海外子会社マネジメントの実態 : アンケート調査 の結果から
著者 中川 優
雑誌名 同志社商学
巻 64
号 5
ページ 541‑558
発行年 2013‑03‑15
権利 同志社大学商学会
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000013210
海外子会社マネジメントの実態:
アンケート調査の結果から
中 川 優
Ⅰ はじめに
Ⅱ 調査の概要
Ⅲ 回答結果の概要
Ⅳ まとめ
Ⅰ は じ め に
本稿は,筆者を含む研究グルー
1
プが行ったアンケート調査の結果を,記述統計を中心 に紹介するものである。この調査の目的は,本社が行う海外子会社の管理実態を明らか にするとともに,それらにおける管理会計システムの役割を解明しようというものであ る。したがって,本来は研究課題に関連して統計学的手法を用いた上で,その解釈を行 うことが本研究の目的であり,この点に関しては今後の研究において明らかにすること とし,本稿においては,アンケート調査の結果の概要を紹介することに留める。
Ⅱ 調査の概要
調査対象は,海外に子会社を有する日本企業とした。この場合,海外子会社をどのよ うに定義するかであるが,海外子会社には様々な形態がある。しかし,マネジメントの 上で問題となるのは,少なくとも販売機能を有した子会社であり,出資だけを行ってい る場合には,本研究が課題としているような大きなマネジメント上の問題は,生じない ものと思われる。したがって,本研究において対象となる企業は,少なくとも販売機能 を有した海外子会社を有している日本企業である。
アンケートの送付先は,ダイヤモンド社が提供するデータベースから,海外事業を担 当すると思われる部門長(上場企業および非上場企業)と東洋経済社発行の『海外進出 企業総覧』により選定した。アンケートの発送数は,5410通,有効回答数は
637
通で あり,回収率は,12.14% であった。近年,郵送質問票調査の回収率は,かなり低くな────────────
1 研究グループのメンバーは,安酸建二(近畿大学),松木智子(帝塚山大学),島吉伸(近畿大学),窪 田祐一(大阪府立大学),西居豪(専修大学)である。
(
541
)247っているが,本調査は,送付先を上場企業に限定しなかったことから,発送数が
5410
という多数であったため,回収率も比較的よい方であると思われる。回答企業の業種別の内訳については,図表
1
のとおりである。大分類の業種では製造業が最も多くなっており,製造業の中では,機械,電機,輸送 用機器という加工組立型産業の比率が高くなっている。
以下の質問は,海外子会社が複数ある場合には,回答企業にとって主要な事業である 海外子会社の
1
社を対象として,回答するにように要求しているので,以下の回答は,回答企業が想定している海外子会社に関する回答ということになる。
Ⅲ 回答結果の概要
1.海外子会社の概要 1)進出国
進出国の地域別と国別の回答は,図表
2
および3
のとおりである。回答の対象となった海外子会社の所在地は,中国が
190
社で最も多く,次いでアメリ カ(125社),タイ(84社)という順になっている。このことは,もちろん海外進出先 の全体像を示すものではないが,これらが主要な進出国であることは間違いないものと 思われる。2)設立後の経過年数
次の質問は,回答対象となった海外子会社からの経過年数である。統計数値と回答の
図表
1
回答企業の業種別内訳度数 割合 ガラス・土石製品
12 2.88%
鉱業
4 0.63%
ゴム製品9 2.16%
建設業
35 5.50%
パルプ・紙9 2.16%
製造業
416 65.41%
内訳 医薬品13 3.13%
商業
86 13.52%
化学46 11.06%
サービス業
28 4.40%
機械73 17.55%
運輸・情報通信業
43 6.76%
金属製品28 6.73%
不動産業
3 0.47%
非鉄金属14 3.37%
金融・保険業
21 3.30%
精密機器14 3.37%
電気機器
66 15.87%
輸送用機器
54 12.98%
繊維製品
17 4.09%
鉄鋼
9 2.16%
石油・石炭製品
1 0.24%
食料品
26 6.25%
その他製品
25 6.01%
同志社商学 第64巻 第5号(2013年3月)
248(
542
)アフリカ,1,
0%
オセアニア,7,
1%
ヨーロッパ,51,8%
西アジア,3,
1%
東アジア,
240,
東南アジア,38%
181, 29%
南アジア,
11, 2%
南アメリカ,
5, 1%
北アメリカ,127,
20%
イギリス,11,
1.93%
ドイツ,15,
2.63%
マレーシア,14,
2.45%
シンガポール,31,
5.43%
インドネシア,27,
4.73%
ベトナム,23,
4.03%
香港,22,
3.85%
アメリカ,
125, 21.89%
タイ,
84, 14.71%
中国,
190 33.27%
台湾,18,
3.15%
韓国,11,
1.93%
80
106 88
118 78
44 38 31 26 17 5年未満
5〜10年未満 10〜15年未満 15〜20年未満 20〜25年未満 25〜30年未満 30〜35年未満 35〜40年未満 40〜45年未満 45年以上
分布は,図表
4
のとおりである。設立後の経過年数は平均値が
17.59
年であり,5年ごとに区切った分布で見ても15
年〜20年未満が最も多くなっている。また,25年未満の企業が回答数のうち,75% を占 めている。
3)海外子会社への出資比率
回答対象となった海外子会社への出資比率は,図表
5
のとおりである。図表
5
からも明らかなように,100% 出資が65.6% を占めている。100% 出資の方が
本社としては色々な面でコントロールが容易であると考えられる。しかし,国や地域に図表
2
進出地域別内訳 図表3
国別内訳(10以上の回答が得られた国/特 別行政区)(国名,度数,全体に占める割合)図表
4
海外子会社設立後の経過年数度数 平均値 中央値 最頻値 標準偏差 最小値 最大値
