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英語の基本事項を定着させるための教材開発
一語句・文法項目を効果的に指導する教材一
高度学校教育実践専攻
授業実践・カリキュラム開発コース 演 田 範 子
第 I部 実 践 研 究 編 第1章 課 題 分 析
1 課題設定理由
。学校アセスメントによる実習校の実態 (1 )学校アンケートと教員アンケートからわ
かる生徒のよさと課題
実習校は,錨島市の恵まれた自然環境の中に あり,全校生徒215名,教職員24名の中規模校 である。
生徒のよさとして,明るく素直で,あいさつ がよくできるという礼儀正しさがみられる。ま た,時間をきちんと守札授業に真面目に取り 組み,進んで発表することもできている。
課題としては,
r
指示持ちjが多くr
リーダ ーが育っていなしリ,r
けじめをつけにくい」と いうことがわかった。また,家庭学習の習慣が ついておらず,意欲的に学習に取り組むことが できていないということが明らかになった。学校アセスメントで明らかになった「意欲的 に学習に取り組むことができていない生徒がい るJという課題を受け,英語を苦手と感じる生 徒を中心に,すべての生徒が英語学習に取り組 みやすい教材を開発し,生徒の;意欲が高まるよ うな授業構成の工夫をすることが必要だと考え た。
(2 )実習校生徒の英語に対する関 ;L~ :アンケ ート調査の結果
アンケートの結果,小学校での外国語活動に
実 習 責 任 教 員 小 野 瀬 雅 人 実 習 指 導 教 員 川 上 綾子
ついては,
r
楽しかったjに肯定回答を示した生 徒が77.2払r
外国や英語に興味を持ったj に 肯定回答をした生徒が 65.8%であったにも関 わらず,r
もっとたくさん英語の文やアルファベ ットを書きたかったjに否定回答を示した生徒 が24.0%,r
もっとたくさん英語を話したかっ たjに否定毘答を示した生徒が 32.9%であった。小学校で外国語活動が実施される以前は,
r
英 語j という新しい教科に期待して入学してくる 生徒が多かったが,否定的な気持ちを持って英 語の学習に取り組む生徒がいたことは,小学校 外国語活動が導入された影響が少なからずあると考えられる。
fどんな授業を受けたいですかj という質問 に対して, 96.2私の生徒が f入試に設立つ授業J と答え,
r
積極的なコミュニケーション能力がつ く授業Jと答えた生徒が 73.4%であった。コミ ュニケーション能力の育成は大切であるが,塾 に行ったり家庭教師を罵ったりしなくても,中 学校の授業で高校入試に対応できることが重要と考えた。
2 先行研究
課題解決の方策として,
r
教材1,r
英語に関す るアンケートJについて,それぞれ先行研究を 検討した。f教材Jについては,出森(2009)の理論を基 に,定義,視座,教材開発の方法を>
r
英語に関 するアンケートJについては, Benesse教育研- 114 - 究開発センターのアンケートを基にアンケート
を作成し,実習校の生捷の実態を把握すること とした。
第2章 課 題 解 決 1 研究の構想
(1) 目的
本研究においては,第1章で述べた課題設定 理由,先行研究の分析から,英語を苦手と感じ る生徒を中心に,すべての生徒が取事組みやす い英語の教材を開発することによって,英語の 詩句や文法などの基本事項を定着させることを
目的として研究を進めていくこととした。
(2 )仮説
研究を進めていくにあたり,以下のような研 究仮説を立てた。
仮説1:英語の語句を定着することができれ ば,英語に対する苦手意識が少なく なるのではないだろうか。
仮説2:英語の文法を理解することができれ ぽ,英語学習に対する意欲が高まる のではないだろうか。
(3)方法
研究振説の検証にあたり,以下の手立てを中 心に研究を進めていくこととした。
手立て1 英語の詩句や文法を定着させるた めの教材開発
