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密教研究 Vol. 1935 No. 56 004長田 徹澄「燉煌出土東寺所藏 兩梵本玄弉三藏音譯般若心經の研究 P42-62」

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燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 弊 三 藏 音 課 般 若 心 経 の 研 究 四 二

燉 煌 本 大 正 藏 八、 八 五 一 頁 以 下 東 寺 本 榛 葉 元 水 編 述、 般 若 心 経 大 成、 異 本、 三 一 頁 以 下 一 序 説 梵 本 心 経 の 現 在 日 本 に 傳 つ て ゐ る も の は 三 十 種 に 蝕 る。 そ の 原 流 か 原 ぬ れ ば 歎 種 の も の と な る で は あ ら う け れ ど も、 古 往 轄 寓 し た る 時 に 脱 落 或 は 誤 寓 し だ る も の、 或 は 古 往 學 者 が 研 究 加 筆 し た る も の、 或 は 他 の 類 一本 を 樹 照、 重 々 に 墾 考 さ れ だ 爲、 め、 何 れ の 本 が 何 れ の 系 統 で あ る か と 言 ふ 事 は、 複 雑 多 岐 に し て 容 易 に 決 定 し 難 い で あ ら う。 或 本 は 奥 批 に よ り て 大 膿 の 見 定 め は 附 け 得 ら る、 け れ ど も、 そ の 奥 書 の 無 い も の、 有 つ て も 原 本 の 明 か で な い も の が 多 数 で あ る。 そ の 原 流 を 原 ぬ る 比 較 研 究 は 稿 を 改 め る 事 と し た。 、 凡 そ 心 経 の 成 立 は 二 説 あ る。 一 は 大 般 若 経 の 心 要 を 略 出 し た る も の と す る 説、 他 は 弘 法 大 師 の 御 説

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に し て、 般 若 菩 薩 の 大 心 眞 言 三 摩 地 法 門 を 説 け る も の で あ つ て、 大 般 若 経 と は 別 會 の 説 法 で あ る と す る も の で あ る。 現 今 経 典 研 究 の 學 的 立 場 か ら 言 へ ば 心 経 の 原 典 は 大 般 若 経 で あ ら う。 で な け れ ば 心 経 の 敷 術 き れ た も の が 大 般 若 経 で あ ら う。 若 し 心 経 が 大 品 般 若 (大 般 若 経 の 異 謬 ) の 抜 抄 と す れ ば、 序 交、 流 適 文 の 無 い の が 當 然 で あ る。 若 し 心 経 が 別 會 の 説 法 で 輩 濁 に 演 説 さ れ た と す れ ば、 勿 論 序 丈、 流 通 文 が 無 く て は な ら ぬ。 漢 鐸 諸 本 に つ い て 之 を 槍 す る に、 義 浮 (A. D. 671 入 竺 ) 以 前 は 序 流 が 無 く、 法 月 (鋭 D . 73 來 唐 ) 以 後 は 序 流 を 有 す る 事 を 注 意 し な け れ ば な ら な い (般 若 心 経 大 成 五 九 頁 峯 照 )。 所 が 弘 法 大 師 が 秘 鍵 の 中 で ﹁ 或 日、 略 出 大 般 若 経 心 要 づ 故 名 レ心、 不 呂是 別 會 説 一云 々 ﹂ と 或 説 を 出 し、 ﹁ 所 謂 如 レ有 寵 之 蛇 鱗 一﹂ と 批 判 し て ゐ ら れ る。 こ れ は 末 學 と し て 三 省 を 要 す る 所 で あ る が、 密 激 の 正 統 の 立 場 か ら 考 へ れ ば、 こ れ は 別 會 の 説 で あ る と 主 張 し て 差 問 な く、 又 然 か 主 張 す べ き で あ る。 兎 も あ れ 心 経 の 信 仰 上 の 償 値、 眞 理 の 上 に は 殿 損 は な い、 大 般 若 経 の 心 要 な る が 故 に 眞 理 で あ り、 叉 般 若 菩 薩 の 大 心 眞 言 三 摩 地 法 門 な る 故 に 信 仰 的 債 値 が あ る で あ ら う、 然 も 密 数 の 立 場 で は こ の 二 っ の 考 へ 方 は 矛 盾 す る も の で は な い。 こ、 で 一 寸 注 意 し た い 事 は、 心 経 の ﹁ 心 ﹂ は 弘 法 大 師 の 御 解 繹 の 通 り、 心 要 肝 心 の ﹁ 心 ﹂ で は な く、 般 若 菩 薩 の ﹁ 心 兜 ﹂ の ﹁ 心 ﹂ で あ る と 解 す る 榛 葉 氏 の 説 は 正 し い と 思 ふ。 但 し 今 は 心 経 全 般 の 論 で は な く、 蟻 煙 出 土 及 び 東 寺 所 藏 爾 梵 本 を 研 究 し て 誤 れ る を 正 し、 了 解 し 易 か ら し め る 事 を 目 的 と す る の で あ る。 燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 非 三 藏 音 鐸 般 若 心 経 の 研 舞 四 三