626 17.59 16 10 12.12 1 56
海外子会社マネジメントの実態:アンケート調査の結果から(中川) (
543
)24914 70 74 61
416 10〜25%以下
26〜50%以下 51〜75%以下 76〜99%以下 100%
271 134
43 36
59 9
0.1%以下 0.1〜1%以下 1〜2.5%以下 2.5〜5%以下 5〜7.5%以下 7.5%〜15%以下
よっては,100% の出資を認められなかったり,合弁の方が様々な特典を受けられる場 合もある。もちろん,買収などによって合弁事業の形態を採用するものもある。
4)海外子会社の規模
海外子会社の規模については,グループ全体に占める比率で尋ねている。結果は,図 表
6
のとおりである。図表
6
からは,回答対象となった企業の売上高が,グループ全体に占める割合は,全 体としては,かなり低いと思われる。0.1% 以下と回答した企業が,全体の49% を占め
ている。5)海外子会社従業員数・日本人出向者数・日本人出向者滞在期間
次に回答対象となった海外子会社に関するものであるが,従業員数,日本人出向者 数,日本人出向者滞在期間に関するデータは,図表
7
のとおりである。海外子会社の従業員数に関しては大きなばらつきがあり,5000名以上という会社か ら
25
名未満という大きな幅がある。これによって,日本人出向者の実数も0〜217
名と図表
5
海外子会社への出資比率度数 平均値 中央値 最頻値 標準偏差 最小値 最大値
635 87% 100% 100% 0.22 10% 100%
図表
6
海外子会社の規模度数 平均値 中央値 最頻値 標準偏差 最小値 最大値
552 1.28% 0.12% 0.10% 2.30 0% 15%
同志社商学 第64巻 第5号(2013年3月)
250(
544
)134 78
90 82
104 67
27 23 9 25名未満 25〜50名未満 50〜100名未満 100〜200名未満 200〜500名未満 500〜1,000名未満 1,000〜2,000名未満 2,000〜5,000名未満 5,000名以上
44
89 80 78 57 50
134 72
34 18 0名
1名 2名 3名 4名 5名 5〜10名未満 10〜20名未満 20〜50名未満 50名以上
44
105 97 187
112 44
17 0%
1%未満 1〜5%未満 5〜10%未満 10〜25%未満 25〜50%未満 50〜100%
図表
7
海外子会社従業員数・日本人出向者数・日本人出向者滞在期間 度数 平均値 中央値 最頻値 標準偏差 最小値 最大値 海外子会社従業員数日本人出向者数 日本人出向者数割合
614 606 606
489.71 8.22 0.09
100 4 0.04
100 1 0
1,570.26 17.22 0.13
1 0 0
19,000 217 1
海外子会社従業員数日本人出向者数
日本人出向者数比率(対海外子会社従業員数)
海外子会社マネジメントの実態:アンケート調査の結果から(中川) (
545
)251いう大きな差が生じている。また,海外子会社の従業員数に対する日本人出向者の比率 は,回答の幅はかなり大きくなっているが,1〜5% 未満という回答が最も多くなって いる。
6)海外子会社の社長の国籍・主要な製品サービス・主要な供給先
海外子会社の社長の国籍としては,日本人(496社:78.9%)に対して,現地国(123 社:19.6%)であり,以前から言われているように日本人の比率が依然として高いが,
現地国も以前の多の調査に比べれば,やや高くなっていると思われ
2
る。
また,海外子会社が提供する製品やサービスの対象は,産業財・事業所向けが
451
社 であり,消費財・消費者向けは,161社であった。さらにそれらの製品やサービスの仕 向先であるが,現地国が414
社,日本が71
社,現地国と日本以外の第三国は,38社と なっている。回答の対象となっている子会社は,多くが産業財,事業所向けの製品やサ ービスを現地国に供給していることになる。2.海外子会社を取り巻く環境
子会社を取り巻く環境を明らかにするために,以下の
9
つの質問を行った。質問の内 容と結果については,図表8〜9
のとおりである。図表
8
からは,各質問のスコアの平均値には大きな差(2.52〜3.23)は見られない。また,標準偏差も
0.94〜1.35
であり,分布に関しても大きなばらつきはないと言えよ う。しかし,図表9
の分布の状況からは,問2−2, 2−3, 2−9
については,多の質問に比 較して分布が右側にシフトしていると思われる。したがって,新規参入の可能性,競合────────────
2 調査対象が異なるので単純な比較はできないが,筆者が
1998
年に在タイ日系企業を対象とした調査で は,社長の国籍は,82.4% が日本人,17.6% がタイ人,また,1999年に在米日系企業を対象とした調 査では,社長の国籍は83.6% が日本人,13.7% がアメリカ人であった。詳細については中川(2004)
を参照されたい。
図表
8
海外子会社を取り巻く環境(基本統計量)度数 平均値 中央値 最頻値 標準偏差 最小値 最大値 問
2−1
顧客のニーズ問
2−2
新規参入の可能性 問2−3
競合企業の戦略問
2−4
製品・サービスの需要動向 問2−5
製品・サービスの価格動向 問2−6
製品・サービスに求められる機能 問2−7
現地の労働市場の動向問
2−8
現地の政治・社会の情勢 問2−9
現地の金融環境の動向648 645 647 648 647 644 647 648 648
2.52 3.23 3.09 2.65 2.65 2.47 2.85 3.12 3.09
2 3 3 2 2 2 3 3 3
2 3 3 2 2 2 3 2 3
0.97 1.09 1.06 0.94 1.02 0.96 1.09 1.35 1.23
1 1 1 1 1 1 1 1 1
7 7 7 7 7 7 7 7 7
正確に予測できる どちらとも言えない 全く予測できない1 2 3 4 5 6 7
