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平常時に個人 家族ができること 個人 家族 非常食の目安 1人3日分の食料 水2ℓ 3日 無洗米 アルファ化米 乾パン 1日3食 3日 カップ麺 レトルト食品 缶詰 1日3食 3日 家族4人なら 水 ペットボトル2ℓ 12本 無洗米 アルファ化米 乾パン 36食 カップ麺 レトルト食品 缶詰 36食

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(1)

対応

平常時

第4 具体的な対応

1 平常時の対策

平常時に個人・家族ができること 個人・家族

● 非常食の備蓄

   災害時には、水道・ガス・電気等のライフラインが寸断し、普段ど おりの食事が用意できない場合があります。食料の備蓄を考える場合 には、家族の人数やその構成に応じて、    ①防災袋に入れる緊急持ち出し用    ②長期にわたる災害に対応するための備蓄   に分けて用意しておく必要があります。災害時に備えて必要な物品、 飲食物を用意しておくことが大切です。  1 防災袋に入れておく緊急持ち出し用備蓄     災害は、いつ発生するか予測できません。まず安全に避難するこ とが最も重要ですが、家族がそろっていない時(平日の昼間等)に 発生した場合にもすぐに持ち出せるよう、わかりやすく持ち出しや すい場所へ保管しておきます。また、家族全員が保管場所を知って いる必要がありますので、平常時から話し合っておきます。     持ち出し用の防災袋は、5~6㎏が適当とされますが、高齢者や 乳幼児を抱えた母親等では、もう少し軽いほうがいいでしょう。何を、 どのくらい用意すれば良いか家族で話し合っておきます。【P117  参考資料1「一般家庭用備蓄品リスト例」参照】 【避難をする時にすぐに持ち出しする食料等】  ・飲料水(500ml×人数分)  ・エネルギー源となるもの(乾パン、チョコレート、あめ等)X1日分  <食事に配慮が必要な人がいる場合>  ・ミルク、離乳食、哺乳びん等X1日分  ・粥や主菜となる食品(やわらかいタイプ)、とろみ調整食品X1日分  ・糖尿病、腎臓病、難病、アレルギー等の疾患症状に適した食品X1日分  <その他>  ・治療薬(お薬手帳)、保険証、健康手帳、入れ歯、老眼鏡、ウエット ティッシュ等   *すぐに持ち出せるようわかりやすい場所に保管する。   *家族全員が保管場所を知っていることが大事  2 長期にわたる災害に備えた備蓄     大規模な災害によりライフラインが寸断した場合は、すぐに食料 の支援が受けられないことが想定されます。3日程度は外部からの 支援が無くても食事ができるよう、必要な食品を備蓄しておきます。 【P117 参考資料1「一般家庭用備蓄品リスト例」参照】

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平常時に個人・家族ができること 個人・家族

非常食の目安

【1人3日分の食料】 水2ℓ ×3日 無洗米、アルファ化米、乾パン1日3食×3日 カップ麺 レトルト食品、缶詰

 1日3食×3日

      

【家族4人なら】 水(ペットボトル2ℓ) 12本 無洗米、アルファ化米、乾パン 36食 カップ麺 レトルト食品、缶詰

 36食

● 災害時要支援者用食品の備蓄

   乳幼児や高齢者、病気のため食事治療を受けている人等、食事にも 特別な配慮が必要な家族がいる場合、災害後の混乱期には、十分な対 応が出来ない場合もあります。3日程度は外部からの支援が無くても 食事ができるよう、必要な食品を備蓄しておきます。    詳細については、P76 第5「災害時要支援者への食生活支援」編 及び【P119 参考資料2「災害時要支援者用特殊食品例」】をご覧く ださい。   (例えば・・・) 乳 幼 児 ミルク(アレルギー用含む) 離乳食・ベビーフード 哺乳びん 加熱殺菌済みのベビー用の水 食物アレルギー、慢性疾患の方 アレルギー除去食 糖尿病、腎臓病等疾患状況に対 応した食品 高 齢 者 おかゆや主菜となる食品(やわ らかいタイプ) 濃厚流動食、とろみ調整食品 介護用食器

