Author(s) 沖縄消費問題研究班; 小林, 甫; 田村, 三智子; 國吉, 和子;
新城, 将孝; 川﨑, 和治
Citation 沖縄大学法経学部紀要 = Okinawa University JOURNAL OF LAW & ECONOMICS(7): 55-93
Issue Date 2006-10-31
URL http://hdl.handle.net/20.500.12001/6028
Rights 沖縄大学法経学部
2.那覇都心部における消費者行動調査 一国際通りと新都心の競合と、ゆいレールの影響一
田村三智子
キーワード:消費者行動調査、沖縄都市モノレール(ゆいレール)、商業集積
I.はじめに
1987年に米軍から返還された那覇新都心は、2001年にオープンモール型ショッピングセンター
「天久りうぽう楽市」がオープンし、商業都市としての発展が始まった。その後、つぎつぎと大型
の商業施設や娯楽施設がオープンし、新都心は、地元客だけでなく、観光客にとっても、魅力のあ る街になってきた。2007年秋には沖縄県立博物館新館および沖縄県立美術館(仮称)がオープンす る予定であり、新都心の発展は勢いを増すばかりである。那覇市には以前から、国際通りという中 心市街地が存在していたが、今や新都心は、国際通りと並ぶ中心市街地となっている。その、国際通りと新都心の競合関係に、2003年8月に開通した新交通システム「沖縄都市モノレー ル(通称、ゆいレール)」は大きな影響を与えるのではないかと予想される。那覇空港から那覇都 心部を経由して、首里城のある首里汀良町の首里駅までを27分で結ぶゆいレールは、その沿線に、
国際通りと新都心の両方を含むからである。
そこで、国際通りと新都心の競合状態を把握し、ゆいレールの影響を明らかにするために、ゆい レール開通前の2003年7月12日(士)、13日(日)に、第1回那覇都心部消費者行動調査を実施した。
第1回那覇都心部消費者行動調査では、新都心の開発前後の国際通り・新都心への出向頻度データ を用いて、国際通りと新都心とがどのような競合関係にあるのかを明らかにし、また、ゆいレール 開通後の国際通り・新都心への出向頻度変化を消費者がどのように自己予想しているかを分析し た1.
翌2004年7月10日(士)、11日(日)には、第1回調査の予測が確かであったか、また、ゆいレー ルが開通することによって、実際にどういう変化があったのかを明らかにするために、第2回那覇 都心部消費者行動調査を実施した2。
さらに、2005年7月16日(土)、17日(日)に、これまでの分析の経年調査と検証のために、第3 回那覇都心部消費者行動調査を実施した鰍。
本論文は、これら3回の調査結果の分析をまとめたものであるが、紙幅の都合上、国際通りと新 都心の競合、およびゆいレールに関する分析についてのみ論述することとし、同時に行った、日常 の購買行動に関する論述は、別の機会に譲りたい。
11.調査概要 1.那覇市の概要
那覇市は、沖縄県の県庁所在地であり、人口は約30万人。沖縄県の行政および経済の中心である。
中心的な商業集積地として、国際通りと新都心の2地点がある。(図1)
-57-
図l那覇都心部(国際通りと新都心の位置関係)
国際通りとは、久茂地の交差点から安里の三叉路にかけて約1.6km続く沿道を指し、通りの両脇 にはデパートみやげ物店、レストラン、カフェ、居酒屋が立ち並ぶ。終戦直後の焼け野原に築か れ、目覚ましい発展をとげたことから、沖縄復興のシンボル的な存在で「奇蹟の1マイル」とも呼 ばれている。しかし、1999年の老舗デパート山形屋の閉店や小売業者の減少傾向、慢性的な交通渋 滞などから地元客には敬遠されるなど、近年では空洞化の傾向が現れてきている4.また、デパー ト山形屋の跡地にホテルJALシティ那覇が出店するなど、新規ホテルの開業も、観光客向けの都 市化に拍車をかけている。
他方、新都心は、1987年に米軍から返還された土地で、地域振興整備公団が土地区画整理事業を 実施している。2001年にオープンモール型ショッピングセンター「天久りうぼう楽市」、2002年に は映画館を併設するショッピングセンター「那覇メインプレイス」、2003年にコープおきなわが県 内初の複合施設「あつぶるタウン」を開店させるなど、相次いで商業施設が竣工した新興の商業集 積地であり、買い物客だけでなく、レジャー目的の客も集めている5.新都心の商業施設は、大収 容の駐車場を備えた典型的な郊外型ショッピングセンターであり、自動車による来街者を意識した ものとなっている。また、2005年1月に大型免税店「DFSギヤラリア・沖縄」がオープンし、地 元客だけでなく、観光客の来街も増加した。
さらに那覇市では、2003年8月10日に、那覇空港駅から那覇市首里汀良町の首里駅までを27分で 結ぶ全長約13kmの新交通システム、「ゆいレール」が開通した。沿線には、国際通りや新都心も含 まれており、ゆいレールの開業によって、都心部の交通渋滞の緩和や、都心部への来街者増加など の効果が期待されている。
沖縄は交通手段の約8割を自動車に頼っているため、特に都心部での交通渋滞は深刻であった6.