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燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 弊 三 藏 音 課 般 若 心 経 の 研 究 四 四 二 原 典 に つ い て こ の 轍 煙 本 は 珍 重 な る も の と さ れ る、 そ れ は 主 と し て 考 古 學 的 立 場 か ら で あ る が、 そ れ は 復 佛 教 経 典 の 歴 史 的 研 究 の 資 料 と し て も 珍 ら し い 典 籍 で あ る。 こ の 原 本 は 現 に 倫 敦 大 英 博 物 館 に 所 藏 さ れ、 大 正 大 藏 経 第 入 巻 に 牧 載 さ れ て、 始 め て 廣 く 公 開 さ れ る こ と、 な つ た。 こ め 経 の 本 文 の 初 め に ﹁ 観 自 在 菩 薩 輿 二三 藏 法 師 玄 弊 一親 敏 授 梵 本 不 二潤 色 一﹂ と あ る、 け れ 共、 こ の 本 文 は、 中 間 に 数 行 (大 正 藏 八、 入 五 一 頁 下 左 U i 3 ) の 重 復 あ り、 又 誤 と 思 は る、 所 も あ る、 そ の 中 重 復 と 一 二 二 の 誤 植 は 印 刷 の 誤 と 見 て も、 そ の 原 本 か ら の 誤 と 解 せ ら る、 所 も 歎 ヶ 所 あ る の は、 玄 弊 課 の 原 本 草 稿 で は な く、 後 日 の 寓 本 た る 事 を 示 し て ゐ る と 思 ふ 。 然 も 此 の 経 は 本 文 の み で な く、 こ の 本 の 將 來 因 縁 を 慈 恩 和 爾 述 と し て 記 し て ゐ る。 叉 そ の 次 に 不 室 謬 と し て ﹁ 蓮 華 部 等 普 讃 歎 三 寳 ﹂ の 陀 羅 尼 を 加 へ て あ る。 こ れ 等 は 共 に 心 経 の 信 仰 的 慣 値 を 高 め、 心 経 弘 通 の 手 段 と さ れ た 事 は 見 逃 が せ な い、 心 経 に 於 け る 奇 蹟 的 利 盆 を 玄 弊 の 渡 天 (A . D . 629 ) に 關 連 せ し め て 述 べ る 事 は 致 果 的 で、 叉 委 當 な 方 法 で あ る。 け れ 共 こ れ を 歴 史 的 事 實 と し、 且 つ 此 の 文 を そ の ま ま 慈 恩 大 師 述 と す る 事 は 多 少 疑 な き を 得 な い。 大 興 善 寺 の 石 壁 の 上 に 録 出 さ れ て あ る 事 に な つ て ゐ る が、 そ の 事 實 が 何 時 頃 の 事 で あ る か、 そ の 事 か ら 槍 し な け れ ば な る ま い、 少 く 共 こ れ に は、 観 音 親 授

否、

否、

る。

る、

り、

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菩 薩 ﹂ と 言 つ て 薔 謬 の 謬 語 を 用 ひ て ゐ る 事 を も 注 意 せ ね ば な ら ぬ。 蓮 華 部 等 普 讃 歎 三 寳 の 陀 羅 尼 は 之 も 亦 不 室 三 藏 自 身 で こ の 心 経 の 初 め に 附 加 せ ら れ な か 否 か は 疑 し い、 恐 ら く 支 那 に 於 て 密 激 が 隆 盛 な り し 頃、 観 音 に 關 係 あ る 眞 言 を 加 へ、 更 に 又 佛 敢 通 念 と し て の 蹄 依 三 寳 の 児 文 を 附 加 し て、 こ の 心 経 を 密 敢 的 な る も の と し た と 思 は れ る。 叢 に こ の 緻 煙 本 の 類 本 が あ る。 こ れ は 今 日 ま で 鯨 う 知 ら れ な か つ た 事 で あ る が、 先 年 榛 葉 元 水 氏 が そ の 著 書 ﹃ 般 若 心 経 大 成 ﹄ に よ つ て 公 に さ れ た。 そ れ は 京 都 槻 智 院 に 藏 さ れ る 古 寓 本 で あ る、 玄 舞 の 音 課 心 経 は こ の 蟻 煤 本 の み と 考 へ ら れ て ゐ た に か、 は ら す、 古 く 既 に 將 來 さ れ、 東 寺 の 寳 庫 に 牧 め ら れ、 韓 寓、 研 究 (そ の 本 の 申 悉 曇 丈 字 ば 恐 ら く 日 本 で 附 加 さ れ 歪 ) さ れ た 事 の あ る の は、 古 往 の 學 者 の 努 力 は 今 更 乍 ら、 我 が 日 本 佛 数 界 の 誇 り の 一 で あ ら う。 こ の 東 寺 本 は 封 謬 の 漢 字 殆 ん ど 轍 煙 本 に 同 じ で あ る。 細 か い 事 は 後 節 に 於 い て 述 べ る 事 と し て、 今 は 大 燈 を 述 べ る 事 に す る。 こ の 東 寺 本 で は ﹁ 槻 自 在 菩 薩 輿 三 藏 法 師 玄 弊 親 敢 授 梵 本 不 潤 色 ﹂ の 一 行 無 く、 ﹁ 大 唐 三 藏 法 師 玄 弊 奉 詔 鐸 ﹂ と あ る。 叉 序 文 の 首 の ﹁ 西 京 大 興 善 寺 石 壁 上 録 出 慈 恩 和 術 奉 詔 述 序 ﹂ の 一 行 も な い、 こ れ は 緻 煤 本 に そ の 序 を 慈 恩 和 爾 述 と す る 説 を 疑 ふ 一 つ の 本 慷 と も な る。 又 不 室 繹 の 蓮 華 部 等 普 讃 歎 三 寳 の 陀 羅 尼 も な い。 此 等 の 事 は 緻 煙 本 に 比 し て 素 朴 的 と い ふ べ く、 然 ら ば 此 の 本 は 徽 煙 本 よ り 古 い 事 を 物 語 つ て 居 る の で は あ る ま い か、 何 故 な ら ば、 東 寺 本 の 原 本 に、 ﹁ 西 京 大 興 善 寺 石 壁 上 録 燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 三 弊 藏 趾日 謬 般 若 心 経 の 研 究 四 五