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対応

平常時

平常時に個人・家族ができること 個人・家族

● 避難物資の準備

   被災時には、避難所での生活を余儀なくされることもあります。避 難所で生活するための必要最低限の物資(毛布等)は支給されるものの、 その他、個人の生活状態に合わせた物資の支援は十分行われるわけで はありません。    そのため、家族に必要な物資を事前に準備し、非常時に持ち出せる よう備えておきます。【P123参考資料3「避難物資の準備品例」参照】

<避難所で支給される資材>

※実際場面では、このような資材の搬入には一定時間が掛かります。 毛布、タオル、紙おむつ、生理用品、歯ブラシ、食料、水等

避難所へ持ち込んだほうが良いもの

治療薬、保険証、健康手帳、入れ歯、老眼鏡、ウエットティッシュ等 その他、健康管理に必要なもの 着替え等、季節に合わせた体温調節のための衣類、寝袋 等

特別な配慮が必要な人

<乳幼児>

ミルク、離乳食、哺乳びん、スプーン、おむつ、清浄綿、おぶい紐 バスタオル、ベビー毛布、ガーゼ等

<妊婦>

脱脂綿、ガーゼ、さらし、T字帯、清浄綿、新生児用品 ティッシュ、ビニール風呂敷、新聞紙等

<食べる機能が低下した高齢者や病気のため食事治療を受けている人>

介護用食器、栄養補助食品、とろみ調整食品 それぞれの疾患状況に対応した食材(アレルギー除去食等)

● 自宅における非常時の準備

   災害時に自宅で引き続き生活できる場合でも、ライフラインの寸断に より電気・ガス・水道が使用できない場合があります。そういった場合 に備えて自宅においても次のようなものを準備しておくとよいです。   【P123 参考資料3「避難物資の準備品例」参照】

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平常時に個人・家族ができること 個人・家族

● 災害時のための個人記録票の保管

   災害時には、自宅以外の場所(避難所等)で生活することも想定さ れます。そのような時、食事に特別な配慮が必要な人にとって、自分 の健康状態等を正確に伝え個人に適した食事を食べることが必要です が、災害時の混乱の中では、情報を正確に伝えることが困難となります。    そのため高齢者、身体障害者等で介助が必要な人や慢性疾患等で特 別な配慮が必要な人は、自分の健康状態や食事の内容、介助の方法等 必要な情報を記録し、決められた場所へ置いておくことで、正しい情 報を伝えることができます。

【記載しておく情報】

 ・病名

 ・服薬の状況(薬名、量)

 ・かかりつけ医の連絡先

 ・身体の状況、食事の姿勢 等

  【P129参考資料8「災害時のための個人記録票例」参照】

● 衛生知識の習得

   災害時には衛生環境が悪化し、水害の際には井戸水にも汚水が流入 し、普段は飲用に使用できていても、赤痢菌等の細菌が繁殖し、飲め なくなっているケースがあります。    また、支援物資の弁当やおにぎり等も賞味期限が過ぎていたり、炊 き出しの配給品も長時間保存しておくと、食中毒の原因になったりし ます。【P128 参考資料7「炊き出し等の衛生管理に関する注意点」参照】    日頃から、衛生知識の習得に心がけ、保健所の衛生課が実施してい る「手洗い講習会」などの食品衛生講習会等に積極的に参加します。 例:食器セット(コップ、スプーン、フォーク、皿、椀、缶切り、 万能ナイフ等)、給水用ポリタンク、折りたたみ用ポリタンク(飲 料水用)、固形燃料、ライター(マッチ)、ラップ、アルミ箔、 ビニール袋等 例:美作市社会福祉協議会が配付している保管ケース治療中の 病気や服薬の状況・かかりつけ医の連絡先を記載した用 紙を専用の筒にいれ、冷蔵庫に入れるような取り組みを しています。

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対応

平常時

平常時から町内会や自主防災組織などができること 自主防災組織 町内会 自治振興協議会

● 災害時要支援者の把握

   地域には、災害時に一人で避難できない高齢者、乳幼児、障害者等 も生活していることから、災害が発生した時に支援が必要となる人を 事前に把握することが必要です。町内会や小さい地区単位で確認を行っ たり、地域で声かけを行って要支援者の把握に努めます。また市町村 が作成している要支援者の名簿等を活用することもできます。これら の人が災害時に安全に避難するには、事前に、当事者と災害を想定し た避難方法を話し合っておきます。 【避難に支援が必要な世帯】  ・乳幼児がいる世帯  ・高齢者世帯(高齢者のみの世帯、独居世帯)  ・昼間高齢者のみがいる世帯  ・障害者のいる世帯  ・慢性疾患患者(糖尿病、腎臓病、難病等)がいる世帯 〈事前に確認しておくと良いこと〉  ・災害時に支援が必要であるかどうか  ・避難方法(車いす、ストレッチャー、杖等)  ・持ち出し物資の確認(薬・食料・防災グッズ)