-58-
平成11年交通センサスによると、ピーク時の平均旅行速度は149km/h(全国平均35.0km/h)となっ ている7゜したがって、ゆいレール開通前には沖縄県唯一の公共交通機関であったバスは、その道 路混雑に巻き込まれ、定時・定速`性の確保が困難となり、利用者が年々減少傾向にあった。平成6 年12月実施のバス利用実態調査によれば、空港から汀良町までのバスの所要時間は、最長で69分、
最短で42分である8゜よって、那覇空港ターミナルから首里汀良町までの129kmを27分で結ぶゆい レールの開通により、自動車やバス利用者のゆいレールへの乗り換えによる交通混雑の緩和が期待 されたのである。
2.那覇市中心市街地の概況
那覇市経済環境部商工振興課の那覇市中心市街地活性化基本計画9によれば、国際通りを含む、
平和通り、国道58号沿い、久茂地地区などの商業・業務地域328.7haを中心市街地と定め、この地 区の活性化に取り組んでいる。中心市街地では、人口の減少や年間販売額の低下、商店数の減少な どにより、商業力の低下や空洞化が懸念されている。特に中心市街地を取り巻く商業環境の変化で は、人口の減少に加え、那覇市郊外あるいは近隣市町村に新たな商業集積地が誕生したことで、那 覇市そのものの商業力の相対的低下が指摘されている。この基本計画が作られたのは新都心の整備 事業開発中であったが、すでにこの計画の中で、新都心の商業開発が中心市街地の商業売上に及ぼ す影響が懸念されていた。
中心市街地商業の課題として、基本計画では、こうした市外および郊外部における商業力の充実 に伴う地域間競争の激化と、それによる中心市街地の来街者の減少を第一にあげているが、その他 にも、中心市街地の各商業施設が消費者ニーズの多様化に対応できていないことや、施設の老朽化、
およびオープンスペースの不足とそれに伴う回遊』性の悪さなどをあげ、中心市街地の早急な商業活 性化の施策と、那覇新都心との連携をとることが急務であると報告している。
3.調査概要
第1回那覇都心部消費者行動調査は、ゆいレール開通前の2003年7月12日(土)、13日(日)に 実施された。この調査では、ゆいレール開通後の国際通り・新都心への出向頻度の変化を、消費者 がどのように自己予想しているかを分析するとともに、新都心の再開発前後の国際通り・新都心へ の出向頻度データを用いて、国際通りと新都心とがどのような競合関係にあるのかを明らかにする ことで、消費者行動マイクロデータによるゆいレール開通の影響予測を行った。
さらに、2004年7月10日(士)、11日(日)に、第2回那覇都心部消費者行動調査を実施した。こ の調査は、被験者にゆいレール開通以前の状況を過去にさかのぼって想起してもらい、ゆいレール 開通以前と以後の、都心部へのアクセス手段や時間の変化、交通費の変化、出向頻度の変化などを 聞き、ゆいレール開通が那覇都心部に与えた影響を、消費者行動の観点から明らかにすることをね らいとして、企画、実施されたものである。
そして2005年7月16日(土)、17日(日)に、これまでの分析の経年調査と検証のために、第3回 那覇都心部消費者行動調査を実施した。
3調査のサンプル数を表1に示す。
-59-
表1調査のサンプル数
Ⅲ国際通りと新都心の競合 1.都市における小売業の役割
コックスによれば、都市の産業には、「都市を形成する産業(cityformingindustry)」と、
「都市に奉仕する産業(cityservingindustry)」という2つのタイプがある'0゜これを商業にあて はめると、卸売業が、都市間の対外的な市場取引を形成し、交易の中継地としての都市の発展をも たらす、都市を形成する産業となる、。これに対して、小売業はそうした基幹産業や人口の集まる 都市内部の住民に対して、さまざまなサービスを提供する産業であることから、都市に奉仕する産 業ととらえることができる。都市に奉仕する産業には、小売業だけでなく、飲食・サービス業も含 まれる。したがって、都市の形成と発展は、基本的には、対外的市場取引による域外からの所得の 流入をもたらす卸売業の活動に依拠し、小売業やサービス業は、それらの集中する都市の内部で、
域外よりもたらされた所得の消費市場や投資市場を形成することになると考えられていた。
