九州工業大学研究報告(工学)No.54 1987年3月 29
Ag−Zn合金のH2S雰囲気中における
耐硫化性のメカニズム
(昭和61年11月29日 原稿受付)
㈱安川電機製作所八百周作
加 来 久 幸
金属工学科中村崇
植 田 安 昭
AMechanism of Corrosion Resistant Behavior of Ag−Zn Alloys in H2S Atmospheres.
by Shusaku YAO Hisayuki KAKU Takashi NAKAMURA Yasuaki UEDA
Abstm〔t
Recent studies on corrosion behavior of ArZn alloys in H2S atmo叩heres were investigated from point of view of corrosion rate contromng kinetics, The corrosion ol Ag−Zn alloys ln l vol%
H,S atm・sphe…r・ve・led that the f・rmati。・。f the…r・ded film was n。t即1君i・・d by止e・am・
rate controlling mechanism as pure Ag, which was found玩alillear rate mechallism. The oxida−
tion behavior of Ag−Zn alloys in air was lnvestigat巳d by gravlllletric method・and oxide layer8 formed on the allo}・s were studiεd by XPS.
1t was found that the calculated vnlues using Wagnerls equation showed minimum concelltra−
tion around 23 mass%of Zn for exclusiΨe formatbn of ZnO layers on Ag−Zn aHoys. An investiga一 廿・nwa, c。,rie、1。。。c。rrelati・n betwee・出・p…en・e・f c・・tinu。・・e・・1・・i題ZnO lay・…n Ag−Zn alloys containing Zn more than minimum concentration and the excellent corroslon resistant behavior, alld parabohc rate controUing mech田ism・
は合金上の腐食皮膜の表面解析を行い,腐食皮膜の構造
1瀦言 には、。舗率によって差力嚇ことなど醐見を,口
鵠らの一部はさき喘租繊のA、−z。合金および報告した㌍
合鎌{・ついて.、。。1%H,Sガス雰囲気弓・1における腐 A、−Z。合金の蹴化性は,継的1・{まLE、P6・eら5)
食試験を行いその耐硫化性を検肘した:調その結果, が既に述べたようにAgイオンを通しにくい安定な いずれもZn含有率が約30ma55%(以下詞じ)をこえる ZnO皮膜の存在によるものと考えられる。しかし従来,
と純Agとくらべて藷しく酎硫化性が向上し, Zn約40 各穣の組成のAg−Zn合金について表面の保護皮膜とし
〜60%の範囲内にある合金は腐食皮膜厚さが純Agの約 てのZnOの形成のされ方を澗べ・耐硫化性との閑連に 1/]000程度まで薄くなることを明らかにした。また同時 ついて検討した研究は行われていない。
に電気的接触特性についても舗査を行った;また箸者ら 本報では基本材料であるAg−Zn合金について.これ
30 八百周作・加来久幸・中村 崇・植田安昭
までに得られた耐硫化性を純Agと比較し,かつ表面保 1°
護皮膜と考えられるZnOの形成のされ方を検討して, 1v。咋H識 3D3 K、
耐硫化性との凹係について考察を加えたので報告する。
2.実験方法
コ 2.1. 試料 セ 10
已 Ag(99・99%)およびZ・(99・999%)地金を用いて 三 別報1〕で述べた方法によりφ6−7mmの丸捧を溶解作 § ロ 製し,切削によってφ約5x約3Gmmの試1料を切り出し § た。鋳造丸捲ごとの試料のZn含有率の範囲を表1に示 昆 す。また同時に比較試料として純Agを用いた。 1ゴ
乏 ノ.