● 炊き出しの準備

   災害が発生した時には、炊き出しが必要になることもあります。し かし、災害が発生した時に、どこで炊き出しをすれば良いのか、誰が 炊き出しをするのかなど決めておかなければ迅速に対応することがで きません。    あらかじめ、炊き出しのできる場所、炊き出し器具の有無、炊き出 し時の役割の確認等を行っておきます。  1 炊き出し場所の確認     炊き出しを実施する場所としては、学校の校庭、公園、地域のコミュ ニティハウス等が考えられますが、水害の場合には水没したりして 使用できないケースもありますので、災害の種別に応じて複数箇所 を検討しておく必要があります。     また、備蓄品や支援物資の保管場所についても把握しておきます。 〈炊き出し場所となる可能性のある施設〉 ・公園     ・地域コミュニティハウス、公民館 ・学校給食施設 ・社会福祉施設等

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平常時から町内会や自主防災組織などができること 自主防災組織 町内会 自治振興協議会 〈炊き出しをする上で知っておいたほうが良い施設〉 ・備蓄品、支援物資保管場所 ・支援物資配給場所 ・給水場所

 ○精米所の確認

   農村部では、各家庭で米や野菜等を作っている家庭も多いため、災 害が発生しても食料には困らないと考える人も多いものです。しかし、 水害が発生した場合には、備蓄されている食料は汚水に流されるなど の被害に遭い、家庭の米も食べることができない場合もあります。行 政からの支給や被災地外の地域から米が届くことがありますが、精米 前の状態で届くことも考えられます。    そのようなことも想定し、事前に精米所などを確認しておくことが 必要です。 〈平成21年8月 美作市豪雨災害では〉  多くの家庭に米は備蓄されていたが、すべて水をかぶって しまい食べられなくなった。そのため、市に対して米の支援 を要望したものの、市からの米が届くまでは時間がかかった。  その間、水害に遭っていない米を確保したものの、精米 されていないものがほとんどであり、使用可能な精米機を 探すのに時間がかかった。   2 炊き出し用器具の確認     炊き出しには、通常作られる食数(通常20~50名分)よりも多い食 事を作ることが求められます。そのため、炊き出しには大量調理が可 能な鍋や釜が必要となることから、日頃から、大量調理ができる調理 器具が「どこに」、「いくつあるのか」等を確認しておくことが必要です。    (1)炊き出しに必要な調理器具      鍋、釜、熱源、包丁、まな板、盛りつけ食器類      100名分の炊き出しに必要な調理器具      (2)保管場所       施設内に大量調理器具は無いが、他から搬入すればできる場 合、何が・どこにあるか事前に把握しておきます。    (3)運搬方法       調理器具を炊き出し場所へ運搬する場合、運搬方法、運搬に 必要な器具等を確認しておきます。

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対応

平常時

平常時から町内会や自主防災組織などができること 自主防災組織 町内会 自治振興協議会  3 炊き出し時の役割の確認     炊き出しを実施する際に、食材の調達、器具の調達、調理担当、 配給担当等誰がとのような役割を担うのか、事前に確認をしておき ます。炊き出しを想定した訓練を実施するなどして、どのような役 割で何人くらいの人数が必要か把握します。  4 炊き出しの衛生管理の注意     炊き出しを実施するにあたっては、衛生環境が悪化している中で の実施となるため、使用する水、食料等の安全確認や消毒、調理の 知識等が必要となります。     炊き出しにより集団食中毒が発生する事例も報告されています。 炊き出しに使う水、食料等の安全性の確認や保健所が実施する衛生 講習会に参加するなど、衛生知識の習得をあらかじめ行っておきます。   【P128 参考資料7「炊き出し等の衛生管理に関する注意点」参照】

