• 検索結果がありません。

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "学 位 論 文 内 容 の 要 旨"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 工 学 ) 明 石 治 朗

学 位 論 文 題 名

iIodeling of discharge‑excited ArF and XeCl exclmer lasers

( 放 電 励 起ArFお よ びXeCIエ キ シ マ レ ー ザ の モ デ リ ン グ )

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  近年、真 空紫外 光は、その光子エネルギーが高いという特徴を生かし、半導体プ口セス、

光化学、 医療分 野等ヘ利 用が進 められて いる。エ キシマ レーザは 、高効 率・高出カの真空 紫外光を パルス 発振する レーザ であるた め、これ らの分野への応用を[I指した光源として 注目され 、長パ ルス化、 高繰り返し化、長寿命化、大出力化、大[]径化、高安定化へ向け ての研究 開発が 進められ ている。特に高効率・高出カの光が発振できるエキシマレーザは、

励起媒質 が希ガ スとハロ ゲンガ スからな り、大気 圧以上 の圧カで 動作し なければならない ため、励 起に必 要な均一 グロー 放電を安 定に維持 するこ とが難し い:こ れを解決するため には、予備電離を行う必要がある。しかし、ある程度時間が経っと均―一な放1誼プラズマは 導電率の 高いフ アラメン ト状の放電を経てアーク放電に移行し、レーザの発振が停止する。

そこで、 この励 起放電プ ラズマ の進展過 程を詳し く解析 しプラズ マ諸特 性を理解するニと が 、 こ の 不 安 定 性 発 生 の 原 因 を 明 ら か に す る た め に 極 め て 重 要 に な る :   本論文は 、一次 元流体モデルによる高気圧放電プラズマのシミュレー‐ション技術を開発 し、これ を用い て容量移 行型回 路によっ て励起さ れた希ガスハライド系放電J曲起工キシマ レ ー ザ(ArFとXeClエ キ シ マ レ ー ザ ) の 放 電 プ ラ ズ マ 進 展 過 程 の シ ミ ュ レー シ ョ ンを 行ったも のであ る。特に 放電プ ラズマの 不安定性 を導く 直接的な 因ナで あるぎ問電荷電界 歪みの時 間的変 化につい て、予 備電離、 回路定数 の違い に対し検 討する とともに、誘導放 出光によ る励起 媒質を構 成して いる粒子 の光電離 ・光離 脱が放電 プラズ マに伎ぼす影響に ついて論じている。

  本論文は、全8章により構成されている。

  第1章 は序論 であり、 本研究 の背景と 意義につ いて述べるとともに、.工キシマレーザ励 起媒質プラズマのシミュレーション研究の現状を概説し、本研究の立場とElI,1'をIリJらかに する。

  第2章では、本論文における放電励起エキシマレーザの解析方法の中心と′奮る聿立予数衛 度連続の式、電子のエネルギー保存式、ポァソンの式、光子による陰極からのニ|;久電予放 出の式と 誘導放 出の式に ついて 述べると ともに、 これら の式をも とに開 発した流体モデル につ い て 述べ て い る。 そ の 後、 外 部 励 起回 路 を 無視 し たArF放 電プ ラズ マに対 し、水モ デルと粒 子モデ ルならび に従来 の局所電 界近似に 基づく 流体モデ ルによ ルシミュレーショ ン を 行 っ た 結 果 を 比 較 、 検 討 し 、 本 モ デ ル の 妥 当 性 と 特 徴 に つ い て 論 じ てt、 る ェ   第3章 では、ArFエキ シマレ ーザ励起 媒質の放 電プラズマ逃JjらのJII三礎を川斛するため

697

(2)

に 、 レー ザ発振を無視したもとで行ったシミュレーンョン結果 について述べてL、る:まず 電 子 密度 、正イオン密度、負イオン密度、電界の時空間分布、 ならびにi也離、付蔚剛波数 の 時間変化を明らかにし、高気jI:で動作する本レーザの放電プラズマの特徴につt、て論じ て い る。 この結果、陰極近傍の1注 界が空間電荷の影響で大きく歪むこと、さらにニの歪み が 不 安定 性( フィ ラメ ント 状放 電へ の移行)の発生へと導く可能性について淪じている:

