1.はじめに
ヒトの成長研究には横断的資料1)2)3)を用いるものと,
縦断的資料4)5)によるものとがある.横断的資料では同年 に計測した,被験者が異なる各年齢グループについて求め た平均値で成長をとらえるため,比較的たやすく資料が得 られ,成長研究はこの横断的資料によるものが多い.縦断 的資料では個人の成長を追跡した計測値で成長をとらえる ため,資料入手には困難を極める.
「乳幼児の身体成長の縦断的研究4)」においては,横断 的資料の平均値では個体差が埋没していたが,縦断的資料 による年間増加量の加齢変化からは個体差が詳細にとらえ られ,その平均値からはシャープな変化が得られたことを 報告した.また横断的資料による 0 歳から 20 歳までの平 均値を用いた成長研究1)3)においては,日本人男女の身体 比例に基づく年齢期区分を行った1)6) .本報では,個々の 成長の個体差を観察し,出生から成人に至る縦断的成長様 相をとらえたいと考えた.
0 歳から成人に至る長期間の個人の成長パターンをとら えるため,健康診断の身長と体重の個人記録値の縦断デー タを用いて 20 年隔たりのある 2 つの資料の比較を試みな がら,女子の成長様相に相違がみられるか検討した.
身長・体重・胸囲・初潮年齢など,思春期の成長に関し ては主として,文部科学省報告を 1 年ずつずらして読み 取 っ た 準 縦 断 資 料 を 用 い て 多 く の 見 解 が 示 さ れ て き
た7) 8)9)10)11).これらの見解を縦断資料に基づき検討しな
がら考察を進め,個成長をより詳細にとらえようと試みた.
なお日本人女子の身長と体重について,出生時から成人ま での長期にわたる個成長パターンを縦断データで把握した
研究は,本報の他には見当たらない.
水野は7)文部科学省資料の 1900 年から 1970 年の間を 5 年間隔にした 14 年について,身長・体重・胸囲の横断的デー タを用いて縦断的にとらえた準縦断資料を用いて,6 歳か ら 20 歳までの年代別身体発育量を算出した.その結果女 子の発育量は,身長(cm)では平均値 44.3,標準偏差 1.12,
胸囲(cm)では 25.9,1.12,体重(kg)では 31.8,0.60 と 報告した.さらに水野は,「青少年の発育を小学校入学時 点で押さえておくと,その後はほぼ発育の完了する 20 歳 まで,体格の各測定項目の増加総量が 70 年を通じてほと んど一定している」ととらえ,6 歳以降の「発育量不変の 傾向」を指摘した.
増山8)9)は推計学の立場から,文部科学省報告を 1 年ず つずらして読み取った,被験者が一般に違う準縦断資料が,
平均値に関する限り利用できるとした.この文部科学省の 統計データを用いた検討から,河内10)は 7 歳時の平均身 長を基に身長の時代変化の停止,あるいは停滞について考 察し,1980 年代半ば生まれが成人になる頃から,20 歳時 平均身長の増加も止まることを予測した.すなわち,「7 歳時身長の高身長化が停止した 1983 年以降に生まれた世 代では,身長の正の方向への環境の変化が止まったか,環 境が変化してもそれが 7 歳までの成長に与える影響がなく なったということになる10)」と述べた.これは水野の「発 育量不変の傾向」,小学校入学時点の成長が個々の成人値 を左右することになる,の考えに基づいている.
青山11)は水野と同様の方法で,20 年間隔で身長と体重 の男女発育量の推移をとらえた.これによると,6 歳以降 の発育量は女子では身長が約 44cm,体重が 32kg となった.
そして青山は「ここ 20 年にみられる身長を上回る男子の 体重の大きな伸びとは反対に,女子の 1980・1981・1982
身長と体重からみた女子成長の縦断的研究
岡田 宣子・江原 亜由美・山口屋 瑛子
(平成 28 年1月 14 日査読受理日)
A Longitudinal Study on the Physical Growth of Young Women from the Standpoint of Height and Weight
O
KADA, Nobuko E
HARA, Ayumi Y
AMAGUCHIYA, Eiko
(Accepted for publication 14 January 2016)
キーワード:身長,体重,初潮,年間増加量,縦断的成長様相
Key words:Height, Weight, Menarche, Annual increment, Longitudinal growth pattern
元東京家政大学
年での平均値は 30.61kg となり,女子では身長の伸びのみ で,体重には伸びがみられない」と指摘し,この現象につ いて,「身長発達の加速化現象や若い女性の痩身願望の現 れ」と言及した.
初潮年齢とのかかわりについては,清水12)の「初潮は 平均して身長が 148cm に達した時に起こり,身長の伸び る量は初潮の前年で最も大きく,身長が急激に伸びた後に 初潮が起こる」の指摘がある.また北村ら13) は,小学 1 年より大学 1 年までの個人の記録値の縦断資料から,比例 部分の法則により初潮時を推定後,初潮発現時を中心にそ の発育過程を考察し,「最大発育増加は身長では初潮の 3
〜 2 年前,体重では 2 〜 0 年前にあらわれる」と報告した.
