究仮説「他者との関わり方の観点を取り入れた評価の活用と支援」との関わりに おいては、授業中の一人一人への対応はもちろん、「上っ子タイムアクションシート」
や「上っ子タイムワークシート」への記載を基にして、一人一人の興味・関心や困っ ていることや悩んでいることに対して支援をしていきたい。また、「個人別評価等記録 カード」への記録、「上っ子タイムアクションシート」での自己評価、「上っ子タイム ワークシート」での相互評価を総合して児童一人一人を評価していきたいと考えてい る。
(4)教科等との関連(主なもの)
3 目標
○ 保育所での保育体験、介護センターでの介護体験、聾学校での交流活動を通して、
今を生きているのは自分たちだけではなく、様々な人がいるということが分かり、そ れぞれの違いを認めることができる。
○ それぞれの違いを認め、自他共に大切にすることの重要性に気付き、これからの生 活に生かしていくことができる。
手をつなごう、
今を生きる わたしたち
<国語>
・討論の仕方
・ガイドブックを 作ろう
<社会>
・世界の人々との つ な が り を 広
げよう <算数>
・ 世 界 の 中 の 日 本
<音楽>
・色々な歌声をき こう
<図工>
・色々な作品
<特活>
・ファミリー班
・各種行事
<道徳>
・思いやり・親切
・生命尊重
<体育>
・体力の違い
・成長の違い
<理科>
・生物の成長
・体のつくり
4 指導計画(60 時間)
段階 月 活 動 内 容 評価規準(観点)<評価方法>
気付く⑮ 5〜6
【前沢町立保育所、まえさわ介護セ ンター、宮城県立聾学校を訪問し よう】
★ 保育所、介護センターを訪問す ることにより、保育園児もお年よ りも一人一人違うことに気付くと 共に、聾学校を訪問することによ って、自分たちとの違いや共通点 に気付くことができる。
◎ 訪問、交流をするために必要な 準備をする。
◎ 実際に訪問、交流をする。
◎ 訪問、交流を振り返り、自分た ちとの違いや共通点について考え る。
○ それぞれの訪問、交流について、
事前学習を生かして活動しようと する。
(興味・関心・意欲)
<行動の観察、シートへの記述>
○ 訪問、交流をするための準備を 自分なりに考え、進めることがで きる。
(学び方・考え方)
<児童の発言、シートへの記述>
○ 訪問、交流の際、自分から積極 的に関わりをもつことができる。
(他者との関わり方)
<行動の観察、シートへの記述>
○ 自分たちとの違いや共通点につ いて考えることができる。
(学び方・考え方)
<シートへの記述>
つかむ② 7 【活動の課題と活動のゴールを考え よう】
★ 違いや共通点をさらに詳しく調 べるための課題を作ることができ る。
◎ 学級全体の課題を話し合う。
・ 赤ちゃん、お年寄り、障害者 について詳しく知ろう。
◎ 個人の課題を考える。
・ 聾学校の人達が、生活で困る ことはどんなことか。
・ お年寄りがしてほしいことは どんなことか。
・ 赤ちゃんは、どんな風にして 大きくなっていくのか。
★ 活動のゴールを設定することが できる。
◎ この活動のゴールを設定する。
・ いろいろな人がいることを劇 で表現したい。
・ それぞれの違いや共通点をま とめて発表したい。
◎ 活動の終わりには、自分がどの ように成長していたいのかを考え る。
・ いろんな人のことをたくさん 知って、人のことを考えられる 人になっていたい。
・ 障害者のことを詳しく知り、
その人達のために何かができる 人になっていたい。
・ 聾学校に行ったときは、とて も緊張して、自己紹介もままな らなかったので、今度このよう なことがあったらば、堂々とで きるようになっていたい。
○ 課題を自分なりに考えようとす る。
(興味・関心・意欲)
<行動の観察、シートへの記述>
○ 違いや共通点を基に、課題を自 分なりに考えている。
(学び方・考え方)
<児童の発言、シートへの記述>
○ ゴールを自分なりに考えようと する。
(興味・関心・意欲)
<行動の観察、シートへの記述>
○ ゴールを自分なりに考えてい る。
(学び方・考え方)
<児童の発言、シートへの記述>
○ 自分がどのように成長していた いのかを考えている。
(自己の生き方)
<シートへの記述>
行 動 す る
○23
7〜9
【課題を解決するために行動しよ う】
★ グループごとに解決するための 計画を立て、行動することができ る。
◎ グループに分かれて計画を立て る。
・ 夏休み中の自主活動計画を立 てる。
◎ 自主活動をまとめる。
◎ 自主活動で分からなかったこと やもっと深めたいことを出し合 い、計画を立てる。(本時)
◎ 計画に沿って行動する。
