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教 育 研 究 員 研 究 報 告 書

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Academic year: 2021

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(1)

高等学校

成8年

教 育 研 究 員 研 究 報 告 書

東 京 都 教 育 委 員 会

(2)

教 育 研 究 員 名 簿

No.

i i

2 2

3 2

4 3

5 4

6 5 都 立 蔵 前 工 業 高 等 学

7 6 都 立 第 三 商 業 高 等 学

8 8

9 9

教育庁指導部高等学校教育指 導課 指導主事 上村

(3)

研 究 主 題 多 様 化 して い る 現 代 社 会 の 中 で 、 自 己 の 価 値 に 関 す る 思 索 を 深 め 、 人 間 尊 重 の 精 神 に 基 づ い て 、 諸 問 題 を 解 決

して い く能 力 を 養 う 指 導 の 工 夫

1主 題 設 定 の 理 由 と 研 究 の 経 過

主題設定 の理 由 研究 の経過

42

IIこ れ か ら の 地 球 市 民 と して の 生 き方

nQ4

研究 内容 と方法 指導計 画 指導 案 資料

030000

高 齢 化 社 会 に お け る 尊 厳 あ る生 き 方

190

研 究内容 と方法 指導計画 指導案

〔「倫 理 」 で の 指 導 案 〕

〔「政 治 ・経 済 」 で の 指 導 案 〕

4資

QQQσQQU9411

IV人 権 保 障 の 発 達 と基 本 的 人 権 の 保 障

160

研究 内容 と方法 指導計画 指導案

〔「マ ス メ デ ィ ア と 人 権 」 に っ い て の 指 導 案 〕

〔「知 的 所 有 権 」 に っ い て の 指 導 案 〕

0ρ0881i11111

(4)

研 究 主 題 多 様 化 して い る 現 代 社 会 の 中 で 、 自 己 の 価 値 に 関 す る 思 索 を 深 め 、 人 間 尊 重 の 精 神 に 基 づ い て 、 諸 問 題 を 解 決 して い く能 力 を 養 う 指 導 の 工 夫

1主 題 設 定 の理 由 と研 究 の経 過

1主 題 設 定 の 理 由

現 在 、 わ が 国 に お い て は 、 情 報 化 ・国 際 化 ・高 齢 化 な ど が 急 速 に進 展 す る な ど の 社 会 の 変 化 に 伴 って 、 様 々 な 新 し い 問 題 が 発 生 して い る 。 た と え ば 、 情 報 化 の 進 展 は 、 個 人 情 報 の 漏 洩 な ど プ ラ イ バ シ ー の 保 護 を め ぐ る 問 題 を 発 生 さ せ 、 高 齢 化 は 、 高 齢 者 が ど の よ う に し て 生 き 甲 斐 の あ る 生 活 を して い くか 、 ま た 、 社 会 が 高 齢 者 を ど の よ う に 支 え て い くか と い う よ う な 、 高 齢 者 の 問 題 を 深 刻 に さ せ て い る 。

世 界 に お い て も、 多 極 化 が 進 む な か で 各 地 で 政 治 的 ・経 済 的 ・宗 教 的 な 紛 争 か ら難 民 問 題 を 発 生 さ せ 、 ま た 、 地 球 的 規 模 で の 環 境 破 壊 が 一 層 激 し く進 行 して い る 。

本 部 会 で は 、 こ の よ う に 多 く の 課 題 を か か え た 現 代 の 社 会 を 生 き る 生 徒 に 対 し て 、 公 民 と し て の 資 質 を 養 う た あ に は ど の よ う な 指 導 が 有 効 で あ る か を 検 討 し た 。 そ して 、 社 会 的 連 帯 感 や 責 任 感 の 低 下 に よ る 心 の 荒 廃 が み られ る 現 代 に お い て は 、 人 間 尊 重 の 精 神 に 基 づ い て 思 索 を 深 め る学 習 が 重 要 で あ る と考 え た 。 そ こ で 、 自 己 の 価 値 観 を 形 成 す る に 当 た り 、 人 間 の 尊 厳 を 大 切 に す る と い う基 本 姿 勢 に 立 っ て 、 社 会 の 諸 問 題 を 生 徒 自 らが 解 決 す る 能 力 の 育 成 を 目指 して 、 本 研 究 主 題 を 設 定 し た 。

2研 究 の 経 過

ま ず 、 各 研 究 員 の 日 々 の 授 業 で の 取 り組 み の 中 か ら、 本 年 度 の 研 究 主 題 に ふ さ わ し い 課 題 を も ち 寄 る こ と か ら は じ め た 。 「倫 理 」 を 主 に担 当 す る者3名 、 「政 治 ・経 済 」 を 主 に 担 当 す る 者 6名 が 、 そ れ ぞ れ の 授 業 実 践 で 明 ら か に な っ た 問 題 を 検 討 し、 あ ま ぐ る し く変 化 す る 現 代 社 会 の 中 で 登 場 し て き た 新 しい 事 象 に っ い て 教 材 化 す る こ と を 試 み た 。 そ の 結 果 、 本 年 度 の 研 究 で は 、 ① 沙 漠 の 緑 化 を 題 材 と し た地 球 環 境 か らの ア プ ロ ー チ と して 「こ れ か らの 地 球 市 民 と し て の 生 き方 」 ② 「高 齢 化 社 会 に お け る尊 厳 あ る生 き方 」 ③ 「人 権 保 障 の 発 達 と基 本 的 人 権 の保 障 」

に 関 わ る 問 題 の 中 で 「マ ス メ デ ィ ア と 人 権 」 及 び 「知 的 所 有 権 」、 を と り あ げ た 。 本 部 会 で は 、 以 上 の3テ ー マ に 焦 点 を 当 て 、 そ れ ぞ れ の 研 究 班 に 分 か れ て 共 同 研 究 を す る こ と と し た 。

次 に 、 設 定 し た テ ー マ に 沿 っ た 研 究 内 容 を 各 研 究 員 が そ れ ぞ れ 提 案 し、 研 究 協 議 を 重 ね た 。 多 様 化 して い る現 代 社 会 を ど の よ う な 視 点 で と ら え る か と い う認 識 と 、 生 徒 が 、 周 囲 に 流 さ れ る こ と な く 自 己 の 思 索 を 深 め て 各 自 の 価 値 観 を し っ か り と確 立 して い く た め の 方 向 づ け を す る こ と の 大 切 さ を 確 認 した 。 そ こ で 、 人 間 尊 重 の 精 神 を 基 調 に 置 き 、 多 様 化 して い る 現 代 社 会 の 様 々 な 問 題 を 解 決 す る学 習 を 通 して 、 人 間 と して の 在 り 方 生 き方 に 関 す る 考 察 を 深 め る 指 導 内 容 ・方 法 の 研 究 を す る こ と に し た 。

一2一

(5)

IIこ れ か らの地 球 市 民 と して の生 き方

1研 究 内 容 と 方 法

(1)21世 紀 に 向 け た 倫 理 の 学 習 の 枠 組 み に っ い て

従 来 の 「倫 理 」 の 学 習 で は 、 数 多 くの 哲 学 者 ・思 想 家 の 思 想 に つ い て 学 習 す る こ と に 重 点 が 置 か れ る こ と が 多 く、 「今 、 こ こ に 生 き て い る 私 」 が 「こ れ か ら 、 ど の よ う に 生 き よ う と す る の か 」 と い う こ と に っ い て の 学 習 が 十 分 に 行 う こ と が で き な い 傾 向 も み ら れ た 。 本 グ ル ー プ で は 、 生 徒 が ど の よ う に 生 き て い くか に っ い て の 思 索 を 深 め る こ と を