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燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 弊 三 藏 音 課 般 若 心 経 の 研 究 四 六 出 慈 恩 和 術 奉 詔 述 序 ﹂ の 一 句 が あ つ た と す れ ば、 寓 筆 者 が 故 意 に こ の 一 行 を 略 す と は 考 へ ら れ な い、 慈 恩 大 師 は 玄 群 三 藏 の 高 足 で そ の 鐸 業 に も 連 つ た 高 僧 で あ る。 故 に こ の 一 行 は こ の 心 経 の 便 値 を 高 め、 序 文 の 眞 實 さ を 立 謹 す る 事 と な る。 そ れ を 故 意 に 或 は 不 用 意 に も 脱 落 す る 事 は 想 像 も 及 ば な い か ら で あ る。 叉 不 塞 鐸 の 蓮 花 部 等 普 讃 歎 三 寳 の 陀 羅 尼 の な い 事 も、 こ れ と 同 様 の 理 由 で 原 本 に 無 か つ た と 思 は れ る。 然 ら ば こ れ ら の 二 は 東 寺 本 が 寓 さ れ て 後、 轍 煙 本 に 加 筆 さ れ た 事 を 認 め ね ば な る ま い、 こ、 に 注 意 し な け れ ば な ら 澱 事 は、 爾 本 が こ れ 程 の 差 を 有 し て 居 る に 關 ら す、 本 文 の 中、 或 は 序 の 中 で 時 に 同 一 の 誤 (誤 と 豊 識自 へ な い 所 も あ る が ) を な し て ゐ る 事 で あ る。 帥 ちmarga (道 ) を 爾 本 共 に ﹁ 歴 哩 議 襲 ﹂ (註 23 参 ) と な し て ゐ る 事 で あ る、 こ の 場 合 ﹁ 擾 ﹂ は 術 で あ る、 恐 ら く 此 の 字 は 前 に ﹁ 誠 擾 ﹂ と 常 に 連 績 し て 用 ひ ら れ た、 故 に 寓 筆 者 の 筆 勢 で こ の 字 が 加 つ た の で あ ら う、 そ れ を 爾 本 が 確 實 に 傳 へ た と 思 は れ る。 又 as amasama (無 等 等 ) を 爾 本 共 に ﹁ 阿 娑 麿 娑 底 ﹂ (註 37 参 ) と 傳 へ て ゐ る。 恐 ら く ﹁ 底 ﹂ は ﹁ 麿 ﹂ の 誤 爲 で あ る。 爾 ほ 斯 の 如 春 個 慮 は あ る が 繁 を 避 け て 略 す る。 こ れ 等 は 爾 本 共 に 古 色 を 残 し て ゐ る 事 を 知 る の で あ お。 叉 東 寺 本 も そ れ 自 身 に 於 い て 多 少 の 修 筆 の 跡 を 認 め る 事 が 出 來 る。 そ れ は 旨 帥 の 音 を 枳 捜 又 は 餓 擁 と 混 用 し て ゐ る 事 で あ る。 而 し 前 後 に 多 く ﹁ 枳 撰 ﹂ (大 成p331.5.34-2.35-4.377 ) を 用 ひ 中 間 に 議 撰 (大 成p345 (2 回 ).2.357. ) を 用 ひ て ゐ る 事 は 原 本 が ﹁ 餓 穰 ﹂ で あ つ た も の を 後 人 が 何 か の 謬 本 を 墾 考 に し て ﹁ 枳 擁 ﹂ に 改 め 様 と 企 て 中 問 に 於 い て、 そ れ が 獲 つ た と 考 へ ち れ る。 又 東 寺 本 は 悉 曇 字 を 加 へ て み

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る。 こ の 悉 曇 字 も 後 人 の 研 究 に よ り、 復 繹 さ れ 泥 と 思 は れ る、 何 故 な ら ば、 克 明 に こ の 悉 曇 字 を 槍 べ て 行 く と 直 ち に 登 見 す る 所 で あ る。 帥 ち 戊 爾 也 (suunya 大 成 p.33-4 以 下 ) 戌 を 建 画 (sydya ) と し て ゐ る、 正 し く は 意 訪 (sybta ) な る べ し。 又 野 嚇 曜 襲 (tavan na 註1722參 ) を 司 4 汀 (yavrana ) と し て ゐ る、 正 し く は 邸 冴 可 (yavan na ) な る べ し。 又 麿 哩 議 擁 (marga 註 23 墾 ) を 凋 債 ぼ (naruhba ) と し て ゐ る、 こ れ は 漢 字 の 誤 寓 に そ の ま ゝ 悉 曇 字 を 當 て た 痕 跡 明 か で あ る、 正 し く は 説 霜 (marga ) な る べ し。 斯 の 如 ぎ は 省 ほ 多 歎 上 げ 得 る も 繁 雑 を 恐 れ て 略 す る 事 と し た。 こ れ を 要 す る に 最 初、 三 藏 は 音 課 を 行 ひ、 そ れ に 漢 課 を 附 記 し た で あ ら う と 思 は れ る。 而 し て こ の 心 経 が 槻 音 親 授 と し て 信 仰 せ ら れ た。 そ こ で 心 経 記 事 が 加 へ ら れ た (東 寺 本 )。 後 そ の 序 は 慈 恩 和 爾 述 な り と 信 せ ら れ る に 至 り、 更 に そ の 事 を 緻 煤 本 に 加 へ、 不 室 繹 の 陀 羅 尼 も 加 へ ら れ た (徽 焼 本 ) で あ ら う。 而 し て 蟻 煤 の 本 文 の 首 め の ﹁ 観 自 在 菩 薩 輿 三 藏 法 師 玄 群 親 殺 授 梵 本 不 潤 色 ﹂ の 一 行 も、 そ の 序 文 の 意 昧 か ち 加 へ ら る、 事 と な つ た。 次 に 果 し て こ れ が 玄 弊 の 音 謬 に し て、 又 漢 課 を も 附 記 し た と す れ ば、 現 行 の 般 若 心 経 と は 如 何 な る 關 係 を 有 つ か、 こ れ に 就 い て 爾 者 を 批 較 し て 見 る と 小 異 は 措 い て も、 今 の 本 に は ﹁ 度 一 切 苦 厄 ﹂ の 五 字 が な い。 叉 現 行 本 の ﹁ 無 智 亦 無 得 ﹂ が ﹁ 無 智 無 得 無 謹 ﹂ と な つ て ゐ る。 遠 離 の 下 に ﹁ 一 切 ﹂ の 二 字 が な い。 こ の 中 第 一 の ﹁ 度 一 切 苦 厄 ﹂ の 五 字 は 現 在 の 心 経 で は 羅 什、 玄 弊 の 本 の み に あ る 句 で、 他 の 漢 課、 梵 本、 燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 舞 三 藏 音 課 般 若 心 経 の 研 究 四 七