手立て2:単元のまとめの授業の実践 2 実践研究の実旗
( 1)英語に関する意識とつまずきの原因 2学期になると語匂が増え学習内容も難しく なるため,英語に対して苦手意識も持つ生徒が 増え始める。そのため,英語が好きか 1学期 の学習内容がわかっているか,英語の学習で難 しいことは何かを.知るために,実習校でアンケ ート調査を実施した。
アンケートの結果>
r
英語が好きJに肯定回答 を示した生徒が 55.3%であった。 4月に実施し たアンケートで f英語が好きJに肯定回答を示 した生徒が77.2%であったので,約2割の生徒 が f英語jに対する抵抗感が出てきたようであ る。小学校の外国語活動とは異なり,約半年の間
「英語」を教科として学習していくにしたがっ て
r
1学期で学んだ内容がわかるJに否定回答 を示した生徒が 13.2%にもなった。わからない 理由としては次の3項目が特に目立ったJ
文法 が難しいJ,r
英語の文を書くのが難しい1,r
テ ストの点数で思うような点数がとれないJに,fとてもあてはまるJと肯定回答を示した生徒 が2割を超えたことは,とても深刻な問題であ ると捉えた。そのため, 10月からの実習では,
1人でも多くの生徒が英語を理解できるような 手だてを講じる必要性があると考えた。
小学校での外国語活動の目標には,
r
外国語を 通じて,言語や文化について体験的に理解を深 め,積極的にコミュニケーションを図ろうとす る態度の育成を図り,外国語の音声や基本的な 表現に慎れ親しませながら,コミュニケーショ ン能力の素地を養う。Jと書かれている。しかし,f英語を話すのが難しいjに肯定回答を示した 生徒が47.4%,
r
英語を聞きとるのが難しいjに肯定田容を示した生徒が 43.4%であったの で,小学校での外国語活動で英語を話したり聞 いたりする活動が,中学校との連携を図ること に貢献しているとは考えにくい。教科学習を考 慮した外国語活動を実施していく必要があると 考える。
(2)教材研究 1)教材研究の計画
- 115 - 艶布する 配布するワークシート
時期
年間を通 単語の練習シート じて 基本文型確認シ}ト
基本文のまとめシート(特別支援学齢 学期末 学期で習った単語・基本文の確認シ
ート
単元末 単元のまとめシート 単語・基本文の確認テスト
クロスヲードパズ/レ 教科書の本文確認シート 2)教材の開発
a .単語の練習シート
単語を定着させるためには,ただ聞いたり発 音したりするだけでは難しい。そのため,以前 から単語練習シートを作成し,主に宥題として 単語の書く練習をさせ,確認テストを実撞して きた。
今回の単語練習シートは,授業中に配布し,
1諾につき 20秒をタイマーで計って使用した り,週末の宿題に出したりして語糞力の強化を 図った。
b.基本文型確認シート
教科書の各パートには,絵とヒントとなる語 句書いた基本練習のコーナーがある。ピクチャ ーカードを使って口頭練習をするだけでは,英 文を書く能力は上がりにくいと考える。
そこで,基本文の意味を確認し,基本練習で 目標とされる文を日本語にし,英訳させること によって基本文型の定着を図った。
c .単語・基本文の確認テスト
英語を学習し始めた初期の段階では,単語の 音読をすることができたり単語の意味を言った りすることができるだけで,
r
単語はわかったか ら大丈夫Jと安心してしまう生徒に出会うことがあった。しかし,なんとなく単語を音読でき るだけでは1学期の期末テストからは点数に結 び付くことはない。
そこで,単元のまとめの授業で,単元で学習 した単語や連語などの詩句・基本文を日本語で 書き出したワークシートを配布し,各パートの 英語を2分間で書くテストを実施した。このテ ストを生徒に自己採点をさせることによって,
生徒が単元を終わった時点で自分の語句や基本 文を書く能力を知り,単元を復習するきっかけ となったり定期テストの前に復習したりするこ とができる。また,夏休みや冬休みなどの長期 体暇中の課題に出すことによって,学期の復習