10コ
三 巳 昌 』 曇 暑 10富
表一1 A9−Zn合金試料 △一△幽白的
O−o A⊆卜Zn nlloy[Zn 7.0覧)
●一● A口.Zn口11qy{Zn 145〜148「㌔)
o−O A9・Zn nUoy lZn 1日,5−∨19.5「祐〕
x−x Ag−Zn凸noy〔Zn 35.5「毘1
1 10
105 106 10,
E・P。・u・・P・・i。dβ
2・2・硫化試験方法 図一1 曇露期間とAg・Ag−Zn合金における腐 別報1}のガス硫化試験装i置によ1〕, 1Ψol%H2S, 食生成物の電解還元電気量の関係 303K,90%RHのN2−02雰囲気(02,16vo1%)中で1.
7×106S(20d)および6.9×1055(8d)の腐食を行っ ほぽ直線則に近い勾配を示す。一方, Zn35.5%試料は た後,別報ηに述べた方法でりん酸紐衝溶液を用いた電 ほほt臼に比例して放物線則に近く,純Agの傾向とく 解還元による皮膜の定量化を行った。 らべて明らかな差が認められ,両者の律速過程の差を示 2.3.酸化試験方法 唆している。またZn7』−19.5%の各試料はいずれも 切削後の試料をエタノール超音波洗瀞後真空乾燥し. まったく同一の勾配を示しており、ほぼt田に比例して 直ちに353Kの大気中で最長2.24×】06S(26d)の加熱 純AgとZn35・5%試料との中間にある。したがってこ を行い,途中でSarto丘us 2405型メカニカル直示天秤を れらの各試料では純AgとZ1135.5%試料それぞれの律 用いて酸化増量を求めた。 速過程の混合のようなプロセスがあるものと思われる。
また,同一温度で6.9×105S(8d)加熱後の試料に 3.2.酸化試験結果
っいて,X線光電子分光装置(Dupont一島津650B)を Zn14.5%,35.5%,60.8%および86.4%の各試料に 用いて加速電圧5KV, Arイオン照射密度約5×10一 ついて, XPS深さ方向分析を行つた結果, Zn含有學に 2A/m2でスパッタリングを行いながら, Mgk。を励起 よって2杣類の特徴のあるスペクトルパターンが認めら 源としてAgの3d5/2, Znの2P3/2および0の15軌 れた。図2において, Zn 35.5%試料のAg 3 d5/2スペ 道光電子スペクトルを測定しXPS深さ方向分析を行っ クトルにはスパッタ開始前に金嘱Agによるピーク368・
た。結合エネルギーの較正はAu蒸着膜について4f7/2 0eVが認められず,スパッタの進行によって初めて存在 軌道光電子スペクトルを基準として行った。 が認められる。この傾向はZn35.5%試料だけでなくて・
Zn60,8%および86.4%試料においてもまったく同様に
3・実騰果および糖 鋼られる。このことから,これらの各酬ではいず]・
3.1.硫化試験結果 も表而に皮膜が存在することが明らかである。一方,図 Z。7.0_35.5%の各試料につし・て,].。1%H,S 303K 3に劇・てZ。14,5%試料については,スパ・タ開螂ll
腐宜後に得られた電解遼元電気量を図1に示す。図にお に金属Agによるピークが明らかに認められ,表面が皮 いて純Agの腐食速度は腐宜時川tの4/3乗に比例し, 膜によって掩われていないことを示している。また図4
5pecimen No・1 1 i 2 3 4 5 6 7
ZinC即ntcnt omas5%) 7.o
14.5
黹?S.8
]且5
̀19.5
35.5
̀35.9 37.8 60.8 86.4
Ag−Zn合金のH担雰囲気中における耐流化性のメカニズム 31
言
巴 呈 三
5
エ 昼
8
6£
Zn 355%
Ag 3d・・2 。xidi、e曲Ai,
5K。p、 お3Kl 8d
54605 15605
60s−〜一一一〜____