目指 し、 「よ り よ い生 き 方 と は 何 か 」 と い う主 題 を 倫 理 の 授 業 で ど の よ う に 展 開 し て い く か に っ い て 検 討 を 行 っ た 。 そ の 際 、 人 間 が 地 球 上 に 生 き る 多 様 な 生 物 の 一 っ で あ る こ と を 認 識 し、 人 類 や 地 球 環 境 と い っ た 広 い 視 野 に 立 っ て 考 え る こ と が で き る よ う に 工 夫 し た 。

個 人 の 生 き 方 は 、 本 人 を と り ま く生 活 や 社 会 の 環 境 、 時 代 の 思 潮 と い っ た も の を 抜 き に し て は 考 え る こ と が で き な い 。 い か な る個 人 も 時 代 の 精 神 を 呼 吸 し、 時 代 の か か え る 問 題 状 況 に 影 響 を 受 け な が ら生 き て い る 。 個 人 が 自 ら の 生 き 方 を 考 え る と き も 、 自 分 を 取 り巻 く環 境 を 意 識 し、 そ の 中 か ら 自分 に と っ て 好 ま しい も の を 選 び と って 生 きて い る。

しか し 、 高 度 に 発 達 し た 流 通 網 と情 報 網 を もっ 肥 大 化 し た 現 代 社 会 の 中 で 、 金 銭 さ え あ れ ば 物 や サ ー ビ ス が 得 られ る 環 境 の 中 で 育 っ た 青 年 に と っ て は 、 人 間 に と っ て 何 が 基 本 的 に 大 切 な も の か を 見 分 け る こ と は 容 易 で は な い 。 ま た 、 自分 た ち の 物 質 的 な 欲 望 の 充 足 が 、 地 球 環 境 や 開 発 途 上 国 の 状 況 と ど の よ う に 関 係 し て い る か に 気 付 く こ と は 難 か し い 。 とか く個 人 的 な 消 費 生 活 に の み 目 が 向 き が ち な 青 年 に 、 今 日 、 人 類 に課 せ られ た 問 題 が 何 で あ る か を 自 分 自 身 の 問 題 と して 認 識 さ せ 、 頼 も し い21世 紀 の 担 い 手 と して の 成 長 を い か に し て 促 す か が 、 「倫 理 」 の 学 習 や 教 育 の 正 念 場 と も い え る 。

②21世 紀 を 迎 え る人 類 に 課 せ ら れ た 諸 問 題 と は何 か 、 そ れ らを ど の よ う な 倫 理 観 に 基 づ い て 考 え 、 解 決 し て い く べ き か の 図 式 例 を 、 次 頁 に示 し た 。 こ の 図 が 示 す よ う に 、 今 日 、 我 々 が か か え て い る様 々 な 問 題 群 は 、 人 類 の 生 き残 り が か か っ た地 球 環 境 問 題 を 筆 頭 に 、 い ず れ も解 決 困 難 な 問 題 ば か り で あ る 。 そ の 問 題 解 決 へ の 正 し い方 向 を 考 え な が ら 生 き て い く こ と が 、 今 、 我 々 に 求 め ら れ て お り 、 倫 理 の 学 習 も そ の 点 に 配 慮 し て い く こ と が 大 切 で あ る 。 そ して 、 た だ 人 類 が 地 球 上 に 生 き残 る た あ だ け の技 術 論 で は な く、生 き残 っ た 上 で な お い か に 生 き て い く か を 問 う こ と が 、 倫 理 の 学 習 の 課 題 と い え る 。 そ の意 味 で 、 こ れ か ら の 倫 理 の 学 習 で は 、 新 し い 地 球 共 同 体 の 倫 理 と も い う べ き も の を 確 立 し て い く

お おた にひで ひ と

こ と が 必 要 で あ る 。 こ れ に 関 して 倫 理 学 者 の 大 谷 愛 人 が 整 理 した 、 新 し い 倫 理 の5っ 転 換 を あ げ て お く。

人 間 中 心 の 倫 理 か ら 「生 へ の 畏 敬 」 の 倫 理 ヘ

イ 「自 己 」 の 意 味 へ の 無 関 心 の 状 態 か ら、 「人 間 と して の 自 己 」 の 意 味 へ の 目 覚 め を も っ こ とへ(す な わ ち 「意 味 へ の 指 向 性 」)

人 間 と し て お か れ て い る が 故 に 、 そ の 「自 己 」 に 託 さ れ て い る 「他 者 」 に 対 す る

「使 命 」 と 「課 題 」 に 目 覚 め る こ と(す な わ ち 「共 苦 と共 同 の 論 理 に 生 き る こ と 」)

(6)

2■ 世 紀 の 社 会 に 応 じ た 新 し い 「倫 理 」 の 構 想 研 究 主 題

「多 様 化 し た 現 代 社 会 の 中 で 、 自 己 の 価 値 に 関 す る 思 索 を 深 め 、 人 間 尊 重 の 精 神 に 基 づ い て 、 諸 問 題 を 解 決 し て い く 能 力 を 養 う 指 導 の コ〔夫 」

〈 現 実 の 世 界 〉1

(研 究 主 題)多 様 化 した 現 代 社 会

時 代 ・社 会 の 中 心 的 な 価債 の喪 失 自由 な 民 主 社 会 衝健 の相 対 化

ニ ー チ ェr神 の 死 」

L

社 会 組 織 の 巨 大 化 、人 間 疎外

自捜 の孤 独 人 間 的 な 共 同 体(故 郷)の 回 復 と不 安 ま たは 、全 体 主 義 的 雰 囲 気 へ の 埋 没 ・熱狂

〈 自 己 の あ り 方 〉

(研 究主 題)自 己 の価 値 に関 す る思 索

孤 立 的 な 「自 己 」 の 意味 への 無 関 心 状 態 」→

「人 間 と して の 自己 」 の 意 味 へ の 目覚 め

例 キ ル ケ ゴ ー ル 他 者 ・生 命 あ るも の ・自然 に 囲 まれ 、 そ れ ら に支 え られ て 生 きて い る人 間 の在 り コに つ い て の 自

i

〈 こ れ か ら の 課 題 〉

(研 究 主 題)人 間 尊 重 の 精 神 に基 づ く問 題解 決

r

1 :

「2■ 問 題 群 」**

=人 類社 会に課せ られた課題

rr人 間 』 で あ るが 故 に 、 自己 に託 さ れ て い る 他者 に 対す るP使 命 』 「課 題 』 の 自覚 」*

r共 苦 と共 同 の 論 理ez生 き る こ と」*

神 谷 美恵 子 「生 きが い に つ い て 」

と もが ら(倫)の 理 と して の 「倫理 」 の 回 復

糟 鞭護嚥

②国家

③宗教

財政民族人権

戦争 ・地 域 紛 争

人類社会 の融和

「人 間 中 心(エ ゴ イ ズ ム)の 倫 理 か ら 、

『生 へ の 畏敬 』 の倫 理 へ」*例 シ ュ ヴ ァイ ツ アー

難民問題 経済 難民

>1 環境 難民

紛 争 に よ る難 民

讐[雛 誹 灘1雪̲題

轡[縫 撫;