ま た 、放 電光 によ る陰 極か らの 二次 電子放出と予備電離が放電プラズマの進展過程に与え る 影 響に ついて検討し、両者の存在が均一プラズマを維持する 上に不E叮欠であるニとを示 し ている:

  第4章 では 、誘 導放 出光 によ る 励起 媒質 の光 電離 、光 電子 離脱過程を考慮したモデルに 基 づ きArFレーザに対しシミュレ― ションを行った結果について述べてしヽる。二こでは、

各 種 粒子 密度、電界、レ―ザ出丿ゴの時空間分布を第3章の結果と比較し、レーザ光が放電 進 展過程に及ぽす影響について検討している。その結果、誘導放出光は、1      )放電電圧・

電 流 波形 には 大き ナょ 影響 を与 えな いが、2)プラズマ中の電 子密度を2倍ならびに陰極近 傍 に お け る 電 界 歪 み を1.5倍 に 増し 、励 起媒 質プ ラズ マに 大き く影 響す る、3)陽 極近 傍 で 電 界 歪 み を 新 た に 生 じ さ せ る、 等の こと を示 した 。こ れら の結 果はI丶XeClレ ーザ 放 電 進展 の観 察結 果で はあ るが 、陰 極・陽極近傍からのフアラメント状放電が発生し成長 す るという観測事実と定性的に良く…致している。

  第5章 では、励起媒質放電プラズ マに及ぼす予備電離の効果について検討を行っている。

通 常 、予 備電離は紫外線またはX線 により行われるが、放電空間を均・一に電離することは 必 ず しも 容易 では ない っ予 備電 離が 空間的に均一に行われなければ、発振出カが低下し、

ま た媒質放電プラズマに不安定性が爿こじやすいと報告さ れている。本章では、先軸方向に 対 して予備電離が均一に行われなかったモデルを取り上げ 、不均―一の割合に村する放電諸 特 性 の依 存性 につ いて 述べ 、こ れと 予備電離が均一に行われた場合の結果を比較、検討し て い る。 その 結果 、均 一予 備電 離モ デルにおいてはレーザ出カの予備電離密度依存性が実 験 結果と良く一致し、不均一予備電離モデルにおいては、 不均一の゛割合が増すほど予備電 離 密度が高い領域で陰極近傍の空間電荷電界歪みが急増す ることを示す。不均←.予備電離 の 結 果は 、電 子密 度が 高い 領域 で不 安定が生じるという観測報告と一致している:レーザ 出 カ は、 不均 一の 割合 が増 すと 均一 に予 備電 離さ れた モデ ル に比べ急激に低Fする結果が 得 られている。しかし、放電開始電日三は予備電離の不均 一の割合には殆ど依序しない、等 の 結果について論じている。

  第6章 では 、レ ーザ 媒質 プラ ズ マの 特性 が外 部回 路の イン ダクタンス値に村し、どの様 に 依 存す るか につ いて 述べ てい る。 具体 的に は本 論文 で採 用 した容量移行型Io起回路の1 次 側 お よ び2次 側 の イ ン ダ ク タ ンス (Liおよ びL2)値 に対 す る放 電プ ラズ マ特 性の 依存 性 を 検 討 し て い る 。 そ の 結 果 、1)Llを10nHか ら100nHま で 増 加 さ せ る と 、 勧 起 媒 質 へ の 印加 電圧 の立 ち上 がり 時間 が遅 れる とと もに 放電 開始 電 圧が 低下 する 、2)LI冫100 nHで は 、 陽 極 近 傍 に も 空 間 電 荷 電界 歪み が現 れる 、一 方、3)放 電電 流な らび にレ ーザ 出 カ の 最 大 値 はLi=ニ50nHに 現 れ る 、4)L2が10〜30nHの 間 で は あ る が 、L2が 増 加 す る とレ ーザ 出カ が増 加し 、同 時に 陰極・陽極近傍の電界歪みが増大し舷大レーザ出カが 減 少する、等の性質が解明されたことについて述べている 。