しかし小売業は、卸売業がもたらす域外所得の流入を超えて発展することもある。それは、都市 に立地する小売業が、域外の消費者を吸引するほどの集客効果をもたらす場合である。つまり、小 売業の商業集積が他の都市の消費者をひきつけ、そこに域外所得の流入をもたらし、さらにはそれ が卸売業の活発な流通活動を促し、都市の形成・発展に寄与するといったように、小売業も都市成 長の牽引力となりうるのである。それは、’情報や金融といったサービス産業の集積との相乗効果や、
交通体系の発展によるアクセシビリティの向上と、それによる商圏の広域化によって、いっそうの 効果を発揮する。そしてそのことが、都市間および都市内部の構造や競争関係に、空間的かつ動態
的な変化をもたらすのである。
2.都市的流通システムの空間分化
こうした商業集積と都市とのかかわりについて、都市的流通システムという考え方から接近して みたい'2.都市的流通システムとは、市場的流通システムと都市システムの相互作用のことをさす。
それは、資本の論理によって適材適所へ移転する企業の市場活動と、企業へ雇用や収入の機会をも たらす都市との、空間的な相互関係のことである。これを、とくに小売商業集積についてみると、
-60-
調査場所サンプル数害l今
第1回(2003年)
那覇OPA5529.10 パレットくもじ6031.75 二五hA~苔言 りうぼう楽市742915 卜18910000
沖縄三越6518.84 パレットくもじ852464 第2回(2004年)天久りうぽう楽市782261 あつぶるタウン(コープおぎなわ)11733.91 口計345100009099 5006 222, 463日 9262 3520
牧志第一公設市場 1
パレットくもじ 第3回(2005年)天久りうぼう楽市
ぷるタウン(コープお声なわ)
-重。 3 月 1 1 0 0 0 0 合計
小売業には、最寄品や買回品、専門品などといった取り扱い品目による部門分化や、販売方式や営 業形態による業態分化など、多様なバリエーションがある。これらは、商圏の広狭差として、都市 の小売流通システムに空間的な分化を促している。たとえば、最寄品を専門的に扱う業種店は、居 住地近隣の商店街などに集積し、広い商圏をもつ買回品を扱う百貨店や専門店などは、都心部や交 通の要所に立地するといったように、取り扱う商品によって、小売業は空間的な階層を形成してい るのである。
また、基本的には、小売業も他の産業や卸売業などと同様に、都市における「集積の利益」を求 めて都心部もしくは中心部に集積する。集積の利益とは、幾多の経済活動が集中的に行なわれるこ とによって生み出される、いわゆる外部経済または外部効果による費用節約の原理のことである。
一つ一つの小売店舗が、専門的な品揃えを分担しつつ、それらが集積することによって、総合的品 揃えや回遊性の効果を発揮するのである。
しかし、都市に集積の効果が累積されることによって、時としてそれが「集積の不利益」に転化 することもある。いわゆる外部不経済とよばれる、地価高騰や交通混雑などの都市問題がそれであ る。それによって郊外部に人口や産業が流出し、小売業も新たに郊外部に集積の利益を求めるよう になる'3。そして郊外部に新たな商業集積が形成され、それが都心部の既存の商業集積と競合して いくのである。
このように、都市内部の趨勢または都心部と郊外部との競合関係は、小売業の空間的競争あるい は空間分化として表出する。つまり、都市的流通システムは、個別企業の枠組みを超えた集積のメ リットやデメリットという外部経済効果を含んだ企業の利益追求活動を通して、地理的・空間的な 集中や分散を伴いながらダイナミックに展開されるのである。
さて、本節で課題となるのは、これらの議論をもとに、那覇市の商業集積と都市構造との関わり を明らかにすることである。具体的には、3回に渡る那覇市都心部消費者行動調査のマイクロデー タを使って、那覇新都心開発の那覇都心部への影響と、新たな交通体系であるモノレールの開通に よる那覇都心部への影響を分析することである。
3.新都心開発前後の実際の出向頻度変化(第1回調査より)
第1回調査において、国際通りと新都心への出向頻度に関して、2種類のデータを収集した。一 つは、現在の国際通り、新都心への出向頻度、もう一つは、新都心に天久りうぼう楽市、那覇メイ ンプレイスができる以前(新都心開発以前)の国際通り、新都心への出向頻度、である。
これら2種類の出向頻度の平均を居住地別にみることによって、新都心開発の前後でどのような 変化が起こったのかをみる。
居住地別に「国際通りに近い」と「新都心に近い」に分類したが、その方法は、実際に回答して もらった「国際通りへ行くのにかかる時間」と「新都心へ行くのにかかる時間」を比較し、小さい 方を「近い」と判断した。なお、かかる時間が等しければ、「時間距離は同じ」とした。(図2)