常A

11

2「欲 望 横 溢 の 社会 とそ の勢 位 の も とで の 生 活 」 か らr節 制 と充 足 を体 質 とす る

社 会 と生 活 」へ の転 換*

◇ 人 間中 心 的 発 想 → 環 境 ・生 態 系 と 競 争 ・開発 の原 理 の調 和

◇ 利 潤 ・財 貨 優 先 主 義 → 人 権 の 尊 重

◇ 排 他 的 民 族 主 義 → 人 類 の 連 帯 意 識 民 族 共 存 の原 則

i(本 指 導 案 の 具 体 例)

i遠 山 正 瑛 の 沙 漠 緑 化 事 業 1と 市 民 の ポ ラ ン テ イ ア

し̲.̲̲.̲.̲.̲.̲̲.̲.̲.̲.̲.̲̲.̲̲.̲̲.̲.̲、̲̲.̲.1

2■ 世 紀 の 地 球 文 化

・人 類 文 化 の 創 造

(補 足)

(ア)上 記 の 表は 、今 回 の研 究 主 題 に そ って 考 え た 「倫 理」 の全 体 計 画 の 案 で あ る。左 側 に 「21世 紀 問題 群 」 と題 し て示 され た人 類 社 会 の諸 問題 に対 し、 そ れ を解 決 す る倫 理 の 基 本 的 な在 り方 として 、右 側 の 「21世 紀 の新 しい倫 理 観 」が 対 応 して い る 。過 去 にお け る 思 想 史 的 な配 列 を 中心 と したr倫 理 」 の 枠 組 み を脱 却 し、人 類 社 会 が 直 面 して い る現 実 の問 題 を認 識 し、 それ らの 諸 問 題 を解 決 す る た め の指 針 とな る よ うな 新 しい 倫 理 観 の 確 立 を 目指 した も の であ る。 な お*印 の語 句 は 、以 下 の 著 書 か ら引 用 し た 。

*大 谷愛 人 「倫 理 学 講 義 」 勤 草 書 房

**中 村 雄 二 郎 「21世 紀 問題 群 」岩 波書 店

(イ)沙 と砂 につ い て 遠 山 正 瑛 は 水 に 乏 しい とい う意 味 で の 「沙 漠 」 を使 い 、砂 沙 漠 を意 味 す る 「砂 漠 」 は 使 わ な い 。 ただ し著 書 の 題 名 で は両 力 が使 われ て い る。

一4一

(7)

「欲 望 横 溢 の 社 会 と そ の 勢 位 の も と で の 生 活 」 か ら 「節 制 と充 足 と を 体 質 と す る 社 会 」 ヘ

「文 化 」 創 造 に 対 す る 根 本 的 態 度 の 転 換 〜 他 者 の 関 心 を ひ こ う と す る 他 人 指 向 的 な

「表 現 形 式 」 追 求 第 一 主 義 か ら、 精 神 的 な も の 、 人 間 の 根 本 価 値 、 人 間 性 を 本 質 と す る 「内 実 根 拠 」 追 求 第 一 主 義 へ

以 上 の5つ の 点 は 、 これ か ら の 社 会 に お け る 倫 理 的 な課 題 を 示 した も の で あ る が 、本 グル ー プ で は 、 こ う し た 倫 理 的 な 課 題 を 踏 ま え た 生 き 方 を して い る 人 物 を 取 り上 げ て 教 材 化 し 、 生 徒 が 自 分 の 生 き 方 に つ い て 考 え る こ と が で き る よ う工 夫 し た 。

(2)「 地 球 市 民 」 と して の 生 き 方 の 学 習

とお や ませ いえ い

遠 山 正 瑛 の 中 国 で の 沙 漠 緑 化 の 事 業 の 実 践 例 を 通 して 、 自然 環 境 を 守 る 地 球 市 民 と し て の 生 き方 を 学 ぶ 。

市 民 の ボ ラ ンテ ィ ア に よ っ て 成 り立 つ 沙 漠 緑 化 事 業 が 、 農 地 の 回 復 、食 糧 問 題 の 解 決 、 日 中 の 国 際 交 流 に 貢 献 し、 世 界 の 平 和 に っ な が る 具 体 的 な 道 で あ る こ と を 理 解 す る 。

生 徒 が 身 近 な 環 境 問 題 と そ の 解 決 を 討 議 し、 地 球 市 民 と して の 生 き 方 を 考 え る 。 2指 導 計 画

学 習 指 導 要 領 の 「倫 理 」 の 「② 現 代 社 会 と倫 理 」 の 「イ 現 代 社 会 を 生 き る 倫 理 」 に 示 さ れ た 「自然 や 科 学 技 術 と人 間 の か か わ り」 の 内 容 を 、5時 間 で 扱 う 。

第1時 近 代 自 然 科 学 の 成 立:16〜17世 紀 の 西 洋 の 近 代 自然 科 学 の 誕 生 第2時 地 球 環 境 問 題:環 境 の 破 壊 と汚 染

第3・4時 地 球 環 境 問 題 の 解 決 の 実 践 例:沙 漠 緑 化 の 事 業(本 時) 第5時 環 境 倫 理:地 球 の 生 態 系 に 対 応 し た 人 類 の 文 明 の 在 り方 3指 導 案

(1)本 時 の ね ら い

「こ れ か ら の 地 球 市 民 と して の 生 き 方 」 に つ い て 、2時 間 の 連 続 授 業 で 学 習 す る 。 第1時(第3時 限)

解 決 困 難 な 問 題 で も 、 自 己 の 使 命 を 自 覚 して 、 生 涯 を か け て 取 り組 ん で い る 人 が い る

とお やま せい えい

こ と を 、 沙 漠 緑 化 運 動 の 実 践 者 遠 山 正 瑛 の 生 き 方 を 通 じて 認 識 す る 。

沙 漠 緑 化 の 積 極 的 意 義 と して 、 遠 山 正 瑛 の 「緑 の 平 和 論 」 を 理 解 す る 。

人 間 と して の 「自 己 」 に 託 さ れ て い る 、 「他 者 」 に 対 す る 使 命 と 課 題 に 目 覚 あ る 生 き方 を 理 解 す る 。

第2時(第4時 限)

こ れ か ら の 地 球 市 民 と して の 生 き 方 の 方 向 性 を 認 識 す る 。

緑 化 事 業 を 例 に 、 こ れ か らの 望 ま し い 国 際 協 力 の 在 り方 を 考 え る 。

地 球 の 環 境 問 題 の 解 決 に 向 け て 、 自 分 た ち が 実 践 で き る こ と に つ い て 考 え る 。 (2)展 開 例(100分)

学習項 目 指導上 の留意点

沙 漠 化 に っ い ・地 球 環 境 問 題 の 一 っ で あ る 「沙 漠 化 」 に っ い て 自 ・ グ ル ー プ ご と

(8)

分 の 知 識 を 確 認 す る 。 に 着 席 さ せ る 。

沙 漠 化 は ど れ く ら い の 速 さ で 進 む の か 。 ・OHPと ワ ー ク

10 沙 漠 化 の 原 因 は 何 か 。 シ ー ト を 利 用 す

沙 漠 化 が 人 類 に ど の よ う な 影 響 を 与 え る か 。 る 。

沙漠緑化 の実 ・沙 漠 化 の 問 題 を 、 ど う し た ら よ い と 思 う か 。 ・沙 漠 緑 化 運 動 沙漠緑化 の実践者 遠山正瑛 につ いて の学習 を紹介 した新 聞

「他 者 」 へ の 生 涯 の あ ら ま し に つ い て の 説 明 を 読 ま せ る 。 東 使 命 に 目 覚 め 中 国 の 沙 漠 緑 化 に 取 り組 む よ う に な っ た 、 実 京 新 聞(1995.6.

