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雑誌名 福井大学工学部研究報告

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(1)

燃料噴射系の研究 (第4報) ディーゼル機関の燃料 噴射過程のアナログ計算機によるシミュレーション

著者 高原 万寿雄, 飯塚 和夫, 鈴木 善雄

雑誌名 福井大学工学部研究報告

巻 16

号 2

ページ 197‑204

発行年 1968‑09

URL http://hdl.handle.net/10098/4962

(2)

燃 料 噴 射 系 の 研 究 ( 第 4 報)

ディーゼル機関の燃料噴射過程のア十ログ計算機によるシミュレーション

高 原 万 寿 雄 ・ 故 飯 塚 和 夫 ・ 鈴 木 善 雄

INVESTIGATION OF  FUEL INJECTION SYSTEMS ( 4 t h   Re p o r t )   Simulation of the Fuel I n j e c t i o n  Process of D i e s l  

Engine by Analog Computer 

Masuo T 

AKAHARA. 

The l a t e  Kazuo l I Z U K A .  Yosio S U Z U K I   ( R e c e i v e d  A p r i l  

18, 1968) 

ABSTRACT 

This paper d e a l s   w i t h  t h e  a n a l o g  c o m p u t a t i o n  f o r  t h e   D i e s e l  f u e l   i n j e c t i o n   s y s t e

m. l

n  t h e  p r e v i o u s  paper ,  a u t h o r s  c o n s i d e r e d  t h e  s i m u l a t i o n  f o r   t h e  p i p e   l i n e  s y s t e m .   As an a p p l i c a t i o n  o f  t h i s  method ,  a  p i p e  l i n e   o f  t h e  f u e l  i n j e c t i n   equipment o f  t h e  h i g h  speed e n g i n e  i s  s i m u l a t e d  by an e q u i v a l e n t  system which  c o n s i s t s  o f  two r n a s s e s .  t h r e e  s p r i n g s  and t h r e e  d a r n p e r s .  

The r e s u

1t

s  o b t a i n e d  by t h e  a n a l o g  computer s i m u l a t i o n  showed a  f a i

r1

y good  agreement w i t h  t h e  e x p e r i m e n t a l  r e s u

1t

s .  

It 

i s  c o n s i d e r e d  t h a t  t h e  p e r f o r r n a n c e   o f  t h e  f u e l  i n j e c t i o n  system i s   a f f e c t e d   by t h e  changes  o f   t h e  e l e m e n t s   and  t h e i r  d i m e n s i o n s .  

197 

1 緒 雷

著者らは前報(1)において管路系を集中定数の力学系 に等価する方法を論じアナログ計算機によって求め た等価系の解を考察した。本報ではその手法によりデ ィーゼル熱料噴射系における燃料噴射過程の解析を試 みたものについて述べるD

ら充分になし得なし、。 しかしアナログ計算においては ポテンションメータの設定値あるいは各要素の特性を 与える函数発生器の設定を変えることにより比較的容 易になし得る。噴射系要素の変更により噴射系の特性

前報の結果ならびにアナログ計算機の演算器数の制 約より管を分断した等価イナータンスの数n=2の等 価系により計算を行なれまた燃料油の流動抵抗も前 報に述べた方法にて評価し適用したD 吐出弁および噴 射針弁の運動については弁座ならびに上部ストッパへ の衝突を近似的に考察し,解精度の向上をはかった口 前々報(2)に述べた実験装置による実測値と比較する。

また実機試験では燃料噴射系のいろいろな要素ある いは諸元を変更して実験することは労力と経費の点か

普 教 授 柑 助 教 授 桝 恭 助 手

に与える影響を考察する。

なお,ここに用いたアナログ計算機は鰻形プロック および非線形ブロックをそれぞれ3ケづっ備えた目立 ALM502 T型アナログ計算機である。また記号は下 記のものに添字を付して用いるO

記 号

a  圧力波の伝ば速度 cm/ C  弁系における復元力 kg 

c  ばね定数 kg/c

d  管直径 cm 

E  燃料油の体積弾性率 kg/cm

(3)