0苫一一一____
372 370 368 366 364
Binding Energy/eV
図一2 酸化されたAg−Zn合金表面層の Ag3d5/2光電子スペクトル
言
ぎ 巴 三 呂 と 旦
8
石 左
Ag 3d5/2 Zn 14.5%
oxidiz∈〕d ln Air
5Kcps 353 K.8d
6605 60s os
Sputtering time
372 370 368 366 364
Blnding Energy/eV に示すZn35、5%試料の01sスペクトルについては,
、 図一3 酸化されたAg−Zn合金表面層の チ+一ジアップシフトのために本来のZnOの位置530・ Ag3d5/2光電子スペクトル
6。Vよりもやや高エネルギ側に偏る傾向があるが,ス
バツタリングの進行につれてOスペクトルのピーク高 よぴユ4.5%試料のZn 2 P3/2スベクトルを示す。 Znスペ さが次第に低下してお1〕,一様な酸化皮膜がスパプタリ クトルの位置は0ユsスペクトルの場合と同様に,初間 ングにより次第に薄くなることを示している。一方図5 にはチャージアップシフト効釆のために本来のZnO位 に示すZn14.5%試料のOlsスペクトルにおいては, 雌ユ02L5eVよりやや高エネルギー側へと偏る傾向が認 同じ位置にあるZnOスベクトルのピーク高さがスパワ められるが,いずれもZnOからスパッタリングの進行 タリングの進行にともなって一旦低下し,また上昇する につれて金属Znの位置1021.OeVへと変化するのが認め 傾向が認められる。したがってこの試料には一様な酸化 られる。
膜が存在せず,酸化物が2次元的ないし3次元的に不均 353K大気中で加熱後のZn14.5%,18.5%および37.
一な分布をしていることが示されていると考えられる。 8%の各試料について得られた酸化増量一時!|ll曲線を図S また図4と図5とを比較すると,01sスペクトルの に示す。図は元の測定値について回冊式を求めた上で原 ピーク高さには明らかに差が認められ,商Zn合金の酸 点補正をし,加熱時間tの平方根に文・「してプロットして,
化物層の厚さとくらべて低Zn合金において酸化物が存 原点補正後の回帰式とともに示した。図から, Znl4.
在する層が薄いことが示されている。01sスペクトル 5%およびi8.5%の2試料では比救的ばらつきが少なく のピーク高さはZn35.5〜86.4%の各賦料ではほほ回一 放物線則に従った酸化皮膜の成長が認められる。また であり,これらの試料間には酸化皮膜の厚さに著しい差 Zn37.8%試料ではかなりばらつきはあるが,ほぽ放物 がないことを示した。図6および図7にはZn35.5%お 線則に従った酸化皮膜の成長が醒められ、酸化連度は
32 八百周作・加来久幸・中村 崇・槌田安昭
≧
巴 皇 旦 呂 き 芸 皇9
江
Zn 35、5%
01・ 0.id巨ed in Ai,
1
5000p5 353K. Bd
≧
誓 署 三 三 量 呂 言 庄
01s Zn 14・5%
Oxidizロd in A r 500cps 353K,8d
536 534 532 530 528 526
Birld㎞g Energy∬eV
図一5 酸化されたAg−Zn合金表面層のOls光 電子スベクトル
536 534 532 530 52B 526
[ヨinding Ener⊆]y/eV
図一4 酸化されたAg−Zn合金表面屈のOl3光 電子スベクトル
もっとも小さい。各獣科について2.24×106s加熱時点に おける酸化速度恒数杉を推定すると,Zn]4.5%試料で き 約1.6×ユ0−・5kg2・m4ノ・,18.5%試料で約6・3×・0− @§
・6k・2・m4/・,またZ・37・896試料では約1・5×1ザ{
6kg3・㎡ソ・が得られる・ …
