07381109
A Study on Oral Reading Ins位uctionfor1盟provingSpea恒且gAbility血EFL Classroo盟sat J apanese Junior High Schools
教 科 ・ 領 域 教 育 専 攻 言 語 系 ( 英 語 ) コ ー ス
森川
真由美
1.研究の目的と観機
国際化社会の中,英語教育においては「実践 的コミュニケーション能力の育成」が目指され,
中でも口頭でのコミュニケーション能力が重視 されている。中学校英語の授業では言語の使用 場面や言語の働きを中心としたゲーム,タスク,
インフォメーションギャッフ。等のコミュニケー ション活動が多く活用されている。しかし,実 際には生徒のスピーキングカが十分についてい るとは必ずしも言えない。日本人にとって英語 は EFL 環境であることや日本の中学校のクラ スサイズは
40人程度であること,授業数が週 に
f3時間J ,あるいは
f4時間」ということを 考えると,一斉指導では生徒一人あたりの練習 量が絶対的に足りなし、からである。そこで,ゲ ームやタスク等に代わる,
40入学級の中でもス ピーキングの力を伸ばすことができる有効な学 習活動のーっとして音読活動に注目した。
音読は従来から教室の英語指導の中で頻繁に 行われている一つの伝統的な指導技術である。
特に初期の学習段階である中斜交に如、ては多 くの教師が音読を授業の中で使用している。し かし,授業の中での音読指導は本文の斉読やリ
ピートだけで終わることが多く,音読は一つの 指導技術としてルーティーン化したものである。
つまり,多くの生徒は教師の範読を聞いて繰り 返しているのにすぎず,実際にそのような生徒
指 導 教 員 伊 東 治 己
に自力で英文を音読させても流暢に読むことが 難しいのが現状ではなし、かと思われる。
そのような中,音読がスピーキングにつなが るといういくつかの意見をふまえ,膏読はコミ ュニケーション活動そのものではないが,指導 方法を工夫すればかなりスピーキングに近づけ ることができるのではなし、かと考えるようにな った
Oしかしながら,こうした言説はあるもの の,これまで音読とスピーキングの関係性につ いての実証的な研究はあまり見あたらない。
そこでこの論文では,音読とスピーキングの 理論的な開系を先行研究に学びながら明らかに した上で,音読とスピーキングの相関性につい て検証し,スピーキング、につなげる音読指導に ついて具体的に提案することを試みた。
2.
論文の概要
第一に,英語教育において音読がどのよう に扱われているのかということを,歴史的観 点,制度上の観
へのアンケ一トを通じて教育現場において 音読がどのように扱われているのかを明ら かにした
oまず,歴史的観点から音読は黙読 の前段階としての扱いにとどまっていたこ
とや,必要悪として軽視されてきたことが明 らかになった
oまた,中学校学習指導要領か ら制度上の流れを見てみると,音読は日本の
‑304‑
英語教育の中であくまでもリーディングに おける一つの活動として扱われ,スピーキン グにつなげる活動として明記されていない ことが分かったo さらに,中朝交の教育現場 で音読はどのように扱われているのか,その 実態を調査するために徳島県の中学校教員 に対してアンケート調査を行ったO 英語の授 業では音読は頻繁に使用される活動である が,多くの場合,斉読することにとどまって いることが明らかになった。
第二に,音読とスピ}キングの関係を理論 的に明らかにするために先行研究を参考に しながら音読のプロセスとスピーキングの プロセスを考案し,
2
つのフ。ロセスを比較し た。音読の中でもスピーキングにより近いと 考えるreadand look‑up( r
顔上げ音読J)と スピーキングのプロセスを比較すると,言語 化,音声化という点で共通点があることが明 らかにされた。こうしたことから,通常の音 読ではメッセージを構築するという過程を 含まないが, read and look‑up (r
顔上げ音 読J)や,クキストの中の登場人物になりき って行う, creativeoral reading" (r
なりき り音読J)のようにメッセージを構築すると いう過程をより含んだ発展的な音読は,スピ ーキングと共通点が多いことが分かったo第三に,二つの課題を設定し,日本の中学 校現場において実験,および検証を行ったO 一つ目の課題は音読力とスピーキングカの 聞には相関性があるのかということで、あっ た。二つ目は通常の音読と「なりきり音読」
& r顔上げ音読」とではどちらがよりスピー
キングカに貢献するのかということで、あっ た。実験結果から,
1)
音読とスピーキング の聞には強い正の相関関係があること, 2)「なりきり音読J
& r
顔上げ音読Jの方が通 常の音読よりもスピーキングカに貢献する ことが分かったO つまり,スピーキングにつ ながると考える「顔上げ音読J
や「なりきり 音読J
を練習することでスピーキングカを伸ばすことができるのではないかという期待 が生まれた。
第四に,以上の議論を受けて,
r
なりきり 音読」の利点を述べるとともに,スピーキングにつなげる音読指導について具体的な指 導方法日軒面方法を提案した。
3.今後の課題
本研究では,音読とスピーキングの相関 性について検証しただけにすぎず,スピーキ ングにつながる音読の指導が生徒のスピー キング力の向上に高い学習効果があること を証明するまでには歪らなかったo今後,
r
なりきり音読
J
の学習効果を学校現場である一 定期間実験を行うことによって生徒のスピ ーキングカがどれだけ伸びるのかを検証し ていく必要がある。またr
なりきり音読J 以外の音読の種類によってスピーキングと の関連性がどう変わるのかということをよ り詳しく調べる必要がある。調査からも明ら かなように音読は授業の中でよく使われる 指導方法であり,今後もより洗練された研究 によってその効果が明らかにされることが 必要である。さらに,スピーキングが音読指 導だけでなく,音読指導以外の要因によって 伸びるとし、う可能性があることをもっと検 討すべきである。生徒のスピーキング能力を 高めるために,今後,音読を含めた権尊対忠 評価法の在り方を学校現場での実践を通し て継続的に研究していきたい。‑305‑