  第7章 で は 、 本 流 体 モ デ ル をXeClエ キ シ マ レ ー ザ に 用 い 、 そ の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 結 果 に つ い て 述 べ て い る 。 こ こ で は 、 第3、4章 で 得 ら れ たArFレ ー ザ の 放 電 迎 麗 過 程 と XeClレ ー ザ の 結 果 を 比 較 し 、XeClレ ー ザ の 放 電 進 展 過 程 の 特徴 を述 べる :そ の結 采、

1)XeClレ ー ザ は 放 電 光 に よ る 陰 極 か ら の 二 次 電 子 放 出 よ ル イ オ ン に よ る 二 次 電 子 放 出 が 重 要 で あ る 、2)ArFレ ー ザ と 同 様 に 放 電 開 始 直 後 か ら 電界 歪み が入 きく なり 、放

‑ 698

(3)

電毒冬了 直前に 最大にな る、3)XeCl工キ シマはArFエキシマに比べ舟命,りく長いためレ ーザ発振は放電終了直前から起こるが、レーザ発振する以前に放電プラズマにイく安定 H!が 生じる可能性がある、等のことを示した。

  第8章は結諭であり、本論文で得られた成果を要約するとともに、zr後の.撒題につ1、て 述べている。

699 ‑

(4)

学位論文審査の要旨 主 査    教 授    酒 井 洋 輔 副 査    教 授    田 頭 博 昭 副査    教授    長谷川英機 副 査    教 授    山 崎 初 男

学 位 論 文 題 名

Modeling of discharge‑excited ArF and XeCl excimer lasers

( 放 電 励 起 ArFお よ びXeCIエ キ シ マ レ ー ザ の モ デ リ ン グ )

  近年、高出 力真空紫外光を発振するエキシマレーザは半導体プロセ ス、光化学、

医療技術等の 分野への応用を目指した光源として注目されている。し かし、本レー ザは大気圧以 上の圧カで動作するため、励起に要求される均一グロー 放電プラズマ を安定に長時 間維持することが難しい。現在、この問題を解決し、発 振光の一層の 長パルス化、 高繰り返し化、長寿命化、大出力化、大口径化、高安定 化が要求され ている。

  本論文は、 これらの要求に応えるための基礎として、在来の放電プ ラズマモデル を改良した高 気圧放電プラズマの一次元流体モデルの開発と、このモ デルを用い外 部 励 起 回 路 に 制 限 さ れ た も と で 進 展 す るArFとXeClエキ シマ レー ザ励 起媒 質 の 放電ブラズマ 、特に空間電荷が作る局所的な電界歪、について詳細に 研究した結果 をまとめたも のである。

  本論文は以 下の7章ならびに結諭から構 成されている。

  第1章 は序 論で あり 、本研究の背景と意義について述べるととも に、エキシマレ ーザ励起媒質 プラズマのシミュレーション研究の現状を概説し、本研 究の立場と目 的を明らかに している。

  第2章 では 、本 論文 における放電励起エキシマレーザの解析方法 の中心となる粒 子密度連続の 式、電子のエネルギー保存式、ポアソンの式、光子によ る陰極からの 二次電子放出 の式と誘導放出光連続の式について述べるとともに、こ れらの式をも と に 開 発 し た 流 体 モ デ ル の 妥 当 性 と 特 徴 に つ い て 述 べ て い る 。   第3章 では 、ArFエ キシ マ レー ザの 励起 媒質 の放電プラズマ進展 の基本を理解す るために、レ ―ザ発振を無視したもとで行ったシミュレーション結果 、すなわち電 子密度、正イ オン密度、負イオン密度、電界の時空間分布、ならびに 電離、電子付 着周波数の時 間変化を明らかにし、高気圧で動作する本レーザの放電 プラズマの特 徴について論 じている。この結果、陰極近傍の電界が空間電荷の影響 で大きく歪む こと、さらに この歪みが不安定性(フィラメント状放電への移行)の 発生を導く可 能性を示した 。また、光による陰極からの二次電子放出と予備電離が 均一な放電プ ラズマの進展 に不可欠であることを示した。

