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クワ葉の機能性成分含量を高めるため の環境要因および

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Academic year: 2021

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クワ葉の機能性成分含量を高めるため の環境要因および 適性品種の選抜と育種に関する研究

Study on Environmental Factors for Specific Functional Component Increase in Mulberry (Morus alba L.) Leaves with Selection and Breeding of

Suitable Cultivars

杉 山 万 里

2017

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目次

凡例

緒論 ・・ ・・・・ ・・・・・・ ・・・・ ・・・・・・ ・・・・ ・・・・1

第1章 クワ葉に含ま れる機能性成 分 含量の 品種間差およ び品種改 良 ・・7 第 1 節 クワ 葉に含ま れる機能性成 分含 量の 品種間差 ・ ・・ ・・・・ 7 第 2 節 ケル セチ ン 3-(6-マロニル グルコシ ド )(Q3MG)の遺伝解析

およびクワの 成分育種 の可能性 ・・・ ・・・・・・ ・・・・ 29 第 3 節 高 Q3MG 含量 クワ新品種‘ 蒼楽’の 育成 ・・・ ・・ ・・・・ 36

第 2 章 栽培 環境条件 がクワ葉に含 まれる 機 能性成分含量 に 及ぼす 影響・・53 第 1 節 日照 がクワ 葉 に含まれる機 能性成分 含量に及ぼす 影響 ・ ・・・ 53 第 2 節 窒素 施肥量が クワ葉に含ま れる 機能 性成分含量に 及ぼす 影 響・・69

第 3 章 クワ 葉に含ま れる機能性成 分の季節 変化 ・・ ・・・・ ・・・・ 86 第 1 節 ク ワ葉に含 まれる機能性 成分の季 節変化 ・ ・・・・ ・・・・ 86 第 2 節 温 度が 1-デオキシノジ リマイシ ン (DNJ)含量に及 ぼす 影響 ・・101

総合考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 105 総合摘要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 112 Summary ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 115 引用文献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 119 謝辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 125 公表論文リス ト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 126

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凡例

本論中に以下 の略号を 用いた . DNJ 1-deoxynojirimycin

K3MG kaempferol 3-(6-malonylglucoside) K3RG kaempferol 3-(6-rhamnosylglucoside) MT malonyltransferase

Q3AG quercetin 3-(6-acetylglucoside) Q3MG quercetin 3-(6-malonylglucoside)

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1 緒論

クワ(桑 )は 寒帯から 熱帯まで広く 分布して いる クワ科(Moraceae)クワ属の 喬木性の広葉 樹で ある .クワ属は,1917 年,小泉により雌 ずいの花 柱の長さと 柱頭の形態を 主に,葉 形,葉先と葉 底の形状 ,葉脈,葉の 鋸歯の形 状を加味し 24 種 1 変種に分類 さ れてい る(松尾 ,1989).クワは 養蚕の飼 料作 物として古く か ら 栽 培 さ れ て い る . 日 本 で 主 に 栽 培 さ れ て い る 品 種 は ヤ マ グ ワ (M.bombysis Koidz.),カラヤ マグ ワ (M.alba L.),ログ ワ (M.multicaulis Perr.)の 3 種で , 寒冷地ではヤ マグワ, 温暖地ではカ ラヤマグ ワ,暖地では ログワに 属す品種が 多い.また, 西南諸島 では シマグワ(M.acidosa Griff.)が栽培され ている. ク ワはそのまま 放置すれ ば 喬木となる が ,通常 の栽培では 毎 年地上部 近くまで枝 を切り戻し再 成長する 徒長枝の葉が 収穫の対 象となる.ク ワは再発 芽,伸長と もに旺盛で,春 萌芽前 に前年枝を剪 定すれば ,再発芽した枝 は落葉 期までに 3 m 以上に達する .

ク ワ は 日 本 に お い て も 昭 和 の 中 頃 ま で 養 蚕 の 飼 料 と し て 重 要 な 作 物 に 位 置 づけられ,中 山間部 平 野部とわず 広 く栽培さ れていた .昭 和初期頃 は,クワの 栽培面積 は 50 万 ha を超え,統計上最 も栽培 面積が多かっ た のは昭 和 5 年の 70 万 ha であった.その 後 ,第二次 世界大戦 中 に 20 万 ha を下回るま で 激減し,昭 和 50 年頃まで横 ばい に推移し た後 ,徐 々に 減少し ていっ た( 第 1 図).これは 昭和後期以降 ,化学繊 維 の普及によ る生糸産 業全般の衰退 ,さらに は 生産者の 高齢化,後継者 難 に大 きく起因して いると思 われる.平成 13 年 に は クワの栽培 面積は 5000 ha を下回 り ,その後統計 調査も 打ち切りとな っている (政府統計の 総合窓口:e-Stat,2011).養蚕の廃 止とと もに 桑園は抜 根され ,あるいは放置 されたまま廃 園とな り ,かつて は主要作 物と して地図記号 にもあっ た クワ畑も , 現在ではほと んど 見か けることが な くなった .

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Fig. 1. Changes in total mulberry cultivation area in Japan

Data was searched from e-Stat (Japanese government statistics)

しかし一方で ,ク ワは 養蚕の飼料と してだけ ではなく ,昔から 果樹 や漢方薬 としても利用 されて き ている.特に 漢方では ,クワの枝や 根の皮, 実 ,葉など あらゆる部分 が利用さ れ ,養蚕が盛 んな地方 では健康のた めに クワ の葉をお茶 として飲む風 習があっ たと される .鎌倉時 代 の書物 ,栄 西による「 喫茶養生記 」 の中には「5 種の病を ,桑をもって 治療する 」と ,お茶に 並ぶ滋養 を有する作 物としてクワ の効能 , クワの飲み方 が記され ている.この 中で , 「 桑粥,桑湯 を服用すれば 渇きを覚 える飲水病( 糖尿病) に数日で効果 が現れる 」 と,クワ の葉の糖尿病 改善効果 についての記 載がある .このように ,科学的 根拠が明ら かでない時代 からクワ は 体に良いと して食用 利用されてい た .

近年,健 康維持に つい て多くの人が 関心を示 すようにな り ,食 品 が もつ機能 性成分が注目 されてい る .食品には ,生体の 生理機能を調 整する働 き(体調調 節機能)があ り ,食品 の 3 次機能 と呼ばれ て いる .これは ,昭 和 59 年から 61 年に実施され た研究 : 文部省特定研 究「食品 機能の系統的 解析と展 開」 の成果 として提唱さ れたもの であり ,世 界に先駆 け て ,我が国 において「 機能性食品 」 の概念が生ま れた とさ れる .さら に H27 年度から,健康食 品をはじ めとする保 健機能を有す る成分を 含む加工食品 および農 林水産物につ いて , 機 能性の表示 が容認された (機能性 表示食品制度 ) .この ように ,食品 摂取によ る 疾病予防

0 1 00 ,0 00 2 00 ,0 00 3 00 ,0 00 4 00 ,0 00 5 00 ,0 00 6 00 ,0 00 7 00 ,0 00 8 00 ,0 00

1 4 7 101316192225283134374043464952555861 1 4 7 1013

Sh o wa Heis ei

Cultivation area of Mulberry(ha)

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Fig. 2. 1-deoxynojirimycine の取り組みが 国策とし て 行われてい る.クワ は 古来漢方で 用いられ ていた こと から,国内外 で 積極的 に 研究が進め られ ,そ の機能性成分 に関する 科学的エビ デンスは着実 に増え て きている .