ロ 3.ヨ.考察 言 Ag−Zn合金における酎硫化性に閲する別報11および 豆 江
既報2;の結果と図1の結果とを比較すると,Zn35.5%
試料は耐硫化性が著しく改善された組成域に近い。一方 Zn70−195%の各試料はそれほどZnの効果が認めら れない領域に属することが明らかである。すなわち,図
Zn 2p3∫2 Zn 35.5%
Oxidized irl Air
I 10Kcp5 353 K、8d
1。27 1。251023 10211。19 101ア 1【、示唆される麟榊硫化反応律速過程の差{まそのま Binding Ene「gy/eV
ま耐硫化性の差として現れているものと考えられる。 図一6 酸化されたAg−Zn合金袈面層の 実用環境に比較的近い雰囲気の中での純Agの硫化腐 Zn2P3/2光電子スペクトル
A倉Z・合金のH・S酬気中1・おける耐流雌の効ニズム 33
食速一いて・Ψli Abb・・〜 7)らはH・Sの靴}・の糊…と見解を示している.剛、、{蜘ま雰匪1気』
よ漣成さ描s・欄ヒの主眠f・幽程はs・が雰ス離が1酬・高くなり,酬皮膜の成髄度が大きく 腋中を剛する過程で劫・A・・S中のA・商ンのな砒A・・S中のA,イわの鰍が{鍵段階とな・〕,
拡幽程ではないことを示した・またこ醐飯応眺反応は放物線則・従うことを併せて示している.A、,s 剛線Pl」に従うと述べている・B・TR・・g・・ら8)も喘中のA、イオンのm。b・li、,が廿に大きいため}、1・通常
Zn 2 Pコ 2 Zn 145%
Oxidized in Air
10K。ps お3K.8d
≧
巴 皇 忘 き き 雀
£
£
江 60s
os
Sputt[2rhg tim日
1027 1025 1023 1021 1019 1017 − Birlding Er1日rgy/eV
の雰囲気濃度では皮膜内の拡散が律速段階とならず,し たがって放物線則にはよらないものと考えられる。図9 に純Cu板上のAgめっき材を試料とした時の,著者ら の一部による4租類のプラントでの長期暴露試験におけ る腐食皮膜即さの成長曲線を示す。この場合腐食生成物 はすべてA牢Sであることが確認された。
したがって腐食皮膜厚さ1μmは重丑増加にして約7.
2×ユo−3kg/m2に相当する.図ではごく皮膜の薄い試料 を除いて1各プラントにおける皮膜厘さの成長がほぽ直 線則に従って行われている。これらの結果はW.H、
Abb… 〕 7}やB.TR。。g。,ら8)の述べたところと_致
していると考えられる。またこの傾向は純Cu板につい てもまったく同様に認められる。図にはO、]vo1%H迅ガ スによる短期の暴露試験結果が併せて示されており 皮 膜成長がほぼ時間tの4/3乗に比例して直線則に近く行 図一7 浴G㌶鵠惣辞面層の オ・れているのが認めら縞図・にお・ナー%H・s
ガス中の純Agの硫化皮膜成長の勾配は図9における0.
1Ψol%H2S中での勾配とまったく等しく,かつ実際の環 10
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E・p・su・・p・・i。d・π/d・ E・p一問剛ゾd
図一8空購囲気353K{・おけるAg−Z・合金 図一9現融び臓腐館験{こお【ナる麟Ag
酸化物生成速度 板上の硫化物生成速度
34 八百周作・加来久幸・中村 崇・植田安昭
境における皮膜成長の勾配にほほ等しい。したがってこ
㌣一一 ・ 。
㌶蕊㌶㌫鷲き㌶霧二三こ1__.
{三lt速段階でないことが示されているものと考えられる。 ≧ 一方,図・におけるz・35・5麟トの勾配は明らかに放三3 物線貝1]に近く,合金と反応界面との間にAgイオンの拡 コ 散の隙i害となるような層が存在して,層内の通過過程が 律速していることを示唆している。また,Zn7.0〜19.