198 

F  流路の面積および弁の断面積 G=E/V:流体系のエラスタンス h  弁の変位(リフト〉

I=pV /Fz :流体系のイナータンス K  弁系における減衰力 h  減衰係数

L  噴射管の長さ m  弁の相当質量 N  カム軸回転数 n  等価イナータγスの数 ρ  燃料油の圧力 燃料油の流量 R  流体系のレジスタγス Rc  コYトロールラックの位置 Re  レイノルズ数

流動摩擦減衰係数 r'  管断面変化に伴う減衰係数 t  時間

燃料油の流速 V  各部の体積 体積の等価係数

β  固有値

ζ  イナータソスの等価係数 η  カム軸回転角度 A  管摩擦係数

A'  管断面変化に伴なう損失係数 μ  流量係数

ν  燃料油の動粘性係数 p  燃料油の密度 w  円振動数

2 燃料噴射菜の基礎方程式

cm kg/cm cm  kg 2/cm kg  kgs/cm  cm  kg s 2/cm 

rpm 

kg/cmz 

c

/S

kg /cm

1/!1/! 

l/S  1/8  s  cm/ cm

cm2/S 

kgs2/cm rad/s 

本報において対象とする燃料噴射系は第 l報開に述 べた高速ディーゼル機関用のポッシュ型燃料噴射装置 で図lはその模式図である。

"

図1 ディーゼル噴射系の模式図

燃料噴射系を表わす基礎方程式は Pischinger(4) 

Vogel (めらによってほぼ確立されており,ここでは 詳しくは論じない口噴射系はポγプ室,吐出弁後室,

噴射管および噴射弁貯留室からなる管路系とプラγジ ャ系,吐出弁および噴射針弁系を含む機械的な構成要 素からなる。管路の形状は複雑なものであるがつぎの ようにそデ ル化する口すなわちポンプ室,吐出弁後室お よび噴射弁貯留室についてはその長さが短かL、ので,

圧力波の伝ば時間は現象の経過時間に比して小さく無 視され燃料油の挙動は弾性のみにて考えられる。一方 噴射管はその直径が小さく曲げ半径が大きいので,管 内流れは曲がりによって乱されないと仮定し直管であ るとする。

2  ‑ 1  

噴射ポンプ室における挙動 プランジャの 運動はカムプロフィルにしたがう理想的なものと仮定 する口したがってプランジャリフトはカム軸角度の関 数で次式で表わさるo 添字川主プランジャを意味す

o

hk=h(8), 8= 6Nt ・HH・..(1) ポンプ室は吐出弁によって後続の管路と分けられて いるが,プランジャおよび吐出弁の運動により燃料油 の挙動は次式で与えられる。

〆A

亘f=GK(qkqe

一ι‑

qJ) ...・H・(2a) あるいは

T . " ̲  

T.'  /2: (PE‑TK) 

PK=PE 

+

一一Kl.‑n.‑‑" IFKhk

.J‑VY J Fe..J'"P‑.//PE‑PK!   dt 

.  r 

7:1 

/ ‑ 2 ‑(

PK一川

. i  

‑Fvh

旬+

Ff./ 一一一一一一~, dt I  一・J ‑Y  P

!PK‑P

r

...(2b)  ここで添字Kはポンプ室,vは吐出弁後室,世は吐 出弁,Eは 給 油 口 は 給 油 口 開 口 部 fは吐出弁開 口部を示すo

G=E/VKは変数であるがその変化は他の現象に比 して無視できるとして一定とする。式(2b)の右辺第2 項および第4項の根号を分母にもつ分数は流速を示す 項であり,逆流する場合の符号を含む表示がなされて いるoFe, Ffはそれぞれ給油口,吐出弁開口部の流 路の有効面積であり,次式で表わす。

Fe=μefe(hk)  Ff=μfff(h心

ここにμeJIfは流量係数であるO

‑…・・(3) .・・・・(4)

アナログ計算においては hk,FeおよびFfは折緯関 数発生器にて与える。

2 ・ 2

吐出弁の運動 吐出弁系は,ばねー質点系 にて図 2のようにそデ、ル化することができ,吐出弁の

(4)

運動方程式は次式で与えられ る。

こに 図2 吐出弁系のモデ〉レ

dhv  ̲ ,  ¥ 

Kv=(恥 十kvs)

‑ d t

(hvく0)

dhv  ,,~ /'.  /'.  " I 

=k ,.