をすることができると考えた。
d.単元のまとめシート
今年度から,英語の授業時数が 1時間増えて 週4時間の授業になったが,教科書の学習内容 が増えたため,教科書の内容を十分な時間をと って進めていく時間の余裕はほとんどない。
そこで,単元のまとめの時間を1時間実施す ることによって,生徒が前の単元で習った学習 内容を振り返る機会を持ち,自分の文法につい ての知識の定着度を知って弱点を復習するきっ かけになると考えた。
e.教科書の本文確認、シート
英語が苦手な生徒にとって,正確に単語を書 いたり英文を書いたりすることは顕難である。
単元が進むにしたがって単語の数や英文の数が 増えてくるので,生徒にとって英文を書くとと がかなちの負担になってくる。
そこで,教科書の本文を正確に書くことが出 来れば,生徒の自信につながるのではないかと 考えた。
( 3)特別支援学級での授業実践
1年生の特別支援学級には2 女子2名が在籍
- 116 - している。今年度,英語の授業を担当する教員 が免許外であるため,実習の日には T 1として 授業を実践した。使用するヲ}クシートは1年 生の他のクラスと閉じものであるが,特別支援 学級の生徒の実態に応じて作成したワークシー
トが以下の 2つである。
1)プログラム学習の要件を備えた基本文のま とめのシート
プログラム学習の要件を備えた基本文のまと めのシートを作成すれば,生徒が積極的に学習 に取り組むのではないかと考えた。このワーク シートで,文型の/レ‑/レを確認することによっ て文法の定着を図った。
2)クロスワードパズル
英語を苦手だと感じる生徒にとって,変化の ない型にはまった授業を続けていくことは負担 になっているようであった。
そこで,授業の最初の3分を使って,既習の 単語を使ったクロスワードパズルを解くことが 気分転換になるのではないかと考えた。時間内 にクロスワードパズルが解くことができなかっ た単語を確認し,自宅で復習するきっかけとな ることを図った。
(4)単元のまとめの授業の実践
筆者の実習形態は,月曜Eと金曜日の週2日 であるため,全クラスで中途半端に授業を実践 すると,生徒が混乱し迷惑をかけてしまう危険 性があった。そのため単元の終わりに,単元の まとめの授業を実践した
( 5 )英語に対する意識と教材についてのア ンケート
2学期が終わり,英語に対する意識や教材に ついてどのように感じたかを知るために,実習 校でアンケ〕ト調査を実施した。
アンケートの結果,
r
英語が好きjに肯定回答を示した生徒が 59.0%であった。10月に実施し たアンケートでは55.3%であったので,わずか に肯定回答が増えたが 4月に実施したアンケ ートで,
r
英語が好きjに肯定回答を示した生徒 が77.2%で、あったので r英語jに対する抵抗 感は 10月の時点と況とんど変化がなかった。12月に実施したアンケートで r2学期で 学んだ内容がわかる」に否定田容を示した生徒 が17.9誌で、あったが,10月に実施したアンケー トでは 13.2%であったので, 2学期終了時に英 語のわからなくなった生徒がさらに増えたこと が問題であると捉えた。
英語がわからない理由を自由に記述する欄で は単語を覚えていなしリ 「単語のつづりがわ からなくなったJ
r
単語の順番がわからないjなど単語に関する悩みが多く見られた。
3 実践研究の成果と課題
単語の練習シートについて,
r
わかりやすいJ に否定回答をした生徒が 5.1%であったが,単元のまとめシートについて,
r
わかりやすい」に否定回答を示した生徒が 10.2%もあった ので,よりわかりやすいワ}クシ}トを開発 する必要があると思われる。
基本文型の確認シートについて,
r
使いやす いjについて否定田容をした生徒が 8.9%で あったが,単語の確認シートと教科書の本文 確 認 シ ー ト に つ い て 否 定 田 容 を し た 生 徒 が14.1%もあった。
教材について否定的な回答も見られたが.