同志社商学 第64巻 第5号(2013年3月)
252(
546
)69 286
211
55
22 4 1
0 50 100 150 200 250 300 350
1 2 3 4 5 6 7
問2-1
22 144
230 190
38
15 6
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問2-2
15 178
282
103 48
19 2
0 50 100 150 200 250 300
1 2 3 4 5 6 7
問2-3
35 290
227
72
16 6 2
0 50 100 150 200 250 300 350
1 2 3 4 5 6 7
問2-4
48 284
208
73
23 10 1
0 50 100 150 200 250 300
1 2 3 4 5 6 7
問2-5
75 295
197
55
17 4 1
0 50 100 150 200 250 300 350
1 2 3 4 5 6 7
問2-6
45
224 225
105
36
9 3
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問2-7
45
203 186
113
57 35
9 0
50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問2-8
46
181 201
140
51 27
2 0
50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問2-9
企業の戦略,現地の金融環境の動向については,やや予想しがたいと見ている企業が多 いものと思われる。
3.製品・サービスの面での海外子会社と本国との違い
海外子会社が現地において供給する製品・サービスが,本国と大きく異なる場合に は,本社にとってマネジメント上の大きな課題となり,不確実性や複雑性を増加させる 要因ともなる。それらを考慮する必要性から,以下の質問を行った。結果は図表
10〜11
のとおりである。海外子会社が提供する製品・サービスに関して,本国との違いを聞いているが,当然 のことながら,所在地によりこれらの要素は大きく異なることとなる。特に問
3−3
の「価値観,国民性」や「顧客ニーズ」に関しては,日本との違いがある程度存在すると いう回答が多い。回答企業の所在地については,全体の約
30% を中国,20% をアメリ
カが占めているということも影響しているのかもしれない。図表
9
海外子会社を取り巻く環境(回答の分布)図表
10
製品・サービスの面での海外子会社と本国との違い(基本統計量)度数 平均値 中央値 最頻値 標準偏差 最小値 最大値 貴社 問
3−1
法的規制問
3−2
宗教問
3−3
国民性・価値観 問3−4
気候風土 問3−5
顧客ニーズ642 642 641 642 641
3.31 1.92 3.54 2.99 3.44
4 1 4 3 4
4 0 4 4 4
2.02 1.99 2.01 2.01 1.83
0 0 0 0 0
7 7 7 7 7
1
0
6
1
6
海外子会社マネジメントの実態:アンケート調査の結果から(中川) (547
)25357 103
90
57 140
89 77
29
0 20 40 60 80 100 120 140 160
0 1 2 3 4 5 6 7
問3-1
221
124 83
53 82
36 28
15 0
50 100 150 200 250
0 1 2 3 4 5 6 7
問3-2
64
69 70 65
154
93 98
28
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180
0 1 2 3 4 5 6 7
問3-3
102
83 84 72
140
83 67
11 0
20 40 60 80 100 120 140 160
0 1 2 3 4 5 6 7
問3-4
45 69
97 77
153 117
66
17 0
20 40 60 80 100 120 140 160 180
0 1 2 3 4 5 6 7
問3-5
4.海外子会社の販売市場の特性
海外子会社が現地において直面している販売市場の特性についての質問は,以下のと おりである。
問
4−1
および4−2
については,競争の状況に関する質問であるが,平均値,中央値 から見てもライバル企業および現地企業との競争は,激しいと認識しているようであ る。問
4−3
は,潜在的な顧客ニーズの発掘の場として進出先の市場がどの程度重要であ るかという質問である。基本統計量や分布の状況からも明らかなように,重視している という回答が多くなっている。これは,進出国の当該市場を重視しているあるいは魅力 的であると思っているから,進出先として事業を行っているとも言える。問
4−4
は,製品やサービスを試験的に導入するという角度から,その重要度を問う ているので,前問とは回答の分布や平均値もやや異なっている。問
4−5
は,新製品や新しいサービスの市場への投入頻度を聞いているが,これは中 程度のスコア4
を頂点とするほぼ正規分布となっている。問
4−6
および4−7
は,現地の販売市場の規模と将来の成長性に関するものであるが,平均値,中央値ともに高くなっており,これらに期待して進出していることがうかがえ る。
図表
11
製品・サービスの面での海外子会社と本国との違い(回答分布)修正項目 はない
修正項目は
極めて少ない 中程度 修正項目は
極めて多い
0 1 2 3 4 5 6 7
同志社商学 第64巻 第5号(2013年3月)
254(
548
)11 33
56 174 183
165
28
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
1 2 3 4 5 6 7
問4-1
19
68 78
151 157 148
29
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180