_4
×一 ピー一一×
血 R−
923K
5%の各試料について図1に⊇・て⊇果は・拡散 ゜ 1°、,C。ぷ/_,%3° 4°
阻害層の形成が高Zn試料ほど十分に行われていないこ
とを示唆しているものと考えられる.大気勅1|撒略 図一1°9躍搬躍金の酸イヒ賦験にお 試料について,図2一図5で得られたXPS深さ方向分
析の結果は,このような拡散阻害簡としてのZnOの一 るためには,たとえば353kにおけるAg−Zn合金のDz。,
様で連続な皮膜の形成の有無を示すものと考えられ.図 酸化速度恒数kpおよびモル容積が必要である・TShi−
]の結果と結びつくものと思われる。 mo題kiら12)は純AgとAg−Zn合金を拡散対として,
C.Wagner1°]は,ある合金で溶媒金属M,と溶質金属 Z.20at%を上限とするAg−Znα固溶体について相互拡 M。のそれぞれの酸化物の解離圧に大きな差がある時, 散係数D,活性化エネルギーQ振動数項D。,およ 合金表面上に溶質金属酸化物が排他的な層として形成さ びZnとAgの固有拡散係数の比Dz./D,、9,ならびにそ れるために,合金と表面酸化物層との境界に内部からの れそれのZn濃度依存性を得ている。これらの数値をも 拡散によるM。の一定流速が必要であるとして,M.の とに, Ag−Znσ固溶体のZn固溶限と推定される 一定濃度NM.(min)を求める式を次のように提示した。 Zn30at%前後までを外挿して353KでのDz.を各濃度ごと に推定する。
N・・・…=(・ 却D)吋16 z晦 c ・ω また酸化速随数について齢回破鞠果図8のう
上式において ちZn37.8%について得られた数値を概数として用いる。
16:0の原子斑 平均的なモル容積としては9.5を用い,上記の各値から ZM,:溶質金属M。の原子価 概算したZnO形成のための濃度はほぼα固溶体のZn C:合金の単位体積当りのグラムモル数 固溶阻に近く約23mass%となる。図2に示すように D:溶質金属M.の合金中での拡散速度係数 xps深さ方向分析結果からZ1114.5%試料には一様な kp:重量増加で表した酸化速度〔△mヲt) ZnO皮膜の存在が認められない。また図8の酸化試験 C.Wagnerは実際に酊黄銅に対してこの考えを適用し. 結果とDunnによるCu−Zn合金の結果(図]0)とを照
表面にZnOが排他的に形成されるためのZnの最小濃 合すると, Zn14.5r8.5%の問は一様なZnO皮膜が形 度1Vエ ㎞)を14−16%と算出した。これより先, J. S. 成されない中1UI領域に当ると見ることができる。さらに ノDum1】}はα黄銅の酷化について検討した結果,図10に 図1によればZn7.0_19.5%の各試料はまったく同一の
引用したようにZn含有率約15%を境として酸化増量が 傾向を示している。図10で酸化温度が低下するほど中1田 急に低下するという結果を得ている。cWagnerの計算 領域が低Zn含有率側に拡がる傾向が認められることと 結果はこれをよく説明している。ただし彼は〔1〕式にはよ 併せて考えると,353k酸化におけるAg−−Zn合金では
らずに各濃度ごとの拡散速度係数」卍。の代1〕にZn含有 Zn7.0〜]9,5%が中lll]領域に当ると考えられる。これら 率0%と]0%のCu−Zn合金の数値から. Dz.がZn濃 の結果から, 押z,、{口b)は{1)式による概算の結果にかな1,
度に対して指数函数で表されるとした別の式を作成して 近いところに存在するものと考えられる。図1ユに 用いた。 Ag−Zn合金,電薪膜および拡散加熱膜の耐硫化性に関 Ag−Zn合金について〔1〕式を用いて表面にZnOのゴ製96 する別報1)および既報2}の結果を総括整理したものを 皮膜が排他的に形成される時のZn濃度Nz・↓輌}を求め 303K腐食試料について示す。図は純Agうえの腐宜皮
Ag−Zn鍵のH・S雰囲気中における醐ヒ性のメカニズム 35
1 …K・Dd 率5°%轍でもっとも囎酬櫛く,さら1・Z。が増
・i三謄i蹴隠茎霊1:灘二繋嶽鷲
5%・60・8%および86.4%の各試料ではXPSスペクト
.、 ルの解析結果では表面に形成されるz。O皮膜の厚さに
ほとんど差がないことが確かめられている。これらのこ とから・Z・約5・%未満の闘米}で1蹄随膜がAg、S
日 王体であって Z・O層を通過するA、イわのm。bili,,
が硫化腐食速度を支配するのに対して,Zn含有宰がこ れをこえる合金では腐食皮膜中でZnSの占めるウエイ トが逐・次高まって,ZnO層を通るZnイ才ンの流れの大
君 きさ酬ヒ離離軸凱ているものと教られる.
