高齢化社会と自治体の対応
著者 坂田 期雄
学位授与大学 東洋大学
取得学位 博士
学位の分野 社会福祉学
報告番号 乙第95号
学位授与年月日 1997‑03‑10
URL http://id.nii.ac.jp/1060/00004051/
Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja
明 日 の 地 方 自 治
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坂 田 期 雄 苫
高 齢 化 社 会 と 自 治 体 の 対 応
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明 ︲ の 地 方 自 治
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坂 田 期 雄 咎
高 齢 化 社 会 と 自 治 体 の 対 応
き ょう せい
はしがき
ふるさと創生︑地方競争時代といわれるさなか︑この﹁明日の地方自治﹂全六巻シリーズが平成元年早々に︑㈱ぎ
ょうせいの御尽力で刊行されることとなった︒このシリーズの執筆には︑昭和六〇年春から取り組んだのであるが︑
次第に分量も増えて六冊となり︑年月もちょうど満四年を経過した︒
このシリーズは︑当初の企画・構想では︑筆者がI〇年前︑昭和五二年から五三年にかけて︑㈱ぎょうせいから出
版させて戴いた﹁新時代の地方自治﹂ ︵全四巻︶の改訂版という形で考えたものだが︑いざ執筆にとりかかってみる
と︑その間における時代の大幅な変化の中で︑そのまま使える部分はほんのごく一部︑あとは新たに書きおろさなげ
ればならなくなった︒そこで全体の柱立て︑枇戊からすべて全く新規に行うこととし︑書名も新たに﹁明日の地方自
治﹂としたものである︒
このシリーズは︑
第一巻 地方自治・その実態と進跡
第二巻 明日の首長・議員・公務員
第三巻 地域活性化・その戦略
第四巻 都市デザイソーアメニティ
第五巻 高齢化社会と自治体の対応
j
第六巻 まちづくりに市民の力
の六冊からなるが︑執筆にあたっては︑次の方針で臨んだ︒
巾 単なる制度の解説書としてでなく︑制度の実態︑運用の実際に焦点をあて︑かつ︑﹁それをどう見るか﹂ ﹁どこ
に問題か1 るか﹂﹁今後の方向︑課題は何か﹂−そういう一つの視点︑問題意識をもって︑各項目ごとに分析・
整理を試みた︒
閃 ﹁中央﹂の側からみるのでなく︑ひろく全国各地のそれぞれの﹁地方﹂現場に立って︑その実態の中から︑ナマ
の問題点を一つひとつひろいあげるという姿勢で臨んだ︒
㈹ 各自治体のユニーク先進事例をできるだけ多く集め︑これら事例を通じて︑地方の実際の動きを感じとることが
できるよう︑さらに︑いまは︑﹁中央からの地方自治﹂の時代ではない︑各地方地方がそれぞれのチエ︑アイデ
ア︑創意工夫で︑多様なまちづくりに挑戦︑取り組む﹁地方が自ら創る時代﹂になってきているが︑多くの事例を
通じてそれを直接感じとって戴きたい︑そういう気持ちで取り組んだ︒
剛 いま政府の大きな柱として﹁ふるさと創生﹂を掲げられている︒また︑全市町村に一律一億円が配分され︑﹁地
方は自分でまちづくりを考える︑それを中央がお手伝いする﹂という︑かつてなかった政府の姿勢が打ち出されて
いる︒そして各自治体は︑いま﹁何とかよそにない独自のまちづくりを﹂とチエをしぽっているが︑本シリーズに
は︑それに応えられるすぐれたアイデア︑ヒントが無数に織り込まれている︒正に﹁生きた教科書﹂ ﹁生きた経営
コンサルタント﹂になるものと自負している︒
㈹ ﹁新時代の地方自治﹂ ︵全四巻︑昭和五二2五三年︶刊行後︑﹁明日の鄙市﹂ ︵全二〇巻︑五四?五六年︶︑﹁地
方の時代実践シリーズ﹂ ︵全コー巻︑五七?五九年︶が︑筆者の編集吉任で︑磯村英一先生はじめ多くの方々の御
2
協力を戴き刊行されたが︑今回の﹁明日の地方自治﹂シリーズでは︑これらこのI〇年間に刊行された多くのも0
の中から重要と思われるものは原則として採り入れさせて戴いた︒その意味において︑このシリーズは︑これまで
の著作・編集等に盾られたものの重要部分はすべて網羅した総まとめ︑総仕上げ集ともいえるものと考えている︒
次に︑本シリーズ第五巻である本書では︑まず急ピ ″チで進1 高齢化社会の巡行状況を概観し︑我が国におけるそ
の特徴︑そしてこの高齢化問題をどうとらえるか︑その見方︑視点ともいうべきものを叙述した︒つづく第二部では
﹁高齢化社会と旧尺八排﹂という観点から︑特に今口非常に大きな四四題とたっている急増する医療費とその抑制問
題︑さらに現行のままではもはや財政が維持できなくなってきている年金とその負担の問題を取り上汗だ︒
第三部から第四部はいいわゆるヤング・オールド︑中高年層の問題だが︑定年後なお二〇年︑三〇年の長い人生をど
うやって生きていくか︑㈲く陽︑就労の場をどう川意するか︑また生きがいとその対策をどうするかを巾心にみた︒
第五部から第六部ぱトわゆるオールドーオールド回︵高年回︶の問題︑これは高齢化社会の柾めて深刻な課題だが︑
寝たきりや痴呆什ど人を誰がどうやって介護するのか︑在宅福祉や地域ケアはどうすれば可能か︑さらに現在の特
菱︑老人ホーム︑老人保健施設の現状と問題点をみた︒
第七部は︑新しい柚祉の策域である有料柵祉︑シルバー産叢について最近の状況と問題を概観し︑最後に第八部で
は︑これからの高齢化祉会では従来までの福祉耶論を一八〇度転換させる必要があるIその新しい福祉理論をまと