● 地域住民への普及啓発

   平常時からの災害対策について、市町村が中心となり住民への普及 啓発を行っていますが、各世帯で十分な備えができている状況ではな いようです。地区住民が参集する機会を通じて、町内会や自治振興協 議会、自主防災組織等身近な地域の関係組織において、地区住民への 普及啓発を図ります。  1 非常食の備え     住民に対して、家族3日分程度の食料の備蓄を呼びかけます。 これだけあれば安心 【P117 参考資料1「一般家庭用備蓄品リスト例」】 1人3日分の食料 水2ℓ      ×3日 無洗米、アルファ化米、乾パン 1日3食×3日 カップ麺 レトルト食品、缶詰

    1日3食×3日  2 避難訓練等への参加勧奨     住民に対して、市町村等が開催する避難訓練や防災をテーマにし た講演会等へ参加するように呼びかけます。また、地区住民が参集 する機会を利用して、地区での避難経路の確認や避難訓練等も実施 します。

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平常時から町内会や自主防災組織などができること 自主防災組織 町内会 自治振興協議会

● 安否確認、水・食材の確保と炊き出し訓練の実施

   地域において避難訓練を実施する場合には、災害時要支援者の安否 確認やこれらの人の避難方法等の確認をあわせて行い、また、水や食 材といった支援物資の搬入や配布の演習や実際に炊き出しの訓練を実 施するなどして、災害発生時に備えることも重要です。    訓練を実施することにより、問題点を発見することができ、改善す べき点を見つけることができます。

● 関係機関との連携

   災害時に適切に食料や水が提供できるよう、日頃から必要な食品や 物資、人材に関し関係団体や組織と連携体制を整備することが大切で す。地域に応じた災害時の支援体制について、関係機関と連携を図り、 災害時の対応に備えます。 関係団体例示:栄養士会、調理師会、栄養改善協議会、愛育委員 連合会、薬剤師会、食品衛生協会、社会福祉協議会、 老人クラブ、商工会、農協、NPO、難病患者団体、 看護協会等 関係行政機関:各市町村防災担当部局、県民局地域政策部等

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対応

平常時

平常時に関係機関や団体が準備できること 関係組織 栄養士会

「非常災害時の栄養・食生活支援マニュアル」によるシミュ

レーションの実施

   岡山県栄養士会が作成している「非常災害時の栄養・食生活支援マ ニュアル」を実践の場で活かせる体制を構築するため、地域での災害 発生時の連絡体制や被災地への支援体制を明確にしておくほか、平常 時に災害を想定したシミュレーションを実施しておきます。

● 関係機関(企業、組織)との連携

   被災現場では、保健機能食品や介護食等の特殊食品等の需要が見込 まれることから、これらを取り扱う企業等と連携し、災害時に対応で きる数量等を事前に確認しておきます。   【P121 参考資料2(参考)「社団法人岡山県栄養士会賛助会員一覧」参照】 平常時に関係機関や団体が準備できること 関係機関 看護協会

● 要支援者への指導

   病気のために食事療法の必要な人や食事の配慮の必要な患者指導に おいて、災害時の食の備えの必要性を指導し必要な食料の備蓄につい て助言します。

● 家族からの情報提供と関係機関との連携

   災害時には情報が伝わりにくくなるため、平常時から在宅患者の医 療情報等を家族等から提供してもらい、災害時に必要な医療が提供で きるよう関係医療機関や社会福祉施設、介護保険関係機関と連携を図っ ておきます。 平常時に関係機関や団体が準備できること 関係機関 そ の 他

● 市町村を越えた活動のための調整(NPO)

   災害時には多数のボランティアが必要となってきますが、市町村の 枠にとらわれず、支援活動が行われるよう、平常時から地域内外のボ ランティア組織と連携を図る必要があります。災害時に人材を適材適 所で送れるようあらかじめ調整を行っておきます。

● 情報伝達体制の整備(栄養改善協議会・愛育委員連合会等)

   災害発生時には情報が伝わりにくくなったり、情報が混乱すること が多く、どこの地域でとのような支援が必要とされているか伝わらな かったり、伝わるまでに時間がかかったりします。常日頃から、情報 伝達体制を整備し、災害時にすばやく支援が行えるような体制づくり をしておきます。