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燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 弊 三 藏 音 課 般 若 心 経 の 研 究 四 八 藏 本 に は 見 當 ら ぬ 句 で あ る。 こ れ は 恐 ら く 原 本 に な い も の を 漢 繹 に 附 加 さ れ た と 思 は れ る。 そ れ が 謬 者 の 手 に よ る か、 或 は 後 人 の 手 に な る か 不 明 で あ る。 蓋 し 次 に 出 る ﹁ 能 除 一 切 苦 ﹂ に て 意 味 は 蕃 き、 前 後 の 關 係 か ら 言 つ て も、 こ の ﹁ 度 一 切 苦 厄 ﹂ の 句 は 蛇 足 の 様 に も 思 は れ る。 次 に ﹁ 無 智 無 得 無 謹 ﹂ で あ る が、 こ の 第 三 句 ﹁ 無 謹 ﹂nabhisamayah の 一 句 は 注 意 に 債 す る、 こ れ は 本 文 の 註 に 於 い て 述 べ ﹁る 筈 で あ る。 第 三 の ﹁ 一 切 の ﹂ 二 字 は 流 通 本 に は あ る が 藏 経 本 に は な い の で あ る 。 斯 の 如 き 差 違 は あ る が、 大 膿 か ら 言 へ ば こ の 梵 本 を 潤 文 し て、 玄 舞 鐸 の 漢 鐸 心 経 が 出 た と 認 め て 宜 し か ら う。 三 慈 恩 和 尚 の 序 既 に 一 言 せ る 如 く、 こ の 序 は 慈 恩 和 術 の 述 作 と す る 事 は 多 分 の 疑 念 を 持 つ て ゐ る。 け れ 共 心 経 の 序 文 と し て は 甚 だ 興 昧 あ る 説 話 を 述 べ て ゐ る。 然 る に 誤 寓 と 思 は る、 個 慮 も 多 い の で 東 寺 本 を 樹 校 し つ つ 多 少 私 見 に よ る 修 正 を 加 へ て 讃 み 易 か ら し め る 事 と し た。 -傍 線 々 附 し 実 る ば 東 寺 本 に よ り 修 正 を 施 ぜ る 個 所 た 示 す、 其 他 符 號 々 略 ぜ る 個 所 も あ り、 又 術 字 と 思 ば ろ ゝ 字 ば 無 噺 で 除 い 糞 。 詳 し く に 大 正 藏 に 比 ぜ ら れ 旗 し 。 唐 梵 翻 封 字 音 般 若 波 羅 蜜 多 心 経 並 序 西 京 大 興 善 寺 石 壁 上 録 出 慈 恩 和 尚

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奉 詔 述 序 (私 日、 東 寺 本 此 句 々 鋏 す ) 梵 本 の 般 若 心 経 は 大 唐 三 藏 の 謬 す る 所 な り、 三 藏 天 竺 に 遊 ば ん と 志 し、 路 盆 州 に 次 い で 塞 恵 寺 の 道 場 に 宿 る。 遇、 一 僧 有 り て 疾 む、 詞 問 し て 行 止 し て、 因 み に 之 く 所 を 話 元 る に、 乃 ち、 法 師 を 歎 じ て 曰 く、 法 の 爲 に 腱 を 亡 す る、 甚 だ 希 有 と 爲 す、 然 れ ば 則 ち、 五 天 は 這 遙 と し て 十 萬 鯨 程 な り、 溢 は 流 沙 を 渉 り、 波 は 溺 水 を 深 く す、 胡 風 起 る 慮 は 塞 草 を 動 か し 以 て 人 を 愁 へ し む、 山 鬼 哺 く 時 は 荒 翫 の 落 葉 に 樹 す、 朝 に 雪 麟 を 行 き、 暮 に は 氷 崖 に 宿 る、 樹 に は 猿 猛 掛 り、 輝 に は 魑 魅 多 し、 層 轡 葱 嶺 よ り も 畳 ね、 似 帯 の 自 雲 を 榮 ひ、 群 木 鷲 峰 よ り も 族 が り、 墾 天 の 碧 嬌 に 聾 む、 程 途 多 難 な り、 去 る や 如 何 せ ん。 我 に 三 世 諸 佛 心 要 の 法 要 有 り、 師 若 し 受 持 せ ば 來 往 を 保 つ 可 し と、 塗 に 法 師 に 口 授 し 詑 ぬ。 饒 に 至 つ て 其 の 僧 失 せ り、 三 藏 嚢 装 を 結 し て 漸 く 唐 境 を 離 る、 或 は 途 に 厄 難 を 経, 或 は 時 に 齋 差 を 閾 ぐ。 憶 ひ で 之 を 念 す る こ と 四 十 九 遍 な り。 路 を 失 せ ば 即 ち 化 人 指 ざ し 引 き、 食 を 思 へ ば 則 ち 軌 す く 珍 疏 現 は る、 但 だ 誠 を 有 っ て 新 る に 皆 餓 鮪 を 獲、 中 天 竺 磨 蜴 陀 國 那 欄 陀 寺 に 至 り、 経 藏 を 旋 邊 す る に 忽 ち 前 僧 を 見 る、 而 も 相 ひ 謂 ひ て 曰 く、 遠 く 難 瞼 を 渉 り て 此 の 方 に 達 す る こ と を 喜 ぷ。 我 昔 支 那 國 に 在 っ て 傳 ふ る 所 の 三 世 諸 佛 心 要 の 法 門 に 頼 れ、 斯 の 経 力 に 由 つ て 爾 の 行 途 を 保 た ん、 経 を 取 つ て 早 く 還 う、 爾 の 心 願 を 満 た せ、 我 は 是 れ 親 音 菩 薩 な り、 と、 言 ひ 詑 り て、 塞 に 沖 す、 既 に 奇 鮮 を 顧 み る に、 斯 経 の 至 験 と 爲 す、 信 に 般 若 と 爲 し、 實 に 聖 櫃 と 爲 す、 如 説 に 修 行 せ ば 必 す 豊 際 燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 弊 三 藏 音 羅 般 若 心 経 の 研 究 四 九