クワ葉の機能 性につい て は,高血糖 抑制作用 (Andallu ら 2001;Evans ら,

1985;Kimura ら,2007),高血圧抑制作用(Naowaboot ら,2009),動 脈硬化抑制 作用(Enkhmaa ら,2005)アルツハイマー 予防 効果 (Kaengkhan ら,2009;Niidome ら,2007),抗酸化(Choi ら,2013a;Katsube ら,2006),抗腫瘍(Park ら,2013),

抗炎症(Chauhan ら ,2015;Chen ら,2013),抗肥満(Tsuduki ら, 2013)など国 内外で多くの 報告があ り,それら効 果 や成分 の特定 ,メカ ニズムが 解明されつ つある(Butt ら,2008;Nakagawa ら,2013;鈴木ら,1996).

ク ワ の 機 能 性 成 分 の 中 で 最 も 知 ら れ て いるのは高血 糖抑制作 用 を示す 1-デオキ シノジリマイ シン (DNJ) (第 2 図)で,フ ル ク ト ー ス の ア ミ ノ 化 を 経 て 生 成 さ れ る.糖類似ア ルカロイ ドである DNJ は蚕 以 外 の 昆 虫 の 忌 避 物 質 と し て 作 用 し , 他 の 植 物 に は 殆 ど 見 ら れ な い ク ワ に 特 徴 的 な 成 分 で あ り (Konno, 2011), α -グ ル コ シ ダ ー ゼ 阻 害 に よ り , 腸 管 で の 糖 吸 収 を

抑制する(Evans ら ,1985).これは ,前述の 「喫茶養生記 」でも触 れられてい たクワの飲水 病への効 果を科学的に 証明した ものである .

またクワは ,食品の 機 能性として 近 年注目を 集め ている抗 酸化作用 も有する . クワ葉は抗酸 化活性 が 高く,その主 要成分が クロロゲン酸 (第 3 図 )とフラボ ノールである こと , フ ラボノールが 高血圧抑 制 ,動脈硬化 抑制 , 癌 細胞の抑制 な ど に 関 与 し て い る こ と が 報 告 さ れ て い る (Enkhmaa ら , 2005; Katsube ら , 2006;Katsube ら, 2009;Naowaratwattana ら,2010).フラボノ ールは ポリフ ェノールのひ とつ フラ ボノイドに属 す.フラ ボノイドは , ベンゼン 環 2 個を炭 素 3 個で結合 した C6-C3-C6 骨格を持 つ化合 物で ,花 の色素成 分や 木本植物の 心 材成分などと して存在 し,紫外線に 対する防 御や昆虫誘引 物質とし ての役割を 果たしている .フラボ ノイドには, カルコン ,フラバノン ,フラボ ン,フラバ ノノール,オ ーロン, イソフラボン ,カテキ ン,ロイコア ントシア ニジン 類が あり,フラボ ノールは フラバノノー ルから ア ントシアニン と同じ代 謝系で合成

N H OH O

H O H

OH

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4

される.基本 骨格 の C 環 4 位がケト ンで 2 位 と 3 位の間が 不飽和で あれば フラ ボノール,C 環が完全 な芳香族環で 正電荷を 有していれば アントシ アニンとな る.Katsube ら(2006)により,クワ葉に含有さ れるフラボノ ール配糖 体のなかで , その主要な成 分 がケル セチン 3-(6-マロニルグルコシド) (Q3MG) (第 4 図)であるこ と,また,Q3MG は DNJ と異なる機構 ,つまり 肝臓への酸化 ストレス 抑制により 血糖調節作用 も有する (Katsube ら,2010)ことが明らかに されてい る .これら のことから,Q3MG は クワの注目す べき 機能 性成分の一つ と考えら れる .また,

前述のクロロ ゲン酸も クワ葉に多く 存在し, クワの抗酸化 作用の主 要成分とし て位置づけら れている .

Fig. 3. Chlorogenic acid

O

O H

OH

OH

O OH

OH O

O O

H

O H O O

H

O O

Fig. 4. Quercetin 3-(6-malonylglucoside)(Q3MG)

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5

クワ葉の機能 性に関す る研究が進む とともに ,近年急速にクワ葉が機能性食品 として広く知られるようになった.お茶をはじめ食品原料の 利用は着 実に増え ,ク ワ 葉 は ケ ー ル , 大 麦 若 葉 と 並 び 青 汁 原 料 と し て 定 番 化 し つ つ あ る . ま た,エキ ス末やパウダーの形態として,お茶や麺,菓子類など一般食品などにも配合されるよう になってきた.これらの原料は主に輸入に頼っているが,徐々に国内生産も広がりつつ ある.島根 県 で は , 十 数 年 前 か ら い ち 早 く ク ワ の 機 能 性 に 着 目 し , 遊 休 桑 園 を 利用した桑茶 の生産販 売を開始した 企業があ る .これは中 山間地域 における雇 用の創出,農 業振興 , 健康食品産業 への波及 効果をもたら し ,6 次産業化の成 功例ともなっ ている . この企業は, 今のとこ ろ 有機 JAS の認定を受 けることで 他産地との差 別化に成 功し ている.しかし,近年のお茶需 要の減少 にともない , 全国的に茶栽 培から ク ワ栽培へ変わ る生産者 が増えつつあ る.これ ら生産者も 有機 JAS を積極的に取 り入れ ている ことから ,今後販売競 争 は激化 していく と 予想され,有 機 JAS に代わる商品の 差別化が 必要になる .