-61-
時間距離
89
図2商業地近接性区分
その、商業地近接性区分をもとに、新都心開発以前と以後の各商業地への出向頻度を尋ねたとこ ろ、表2のようになった。
表2新都心開発前後の出向頻度変化
く国際通りへの出向頻度><新都心への出向頻度>
新都心開発前|新都心開発後 新都心開発前新都心開発後 平均値(回)
サンプル数 標準偏差
6.78 6.59 平均値(回)
サンプル数 標準偏差
1.26 423
国|際通り に近い
国|際通り
36 36 37 37
9.26 8.74 に近い 2.69 6.08
平均値(回)
サンプル数 標準偏差
3.50 348 平均値(回)
サンプル数 標準偏差
1.50 4.03 新都心
に近い 新都心
33 33 に近い 33 33
4.73 496 5.28 3.14
新都心の開発によって、新都心への出向頻度が上がるのは当然であるが、国際通りへの出向頻度
は、ほとんど変わらなかった。新都心に商業施設が建ち並んだことから、商業集積として競合する国際通りへの出向頻度が下がるのではないかと予想されたが、その予想に反する結果となった。
サンプルが少ない中で結論を出すべきではないが、ゆいレール開通以前の時点で、国際通りと新
都心の競合関係は、さほどなかったという結果となった。4.ゆいレール開通前後の出向頻度変化予想(第1回調査より)
ゆいレール開通後、出向頻度はどうなるかを回答者に予想してもらったところ、全体では、国際
通りへの出向頻度が「増えると思う」19.8%、「変わらないと思う」67.9%、「減ると思う」123%
であった。(図3)ゆいレールが開通しても、商業集積地自体の魅力度に変化がなければ、「変わら ないと思う」か、ゆいレールの利便性ゆえに「増えると思う」と回答することが予想されたが、国 際通りへ行く回数が「減ると思う」と答えた回答者がいたことに、注目すべきである。つまり、
「減ると思う」と答えた回答者は、ゆいレールを利用して、国際通りの代わりにどこかへ行くと考
えているのであり、その行き先が新都心ではないかと予想されるからである。つまり、ゆいレールの開通によって、今まで国際通りへ行っていた人が、国際通りを通過して、新都心まで向かうとい
うことである。
新都心への出向頻度が「減ると思う」という回答者がq0%だったことと比較しても、ゆいレー
-62-
WT都心開発前 新郁心開発1 新都心開発ii「i新都心開発後 国際通り随近い
平均値([;:l)
サンプル数 標準偏差
6.5(
3(
874
国際通り に近い
平均値([:])
サンプル数 標準`偏差
423 37 6.08 新都心に近い
平均値(回)
サンプル数
標準偏鍔
3.4(
3{
49(
新都心 iで近い
TF均{l閏(回)
サンプル数 標準偏差
ル開通による国際通りへの負の影響が見て取れる。
0%20%40%60%80%100%
国際通りへの出向頻度 19.8 67.9112.3
麺
新都心への出向頻度 74.2 0.0
■増えると思うロ変わらないと思うロ減ると思う’
図3ゆいレール開通前後の出向頻度変化予測
さらに、ゆいレール開通前後の予測を、ゆいレール沿線とゆいレール沿線外で分類して、それぞ れの予想をみる。便宜的に、ゆいレールの駅から半径500mの円を描き、その円内に居住地の面積
の50%程度が含まれている場合に「ゆいレール沿線」居住地とした。(図4)ゆいレール沿線
8.79'6
戸」
ゆいレール沿線外
81.3%
N=1 89
図4ゆいレール沿線居住者と沿線外居住者の比率
ゆいレール沿線と沿線外で分類すると、ゆいレール開通の影響がよりはっきりと見て取れる。つ まり、ゆいレール沿線の居住者ほど、ゆいレール開通後は商業集積地への出向頻度を高めると予想
しており、特に新都心への出向頻度の増加予想が大きいのである。(図5)<国際通りへの出向頻度><新都心への出向頻度>
0%20%40%60%80%100%0%20%40%60%80%100%
17.4 23,8
ゆいレール沿線外 611.9 13.6 ゆいレール沿線外 762
卜
27.6 35.7
ゆいレール沿線 引55 C) ゆいレール沿線 64.3
■増えると思うロ変わらないと思う□減ると思う ■増えると思う□変わらないと思う
図5ゆいレール開通前後の出向頻度変化予想(ゆいレール沿線区分)
-63-
函
醜 742
、 60.9
’13御
唾 65.5
卜!