また,米山ら14)は小学 4 年より中学 3 年までの個人記録 値の縦断資料から,思春期の身体発育パターンにおける初 潮年齢の予測について検討した.「初潮年齢は,その範囲 が 9.6 〜 15.7 歳,平均値(標準偏差)が 12.7 歳(1.0)で,
ほぼ正規分布しているが,単一の発育値から初潮年齢の予 測は困難であり,初潮が 2 年以内であるかそれ以後かは,
10 歳時点では 9 〜 10 歳の身長増加量,12 歳時点では 11
〜 12 歳の体重増加量が最も大きな判断要因である」とし た.菊地ら15)は 1971 〜 1974 年生まれの全国中学生・高 校生約 6,000 名に行ったアンケート調査から,明治以来み られた初潮年齢の早期化は出生年 1960 年ころ停止したも のと考え,「平均初潮年齢は 12 歳 6 ヶ月,初潮時体重は 27 〜 68kg に分布し,その平均体重は 43kg,初潮時平均 身長は約 151cm」と報告した.
増山8)は白人女子の縦断資料に基づいた検討から,「成 長の早い子は,早く月のものをみるという俗説は当てにな らない」と指摘した.その他には,1961 〜 1969 年出生男 女の小学 1 年より高校 3 年までの 12 年間の身長・体重・
胸囲の健康診断の個人記録値の縦断資料に基づいた,加藤 ら16) による最大成長速度年齢の相互関係についての研究 がみられる.「男子では身長と体重とが並行して成長し,
胸囲が異なった進み方をしているが,女子では体重と胸囲 の成長はよく並行しているのに対し,身長はこれらとは少 し異なって進行する傾向がある」と報告した.
本報では,1968 年前後に出生したものの資料を旧資料 とし,1988 年前後に出生したものの資料を新資料とした.
約 20 年の隔たりのある縦断資料を用いて,身長と体重,
初潮年齢とのかかわりについて比較し,女子の個成長の様 相をとらえようと試みた.上記の各指摘についても,縦断 資料を用いて検討した.
2.方法 2.1 資料
資料は表 1 に示すとおりである.これは「自己の身体の 成長過程をとらえる」の授業で,0 歳から 18 歳までの縦
断データをグラフ化し考察する際に用いた出生時(母子手 帳記録)から成人までの健康診断の身長・体重の個人記録 値の縦断資料について,本人から研究資料として使用の許 諾を得て提供された無記名データを番号処理したものを原 資料としている.資料入手の関係上,本報では 18 歳値を 成人値として取り扱うことにした.これは,高部ら17)の 日本人の成長特性の検討で,「ほぼ成人の体つきに到達す るのは女子では 18 歳である」の結論に反しない.なお,
初潮年齢を記録するに当たり,記憶のあいまいな者がいて,
18 歳以降での詳細な来潮時期の記録は,むしろ不確実な 場合が含まれてしまうことを懸念した.そこで,記憶の確 かな者に初潮年齢のみを記入してもらうことにした.なお,
原資料すべてが完全データではなく,欠損も含まれている ため,検討条件によって資料数は異なる.対象はいずれも,
関東地区の家政系の大学に在籍する健康な女子学生であ る.表 1 の新資料は,河内10) の「7 歳児の平均身長が止 まることから,20 歳時の平均身長増加も止まる」の指摘 時期に相当し,旧資料はそれより 20 年前に位置付けられ る.新資料と旧資料の身長と体重の 18 歳値について,そ の平均値を同時期測定の日本人の全国 18 歳値18)19)と比 較したところ,旧資料では全国値より,体重で小なる,身 長で大なる有意差が,1%以下の危険率でみとめられた.
このことから,旧資料は全国集団よりも細身で,背が高め の集団といえる.
身長と体重の各年齢値以外で,考察に用いた検討 75 項 目を表 2 に示す.なお,7 歳と 18 歳の身長・体重の値は 計算項目に活用するため,この中に含めた.項目番号 40
〜 75 の 36 項目は身長と体重の年間増加量(成長量)であ る.項目番号 8 の(18 初体)とは,18 歳体重から初潮時 体重を差し引いた値を,項目番号 10 の(1 前身)とは,
初潮来潮 1 年前の身長を,項目番号 21 の(3 後体)とは,
初潮来潮 3 年後の体重を示す.項目番号 28 の(初前 1 体差)
とは,初潮時体重からその 1 年前の体重を差し引いた値を,
項目番号 39 の(後 3 後 2 身差)とは,初潮来潮より 3 年 後身長と 2 年後身長の差である.項目番号 40 の(0・1 体)
表1 資料数
条 件 旧資料
(1968) 新資料
(1988) 総数
出生年 1965 年〜
1970 年 1985 年〜
1990 年 一括
身長値・体重値あり 61名 63名 124名
全年齢の身長値あり 60名 63名 123名
全年齢の体重値あり 53名 63名 116名
初潮年齢記録あり 41名 55名 96名
27 項目平均値・
相関係数 41名 49名 90名
因子分析 37名 55名 92名
とは体重の 1 歳値から 0 歳値を差し引いた値である.項目 番号 70 の(12・13 身)とは身長の 13 歳値から 12 歳値を 差し引いた値である.
2.2 身長と体重の成長様相
身長と体重の 0 歳から 18 歳までの個成長,および年間 増加量の経時変化をとらえ,初潮年齢も含めてグラフ化し 新・旧資料の全被験者の成長様相を把握し,つぎの①から
③の事項について検討した.