存 的 な 契 機 に つ い て 26)サ ン ケ イ 新

中 国 の か か え 今 日 の 中 国 の 人 口 問 題 に っ い て 聞(1995.7.6夕

へ い はい ず も うり ゆう

る 人 口 問 題 〜 一 人 っ子 政 策 、黒 核 子 、盲 流 な ど の諸 問 題 刊)

沙漠緑化 の意 遠 山 正 瑛 の 「緑 の 平 和 論 」 ・ ワ ー ク シ ー 〜 中 国 で 沙 漠 緑 化 が 実 現 可 能 な こ と を 実 証 し、 を 利 用 し て 、 遠 そ れ を 端 緒 と して 世 界 の 沙 漠 緑 化 事 業 へ と 発 展 山 正 瑛 の 略 歴 、 さ せ 、 沙 漠 地 域 の 住 民 の 貧 困 を な く し、 紛 争 や 中国 の人 口問題 戦 争 の 原 因 の ひ と つ を 取 り 除 い て 、 世 界 平 和 の を 学 ば せ る 。 人

実 現 に 貢 献 し よ う と す る考 え 方 。 口 問 題 が 人 々 の

沙漠緑化 の実 沙漠緑化事業 にっ いての学 習 人権 を損 な う原

70 ビ デ オ 学 習(15分) 因 と も な っ て い

ポ プ ラ100万 本 植 林 達 成 の 具 体 的 取 り組 み 。 る点 を 強 調 す る。

国際協力 の在 植 林 活 動 の 実 践 か ら、 国 際 協 力 の 在 り方 を 考 ・ ビ デ オ(15分)

り方 察 す る 。 を 利 用 す る 。

a中 国 人 の現 地 雇 用 〜 〈 牧 民 〉 をく 農 民 〉 へ ・ ・ (日 本 沙 漠 緑 化 現 地 の 住 民 の 現 金 収 入 の 増 収 を 図 り 、 生 活 を 実 践協会制 作 の 安 定 さ せ 、 家 畜 の 過 放 牧 に よ る沙 漠 化 を 防 止 ビ デ オ)

す る 。 ・植 林 事 業 が 現

b日 本 人 ボ ラ ン テ ィ ア 「緑 の 協 力 隊 」 に よ る 地 の 人 々 の 生 活 日 中 の 民 間 交 流 … 地 球 市 民 に よ る 市 民 運 と結 び 付 い て い 動 へ 。 市 民 レ ベ ル の 交 流 に よ る 相 互 理 解 で 平 る点 な ど を 、 ワ ー

和 の 礎 を っ く る 。 ク シ ー ト で ま と

c国 内 で の 緑 化 協 力 活 動 … 紙 コ ッ プ 集 あ め さ せ る 。 生徒 自身 の問 遠 山 正 瑛 の 生 き方 か ら学 ん だ こ と 、 感 想 な ど を ・バ ズ学 習 を 行

題 へ の 関 わ り 話 し 合 う 。 な い 、 代 表 者 に

20 方 を 考 え る 身 近 な 環 境 問 題 の 解 決 に 向 け て 、 自 分 た ち の 出 グ ル ー プ の 意 見

来 る こ と は 何 か に っ い て 話 し 合 う 。 を 発 表 さ せ る 。

(3)評 価 の 観 点

次 の 事 項 に つ い て 、 生 徒 が 自 分 の 言 葉 で 説 明 で き る か 。

一6一

(9)

沙 漠 化 の 原 因

沙 漠 緑 化 の 意 義 〜 「緑 の 平 和 論 」 の 考 え 方

「地 球 市 民 」 に よ る市 民 運 動 を 通 して の 、 望 ま し い 国 際 協 力 の 在 り方 と 条 件

地 球 の 環 境 問 題 を 生 徒 が 自 分 自 身 の 課 題 と し て 受 け と め 、 身 近 な 環 境 問 題 に 対 し て 自 分 が ど の よ う な 行 動 が と れ る か を 考 え 、 自 分 の 意 見 と して ま と め て 発 表 で き る か 。

ホ ー ム ル ー ム 、 生 徒 会 、 ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 な ど 、 授 業 以 外 の 活 動 の 場 に お け る 実 践 的 な 行 動 と して 、 学 習 内 容 を 発 展 的 に 生 か す こ と が で き る か 。

(4)分 析 と考 察

「これ か ら の 地 球 市 民 と して の 生 き 方 」、 す な わ ち 「他 者 」 に 対 す る 使 命 と課 題 に 目 覚 め る生 き 方 が 、 実 際 の 授 業 を 経 て 生 徒 に ど う伝 わ っ た か を 見 る こ と に し た い 。

ま ず 、 遠 山 正 瑛 の 生 き 方 に っ い て は 、 素 直 に 「感 動 した 」、 「す ご い 」、 「尊 敬 で き る 」、 「夢 を 人 々 に 与 え る こ と の で き る 人 」、 「自 分 の 生 涯 を 現 役 で い続 け よ う と す る 精 神 は 見 習 う べ き も の が あ る 」 と 、 大 多 数 の 生 徒 が 肯 定 的 な感 想 を 述 べ て い る 。 そ して 、 彼 の 将 来 を 見 通 し た 長 期 的 展 望 と緻 密 さ に つ い て 、 「一 般 の ボ ラ ン テ ィ ア よ り一 段 高 い 所 に い る 」 と 評 し た 生 徒 も い る 。 ま た 、 「沙 漠 緑 化 の 話 しを 聞 い て 半 分 信 じ られ な か っ た が 、 ビ デ オ で 実 際 の 映 像 を 見 て 実 現 で き る と分 か っ た 、 将 来 お 金 を 貯 あ て 自 分 も植 林 活 動 に 参 加 した い 」 と い う声 も あ っ

た 。ま た 、も っ と マ ス コ ミや 教 科 書 で 取 り上 げ るべ き だ と い う意 見 も あ っ た 。

次 に 身 近 な 環 境 問 題 に つ い て は 、 ゴ ミ問 題(分 別 収 集 、 リサ イ ク ル 、 ポ イ 捨 て し な い)を あ げ る も の が 圧 倒 的 に 多 か っ た 。 な か に は 「今 ま で い い 加 減 に ゴ ミを 捨 て て い た 自 分 が 恥 ず か し い 。 こ れ か ら は き ち ん と分 別 し た い 」 と い う反 省 も あ っ た 。 実 際 に 授 業 の 後 で ゴ ミの 分 別 状 況 が よ くな っ た ク ラ ス も あ っ た 。 そ の 他 、 紙 を 無 駄 に し な い 、 酸 性 雨 対 策 と して 自 動 車 の 使 用 を 控 え る 、 川 を 汚 さ な い な ど が あ げ られ て い た 。

最 後 に 、 「地 球 市 民 の 生 き方 」 に つ い て 述 べ た 感 想 を あ げ て お く 。

「私 は こ れ か ら先 、 っ ね に 『自 分 は 地 球 に 対 して 何 が で き る か 』 と い う事 を 心 に お い て 行 動 し よ う と 思 い ま す 。 … 人 間 が 人 間 で あ る た め に も、 『地 球 に 対 し て 何 が で き る か 』 と い う事 は 欠 か せ な い 事 だ と思 い ま す 。」、 「こ れ は 他 人 事 じ ゃ な く 自 分 た ち ひ と り ひ と り の 問 題 だ か ら、 誰 も逃 げ な い で 真 正 面 か ら こ の 問 題 に っ い て 考 え て い き た い 。」、 「自 分 た ち に と っ て 、 そ の 時 だ け の よ い こ と に ふ り ま わ さ れ な い で 、 も っ と永 い 目 で 見 て 、 本 当 は ど うす る べ き か を 考 え な け れ ば な ら な い 。 考 え た ら 、 そ れ を 行 動 に 移 さ ね ば な ら な い 。 そ れ が 自 分 の 人 生 に も 、 自 分 の 子 孫 の 人 生 に も大 き く か か わ る こ と を 、 考 え な く て は な ら な い と 思 う 。」、