一方 ,栽 培場 面に おい ては 原料 クワ 葉の 安定 生産 が望 まれ る . 特に 機能 性成 分の含有量は 商品原料 の品質として 重要であ り ,食品の原 料となる クワ葉の機 能性成分含量 を増やす ことは ,機能 性食品と して摂取した 場合の 効 果を高める うえで,さら に商品の 付加価値を 付 与する 手 段として有効 である . これまで養 蚕業の全盛期 は ,養蚕 栽桑に特化し た研究機 関も 多く,ク ワの品種 改良 ,栽培 試験などの試 験研究 が 盛んに行われ ていた. しかし,古来 漢方とし て利用され ていたとはい え ,食品 としてのクワ に対する 研究 の歴史は 浅 い. 果 実利用にお いては近年果 実用クワ 品種 ‘ポップ ベリー’ ‘ララベリー ’ などの 品種がいく つか開発され て はいる ものの ,これ まで 食品 ,特に機能性 に 特化し た品種改良 はほとんど行 われてい な かった.現 在日本で 栽培されてい る クワ は ,養蚕の飼 料用,食用とも に ,‘ 一ノ瀬’および ,‘し んいちのせ ’が 中心で ある (政府統 計の総合窓口:e-Stat,2011).しかし ,こ れらの品種は いずれも 養蚕の飼料と しての特性を 目標に選 抜育成された 品種であ り,必ずしも 機能性成 分等食用に 適した特性を 持たない .一方,クワ 栽培場面 でも養蚕 業の ため に開 発された技 術が用いられ ている . クワ葉の収穫 時期は蚕 期・蚕齢によ り ,また 飼育方法に よって大きく 異なる と されるが,収 量性に関 しては養蚕 飼 料,食用 いずれの栽 培方法にも大 きな違い はないと考え られる . しかし, 一般 的に 作物 中に含まれ る多くの成分 は品種 , 栽培方法など により含 有量が変化す ることが 知られてお り,養蚕用の 品種・栽 培方法 も必ず しも食用 としての クワ に適して いるとは限

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らない.原料 となる ク ワ葉の品質向 上 には, これらの機能 性成分 を 安定的に高 生産するよう な クワ 品 種,栽培条 件の 検討 が 必要で ある .そこで ,本研究では , 高い機能性を 有する ク ワ葉の安定生 産を目的 に ,葉中機能 性成分 で あるフラボ ノール(特に Q3MG),DNJ,クロロゲ ン酸 の高含量条件 に対して ,品種および 栽培条件の両 面から ア プローチを試 みた .

第 1 章では,育 種の 基礎的知見 と するため に,クワ葉中 フラボノ ール および DNJ の品種間差 異を明 らかにすると ともに ,交雑育種によ る Q3MG 高含量品種育 成の可能性を 検討した .さらに,ク ワ葉のフ ラボノールと して最も 重要である Q3MG をターゲット に 成分育種を行 い ,Q3MG 高含有クワ品 種の育成 を試みた .第 2 章では,クワ葉に含 まれるフラボ ノール ,クロロゲン酸 ,DNJ に着目し ,それ ら成分の含有 量に影響 を及ぼす と考 えられる 栽培環境要因 である 日 照条件と窒 素施肥量につ いて 検討 した .第 3 章では機能 性成分を多く 得るため の 収穫時期 を明らかにす るために ,クワ葉中 フラボノ ー ル ,DNJ,クロ ロゲン 酸 の季節変化 を調査した.

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第 1章 ク ワ葉 に 含ま れる 機能 性 成分 含量 の 品種 間差 お よび 品種 改 良

現在日本で栽 培されて いる クワ品種 は,養蚕 の飼料用 ,食用と もに ,‘一ノ 瀬’および,‘し んいち のせ ’が中心 となって いる(政府統 計の総合 窓 口:e-Stat,

2011).しか し,これ らの品種はい ずれも養 蚕の飼料 に特 化した 特 性を目標に 選抜育成され た品種で あ り,必ずし も機能性 成分等食用に 適した特 性を持たな い.機能性食 品として 摂取した場合 の効果を 高める ために ,また商 品の付加価 値を付与する 上で, 原 料である クワ 葉の機能 性成分含量を 増やすこ とが有効 で ある.そこで ,本章で は 既存品種の 中から 機 能性成分を 高 含有する 品種を選定 するために, さらに 成 分育種による 品種改良 を視野に,ク ワの葉中 機能性成分 であるフラボ ノールお よび DNJ の品種間差を 調査 した.ま た,クワ 葉の主要な フラボノール 配糖体 で あるケルセチン 3-(6-マロニルグルコシド)(Q3MG)の遺伝様式 を調査し,得られた知見をもとに Q3MG を高含有 する 品種の開 発に取り 組んだ .

第 1 節 ク ワ葉 に 含ま れる 機能 性 成分 含量 の 品種 間差

‘一 ノ 瀬’,‘し ん い ち の せ’は ,養 蚕 , 食 用 問 わ ず, 現 在 最 も 広く 栽 培 され てい るクワ品種で ある . こ れらは本来蚕 の飼料と して開発され た品種で あり ,養蚕 の飼料として は収量性 ,栽培適性, 品質とも に優れている が ,食用 クワ葉とし ての適性が優 れている とはかぎらな い .特に ,機能性成分 を目的と した食用 ク ワ葉の品質と して重要 とされるのは クワ葉中 の 含有量であ る .そこ で ,現在栽 培されている‘ 一ノ瀬 ’よりクワの機 能性成 分として注目 され る Q3MG,1-デオ キシノジリマ イシン (DNJ)含量の多い品 種 を 探索するとと もに ,育 種の 交配親選 定などの基礎 的知見を 得る 目的で, クワ葉中 フラボノール およ び DNJ の品種間 差を調べた. また, 調 査期間が複数 年にわた るため,これ ら成分は 栽培環境条 件の影響を受 けやすい と考えられる ことから ,年次間差に ついても 調査した .

材料 およ び 方法 供試 材料

調 査 個 体 は ,国 立 研 究 開 発 法 人 農 業 ・ 食 品 産 業 技 術 総 合 研 究 機 構 ( 茨 城 県 つ く ば 市 大 わ し ) で 農 業 生 物 資 源 ジ ー ン バ ン ク の 遺 伝 資 源 と し て 栽 培 保 存されている 株を用い た .サン プリング は 2007 年 8 月 1 日 ,2008 年 8 月 5 日 ,

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8

2009 年 8 月 11 日に行 い ,3 年間で延 べ 176 品種を供試し た .この うち 3 年間に わたり供試し た 59 品 種を用いて年 次間差を 調査した .サンプ リン グは以下のと おり行った. 各品 種 2 株を用い,そ れぞれの 最長枝条の完 全展開葉 のうち最も 若い葉から下 位 3 枚の 葉身を採取し た .供試 品種 の選定に あたって は ,日本で 主に栽培され ていたカ ラヤマグワ (M.alba L.),ヤマグワ(M.bombysis Koidz.),

ログワ(M.multicaulis Perr.)の 3 種を中 心 に ,遺伝 的に遠い もの ,特徴的 な形 態を持つもの ,栽培適 性に優れてい るものな どの特性を考 慮した . 供試した種 別品種数は次 のとおり である .カラ オニグワ (M.nigriformis Koidz.):2 品種 , マルバグワ(M.notabilis C.K.Schn.):8 品種,ヤマグワ:42 品種 ,シャムグワ (M.rotundiloba Koidz.):3 品種,シ マグワ (M.acidosa Griff.): 1 品種,ハチ ジョウグワ(M.kagayamae Koidz.):4 品種, ケグワ(M.tiliaefolia Makino.):

1 品種,アフ リカグワ (M.mesozygia Stapf.):1 品種,ヒメ グワ (M. microphylla Buckl.): 1 品 種 , ロ グ ワ : 58 品 種 , カ ラ ヤ マ グ ワ : 48 品 種 , カ ン ト ン グ ワ (M.atropurpurea Roxb.):3 品種,不 明:1 品種.