' , ' : "

dtv   (0,,‑ .く...h.‑‑.v  .く..h..‑‑伽〉ト....・..../  H・'(5b)

dh 1

=(k kvs)

d 子

(h附くh

心!

Cv=(Cv+C四月旬 (hvく0)i 

=Cvhv  (0くhvくh句協) } ....・H・'(5c)

=(C+Cvs)hv (h官官くhv) ) 

m世は押さえばねの質量の

a

を含めた吐出弁の等価 質量である。 Kりは減衰力で弁座あるいは上部ストッ パに弁が衝突する際の減衰力をも考慮せねばならな L 、okvsおよびか'gsはこれらの減衰係数を示す。また C旬は復元力で衝突時の弾性Ct.s,C'vsを考届する。 CVO は押さえばねの初期荷重である口

PV

はベルヌーイの 力と呼ばれるものであり,燃料油が吐出弁の開口部か ら流出する際の運動量の変化によるものであるが,そ の大きさは他の力に比して小さく無視する口

2‑3 菅路軍における挙動 吐出弁後の管路は吐 出弁後室,噴射弁貯留室およびそれらを結ぶ噴射管か らなり,前報ωの管路系のようにモデ、ル化される口高 速ディーゼル機関の供試噴射装置の管路に対しては等 価イナータンスの数n=2(管を3分断する〉場合の等 価系による前報のアナログ計算結果は充分よい近似解 を与えているo

たがって流動減衰

I

Pv 

を考慮した等価系 の表示式はつぎの

ようになる。図 3 Vv= V.ρV VII=V

+V

図3 管路の分断 (n= 2)  参照。

dtv  E  ( 

一一 I‑Fl̲u

+ Fh

dt  ‑ ‑(α世十ηl)FIL¥  '''1 

・(6a)

2

7

fJF 

dρJ.̲  E 

7

子=一両

I :

(U2;‑ U1)

dtD一一 E  ( -u~-Fnh叫 dt  (η8+αd)FIL¥ Z ‑.I.‑n".n

d l   : 

p

./r:-~:hl

ITD‑tlI

1

pLC1互生=一臼L‑ TV) ‑pLη1r1u

dt 

+pL'12;r2(U2;‑ul)  pLC2;豆監=ー

( P D‑

TL) ‑pL1/2r2 

dt 

EJ

a u  n u 

fz

afllaE

js EE EE l

d (U2 ‑ Ul) +pL1/8r8( ‑ U2;) 

ここに添字Vv, fは既述のとおり ,L, 1は噴射管

Dは噴射弁,d,噴射弁関口部,nは噴射針弁を示し,

1, 2, 3は管分断部分を示す。

2‑4 噴射自動針弁の運動 噴射自動針弁系につ いては吐出弁系と同様なモデ:'Jレ化を行い,弁座あるい は上部ストッパへの衝突についても同様にとりあっか

うと噴射自動針弁の運動はつぎのようになる。

d2h" 

md -dt~-+KdCd+CdO

=Fneゆd+Fpρb+PBD ・H‑・・(7a) ここでト

dh

Kd 

(kdkds)

(h叫壬0)1 

dh品 !

=kd 

‑ d t  

(0くんくhnm)

r

(7b) 

dhn  ̲̲  ̲ I  (kd+kdS)

否 土

(h叫隅くhn)

Cd = (Cd+CdS)hn  (hn三五0)i 

= Cdhn  (0くhnくh ) ~… (7c)

= (Cd+Cds)h (hnmくh心 l Fne=F四 一(Fs+Fp) (hdくhb8)

ト…(7d)

= F叫 ーF (hd>hb 8)  J  Fneは噴射自動針弁の受圧面積であり ,Fsはシー ト部面積.Fpはピントル部断面積を示す。またhnoは シート部に圧力が加わるようになると考えられる徴小 なリフト ,h酬は上部ストッパまでの最大リフトであ る。

さてディーゼル燃料噴射系の特性として重要な燃料 噴射率 qdcm8/Sは噴射弁開口部から単位時間に流出 する流量である。

d l

P

D‑Pb

・・・(8) V ITDーあi

またプランジャの1ストローク当りの燃料噴射量は

Q d  cm8/st 

Qdfhdt 

となるo積分の上部下限は在意にとれるがらーんはプ ...・・・・・‑(9)

γジャの1周期間である。

3 実 験 方 法

供試燃料噴射装置については既報に述べられている

(5)

