中学校における学力向上を目指した実践
一生活習慣R学習習慣の改善と基礎・基本の定着を図る指導を通してー
高度学校教育実践専攻
授業実践・カリキュラム開発コース 演 回 伸 哉
第 I部 実 践 編 第1章 課 題 分 析
1 課題設定理由
近年,子どもたちの学力低下,保護者相峨 の教育カの低下が懸念されている。小・中・高 校生の学習に対する,社会の関心は非常に高く なっており,
r
全国学力・学習状況調査J,r
小・中学校教育課手芸劾@伏況調査
J
,r
国際数学・理科教育動向調査
(TMSS) J
,rOECD
生徒の学習到達度調査(p
1 S A)J
など,小・中・高校生の学習の 結果"はさまざまなメデ ィアで取り上げられている。これらの結果から は,読解力に関する課題や学校外での時間の過 ごし方にういて特教が示されており,現在の児 童・生徒の家庭・学校における生活習慣や学習 習慣等に課題が多く見られ,その改善を必要と
していることが分かる。
また,保護者からは
r
宿題がほとんどない ので勉強しない。J r宿題を毎日出してほしい。」
という声が学校評価や学級懇談会,個別懇談会 などて、多く聞かれる。保護者は,子どもの学力 を向上させたいと願っており,そのためには,
家庭での学習が大切だと感じているようである。
そこで,子どもたちの学力向上を目指して,
実習校の実態を正確に把握し,学校の学習指導 のあり方,学校と地域・家庭との連携について,
実習校の研究にそって進めていけるよう考え,
本主題を設定した。
実習責任教員 小 野 瀬 雅 人 実習指導教員 中り
1 1
雅弘2
実習校の課題学 校 静 価 結 果 か ら 授 業 ・ 学 習 面
J
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組 織運営面J
,r
学時判面・情報提供面」の課題について分析した。
(1)授業・学習に関する課題
学校評価における,授業・学習に関する質問 の結果「家庭学習ができているか ?Jの問いで,
保護者・榔市の刊耐唱く,
1 8
項目中最も低い 評価となっており,生徒の三副固との開きが大き い。また,生徒の副司副についても,1 8
項目中3
番目こ低い評価となっているため,生徒の意識 の中にも,家庭学習が不十づ士であると感じてい る生徒は多いと恩われる。この結果から家庭学 習や学習習慣について課題が見られる。( 2 )
組織運営に関する課題学校言判面での「基礎的・基本的な内容を犬切 にした学習指導ができている。」とし、う聞いの 評価は
4
段F
皆評価で3 .1 0
となっており,明主に 関する副司面のうち,最も高い点になっている。しかし
r
研究主題の達成を目指し,成果が上 がっている。」という言判面は2 . 7 1
,r
学習訓練 が共通理解のもと実践できている。」という評 価は2 .7 0
となっており,どちらも平均よりも低 い点になっている。またr
研究の組織・計画・運営は適切である。」の問冊し
に関する質問の
l ロ 2
項目のうち,最も低し、官5
軒面と なつており,研究を進める上での計画そ#断裁,目標に対する共通理解等が課題となっている。
( 3 )
学校評価 ・情報提供に関する課題実 習 校 は 学 校 だ よ り
J r
学年だより」など の発行を定期的に行っており,学校での生徒の 様子や仔事なとーの活動の他,健康面での注意な ど、の連絡を行っている。その中で学校の様 子や情報を伝えることができているかつ」とし、う生徒の評価は
4
段階評価で3 . 35
と学校評価の1 8
項目中最も高し、評価となっている。しかし,実習校に対する保護者言判而は
2 .7 9
で, 学校評価 の保護者言軒両の平均である2 . 8 3
より低くなって おり,生徒と保護者の評価に大きな開きが見ら れt : : . . "
新たに授業内容や学校での様子を詳しく広報 する方策やこれまで行ってきた学校から伝情報 発信方法とその効果,問題点を分析し,改善す るとともに生徒の学習習慣の定着を目指す上で 必要な情報発信について検討が必要である。
3
先行研究課 題 解 決 の 方 策 と し て 生 活 習 慣 , 学 習 習 慣,学習意欲
J r
学力向上のためV')U垂n
民と生活 のリズムJ r
基礎・基本の習得」 間関実践校 の取組J r
ワーク、ンョップ型石川彦」等について,それぞれ先行研究を検討し
t ‑ : : . . . .