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燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 弊 三 藏 音 隷 般 若 心 経 の 研 究 五 〇 を 超 へ、 如 來 の 旨 を 究 め ん、 亘 ん ぞ 三 砥 を 歴 て 如 來 の 経 を 誠 せ ん や、 能 く 三 障 を 鎗 す、 若 し 人 度 誠 に 受 持 せ ば 斯 理 を 膿 せ ん。 勤 よ や。 四 蓮 花 部 等 普 讃 歎 三 寳 の 兇 こ れ に 就 い て も 既 に 一 言 せ る 如 く 不 塞 三 藏 が 良 ら 附 加 せ ら れ た と い ふ 事 は 一 慮 疑 つ て よ か ら う。 こ の 兜 は 大 禮 か ら 言 へ ば 前 後 二 分 さ れ る、 前 句 は 蹄 依 三 寳 の 究 で あ り、 之 に 近 似 の 児 が ﹃ 種 々 雑 兜 経 ﹄ (闘 那 堀 多 羅、 大 正 二 一、 六 四 〇 頁 上 ) 及 び ﹃ 梵 藏 漢 蒙 四 騰 合 壁 大 藏 全 兇 ﹄ 第 一 一套 第 五 巻 等 に 瞬 依 三 寳 発 と し て 出 て ゐ る。 後 句 は 観 音 讃 歎 の 兇 で ﹃ 観 自 在 菩 薩 如 意 輪 念 諦 儀 軌 ﹄ (不 空 課、 大 正 二 〇、 二 〇 六 頁 上 ) に 讃 歎 偶 と し て 出 る も の で あ る。 栂 尾 教 授 最 近 の 著 ﹃ 秘 密 事 相 の 研 究 ﹄ 第 六 章 ( 三 一 四 頁 ) に 於 い て 和 鐸 さ れ て ゐ る。 恐 ら く こ の 毘 は こ の 心 経 の 弘 通 さ れ る に 随 つ て 槻 音 に 關 係 あ る 兜 と し て、 後 人 が こ の 不 室 謬 の 鷺 文 を 附 加 し た の で あ ら う、 そ れ は 東 寺 に こ の 児 の な い 事 に よ り て も 知 ら る、 所 で あ る。 蹄 依 三 寳 の 鷺 は 佛 敏 徒 が 常 に 薦 念 し て ゐ た も の で あ ら う。 蓋 し 陀 羅 尼 の 首 め に 餅 依 の 文 の 附 加 さ れ る の は 普 逼 の 事 で あ る か ら こ の 兜 は 一 兇 と し て 同 時 に 附 加 さ れ た と 認 め ら れ る。 五 本 文 と 註 轍 燵 本 と 東 寺 本 と 潜 野 校 し て 正 誤 補 筆 し、 な る べ く 爾 本 に 近 き 梵 丈 に 復 す る 為 主 と し 宏。 封 繹 漢 字 の 符 號 (二 合、 引、 入、 大 呼 ) ぱ 繁 た 防 ぐ 穴 め 原 本 に あ る も の、 外、 新 し く に 加 筆 し な い 。 此 の 揚 合 注 意 し な け れ ば な ら ぬ

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事 ぱ、 ﹁ 引 ﹂ の 符 號 の 加、 不 加 に ょ り て 意 味 が 反 封 に な る 場 合 で あ る。 ( ) 内 ば 原 本 に 無 く、 或 ば 原 本 の 誤 字 な 補 筆 修 正 し 力 個 庭 で あ り、 ︹ ︺ 内 ぱ 原 本 に あ る も、 術 字 と し て 當 稿 に 於 て 除 く 個 腱 で あ り、 羅 馬 字 の イ タ リ ソ ク ば 加 記 或 ば 修 正 の 著 し い 個 庭 た 示 す。 × ×

(巖

)

(東

)

燉 煌 出 素 寺 所 藏 爾 梵 本 毒 三 藏 音 課 般 惹 讐 研 究 五 一

(11)

燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 非 三 藏 音 諜 般 若 心 経 の 研 究 五 二

鉢羅二議撰二播曜弱修紘哩二那野素但鷹

合 合 合 Praj zla-pLramita-hrdaya-Sutraih

般若波羅蜜多心経

123

阿哩也二嚇噌枳帝灘囎路

冒地娑恒侮

撮鼻囎

aryAvalokitosvaro

bodhisattvo

gar-nbhirarh

聖 な る観 自在 菩 薩 は 甚 深 な る

34

鉢曜二

誠擁播曜弱移左哩焔二

左羅麿陵

尾也二

嚇噸迦也底

合 合 合

prajfi i-pararita-caryaih caramano vyavalokayati

般 若 波 羅 密 行 を 行 じつ つ 擬 照 せ り:

娑 慶 二 畔 左 塞 建 駄 引娑 但 引室 左 二 娑 囎 婆 嚇 戌 爾 焔 二

合 合 合

sma:" pauca skandhas, tarps ca svabhava-sunyarn

「五 慈 あ り、 而 して それ 等 は 自性 室 な ち と

5

践失也二底 娑壌二

伊賀

捨哩補但曜二 晦畔 戌禰焔

合 合 合

pasyati sma." " iha Sariputra rupa il sunyath,

(12)

6

戊 爾 也 二嚇 嚇 噸 眸 唯 播 嚢 比 凛 二他 (迦)孚 戎 禰 也 二膨

合 合 合

sunyataiva t spa, rupan na prtha/Lifnyata,

室 は實 に 色 な り、 色 よ り他 に 塞 は な く、

戊禰也民移野

比喋二他藥

櫓畔

夜怒 櫓眸

合 合

sinyatdy, na prthag rupam, yad rudpam

塞 よ わ他 に色 は無 し、 色 で あ る もの

7

戊禰也二膨

戊爾也二膨

櫓畔

暁囎

sa sunyata, yd shinyat sa rupam evain

是 れ 塞 な り、 塞 で あ る もの 是 れ 色 な 鮎 是 の 如 く

8

弱嚇

吠那嚢

散議穰

散娑蓮引

尾餓擾噛

伊賀

eva vedana- sarhjfid- saihskqra- vijndnaih. iha

實 に受 想 行 識 も亦 然 り。 蕪 に

捨哩補惟曜二薩羅嚇達麿

戊爾也二移落乞叉二

阿怒移播二

合 合 合 合

Sariputra larva-dharmalz sunyatd-laksand, anutpannd

舎 利 子 よ 一 切 諸 法 は 室 性 を相 と して有 てb、 不 生 燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 弊 三 藏 音 課 般 若 心 経 の 研 究 五 三