ZnOは常に化学量縫比よりも過剰なZnを格子III}Znイ オンとして含み,電気的中性を保つために存在する格子 聞電子が電気伝導に寄与するn型半導体であることは よく知られてい譜z・Oの格子点の一部をZ。よりも 低い原子価の金属イオンで置換させると,金体として中 性を保つために置換イ才ン]個について格子間電子1個
1°2°3°4°5°6°7・8… がi妙し.質酬用の法卵・らP。,カ・一定塒は格子 Zn…1・・t/m ・ rl・l z・輪瓢が勒1】しなければならない.格刊II金 図一11303K腐飢おけ縄解翫電気蹴と 属廿ンの流れの大きさが格子間錨柿雌度砒例 Ag Zn合金のZn離とく するとすオ・ 刊1⇔⊇おてZ。。の成長
速度すなわち酸化速度が増大することになる。C,
頚の喘翫電緬を1・・%として1各瓠繊の酬のG・n・・hl当1まLiの添加【・よってZ。の酸継度酬大 比率を示している・353K囎でもまったく同様の傾向することを確かめた.Z。・に認められるこのような原 蝿められた・図からぷ硫化性力・麟されるための子酬働果はZ。・糎でも嚇に現れること力,LF Zn舗率は約2・−3・%と融らゴ・る・したがって,こH・・kdb,,gら 5〕によっ蹄かめられている。これと れまでの酬糊1と計購果と舗手舌すると,Z・・のまったく嚇婦え方力・Z。。層樋したZ。付ン1、
一搬膜の形成によりA・イわの端醗として酬よる硫化頗の成長においても鯛されるものと思わ茸L
であるためのZ・酬率は約2・%近くと1{E定される.Z。 る。
舗率がこれ以下の中rln領域では・蜘の例に 1)なら またA、・イオンが姐ながらZ。。格子中1、含まれた 綱表蹴A…が生成後1吋部から撚して来たZ・場合にもLi・イオンと同様醐郷生じて、、るものと考 によ1〕蹴されて・A・+Z・・として存在すると思われえられる.このため,Z。・綱を逝る、。ロンの流オ⊥
ア サ
゜°一のよ・な層はA・イオン拡散1・対する抵抗杯+ が」酬してz・Sの齪速度が大きくなるものと思われ 分で・綱中陥域に当る繊で剛・に示禅動槻る.合金のz・舗率が更に砧くなると,z11。中のAg
られるものと毅られる・また,図・・では一部を除詮材ン瓢が低くなって格刊JZ。イオン激も肝し,
金と合鍬の耐靴性の勒力・まったく等しい.した純Z・にお・ナる・。S囎長避に収鮒一る。いまひとつ,
がって轍化性とZ・・皮膜の繊との酬性{・ついてA,、SとZ1、・とでは1司一電解聡丑尉する皮肛莫厘さ1こ の考栖は・Ag−Z・合金とは搬の』亀なる2酬の合約・25・1の勤・あるので,剛の餉}、はその点瞬 鋼・対してもまったく同様に適用さ旭ものと考えら慮も必眠思わ2、る。
れる。
なお・Ag−Z11合金において図11に示すようにZn含宥
36 八百周作・加来久幸ヰ村崇 細安昭
の一様連続皮膜形成の有無により支配される。
4・結言 {7)A、−Z。合金上にZ・Oの連続皮膜を繊するため