抽出 方法

生葉は 60℃で 36~48 時間,乾燥機(SANYO CONVECTION OVEN)で通 風乾燥し , ミルサー(IWATANI MILLSER 700G)で粉砕 し た .粉砕した クワ葉 を 100 mg 秤量 し,10 ml の 60%エタノール (和光純薬)を加え ,30℃で 3 時間 振とう した .10000 g で 5 分間遠心 分離し ,上澄みを 0.45 µm の メンブレンフ ィルター(ADVANTEC)

で濾過しサン プルとし た .

分析 方法

フラボノール の定量 は Waters 社製の HPLC,Alliance Separations Module 2695,検出 器 Photodiode Array Detector 2996 を用いて以 下のと おり行った . カラム wakosil-II 5C18 RS (250 × 4.6 mm)(和光純薬) ,移動 層 0.1%ギ酸(ナ カライテスク)を 含む 20%アセトニトリ ル (和光純薬),流 速 1 ml/min,カラム温 度 40℃,検出波長 370 nm,の条件で 定量し た .標準品ルチ ン (和 光純薬 ),イソ ケルシトリン,アスト ラガリン(フナ コシ)は購入し ,K3RG,Q3MG,K3MG,Q3AG はそれぞれク ワ葉から 精製し( Katsube ら,2006)用いた .DNJ は Kim ら(2003) の方法を用い て行った .HPLC の条件は以下 の とおりである .カラム:wakosil-II 5C18 RS (250 × 4.6 mm)(和光純薬) ,移 動層 :0.1%ギ酸を含 む 45%アセトニ

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トリル,洗浄 100%メタノール ,流 速 1 ml/min,カラム温 度 40℃,励起波長 254 nm,蛍光波 長 322 nm の条件で定量 した .標 準品 DNJ(フナコシ)は 購入した .

統計 処理

デ ー タ の 統 計 処 理 は 統 計 処 理 ソ フ ト ウ エ ア JMP ( ver.9.0 ) SAS Institute Japan を用いて 行った .データ は Turkey の多重比較検定 により解 析した .

結果 およ び 考察 フラ ボノ ー ル含 量の 年 次間 差

第 1-1-1 図に 2007 年,2008 年,2009 年における 59 品種のフ ラボ ノール含量 を示した.各 年の 59 品種のフラボ ノール総 含有量の平均 値は ,2007 年が 1203 mg/100 g dry weight (DW),2008 年が 855 mg/100 g DW,2009 年 が 871 mg/100 g DW となり,2007 年と 2008 年,2009 年の 間に有意差が 認められ た .2007 年は 2008 年,2009 年に比 べて含量が高 く ,最大 値 ,最小 値の差が 大き くなった .そ れに対し,含 有量の 低 い年にはその 差も小さ くなり ,含有 量が同程 度の品種に おいては一部 順位の逆 転が 認められ た .第 1-1-2 図に 59 品種そ れ ぞれの 年次ご との Q3MG 含量を比較 した結果を 示 す.年次 ごとの Q3MG 含量の相 関係数は 2007 年と 2008 年が 0.91,2008 と 2009 年が 0.84,2007 年と 2009 年が 0.87 であり,

3 年間の重相関 係数は 0.88 となった.品種 ごとの相対的 な含有量 の多少は ,い ずれの年にお いて もか わらず品種間 における 相関が認めら れた . こ れは,総フ ラボノール含 量,ルチ ン など他のフ ラボノー ル配糖体 にお いても同 様の傾向を 示した.代表 的品種の フラボノール の組成 , 割合の 3 年間 の平均を 第 1-1-1 表 に示した .フラボ ノー ルの組成およ び割合は 年次間で変わ らず品種 に依存した . 作物の収量, 品質など の年次変動は しばしば 気象条件など の栽培環 境により引 き起こされる .同様に ,機能性成分 含量につ いても栽培環 境要因に 影響を受け ることが知ら れている .例えばアン トシアン の蓄積が光や 温度によ り変化する ことがブドウ 果皮 , ト ルコギキョウ などで報 告されている .フラボ ノールはア ントシアニン ,プロア ントシアニジ ンと同じ くフラボノイ ド経路を 経由して生 成される.し たがって ,フラボノー ルもアン トシアニンと 同様の制 御をうける 可能性が高い .サ ンプ リング前 10 日間の つ くばの平均日 照時間 は 2007 年が 5.3 時間,2008 年が 4.4 時間,2009 年が 1.8 時間 であ り,フ ラボノー ル 含量が最も 高い 2007 年の日照時 間が 2008 年,2009 年 に比べ多かっ たことか ら ,クワ 葉の

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フ ラ ボ ノ ー ル 含 有 量 の 年 次 間 差 に 及 ぼ す 要 因 の 一 つ と し て 日 射 量 が 考 え ら れ た.

Fig. 1-1-1. Year-to-year variations of flavonol content per dry weight of leaves.

Horizontal short bars and numbers in the figure indicate the means of 59 cultivars for each year. Data were analyzed by one-way ANOVA followed by Tukey’s test. There was a significant difference between a and b (P < 0.05).

0 500 1000 1500 2000

Fl av on ol co nt en t (m g/ 10 0g o f dry w ei gh t)

1203

2007 2008 2009 (year)

855 871

a

b b

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Fig. 1-1-2. Correlation of quercetin 3-(6-malonylglucoside) (Q3MG) content in each cultivar between year (A) 2007 and 2008, (B) 2008 and 2009, and (C) 2007 and 2009.

A circle indicates each mulberry cultivar. The multiple correlation coefficient was 0.88.

Each year-to-year correlations were 0.91 (2007 v.s. 2008), 0.84 (2008 v.s. 2009), and 0.87 (2007 v.s. 2009).

y = 0.5894x + 57.277 R² = 0.7531 0

200 400 600 800

0 500 1000 1500

2008 Q3MG (mg/100g of dry weight)

2007 Q3MG (mg/100g of dry weight) A

y = 0.8361x + 74.405 R² = 0.7185 0

200 400 600 800

0 200 400 600 800

2009 Q3MG (mg/100g of dry weight)

2008 Q3MG (mg/100g of dry weight) B

y = 1.2988x + 41.723 R² = 0.7572

0 500 1000 1500

0 200 400 600 800

2007 Q3MG (mg/100g of dry weight)

2009 Q3MG (mg/100g of dry weight) C

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12

Table 1-1-1. Relative proportions of flavonol glycosides in four representative mulberry cultivarsz

Cultivar

Rutin (%)

Isoquercitrin (%)

K3RG (%)

Q3MG (%)

Astragalin (%)

Q3AG (%)

K3MG (%) Ichinose 13.6±0.7 3.9±0.1 3.0±0.2 53.5±1.4 2.9±0.2 0 23±1.5 Itouwase 32.4±3.3 11±3.5 11.5±3.2 29.1±7.0 3.2±0.5 0 12.7±2.8

Popberry 45.7±1.4 25.5±0.8 23.5±1.1 0 5.4±0.5 0 0

Keguwa 24.4±2.2 31±1.3 0.6±0.3 24.8±0.6 1.3±0.1 15.7±1.3 2.1±0.1

z Allmulberry cultivars are classified into four groups: Ichinose-type (largest Q3MG proportions; 155/176 cultivars), Itouwase-type (small Q3MG proportions; 6/176 cultivars) Popberry-type (no Q3MG; 14/176 cultivars), and Kegwa-type (uniquely contains Q3AG; 1/176 cultivars). Data represent the mean ± SE over three years.