1 2 3 4 5 6 7
問4-2
5 19 37
110 132
244
104
0 50 100 150 200 250 300
1 2 3 4 5 6 7
問4-3
12
75 75
164
115 157
53
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180
1 2 3 4 5 6 7
問4-4
32 104 106
259
80 54
12 0
50 100 150 200 250 300
1 2 3 4 5 6 7
問4-5
16 42
64 93
119 165
150
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180
1 2 3 4 5 6 7
問4-6
1 15 28
95 200
226
85
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問4-7
図表
12
販売市場の特性(基本統計量)度数 平均値 中央値 最頻値 標準偏差 最小値 最大値 問
4−1
日本国内やその他の地域でもライバル関係となる企業との競争はどの程度ですか。
問
4−2
現地企業との競争はどの程度ですか。問
4−3
潜在的な顧客ニーズの発掘のための場とし て当該市場はどの程度重要ですか。問
4−4
最先端の製品・サービスの実験の場として 当該市場はどの程度重要ですか。問
4−5
当該市場での新製品・サービスの市場への 投入頻度は日本国内市場と比べてどの程度 ですか。問
4−6
当該市場の規模は,他の販売市場と比較し て,どの程度ですか。問
4−7
当該市場の今後の成長性について,どの程 度有望視できますか。650 650 651 651 647
649 650
4.68 4.41 5.29 4.50 3.71
5.08 5.30
5 5 6 4 4
5 5
5 5 6 4 4
6 6
1.29 1.48 1.31 1.54 1.34
1.64 1.15
1 1 1 1 1
1 1
7 7 7 7 7
7 7
問
4−1
問4−2
全く競争がない 中程度 きわめて競争的で破壊的
1 2 3 4 5 6 7
問
4−3
問4−4
全く重要ではない 中程度 最も重要である
1 2 3 4 5 6 7
問
4−5
国内よりも相当頻度が低い 中程度 国内よりも相当頻度が高い1 2 3 4 5 6 7
問
4−6
非常に小さい 中程度 非常に大きい1 2 3 4 5 6 7
問
4−7
全く期待できない どちらとも言えない 非常に期待できる1 2 3 4 5 6 7
海外子会社マネジメントの実態:アンケート調査の結果から(中川) (
549
)2557 19 21 64
102
204 230
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問5-1
38 51
32 79
102 148
197
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問5-2
28 15 22
92 120
188 182
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
1 2 3 4 5 6 7
問5-3
43 36 31
89 87
150 210
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問5-4
26 41
55 155
140 151
78
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180
1 2 3 4 5 6 7
問5-5
55 105
81
147 149
74
36
0 20 40 60 80 100 120 140 160
1 2 3 4 5 6 7
問5-6
9 20 20
58 123
190 227
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問5-7
5.海外子会社における経営理念の浸透
近年は,経営理念の浸透が企業経営にとって大きな役割を果たしているといわれてお り,国内外の優良企業の分析においても,指摘されてい
3
る。これらに関連する質問と回 答の基本統計量および回答の分布は,図表
13〜14
のとおりである。────────────
3
Simons(1995)では,信条のシステム(brief system)が 4
つのコントロールの手段のうちの,1つとしてあげられている。
図表
14
経営理念の浸透(回答の分布)図表
13
経営理念の浸透(基本統計量)度数 平均値 中央値 最頻値 標準偏差 最小値 最大値 問
5−1
海外子会社に対しても貴社の経営理念を浸透させることを重要視している。
問
5−2
海外子会社の母国語を通じて,貴社の経営 理念とその詳細が示されている。問
5−3
貴社の経営理念を深く理解している人物を 海外子会社に出向させている。問
5−4
海外子会社内のあらゆる場において,経営 理念を象徴する『マーク』や『ロゴ』が使 用されている。問
5−5
現地国の価値観や文化を踏まえた経営理念 の解釈を海外子会社に示している。問
5−6
海外子会社内にて,貴社の経営理念に関す る研修・教育が頻繁に行われている。問
5−7
グループの一員として相応しい,あるいは 社名に恥じない行動をとることを,海外子 会社に求めている。647 647 647 646
646 647 647
5.73 5.15 5.40 5.22
4.71 3.92 5.70
6 6 6 6
5 4 6
7 7 6 7
4 5 7
1.37 1.84 1.56 1.84
1.56 1.65 1.39
1 1 1 1
1 1 1
7 7 7 7
7 7 7
全くそのようなことはない どちらとも言えない 全くそのとおり
1 2 3 4 5 6 7
同志社商学 第64巻 第5号(2013年3月)
256(
550
)22 52