①身長と体重の成長過程について,北村ら13)の報告を 受けて,思春期の最大発育増加の時期と初潮来潮時期との かかわりをみながら考察を進めた.また,青山ら11) の「女 子では身長に比べて体重の伸びがみられない」の指摘を受 けて,本報の成人値到達後の体重変化の挙動を観察し,新・
旧資料間に相違がみられるか検討を試みた.新・旧資料集 団の個成長を平均値でみた場合に相違がみられるのか,表 2 の項目番号 1 〜 27 の②検討 27 項目について,新・旧資 料の平均値を比較した.また,初潮来潮の前・後では成長 にどのような変化が生じているのかを詳細に知るために,
項目番号 28 〜 39 の③検討 12 項目について,初潮来潮前 後 3 年間の年間増加量の平均値を求め,資料間および相隣 る年齢間の比較を行った.菊地ら15)は初潮年齢および初 潮発来時の状況を知るためのアンケート調査結果に基づ き,「ある一定の体重に達していることが初潮来潮の因子 の一つと考えられる」と報告していることから,初潮時の 体重・身長と初潮年齢に着目し,本資料と照らした.
2.3 項目間の関係
検討項目相互間でどのような関わりがあるのかをみるた めに,表 3 に示す組み合わせの散布図を新・旧資料それぞ れについて作成した.河内10)が 7 歳時の平均身長に着目 しているので,横軸の 7 歳時の項目には,縦軸の 18 歳時 と初潮時の項目の組み合わせを用いた.これら散布図から 回帰式を算出し,回帰式の寄与率から求めた相関係数の有 意性の検定および,資料間および項目間における相関係数 の差の有意性の検定を行った.
2.4 因子分析
表 2 の 1 から 27 の項目番号の内,分析に影響の少なかっ た 1・8・9 を除いた検討 24 項目を用いて,多変量解析で 成長の要因を探ろうと試みた.その結果,新・旧資料の一 括集団について主因子法で因子分析を行い,固有値 1 以上 を示す因子についてバリマックス回転後の因子の解釈を行 い,各因子について求めた新・旧資料の因子得点の平均値 を比較した.
3.結果および考察 3.1 身長と体重の成長様相
成長の個体差を観察するには,成長曲線と年間増加量に ついて,個々の様相をとらえる必要があった4).そこで,
全データについて成長曲線で図式化し,成長様相を観察し た.年間増加量の経時変化をみると同じものは存在せず,
ゆっくり成長するものや,早く成長するもの,ある時期か らスパートが始まるものなど,スパートの時期も人それぞ れで,個体差を多く表出していた.ここではその中から 3 名を示し,出生から成人に至る成長様相をとらえた.
①個成長
図 1 はグラフ 20,グラフ 28,グラフ 3 を例示したもの 表2 検討 75 項目
項目番号 項 目 項目番号 項 目
1 初潮年齢 40 0・1体
2 7 歳体重 41 1・2 体
3 7 歳身長 42 2・3 体
4 初体重 43 3・4 体
5 初身長 44 4・5 体
6 18 歳体重 45 5・6 体
7 18 歳身長 46 6・7 体
8 18 初体 47 7・8 体
9 18 初身 48 8・9 体
10 1 前身 49 9・10 体
11 2 前身 50 10・11 体
12 3 前身 51 11・12 体
13 1 前体 52 12・13 体
14 2 前体 53 13・14 体
15 3 前体 54 14・15 体
16 1 後身 55 15・16 体
17 2 後身 56 16・17 体
18 3 後身 57 17・18 体
19 1 後体 58 0・1身
20 2 後体 59 1・2 身
21 3 後体 60 2・3 身
22 7BMI 61 3・4 身
23 初 BMI 62 4・5 身
24 18BMI 63 5・6 身
25 7Rohrer 64 6・7 身
26 初 Rohrer 65 7・8 身
27 18Rohrer 66 8・9 身
28 初前 1 体差 67 9・10 身
29 前 1 前 2 体差 68 10・11 身
30 前 2 前 3 体差 69 11・12 身
31 初前 1 身差 70 12・13 身
32 前 1 前 2 身差 71 13・14 身
33 前 2 前 3 身差 72 14・15 身
34 後 1 初体差 73 15・16 身
35 後 2 後 1 体差 74 16・17 身
36 後 3 後 2 体差 75 17・18 身
37 後 1 初身差
38 後 2 後 1 身差 39 後 3 後 2 身差
である.グラフ 20 とは,被験者番号の No.20 を示している.
左図は,横軸に年齢(歳)を,縦軸に身長(mm)の各年 齢値と年間増加量(成長量)をとり,初潮年齢相当時期の 年間増加量の棒グラフを淡色で示し,その下欄に初潮年齢 および出生時身長を付記した.図中の数値は身長の 2 歳値,
7 歳値,初潮年値,成人値である.またそれらにかかわる 年間増加量も付記した.
グラフ 20 についてみると,出生時身長が 490mm であっ
たのが 0 〜 1 歳間で 252mm と顕著に成長し,2 歳で出生 時の 1.5 倍の 742mm となる.
その後 4 〜 5 歳間で 100mm 成長,7 歳では出生時の 2.4 倍の 1,162mm となる.初潮 来潮の 14 歳まで年間 50mm 前後の成長を示す.初潮時 身長は 1,545mm で,その後 の成長は 20mm ときわめて 小さく成人値 1,565mm に達 する.
右 図 に 体 重 の 各 年 齢 値
(kg) と, 年 間 増 加 量(g)
を同様に示した.出生時の 体重が 2.945kg であったのが 0 〜 1 歳 間 で 7,060g と 顕 著 に増加し,2 歳で出生時の 3.1 倍の 9kg となる.7 歳では出 生時の 6.1 倍の 18kg となる.
9 歳頃から徐々に年間増加量 が増えはじめ,11 歳で最大 年 間 増 加 量 5,800g を 示 す.