めに代えていちおうの作州を試みたものである︒
なお︑木シリーズには︑随所に自治体のおり組八実践例を数多く採り入れているが︑それぞれの簡所で新問・作誌
等の出帆ハを断り賤⁚きさせて戦いた以外ぱ︑私の
・
玉宰する祁市経営総介研究所で直接収集した資料あるいは同研た府茫行の﹁自沢体ユニーク先進事例﹂ ︵企一圧巻︶に登載されたものである︒また︑新開記事等からの引用にあたって
j
も︑その大部分は︑筆者においてあらためてその自治体に電話又は文Iで照会し︑内容を確認しているものである︒ 4
本シリーズが︑ここにこのようにまとめられたのは︑多くの方々からの御教示・御指導の賜によるものであり︑こ
こに厚く御礼巾し上げる次第である︒
なお︑最後に︑㈱ぎょうせいの前図書課長並木茂氏︑現図μ課長小川智将氏︑並びに︑長年月にわたって本シリー
ズの企画からとりまとめ整理に大変な御尽力を戴いた朝野隆雄氏に心から感謝と御礼を申し上げる次第である︒
平成元年二月
坂 田 期 雄
目
次
第一部 高齢化社会の構図とその視点
1 高齢化社会の構図と我が国の特徴⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝︸一一
I 世界一の長寿社会にI人生八〇年時代⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
ミ
3 我が国高齢化社会の特徴−諸外国と比べて⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝一四2
高齢化問題のとらえ方⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝︸べ
1 ﹁支える層﹂と﹁支えられる層﹂との割合の2
高齢化社会への移行と二段階論⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
第二部 高齢化社会と国民負担
一 元
1 社会保障と国民負担率⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝一一ご一一
2 医療費の抑制とその負担⁝⁝1
急増する医療費⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
u ^ 一 悶
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2 医療費の抑制︱平素から鮭康管理
昆 2
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ソ I ‑ プ L ン ' ぐ ノし こ二 に w
4 組合健保︑政管健保から国保へ拠出傘
5 本人負担︵自己負担︑患者八拒︶の引上げ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝6
高額医療増大の抑制策を⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
昌 高齢化社会と年金制度⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
2 年金が成熟︑年金受給者が3
年金破産を回避する三つの
1
第三部 中高年の就労・雇用問題
1 なぜ中高年コ服用問題﹂が重大な課題なのか⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝九一一一
2 六〇歳定年制法の制定とその問題
一 一
つ つ
一 一
一 一
一 一 7ロ
2 定年制法をめぐる問題⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝一っ一一.一
芯 自治体の中での高齢者就労への収組み⁝⁝⁝⁝
1 高齢者事業団・シルバー人材センターの状況⁝⁝⁝
2 シルバー人材センターの成果
3 高齢者事業団の問題点 ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
一 一 一 つ
一 一
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七 六
4 各高齢者事業団での開題打問の試み⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝一一一一一一
第四部 高齢者の生きがいとその対策
1 高齢者にとって生きがいとは⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝一四一一一
J
1 長年の知識︑経験︑技能を社会に還元する⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝一四一八
3 趣味活動︑生渋活動を通じての社4
その他︱家庭の中でも高齢者に
1
3 家族や隣人とのつながり︑暖かい人開関係︑話し合いの場⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝一一八
4 学ぶことI趣味・学習・スポーツを持つこトと⁝⁝⁝⁝⁝⁝
‑ t , :
−‑
2 スポーツ
一
‑已4