「楽 を す る こ と を 中 心 に 考 え て い く よ り も 、 自分 た ち の 住 ん で い る 地 球 の こ と を 中 心 に 物 事 を 考 え る べ き だ と 思 う。 私 た ち は 地 球 に 住 ま わ せ て も ら って い る の だ か ら 、 感 謝 し な け れ ば な ら な い 。」、 「私 が 人 間 と して 生 ま れ て き た 意 味 ・目 的 、 そ して 、 人 間 は 本 当 は 何 の た め に 生 き て い る の か 、 そ の 答 を 、 彼 の 人 生 を 知 る こ と に よ り少 し分 か っ た よ う な 気 が し ま す 。」

(5)参 考 文 献

遠 山 正 瑛 「沙 漠 緑 化 に 命 を か け て 」TBSブ リタ ニ カ

遠 山 柾 雄 「沙 漠 緑 化 へ の 挑 戦 」 読 売 新 聞 社

大 谷 愛 人 「倫 理 学 講 義 」 勤 草 書 房

(10)

4資 ワ ー ク シ ー ト 1沙 漠 化 の 原 因 に っ い て

1東 南 ア ジ ア や ア マ ゾ ン の 熱 帯 雨 林 の 開 墾 ・開 発 発 展 途 上 国 に お け る((人 口 》 の 増 加

atOC

羅 籠櫨勤

2社 会 の 工 業 化 に よ る 弊 害

aDC

土 壌 の 荒 廃 ・《風 食) に よ る表 土 の 喪 失

先 進 国 に よ る 建 築 材 ・パ ル プ 材 と して の((木 材 》 の 伐 採 生 活 用 水 ・工 業 用 水 の た め の 《地 下 水))の くみ す ぎ

工 場 や 自 動 車 な ど か ら の 《二 酸 化 炭 素 》 の 排 出 が 原 因 と な る((温 室 》 効 果 → 地 球 の((温 暖 》 化

II中 国 の 人 口 問 題

現 在 お よ そ 《12億 》 人 の 人 口 を ど の よ う に養 う か の 問 題 1中 国 政 府 のK‑一 人 っ 子 》 政 策

→ 戸 籍 を もた な い 《黒 核 子[へ い は い ず]》 の 増 大 と そ の 人 権 の 問 題 → 推 定((7000万 》 人

2農 村 部 の 貧 困 → 都 市 部 へ の 人 口 の 流 入=((盲 流 》 の 問 題 3食 糧 ・資 源 ・ 《エ ネ ル ギ ー 》 の 不 足

地 球 の 沙 漠 化

1年 に((6万))㎞ 沙 漠 化 し て い る 。

日本 の 国 土 に あ て は め れ ば 《九 州 》 と ((四国 》 を 合 わ せ た 面 積 に 相 当 す る 。

遠 山正瑛 の略歴

1906年 1934年 1935年 1942年 1948年 1963年 1972年 1984年

1991年 1995年 1996年

山 梨 県 で 生 ま れ る

京 都 帝 国 大 学 農 学 部 卒 業(27歳)

中 国 に 留 学[華 北 を 視 察](28〜29歳)→((日 中 》 戦 争 が 始 ま る 旧 制 鳥 取 高 等 農 林 学 校 の 教 授 と な る(35歳)

鳥 取 大 学 農 学 部 の 教 授 と な る(41歳)

鳥 取 大 学 付 属 砂 丘 研 究 施 設 長 と な る(56歳)→K鳥 取 砂 丘 》 の 農 業 利 用 を 研 究 鳥 取 大 学 を 退 官(65歳)→ こ の 年 にK日 中 》 国 交 の 回 復

鳥 取 に 沙 漠 開 発 研 究 所 を 開 設 す る

中 国 沙 漠 開 発 日 本 協 力 隊 を 編 成 す る(77歳)

中 国 の 沙 披 頭[さ ば と う]で 《ブ ドウ 》 栽 培 の モ デ ル 農 場 を 作 る 日本 沙 漠 緑 化 実 践 協 会 を 設 立(84歳)

ク ブ チ 沙 漠 の 恩 格 貝[お ん か く ば い コ でKポ プ ラ》 植 林100万 本 を 達 成 す る(88歳) 現 在 、 次 の 段 階 と し て200万 本 植 林 を 目標 に 継 続 中 で あ る

子 の 遠 山 柾 雄 、 孫 の 寿 子 も沙 漠 緑 化 の 運 動 を 継 承 し て い る

寄 付 ・会 費 IV中 国 に お け る遠 山 正 瑛 の 植 林 事 業 の 実 践

賃 金

1

》へ一 鑛 地雇用 鏡ぬ 入による

生 活 の安 定 2

農場経営

日本沙鱗 会一[ボ ・議 蠣 の種

1幣 瀧;婁 畢

植 林 活 動 ←̲̲̲幽 日本 人 の ボ ラ ンテ ィア 団体

=((緑 の 協 力 隊

沙泌 生態系》の回復をはかる

y日 中 の民 間 交 流

商 品 的 価 値 の あ る((農 産 物 》 の生 産 V緑 化 の 技 術

1砂 の 移 動 を 防 止 す るた め に((草 方 格[そ う ほ うか く]》を作 る 2植 生 の回 復 ・黄 河 の洪 水 対 策 と して((葛 》 を植 え る

3牧 柵[家 畜 の過 放 牧 対 策]

4苗 木 の活 着 率 の 向上 の た あ に保 水 剤 を 使 用 す る

・住 宅 材 ・薪 と して 利 用 す る た め に((ポ プ ラ》 を 植 林 す る

一g一

(11)

高 齢 化 社 会 にお け る尊 厳 あ る生 き方

肇.研 究 内 容 と 方 法

医 療 技 術 の 高 度 化 な ど に よ り 、 平 均 寿 命 が 伸 び る と と も に 、 高 齢 化 社 会 が 急 速 に 到 来 し て い る 。 そ の 結 果 、 高 齢 者 の 尊 厳 あ る生 き 方 と は何 か が 問 わ れ は じめ て い る 。 そ こ で 、 こ の テ ー マ に 基 づ い て 、 在 宅 介 護 の 問 題 に つ い て 、 「倫 理 」 と 「政 経 」 の そ れ ぞ れ の 観 点 か ら ア プ ロ ー チ を 試 み 、 「生 徒 が 自 ら考 え 解 決 して い く姿 勢 」 を 育 成 す る こ と を ね ら い と し た 指 導 案 を 作 成 した 。

◎ 在 宅 介 護 の 共 通 事 例

「倫 理 」 一 痴 呆 老 人 の 心 の 問 題 の 観 点 か ら、 生 命 へ の 畏 敬 の 立 場 に 立 っ て 尊 厳 あ る 生 き 方 と は 何 か を 考 え さ せ る 。

「政 経 」 一 高 齢 者 福 祉 の 制 度 の 観 点 か ら 、 今 後 の 日 本 の 社 会 保 障 の 在 り方 に っ い て 考 え さ せ る 。

(注)日 本 は1994年 に 高 齢 化 率 が14%を 超 え 、 国 連 の 指 針 で 言 う 「高 齢 社 会 」 の 段 階 に 入 っ た 。 本 稿 で は 「高 齢 社 会 」 で は な く、 従 来 の 用 語 で あ る 「高 齢 化 社 会 」 で 統 一 す る こ と に し た 。