(17)

13 フラ ボノ ー ルの 品種 間 差

調査年は品種 によ り 1~3 年と異なり ,フ ラ ボノール含有 量に年次 間差が 認め られたことか ら ,異な る年次に供試 した品種 のフラボノー ル含有量 の比較には 補正が必要で ある. 品 種ごとの含有 量 ,組成 およびその割 合は年度 による影響 が少ないこと から , 補 正には 3 年に 渡って供 試した 59 品種の 平均 値を用いた . 補正値は 59 品種 の平 均値 2007 年 1203 mg/100 g DW,2008 年 855 mg/100 g DW,

2009 年 871 mg/100 g DW から算出し, それぞ れ 2008 年の供試 品種 には 1.41 を,

2009 年の供試品種 に は 1.38 を乗じ て 2007 年度の値とし て表示し た .複数年供 試した品種に ついては 補正後の平均 値を用い た .

第 1-1-3 図に,供試 176 品種のうち フラボ ノール総量上 位 10 品種,下位 10 品種,および 現在最も 多く栽培され ている‘ 一ノ瀬’のフ ラボノー ル含有量を 示した.フラボ ノール 総量が最も高 かったの は‘小渕沢 1 号’の 1819 mg/100 g DW で,最も少ない ‘ 御蔵島 15’の 393 mg/100 g DW とは約 5 倍 の差があ った . また,供 試した 176 品 種のうち 73 品種 が,現在の主流品 種である‘一ノ瀬 ’よ り高い値を示 した .Q3MG 含量においても‘ 小淵沢1号’は 現在の 主要品種であ る‘一ノ瀬’ の 607 mg/100 g DW に対して 1082 mg/100 g DW と 2 倍程度高かっ た.クワ葉に含 まれる フラボノール の組成は 品種に特異的 で (第 1-1-3 図),176 品種中, 約 9 割の品種 は葉中フラボ ノール配 糖体としてル チン , イ ソケルシト リン,アスト ラガリン ,K3RG,Q3MG,K3MG の成分を含有 し ,含有 量は Q3MG が 最も高かった.ケグワ には特異的に,他のク ワ品種に存在 しな い Q3AG が含有さ れていた.一方,フ ラ ボノール中 の Q3MG 含有率をみると ,供 試 176 品種のうち Q3MG を持たない 14 品種と‘祝津の 大桑’ , ‘奥尻島青苗 川’ を除 くすべての 品種の Q3MG 含有率 は 30%~62%の範囲におさ まり ,60%を上限と す る切断正規分 布を示した( 第 1-1-4 図).14 品種は Q3MG を全く持たず,それら の品種は K3MG も含有しなか った .Q3MG,K3MG を持たない 品種で最も含 有量の高 いフラボノー ルは 8 品種がルチン ,6 品種がイソケル シ トリンであり ,その含 有率はそれぞ れ 45~61%,39~55%であった.供試した 種 ,品 種数およ び Q3MG の有 無を 第 1-1-2 表に示した.Q3MG を持たない 品種 は 12 種の うち 5 種に含 まれ ,8 品種がヤマグ ワに属した.残 り 6 品 種はシャムグ ワ:供試 3 品種中 2 品種,ハチ ジョウグワ:

供試 4 品種 中 1 品種で ,供試品種数 に対する 出現率が高 か ったが , 供試品種数 が多いログワ ,カラヤ マグワはそれ ぞれ 2 品 種,1 品種と出 現率が 低かった .

(18)

14 Fig. 1-1-3. Flavonol content of mulberry cultivars.

The cultivars shown are the ten containing the highest and the ten containing the lowest amounts of total flavonols among the 176 cultivars examined. In the center, ‘Keguwa’ is shown as having an unique component, and ‘Ichinose’ is shown as a most-commonly seen cultivar. Cultivars were analyzed for 1 to 3 years. *: tested for only one year, **:

mean of two years, ***: mean of three years.

0 500 1000 1500 2000

Kobuchizawa 1*** Kokusou 21(tetraploid)*** Hayoshi no ookuwa* Pakistan 1-2* Toumarutouge 2** Hazasu* Kokusou 20*** Itouwase*** Beikoku 13*** Kanadasansou-A*** Keguwa*** Ichinose*** Okusiritou aonaegawa 4* Uzubesukaya* Fuyousou*** Goroujiwase*** Okusiritou inaho 2* Fukayuki*** Hatijyousima* Sousukewase*** Hasune no ookuwa* Mikurasima 15*

Flavonol content (mg/100g of dry weight)

Rutin Isoquercitrin K3RG Q3MG

Astragalin Q3AG K3MG

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15

Fig. 1-1-4. Frequency distribution of the percent of quercetin 3-(6-malonylglucoside) (Q3MG) content per total flavonol content.

0 20 40 60 80 100

Number of cultivars

Q3MG content per total flavonol (%)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

(20)

16

Table 1-1-2. Cultivars without quercetin 3-(6-malonylglucoside) (Q3MG) identified in mulberry species.

Species Number of

cultivars

Number of Q3MG-free cultivars

Morus nigriformis Koidz. 2 0

Morus notabilis C.K.Schn. 8 0

Morus bombysis Koidz. 42 8

Morus rotundiloba Koidz. 3 2

Morus acidosa Griff. 1 0

Morus kagayamae Koidz. 4 1

Morus tiliaefolia Makino. 1 0

Morus mesozygia Stapf. 1 0

Morus microphylla Buckl. 1 0

Morus multicaulis Perr. 58 2

Morus alba L. 49 1

Morus atropurpurea Roxb. 3 0

(21)

17

第 1-1-5 図に各品種の フラボノール 総量 と Q3MG 含有量の関 係を示 した .一 部 Q3MG をもたない品 種 でもフラボノ ール高含 量の品種が確 認された が ,Q3MG を持 つ品種におい てはフラ ボノール総量と Q3MG 含有量の間に は正の相 関が認めら れた.また ,クワ の種 別とフラボノ ール含有 量には傾向は 認められ なかった( デ ータ省略).

