第3部第3章 自然環境 第1節 生物多様性
第3章 自然環境 第1節 生物多様性
1 希少動植物の実態調査
ホタルの適切な観賞時期と場所を情報として広く市民に提供し、自然の恵みを享受する とともに、環境保全、特に自然環境保全意識の高揚を図ることを目的として、市内でホタ ルが多く飛翔し、観察しやすい15 箇所を選定し、河川付近の住民から延べ8回程度の情 報を得ている。また、全市一斉ホタル飛翔調査として、定点の 82 箇所において自治会及 びながさきホタルの会等に調査を依頼し、調査結果については、ホタルマップの作成等に より広く市民にお知らせするとともに、各施策の基礎データとして活用を図っている。
長崎市では、平成12年4月に初版のレッドリスト(401種)を作成し、希少な野生動 植物の保 護と生息環 境の 保全及び市 民意識の啓発 を図るとと もに開発等 によ る影響から の回避を図っている。平成29年3月には、長崎市レッドリスト(571種)として最新の ものに整理し公表した。一方で、外来種問題が地域固有の生物多様性に大きな脅威となっ ていることを踏まえ、平成 27年2月に「長崎市の外来種リスト」を作成し、市内におけ る外来種の実態を把握するとともに、外来種の問題に対する市民の理解と意識の高揚を図 り、外来種の拡大抑制に努めている。
【参考】レッドリスト及びレッドデータブックについて
野生動植物の 保全のため には 、絶滅のおそ れのある種 を的 確に把握し 、一般への理解を 広める必要があることから、環境省や地方自治体では、レッドリスト(絶滅のおそれのある 野生生物 の種のリス ト) を作成・公 表するとともに 、これを基 にしたレッドデ ータブック (絶滅のおそれのある野生生物の種について、それらの生息状況をとりまとめたもの)を刊 行している。
野生動植物の生息状況は常に変化しているため、レッドリスト及びレッドデータブックに おける評価は、定期的に見直すことが不可欠である。
■「長崎市レッドデータブック(平成 12 年 4月)」の掲載希少種数との比較
※ 平成 29年度から水生生物の分類を細別し、淡水性魚類、剣尾類・十脚甲殻類、淡水性貝 類に変更した。
分 類
長崎市レッドデータブック (平成 12 年 4月)
長崎市レッドリスト (平成 29 年 3月)
植 物 201 種 231 種
哺 乳 類 6 種 7 種
鳥 類 80 種 59 種
爬 虫 類 5 種 10 種
両 生 類 5 種 7 種
淡水性魚類 ― 種 30 種
昆 虫 類 94 種 132 種
剣尾類・十脚甲殻類 ― 種 22 種
淡水生貝類 ― 種 73 種
水生生物 10 ― 種
第3部第3章 自然環境 第1節 生物多様性
■法規制等に基づく位置図
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ※1 県立自然公園・・・長崎県立自然公園条例に基づき、すぐれた自然の風景地であって、
特別地域、海中公園地区及び普通地域が指定されている(国立公園 及び国定公園の区域を除く。)。これらの地域では、開発等の行為に
県立自然公園※1
鳥獣保護区※2
第3部第3章 自然環境 第1節 生物多様性
2 鳥獣保護
「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(平成 14 年 7 月 12 日 法律第 88号)」 に基づき、愛玩飼養のための鳥獣の捕獲及び飼養に係る許可業務を行っている(平成 19 年度から愛玩飼養鳥獣はメジロのみとなっていたが、平成 24年度からメジロについて も原則捕獲禁止となった)。
■ 鳥獣の捕獲・飼養許可件数(平成 28年度)
3 相川町馬乗川平休耕田自然再生事業
長崎市相川町にある馬乗川平休耕田は、相川川流域にあり生物の生息環境として非常 に価値の高い場所である。
事実、長崎市レッドデータブックに掲載されるニホンアカガエル、カスミサンショウ ウオ、ヘイケボタルなどの希少種の市内最大の生息地であったが、耕作がやめられた結 果、次第に乾地化が進み、希少種の絶滅が危惧されることとなったため、平成 16 年度 から地元自治会に委託してビオトープの維持管理を次のとおり行っている。
平成 28 年 4 月∼ 5 月 畦の草刈、畦補修(イノシシ被害)、日常点検 6月∼ 7 月 畦の草刈、畦補修(イノシシ被害)、日常点検 8月∼ 10 月 川岸、畦の草刈、ガマの草刈(抜根)、クヌギ林の
草刈・畦補修(イノシシ被害)、日常点検
11 月∼ 12 月 畦づくり・草刈、畦補修(イノシシ被害)、日常点検 1月∼ 3 月 畦づくり・草刈、畦補修(イノシシ被害)、日常点検 捕獲許可 メジロ 0 件
飼養許可
新規 メジロ 0件 更新
メジロ 12 件 ホオジロ 0件 再交付