’|’
’’’
函’’62
囮 】
||’
さらに、a=[国際通り、新都心ともに増える」、b=「国際通りは増えて新都心は変わらない、
または減る」、c=「国際通りは変わらない、または減って、新都心は増える」、d=「国際通り、新 都心ともに変わらない、または減る」に分類したところ、図6のようになった。これは、ゆいレー ル沿線居住者の、ゆいレールへの期待のあらわれとも言える。
0%20%40%60%80%100%
,、
函llizl
ゆいレール沿線外 79.8
0.0
麺’10.7
ゆいレール沿線 71.4
」a□b□c□。
図6国際通り、新都心への出向頻度増減(ゆいレール沿線区分)
5.ゆいレール開通前後の実際の出向頻度変化(第2回調査より)
第2回調査では、第1回調査で各回答者が予想したように、ゆいレール開通後、出向頻度が増加 したかどうかを検討した。
全体でみると、国際通りへの出向頻度は、劇的に変わったとは言い難いが、新都心への出向頻度 は、明らかな増加傾向が見られた。
図7は出向頻度の変化を、生存関数で表したものである。国1際通りではグラフがほとんど重なっ ているが、新都心では、以前のグラフより、現在のグラフの方が、あきらかに上回っていることが
わかる。
<国際通りへの出向頻度> <新都心への出向頻度>
髄 1098765432100000000000 96
000000000000987654321
1
UI 6』
I ̄--
05 101520
1-現在一以前’
253005 '01520
-現在一以前’
2530
図7国際通り・新都心への出向頻度の変化
さらに、出向頻度の変化を、ゆいレールを利用すると答えた回答者と、ゆいレールを利用しない
-64-
露tz
79.8苫:、 71-4.。!鐙::#
と答えた回答者に分けて分析した。すると、国際通りではあまり変化が見られなかったが(図8)、
新都心では、ゆいレールを利用すると答えた回答者の方が、出向頻度の増加率が大きいことがわかっ
た皿。(図9)
<ゆいレールを利用する> <ゆいレールを利用しない>
96 96
000000000000987654321
1 0000000000009876543211
051015202530 051015202530
1=燕~=亘箭1
F=窺云~=亘箭1
現在以前図8国際通りへの出向頻度の変化(ゆいレール利用の有無)
<ゆいレールを利用する> <ゆいレールを利用しない>
% %
000000000000987654321
1 0000000000009876543211
051015202530051015202530
「=蕊~二1.詞F=蕊~二瓦雨1
現在以前 現在以前 図9新都心への出向頻度の変化(ゆいレール利用の有無)出向頻度の増加には、ゆいレールの速達`性も寄与していると思われる。
実際にゆいレールを利用して都心に来た回答者に、ゆいレール開通以前の来街時間と、現在の来 街時間の変化を訪ねたところ、平均で13分超の来街時間の短縮が見られた。(表3)道路交通混雑 の激しい那覇市において、ゆいレールの定時定速性の強みが発揮された結果であろう。
-65-
表3モノレール開通以前と以後での来街時間の変化
サンプル数現在の平均値(分)以前の平均値(分)差の平均値(分)
1325-134 02
-137
-15
(沖縄県内全サンプル数=333)
6.商業施設への出向頻度と支出額からみた商業集積地間競争(第3回調査)
第3回調査では、国際通りと新都心の代表的な商業施設をあげ、そこへの1ヶ月当たりの出向頻
度と、1回当たりの支出額を尋ねた。まず、各商業施設への出向頻度が表4である。国際通りの商業施設よりも新都心の商業施設の方
が、平均して出向頻度が高く、商業集積地としての集客力が、新都心へとシフトしていることがわかる。
表4各商業施設への1ヶ月当たり出向頻度
均値(回)標準偏
また、各商業施設での、出向1回当たりの支出額は表5の通りである。これに、先ほどの1ヶ月 当たりの出向頻度を掛け合わせ、1ヶ月当たりの支出額を算出すると、表6のようになる。
表5各商業施設での1回当たり支出額
均値(円標準偏差
-66-
主な交通手段 サンプル数 現在の平均値(分) 以前の平均値(分) 差の平均値(分)
国際通り モノレール モノレール以外
13 156
120 24.6
25.4 24.4
-13.4 02 新都心 モノレール
モノレール以外
23 146
20.2 23.4
33.9 25.0
-13.7
-15
区分 場所 平均値(回) 標準偏差
国際通り パレットくもじ 那覇OPA 牧志公設市場 沖縄三越 ダイエー那覇店 松山飲食店街
416770797433
●●●●●●100000 635644273845
●●●●●●423111
新都心 サンエー那覇メインプレイス 天久りうぼう楽市
あつぶるタウンコープおきなわ DFSギャラリア沖縄
60095540
●●●●2110 35389433
●●●●3330
区分 場所 平均値(円) 標準偏差
国際通り パレットくもじ 那覇OPA 牧志公設市場 沖縄三越 ダイエー那覇店 松山飲食店街
995547298986468534
?99,,9654637
