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浦松 正 論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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浦松 正 論文内容の要旨

主 論 文

Involvement of apoptosis inhibitor of macrophages in a rat hypertension model with nephrosclerosis: Possible mechanisms of action of olmesartan and azelnidipine

(腎硬化症モデルラットにおけるapoptosis inhibitor of macrophageの関与

:オルメサルタンとアゼルニジピンの作用メカニズム)

Tadashi Uramatsu M.D., Tomoya Nishino M.D., Ph.D., Yoko Obata M.D., Ph.D., Yohei Sato M.D., Akira Furusu M.D., Ph.D., Takehiko Koji Ph.D., Toru Miyazaki M.D., Ph.D., Shigeru Kohno M.D., Ph.D.

(Biological and Pharmaceutical Bulletin)

〔in press〕

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科新興感染症病態制御学系専攻 (主任指導教員:河野茂教授)

緒 言

慢性腎臓病の主な原因疾患の一つである腎硬化症は腎の細小動脈レベルで動脈硬化 が進行し腎機能が低下する疾患で、その進展にはマクロファージの浸潤を伴った間質 の線維化が関与していることが報告されている。

近年、マクロファージのアポトーシスに関与する蛋白として、apoptosis inhibitor of macrophage (AIM)が注目されている。AIMは、酸化LDLの刺激によりマクロファージ が産生分泌する蛋白で、autocrine、 paracrineにマクロファージに作用することでその アポトーシスを抑制し、動脈硬化の進展に関与するとされている。我々は以前、ラッ ト腎硬化症モデルの腎間質内にマクロファージの浸潤を認め、レニンアンジオテンシ ン系抑制薬のolmesartan (OLM)とカルシウム拮抗剤であるazelnidipine (AZN)の投与に より降圧及び尿蛋白の程度とは無関係に浸潤マクロファージ数の減少と間質の線維 化が軽減することを報告した。今回我々は、ラット腎硬化症モデルにおけるAIMの発 現を検討し、更にOLMとAZN投与による間質の線維化及びマクロファージ浸潤抑制機 序におけるAIMの関与を検討した。

対象と方法

腎硬化症モデルとして脳卒中自然発症高血圧ラット(SHRsp)を用い、control 群、

hydralazine (HYD)群(20mg/kg/day)、OLM群(3mg/kg/day)、AZN群(10mg/kg/day)に分け、

20 週齢より各薬剤を連日経口投与し、12 週後に腎組織を採取した。線維化の評価は マッソントリクローム染色で行い、画像解析装置を用いて間質線維化面積を半定量化 し た 。ED1(マ ク ロ フ ァ ー ジ の マ ー カ ー)AIM、 酸 化 LDL お よ び monocyte

(2)

chemoattractant protein-1 (MCP-1)の発現は、免疫組織化学で検討した。アポトーシスは terminal deoxynucleotidyl transferase-mediated dUTP nick end-labeling (TUNEL)法で検出 した。また、顕微鏡倍率200倍で無作為に20視野を抽出し、ED-1、AIMは陽性細胞 数を数え、酸化 LDL、MCP-1 は陽性面積を画像解析装置で半定量化し、各群間で比 較した。

結 果

OLM、AZN群ではcontrol群、HYD群と比較し、有意な浸潤マクロファージ数の減少

と間質の線維化抑制を認めた。浸潤マクロファージにおけるアポトーシス抑制蛋白で ある AIM の陽性率は、control群、HYD 群と比較し、OLMAZN 投与群で有意に低 下し、TUNEL 陽性率は、control 群と比べ、OLM、AZN 群で有意に増加していた。

AIMの産生誘導因子である酸化LDLの発現は、control群で腎間質の尿細管上皮細胞 に認め、OLMAZN 群でその発現は減少していた。さらに、マクロファージの遊走 因子であるMCP-1の発現も検討したところ、酸化LDLと同様、control群で尿細管上 皮細胞にその発現を認め、OLM、AZN群で減少した。

考 察

本研究では、control 群で線維化した腎間質における浸潤マクロファージの AIM 陽性 率の増加と TUNEL 陽性率の低下を認めた。また、AIM の産生誘導因子である酸化 LDLは尿細管上皮細胞でその発現増強を認めたことより、ラット腎硬化症モデルの間 質線維化進展に酸化LDLを介したAIMの産生分泌亢進が関与している可能性が示唆 された。一方、OLM AZN投与により浸潤マクロファージにおける AIM 陽性率の

減少と TUNEL 陽性率の増加を認め、間質の線維化は抑制された。また、OLM 群、

AZN群では酸化LDLの発現も抑制されていたことから、近年報告されている両薬剤 の抗酸化作用により AIM の分泌が低下し、浸潤マクロファージ数が減少することで 線維化を抑制した可能性が考えられた。マクロファージの遊走因子であるMCP-1

control 群の尿細管上皮細胞に発現を認め、OLM、AZN 群でその発現は減少していた

ことから、マクロファージ浸潤機序には MCP-1の関与も考えられた。

OLMAZNは、抗酸化作用を介したAIM及びMCP-1の発現抑制により腎間質にお ける浸潤マクロファージ数を減少させ、線維化抑制効果を有している可能性が示唆さ れた。

(備考)※日本語に限る。2000字以内で記述。A4版。

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