初潮時体重は 44.5kg である.
その後の増加量は 5,000g で 成人値 49.5kg に達する.被 験者 No.20 の身長は,初潮前 の成長に依存しているもの の,体重は来潮後の 14 〜 15 歳間でも 3,800g と大きく増 加した.
グラフ 28 についてみると,
出 生 時 の 身 長 が 470mm で あ っ た の が 0 〜 1 歳 間 で 230mm と 顕 著 に 成 長 し,2 歳 で 出 生 時 の 1.5 倍 の 700mm となる.7 歳では出 生 時 の 2.4 倍 の 1,150mm と なる.初潮時身長は 1,460mm で,その後 105mm 成長し,成人値 1,565mm に達する.
体重についてみると,出生時に 2kg であったのが 0 〜 1 歳間で 5,000g と顕著に増加し,2 歳で出生時の 3.5 倍の 7kg,7 歳では出生時の 12.5 倍の 25kg となった.6 〜 7 歳 間と 7 〜 8 歳間では 5,000g と最大年間増加量を示し,出 生時少なかった体重をここで補うかのようである.初潮時 体重は 43.0kg である.その後の増加量も 12,000g と大変大 きく,成人値 55kg に達する.被験者 No.28 の身長は来潮 表 3 相関係数の有意性と,資料間および項目間の相関係数の差の有意性の検定結果
*:5% 以下の危険率で有意差あり
項目 横軸 縦軸 旧資料(N:41) 検定 新資料(N:49)
7歳時
7歳身長(cm) 初身長(cm)
相関係数の差の検定 18歳身長(cm)
0.430*
0.562*
0.605*
0.500*
初BMI
相関係数の差の検定 18BMI
0.066
−0.058
0.160 0.000 初Rohrer
相関係数の差の検定 18Rohrer
0.094
−0.221
0.090
−0.138 7歳体重(kg) 初体重(kg)
相関係数の差の検定 18歳体重(kg)
0.485*
0.580*
0.697*
0.425** 初BMI
相関係数の差の検定 18BMI
0.305 0.473*
* 0.613*
0.268 * 初Rohrer
相関係数の差の検定 18Rohrer
0.142 0.360*
0.418*
0.159
7BMI 初BMI
相関係数の差の検定 18BMI
0.304 0.626*
* 0.740*
0.386** 7Rohrer 初Rohrer
相関係数の差の検定 18Rohrer
0.243 0.645**
* 0.721*
0.405**
初潮時
初身長(cm) 初前1身差(cm)
前1前2身差(cm)
前2前3身差(cm)
18初身(cm)
−0.138 0.088 0.347*
−0.747*
−0.256 0.017 0.054
−0.740*
初体重(kg) 初前1体差(kg)
前1前2体差(kg)
前2前3体差(kg)
18初体(kg)
−0.017 0.202 0.201
−0.671*
−0.055 0.319*
0.447*
−0.519*
18歳時 18歳身長(cm) 18初身(cm) −0.071 −0.100
18歳体重(kg) 18初体(kg) 0.306 0.468*
初潮年齢
初潮年齢(歳) 初前1体差(kg)
前1前2体差(kg)
前2前3体差(kg)
初前1身差(cm)
前1前2身差(cm)
前2前3身差(cm)
−0.438*
−0.045
−0.020
−0.568*
−0.225
−0.200
−0.188
−0.100
−0.040
−0.437*
−0.292*
−0.069
18初身(cm) −0.453* −0.594*
初潮年齢(歳) 1後体重(kg)
2後体重(kg)
3後体重(kg)
1後身長(cm)
2後身長(cm)
3後身長(cm)
0.287 0.205 0.143 0.236 0.120 0.094
0.256 0.130 0.057 0.473*
0.363*
0.283*
18初体(kg) −0.306 −0.468*
後も 30mm の年間増加量を保持し成長を進めていた.ま た体重は,初潮の 13 歳以降も 17 歳まで 4,000 〜 3,000g と 大きな増加量を保持していた.
グラフ 3 についてみると,出生時 525mm の身長が 0 〜 1 歳間で 215mm と顕著に成長し,2 歳で出生時の 1.4 倍の 740mm となる.7 歳では出生時の 2.3 倍の 1,230mm となる.
初潮来潮時の 9 〜 10 歳間では最大年間増加量の 102mm を示す.初潮時身長は 1,455mm で,その後の成長量は 99mm を示し成人値 1,554mm に達する.
体重についてみると,出生時の体重が 3.05kg であった のが 0 〜 1 歳間で 6,050g と顕著に増加し,2 歳で出生時の 3.0 倍の 9.1kg となる.7 歳では出生時の 8.3 倍の 25.2kg と なる.9 〜 10 歳間で 6,700g と最大年間増加量を示し,10 歳の初潮時体重は 39.4kg であった.その後の増加量は 8,400g で成人値 47.8kg に達する.被験者 No.3 の身長と体 重の成長は来潮後も続いていた.
北村ら13)の「最大発育増加は身長では初潮の 3 〜 2 年前,
体重では 2 〜 0 年前にあらわれる」の報告を受けて以上の 3 事例について検討した.身長についてみると,グラフ 20 では最大増加を 11 歳で示すが初潮 14 歳の 1 年前の 13 歳 でも増加量は大きい.グラフ 28 では初潮 13 歳より前の 11 歳で 70mm 増加するがその前の 9 歳の方が増加量は大 きかった.グラフ 3 では初潮 10 歳と最大増加を示す時期 は同年であった.体重についてみると,最大増加は,グラ フ 20 では初潮の 3 年前,グラフ 28 では初潮の 1 年後,グ ラフ 3 では 0 年で,身長と同様に体重においても,その時 期には様々な個体差が生じていた.