(13)

轍 煤 爵 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 弊 三 藏 音 謬 般 若 心 経 の 研 究 五 四 9

阿寧櫓駄

阿歴擁

阿尾麿羅

阿怒嚢

aniruddha annald avima1a anuna a:

不滅

不垢

不浮

不減

1011

播哩補撚 祭二 膨娑毎

捨哩補但曜二

戌禰也二移焔

合 合 合

paripurnah.

tasrma

Sariputra sunlyatayam

na

檜 な う。 それ 故 に 舎 利 子 よ 室 性 の 中 に は 色 もな

12

喰畔

吠那嚢

散議擁

散娑迦二

rupain

na

ved. ana

na

sainjlla

na

saihskara

く 受 も な く 想 もな く そテ もな く 13

尾議捜二哺

研乞葛成櫓二

但曜二

迦曜二

弩彌賀嚇二

迦野麿

合 合 合 合 合 na viifnaxn, na caksuh-srotra-girana-jihva-kaya-ma= 識 もな し、 眼 耳 鼻 舌 身 意 もな し、 14

襲某

噸畔擾那彦駄曜娑娑播曜悪託尾也二

達麿

合 namsi, na rupa-sabda-gandha-rasa-sprastavya-dharma, na 色 聲 香 味 鯛 法 もな し、

(14)

1516171871920

所 乞 葛 二羅 駄 都 哩 也 二嚇 襲 麿 怒 尾 議 援 二合〔誠 〕哺 駄 都

合合 合合

caksur- -dhatur vdvan na man o-vijfi ina1h-dhatuh,

眼 界 もな く 乃 至 意 識 界 もな し、

尾禰也

襲尾爾也

尾爾也乞叉喩

襲尾

2121

na vidya navidyd na vldy -ksayo navi:

明 な く 無 明 な く 明 の 蓋 もな く 無 明 の

22

禰也乞叉喩

野購〔

曜〕

慰耀歴曜噛

慰曜

dya-ksayo

yavan

na

j ara-mar anain

na

ja

濫 もな し 乃 至 老 死 な く 老 死 の 濫

23

麿曜弩乞叉喩

褥怯裟毎那野寧唯駄歴哩識 〔

撰〕

maran a-ksayo,

na

duhkh. a-samudaya-nirodha-marga,

も無 し 予 苦 集 滅 蓮 も な く、

2425

識擁噛

鉢曜比底

(羅)

襲鼻娑歴 (夜)

移娑毎

na jnanam na praptir nabhisarnayala. tasma=

智 もな く 得 も な く 言登 もな し。 そ の 燉 煌 幽 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 弊 三 藏 音 課 般 若 心 経 の 研 究 五 五

(15)

燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 弊 三 藏 音 繹 般 若 心 経 の 硯 究 五 六 2627

鉢耀二

箆底二

但囎

冒地娑但嚇噛

鉢曜二

識穰播耀弱喀麿

d

apraptitva

bodhisattvanam prajna-Paramitam

無所得 の故 に

菩薩の 、

般若波羅蜜多 に

2829

室哩底 也ご

尾賀曜底也ご

只移騨 羅睾

只移縛羅弩

合合

asritya viharaty a-citt'avaranah.

cittavarana-依 止 せ ば (何人 も) 心の 呈 碍 な く して住 す る也 。 心 の 塁 碍 な

3031

嚢悉底但囎那 但羅ご素都ご尾播哩也ご娑底伽蘭膨 寧蘇移寧哩〔

也〕

合 合 合

nastity id

atrasto

viparyasatikrantah

nistha-きが 故 に 恐 怖 な く 顛 倒 を離 れ 究 麗

底哩也三

駄 嚇二尾也ご嚇悉騰移

娑囎没駄

合 合 合

32

nirvanaih. try-adhva-vyavasthitah sarva-huddhah

の 浬 繋 を得 。 三 世 に安 住 せ る 一 切 の 諸 佛 も

333435

鉢耀誠穰播羅弓

耶多歴

室哩底也褥珍蘭

穆親也ご

鰺没

prajfia-pdramitan athityanuttaraih samyak-saih=

(16)

36

地麿

鼻鰺没駄

移娑毎 議撰膨尾演 鉢曜識擁播耀

bodhim abhisambuddh. h.tasm.j

jfldtavya h

prajfL pdra:

現等畳 せ しもの。

それ故 に (我等の須

般若波羅

く) 知 る くこき も の は

彊膨麿賀引満恒噸

歴賀引

尾禰也二満恒曙

阿褥移曜満

mita- nahqmantro maha-vidyd-nantraih an. uttara-man:

蜜 多 大 究 なb (この) 大 明 発 なb (こ の) 無 上 発 な り

3738

恒羅

阿娑麿裟 (麿)

満但羅

薩嚇褥怯鉢曜捨 歴嚢

trap asanzasamma-mantrap, sarva-du1-ikha-praiagnanah,

(こ の) 無 等 々 児 な り、(こ れ) 一 切 の 苦 を 息 む る もの、

4041

裟底也麿

彊賛哩也二但嚇二鉢羅議捜播嚇藍

弱移 目詑鮨 満

合 合39

satyar a-mitizyatvat. prajf-paralnitay&m'ukto man:

(ま た これ) 眞 實 不 虚 の 故 に。 「般 若 波 羅 蜜 多 」を (鐸せ る) 発

(言=眞 言) な り

42

恒羅二

但禰也二他

議諦

譲諦

播曜議諦

播曜

合 合

trap, tad yatha:" gate gate para-gate

para-の 説 か れ た 帥 ち:「 行 き 行 きて 彼 岸 に行 き 彼 岸 に る あ り、 燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 弊 三 藏 音 課 般 若 心 経 の 研 究 五 七

(17)

燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 弊 三 藏 音 繹 般 若 心 経 の 蕨 究 五 八 4344

僧餓諦

冒地

裟嚇二賀

sathgate bodhi svqha !