6806.52 4668.82 581593 734282 3881.35 13136.10 新都 '、U サンエー那覇メインプレイス
天久りうぽう楽市
あつぶるタウンコープおきなわ DFSギャラリア沖縄
981834879147
,1775336
5654.29 3630.88 2783.86 10757.35
表6各商業施設での1ヶ月当たり支出額
均値(円)
この結果から明らかになるのは、出向頻度だけでなく、支出額においても、国際通りより新都心 の方が上回っているということである。もちろん、今回調査項目に挙げた商業施設は、各商業集積 地におけるすべての商業施設を網羅したものではないし、業態や商品単価などを考慮する必要があ るが、それでも、集客力や支出額が大きいであろう娯楽施設が新都心に集中しつつあることから、
国際通りよりも新都心の方が、消費者にとって魅力ある都市になりつつあるということは間違いな かろう。
7.都市のライフサイクルにみる商業集積地の状況
都市的流通システムの空間的配置は、都市内および都市間における流通活動の、重層的な競争関 係によって、集中、分散を繰り返しながら統合されていく。
クラッセン・モデル'5は、卸売業や小売業の都市への集中と分散による都市的流通システムの発展 が、都市の発展段階にどのように対応しているかを明らかにした。(図10)
第1段階は「都市化」の段階といい、都市の中心部あるいは都市圏の中心都市に人口や産業が集 積することによって都市が成長し、都市活動の影響範囲が郊外さらには周辺地域にも拡大して行く 段階である。
第2段階は「郊外化」の段階といい、都市の中心部の人口や産業がだんだん郊外へ分散していく ことによって、都市圏が拡大していく段階である。
第3段階は「逆都市化」の段階といい、分散傾向がさらに進み、都心が空洞化し、都市が停滞な いしは衰退していく段階である。
第4段階は「再都市化」の段階といい、逆都市化をもたらした諸要因を緩和ないし除去しようと する民間資本や行政による都市再開発などの一体的な対応策がとられることにより、都心部の人口 や産業が増加に転じ、再度の集中化が始まる段階である。
クラッセンの都市のライフサイクル論の言葉を借りれば、国際通りおよびそれを含むいわゆる中 心市街地は、人口の減少や商業力の低下から、現在、都市の停滞ないしは衰退を意味する「逆都市 化の段階」にあると言える。さらに、近年、那覇市中心市街地活性化基本計画が策定されたように、
それは都市再開発を必要とする「再都市化の段階」を迎えつつある。
それに対して、新たに人口や商業の集積基盤として現れた新都心は、「郊外化の段階」に位置し、
今後、発展の期待される場所となっているといえよう。
-67-
区分 国際通り
新都心
場所 パレットくもじ 那覇OPA 牧志公設市場 沖縄三越ダイエー那覇店 松山飲食店街
サンエー那覇メインプレイス 天久りうぼう楽市
あつぶるタウンコープおきなわ DFSギャラリア沖縄
|上 z均値(円)00211
480039294517022
●夕●グ●グ■〃●53312
15,223 4,723 4,862 604
円円8203554346均均平平
LI
△郊外
へ郊外
図10者B市の発展段階(クラッセン・モデル)
出所:LHKlassenandGScimemi,’1TheoreticallssuesmUrbanDynamicsm,in LH・Klassenandotherseds.,TheDynamicsofUrbanDevelopment,1979.pl7
1V・ゆいレール利用頻度の変化
1.タイ、バンコク市におけるスカイトレインの状況
タイのバンコク市に、1999年に開通したスカイトレインと呼ばれる軌道系都市交通は、ゆいレー ルと、その置かれた状況がよく似ている。まず、それまでの慢性的な道路交通渋滞と、それに伴う 大気汚染および経済的損失の解消を目指して開通したこと、多くの先進地域と違い、本格的な車社 会を迎えてからの導入であるために、果たして軌道系都市交通の利用が定着するのかと疑問視され ていたこと、バンコク市は観光都市であるために、年間観光客が約1,000万人も訪れていることな
どである'6・
堀内氏によれば、そのスカイトレインの1日当たりの利用状況を見ると、開業当初は土曜日、日 曜日に試乗をかねて乗車する人が多かったが、時間の経過とともにこれらの人が急激に減少する代 わりに、平日の利用者が徐々に増加傾向にあるという。つまり、スカイトレインの速達性が、徐々
に評価されてきたと考えられるのである。スカイトレインの初乗り10バーツは、タイ国民の1人当たり国民所得から考えても割高である。
したがって、スカイトレインは、あくまでも外国人観光客向けのものであり、地元市民には定着し
ないのではないかと予想されていたが、その予想がはずれたことになる'7゜このような先例を受けて、ゆいレールはどうであるかをみるために、第2回調査では、開通直後 と、調査時点における、1ヶ月当たりの利用頻度を尋ね、その差を算出した。また、第3回調査で は、回答者が開通前に利用するだろうと思っていた頻度と、調査時点における1ヶ月当たりの利用