26 36
167
108 155
84
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180
0 1 2 3 4 5 6 7
問6-1
2 19 20 26
132 114
198
140
0 50 100 150 200 250
0 1 2 3 4 5 6 7
問6-2
1 13 5 18
116 111 242
145
0 50 100 150 200 250 300
0 1 2 3 4 5 6 7
問6-3
5 17 15
35 173
145 192
68
0 50 100 150 200 250
0 1 2 3 4 5 6 7
問6-4
回答の分布からは,問
5−5
および5−6
を除いて,右肩上がりの分布になっており,経営理念の浸透させるための努力を行っていると言える。ただし,問
5−5
および5−6
のように,企業理念を現地国の価値観や文化を考慮して解釈し直したり,海外子会社内 で経営理念の浸透を図るための教育や研修については,実施しているところと実施して いないところに分かれたような回答となっている。この点については,海外子会社にお ける経営理念の浸透を行う場合の課題とも言えよう。6.経営管理上の本社・海外子会社間の取り決め
日本本社が海外子会社を管理するに当たり,本社・海外子会社間で明確な取り決めが 定められているかどうかという質問である。結果は,図表
15〜16
のとおりである。回答の基本統計量や回答の分布の状況から判断しても,ある程度の取り決めがなされ ていることは明らかである。特に問
6−3
の海外子会社からの報告事項については,あ る程度詳細に決められているようである。日本本社からすれば海外子会社に定期的ある いは必要に応じて報告を求めることは当然であり,それらの事項がある程度,事前に取 り決めがなされていることは,合理的であると言える。しかし,モニタリング項目や指 導・助言内容については,詳細に決めている割合は他の質問項目と比べてやや低いと言図表
15
経営管理上の本社・海外子会社間の取り決め(基本統計量)度数 平均値 中央値 最頻値 標準偏差 最小値 最大値 問
6−1
海外子会社を対象としたモニタリング項目問
6−2
海外子会社経営にあたって協議すべき事項 問6−3
海外子会社からの報告項目問
6−4
海外子会社への指導・助言内容650 651 651 650
4.52 5.23 5.47 4.92
5 6 6 5
4 6 6 6
1.87 1.52 1.33 1.42
0 0 0 0
7 7 7 7
全く取り決めていない
最低限の
事項のみ 中程度 詳細事項まで
取り決めている
0 1 2 3 4 5 6 7
図表
16
経営管理上の本社・海外子会社間の取り決め(回答の分布)海外子会社マネジメントの実態:アンケート調査の結果から(中川) (
551
)257費用・原価に 対する責任,29,
4%
売上高・収益に 対する責任,368,
57%
利益に 対する責任,106,
16%
投資効率を含めた 利益責任,146,
23%
数字は度数
%は全体に占める割合
える。
7.海外子会社が本社に対して負う説明責任
この質問は,海外子会社がコスト・センター,プロフィット・センター,インベスト メント・センターのいずれに位置づけられているのかを聞いた質問である。
回答は,図表
17
のとおりである。回答では,売上高・収益に対する責任,投資効率を含めた利益責任,利益責任という 順になっている。費用・原価に関する責任というコスト・センターは,ごくわずかにな っている。海外子会社は,社内の事業部とは異なり,独立した法人でもあり,原価責任 のみという場合は少ないのは当然の結果であると思われる。売上高,収益に対する責任 は,レベニューセンターという位置づけになる。海外子会社も製造を行っている会社だ けではなく,販売子会社も含まれているため,レベニューセンターという回答が多くな っているのかもしれない。また,投資効率も含めた利益責任は,インベストメント・セ ンターとして位置づけられるが,この場合には,海外子会社に設備投資の決定権を委譲 する必要がある。この結果から判断すれば,投資の決定権の委譲は,それほど大きくな いと言える。
8.海外子会社から直接報告を受ける組織
海外子会社を直接的に管理する部署を聞いている質問である。今までの筆者がインタ ビューを行った事例で言えば,海外統括を行う部署や,海外子会社が製造している製品 に該当する事業部,あるいはその両方がマトリクス組織を形成して関与する場合など 様々であった。結果は図表
18
のとおりである。回答結果からは,本社のトップマネジメントに報告する場合が全体の半数近くに達し ており,海外事業部,事業部(本部)の順となっている。したがって本社のトップある
図表
17
海外子会社の説明責任 図表18
海外子会社が直接報告を行う組織 度数 割合(有効回答数651)
本社経営陣 事業部(本部)
国内子会社 地域統括本部 海外(国際)事業部 海外(国際)営業部 本社管理スタッフ その他
291 194 2 32 255 91 171 27
44.7%
29.8%
0.3%
4.9%
39.2%
14.0%
26.3%
4.1%
※その他の記述例;事業部・本社管理部門の具体的名 称,関係・関連会社管理部門など
同志社商学 第64巻 第5号(2013年3月)
258(
552
)いは海外事業部という海外子会社を統括する部門,そして海外で展開している製品やサ ービスが属する部門となっている。
9.親会社による海外子会社の管理
問
9
では,親会社が海外子会社をどのような手段を用いて管理を実施しているのかを 聞いている。回答は図表19〜20
のとおりである。問
9−6〜9−8
は,管理会計の手法である予算を用いた管理に関する質問である。「予算実績比較は重要な海外子会社管理手段である」という質問に対する回答は,スコア
6
〜7の回答の割合が高いが,「海外子会社には非常に厳しい予算目標を課している」と いう質問に関しては,6〜7の回答の割合は減少し,4〜5が増加している。さらに,「海 外子会社には予算目標の必達を求めている」という質問では,問