o4
研究の目的①学力向上のために,生徒の生活習慣と学習 習慣の実態把握,課題を分析し,改善を図る。
②授業と家庭学習の効果的な接続を図り,学 習習慣の定着と学習意欲の向上を図る。
③ 学校・家庭じた情報交換・連勝の大切さを互 いに認識し,学力向上のためにできることを 検討し,学校・家庭の協力体
, f j
JI確立を図る。5
実践研究の方法全教職員で研究を推進していくにあたって,
以下の研究の基本的な流れを石訴芭し,進めてい く(図1)。
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H 明 書 割 問 し 理 由 哨 逼 ! 岬"。 笠宮H良さ,混乱開圃!.舎町ヨ聞を'"'し~週埋嗣する.
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Ii. J鳥障問 ~J究組の計画主翼。生.めま",白 具体的な..につい
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検討する." 彊 "
警本め拳刀を身に吋Iiさ経るための現uiRt突っ均遣を立棄する。掌力を芳朗する刀奄向よさゼるための謹箇解決方涯を主棄する.
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1
研究の基本的な流れ校内研究推進を制動的・組織的に,取り組む ことで,生徒の生活習慣の改善と学習習慣の改 善が図るとともに,学習意欲を向上させ,学力 向上につながるように実践研究を進めていく
(図2)
。
図
2
学力向上を目指した概念図第
2
章 課 題 解 決 1 実践研究の実施 (J)実態把握① 生徒の生活習慣,学習習慣についてアンケ 一卜調査の実施
生活習慣や学習習慣,学習意欲に関する学校 全体じた傾向と課題を把握するために,計
3
回同 様のアンケート調査を行った。また,その調査 結果を集計し,結果の分析,課題の検討を行い,企画会,職員会議で報告した。
②保護者へのアンケート調査の実施
「学校の宿題
J r
家庭でのしつけや教育J r
家庭でのしつけやコミュニケーション
J r学校教
育への参加j
等について,アンケート調査を行
う。また,調査結果を集計し,その結果から見
られる保護者の考えや要望,課題について検討
し,研究実践に生かすとともに,集計結果を研
修職員会議や保護者へ報告した。
( 2 )
研修職員会議の充実① ワークショッフρでの課題分析
学校評価やアンケート調査の結果などから,
「よさ」と「課題」についてまとめ,実習校の 課題を分析した。
② ワークショップで、の研究実践ドの方向性,研 修計画の立案
ワークショップで出た「よさ
J
,r
課題J,r
改善策」をまとめ,ねらいを絞って研究部会で実践す る具体的な取組と対策を決める。訪揺を解決す るための意見交換や研修を 1年開通して計画的 に行うようにするために
4
月・5
月の早い時 期に年間計画を設定し,年聞を通して,共通意 識をもって取り組むことができるようにしf
ら③ ワークショップを使った授業研究協議 授業研究を行う際に,ワークショップを取り 入れ,研究協議の活性化を図った。
④各教科における基礎・基本の定着に向けた 取組
各部会での決めた内容について,各教科等で 研究実践を進めた。
⑤研究実践のまとめ
ワークショップやアンケート調査を行い,研 究の成果を共有し,研究集録にまとめ
t
Co( 3 )
技術・家庭科における取組実習期間中に,担当教科である技術・家庭科
で実践研究を行った。
①実樹巴底調査の実施
授業を行う前のガイダンスとともに,生徒の 経験や興味・関心について実態調査を行ったo
② コンピュータ室の活用
コンピュータ室の効果的な活用を行った。
③ 宿題の出し方,評価について
宿題の出し方や評価の比較授業を行った。
(心学級活動の実践
実習期間中に,生活習慣や学習習慣の改善の ための授業を立案し,授業実践を行った。
① 「鴨川中学校のよさについて
J
(3年生) 学校のよさを共通理解し,そのよさを伸ばし ていこうとする態度を養えるようにした。② 「期末テストに向けて
J
(1・2年生) アンケート調査を生かした授業を行った。( 5 )