5 高齢者の就労・雇川を考えるにあたっての視点︑発想の転換を⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝一tハ
第五部 寝たきり︑痴呆性老人の在宅介護
2 介護の大変な苦労と家族の扶養機能の低下⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝一九五
1 基本的には﹁施設福祉﹂から﹁在宅福祉﹂へ
2 在宅福祉の困難性:
3 最近における家族の扶養機能の低下⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
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4 5
ホームヘルパー:⁝
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訪問看護⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝一一一一一八 7
ナイトヶア⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
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寝具クリーニングサービス⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
︲﹈ 介護研修︑介護読本︑介護相談⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
12
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第六部 入所施設での介護
1 特別養護老人ホーム⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝一一七五
一 一
一 一
八 ⌒
八 3 5 1
3 老人保健施設︑制度発足後の4
老人保健施設をめぐる問題︑
第七部 有料福祉・シルバー産業
1 武蔵野市福祉公社による土地担保の有料サービス⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝一一一つ
一 ︼ 5
2 1 武蔵野方式の概要⁝⁝⁝⁝⁝⁝2
武蔵野方式の評価される点・
一 − 一
一 − 一
乙 已 弓ix
tH 三G
I シルバービジネスの必要性︑2
有料老人ホーム⁝⁝⁝⁝⁝⁝
3 不動産担保に融資⁝⁝⁝4
在宅ケアサービス⁝⁝⁝5
寝たきり﹁介護保険﹂⁝⁝
6 福祉機器レンタル⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝7
スポーツーレジャー・教養⁝⁝
8 シルバービジネスの問題点と課題⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
第八部 今後︑長寿社会はどうあるべきか1
独居︑近居︑交流︑ボランティア⁝⁝⁝⁝⁝⁝I
独り暮らし老人対策⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
2 家族と同居・近居︑住宅問題⁝⁝⁝
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3 世代問の交流︑伝承
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Ξ 見 回 杢 杢 呑 白 豆
7
2 長寿社会に即応した﹁新しい柵祉理論﹂を
1 施設福祉から在宅福祉サービス強化へ⁝⁝⁝⁝⁝2
福祉の対象を低所得層だけでなく︑一般層にも3
多様な福祉サービス供給主体を⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
4 必需︑定型的サービスだげでなく︑選択的サービスの供給を⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝5
能力に応じて受益者応能負担を︵有料福祉を︶ ⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝⁝
第 一 部 高 齢 化 社 会 の 構 図 と そ の 視 点
高 齢 化 社 会 の 構図 と我 が 国 の 特 微
1
1 高 齢 化 社 会 の 構 図 と 我 が 国 の 特 徴
1
世 界 一 の 長 寿 社 会 にI 人 生 八 〇 年 時 代
男七五・六一歳︑女八一二二九歳
厚生省がまとめた﹁昭和六一年簡易生命表﹂によると︑日本人の平均寿命は︑
男 七五・六一歳
女 八一二二九歳
で︑実質的には世界一の長寿国となった︒五五歳以上の平均寿命でみれば︑男子のどの年齢層でも八〇歳にほぼ達し
ており︑人生八〇年という長寿社会が日本に出現したことが明らかである︒
戦後間もない昭和二三年の平均寿命は︑
男 五〇・〇六歳
女 五三・九六歳
であり︑いわゆる﹁人生五〇年時代﹂であったが︑わずか四〇年の問にいまや﹁人生八〇年時代﹂となったのであ 3
乳 児 死 亡 率, 死 亡 率 等 の 国 際 比 較
離 婚 率 婚 姻 率
出 生 率 死 亡率 孔in 死 亡 率 年 次
名 国
(人 口千 対)
(人 口 千対 ) べ 出 生 干対 )
1.3 4.8
・85)1.9 '85)2. 12.