図 2 は被験者中,特徴的な成長様相を示した被験者 No.13 と No.57 の 2 例を示したものである.グラフ 13 に ついてみると,出生時の身長が 500mm であったのが 0 〜 1 歳間で 210mm と顕著に成長し,2 歳で出生時の 1.4 倍の 710mm となる.その後も 6 歳から 10 歳まで 900mm 前後 の 年 間 増 加 量 を 示 し,9 〜 10 歳 間 で 最 大 年 間 増 加 量 110mm を示す.7 歳では出生時の 2.5 倍の 1,230mm となる.
初潮時身長は 1,600mm で,その後の成長は 20mm ときわ めて小さく成人値 1,620mm に達する.
体重についてみると,出生時の体重が 2.85kg であった のが 0 〜 1 歳間で 5,150 g 増加し,2 歳で出生時の 2.8 倍 の 8kg となる.7 歳では出生時の 7.7 倍の 22kg となる.8 歳頃から徐々に年間増加量は増え 9 〜 10 歳間で最大年間 増加量 11,000g を示す.初潮時体重は 57kg である.その 後 の 増 加 量 は 1,000g で 成 人 値 58kg に 達 す る. 被 験 者 No.13 においては身長と体重の成長はともに,初潮前の成 長に大きく依存していた.
グラフ 57 についてみると,出生時の身長が 515mm で あったのが 0 〜 1 歳間で 245mm と顕著に成長し,2 歳で 出生時の 1.5 倍の 760mm となる.その後 5 〜 6 歳間で 100mm 成長,7 歳では出生時の 2.4 倍の 1,244mm となる.
初潮来潮 1 年後の 11 歳まで年間 75mm 前後の成長を示す.
初潮時身長は 1,458mm で,その後の成長は 162mm とき わめて大きく成人値 1,620mm に達する.
体重についてみると,出生時の体重が 3.75kg であった のが 0 〜 1 歳間で 5,230g と顕著に増加し,2 歳で出生時の 2.4 倍の 8.98kg となる.7 歳では出生時の 6.1 倍の 23kg と なる.11 歳頃から徐々に年間増加量は増え 12 歳で最大年 間増加量 6,100g を示す.初潮時体重は 31kg である.その 図 1 身長と体重の成長様相と年間増加量
252
100
65 53
490 742
1162
15451565
-50 0 50 100 150 200 250 300 350 400
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800
成 長 量 身
長
年齢(歳)
身長と成長量グラフ20
成長量(㎜)
身長(㎜)
7060
5800
2500 3800
-2000
2.945 9
18
44.5 49.5
47
-10000 -8000 -6000 -4000 -2000 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65
体 重 増 加 量 体
重
年齢(歳)
体重と増加量グラフ20
体重増加量(g)
体重(㎏)
(1)
14歳
230
100 80
70 40
30 5
470 700
1150 1460
1565
-50 0 50 100 150 200 250 300 350 400
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800
成 長 量 身
長
年齢(歳)
身長と成長量グラフ28
成長量(㎜)
身長(㎜)
13歳
5000 5000
3000 4000
2 7
25 43
55
-10000 -8000 -6000 -4000 -2000 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65
体 重 増 加 量 体
重
年齢(歳)
体重と増加量グラフ28
体重増加量(g)
体重(㎏)
(2)
215
75 102
79
525 740
1230 1455
1554
-50 0 50 100 150 200 250 300 350 400
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800
成 長 量 身
長
年齢(歳)
身長と成長量グラフ3
成長量(㎜)
身長(㎜)
10歳
6050 6700
-2200 2700
3.05 9.1
25.2 39.4
47.8
45.6 49
-10000 -8000 -6000 -4000 -2000 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65
体 重 増 加 量 体
重
年齢(歳)
体重と増加量グラフ3
体重増加量(g)
体重(㎏)
(3)
図1 身長と体重の成長様相と年間増加量 ヨコ8㎝ 希望
㎜ ㎜
㎜
㎜
㎜
㎜
㎏
㎏
㎏
g
g
g
後の増加量は 21,000g で成人値 52kg に達する.被験者 No.57 においては身長と体重はともに,初潮後の成長に大 きく依存し,特に体重においてはその傾向が顕著であった.
すなわち,図 2 では,初潮来潮前にほぼ成長してしまう No.13 の事例と,来潮後に顕著な成長を示す No.57 の事例 が観察され,図 1 の No.20, No.28, No.3 やその他の被験者 の事例はすべて No.13 と No.57 の間に位置づけられた.
つぎに図 1 と図 2 の事例について身長と体重の個成長の 推 移 を み る と, 初 潮 時 身 長(mm) は No.3 で は 1,455,
No.57 で は 1,458,No.28 で は 1,460,No.20 で は 1,545,
No.13 では 1,600 と個体差が生じていた.また初潮時体重
(kg) は No.57 で は 31,No.3 で は 39.4,No.28 で は 43,
No.20 では 44.5,No13 では 57 を示し,個体差はやはり大 きい.初潮来潮後の身長の伸び(mm)は No.13 と No.20 が 20,No.3 が 99,No.28 が 105,NO.57 が 162 と 一 定 で はない.また,体重の個成長の推移からみると,来潮後の 増加量(g)は No.13 の 1,000,No.20 の 5,000,No.3 の 8,400,
No.28 の 12,000,No.57 の 21,000 と変化に富んでいた.初 潮年齢も 10 歳,12 歳,13 歳,14 歳が含まれ,増山8)が 指摘したように,単純に初潮年齢だけで成長を解釈するこ とは難しかった.