本試験で は 12 種 176 品種のクワ葉 中か ら 7 種類のフラボ ノール:ルチン,イ ソケルシトリ ン ,K3RG,Q3MG,アストラガリ ン ,Q3AG,K3MG,が検出され ,そ の中で最も豊 富に含ま れていたの は Q3MG であった.クワ葉に 含ま れるフラボノ ールについて はこれま でにいくつか 報告があ り ,Onogi ら(1993)は,イソケル シトリン,Q3AG,アス トラガ リン,K3AG が,Kim・Jang(2011)は Q3G,Q3AG,rutin,

ケルセチンが,Naowaratwattana ら(2010)はルチン,イソケ ルシト リン ,K3RG,

Q3MG,アスト ラガリン ,K3MG,ケルセチンジ クマロイルグ ルコシド ,ケンフェ ロールジクマ ロイルグ ルコシド が,Choi ら(2013b)はケルセチン , ケンフェロ ール,アスト ラガリン が それぞれ検 出された としている . これらは いずれもカ ラヤマグワを 用いてい た .また,Thabti ら(2012)は,カラヤ マグワ とアカミグ ワから,K3MG,アスト ラガリン ,ケンフェ ロ ール -7-O-グルコシド , K3RG, Q3MG, ケ ル セ チ ン -3-O- グ ル コ シ ド -7-O- ラ ム ノ シ ド , ケ ル セ チ ン -3-O- グ ル コ シ ド -7-O-グルコシド, ケ ルセチン -3-,7-D-O-β-D-グルコピラノ サイ ド を見いだし たとしている .これら 検出されたフ ラボノー ルの違いは主 に抽出方 法によると 考えられるが ,我々の フラボノール 組成は , ケルセチンジ クマロイ ルグルコシ ド,ケンフェ ロールジ クマロイルグ ルコシド を除き Naowaratwattana ら(2010) とほぼ同じで あった .

(22)

18

Fig. 1-1-5. Correlation between the total flavonol and quercetin 3-(6-malonylglucoside) (Q3MG) content for each cultivar.

The regression line includes all points except for those cultivars that were Q3MG-free.

Each cultivar is represented by one black circle.

y = 1.3269x + 386.21 R² = 0.6275

0 500 1000 1500 2000

0 200 400 600 800 1000 1200

Total flavonol content (mg/100g of dry weight)

Q3MG content (mg/100g of dry weight)

(23)

19

供試品種には ,組成に おいて 2 つの 特徴が認 められた .一 つはケグ ワのみが 持つ Q3AG,もう 一つ は Q3MG と K3MG の有無である.第 1-1-6 図に クワ葉に含ま れるフラボノ ールの代 謝系を示した .クワに 含まれるフラ ボノール であるルチ ン,イソケル シトリン ,アストラガ リン ,K3RG,Q3MG,K3MG の 7 種はいずれも ケルセチンも しくはケ ンフェロール の配糖体 で ,ミリセチ ンの配糖 体は検出さ れていない .ケグワ は ,他の品種 が含有し な い Q3AG を生成す る .予備的に分析 を 行 っ た 結 果 で は , 島 根 県 江 津 市 桜 江 町 で 採 取 し た ケ グ ワ の 野 生 個 体 も Q3AG を含有してお り ,ケグ ワは特異的に アセチル 基転移酵素を 有してい ると考えら れた.次 に,主要フラボ ノールであ る Q3MG が生成されない 品種が確 認されたが , Q3MG を生成しな い品 種は K3MG も含有しな いことから , これらの 品種はフラボ ノール合成に 関与する マロニル基転 移酵素を 持たないと考 えられる .多く供試 したログワ, カラヤマ グワ ,ヤマグ ワのうち 外来種である ログワ , カラヤマグ ワには Q3MG なしの品 種は少なく日 本在来種 であるヤマグ ワに多か った .ま た供 試品種は少な いものの シャムグワ , ハチジョ ウグワにおけ る出現率 が高かった ことから ,マロニ ル基 転移酵素の欠 失は地域 特異的である 可能性が 示唆される . Sharma ら(2000)は AFLP 解析によりク ワ 21 種は 4 つのグ ループに 分類され ,カ ラヤマグワ, ヤマグワ は同じグルー プで遺伝 的に近く ,形 態的にも 他種と大き く異なるケグ ワは異な るグループに 属し遺伝 的にも遠いと している .ログワ,

カラヤマグワ ,ヤマグ ワ間は遺伝的 に近く容 易に交雑する が ,ケグ ワは他種と の交雑が容易 でないと 考えられる . このよう な遺伝的背景 から , 日 本在来のヤ マグワを含む 多くの品 種は Q3MG を含有する ようになり , 一方ケグ ワが Q3AG を 特異的に含有 すること が維持された と推測さ れる .Kim・Jang(2011)は日本のカ ラヤマグワか ら検出さ れなかっ た Q3AG を, カラヤマグワ から検出 している が , この違いは, 大陸の遺 伝的多様性と ,日本に 導入されたカ ラヤマグ ワの地理的 隔離に由来す ると推測 される .

(24)

20

Fig. 1-1-6. Proposed metabolic pathway of flavonol glycosides in mulberry in our study.

Abbreviations: MT = malonyltransferase, K3RG= kaempferol 3-(6-rhamnosylglucoside), Q3MG= quercetin 3-(6-malonylglucoside), Q3AG= quercetin 3-(6-acetylglucoside) and K3MG= kaempferol 3-(6-malonylglucoside)

(25)

21 1-デオ キシ ノ ジリ マイ シン (DNJ) の 品種 間 差

‘一ノ瀬’よ り 葉中 機 能性成分 含量 の高い 品 種を探索する ために , DNJ につ いても品種間 差を 調査 した(付表).フラボ ノール と同様 に 59 品 種の 3 年間の DNJ 含量の値を用 いて 176 各品種の分析 値を 補正した .59 品種の 3 年間の DNJ 含量の平均値 はそれぞ れ ,2007 年:163 mg/100 g DW,2008 年:232 mg/100 g DW,

2009 年:255 mg/100 g DW となり,2008 年の供試品種に は 0.70 を,2009 年の 供試品種に は 0.64 を乗じて含有量 を 補正し た.複数 年供試し た品 種については 補正後の平均 値を用い た.DNJ 含量が最も多 かった品種は ‘あやの ぼり’ (267 mg/100 g DW),最も少 なかった品種 は‘臥龍 ’ (22 mg/100 g DW)であり,クワ 品種間には 10 倍以上 の幅広い範囲 で違いが 認められた . これまで ,Kimura ら (2007)により DNJ 含有量が高いとさ れた‘鶴 田’( 本試験で の名称 は‘鶴田 (福 島)’)は,本試 験 に おいて‘一ノ 瀬’ (164 mg/100 g DW)より高 い値を示した ものの,‘鶴田(福 島 )’より DNJ を高含 有す る品種が 22 品種 確認 された.本試 験において ,実測値 で 得られた最も 高い値 は 435 mg/100 g DW:‘ 一ノ瀬 (赤木)’

(2008 年)であっ た .DNJ 含量もフ ラボノ ールと同様に 年次変化 が大きかった が,既存品種 でも至適 条件 によ り 400 mg/100 g DW 以上の高含 有 が可能である ことが明らか となった .