12.33.2 5.7
10.0
810466
4. 76.9 5.0
10. 47.9S.
58.
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6.2
S. 79.911.58.611.111.6 11,1
15. 514.110.212.712.213.3 1987
1986 19?6 1986
! 口 本
| ア タ リ カ 合 衆 田
| フ ラ ン スl i ド イ ツ 連 邦 共 和 国
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S 899 911 1
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( 注) 厚 生 省 剛 べによ る
る
○
このことは︑昭和三〇乍の生命Åによると︑その年に生まれた者が八〇歳ま
で生きる割合は三一・九%に過ぎなかったが︑
五○年には︑五〇・七%
六〇年には︑六三%
になっているのをみてもわかる︒
日本の乳児死亡率は世界最低
諾外川と比べると︑乳児死亡率︵出生子対︶は︑我が国五・〇で︑アメリカ
ー○・四︑フランス七・九︑ドイツ万邦共和田八・五等と比べても最も低い︒
また︑死亡率︵人口子対︶も︑我が国は六・二で︑アメリカ八・七︑フランス
九・九等と比べても最も低い︵友参照︶︒
平均寿命を押し上げた要因i乳児死亡率と中高年齢層死亡率の低下
この四○年の問に︑日本人の平均寿命が三〇歳も高くなったわけだが︑
この平均寿命を押し上げた要囚として︑厚生省人口問題研究所では︑次の
ようにみている︒
① 第一は︑以前は乳幼児死亡率の低下が平均寿命の延びに寄与してい
た︒乳児千人のうち︑昭和二二年は七六・七人が死亡していたのに︑
四五年は一三・一人︑六一年は五・二人と減少︑既に安定期に入っ
た︒
② 第二は︑円元年以降は中高年齢層の死亡率の低下が平均寿命を押し
4
*
1 鳥 齢 化 社 会 の 俳 図 と我 が 岡 の特 徴
年 次 毎 の 平 均 寿 命 の 延 び に 対 す る 年 齢 階 級 別 死 亡 率 低 下 の 寄 与 率 ( 単 位:%)
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厚 上 省大i.;僅,房 統 計 祐 服 部「 完 全 生 命 表̲!,「 簡 易生 命友 」 厚 生 方「 厚 生 白 書 」( 昭 和fi2年版 )
1 年 齢 附 級 別 死亡 率 とぱ ,平 均 寿 命(O 寇 の 平均 余 命 ) の延 ぴに 年 齢 附 図の 死亡率 低下が ど の 程 度寄 与し た か を パ ー‑feンテ ージ で 示 し た も の。
2 寄 与 率は 完 全 生 命i に 基づ き 計 算 し た( た だ し 昭 和61 年:よ簡 易 生 命 裏)3
* 印 の 年 次は25 年 か ら27年 の平 均 力 命 を 示 す 。
4 人巾 のA 〜C は 主 に 次 の 死 円 の 低 下に よ る も の と考 え ら れ る 。 A は, il;と し て 乳 児死 亡, Mi 炎 ノ ベ管 支 炎 死亡 の低 下 に よる 効 果。
Bii, 主 と し て結 核 死 亡 の 低 下 に よ る 効 災。
C は ,士 と し て脳 血 管 疾!む死 亡 の 低 下に よ る 効 果。
上げてきたことである︵表
﹁年次証の平均寿命の延びに
対すろ年齢階級別死亡率低下
の寄与率﹂参照︶︒特に食生
活改善で脳卒中死亡者が減
ったのが大きく︑最近一〇
年間の寿命の延びの四〇%
は︑脳卒中死亡率の低下が
要囚と説明している︒
脳卒中の死亡率は︑この二一
年間︵四八年〜六〇年︶で一五
%も減り︑五六年に死囚第一位
の座をがんに譲ったのに続い
て︑六〇年は心臓病をも下回っ
た︒この減り方が︑がんによる