図 1・図 2 と同様に,新・旧資料全員の年齢的推移をみ たところ,身長と体重の最大発育増加量を示す時期と初潮 来潮時期とのかかわりも様々で,北村ら13) の指摘のよう に一律ではなかった.初潮年齢も 9 歳〜 15 歳と幅がある.
なお,新資料 49 名,旧資料 41 名,合計 90 名について求 めた新・旧一括集団の平均値(標準偏差)をみると,初潮 年齢(歳)は 12.01(1.09)であった.また,7 歳身長(cm)
は 121.63(5.23),初潮時身長は 151.49(6.39),18 歳身長 は 158.47(4.30),7 歳体重(kg)は 22.87(3.18),初潮時 体重は 41.12(5.42),18 歳時体重は 49.84(4.73)であった.
つぎに最大値である成人値到達後の体重変化をとらえる
ため,全員の個成長グラフを詳細に観察した.最大値との 差の絶対値が 1kg を上回って変化したものについて,変 化したと判断した.その結果,図1に示す事例でみると,
体重のグラフ 20 では,成人値に達した後(1)体重が減少 する,グラフ 28 では(2)体重はあまり変わらない,グラ フ 3 では(3)体重が減少後増加するの,(1)減少型,(2)
横ばい型,(3)減少・増加型の 3 つの変化型に分けること ができた.図2の体重も,グラフ 13 では減少型の(1)に,
グラフ 57 では横ばい型の(2)に分類された.表 4 は 3 タ イプの出現数を,新・旧資料別に示したものである.この 出現数について|2検定をしたところ,0.01 > P > 0.005 となり,項目に対する反応との間に関係があることから,
新資料と旧資料は区分しうるといえた.成人値到達後,体 重が変化しない人の割合は,67%(旧資料)から 40%(新 資料)へ減り,体重が減少する人は 27%(旧資料)から 52%(新資料)に増えていた.この結果は,青山11)の「若 い女性の痩身願望があらわれているのでは」の指摘を裏付 けるものと考えられ,痩身志向22)の影響が生じていた.
成人値到達後身長はほぼ変化しないが,体重は本人による コントロールが可能である.従って,成人値到達後の体重 の変化には社会的・文化的な生活環境の影響が否めない.
若い女性の体つきの意識や,社会における健康にかかわる 意識と行動,痩身志向11)22)への価値軸の据え方などが複 雑に絡み合いながら,自己の体重に関する意識は変化しや すく,生活行動にその影響が生じることも考えられる.こ の点については今後の研究課題である.
図 2 身長と体重の成長様相と年間増加量
245
80
515 760
1244 1458
1620
-50 0 50 100 150 200 250 300 350 400
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800
成 長 量 身
長
年齢(歳)
身長と成長量グラフ57
成長量(㎜)
身長(㎜)
10歳
5230
2700 6100
3000
-500
3.75 8.98
23 31 52
-10000 -8000 -6000 -4000 -2000 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65
体 重 増 加 量 体
重
年齢(歳)
体重と増加量グラフ57
体重増加量(g)
体重(㎏)
(2)
210
110
20 10
500 710
1230
1600 1620
-50 0 50 100 150 200 250 300 350 400
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800
成 長 量 身
長
年齢(歳)
身長と成長量グラフ13
成長量(㎜)
身長(㎜)
12歳
5150 6000
9000 11000
5000
-2000 -2000 -3000
2.85 8
22 57 58
51
-10000 -8000 -6000 -4000 -2000 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65
体 重 増 加 量 体
重
年齢(歳)
体重と増加量グラフ13
体重増加量(g)
体重(㎏)
(1)
図
2
身長と体重の成長様相と年間増加量ヨコ
16
㎝ 希望㎜ ㎜
㎏ g
㎜ ㎜
㎏ g
表4 成人値到達後の体重の変化型(出現数)
変化傾向 減少型 横ばい型 減少・増加型 計
旧資料 17 41 3 61
新資料 33 25 5 63
計 50 66 8 124
0.01 > p > 0.005 項目に対する反応との間に関係あり
②検討 27 項目
表 5 は検討 27 項目について,新・旧資料別に平均値と 変異係数を比較したものである.これによると,7 歳の体 重および初潮時の体重,初潮時 BMI では,新資料の平均 値の方が有意に大きな値を示していた.初潮時身長をみる と,両資料は類似し有意差はみられなかった.初潮時身長 は,清水12)の指摘の 148cm ではなく,菊地ら15) の約 151cm と同値であった.1951 年生まれを対象とした箕輪 ら20) の調査でも,平均 151cm と報告されていることから,
平均初潮時身長の値の 151cm は 40 年間ほぼ変化していな いのではないかと思われる.初潮時体重をみると,旧資料 直後の年齢集団に相当する菊地ら15)の調査では 42 〜 43kg と報告され,新資料の 42.2kg の値に近い.これは旧 資料が全国集団より痩せ集団であることもかかわると考え られる.初潮年齢についてみると,両資料ともに 12 歳前 後の値を示しており菊地らの 12.5 歳とは 0.5 歳隔たりがあ る.これは本資料においては,初潮年齢は覚えていても,
来潮時期の記憶が曖昧な場合がかなりあったため,月は入 れずに確実に回答できるその年齢を用いたことが影響した と考えられる.なお,高部ら17)の用いた 1978 〜 1979 年 計測の 7 歳〜 20 歳に至る日本人女子の体格調査資料でも 平均初潮年齢は 12.5 歳と報告されている.