耳目

表1 供 試 燃 料 噴 射 系 の 諸 元

燃 料 油 噴射管全容積 Vl  cm3.98  密度(200C) p kg. S2cm'  0.844X 10‑ 噴射弁貯留室容積 V d cm0.027  体積弾性率 E  kg/cm2  1.54X 10 吐出弁後室の換算係数 α 0.4625  動粘性係数(加。C) " cm2/S  4.0X 10‑ 噴射弁貯留室の換算係数 ad  0.0770  噴射ポンプ系 固有振動の固有値 β1  2.12 

。 。

β2  4.98 

プランジャ断面積 FK  cm2  0.2375  等価系の等価係数 ηl  O.~却

プランジャのリフト h cm  図4参照

η2  0.318  ポンプ容積 VK  cm 0.268 

ηs  0.383  給油圧力 Pe  kg/cm2  2.4 

ζ1  0.3 給油口流路有効面積 Fe  cm2  5参照

'2  0.330 

吐 出 弁 系 流動減衰係数(N=2(rpm) r  l/s  132  吸い戻しカラ断面積 Fv  cm2  0.196 

(N=1

Ortm)  r  l/s  84  吸い戻し量 Ve  cm 0.035  噴 射 弁 系

相当質量 間 世 kg. s2/cm 3.93X10‑ 自動針弁受圧面積(h耐三三h心 F ne  cm2 0.275  減衰係数 kv  kg's/cm  6.3XlO‑

(h>h心 Fne  cm2 0.234  着座減衰係数 kVIl  kg's/cm  3.6X10‑ 自動針弁相当質量 mn  kg's2/cm  12.21X10‑ 押えばねばね定数 Cv  kg/cm  8.12  減衰係数 h kg's/cm 5.0XlO‑ 着座弾性ばね定数 Cvs  kg/cm  1.0X10 着座減衰係数 kns  kg's/cm  5.0  押えばね初期荷重 Cvo  kg  4.41  押えばねばね定数 C kg/cm  350  吐有効出弁面積開口部流路 Ff  cm2  6参照 着座弾性ばね定数 Cns  kg/cm  5.0X10' 

押えばね初期荷重 C kg 28.05 

# 路 系 庄自動力針弁上り始めの ρ kg/cm2  120  吐出弁後室容積 V cm8 1.88 

徴小リフト hn5 cm  O.α)()()1  噴射管断面積 Fl  cm2  0.0314  噴口部流路有効面積 Fd  cm2  図7参照

長さ L  cm  126.5  噴射弁背圧

P b  

kg/cm2  1.

ー 一 一 一 一

司春吉 ι  J

..tc  ‑. 

5  . .  

~

i : ;  

~

,.,.)o>;'''~1 ト h.mm

図5 給油口開口部流路有効面積

140  160  ¥8

帆酔色阜6' 図4 プランジャのリフト曲緯

が,アナログ計算に必 要な諸元を表1ならび に図4""'7に示す。各部 の流路有効面積は非定 常状態であり,多くの 研究仰がなされている が充分明らかでなし、。

しかし本実験に用いた o  ~ー司τI

ι o.~ 0.6  M 回アナログ計算機ではそ '官針倉齢制~7~ hn mm  の 容 量 の 不 足 か ら 庄 図7噴射弁噴口部流路面積 力,温度などの影響を 考慮することはできない。そこで定常状態における公 表値により推定し折鰻関数発生器にて設定することに

EE EF

J

F

L … g 1 J :

図6 吐出弁開口部琉路有効面積 した。図中の一点鎖綜は幾何学的形状からの計算値で あるo

3 ・ 1

アナログ計算におけるプログラミング ア ナログ、計算のためにはまず求めた基礎方程式にもとづ いてプログラミングのが行なわれる。

管路系については前報、1)に述べたプロックダイヤグ ラムにより行なわれるoただしこの系への入力で、ある プラγジャリフトは折線関数発生器に設定される。

弁運動の方程式の減衰力および復元力の項は式から も明らかなように図8の実棋にて示す曲糠となるoこ れらのうち弁座あるいは上部ストッパへの衝突時の減 衰力および復元力の項は図8の点蟻にて示す非鯨形要 素として扱かうことができるo図 9はこれらの非緯形