・ 赤ちゃん知り隊…保育所に行 って調査。
お母さんに聞いてみる。
・ お年寄り知り隊…介護センタ ーに行って調査。近所のお年寄 りに聞いてみる。
・ 障害者知り隊…社会福祉協議 会や養護学校での調査。キャッ プハンディー体験。
◎ お世話になった人への感謝の手 紙を送る。
○ 課題を解決するための計画を自 分なりに考えようとする。
(興味・関心・意欲)
<行動の観察、シートへの記述>
○ 課題を解決するためにどうした らいいのか、解決方法を考えるこ とができる。
(学び方、考え方)
<行動の観察、シートへの記述>
○ 課題を解決するために積極的に 行動しようとする。
(興味・関心・意欲)
<行動の観察、シートへの記述>
○ 関係する人達へ、積極的に関わ っている。
(他者との関わり方)
<行動の観察、シートへの記述>
○ 感謝の手紙に自分の気持ちを書 くことができる。
(他者との関わり方)
<手紙への記述>
まとめる⑮
10 【分かったことをまとめよう】
★ 行動し、分かったことをグルー プごとにまとめ、発表することが できる。
◎ 分かったことをグループごとに 話し合ってまとめる。
◎ グループごとに発表する。
★ 「人権」の意義を知り、特別な 人だけでなく、身の回りにいる人 すべてに関係があることを理解 し、発表する準備をすることがで きる。
◎ 人権の意義・内容や重要性を理 解する。
◎ 人権尊重に関して身につけた知 識をさらに主体的な行動に結び付 けさせるために発表の内容を考え る。
◎ 発表する準備をし、練習をする。
○ 自分から進んで話し合いに参加 しようとする。
(興味・関心・意欲)
<観察、シートへの記述>
○ 話し合いで自分の考えを積極的 に出している。
(学び方・考え方)
<行動の観察>
○「人権」について意味を調べたり、
考えたりしようとする。
(興味・関心・意欲)
<行動の観察>
○ 発表の準備、練習に積極的に参 加しようとする。
(興味・関心・意欲)
<行動の観察、シートへの記述>
○ 発表の準備、練習に積極的に参 加している。
(学び方・考え方)
<行動の観察、シートへの記述>
表現する③
11 【まとめの発表をしよう】
★ まとめたことを発表することが できる。
◎ まとめたことを堂々と発表す る。
○ まとめたことを自分なりに発表 しようとする。
(興味・関心・意欲)
<行動の観察、シートへの記述>
○ 堂々と発表することで自分に自 信をもつ。
(自己の生き方)
<行動の観察>
振り返る②
12 【これまでの活動を振り返ろう】
★ これまでの活動を振り返り、こ れからの生活に生かしていこうと する。
◎ これまでの活動を振り返る。
◎ これからの生活でどのように生 かしていくかを考える。
○ これからの自分の生活に生かそ うとする。
(興味・関心・意欲)
<シートへの記述>
○ 活動を通して、自分の成長に気 付く。
(自己の生き方)
<シートへの記述>
注 ★は目標を、◎は活動内容を表す。
5 本時の活動
(1)目標
○ 夏休みの自主活動において、解決できなかったことを出し合い、それらを解決す るためにどうしたらいいのか解決方法を考えることができる。
(2)展開
段階 活 動 内 容 評価規準(○)支援(●)留意点(・)
導入 (13 分)
1 自主活動で解決できたことと、でき ていないことを発表する。
2 今日の目標を知る。
・ 相互評価の観点を示す。
・ 他のグループの発表をよく聞かせ る。
・ 上っ子タイムアクションシートに 書かせ、意欲付けをする。
展開 (25 分)
3 個人で解決方法を考える。
・ 自分のグループのもの
・ 他のグループのもの
4 グループ毎に解決方法を話し合う。
5 グループ毎に話し合った解決方法 を発表する。
6 グループ毎に解決方法をまとめる。
・ 上っ子タイムアクションシートに 自分の考えを書かせる。
・ 書けない児童へは、個別に指導を 行う。
・ 上っ子タイムアクションシートに 書いた自分の考えを基にして、話し 合わせる。
○ 解決するためにどうしたらいい のか、解決方法を考えることができ る。
(学び方、考え方)
<行動の観察、シートへの記述>
● 解決方法がなかなか考えられな い児童に対しては、これまで経験し た方法を思い出させながら、考えさ せる。
・ 発表に対する質問、意見をとるこ とで、より深められるように配慮す る。
・ 質問や意見を基にグループ毎によ りよい方法を話し合い、まとめるよ うに指導する。
終末 (7分)
7 本時の活動を振り返り、感想、自己 評価、相互評価を書く。
・ 何人かに発表させることで、本時 の活動が有意義なものと感じられ るようにさせる。
よりよい解決方法を考えよう。