行 き 了 墾た る 畳 (=智) よ ス フ ー ハ ー (=我 に 成 就 あ れ)。

1. 東 寺本 には 「洛 」raと あ り:ra-bodhi.

2. 東 寺 本 には 「騨 」v的 とあ り, 正 梵 に は. vo gamな り (萩 原, 實 習

梵 語 學 §33).

3. 法 隆寺 系 の本 は。rayamに 作 る, 然 し今 は。ram (-caryamの 形 容

詞) と讃 む. この 例 又 長 谷 寳 秀 教 授 藏 本 (原 本, 東 寺 藏, 寛 喜 三 年 篇 本, 般 若 心経 大 成P. 832) の廣 本 心経 に在 り. 4. 東 寺 本 に「也 」yaあ り. 5. 「度 一 切 苦 厄 」の 句 な し, 漢 鐸 玄 舞本 に 異 す, 前 節 (四 七 一5) に述 べ ナこり. 6. 緻 本, 東 寺 本 共 に「迦 」宇 な し, 法 隆 寺 本 に よて 加 へた り、浮 嚴 和 爾 此 字 に「恐 剰 」と註 せ るは誤 な るべ し. 阿 叉 羅 帖 本 には 此 字 脱 し て餓 白 を 残 覚 り. 但 し「迦 寧」 無 くと も誤 とは 断 す べ か ら虜 何 と な らばsathyakを 「鰺 鏡 也 」とす る 事 あ り. 7. 正 梵 に はtad. 他 本 多 くはtadと す る も御 室 所 傳 の 本 (心 経 大 成 p. 47-3) に もsaと な す. 8. 法 隆 寺 系 の 本 は 総 て。naniに 作 る. 今 は 漢 字 音 を 探 り て 軍 撒 に 作 れ り. (萩 原, 實 習 梵 語 學 §237) 9. 東 寺 本 よ り: malaを 加 ふ. 10. 正 梵: tasmac Cari. 11. 東 寺 本 に は 「多 幌 焔 」tanyamと あ る も恐 ら く「提 」は 衛 な り. 12. 東 寺 本 に 「嚢 」を 鋏 ぐ. 13. 廣 本 の 當 所 も然 り. -浮 嚴 本, 阿 叉 羅 帖 本 はvijnaniと 讃 み,

(18)

普 通 vilnananiと 改 む.

14. 緻 本 「勒 」とあ る も東 寺 本 を探 る.

15. 蟻 本 に:「 乞 」 な し.

16. 「羅 」蟻本, 東 寺 本 共 に 無 し

17. 當所 及 次 行(大 成P. 24-i. 355. 9. )に 「嚇 離 嚢 」。var naと あ り,

これ 悉 曇 字 爵 召費 (yavanna) を 寳4苛 (yavarna) と讃 み誤 り しな り. (拙 論 四 七2参.) 18. 東 寺 本 「尾 」な し. 19. 「識 」字 は 東 寺 本 に無 し, 蓋 し繊 本 の 誤剰. 20, 正 しくはQna-dhatuh. 21. (2回) 東 寺 本 此 等 爾 語 を脱 す. 22. 東 寺 本 に は 「哩 也 騨1羅」とあ り, 蓋 し前 出の. tur yavanの 慮 を参 照 して 誤 つ て訂 正 しナこるな らん. 又。van naに 就 て は 註17参 照。 23. 東 寺 本, 蟻本 共 に 「撰 」の 街 字 あ り, 前 節 (四 六8. 四 七3) 参 照. 24. 正 梵 に從 つて「羅 」を加 へ た り. (萩 原 §32). 25. abhisamay的 (密 教 研 究 五 十三, 大 事 註P. 17) 夏 に その 例 を長 谷 教 授 蔵 本(原 本 寛 喜 三 年 爲本, 大 成P. 856) 贋 本 心経 に 之 を見 るを 得 ナこり, 依 つ て こ 為に「夜 」Oyahを 補 へ り. 尤 も このnabhisama=

yぬ の 句 は 原 來na praptirの 註 と して書 入 れ られ しを韓 窮 の 時 誤

りて 本 文 中 に 入 わ し もの な らん. 何 と なれ ば次 にtasmad aprapt=

itvadノとあ りて, tasmad anabhisamayadと は説 かす, 叉 他 の梵

本 に は 多 く この 語 無 き故 に, 26. 正 梵 には。tvad. 27. 法 隆寺 系 本, 慈 雲 箪 者 所 傳 本 は 囑絡 輩撒 に作 り, 今 の 爾 本及 び御 室所 傳 本 は 鵬 格 復 藪 に作 る. 長 谷 教 授 藏 本 (原 本寛 喜 三 年 爲 本, 大 成P. 857) の み は膿 格 軍撒 に作 り漢 課 諸 本 と符 合 す. 從 來 屡 格 と 見 る事 は 大膿 定 説 に して漢 課 と相 蓮 せ り. 萩 原 博 士 は 聖 語 研 究 第 燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 弊 三 藏 音 謬 般 若 心 経 の 硯 究 五 九

(19)

燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 弊 三 藏 音 繹 般 若 心 経 の 硯 究 六 〇 一 輯P. 56に 於 い て 屡 格 復 鰍 を正 と し輩撒 を誤 とせ られ た り. 然 れ ど も吾 入 は 軍 複 を論 ぜ す, 属 格 を 正義 と見 ん とす. 文 勢 よ り見 る に上 記 に於 て 聲 聞, 凋 豊 の重 要 な る教 義 を 一 々 否 定 し來 ナこり, 薙 に菩 薩 の法 橦: 般 若 圭義 を高 揚 す る也, 即naiva sravakanam

naiva pratyekabuddhanam dharma-parya yan asritya bodhisattva=

nam eva pajna-paramitam asritya の 義 な り. 漢 澤 諸 三 藏 は 文 勢

を 察 せ す して 意 課 す. 古 の 三 藏 未 だ この 幽 を 釣 らす. 榊 博 士 を 正 義 と す.