2.指 導 計 画

「倫 理 」 で は 、 学 習 指 導 要 領(2)「 現 代 社 会 と 倫 理 」 の(イ)「 現 代 社 会 を 生 き る 倫 理 」 で 扱 い5時 間 で 学 習 す る 。 第1時 限 で は 「人 間 の 尊 厳 と 生 命 へ の 畏 敬 の 思 想 」、 第2時 限 が 本 時 、 第3時 限 で は 「イ ン フ ォ ー ム ド ・ コ ン セ ン ト」、 第4時 限 で は 「安 楽 死 、 尊 厳 死 」 第5時 で は 「脳 死 ・臓 器 移 植 」 を 内 容 と す る 。

「政 治 ・経 済 」 で は 、 学 習 指 導 要 領(3)「 現 代 の 経 済 と 国 民 生 活 」 の(ウ)「 現 代 経 済 と 福 祉 の 向 上 」 で2時 間 で 扱 う 。 第1時 限 で は 日 本 の 社 会 保 障 制 度 と そ の 特 徴 及 び 問 題 点 に つ い て 学 習 し、 第2時 限 が 本 時 で あ る 。

「倫 理 」 で は 「生 命 の 畏 敬 」 の 立 場 か ら痴 呆 老 人 の 心 の 問 題 に 目 を 向 け させ な が ら、 社 会 全 体 の 「支 え あ い 」 の シ ス テ ム の 重 要 性 に 気 付 か せ 、 「政 経 」 で は 「倫 理 」 で の 学 習 を 受 け 、 高 齢 者 福 祉 の シ ス テ ム に っ い て 学 習 す る 。 そ の 際 学 校 所 在 地 のA区 の 高 齢 者 福 祉 制 度 か ら 高 齢 者 福 祉 の 在 り方 に っ い て 考 え て い く 。

3.指 導 案

〔「倫 理 」 で の 指 導 案 〕 (1)ね ら い

前 時 で 学 習 した こ と を 踏 ま え 、 在 宅 介 護 の 事 例 を 通 して 生 命 の 価 値 を め ぐ る問 題 を 扱 い 、 人 間 の 尊 厳 へ の 考 察 を 深 あ な が ら、 高 齢 化 社 会 の 問 題 を 自 己 の 問 題 と して と ら え 、 具 体 的 な 対 処 方 法 等 に っ い て 考 え さ せ 、 自 ら解 決 して い く姿 勢 を 育 成 す る こ と を ね ら い と す る 。 (2>展 開 例

(12)

学 習項 目 学習活動 指導上 の留意 点

5

人 間 と動 物 と の 相 違

マ ザ ー テ レ サ の 事 例

・人 間 だ け が 思 い や り を 示 せ る こ と に 気 付 く 。

・ 「死 を 待 っ 人 の 家 」 の 例 を 示 し 、 人 間 は お 互 い 助 け あ う べ き だ と い う マ ザ ー の 思 想 を 理 解 す る 。

・簡 単 な 例 を あ げ る 。

・ マ ザ ー テ レ サ の 経 歴 も 簡 単 に 説 明 す る 。

3

5

(1)高 齢 化 社 会 の 到 来

(2)在 宅 介 護 の 孤 独 な 痴 呆 老 人 の 事 例

痴 呆 老 人 の 問 題 行 動

尊 厳 死 を 希 望 す る 立 場 の 意 味

痴 呆 老 人 へ の 先 入 観

痴 呆 老 人 の 中 に 人 間 の 尊 厳 を 認 め て い こ う と す る立 場

・ 「高 齢 化 の ス ピ ー ド国 際 比 較 」 の 資 料 か ら急 速 に高 齢 化 社 会 が 到 来 し 、 老 人 の 人 間 と して の 生 き方 が 問 わ れ は じあ て い る こ と に 気 付 く。

・ 「ほ と ん ど面 倒 を み て も ら え な い 孤 独 な 老 人 」 の 事 例 を 基 に 、 在 宅 介 護 の 介 護 者 と 介 護 さ れ る 人 の 各 々 の 立 場 に 立 っ て 相 手 に あ て た 手 紙 を 書 き 感 情 を 疑 似 体 験 す る 。

・ 「ぼ け た ら判 断 力 が な く な って 自 分 で 決 定 で き な く な っ て し ま う が 、 尊 厳 死 を と る か 延 命 治 療 を と る か と い う場 合 に は 自分 は尊 厳 死 を 希 望 し て い る 。」 と い う 意 見 の 背 景 に 、 人 間 の 自律 に 尊 厳 性 を 認 め よ う と す る 思 想 が あ る こ と に 気 付 く。

・ぼ け る こ と へ の 偏 見 の 資 料 を 読 み 、 痴 呆 に つ い て は 問 題 行 動 に ば か り焦 点 を あ て られ 、 本 人 の 心 の動 き に っ い て は ほ と

ん ど 触 れ ら れ て い な い こ と に 気 付 く。

・痴 呆 老 人 の 何 か を 見 抜 く心 の 鋭 さ を 示 し た 資 料 か ら 、 自 己 決 定 で き な い 中 に も 人 間 の 尊 厳 性 が 存 在 して い る と い う立 場 の 主 張 の 意 味 を 考 え る 。

・背 景 に 「生 命 へ の 畏 敬 」 の 思 想 が あ る こ と に 気 付 く。

・資 料 か ら気 付 い た こ と を 発 表 さ せ る 。

・数 人 に 発 表 さ せ 、 気 付 い た こ と に っ い て 感 想 を 記 入

さ せ る 。

・ 「尊 厳 死 」 の 意 味 に も 簡 単 に 触 れ さ せ る 。

(異 な る立 場 に つ い て は本 時 の 後 半 で 触 れ る)

・ は じ め の 感 想 と こ の 資 料 を 比 較 さ せ 、 気 付 い た こ と を 書 き 出 さ せ て 、 自 己 の 陥 り が ち な も の の 考 え 方 の 特 質 を 振 り 返 ら せ る 。

・前 時 で 扱 っ た 「生 命 へ の 畏 敬 」 の 立 場 の 思 想(ガ

ジ ー 、 シ ュ バ イ ツ ァ ー 等) に も 簡 単 に 触 れ さ せ る 。

一10一

(13)

よ く生 き る と は ・ 「家 族 に よ る痴 呆 老 人 の 在 宅 介 護 の 限 界 ・野 木 裕 子 「あ な た の 親 が 倒 の 事 例 」(共 通 事 例)を 読 む 。 れ た と き」 新 潮 社 な ど を も と [事 例]痴 呆 状 態 の 老 母 が 家 の 中 で 物 を 手 に、 内 容 を整 理 して 事 例 の プ

当 た り次 第 に投 げ る よ う に な り、 息 子 夫 婦 リ ン トを 作 成 す る 。 は困惑 した 。 老 母 が 便 を 失 禁 し た と き に 息

子 が手 を 上 げ た と こ ろ 、 老 母 が息 子 に つ か ・気 付 い た こ とを数 人 に 発 表

み か か っ て き た 。 息 子 の 子 ど も た ち が こ の さ せ る 。

is 様 子 を息 を詰 め て 見 て い た こ とか ら、 息 子 ・社 会 全 体 の 「支 え あ い 」 の は老 母 の施 設 入 所 を考 え るよ うに な った。 シ ステ ムが な け れ ば 解 決 で き ・ 「生 命 へ の畏 敬 」 の 立 場 か ら、 様 々 な解 な い 問題 が あ る こ と に気 付 か 決 策 を考 え 、 そ れ ぞ れ の 長 所 と 問 題 点 を 整 せ 、政 経 で の 学 習 へ の 問 題 意