(5)

  第4章では、誘導放出光による励起媒質粒子の光電離と光電子離脱過程を考慮し たモデルにもとづきシミュレーションし、誘導放出光が各種粒子密度、電界、レー ザ出カの時空間分布に及ぼす効果について検討した。誘導放出光は、放電電圧・電 流波形には大きな影響を与えないが、プラズマ中の電子密度を2倍ならびに陰極近 傍における電界歪みを1.5倍に増し、さらには、陽極近傍で電界歪みを新たに生 じさせる等のことを明らかにした。

  第5章では、励起媒質放電プラズマに及ぼす予備電離の不均一効果を検討してい る。本章では、光軸方向に対して予備電離が均一に行われなかったモデルを取り上 げ、均一予備電離からのづれの割合に対する放電諸特性の依存性について述ベ、こ れと予備電離が均一に行われた場合の結果を比較、検討した。均一な予備電離モデ ルにおいてはレ―ザ出カの予備電離密度依存性が実験結果と良く一致し、予備電離 が均一に行われなかった場合には、予備電離密度が高い領域で陰極近傍の電界が空 間電荷の影響により急増し、またレーザ出カは均一に予備電離されたモデルの結果 に比ベ急激に低下することを明らかにした。

  第6章では、レーザ媒質プラズマ特性、励起回路(容量移行型)のインダクタン スL値に対してどのように依存性するかについて述べている。一次側のL1を10 nHから800nHまで 増加させ ると、励 起媒質に 印加され る電圧の立ち上がり時 間が遅れるとともに放電開始電圧が低下する。Li>10 0nHでは陽極近傍にも空 間電荷電界歪が現れるが、一方放電電流ならびにレーザ出カの最大値はLユ=50 nHに現れることを示した。二次側のL2が増加すると陰極・陽極近傍の電界歪みが 増 大 し 、 同 時 に レ ー ザ 出 カ が 減 少 す る 等 の 性 質 を 明 ら か に し た 。   第7章では 、XeClエキシ マレーザはArFレーザの特性に比ベ発振の遅れを始 めとし諸性質が大きく異なるが、この原因は添加ハロゲンガスの種類とェキシマの 生成レー 卜ならび に寿命が 異なることによって生じることを明らかにした。

  以上を要するに本論文はエキシマレーザの性能向上には欠かすことのできない知 識である励起媒質放電プラズマの進展過程を解析し、その特性を明らかにし、プラ ズマの不安定移行の原因等、多くの新知見を得たものであり、レーザ工学ならびに 放電プラズマ工学の進歩に寄与するところ大である。よって、著者は北海道大学博 士(工学)の学位を授与される資格あるものと認める。

参照

関連したドキュメント

Diversity of the milk microbiota was higher in Japanese than Chinese and Vietnamese cow’s milk; the number of operational taxonomy unit, Chao 1 index, and Shannon index

Besides the well- studied prx34-1, we obtained two additional Arabidopsis pxr34 null mutants (prx34-2, prx34-3) to investigate the role of class III peroxidase PRX34 in

Momfluorothrin と構造類似性を示す先行剤の Metofluthrin もラット発がん性試験において肝発がん性が認 められ,その発がん MOA

カドミウムといった重金属を含有しており,環境安全品質を確保する必要がある。本研究では,環境安全品質

塩化物イオン浸透性が小さくなることを明らかとした。また,高炉水砕スラグを結合材と細骨材の両方に用い

For K in CMA, while K in CMA was available for Guinea grass and stimulated root and shoot elongation of Komatsuna, high K uptake from CMA application increased the potential

[r]

南海トラフ地震下において岡山市沿岸の津波の高さや到達時刻を正確に予測し住民に伝えることは,津波