葉中 機能 性 成分 高含 量 クワ 品種 の 探索

Q3MG と DNJ 含量の 品 種別含有量を 第 1-1-7 図に,フラボノ ール 含量および DNJ 含量の具体 的デー タを 付表に示 した.フ ラボノール ,Q3MG 含 量ともに 最も 高かった‘小 淵沢 1 号 ’をはじめ,‘国桑 第 20 号’,‘清十郎’,‘カナダ産 桑 A’,‘多胡 早生 ’,‘四 倍性桑 ’,‘米 国 13 号’,‘あ やの ぼり ’,‘わ せみどり’,‘ 一ノ瀬(赤木)’,‘国桑 第 27 号’,‘イラ ク 3’,‘支那 広 東 1 号’,‘ はやてさ かり ’,‘厦 門 1 号’ ,‘エンブ’ ,‘ゆき しらず ’,

‘蘇州 6 号’ ,‘泰阜 の大桑 ’,‘ 落井’, ‘十文字’ の 20 品種 が‘一ノ瀬 ’ より Q3MG,DNJ ともに高い値を示し た (第 1-1-7 図).この中に は ,独立行政法 人 農 業 生 物 資 源 研 究 所 (現 国 立 研 究 開 発 法 人 農 業 ・ 食 品 産 業 技 術 総 合 研 究 機 構 )による育性 系統 や ,‘米国 13 号’, ‘カナダ産桑 A’ ,‘ イラク 3’を はじめ海外品 種 など 多 様な品種 が含 まれてい た .DNJ 含量が最も高 かった ‘あ やのぼり’は ,フラボ ノール含量( 1350 mg/100 g DW),Q3MG 含量( 727 mg/100 g DW)も高く ,関東か ら九州地方に かけての 広い範囲に適 応し , 年 間通じて安

(26)

22

定的に良質多 収である .‘あやのぼ り’ は, 独立行政法人 農業生物 資源研究所 で育成された クワ品種 で ,栽培適性 も優れて いることから 既存品種 の中で も有 力品種となり うる .

一般的に ,育種に より 収量性や品質 を改良す る場合 ,目的形質 の優 れたもの を親品種に選 定するこ とが定法であ る .ここ で ,目的とす る Q3MG を持たない品 種も明らかと なり , 本 試験で明らか にした ク ワ品種の機能 性成分含 量 は,今後 成分育種を行 う 際の 親 品種選定 にも 利用でき る .しかし, 高含有す る品種は交 配親として有 望である ものの ,クワ は多くが 雌雄異株であ ること , 本試験にお いては実用品 種でない 品種や ,3 倍体品種等 交配親に適さ ない品種 も多い .供 試品種中 Q3MG を最も 高含有した‘ 小淵 沢 1 号’(975 mg/100 g DW)は 3 倍体 の 雌 性 で あ り , 3 倍 体 品 種 を 用 い る と 育 種 効 率 は 低 下 す る こ と か ら ( 小 山 , 1997),3 倍体で ある‘小淵 沢 1 号’は交配 親に適さない .ま た,‘田中奥 州’

(Q3MG 含量 804 mg/100 g DW)が有する側枝 多発性などは 栽培上の マイナス形 質である.交 配親の選 定には ,成分 の含有量 とともに これ ら花性 , 倍数性,栽 培適性等に留 意しなけ ればならない .一方で ,他作物では 困難であ る 2 倍体と 4 倍体の交雑におい て ,クワは容易に 3 倍 体の交雑実生 が 得られ る .例えば雄 性で 4 倍体の‘ 国桑 第 21 号(4x)’(Q3MG 含量 920 mg/100 g DW),雌性で 2 倍体の‘国桑 第 20 号 ’(Q3MG 含量 908 mg/100 g DW)などは栽 培 適性も 優れて おり,育種親 の組み合 わせとして期 待できる .

本節において ,フ ラボ ノール DNJ の品種間差 が明らかとな り ,既存 品種の中 で一般栽培に 用いられ る‘一ノ瀬’ より成分 を高含有する 品種が 示 された .ま た,これらは 育種にお ける交配親選 定の基礎 データとして 利用可能 である .

(27)

23

Fig. 1-1-7. Q3MG and DNJ content in mulberry leaves on mulberry cultivar.

0 50 100 150 200 250 300

0 200 400 600 800 1000 1200

DNJ content (mg/100g DW)

Q3MG content (mg/100g DW) Ichinose

(28)

24 Supplemental data Table: Flavonol and DNJ content of mulberry cultivar.

Rutin Isoquercitrin K3RG Q3MG Astragalin Q3AG K3MG Total content

Kobuchizawa 1 M.alba L. 2007-2009 224 170 34 975 28 0 385 1,819 182

Kokusou 21(tetraploid) M.multicaulis Perr. 2007-2009 325 131 36 920 35 0 269 1,717 135

Hayoshi no ookuwa M.bombysis Koidz. 2008 400 721 219 0 376 0 0 1,716 236

Pakistan 1-2 M.notabilis C.K.Schn. 2008-2009 291 71 71 825 45 0 345 1,647 69

Toumarutouge 2 M.bombysis Koidz. 2008-2009 97 179 18 673 114 0 490 1,602 125

Hazzaz M.nigriformis Koidz. 2008-2009 410 66 72 741 37 0 225 1,574 95

Kokusou 20 M.multicaulis Perr. 2007-2009 265 75 28 908 29 0 242 1,556 191

Itouwase M.bombysis Koidz. 2007-2009 485 171 161 478 49 0 186 1,549 89

Beikoku 13 Mmicrophylla Buckl. 2007-2009 372 70 50 749 27 0 260 1,547 194

Kanadasansou-A M.multicaulis Perr. 2007-2009 284 73 31 816 29 0 275 1,527 201

Kokusou 21(mixoploid_244a) M.multicaulis Perr. 2007-2009 251 110 52 763 46 0 285 1,525 145

Kokusou 21(mixoploid_422b) M.multicaulis Perr. 2007-2009 291 91 48 816 41 0 224 1,521 164