理 す る。 識 を も た せ る 。

(3)評 価 の 観 点

在 宅 介 護 の 問 題 点 を 理 解 で き た か 。

異 な る 立 場 を 踏 ま え な が ら 自 己 の 見 解 を 明 確 に 表 現 で き た か 。

現 在 か か え て い る高 齢 者 福 祉 の 在 り方 に っ い て 、 生 命 へ の 尊 重 の 立 場 か ら 自 分 な り の 見 解 が もて た か 。

(4)分 析 と 考 察

具 体 的 事 例 を 考 察 して い く に 当 た っ て 、 ま ず 相 手 の 立 場 に 立 っ た 感 情 体 験 を さ せ る こ と に 努 め た 。 こ の 点 に っ い て 、 相 手 に 手 紙 を 書 く と い う手 法(「 ロ ー ル ・ レ タ リ ン グ 」) を 活 用 し、 誰 に も 気 が ね な く 自 由 に 率 直 に 自 己 の 感 情 を 表 現 さ せ 、 双 方 の 立 場 を 自 分 の 心 の 中 で 疑 似 体 験 さ せ る こ と を ね ら い と し た 。 短 い 時 間 の 中 で は 、 イ メ ー ジ が 膨 ら み づ ら く 、 あ ま り具 体 的 な 内 容 は 見 られ な か っ た 。 む し ろ ドラ マ の 一 部 を 見 せ て 、 セ リ フ を 作 らせ る展 開 の 方 が 取 り組 み や す か っ た よ う に も思 わ れ る 。

痴 呆 老 人 へ の 先 入 観 を き っ か け に 、 自 己 の 陥 り が ち な も の の 考 え 方 の 特 質 を 振 り 返 ら せ た が 、 は じめ の 感 想 と見 比 べ ら れ る ワ ー ク シ ー トが な い と 、 自分 の 心 の 問 題 を 掴 み づ

ら い 印 象 を も っ た 。

最 後 の 問 題 解 決 の 方 法 の メ リ ッ ト ・デ メ リ ッ トの 整 理 と 「支 え あ い 」 の シ ス テ ム へ の 気 付 き の っ な が り が 、 ス ム ー ズ に い か な か っ た 。 も う1時 間 程 度 時 間 を か け 、 グ ル ー プ 活 動 で ア イ デ ア を 出 し あ う中 で 、 デ メ リ ッ トを 解 決 して い く方 法 を 模 索 さ せ て い っ た 方 が 問 題 意 識 が 深 ま っ た よ う に 思 わ れ る 。

(5)参 考 文 献

高 橋 道 子 「老 人 介 護365日 」 春 秋 社

沖 藤 典 子 「誰 が 老 い を 看 る の か 」 ミ ネ ル ヴ ァ書 房

(14)

ぼ け の 老 人 を か か え る 家 族 の 会 「ぼ け と た た か う」 新 日本 新 書 藤 野 信 行 「介 護 の こ こ ろ を さ ぐ る 」 福 村 出 版

〔「政 治 ・経 済 」 で の 指 導 案 〕 (1)ね ら い

前 時(第1時 限)で 学 習 し た こ と を 基 に 、 現 在 の 日本 が か か え る社 会 保 障 の 問 題 点 を 、 高 齢 化 社 会 の 視 点 か ら考 え る 。 こ の 時 間 は 、 家 族 に よ る 高 齢 者 の 在 宅 介 護 の 限 界 か ら 出 発 し、 ま ず 高 齢 者 福 祉 制 度 に は ど の よ う な もの が あ る の か を 知 る 。 そ して 現 在 の 高 齢 者 福 祉 制 度 の 問 題 点 を 認 識 し、 今 後 の よ り よ い 高 齢 者 福 祉 を 主 体 的 に考 え て い く一 っ の き っ か け

と な る こ と を 目 標 と す る 。

展開例

学習項 目 指導上の留意点

・前 時 で 学 習 し た 現 在 の 日 本 の 社 会 保 障 制 度 と そ の 特 徴 ・本 日 の 課

高齢者福祉 の問

題 点 と在 り 方 に 及 び 問 題 点 を 踏 ま え 、 高 齢 者 福 祉(「 倫 理 」 で 学 習 し た 題 を簡単 に 「社 会 全 体 の 支 え あ い 」 の シ ス テ ム)の 問 題 点 と 在 り方 説 明 す る 。

つ い て

5 に っ い て 考 え る 、 と い う課 題 を 掴 む 。 そ の 際 身 近 な 具 体 例 を基 に本校 の所在地 であ るA区 の高齢者福祉制度 か ら

考 え る 。

・資 料 を 使 在宅介護 の具体 ・ 「家 族 に よ る痴 呆 老 人 の 在 宅 介 護 の 限 界 の 事 例 」(共

う 。

例 と そ の 対 応 策 通 事 例)を 読 む 。

・数 名 の 意 に つ い て ・ こ の 状 態 を 改 善 す る た め に は ど の よ う に す べ き な の か

見 を 聞 く 。 率 直 に 思 う こ と を 発 表 す る 。

・資 料 を 使

現在 の高齢 者福 祉(A区 の内容

・現 在 のA区 の 高 齢 者 福 祉 制 度(① 在 宅 介 護 ② 在 宅 外 介

護)の 内 容 と 問 題 点 の 説 明 を 受 け る 。

と 問 題 点 に っ い ・次 にA区 の 高 齢 者 福 祉 制 度 を 利 用 し た 場 合 、上 記 の 具 40 て) 体 例 の 状 態 を 改 善 す る た め に は ど の よ う に す べ き か ① 、

② の そ れ ぞ れ に っ い て 考 え る 。

・用 意 し た ω(① に っ い て は 日 常 生 活 の 時 程 を 基 に)、 高 齢 者 福 祉

プ リ ン ト に 制 度 の 内 容 を 選 択 す る 。

記 入 さ せ る (‑r>選 択 した 高 齢 者 福 祉 制 度 の 内 容 の 月 当 た り の 出 費 、

・数 名 の 意 問 題 点 を あ げ る 。

見 を 聞 く 。

今後 の高齢者福 ・A区 の 高 齢 者 福 祉 制 度 の 現 状 と課 題 を ま と め 、今 後 の

一12一

(15)

祉 の 在 り方 に つ 高 齢 者 福 祉 の 在 り方 を 考 え る一 っ の き っ か け と す る 。

い て

5

(3)評 価 の 観 点

高 齢 者 福 祉 の 問 題 点 を 自 己 の 身 近 な 問 題 と して と ら え 、 ま た 具 体 例 な 内 容 に っ い て 認 識 で き た か 。

現 在 か か え る高 齢 者 福 祉 の 課 題 を 理 解 で き た か 。

今 後 の 高 齢 者 福 祉 の 在 り方 に っ い て 関 心 を もっ こ と が で き た か 。

(4)分 析 と 考 察

痴 呆 老 人 の 状 態 と そ の 介 護 に 当 た る家 族 の 状 況 の 生 々 し い 具 体 例 は 、 生 徒 に 強 い 関 心 を 呼 び 起 こ し、 最 初 の 「こ の 具 体 例 の 状 態 を 改 善 す る に は ど の よ う に す べ て き な の か 」 で は 、 予 想 以 上 の 活 発 な 意 見 が 出 さ れ た 。