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平常時に市町村がすべきこと 市 町 村

● 市町村防災計画における適正な食料供給体制の整備

 1 市町村防災計画「栄養・食生活支援」内容の把握   ・自市町村防災計画の内容の把握     災害時における食料供給体制を知るためには、関係者が自市町村 の地域防災計画の内容を把握しておくことが必要です。特に、防災 部門で策定された地域防災計画は、保健福祉部門で十分理解される ためには、個々人が意識しなければ、その内容を把握することは難 しいことです。関係者が、それぞれの役割を把握し、お互いの役割 を共有することで災害時において最大限の力を発揮することができ ます。     まずは、自分のまちの地域防災計画を入手するとともに、必要に 応じて見直される場面においては、見直しの趣旨や内容をしっかり 理解するようにします。   ・防災計画における所属課の役割の把握     災害時における地域の安全を確保ための地域防災計画は、市町村 全体が一体となって取り組むことが求められています。特に、自分 が所属する課が災害時にどのような役割を果たすのかを知っておか なければ、いざというときに戸惑うばかりです。地域防災計画にお ける自分が所属する課の役割を十分理解しておきます。   ・防災計画に栄養・食生活支援の内容の記載     各市町村で策定される地域防災計画では、備蓄米や飲料水の確保 についての記載があります。しかし、実際の現場では、単に備蓄米 や飲料水があるだけでは、被災者の命を守る食事を提供することは できません。     地域に暮らす住民のことをよく知り、地域住民を守るためにどの ような栄養・食生活支援でなければならないかを関係者とともに協 議し、必要な事項を地域防災計画に盛り込むようにします。   ・防災計画の栄養・食生活支援内容における具体的な役割     地域防災計画に記載される内容について、具体的な役割が記載さ れ、関係者が周知していなければ、実際の場面では機能しません。     備蓄米や飲料水の確保等のほか、「誰が、どのように被災地へ支援 物資を搬入するのか」や、ライフラインが寸断された場合、「備蓄米 をどのように調理するのか」「調理する場所はどこなのか」「誰が調 理に従事するのか」等の具体的な内容と役割が記載されていること を確認しましょう。特に、乳幼児や高齢者、病気で食事治療を受け ているような災害時要支援者への具体的な支援内容が盛り込まれて いるか確認します。

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対応

平常時

平常時に市町村がすべきこと 市 町 村 2 連携体制の強化   ・市町村内で災害時の役割分担の共有     地域防災計画を基に、災害時における関係課の役割をそれぞれ把 握しておかなければ、効率的な活動につながりません。また、所属 課内においてもお互いの役割を認識し、情報を共有しておくことが 必要です。     そのためには、平常時から所属内でのそれぞれの役割を共有でき る機会を設けるとともに、他課との情報を共有できる機会を設ける など、それぞれの役割分担を明確にしておきます。   ・庁内他課の職員と災害時の役割分担の共有     災害時には、庁内が一体となって住民の安全を確保する必要があ ります。そのためには、所属課はもとより、庁内他課の職員が災害 時にどのような役割を担い、お互いの情報をどのように共有すべき かなどを知っておくことが、災害時の混乱を回避することにつなが ります。そのため、平常時から、それぞれの役割を共有するため、 庁内他課と連携を図るための連絡会等を設けます。   ・ 災害時、栄養・食生活支援が必要な人を栄養士等担当者へつなぐ体 制整備     医師や保健師等による巡回指導において、食事が食べられないな ど食に関する問題を抱える被災者を把握することがあります。また、 避難所へ支援物資を配布する時など、被災者と接する機会において も、食に関する問題を把握することがあります。そのような時、栄 養士等へ確実に情報をつなぐことで、食に関する専門的な支援を行 うことができ、低栄養等による健康状態の悪化を防ぐことができます。     避難所で起きている食に関する問題を栄養士へ確実につなぐ仕組 みを構築するため、平常時から関係者等と連携し、情報が伝達でき るような体制を整備しておきます。

● 適正な食料の備蓄

   災害時用食料の備蓄方法、備蓄場所、種類、備蓄量、輸送体制等を 検討し、その内容を整備し、一覧表にしておきます。     食料供給体制・内容    <備蓄方法>     ・公共施設の利用 ・ランニングストック    <備蓄場所>     ・避難所、輸送経路を考慮した便利な場所