小・中・地域連携小学校の実態把握や交流を行うことで,中学 校のよさを到言するとともに,中 1ギャップの 解消につなげた。
① 行 事 等 の 連 携
運動会や文化祭,合唱コンクールなどの行事 での連携を図ったo
②小・中の交流活動
学年だよりなどの新聞の発信や中学生と小学 生の交流活動を行った。
③ホームページの更新と地域への剤言,鴨川 中学校のよさのアピール
行事の案内や嚇姐,様々な活動の成果などに ついて,ホームページを更新し,中学校のよさ を積極的にアピールするようにした。
2 実践研究の成果と課題 (1)実態把握
生活習慣や学習習慣などの習慣に関する改善 はあまり見られなかったが,
r
,勉強の仕方J r
学習の計画と実行面」で大幅によくなっている項 目が多かった。複数回調査し,個人票を作成し たことで,生徒の変容が見られた。個人票は,
学級活動や個別懇談で活用するなど,活用方法 が拡がってきており,本人への具榊旬な指導や アドバイス,家庭での協力のお願し、をすること ができた。
( 2 )
研修職員会議の充実課題解決実習期間中は
r
1iJf(1tに関するアン ケー卜j
を行い,具体的な実践内容を再確認す るとともに,その結果を知らせ,研究を北陸さ せることができた。1 0
月と1 2
月のアンケート 結果の4
段階尺度を点数化し,比較すると1 0
月の平均点2 . 5 5
から1 2
月の平均点2 .6 9
と向上した。また,パソコンや視聴覚教材をよく活用 した教師が増えており,授業への工夫や改善を 図ることができた。
「研修に関するアンケート」を複欽回実施し たことで,短期間での個々の取組カ可在認でき, 教師の活力にもなっている。また,年度当初決 めた,具榊力な研究実践村容を定期的に樹君、し,
さらに自己詞司而をするため,常に,授業や行事 等の中で簡抜して取り組むことができむ
( 3 )
技術・家庭科における取組宿題の出し方,評価についての実践では,宿 題のプリントを用意し,宿題を出す際の朝市の 指示や伝え方,宿題の評価によって,提出率に 違いがあるカヰ負託を行った。教師が宿題のプリ
ントを匹
ι
布する際1
・2
組 は 次 の 時 間 ま での宿題です。J 3
組は,1
・2
組の指示の後,「必ずやってきて下さ V¥
J
と付け加えた。4 ・5
組は「授業の最初に集めます。」と指示の仕
方を変えて,宿題を出した。そ の 結 果 授 業 の最初に回収する」と伝えることで,提出率が 大きく上がった(図3) 。
日明
50% 1 0 0
首1 . 2
組8 0
名)1,一一一一一副b一一一一一1 0
加 制 圃寸
3
組( 4 0
名) ー 一 一 一 吋T一一一一2 5
国│
圃 蝋 圃寸
4'5組(79名) 一一一一一一一岨町一一一一『帽
│
圃凪酒J
‑ 提出者
ロ翌日提出・ 未提出
図
3
宿題提出・未提出者の割合作也)( 4 )
学級活動の実践生徒アンケー卜調査の学溜時間やテレビの視 聴
H
寺問等の調査結果を使って,l' 2
年生の各 2クラスで,学級活動の授業を行ったo アンケ ート調査結果のうち,その他の項目に大きな変 化は見られなかったがr
家の人に言われなく ても,決まった時間に寝た。」
の聞いでは,改 善された生徒の割合が増え,割七した生徒の割 合が少なくなっf
こ。授業の影響があったので、は ないかと考えられる。こういった授業や家庭の協力を得る方策を取 ることで,今後さらに生活習慣や学習習慣の改 善を図ることができ,学力向上につながるので はなし、かと考える。
( 5 )
小・中・地域連携① 行 事 等 ¢ 連 携
中学校の合唱コンクール直前には,中学
3
年生
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代表クラスが小学校を訪れ,交流を行うな ど,行事での連携を図ることができた。② 小・ 中の交流活動
中学校の行事なと、が載っている学年だよりな どは
6
年生の掲示板に張ってもらい,小学生 へのf
静R
発信を行うことができた。③ ホームページの更新と糊;への発信,鴨)
1 1
中学校のよさのアピーノレ
行事の案内や取組,様々な活動の成果などに ついて,ホームページを更新し,中学校のよさ を積極的にアピーノレすることができた。