頻度を尋ね、その差を算出した。2.開通直後と開通一年後の利用頻度(第2回調査)
ゆいレールが開業した2003年8月の一日平均乗客数は45,907人と予想を大幅に上回った。その後
-68-
も、日曜日や祝日に試乗やレジャーをかねて、ゆいレールを利用する乗客は多く、駅が遊園地化す る状態は10月まで見られ、満員で客がゆいレールに乗れないというケースも出た。
しかし、その後は徐々に落ち着き、11月には1日平均乗客数が3万人割れの状態になり、低迷が 続いた。
第2回調査は、日々の平均乗客数が3万人割れを続けていた2004年7月に行われたこともあり、
実際に開通直後と開通一年後の利用頻度の差を調査した。物見遊山的な乗客数が多かったというこ とであれば、開通1年後の利用頻度は、開通直後の利用頻度を下回るであろうと考えられる。逆に、
利用を通してゆいレールの利便性を感じ、市民の足として定着してきていれば、開通一年後の利用 頻度は、開通直後の利用頻度を上回るだろうと考えた。
そして、結論から言えば、ゆいレールの利用頻度は、開通直後より、開通1年後の方が高かった のである。
開通直後のゆいレール利用頻度と、開通一年後の利用頻度は、表7の通りである。開通直後の平 均利用頻度は、1ヶ月当たり3.10回であるが、開通1年が経った、調査時点での平均利用頻度は、4 25回であった。
表71ヶ月当たりのゆいレール利用頻度(開通直後と1年後)
度数|平均値|標準偏差 開通直後のゆいレール利用頻度 119131016.8218 開通1年後のゆいレール利用頻度 18114.2517.0418
その差を計算し、増減の割合を表したのが図11、そして、それを散布図で表したものが図12であ る。開通直後よりも開通1年後の方が、利用頻度が増えたという回答者が47.6%であり、散布図を 見ても、開通直後よりも開通1年後の方が下回っている回答者は少ないことがわかる。
505050505050332211一112
へ
⑨
-② 声。
。
②
←-③-←③●
。
③
1J,■■》
。
図11開通直後と開通1年後のゆいレー ル利用頻度の差
図12開通直後と開通1年後のゆいレール利用 頻度の差(散布図)
-69-
lrF3汁 pIZ歯liILj 1重f(Iミイ肩嵜宴
ⅡM通l旦後の(!)いレール利」11獺度 開通ユ乍後のゆいレーール利)[|頻度
119 181
3J0 4.25
6.8228 7.0418
:忘蕊:iiiiji;!:蕊簔i《》iミm1ii『L;;
3.開通前の予想と、開通2年目の利用頻度(第3回調査)
第3回の調査では、開通前には1ヶ月当たり何回くらい利用すると予想していたかと、実際に、
開通2年を経過した調査時点で、1ヶ月当たり何回利用しているかを訪ねた。
開通前の予想利用頻度と、開通後2年が経過した調査時点での1ヶ月当たりのゆいレール利用頻 度は、表8の通りである。開通前の平均利用頻度予想は、1ヶ月当たり2.09回であるが、開通2年
が経った、調査時点での平均利用頻度は、325回であった。表81ケ月当たりのゆいレール利用頻度(開通前と2年後)
度数|平均値|標準偏差 開通直後のゆいレール利用予想 203 2.09 5.8592 開通2年後のゆいレール利用頻度 227 3.25 6.2800
その差を計算し、増減の割合を表したのが図13、そして、それを散布図で表したものが図14であ る。第2回調査で、開通直後よりも開通1年後の方が、利用頻度が増えたという回答者が多かった が、開通前の予想と開通2年後の実際の利用頻度を比べても、やはり利用頻度が増えたという回答 者が多かった。また、散布図を見ても、開通直後よりも開通2年後の方が下回っている回答者は少
ないことがわかる。
505050505050332211’112
蝋
46.7%増加 ◆▲_へ●の ● ③ ② CDL ̄変わらない
39.7% ◆ 。 丁、 ̄
N=24=242 、
図13開通前と開通2年後のゆいレール
利用頻度の差 。
図14開通前と開通2年後のゆいレール利用頻 度の差(散布図)
V、おわりに
本論文では、3年間に渡る那覇都心部での調査結果をもとに、国際通りと新都心の競合関係、お
よび、ゆいレールの定着度をみてきた。今回の調査対臺象である国|際通りと新都心は、那覇市における象徴的な商業集積間の競争と、地域
-70-
麿對 マエ」上]イパ1F 標祁偏差 lJHjm直憧のゆしユレール刊ノ1.予想
開通2年後のゆいし・ル利ノl]頻度
2.09 3.25
5.8592 6.28(]0
◆◆◆
1銭iiix;雪:i箒繋;慈慧;'鍬:〈
間競争の構図を提供していた。ただ、那覇市中心市街地活,性化基本計画にもあったように、都市の 競争はよりいっそう広域化しており、市外における商業集積地との競合関係も考慮していかなけれ ばならない。また、国際通りと新都心は、実は非常に近いところに立地しており、それぞれが独立 して競争するのではなく、消費者が回遊できるような体制を作ることができれば、双方が相乗効果 を発揮する可能性もある。中心市街地の活性化とともに、たとえばモノレールを使った都心部全体 の回遊性の向上や商業集積問の連携など、都市全体としての活」性化に向けた取り組みが今後必要と
なってくるであろう。