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平常時に市町村がすべきこと 市 町 村    <種類>     ・主食、主菜、副菜に分けた缶詰、レトルト食品、フリーズドラ イ食品、アルファ化米、サバイバル食品※     ・飲料水等   ※サバイバル食品の機能  ①地球環境にやさしい②賞味期間が長い③水なしでも食べられる  ④合成保存料不使用⑤常温保存が可能⑥何年も味が変わらない等    <仕分け>     ・主食用食品、副食用食品、特殊食品(乳児用食品・高齢者用食品・ 病態用食品・栄養補助食品・食物アレルギー用食品)、飲料水等 に分けます。    <備蓄量>     ・2~3日分      【P124 参考資料4「備蓄食品の組み合わせ例」】により備蓄場 所の規模に応じた人数分を備蓄します。 〔備蓄食品の活用例〕 発 災 日 2~3日目 4日目以降 家庭用備蓄食品  (非常持ち出し袋)  

・アルファ化米、おかず類 缶詰等  ・乾パン、飲料水等 炊き出し 備蓄食品の分配 ・各避難所 ・在宅被災者 炊き出し 支援物資(食料)の 分配 ・お弁当 ・飲料水等 炊き出し    <協力機関>     ・国、県等の行政機関、JA、食品製造・加工業者等、スーパー、 コンビニエンスストア等

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対応

平常時

平常時に市町村がすべきこと 市 町 村

● 災害時の食料供給に関する協定確認

   災害時の支援物資の受け入れについては、近隣の県・市町村との相互 協力協定のほか、民間のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、 食品会社等と災害時の食料供給に関する協定をあらかじめ締結し、災害 時にいち早く支援物資を搬送してもらえる体制を整備しておくことが重 要となります。    また、地元のスーパーマーケット、コンビニエンスストア等とも災 害時に食料品の買い占めなどが行われないよう、あらかじめ協議を行っ ておく必要があります。

● 災害時要支援者の把握

   災害時要支援者について、迅速に支援が行えるよう、民生委員や保健 衛生・福祉部門が連携を図りながら既存の台帳の整理又はリストを作成 するなど該当者を把握しておきます。高齢者支援担当者や地区民生委員 等との協働で個別支援計画が作成できるとよいでしょう。 <把握対象者の例> ・乳幼児・妊産婦がいる世帯 ・高齢者世帯(高齢者のみの世帯、独居世帯) ・日中独居高齢者(昼間高齢者のみがいる)世帯 ・障害者のいる世帯 ・慢性疾患患者(糖尿病、腎臓病、難病等)がいる世帯  例)活用できる台帳等 対   象   者 利用できる台帳 担 当 課 妊   産   婦 母子手帳交付台帳 母子保健担当課 乳   幼   児 乳幼児健診台帳 母子保健担当課 高   齢   者 介護保険関連台帳 地域包括支援センター 高齢者福祉担当課 地域保健担当課 慢性疾患患者 各種保健事業対象者名簿 等 地域保健担当課保健所・支所保健課 食物アレルギー 保育所、学校把握台帳 保育所、学校等 障   害   者 障害者手帳交付台帳 障害者福祉担当課

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平常時に市町村がすべきこと 市 町 村

● 炊き出しの体制整備

   学校給食施設、社会福祉施設、地域コミュニティハウス等災害時の 被災者への食料供給可能な調理施設を把握しておきます。また、以下 を参考に炊き出しの体制について把握し、必要であれば給食施設の改 修・改善、調理器具の整備を実施します。   (1)ソフト面:食材の調達方法、調理法、栄養・衛生管理、人材確保方策   (2)ハード面:熱源・調理機器等の確保方策(コンロ仕様、使い捨て食器)   (3)継続供給のためのシステムづくり   (4)具体的な献立例の検討【P124 参考資料4「備蓄食品の組み合わ せ例」、P126 参考資料5「食事に配慮が必要な人の献立例」参照】

● 一般家庭における食料備蓄の促進

   大規模災害においては行政の対応が機能するまでに時間を要するこ とが予測されるため、一般家庭においても非常時持ち出し用とライフ ライン復旧までの長期にわたる災害のための食料備蓄が必要となりま す。食料備蓄の必要性について普段の保健活動時や広報等を活用し住 民に周知しておきます。   【P117 参考資料1「一般家庭用備蓄品リスト例」参照】

● 自主防災組織の育成・活動支援

   自主防災組織が未設置の地域においては、設立の働きかけを行うと ともに、災害時に実際に効果的に活動できるよう防災教育や訓練を実 施し、活動の支援を行います。    県民局地域政策部が行っている「防災出前講座」等を活用すること もできます。