死亡の増え方より大きいのに加
えて︑不慮のI故や結核などで
亡くなる人も減ったことが平均
5
寿命の上昇につながった︒
なお︑生命表上︑六〇年に生まれた赤ちゃんが︑将来特定の死因で死亡する確率を算定した﹁死因別死亡確率﹂に
よると︑男女ともほぼ六〇%ががん︑心臓病︑脳卒中で死亡する︒この三つの特定死因を除去︑克服すると︑平均寿
命は男で九・六六歳︑女で八・八一歳延びる︵その結果︑男性は八四・八九歳︑女性は八九・七四歳になることにな
る︶という︒三大死囚を中心にした疾病対策を進めれば︑今後も寿命が大きく延びることが予測される︒
昭和六三年一年間に死亡した人は︑七九万九︑〇〇〇人で︑六二年の七五万一︑〇〇〇人より四万四︑〇〇〇人増加し
た︒人口千人当たりの死亡率ぱ︑昭和五〇年以降六・〇〜六・三の間で推移していたが︑六三年は︑一四年ぶりに六・五を
記録した︒その理由として︑厚生省は︑六三年毒先のインフルエンザの流行などをあげているが︑今後一層︑高齢者の人口
全体に占める比率が高まるため︑死亡率もこれまでより高めに推移することが予想される︒
死因は︑椙変わらず本文中に述べた①ガソ︑②心臓病︑③脳卒中がワースト3で圧倒的に多く︑特にガソによる死者は︑
二〇万六︑〇〇〇人と初めて二〇万人の″大台″を超えたとみられている︒
その一方で︑乳児死亡率は四・六と︑六二年度の五・〇よりさらに改善され︑世界屈指の乳児死亡低率国の位置を確保し
ている︒
この四〇年間の経済の成長と平和の維持に支えられた医学こ楽学の進歩や生活・衛生水準の向上︑そして豊かな時
代になって︑一人ひとりが自分の健康に一段と注意を払うようになったこと等が︑日本人の寿命延長に寄与したとい
えよう︒
なお︑こうした平均寿命の延びは︑厚生省人口問題研究所が五六年にまとめた﹇日本の将来人口推計﹈の予測をは
るかに上回るスピードであった︒この時点︵昭和五六年︶で︑男性が七五・〇歳に到達するのは昭和七五年︑女性が
八〇∴四歳になるのが昭和六五年と見通したが︑いずれも六一年まででその予洲年齢を突破してしまった︒
6
1 高 齢 化 社 会 の 構図 と我 が 国 の 特 徴
昭和六一年にまとめた﹁将来人口推汁﹂の修正版では︑昭和七〇年には男性七六こ二四歳︑女性八二・一七歳と予
測し直している︒
︵士 サゾヶr新開六一年七月一九日︑主張
■日本人の平均寿命おおむね世界第一位に ノルウェー 七九・五一歳
平均方介を各圖比校でみると︑国により作戊仏退川が異な などが高い︒
るため岐密な比叙はむずかしいが︑世界保健機構︵wHo︶ ■百歳以上二︑六六八人に︑女性が八割
の統汁や厚生省が入于した資料によると︑ 昭和六三年九月末までに百歳以上となった高齢者は︑男性
︹男性一でべ 五六二人︑女性二︑一〇六人の計二︑六六八人で︑前年より
マルクが七五・九蛾でトでフだが︑ただ︑この圓は人 三九七人増えた︒一八年元結の記録更新となり︑番付が初め
﹇がわずか三六万人ヅ腿で我が︲とケタハレなのでこれ て発裏された附和三八年の一五三人に比べると︑およそI
を除外すると︑︲本︵七五・六一穴︶が第一位というこ 七・円倍になっている︒
とになる︒つづいて 最高齢は︑明治九半円月生まれ︑一二一歳の藤沢ミッさん
アイスランド ﹂五・つ四巌 ︵辻町県諏訪耶︶で︑三年礼続の日本一である︒
スウェーデン ﹂三・七九収 17収以ヒの高齢者のうち︑女性は全体の七八・九%︑過去
イスラエル 七三・一〇収 最高たった昭佃ご尺年の八六・九%に比べるとやや落ち込ん
乃順となっている︒ ではいるか︑やはり圧倒的に女什が多いという傾向は同じで
︹女性一つに︑ ある︒
︲本がトでフで 八一・三九廳 万代0 トの人を人︲十万人ふたりでみると︑地城別では︑
つづいて 沖9 がI〇・〇一人で卜でフ︒つづいて
アイスランド 八〇こ二八哉 高翔 六・一九人
スウェーデン じ九・六八巌 鳥肌 六・一六人
オランダ 七九・六六哉 肥児鳥 五・七七人
7