(6)

1

/  ..  {

/へ込(h‑hm)

Cm 

a)減 衰 力 b)復 元 力

図8 弁運動における減衰力と復元力

図9 弁イ系ヤに対するブロックダ グラム

略 語

r n h

O ー 『

メ ‑

???寸一

2 ? 器斗〉→

カ寸昏 ←

b

→ 

苦悩苛>→

1iì 1l"...~"z e

i

弘北 ←‑D→ 

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←→←→ 

昨帳器合可学

榊礎控事l賀枇

f ト コ

嚇 骨 量

図10燃料噴射系シミュレーショγのためのブロックダイヤグラム 要素に対するプロックダイヤグラムの 1例を示す。ま

た噴射自動針弁の受圧面積の、ンミュレーションは比較 器を用いることによって可能であるo

しかしてディーゼル燃料噴射系のアナログ計算に対 するプロックダイヤグラムは図10に示すものとなるo

3 ・ 2

実測方法 実験的に燃料噴射過在を明らか にするためには多くの要素が考えらるoここでは(1)噴 射管内ポンプ側圧力ρv.(2)噴射管内噴射弁側圧力ρD (3)噴射自動針弁のリフトh叩および性)噴射率仰を選び すべて電気量に変換して4素子シンクロスコープで写

真記録した口噴射管内圧力の検出は管壁にひずみゲー ジを接着し,管壁の円周ひずみを測定する方式とし た。また噴射率は噴流の運動量(噴射モーメンタムと 称する〉による衝撃力を薄い円桓に接着したひずみゲ ージで測定する方式とした。これらを動ひずみ計(搬 送周波数5000Hz)にて増巾したo噴射自動針弁リフ トの測定はその運動による光東の変化をフォトトラγ

ジスタによる光電流の変化にかえ,シンクロコープに 直接導いた。

計算結果および考轟

アナログ計算は低速度型として行なL,、 3素子ベン

(7)

2

書オシログラフにて記鋸を行なったo計算開始時期は プラγジャがカムによって突き上げられる点とし,初 期条件は残留圧力を一定,管内流速を零と考える理想 状態を仮定した。

4.1  アナログ計置の結果 図11はコントロール ラックの位置121/11/1, カム軸回転数20

rtmのときの

計算結果を示す。

主 町 事 s i l I.~. hl 

宇 J;lI I  L = r = f ¥ l   I  I 

B t p 1 1 r   I  I  f 、 土 ‑ : : J I (~J

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r

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.s::. 可、与

図11燃料噴射過程のアナログ計算によるシミュν ーショY結果(カム軸回転数2

Orpmコントロ ールラック 121/11/1)

初期条件としての残留圧力は計算結果から噴射過程 に及ぼす影響は小さくないことが明らかとなった。し たがって正しく設定する必要が生ずるD 本報では適当 な値toを与えて計算しその結果からSitkei、B)の与え

た式を変形した式

p o e  

1 . VVV+PLVL+PDVD  o e  

-~-

VV+VL

V一五一一一

p

v (

α

l)+tL

η2+ρ

D(

η

a + a d )  

α

v +

η1+η2+ηa+αd 

H...(10) より計算した値がほぼれと一致している値を採用す ることにした。表2は式(10)による計算結果を示す。

表2 初期値(残留圧力tokg/cm2

アナログ計箪に 1

おける初期誼 I 1 1

∞ 

80  残 留 庄 力 の │

計 算 値 76.5 76.5  76.5  60 

76.0 

図11を観察するとポンプ室圧力向は実験では測定 し得ないのであるが,給油口がプランジャにて締め切 られる時期(幾何学的噴射始め〉以前に上昇を始め,

噴射弁はカム角度で約30以前に運動し始める口このこ とは Sitkeiの記述と一致している。その後の経過は 吐出弁の運動に大きく依存し,噴射終りの時期よりわ ずか前で降下を始め,その後の急激な圧力降下により 吐出弁の吸戻しを助けている。

吐出弁は吸戻しストローク 1.81/11/1よりわずかに上昇 するにすぎず比較的安定な運動をしている。また着座 後にふたたび跳び上りを示しているがこの現象は実測 結果からも観測された。

噴射自動針弁の運動は吐出弁と同様安定した状態を 示してL唱。噴射率はピントル型噴射弁の特徴をよく 示し,この場合には2次 噴 射 を 観 測 す る こ と が で き