● ボランティア活動への支援(団体の把握等)

   災害時には多数のボランティア団体が支援にかけつけますが、どの ようなボランティア団体が存在するのか、またどのような特色を持っ ているのか、あらかじめ把握しておくことで、適材適所にボランティ アを配置することができ、被災者の支援の手助けになります。    災害時に適切に栄養・食生活支援が行えるよう、関係団体や組織と 連携体制を整備することが大切です。日頃から地域に応じた災害時の 食生活支援に関する情報提供を行い、災害時の栄養・食生活支援体制 について検討を行い、災害時の対応に備えます。 関係団体例示:栄養士会、調理師会、栄養改善協議会、愛育委員 連合会、薬剤師会、食品衛生協会、社会福祉協議会、 老人クラブ、商工会、農協、NPO、難病患者団体、 看護協会等 関係行政機関:各市町村防災担当部局、県民局地域政策部等

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対応

平常時

保健所・支所が平常時にすべきこと 保健所・支所

● 災害時の所内の体制整備

 1 災害時の位置づけ確認     岡山県地域防災計画の食料・飲料水等の関連項目を把握するとと もに、災害時に生じる可能性がある栄養・食生活の課題を解決する ため、災害時の対応をシミュレーションするなど具体的な活動をイ メージすることが大切です。     避難所では、慣れない生活環境や衛生環境の悪化等に加え、十分 な食料が確保できないなど栄養状態の悪化も想定されることから、 栄養士等による巡回栄養相談等を行うことが求められます。     そのため、災害時における応急対策マニュアル等における所属課 の役割を把握し、的確に対応できるようにしておきます。  2 連携体制の強化     災害時に発生する様々な栄養・食生活に関する問題に対応するた め、栄養士等による巡回栄養相談が求められます。そのためには、 保健所栄養士等が中心となって避難所等での巡回栄養相談を効果的 に展開できるよう、平常時から、災害時における栄養士の具体的な 役割を明確にし、所内で情報を共有するなど所内が一体となった巡 回栄養相談が実施できるよう準備しておきます。     また、医師や保健師等により把握された食事に問題のある被災者 の情報が確実に栄養士へ伝わるよう関係職種と検討しておきます。

● 食料供給体制の把握と情報収集

 1 備蓄内容の把握と支援     災害時には食料支援等が求められることから、県関係機関及び市 町村、関係団体の備蓄状況や食料支援に関する協定状況を確認し、 関係者とともに具体的な配給方法を検討しておくことが必要です。     また、市町村や関係団体が行う備蓄について、種類や数量、保管 場所等についても必要な助言を行います。  2 保健機能食品等の情報把握     災害時には、災害時要支援者に対して、迅速に適正な食事を提供 するなどの対応が求められます。特に、災害時の混乱している時に、 きめ細かな対応は困難であることから、要支援者用食品や保健機能 食品を効果的に活用することで、健康状態の悪化を最小限にできます。     そのためにも、平常時から、要支援者用食品や保健機能食品等を 提供できる施設や食品メーカー等について情報を把握しておきます。 【P119 参考資料2「災害時要支援者用特殊食品例」(参考)「社団

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保健所・支所が平常時にすべきこと 保健所・支所 法人岡山県栄養士会賛助会員一覧」の活用】  3 要支援者の把握     在宅難病患者や人工透析患者等で災害時の食事に関する対応が必 要な人を難病対策担当者と連携して把握し、災害時の備え(食料備 蓄等)についての指導及び助言を行っていきます。     また、市町村における要支援者の把握方法等を確認するなど、平 常時から、要支援者の把握に努めるとともに、把握した情報は本人 の承諾を得て市町村へ情報提供を行います。  4 要支援者用の食料     管内の要支援者が、災害時に適切な食事が提供できるよう、市町 村の備蓄状況を把握するとともに、市町村や関係機関等と連携して 適切に食事が提供できる体制が整備されるよう関係者に対して助言 します。     また、粉ミルクやとろみ調整食品、保健機能食品など要支援者用 食品が必要となった時に迅速に対応できるよう、これらの食品を取 扱う業者を把握しておきます。  5 要支援者への普及啓発     災害時には、乳幼児や高齢者、病気のために食事治療を受けてい る人に適した食事を提供してもらうことは難しく、ある程度(3日間) は家族に必要な食料を備蓄しておくことが必要です。     そのため、地域住民や要支援者及びその家族に対して、必要な食 料の備蓄について、各市町村と連携し、日頃から広報紙やケーブル テレビ等の媒体を活用して普及啓発を図ります。     また、各市町村等で開催する防災をテーマにしたイベント(防災 シンポジウム等)でも、災害時要支援者の食生活支援の必要性を伝 えていきます。     さらに、避難所等で自分に適した食事が提供されていない場合で も、周囲に遠慮するなどして我慢し、結果的に健康を損なう人も報 告されています。避難所でも、自分に食べられない食事が提供され ている時には、栄養や食事の相談が栄養士にできることを伝えるな どの普及啓発に努めます。