第3部第3章 自然環境 第2節 自然とのふれあい
第2節 自然とのふれあい
1 現況
市民が森林に親しみ、憩い、自然を体験する場を提供するために「市民ふれあいの森」 として、「長崎市民の森」、「日見金比羅の森」、「三ツ山の森」、「岩屋山の森」、「戸石金比羅 の森」の 5地区を指定し、施設整備や森林整備を行い、また、いこいの里では、棚田や式 見村往還、炭焼窯跡等多様な自然環境を持つ里山再生を進めるなど、歴史的資源及び森林 資源の整備・充実と保健休養の場の充実を図っている。さらに、施設の有効利用や森林へ の理解を深めてもらうため、自然観察会や木工教室等の体験学習を通して、市民に自然と 親しむ機会を提供している。平成 28年 3月には、子どもたちや多くの市民が様々な機会 を通じて、長崎市が誇る自然の風景(山、海域、河川、湿原)、地形・地質、希少動植物な ど豊かな自然にふれあうことにより、自然への理解、環境意識の啓発、自発的自然保護を 図るための情報誌(長崎市自然環境ガイドブック)を作成し、長崎市内の全小中学校およ び高等学校等へ配布した。
また、平成 16 年度に休耕田をビオトープとして整備した相川町馬乗川平休耕田周辺の 自然を引き続き維持管理している。その他、学校でも小学校(4 校)、大学(1大学)で、公共 施設・公園等では 6 箇所においてビオトープが維持管理されており、自然とのふれあいの 場の提供などによる、自然体験を通した市民の自然保護思想の普及が図られている。
■ビオトープを維持管理している小学校等
小学校 大学 公共施設・公園等
伊良林小学校 川平小学校 大園小学校 日見小学校
長崎大学 相川町馬乗川平休耕田 黒崎永田湿地自然公園
長崎ペンギン水族館ビオトープ 川原大池公園
西部下水処理場ビオトープ 本河内高部水源地ビオトープ
第3部第3章 自然環境 第2節 自然とのふれあい
■平成 28 年度 ながさきホタル情報(集計表)
番号
河川名 観 賞 場 所
5/12
(木)
5/16
(月)
5/19
(木)
5/23
(月)
5/26
(木)
5/30
(月) 6/2
(木)
天気 晴れ くもり 晴れ 晴れ 晴れ 晴れ 晴れ
1 御手水川
本河内3丁目
御手水公園付近
10 0 80 150 80 80 50
2 西山木場川 木場町公民館付近 15 0 50 250 250 300 150
3 浦上川
川平町川平小学校
下付近
3 0 10 15 10 5 5
4 岩屋川
岩屋町
妙薫寺下付近
0 0 4 13 14 8 9
5 八郎大川
平山町
市民農園付近
7 0 12 14 12 10 4
6 式見川
向町
式見小学校下付近
8 2 40 20 18 4 40
7 杉谷川
三重田町
杉谷橋付近
2 0 30 30 20 12 12
8 戸石川 川内町田頭橋付近 5 0 0 6 4 4 3
9 通都川
中里町
通都川橋付近
500 200 600 150 80 20 20
10 太田尾川
太田尾町
山川河内橋付近
15 4 50 50 120 70 30
11 宮崎川
宮崎町
宮崎ダム下付近
50 10 100 80 40 15 3
12 出津川
西出津町
野道橋付近
7 0 40 32 24 7 0
13 戸根川
琴海戸根町
大井手橋付近
0 0 50 110 150 170 75
14 手崎川
長浦町
中の原橋付近
48 0 98 530 470 360 28
15 江川川
末石町えがわ
運動公園前付近
第3部3章 自然環境 第2節 自然とのふれあい
江川川
中尾ダム 八郎川 現川川
戸石川 上戸石川 正念川
千束野川 通都川
西山ダム 黒崎川
浦上水源地 岩屋川
下の川
中島川 西山川
奥山川 本河内ダム 日見川
中尾川 間の瀬川
松原川 三川川
平木場川
蚊焼大川
大川 千々川
大崎川 宮摺川
太田尾川 若菜川
北浦川 飯香浦川 川平川
多以良川 三重川
鳴見ダム
相川川
式見川 手熊川
小江川
大浦川 神浦川
シジャク川 出津川
西海川 戸根川 手崎川 四戸ノ川
大江川
落矢川 黒崎永田湿地自然公園
杉谷川 樫山川
鹿尾川 小島川
砂防ダム
▽ゲンジボタルとヘイケボタル及びヒメボタル
ゲンジボタルのメスの体長は約20㎜、 オスはやや小さく約15㎜、ヘイケボタル の体長は約10㎜、ヒメボタルの体長は約 5㎜です。
ゲンジボタルの雌(右)と雄です。雌は 雄 よ り 体 は 大 き い で す が 、 発 光 す る の は一節(うすい黄色の節)だけです。
●観察の本3 ホタル ●著者矢島 稔・萩野 昭 ●発行者 今村 廣 より
鳴滝山観音下
南陽小
木場川
水神橋
市民農園付近 旧取水口
田手原
鹿尾ダム
浦上川
大山
ゲンジボタル ヘイケボタル
中川内川
大井手川
式見ダム 神浦ダム
二双船川
小ヶ倉ダム