D

4

2 実測結果との比較 アナログ計算結果と実 測結果との比較を図12に示す。カム軸回転数およびコ ントロールラックの位置をそれぞれ(a)京 別rpm,12

60

I  I I I I

II I / / 

占 o

II  I ! . J μ . . : i A ¥

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lI  I I I  L I I 

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J

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\札恥ιι,~.ン河T 略pi¥ts  a)カム軸回転数 割 削

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時 蝿 t

b)カム軸凶転数 20

rtm 

I  J , Ll . λ I  I  I  / 

│寸前 T Y  L l I ‑ L l し ょ l

l II  IAJ.I  II 

ト十一←寸 I\YY司~

1I  I 

J~I.,1

I    r  , . .

卜寸ー寸d勺也ペ~可

時喝 t

c)カム軸回転数 1

Orρm  コγトロー/レラック 121/1γトローノレラック 151/1111γトローノレラック 121/11/1

一一一シミュレーション結果 ……実測オシログラム 図12 アナログ計算によるシミュレーション結果と実測オシログラムとの比較

(8)

(h風 間rpm15 (c)lO

o o

rpm 12棚としたときの結果 であるo噴射率の実測値は噴射モーメンタムによるた め,アナログ計算結果との比較を容易にするためのス ケール変換を行った。図から明らかなように現象の経 過は比較的よく近似しているが細部では完全に一致し ているとは言えなし、。たとえば現象渡形の全体的なず れがみられる。とくに図12(a)および(c)の場合において 著るしL、。これは実験における回転数の測定誤差およ びアナログ計算におけるポテンションメータの設定値 が低かった(それぞれ19

rpm960 rpm)ことに起

因しているD また噴射終りがアナログ計算においては 遅くなっている。これはコントロールラック位置の設 定誤差およびアナログ計算における給油口流路有効面 積の設定が不適当なことによるものと思われる。また 吐出弁側圧力 ρvおよび噴射弁側圧力

P D

は上述の誤 差のほかに測定位置の差など時間的ずれ以外の差が生

じているようである。

燃料噴射装置の性能として重要な1ストローク当り の噴射量Qdに つ い て の 比 較 例 を 表 3に 示 すo

Schaffityの計算方程式は式(8),(9)より実測値 ρD,

P b

を用いて行なうo

表3 燃料噴射量の比較 カム軸│コントロ│ 燃料噴射量 QcmB/st  回転数

\~産主|号ログI~~ストロイ究」;24

Nfρ mjRcmm!計 算 値

l

ク平均実測値

l

算値

2 I 12  I 0.030 I  0.033  I 0.03

2oI 15  I 0.050 I 0.050 

1000 I 12  I 0.028 I 0.030  0.035 

4

3 燃料噴射莱要素の変更 燃料噴射系の要素 をいろいろ変更して噴射過程がどのように変化するか を観察することは噴射系の設計の際に有益である。以 下にいくつかの例をあげる。

まずカムの形状が噴射過程に与える影響について考 察する。図13は燃料噴射系の他の構成を変えずに, (a) 

カム(図4参照〉のみを変更し,また(b)噴射弁(図7 参照〉のみを変更したときのアナログ計算結果を示 す。変更していない元り噴射系の経過を一点鎖綜にて 示す。 (a)の場合,変更したカムは中速機関用噴射系に て用いられるものであるが,噴射率仰の経過はより 進んだ時期で噴射が行なわれ,主噴射の部分が強調さ れるようになることを示している口また(叫の場合噴射 過程には決定的な差は見られないが,噴射率の経過は 主噴射の期聞が長くなり,噴射の切れがややよくな

D 高次噴射による噴射量が少なくなっているo

3

60

1 1 ( 1 I ハ J ; . T II 1 ̲ 1  

~ 0 1   I I I  Y λ 礼 Il ‑ ‑ L . J

E 1 0   1  J L L   l  レ 功 、 r ' . J  

E 。門町 L A / I ¥ I ¥ L I  v ‑ : r 対

1300{‑‑‑.‑/  :b<f~-I .  r~.-...:.;;;....,

e e   01I  I 

-r-シ l-I~ パ~守

3

叫 I I  Á.λゎ~lT--L_I_U 言。ト+→fイ~どじイ~

一一(a)カム;Z3486 ,噴射弁 08D212 一(b)カム ZlN3, 噴射弁 4SD24

カム 21N3.噴射弁 oSD212 (変更しないもの〉

図13 噴射系要素の変更(その1) カムおよび噴射弁をともに変更したものはこれらの 影響がともに現われてきた口いずれが望ましい噴射率 曲瀧であるかは機関における燃焼と関連して論じられ ねばならない。