asritya (依 止 せ ば, 條 件) の 用 例 と して は 高 楠 博 士 巴 利 講 本P. 45 11018461: patisevitva, adiyitva. voropetva ullapitvaあ り. avarapa,

n. a-Citt'avaranah norn.Sing.m. な れ ば 有 財 繹 の 合 成 語 に して 「心 の 呈 凝 な き 入 と して 」の 義 な り. 28. 徽 本 に 「縛 」な し. 29. 東 寺 本: avarpatva-「 路 瞭測 あ り. 30。 緻 本: 「僅 哩 」(traノ 所) と あ り。 31. 巌 本: 東 寺 本 共 に 「也 」の 衛 字 あ り. 32. 正 梵: nistha-nirvanah. 33. 徽 本: 「底 世 」, 字 形 相 似 に 依 る誤 讃. (大 成p. 25-1参). 34. 東 寺 本 「阿 」を加 ふ: tya anu. 35. 緻 本: 「世 」, 註33に 同 じ く「也 」の 誤 讃, 36. : 正 梵 り tavyo. 37. 蟻 本, 東 寺 本 共 に 「娑 底 」. satiと 誤 爲 す. (大 成p. 263及 び 拙 論 四 六-6). 38. 燉 本 「塵 」無 し. 東 寺 本 を 探 る.

39、satya眞 實 (Nala 王 物 語 五17-20参 照) は 藪 に は sacca-vacana 虞

實 言=虞 言 の 義 な り. 眞 實 の 心 ・眞 實 の 語 (課 眞 言) は 帥 ち ま こ と

(20)

の 究 (mantra) は 帥 ち「眞 言 な り, そ の 功 徳 不 虚 な る が 故 に 」 と云 へ る 也. 滲 照: sacca-vacaDa-kiriya, sacca-kiriya, Samanta-Pasadika

高 楠 ・長 井 爾 博 士 校 訂PPS 1924出 版 vol.I p. 943.10=長 井 博 士, 根 本 佛 典 の 研 究 (大 正 十 一 年) 中 和 澤 善 見 律 疏 序 文P. 108.-倫sacca-kiriyaに 就 い て は 文 學 士 森 快 園 師 の 研 究 あ り. 40. 東 寺 本 に 「質 也 」と あ の, 傍 註 に 「質 鰍 」と あ り. thyaハsryaと 梵 字 形 相 似 せ り, 故 に 爾 本 と も誤 つ てamisryaと 讃 め り. 41. 當 爾 本 及 び 寛 喜 本 (般 若 心 経 大 成P. 265. 378. 865):tam. 42. 東 寺 本 に 見 の 首 に 「庵 」omの 字 あ り.

43. 正 梵 に はbodhe (voc. sing. f.).

44. この 究 は prajna-paramita を 繹 せ り. 師prajna-paramite svaha! (般

若 波 羅 蜜 よ我 に 成 就 あ れ!)と 唱 ふ る に 同 じ. bodhiはprajnaを

繹 し, gate gate para-gate para-samgate (voc. sing. f. adl.,bodhi

を 修 飾 す) はParamita (くparam-ita-ta彼 岸 に 到 れ る 位) 中

のparam-itaを 繹 せ る 也. こ の 究 (=眞 言) を 唱 へ て 行 者 は 常 に 大 乗 菩 薩 の 般 若 圭 義 の 三 昧 (samadhi) に 入 る を 得 る 也. 即 これ は 大 乗 行 者 が 般 若 波 羅 蜜 を 念 す る 密 兇 に して, これ を 構 念 して, 佛 の 眞 實 義 を 観 す る 入 即 ち 観 自 在 菩 薩 と な り, 小 乗 的 に 佛 説 を た"形 式 的 に 墨 守 す る の 態 度 を 捨 つ る 也. svahaは 遽 疾 成 就 を 所 る 紳 聖 語 な り, 密 教 大 羅 典P. 1420中 参. 燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 弊 三 藏 音 課 般 若 心 経 の 硯 究 六二

(21)

燉 煌 出 土 東 寺 所 藏 爾 梵 本 玄 弊 三 藏 音 課 般 若 心 経 の 硯 究 六 二 あ と が き 以 上 徽 煤 出 土 の 音 謬 般 若 心 維 と 東 寺 所 傳 の 本 と た 封 校 し て 大 略 護 み 得 る 檬 に し カ と 思 ふ。 之 ほ 藤 田 教 授 の 御 敏 指 に 依 る 所 が 多 い。 更 に 栂 尾 碩 學、 加 地。 上 田 爾 軌 授 に 教 を 乞 ひ し 峯 多 し。 記 し て 甚 厚 な る 謝 意 々 表 す。 希 く ほ 諸 大 徳 の 御 叱 正 々 賜 ら ん こ と な。 縞 中 未 決 の 問 題 も 多 し。 叉 長 谷 教 授 藏 本 及 び ネ パ ー ル 版 の 二 種 の 心 経 ぱ 所 謂 廣 本 心 経 で あ る が 共 に 異 色 あ り Q そ れ ら の 硯 究 ば 稿 が 改 め て 進 め 糞 し。 最 後 に こ の 硯 究 の 底 本 ﹃ 般 若 心 経 大 成 ﹄ の 編 著 者 棲 葉 元 水 氏 に 甚 深 な る 敬 意 な 表 す。 ( 昭 和 一 〇、 四、 一 八 ) 猫 本 文 校 正 に ば 藤 田 教 授 を 煩 ぱ ぜ し こ と 甚 だ 多 く 叢 に 謹 し ん で 謝 す。 ( 八、 二 三 )

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