9−7
に比較すれば4〜
5
がやや減少し,6〜7の比率が増加しているが,問9−6
ほど6〜7
の比率は高くない。この結果から判断すれば,予算管理は重要であると認識しているが,海外子会社に厳し
図表
19
親会社による海外子会社の管理手法(基本統計量)度数 平均値 中央値 最頻値 標準偏差 最小値 最大値 問
9−1
海外子会社に関連する詳細な業務データを収集している。
問
9−2
海外子会社に業績結果の原因や次の施策方 針などについて詳細な説明を求めている。問
9−3
海外子会社で生じた異常や不測の事態に対 して,親会社は適宜指示・支援を与えている。問
9−4
業績評価指標を用いて,海外子会社の役割 期待の達成度を把握している。問
9−5
海外子会社が担うミッションの成否をどの ように判断するのかが事前に明確になって いる。問
9−6
予算実績比較は重要な海外子会社管理手段 である。問
9−7
海外子会社には非常に厳しい予算目標を課 している。問
9−8
海外子会社には予算目標の必達を求めてい る。問
9−9
事前に定められた目標との比較を中心に海 外子会社の評価を行う。問
9−10
海外子会社の経営陣の報酬は業績連動型で ある。問
9−11
海外子会社の資金計画の策定に貴社が深く 関与している。問
9−12
海外子会社の短期利益計画の策定に貴社が 深く関与している。問
9−13
海外子会社の中長期経営計画の策定に貴社 が深く関与している。問
9−14
海外子会社の役員人事は,貴社が深く関与 している。653 653 652 651 652
653 653 652 652 649 651 652 652 653
5.35 5.70 5.77 5.29 5.07
5.86 4.58 5.29 5.17 3.86 5.45 5.29 5.67 6.28
6 6 6 6 5
6 5 5 5 4 6 6 6 7
6 6 6 6 6
6 5 5 6 4 6 6 6 7
1.33 1.10 1.01 1.40 1.34
1.20 1.42 1.37 1.40 1.81 1.48 1.42 1.24 1.10
1 1 1 1 1
1 1 1 1 1 1 1 1 1
7 7 7 7 7
7 7 7 7 7 7 7 7 7
全くそのようなことはない どちらとも言えない 全くそのとおり
1 2 3 4 5 6 7
海外子会社マネジメントの実態:アンケート調査の結果から(中川) (
553
)2593 25 42
72 169
214
128
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問9-1
2 5
28 38
163 262
155
0 50 100 150 200 250 300
1 2 3 4 5 6 7
問9-2
1 4 14
37 175
256
165
0 50 100 150 200 250 300
1 2 3 4 5 6 7
問9-3
12 22
33 92
157 209
126
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問9-4
7 23
42 136
174 178
92
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
1 2 3 4 5 6 7
問9-5
4 14 9
50 117
232 227
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問9-6
14 48
67 166
183
122
53
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
1 2 3 4 5 6 7
問9-7
10 15
39 100
177 170
141
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
1 2 3 4 5 6 7
問9-8
12 23
34 118
172 174
119
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
1 2 3 4 5 6 7
問9-9
101 78
63 159
106 104
38
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180
1 2 3 4 5 6 7
問9-10
9 28
39 77
116
198 184
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問9-11
11 19
45 91
153 196
137
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問9-12
7 9
26 50
139 247
174
0 50 100 150 200 250 300
1 2 3 4 5 6 7
問9-13
6 4 12
22 59
181 369
0 50 100 150 200 250 300 350 400
1 2 3 4 5 6 7
問9-14
い目標を課したり,予算目標の必達を求める程度は,非常に高いとは言えない。また,
海外子会社の経営陣の報酬に関しては,程度の差があり業績連動型と非連動型が混在し ており,結果としてはその中間的な形態が最も比率が高くなっている。
その他に特筆すべきは,「海外子会社の役員人事は,貴社が深く関与している」とい う質問に対して,かなりの会社が非常に強く関与しているということであり,やはり海 外子会社のトップの人事権は実質的には親会社が有していると言えよう。
10.海外子会社自身による経営管理
問
10
は,海外子会社自身による経営管理の実態に関する質問である。結果は図表
21〜22
のとおりである。図表
20
親会社による海外子会社の管理手法(回答の分布)同志社商学 第64巻 第5号(2013年3月)
260(
554
)問
10−1〜10−3