A区 の 高 齢 者 福 祉 制 度 の 具 体 例 な 内 容 に っ い て は 、 そ の こ と を ま と あ た プ リ ン トで 説 明 を 行 っ た 。 全 体 の 内 容 の 説 明 に 時 間 が か か り、 イ メ ー ジ が 湧 き に くか っ た よ うで あ る 。

ビ デ オ(A区 の 高 齢 者 福 祉 制 度 を 説 明)を 利 用 し、 視 覚 に訴 え た説 明 を行 え ば 、 も っ と 効 果 的 に 理 解 で き た の で は な い か と 思 わ れ る 。 生 徒 の 意 見 で は 、 多 く の 者 がA区 の 高 齢 者 福 祉 制 度 が 非 常 に 多 くの 種 類 の あ る こ と に 驚 い て い た が 、 大 ま か な 内 容 に っ い て は 認 識 で き た の で は な い か と 思 う。

実 際 に こ の 具 体 例 の 状 態 を 想 定 して 、A区 の 高 齢 者 福 祉 制 度 を 利 用 す る と い う 作 業 を 行 う こ と(用 意 し た ワ ー ク シ ー トに 記 入)に よ り 、 こ の 課 題 の 認 識 を 深 あ る こ と を ね ら い と し た 。 時 間 の 関 係 上 、 資 料 に 予 想 さ れ る長 所 短 所 を 、 あ ら か じ め 一 部 提 示 した が 、 時 間 が あ れ ば 議 論 な ど を 通 して 、 生 徒 が ま と め て い け る よ う に し た ら、 さ ら に こ の 課 題 の 認 識 を 深 め られ た の で は な い か と思 う。

高 齢 者 福 祉 の 今 後 の 「在 り方 」 を 考 え る 一 っ の き っか け を っ く る こ と で 止 め た 。 し か し② に っ い て の 意 見 が で て い る の で 、 指 導 案 の 「ま と あ 」 を さ ら に 発 展 さ せ 、 「在 り 方 」 を 考 え て い け る よ う な 内 容 に っ な げ られ る よ う、 指 導 案 を 作 成 して い く必 要 が あ る と思 っ た 。(3時 限 構 成 と し、 第3時 限 に そ の 内 容 を 行 う こ と も考 え ら れ る 。)

(5)参 考 文 献

山 井 和 則 、 斉 藤 弥 生 体 験 ル ポ 「日本 の 高 齢 者 福 祉 」 岩 波 新 書 野 木 裕 子 「あ な た の 親 が 倒 れ た と き 」 新 潮 社

「せ た が や の 社 会 福 祉 」(総 合 編)他 、 世 田 谷 区 福 祉 部 編 の 資 料

(16)

4資

(資 料1)ロ ー ル ・ レ タ リ ン グ の 実 践

ロ ー ル ・ レ タ リ ン グ は 、 過 去 を 想 起 し 、 現 実 を 直 視 す る こ と に よ っ て 思 考 を 巡 ら し な が ら 当 事 者 二 者 の 立 場 に 立 って 、 そ れ ぞ れ の 気 持 ち や 考 え を 相 手 に 訴 え る と い う仮 想 書 簡 文 で あ る 。 こ う し た 過 程 の 中 で 課 題 が 焦 点 化 さ れ 、 自 己 の 問 題 性 へ の 気 付 き が 深 ま って い く こ と を ね ら い と す る 。 生 徒 の 書 い た 内 容 に は 次 の よ うな もの が あ っ た 。

(1)痴 呆 老 人 か ら介 護 者(家 族)へ の 手 紙

① 「私 が 寝 た き りの 生 活 を 送 り は じ め て 、 も う8年 。 キ ヌ子 さ ん に は 、 い っ も私 の 介 護 を して も ら っ て い る 。 あ り が た い と思 っ て い る 。 が 、 私 は 、 少 しで い い か ら外 に 出 た い の だ 。 な の に 私 は 一 人 で は 、 外 に 出 る こ と が で き な い 。 だ か ら手 伝 っ て ほ し い 。 そ れ に 、 普 段 身 の ま わ り の 世 話 以 外 に も話 しか け て ほ し い 。 私 は さ び し い ん で す 。」

② 「子 ど も に 冷 た く さ れ て 腹 立 た し い 。 迷 惑 か け る だ け な らば 死 ん だ 方 が い い か も し れ な い 。」

(2)介 護 者(家 族)か ら痴 呆 老 人 へ の 手 紙

「い っ もお じ い さん に は す ま な い と 思 っ て い ま す 。 で き れ ば も っ と お 世 話 を し て あ げ た い け れ ど も、 昼 間 は 私 一 人 で 家 の 用 を 片 付 け な け れ ば な ら な い し、 と て も忙 し い ん で す 。 私 も努 力 し ま す が 、 私 の 体 も も う年 で す 。 少 し は考 え て くだ さ い 。」

こ れ らの 多 く は 、 相 手 に 対 し て 内 心 に う っ積 す る 反 感 、 憎 悪 な ど を 訴 え る こ と に 止 ま り が ち だ っ た 。 交 信 相 手 を 取 り巻 く他 の 人 々 の 態 度 や 立 場 な ど 、 思 考 範 囲 を 多 角 化 さ せ て 相 手 の 立 場 を も う少 し具 体 的 に 考 え る よ う方 向 付 け を す る 必 要 が あ っ た よ う に 思 わ れ る 。 (資 料2)世 田 谷 区 の 高 齢 者 福 祉 に つ い て の ワ ー ク シ ー ト

*今 回 の 例 は 、70歳 以 上 、 寝 た き り に 相 当 す る も の と す る 。 そ れ ぞ れ 利 用 しな い 場 合 も長 所 、 短 所 は記 入 す る こ と。 在 宅 介 護 と在 宅 介 護 以 外 の 介 護 の 両 方 を 考 え る 。

〔在 宅 介 護 〕

1.シ ョ ー ト ス テ イ に つ い て

(1)シ ョ ー ト ス テ イ を 利 用 し ま す か 。 (2)利 用 す る 場 合 、 何 日 か ら 何 日 ま で

を 考 え ま す か 。

(3)か か る 費 用 は 月 い く ら で す か 。 (4)長 所 、 短 所 は ど の よ う な 点 で す か 。 2.デ イ サ ー ビ ス に つ い て

(1)デ イ サ ー ビ ス を 利 用 し ま す か 。

利 用 す る 場 合 、 週2回 ま で で す が そ の 他 は ど う し ま す か 。

(3>か か る 費 用 は 月 い く ら で す か 。 (4)長 所 、 短 所 は ど の よ う な 点 で す か 。

3.ホ ー ム ヘ ル パ ー に っ い て

(1)ホ ー ム ヘ ル パ ー を た の み ま す か 。

(2)利 用 す る 場 合 、 何 曜 日 、 何 時 か ら 何 時 ま で に 時 間 を 設 定 し ま す か 。

(3)か か る 費 用 は 月 い く ら で す か 。 (4)長 所 、 短 所 は ど の よ う な 点 で す か 。 4.そ の 他 の 福 祉 サ ー ビ ス に っ い て

(1)利 用 し た い も の は 何 で す か 。

(2)長 所 、 短 所 は ど の よ う な 点 で す か 。 5.合 計 の 費 用 は い く ら で す か 。

6.全 体 の 問 題 点 は 何 で す か 。

〔在 宅 以 外 の 介 護 〕

1.施 設 で は 何 を 選 択 し ま す か 。 ま た 理 由 は 何 で す か 。

2.月 あ た り の 費 用 は い く ら で す か 。 3.長 所 、 短 所 は 何 で す か 。

一14一

参照

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