Ag−Z。合金の・.。1%H、Sガス}・よる硫化腐食速度に に必融Z・含有率は・計算によれば約23mass%と 関する実験を行って綱姫応の律速過程について純 咽溶体の臨容限に近く一・・1%H・Sガスによる A、と比轍肌た.また,353Kにおけるプ・気中加熱 腐館験で鍵ら描傾向とほぼ噛する・
化鰍の微面の酸化皮膜の解析を行った.これら噛 (・}合鑓棚や拡枷鰍の耐硫化性は同一組成の 果と.耐硫化性に関する別報 }および既報㌔結果とを ソリ・陪金とまったく等しい・3都同一の繊 総合麟して,Ag−z。合金の嚇化性の劫ニズムに 化性メカニズムによってし ると担られる・
ついて考察を行った。
結釆の大要はつぎのとおりである。 本研究の遂行に当り・A・−z・合金の蔽化増斑測定を 頂いた㈱安川電機製作所研究所の坪根嘉房氏に厚く感謝 (1}0.ユvol%H2Sおよび1vol%H2Sガスを用いた加 の意を表します。
蹴験における純A・嚇化腐燗莫厚さの成長は・参考文献
腐食時1田tのL2一ユ.3乗に比例してほぼ直線則に従
い・実用環柵・おけ熾則(直劒にほぼ近鵬霊驚謬薔i㌶㌫艦工学
レ、o き稻.. 53, 25 (]986)
(2〕Zn35.5%を含むArZn合金の1Ψol%H2Sガス 3)八百.加来・中村1日本金属学会置吉・投稿中
徽}・よ酬酬厚さの成長1ま・1まぽ・ 4}・比例8蕊,隠欝:Tl鷲欝蕊i,己29(193、)
して放物線貝1」に近く,律速過程が純Agとはまった 6)W. H. Abbou&H. R. OgdCI1:4th InしRe5・Symp・
E1ξc1r. Contoct Phcnom亡nn.,35(]968)
く異・なる。
. 7)W.14.Abb・n・IEEE・T・・・…PMP 5・156(]969)
(3〕Zn7.0−19.5%のArZn合金のユΨol%H2Sカス 8)B、 T、 Reag。r&」. D Sinclair:J. Electmchem. Sn輪128・
による硫化腐食皮膜厚さの成長 ま.ほぼt° 7に比例 70](1981)
し噸貝・」からずれ、㈱則・・も蹴い・ 蒜蕊灌㍍1已惣鑑罵6岬)
(4)Zn35.5%以上を・含むAg−Zn合金には表而にZnO ユ1)」・S・Dunn:J・Inst・Mc抽ls・・4625(193】)
12)TShim。、。ki. K lt。&MO・i・hi・T・….JIM・、27」60 の連続皮膜が形成されている。
(1986)
(5)Z。14.5%を含むAg−Z・合金{こは表面に金属Ag 13)たとえばD. K。b。・h・w・ki&B. E、 H。pki… 0・id・・i・・
層があ・LこれとZ・・と力端するがZ・°のr、雲:,惣:㌫謬鷺1蒜il㌶(1閲,
続皮膜は存在しない。 15)L.EI4eck15borg, A. Cl且rk&:G. C. Bailey:J・Phy5・
〔6)Ag−Z。合金の耐硫化性は合金…緬におけるZ・O Ch・口66・559{1956)