については,分布が右側によっており,実際の業務については海外子 会社自身の自律性がある程度維持されており,それをサポートすることが日本人の出向 者の役割であると言える。問10−4
は,危機管理への対応を聞いているが,ほぼ正規分 布となっており,子会社が独自で対応するか,子会社と親会社が連携して対応するの か,ケースバイケースの対応であるのかもしれない。問10−5, 10−6
は,子会社内の情 報公開やそのための教育訓練であるが,これらも正規分布となっており,会社による差 がある程度存在すると思われる。問
10−7〜10,海外子会社間の連携や相互作用に関する質問である。10−7, 10−8
についてはほぼ正規分布の回答となっている。10−9, 10−10についてはやや分布が右側に寄
図表
21
海外子会社による経営管理(基本統計量)度数 平均値 中央値 最頻値 標準偏差 最小値 最大値 問
10−1
海外子会社は,顧客別の収益情報を使って,ターゲットとすべき顧客を海外子会社 自身が把握できる。
問
10−2
業務マニュアルは海外子会社自身の手によ って改訂され続けている。問
10−3
現地での業務上の問題解決を支援すること が日本人出向者の重要な責務である。問
10−4
海外子会社内で生じた業務上の不測の事態 は,すべて親会社が対応し問題解決を図っ ている。問
10−5
海外子会社内では,経営に関する情報が徹 底的に公開されている。問
10−6
海外子会社内では,会計数字などの経営情 報を従業員が理解できるように,十分な教 育・研修を実施している。問
10−7
海外子会社は自ら発見・生み出したノウハ ウや知識をグループ各社に対して提供して いる。問
10−8
子会社間で直接的な調整もしくは情報を共 有できるような仕組みが構築されている。問
10−9
グループ全体の戦略に対する海外子会社の 貢献が明確に示されている。問
10−10
グループ内で利用されている有効な管理手法に関する導入・運用ノウハウを海外子会 社は利用することができる。
問
10−11
必要であれば,海外子会社はいつでも業務計画の見直しや修正を実行できる。
問
10−12
海外子会社では,変化に迅速に対応するために十分な予備費が計上されている。
問
10−13
海外子会社は,迅速な対応のために,通常必要とされる公式的な業務手続きを省略す ることがある。
問
10−14
海外子会社が迅速に問題解決に取り組んだ結果を,事後的に承認することがある。
問
10−15
海外子会社内部での管理指標の選択・利用は,子会社に一任している。
648
648 644 649
645 646
644
644 645 646
646 646 647
648 648
5.28
5.14 5.37 3.88
4.14 3.88
4.31
4.17 4.90 4.89
4.90 3.68 3.52
4.33 4.15
6
5 6 4
4 4
4
4 5 5
5 4 4
5 4
6
6 6 4
4 4
4
4 5 5
5 4 4
5 5
1.47
1.43 1.39 1.45
1.42 1.36
1.43
1.55 1.41 1.36
1.41 1.35 1.45
1.43 1.60
1
1 1 1
1 1
1
1 1 1
1 1 1
1 1
7
7 7 7
7 7
7
7 7 7
7 7 7
7 7
全くそのようなことはない どちらとも言えない 全くそのとおり
1 2 3 4 5 6 7
海外子会社マネジメントの実態:アンケート調査の結果から(中川) (
555
)26115
28 32
86 148
203
136
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問10-1
15 25 37
108 157
203
103
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問10-2
17 17 17
93 143
229
128
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問10-3
24
112 105
203
114 65
26 0
50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問10-4
20 71
92 224
126 77
35
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問10-5
29 87
113 194
157
56 10 0
50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問10-6
18 62
86 183
164
94
37
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
1 2 3 4 5 6 7
問10-7
40
74 67
183 150
94
36
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
1 2 3 4 5 6 7
問10-8
12 32
56 117
196 156
76
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問10-9
10 31
49 138
187 167
64
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
1 2 3 4 5 6 7
問10-10
12 36
53 114
187 179
65
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
1 2 3 4 5 6 7
問10-11
37
105 110
233
109
40 12 0
50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問10-12
54 131
114 191
91 59
7 0