国際通りと新都心の競合は、ゆいレール開通によって、新たな局面を迎えたといえるだろう。ゆ いレールが開通する以前は利用しないだろうと思っていた市民も、実際に開通すると利用する頻度 を増加させている。つまり、ゆいレールが市民の足として定着してきているのである。その影響が
どう出るのかも、非常に関心のある研究対象である。今回は、1次データを使った、消費者行動分析のほんのわずかな部分しか示せなかったが、今後、
様々なデータや指標を組み合わせつつ、体系的な分析・研究を行っていくことが課題である。新た な商業施設の建設、コミュニティバスの運行など、新たに加わっていく競争要因や、ゆいレールの 定着によって商業集積地間競争がどのように動いていくのかを詳しく分析するためにも、さらなる
経年調査を行う必要がある。証
’第1回調査の集計結果は、田村三智子・斎藤参郎「第1回那覇都心部における消費者行動調査 結果報告」地域研究所年報第18号所収、2004年3月を参照のこと。また、ゆいレールに関する調 査に基づいた、国際通りと新都心の競合関係についての分析は、田村三智子・斎藤参郎・中島貴 昭・山城興介・岩見昌邦「消費者行動調査にもとづくモノレール開通の影響予測一那覇市でのケー
ススタディー」『地域学研究」第35巻第1号、2005年、に詳しい。2第2回調査に関しては、田村三智子「第2回那覇都心部における消費者行動調査結果報告」
『地域研究』第2号、2006年3月、および、田村三智子・斎藤参郎・花園祥子「モノレール開通
による影響の事後分析一消費者行動にもとづく那覇市でのケーススタディー」『地域学研究』第 37巻、査読審査申請中を参照のこと。3第3回調査に関しては、田村三智子「第3回那覇都心部における消費者行動調査結果報告」
『地域研究』第3号、2007年2月発行予定、および、田村三智子・斎藤参郎・花園祥子「那覇市 の商業集積と都市の構造一那覇市都心部消費者行動調査に基づいて-」『地域学研究」第38巻、
査読審査申請中を参照のこと。
4平成13年事業所企業統計調査では、国際通りの小売業者は1,524事業所、従業者数6,030人であっ
た。
5平成13年事業所企業統計調査では、新都心周辺の小売業者は60事業所、従業者数747人であっ た。
6平成14年の沖縄県民1世帯あたりの自家用乗用車数は127台で、同年全国平均の111台より多
く、全都道府県中26位である。総務省統計局、平成14年度「社会生活統計指標」より。7沖縄県庁ホームページhttp://www・prefokinawa・jp/
-71-
B沖縄都市モノレール株式会社ホームページ
ゆいレールについてhttp://www・yui-raiLcojp/about-yui-rail/index・htm
l)那覇市経済環境部商工振興課、『那覇市中心市街地活性化基本計画(HTML版)』
(http://www・city、naha,okinawajp/out/seisaku/sigaiti/indexhtm#mokuji)平成11年原書
発行。引用は「Ⅱ中心市街地の概況」より。10Rコックス、森下二次也監訳『高度経済下の流通問題』中央経済社、1971年。
u都市を形成する産業としては、当然製造業が考えられるが、製造業が生産した商品を都市の境 界を越えて流通させる役割を担うのは卸売業であり、その意味で卸売業の流通活動が都市に域外
所得をもたらす、すなわち都市の外延的拡大をもたらす産業として位置づけられると考える。また、製造業が流通系列化を行い、自ら卸売機能を担う場合、あるいは大手小売業者が自ら卸売機
能を担う場合もあるが、いずれにしても、卸売機能による対外的取引の効果に注目したい。さら に近年では、都市を形成する産業として、多国籍企業や世界的企業の管理・統制的調整機能の重要性も注目されている。阿部真也・宇野史郎編『現代日本の流通と都市』有斐閣、1996年。
12字野史郎『現代都市流通のダイナミズム』中央経済社、1998年。
川このような都市(都心部)の成長・飽和・衰退というライフサイクルについては、クラッセン
の研究が代表的である。LHKlassenandGScimemi,’iTheoreticalIssuesinUrban Dynamicsi1,inLHKlassenandotherseds.,T/ZeDy"αmjcsq/U7bα〃皿【ノejOpme"t,1979.
11国際通り、新都心ともに、「ゆいレールを利用する」回答者の出向頻度が「ゆいレールを利用 しない」回答者を上回っている。そのため、もともと「ゆいレールを利用する」回答者のほうが、
商業集積地を好む傾向があり、それが影響しているのではないかとも考えられる。また、第1回 調査、第2回調査ともに、「通勤通学以外で」ゆいレールを利用する、という条件を入れている
ため、主なゆいレール利用者である通勤・通学者の意見は入っていない。I5LHKlassenandGScimemi、前掲論文。
10堀内重人「バンコクのスカイトレインの現状と将来性」『運輸と経済」第61巻第12号、2001年。
17ただし、利用者は外国人と中所得のタイ人が中心であり、高額所得者は自家用車を所有し、公
共交通の利用を好まないという。-72-