つぎに変異係数に着目する.標準偏差は散布度を示すの に用いられるが,単位を持つ絶対的な値であるので,標準 偏差を平均値で除し 100 をかけた相対的値を用いると便利 なことが多い.変異係数は単位を持たないので相互比較が できる21).表 5 の変異係数をみると,両資料はほぼ類似し ていた.成人値の安定した 18 歳身長では変異係数が 2.6
〜 2.8 と最も小さく,ついで初潮後の身長,すなわち,(1 後身),(2 後身),(3 後身)では 2.6 〜 3.6 の値を,7 歳身 長と初身長も 4.1 〜 4.4 の値を示す.また初潮前の身長(1 前身),(2 前身),(3 前身)では 5.2 〜 6.0 と身長関連項目 の中では大きめの値を示すことから,初潮前の方に個体差 が大きく生じていることが示唆された.表 5 の下方にある 体 格 を 表 す 7 BMI・ 初 BMI・18 BMI と 7Rohrer・
初 R o h r e r ・ 1 8 R o h r e r の変異係数をみると,新資 料ではいずれも 9 〜 10 の値 を示すのに対し,旧資料で は 18 歳時の値は 8 〜 9 と小 さく,7 歳時と初潮時の値 が大きい特徴がみられた.
旧資料における 7 歳時およ び初潮時の不安定さは,河 内のいう10)7 歳時値が環境 等の影響を受けていること を示唆しているのかもしれ ない.
③検討 12 項目
表 6 は,初潮来潮の前と 後の年間増加量にどのよう な変化がみられるのか,新・
旧資料の平均値を比較した ものである.また,各資料 の相隣る年齢間で平均値の 差 の 有 意 性 の 検 定 も 行 っ た.身長についてみると両 資料間ではいずれも有意差 は認められなかったが,体 重については,(前 1 前 2 差)
は新資料の方が有意に大,
(後 1 初差)は旧資料の方が 大 な る 有 意 差 が 認 め ら れ 表 5 27 項目の平均値・標準偏差と変異係数
*:5% 以下の危険率で有意差あり
項目 内容 旧資料(N:41) 検定 新資料(N:49) 変異係数
x S.D. x S.D. 旧資料 新資料
初潮年齢(歳) 11.93 1.08 12.08 1.08 9.07 8.98 7歳体重(kg) 7歳時 22.10 2.95 * 23.51 3.22 13.33 13.71 7歳身長(cm) 7歳時 121.14 5.28 122.04 5.21 4.36 4.27 初体重(kg) 初潮時 39.84 5.21 * 42.20 5.35 13.07 12.68 初身長(cm) 初潮時 151.24 6.19 151.70 6.54 4.09 4.31 18歳体重(kg) 18歳時 49.36 4.06 50.24 5.17 8.22 10.30 18歳身長(cm) 18歳時 158.87 4.12 158.14 4.42 2.59 2.80 1前身(cm) 初潮1年前値 145.38 7.55 146.57 7.76 5.20 5.29 2前身(cm) 初潮2年前値 139.12 7.92 140.48 8.01 5.69 5.70 3前身(cm) 初潮3年前値 133.24 7.58 134.46 8.00 5.69 5.95 1前体(kg) 初潮1年前値 36.20 6.06 38.30 6.30 16.75 16.45 2前体(kg) 初潮2年前値 32.50 5.72 33.81 6.01 17.60 17.77 3前体(kg) 初潮3年前値 28.62 4.48 29.93 5.28 15.66 17.66 1後身(cm) 初潮1年後値 155.17 4.81 154.85 5.56 3.10 3.59 2後身(cm) 初潮2年後値 157.16 4.15 156.65 4.94 2.64 3.15 3後身(cm) 初潮3年後値 157.96 4.05 157.35 4.68 2.57 2.97 1後体(kg) 初潮1年後値 44.40 5.16 45.64 5.04 11.62 11.04 2後体(kg) 初潮2年後値 46.85 4.34 47.92 4.51 9.27 9.41 3後体(kg) 初潮3年後値 48.53 4.23 49.16 4.73 8.72 9.63 18初体(kg) 18歳値−初潮時値 9.52 4.74 8.04 5.20 49.76 64.73 18初身(cm) 18歳値−初潮時値 7.63 4.34 6.44 4.40 59.96 68.31
7BMI 7歳時 15.05 1.70 15.72 1.52 11.32 9.67
初BMI 初潮時 17.42 2.05 * 18.29 1.80 11.79 9.84
18BMI 18歳時 19.57 1.59 20.09 1.93 8.14 9.62 7Rohrer 7歳時 124.51 16.03 129.09 12.48 12.87 9.67 初Rohrer 初潮時 115.52 16.07 120.90 13.13 13.91 10.86 18Rohrer 18歳時 123.33 11.53 127.19 13.25 9.35 10.42 BMI:体重(kg)/身長(m2 2) Rohrer 指数:体重(kg)/身長(m3 3)×10
た.
体重の年間増加量の平均値が最大となる時期をみると,
新資料では初潮前の(前 1 前 2 差)で 4.49kg,旧資料では 初潮後の(後 1 初差)で 4.57kg と大きな値を示していた.