50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問10-13
25
68 64
153 218
92
28 0
50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問10-14
27 109
81
140 143
111
37
0 20 40 60 80 100 120 140 160
1 2 3 4 5 6 7
問10-15
っており,海外子会社の役割はやや明確に規定されており,グループ内でのノウハウの 共有も進んでいると思われる。問
10−11〜10−15
については,海外子会社自身が保有す る経営管理上のフレキシビリティであるが,10−13では,否定的な回答が多く,迅速さ を優先させるために公式的な業務手続きを省略することは,ガバナンスや内部監査上,望ましくないのかもしれない。また,10−15は,実態が分かれており管理指標を子会社 自身に決めさせる場合と親会社が決定する場合の両方があると思われる。
11.海外子会社の成果・行動に対する満足度
最後の質問は,海外子会社の成果・行動に対する満足度に関するものである。
結果は,図表
23〜24
のとおりである。図表
22
海外子会社による経営管理(回答の分布)同志社商学 第64巻 第5号(2013年3月)
262(
556
)24
50 54
168 147
176
33
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
1 2 3 4 5 6 7
問11-1
5 52
79
177 182
134
22 0
20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
1 2 3 4 5 6 7
問11-2
14 63
98 177
132 138
29
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
1 2 3 4 5 6 7
問11-3
16
53 49
151 145 193
40
0 50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問11-4
9 53
83 208
160 113
26 0
50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問11-5
11 48
93 210
166
98
25 0
50 100 150 200 250
1 2 3 4 5 6 7
問11-6
3 40
63 151
187 176
32
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
1 2 3 4 5 6 7
問11-7
業績目標の達成度,変化への対応,競合他社と比較した業績およびグループ内の子会 社と比較した業績については,ある程度満足していることがうかがえるが,課題発見能 力,自発的な学習能力および計画の実行力については,不満足という回答も一定割合存 在する。
Ⅳ ま と め
本稿は,アンケート調査の概要を記述することが目的であるが,海外子会社のマネジ メントに関する実態をある程度明らかにすることはできたと思われる。今後は,統計分 析を利用してより詳細な分析,特に子会社を取り巻く環境が,子会社自身や親会社によ
図表
24
海外子会社の成果・行動に対する満足度(回答の分布)図表
23
海外子会社の成果・行動に対する満足度(基本統計量)度数 平均値 中央値 最頻値 標準偏差 最小値 最大値 問
11−1
業績目標の達成度問
11−2
変化への対応問
11−3
競合他社と比較した業績問
11−4
グループ内の子会社と比較した業績 問11−5
課題発見能力問
11−6
自発的な学習 問11−7
計画の実行力652 651 651 647 652 651 652
4.57 4.49 4.35 4.69 4.38 4.33 4.74
5 5 4 5 4 4 5
6 5 4 6 4 4 5
1.47 1.30 1.44 1.46 1.32 1.30 1.28
1 1 1 1 1 1 1
7 7 7 7 7 7 7
全く満足していない 中程度 非常に
満足している
1 2 3 4 5 6 7
海外子会社マネジメントの実態:アンケート調査の結果から(中川) (
557
)263る子会社のマネジメントにどのような影響を与えているかなどの研究課題に取り組んで いきたい。
(本稿は,平成
24
年度科学研究費(研究課題番号23330150)による成果の一部である。)
参考文献
Chapman, C. S.
(ed.)(2005), Controlling Strategy : Management, Accounting And Performance Measurement, Oxford : Oxford University Press(澤邉紀生・堀井悟志監訳『戦略をコントロールする:管理会計の
可能性』,中央経済社,2008年)。Henri, J.
(2006), Organizational culture and performance measurement systems, Accounting, Organizations and Society, Vol.31, p.77−103.
木島淑孝編(2006)『組織文化と管理会計システム』,中央大学出版部。
中川 優(2004)『管理会計のグローバル化』,森山書店。
Simons, R.
(1995), Levers of Control : How Managers Use Innovative Control Systems to Drive Strategic Re- newal, Boston : Harvard Business School Press(中村元一他訳『ハーバード流「21
世紀経営」4つのコ ントロール・レバー』,産能大学出版部,1998年)。同志社商学 第64巻 第5号(2013年3月)
264(