Shiwasuguwa M.acidosa Griff. 2007 358 88 96 631 37 0 290 1,501 129

Tanakaoushuu M.bombysis Koidz. 2007-2009 111 102 15 804 36 0 370 1,461 145

Philippine M.multicaulis Perr. 2009 234 108 60 666 42 0 321 1,450 165

Jikunashi M.alba L. 2007-2009 224 114 38 680 37 0 325 1,438 134

Seijuurou M.multicaulis Perr. 2007-2009 189 67 14 825 32 0 291 1,434 180

Amoi 1 M.atropurpurea Roxb. 2007-2009 277 103 66 670 21 0 272 1,429 207

Turkey 3 M.notabilis C.K.Schn. 2009 302 84 59 670 33 0 255 1,415 99

Ichinose(akagi) M.alba L. 2007-2009 239 85 58 708 35 0 262 1,404 255

Ochii M.multicaulis Perr. 2007 226 55 76 625 36 0 383 1,400 198

Kinuyutaka(mixoploid_422b) M.alba L. 2007-2009 177 89 26 751 31 0 294 1,384 162

Shina kanton 2 M.multicaulis Perr. 2009 192 58 38 725 34 0 302 1,370 146

Lalaberry M.alba L. 2007-2009 238 69 29 739 38 0 234 1,357 140

Ayanobori M.alba L. 2007-2009 185 66 42 727 39 0 273 1,350 269

Kinuyutaka(tetaploid) M.alba L. 2007-2009 195 70 14 762 27 0 266 1,349 147

Akagi M.bombysis Koidz. 2007-2009 179 116 47 604 45 0 337 1,348 121

Okushiritou aonaegawa 1 M.bombysis Koidz. 2008 62 111 0 492 93 0 529 1,344 118

Hayatesakari M.alba L. 2007-2009 255 66 38 672 29 0 261 1,338 231

kosou 197 M.multicaulis Perr. 2008-2009 241 59 46 687 36 0 241 1,333 106

Shina kanton 1 M.multicaulis Perr. 2009 217 69 49 681 31 0 270 1,332 167

Kokusou 21(original, diploid) M.multicaulis Perr. 2007-2009 231 69 49 670 36 0 248 1,319 141

Natsunobori M.alba L. 2007-2009 184 76 11 746 29 0 249 1,310 146

Toumarutouge 1 M.bombysis Koidz. 2008-2009 76 124 29 513 80 0 438 1,299 108

Iraq 3 M.notabilis C.K.Schn. 2009 347 71 40 686 25 0 125 1,292 212

Yonbaiseisou M.bombysis Koidz. 2007-2009 66 108 6 755 32 0 305 1,286 244

Flavonol content (mg/100 gDW) DNJ content

(mg/100g DW) Cultivar of mulberry Species Year investigated

(29)

25

Rutin Isoquercitrin K3RG Q3MG Astragalin Q3AG K3MG Total content

Morechiana M.alba L. 2009 269 47 60 611 28 0 247 1,277 166

Kairyou akita M.bombysis Koidz. 2007 304 111 73 537 32 0 219 1,277 118

Kokusou 27 M.alba L. 2007-2009 194 85 22 699 15 0 246 1,274 183

Tagowase M.alba L. 2007-2009 51 76 4 768 30 0 326 1,272 187

Higashimokoto fukutomi M.bombysis Koidz. 2008-2009 121 104 42 534 64 0 367 1,266 119

Naganuma M.multicaulis Perr. 2007 465 177 92 380 27 0 126 1,266 163

Rousanjyu M.bombysis Koidz. 2008 230 657 137 0 347 0 0 1,265 162

Popberry M.multicaulis Perr. 2007-2009 570 352 284 0 67 0 0 1,265 134

Higashimokoto akeo M.bombysis Koidz. 2008-2009 74 111 12 600 70 0 365 1,259 129

Hon 02-20 M.alba L. 2009 241 97 85 495 36 0 284 1,255 115

Enbu M.mesozygia Stapf. 2008-2009 222 129 18 658 34 0 187 1,255 178

Ka 97-05 M.alba L. 2007-2009 366 83 87 482 29 0 190 1,251 201

Akansasu unknown 2009 121 125 25 617 48 0 295 1,247 131

Ka 00-12 M.multicaulis Perr. 2007-2009 460 72 118 403 15 0 155 1,240 147

Kinuyutaka(original, diploid) M.alba L. 2007-2009 177 61 24 682 37 0 246 1,239 161

Yukishirazu M.bombysis Koidz. 2007-2009 166 104 25 649 29 0 255 1,238 229

Shimanouchi M.bombysis Koidz. 2007-2009 248 90 63 535 32 0 254 1,237 185

Philippine 1 M.alba L. 2009 193 49 41 656 30 0 252 1,237 140

English Black M.alba L. 2008-2009 246 90 45 591 35 0 206 1,223 208

Keguwa M.tiliaefolia Makino 2007-2009 299 411 7 309 16 180 24 1,221 138

Atsubamidori M.multicaulis Perr. 2007 412 92 76 462 26 0 142 1,209 180

Obata M.bombysis Koidz. 2007-2009 588 235 320 0 58 0 0 1,208 172

Negoya takasuke M.bombysis Koidz. 2007-2009 134 172 22 560 44 0 261 1,202 123

Soshuu 6 M.multicaulis Perr. 2009 202 55 41 643 30 0 216 1,199 179

Keikansou M.multicaulis Perr. 2007-2009 156 48 13 745 36 0 193 1,199 145

Juumonji M.alba L. 2007 138 41 37 624 36 0 320 1,196 189

Minamisakari M.alba L. 2007 384 71 99 449 0 0 190 1,193 152

Iraq M.notabilis C.K.Schn. 2009 284 80 39 617 28 0 136 1,183 181

Tadjikskaja unknown 2009 197 53 28 696 26 0 173 1,179 128

Murasakiwase M.bombysis Koidz. 2007 173 51 48 579 34 0 292 1,178 207

Kinuyutaka(mixoploid_244a) M.alba L. 2007-2009 165 71 24 645 26 0 232 1,175 161

Wasemidori M.multicaulis Perr. 2007-2009 139 56 8 711 34 0 214 1,169 225

Kiryou ichinose M.alba L. 2007 210 39 52 607 0 0 262 1,169 125

Yasuoka no ookuwa M.alba L. 2008 163 81 0 639 40 0 225 1,166 221

Sanish 33 M.alba L. 2008-2009 147 78 41 578 38 0 256 1,159 144

Kanton II kou M.atropurpurea Roxb. 2007-2009 195 82 58 502 35 0 264 1,155 121

DNJ content (mg/100g DW)

Cultivar of mulberry Species Year investigated Flavonol content (mg/100 gDW)

Fig. 1-1-1.    Year-to-year variations of flavonol content per dry weight of leaves.
Table  1-1-1.  Relative  proportions  of  flavonol  glycosides  in  four  representative  mulberry  cultivars z  Cultivar  Rutin (%)  Isoquercitrin (%)  K3RG (%)  Q3MG (%)  Astragalin (%)  Q3AG (%)  K3MG (%)  Ichinose  13.6±0.7  3.9±0.1  3.0±0.2  53.5±1.4
Fig.  1-1-4.    Frequency  distribution  of  the  percent  of  quercetin  3-(6-malonylglucoside)  (Q3MG) content per total flavonol content
Table  1-1-2.    Cultivars  without  quercetin  3-(6-malonylglucoside)  (Q3MG)  identified  in  mulberry species
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参照

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