この初潮前の体重,身長では両資料ともに,相隣る年齢間 には有意な差は生じていなかった.このことから,清水12)
の「身長は初潮前年で最も伸びる」や,北村ら13)の「最 大増加量は身長では初潮の 3 〜 2 年前,体重では 2 〜 0 年 前」の指摘についても,一概にはいえないことが判明した.
初潮後の体重と身長は両資料ともに来潮時期から遠のく 程,年間増加量は有意に減少していた.
3.2 2 項目の関係
40 通りの組み合わせの散布図から得られた相関係数の 有意性と資料間および項目間の相関係数の差の有意性の検 定結果を表 3 に示した.有意な相関係数には右肩にアステ リスクを付加した.河内10)の指摘のように 7 歳値と 18 歳 値のかかわりをみるために,7 歳時の項目についてみると,
相関係数は 7 歳身長と 18 歳身長とでは旧資料が 0.562,新 資料が 0.500 でいずれも有意な関係性がみられた.7 歳体 重と 18 歳体重とでも旧資料が 0.580,新資料が 0.425 で有 意なかかわりがみられたことから,本報の両資料において も,水野7)の「発育量不変の傾向」が確認された.
図 3 は横軸に①②③④が 7 歳身長,⑤⑥⑦⑧が 7 歳体重,
⑨⑩⑪⑫が 7BMI を,縦軸に各項目の初潮時および 18 歳 時の値をとり,新旧資料についてそれらの関係性をみたも のである.いずれの散布図も右肩上がりの正の相関を示す.
新旧資料の分布を比較すると,新資料の②初身長と④ 18 歳身長の分布をみると,回帰式の寄与率は②の方が高めで ある.同様に⑥と⑧,⑩と⑫においても初潮時の方が寄与 率は高かった.これに対し,旧資料の①と③,⑤と⑦,⑨ と⑪では初潮時値より 18 歳値の方が回帰式の寄与率が高 めであった.表 3 の横軸の 7BMI と縦軸の初 BMI に着目
すると,相関係数が旧資料では 0.304 であるのに対し,新 資料では 0.740 となり,新旧資料の相関係数の差は有意と な っ た. 同 様 に,7 歳 体 重 と 初 BMI,7Rohrer と 初 Rohrer においても,新資料は旧資料より相関係数が有意 に大きかった.その他の項目については両資料間で相関係 数に有意な差はみられなかった.つぎに,各資料における 横軸の 7 歳値と縦軸の初潮時値および 18 歳時値の相関係 数間に差が認められるか検討した.これによると,身長で は両資料ともに有意な差は認められなかった.旧資料にお いては,7Rohrer の初潮時と 18 歳時の相関係数間で,18 歳時の方が大なる有意な差が認められた.新資料において は 7 歳体重と初潮時 Rohrer および 18 歳時 Rohrer の組み 合 わ せ 以 外 で は す べ て, す な わ ち,7 歳 体 重,7BMI,
7Rohrer いずれも,初潮時と 18 歳時の相関係数間に初潮 時の方が大なる有意な差が認められた.このことから,旧 資料と新資料とでは体重の成長様相に相違が生じ,新資料 では早期の初潮時に,7 歳時の値との関係性がより強いこ とが明白となった.図 4 は初潮年齢を横軸に,①②③④が 体重の初潮前の年間増加量を縦軸にとり,⑤⑥⑦⑧が身長 の初潮前の年間増加量を縦軸にとり,それらのかかわりを みたものである.いずれも右肩下がりの分布を示すことか ら相関係数はマイナスの値である.体重では旧資料①の初 潮時と初潮 1 年前の差の回帰式の寄与率が 19.17%で,表 3 の相関係数は− 0.438 となり有意な関係性がみられるが,
図 4 の②の新資料の回帰式の寄与率は 3.53%で表 3 の相関 係数は− 0.188 となり有意なかかわりはみられなかった.
③④⑦⑧については 2 項目の関係性はまったくみられな かった.図 4 の⑤と⑥では初潮年齢が遅いと初前1身差は 小さくなる関係がみられ,表 3 の相関係数は− 0.568 と−
0.437 で有意な関係性を持っていた.
以上のことから,新資料と旧資料とでは体重の成長速度 に相違が生じていることが示唆された.すなわち,新資料
表 6 身長(cm)と体重(kg)の年間増加量の平均値と標準偏差
項目 体重 身長
時期 旧資料(N:41) 検定 新資料(N:49) 旧資料(N:41) 検定 新資料(N:49)
x S.D. x S.D. x S.D. x S.D.
初潮前
(初前 1 差)来潮から 1 年前 3.64 3.02 3.90 3.08 5.86 3.57 5.13 2.84
(前 1 前 2 差)来潮 1 年前から 2 年前 3.69 1.67 * 4.49 1.86 6.26 2.46 6.09 2.38
(前 2 前 3 差)来潮 2 年前から 3 年前 3.89 2.14 3.88 1.61 5.89 1.66 6.03 2.00
初潮後
(後 1 初差)来潮から 1 年後 4.57 2.80 * 3.44 2.35 3.93 2.66 3.15 2.44
* * * *
(後 2 後1差)来潮 1 年後から 2 年後 2.45 1.97 2.28 2.44 1.99 1.69 1.80 1.48
* * * *
(後 3 後 2 差)来潮 2 年後から 3 年後 1.68 1.26 1.23 1.93 0.80 0.63 0.70 1.04
*:5%以下の危険率で有意差あり