つぎに噴射管の長さは一般に短かL、方が望ましL。、 図14に管長を L =50脚に短かくしたときの結果を示 すo点線は元の噴射系(L=126.5cm)の経過を示す。

残留匡力は低くなり,初期値が変更されている。噴射

〈送油〉期間中のρvの経過はほとんど変らないが,

噴射弁側の経過は著るしく変っている。噴射自動針弁 んの上昇始めの時期が早く,すなわち噴射現象が早く なるoさらに噴射の切れがよくなり,高次噴射もほと んど現われなくなる口このことは上述の定説を裏づけ るものであるO

60

(r‑   , ‑ I  ‑ '   t i a ヘ r (

;;  0 

I I   JlJl\L~ I  I  . J  

E 1 0 l   J 1 L   I  I ♂ 片 ‑ . ! I  1  I  I  2o 

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300

I  IIT~舛:.-.1 1 .   I 

5  o ト ・ ト : r : : : : : v ‑ ' : f LY ヘ 1 / ‑ ト ¥ " 1 ‑ 珂 3 3 0 0   1  11  / . L 1 ‑ ヘ ilAlp‑J l l 

o トー~ '   ~ . l > ' ¥   t I'~

ー一一 管長 50cm  …・・ 管長 126.5 cm  図14噴射系要素の変更〈その2)

このようにアナログ計算による燃料噴射過程のシミ ュレーショけまし、ろいろな系に対する比較的近似のよ い解析波形を与えることがわかった。

(9)

4

5

結 曹

ディーゼル機関の燃料噴射過程は機関性能を支配す る一つの要素であり,これを理論的に解析することは 重要であるにもかかわらず,管路系を複雑な境界条件 のもとに扱われねばならない困難がある。本報ではア ナログ計算によって管路系を集中定数の力学系にて解 く方法を応用して噴射過程の解析を試み,つぎの結論 を得た。

(1)  アナログ計算による解析波形は実測による現象 波形とよく近似しており,実測によっては明らかにし 得ない点をも観察で きたo各開口部の流路の流量係数 の問題,キャピテーション現象のアナログ計算法,吐 出弁および噴射自動針弁の衝突の評価および計算法な どについてはさらに検討が必要であるが,アナログ計 算によるシミュレーションが机上実験として充分に実 用に供し得るものと,思われた。

( 2 )

燃料噴射系の要素を変更した場合噴射過程に及 ぼす影響について考察し得た。

今後の問題としては上述のことがらを明らかにして 行き,噴射系の要素たとえば吐出弁あるいは噴射自動

針弁の個々の特性を明らかにし,定性的な解析をする ための基礎的研究を行なう所存である。

最後に本研究費の一部は昭和40年度文部省研究費に よるものであることを付記し謝意を表します。

本研究の実験は大学院学生中津川,卒論学生岡村,

奥村,田井,宮下,矢部ら諸君の熱心な協力によるも のであり,アナログ計算のプログラミングについては 目立電子株式会社伊藤氏の御協力を得たことを付記 し感謝の意を表します白

文 献

1)  高原,飯塚,鈴木,福井大工報 162 (昭4310) 2) 高原,他3名,福井大工報 142 (昭4110)115  3) 高原,他3名,福井大工報 142 〈昭4110)111  4)  Pischingr, Gemischbi1ding und Verbrenung in Diesel

motor, (1939), Wien Springer.Verlag.  5) Vogel, MTZ, 241 (19631), 

6)  Huber Schaffitz, MTZ, 272 (1966‑‑2), 35  7) た と え ば 山 下 , ア ナ ロ グ 計 算 機 〔昭297),コロナ社 8)  Sitkei (坪内,加藤訳),デイーゼノレ機関における燃料噴射と

燃焼,(昭413),朝倉書自

(昭和必年4月18日受理〉

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