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大学院理工学研究科生命科学部門

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Academic year: 2021

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《forum in FORUM》

X線微小領域元素分析デジタル解析システム紹介

大学院理工学研究科生命科学部門

柿崎 浩一

科学分析支援センターには2の走査型電子顕微鏡(SEM)が設置されています.それぞれにエネルギー分散型 X線検出器(EDX)が備えられており,微小領域の元素分析が可能となっていましたが,設置から 16 年以上が経過 し,電源部の故障により長らく使用できない状況にありました.この度,S-2400 型 SEM に Bruker AXS 社の XFlash 検出器が設置され,これに伴い解析システムも一新されました.

今回導入された XFlash 検出器はエネルギー分解能125eV(Mn-K α )と非常に高分解能なシリコンドリフト検出器 であり,軽元素(Be から測定可)においても高い分解能を実現しており高精度な元素分析が可能となっています.

また,検出素子の冷却はペルチェによる電子冷却のみで液体窒素や水冷による補助冷却も不要であり,メンテナ ンス性にも優れています.

測定・解析ソフトウェアは日本語対応の Quantax400 であり,以下の機能を備えています.

・ SEM イメージの取り込み

・ スペクトル測定

・ 定量分析(スタンダードレス,スタンダード)

・ 多点分析

・ ライン分析(定性,定量)

・ 全元素X線マッピング

・ 定量X線マッピング

・ ハイパーマップ

図 1 S-2400 型走査電子顕微鏡とX線微小領域元素分析デジタル解析システム 埼玉大学科学分析支援センター MaLS FORUM No.6, (2009. 1)

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- 14 - Windows XP 上で動作するこのソフトウェアは GUI

が非常に分かりやすく,これまでのシステムに比 較すると格段に使いやすくなっています.

図 2 は,SiO

2

基板上に FePtCu 合金とカーボン の複合薄膜を 60nm 堆積した試料のスペクトル測 定画面ですが,低エネルギー側(左側)から C,O,

Fe,Cu,Si,Pt のスペクトルが良好に分離した状 態で測定されていることがわかります.測定したス ペクトルをもとに定量分析を行う方法も非常に明 快であり,分析元素の指定,バックグラウンドの処 理,定量計算なども分かりやすい GUI で簡単に 行うことができます.結果は図 3 に示すような MS-Word 形式のファイルとしてエクスポートする ことも可能であり,そのまま論文や発表用のスライ ドなどに用いることができます.

図4 は,ハンダ表面のマッピング測定結果です が,画面の左下に SEM 像,鉛の濃度分布および 錫の濃度分布が示されており,これらを重ね合わ せたものが右上の大きい画像です.このように表 面形態と含有元素の分布を同時に知ることができ ます.また,測定に時間を要しますがマップ上の 各点における定量分析も可能となっています.

今回導入されたX線微小領域元素分析デジタ ル解析システムにより,非常に高精度かつ様々な 定量分析が可能になりました.これまで EDX を使 っていた方にはもちろんのこと,新規のユーザー にも使いやすいシステムですので,多くの方の研 究に活用いただけるものと考えます.

図 2 Quantax400 のスペクトル測定画面

図 3 スペクトルおよび定量分析結果のレポート

図 4 ハンダ表面のX線マッピング画像 埼玉大学科学分析支援センター MaLS FORUM No.6, (2009. 1)

参照

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