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対応

平常時

保健所・支所が平常時にすべきこと 保健所・支所  6 要支援者の支援体制     災害時には、生活環境の変化のほか、被災のショックから食欲が 低下し、提供される食事が食べられないケースも見受けられますが、 このような状態が続くと、栄養不足や脱水症等に陥ることがありま す。しかしながら、避難所では個人の食事に関する問題を訴える方 も少なく、そのことが症状を悪化させることにつながります。     避難所では、医師や保健師等の専門職種が健康相談等を行ってお り、そのような場面で食事に関する問題を抱える被災者がいた場合 には、栄養士に情報をつなぎ、適切な食生活支援をすることが必要 です。そのため、日頃から関係者(医師、保健師等)と連携し、具 体的な情報伝達のシミュレーションを行うなどの連携を図ります。

● 市町村への普及

 1 防災計画における適正な食料供給体制の整備     被災者への食料提供のため、必要な食品や物資、人材が供給でき るよう関係団体や組織との連携体制が図られるよう支援します。ま た、要請先のリストアップも行うよう指導します。その中には、食 品販売 ・ 製造業者との契約等も含まれており、予算確保等の財政措 置についても助言します。  2 適正な食料の備蓄の指導     被災者の生命の維持のため、3日分程度の食品を備蓄するよう内 容及び数量の算出を行います。また、保管する場所や予算の確保に ついても助言します。  3 炊き出しの体制整備への支援     非常時に被災者へ食料供給ができる調理施設について日頃よりリ ストアップし、必要な調理設備等について整備を図るよう支援します。  4 一般家庭における食料備蓄の指導     災害の種類や規模により行政の支援体制が機能するまでに時間を 要することも想定されることから、平常時より家族全員3日分程度 の備蓄を各家庭で用意されるよう勧めます。

● 地域内の支援体制の整備

   被災者の健康維持や栄養確保を図るために適正な食料や水が提供で きるよう、必要な食品や物資、人材に関し関係団体や組織と連携体制 を整備することが重要です。日頃から地域に応じた災害時の支援体制

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保健所・支所が平常時にすべきこと 保健所・支所 について情報提供を行ったり、研修会・会議を開催し、災害時の対応 に備えます。 関係団体例示:栄養士会、調理師会、栄養改善協議会、愛育委員 連合会、薬剤師会、食品衛生協会、社会福祉協議 会、老人クラブ、商工会、農協、NPO、難病患者 団体、看護協会等 関係行政機関:各市町村防災担当部局、県民局地域政策部等

「食事ホッとカード」(災害時要支援者向け献立集)の普及啓発

   災害時に備蓄食品や支援物資を活用して、高齢者や慢性疾患、アレ ルギーのある人でも食べられるメニューを記載した災害時要支援者向 け献立集「食事ホッとカード」を各市町村の地区ごとに配布し、栄養 委員による料理教室等で普及啓発を図ります。    備蓄食品や支援物資でもちょっとした工夫で高齢者や慢性疾患のあ る人へ対応することができることを地域住民に伝えます。 災害時でも炊き出し現場で“簡単に作れる料理”を紹介した献立集です。 みんなでつくる災害時の食生活支援ネットワーク

食事

カード

http://www.pref.okayama.jp/page/detail-104975.html

● 衛生知識の普及啓発(手洗い講習会等の実施)

   災害時にはライフラインが寸断され、水道が使えなくなることから、 衛生環境が悪化することが想定されます。地域住民による炊き出しか ら食中毒が発生している事例もあるため、日頃から地域で手洗い講習 会等を実施するなどして衛生知識の普及啓発を行う必要があります。

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