幾何学序論1 K.Ichihara
前回の補足 整数とは
整数の集合の構成 0 負の数 整数の演算と大小関係
整数の演算 整数の大小関係
補足 練習問題
幾何学序論1
市原一裕
2014
年6
月23
日(月)2
限幾何学序論1 K.Ichihara
前回の補足 整数とは
整数の集合の構成 0 負の数 整数の演算と大小関係
整数の演算 整数の大小関係
補足 練習問題
小テスト
1.
集合S
上に同値関係R : S × S → { 0, 1 }
が定義さ れているとき,元x ∈ S
を代表元とする同値類の 定義を書きなさい.2.
R(a, b) = {
1 a
とb
は4
で割ったときの余りが等しい0
そうでないで決まる写像
R : N × N → { 0, 1 }
が,自然数の集 合N
上の同値関係になることを示しなさい.3.
上で与えられたR
が同値関係になるとして,f (n) := cos(nπ)
で決まる写像f : N → R
には,誘導写像が存在することを示しなさい.
幾何学序論1 K.Ichihara
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整数の集合の構成 0 負の数 整数の演算と大小関係
整数の演算 整数の大小関係
補足 練習問題
前回の補足(1)
【関係(
relation
),同値関係(equivalence relation
)】集合
X
に対して,写像R : X × X → { 0, 1 }
を,X
上の関係という.集合
X
上の関係R : X × X → { 0, 1 }
が以下の条件をみた すとき,その関係をX
における同値関係という.1. ∀ x ∈ X, R(x, x) = 1
2. ∀ x, y ∈ X, R(x, y) = R(y, x)
3. ∀x, y, z ∈ X, R(x, y) = 1
かつR(y, z) = 1
ならばR(x, z) = 1
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整数の集合の構成 0 負の数 整数の演算と大小関係
整数の演算 整数の大小関係
補足 練習問題
前回の補足(2)
自然数の大小関係,和・積
自然数の集合
N
に対して,集合と写像(だけ)を用いて,大小関係(順序) と,和と 積の演算が定義できる.
残念ながら,ここでは詳しいことは省略.
これまで直感的に理解して来たような性質が,
自然に成り立つような定義になっているので,
計算などではこれまで通りに使って良いことにする.
注意
3.2.4
演算(
operation
):正確には二項演算(binary operation
).集合
X
上の二項演算とは,写像X × X → X
のこと.幾何学序論1 K.Ichihara
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整数の演算 整数の大小関係
補足 練習問題
整数の集合
【整数の集合
Z
(integer
)】自然数の対の集合
{(a, b) | a ∈ N, b ∈ N}
つまり,直積集合
N × N
を考える.ここで,
(a, b) ∼ (c, d) ⇔ a + d = c + b
で定義される関係を考えると,これは同値関係になる.
商集合
( N × N )/
∼を整数の集合Z
と定義.Z
の各要素を整数 と定義.
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整数の集合の構成 0 負の数 整数の演算と大小関係
整数の演算 整数の大小関係
補足 練習問題
整数の実体は...
注意
3.3.1
この定義では,
Z
の要素である整数は,商集合の要素なので同値類であることに注意.
つまり,
N × N
の部分集合.例えば,
{ (1, 2), (3, 4), · · · } ∈ Z
注意
3.3.2
記号
Z
の由来:ドイツ語Zahlen
(「数」)幾何学序論1 K.Ichihara
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整数の演算 整数の大小関係
補足 練習問題
0
定義
3.3.2
【0
(ゼロ,零)】同値類
{ (1, 1), (2, 2), · · · }
で表されるZ
の要素(つまり,整数)を,
0
と定義する.注意
3.3.3
0
の発見:ブラーマグプタ(インド),628
年幾何学序論1 K.Ichihara
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整数の集合の構成 0 負の数 整数の演算と大小関係
整数の演算 整数の大小関係
補足 練習問題
負の数
定義
3.3.3
【負の数】n, m ∈ N
とするとき,(n, m)
を代表元とするZ
の要素(つまり,整数)について,
I
n > m
のとき,代表元として(N + 1, 1)
がとれる.このとき,その同値類を
N
で表し,N ∈ N
と同一視.I
n < m
のとき,代表元として(1, L + 1)
がとれる.このとき,その同値類を
− L
で表す.また,
x := {(n, m), · · · } ∈ Z
で表される整数に対して,{ (m, n), · · · } ∈ Z
で表される整数を− x
で表す.幾何学序論1 K.Ichihara
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整数の演算
定義
3.3.4【整数の演算】
x, y ∈ Z
に対して,x
が(a, b)
を代表元とする同値類で,y
が(c, d)
を代表元とする同値類のとき,x + y := (a + c, b + d)
を代表元とする同値類x × y := (ac + bd, ad + bc)
を代表元とする同値類 と定義する.また,x − y := x + ( − y)
と定義する.注意
3.3.4
これらの演算の定義については,
well-defined
であること を示しておく必要あり.定理
3.3.1
∀ x ∈ Z
に対して,x − x = 0
が成り立つ.幾何学序論1 K.Ichihara
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整数の演算 整数の大小関係
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整数の大小関係
定義
3.3.5【整数の大小関係】
x, y ∈ Z
に対して,x − y ∈ N
のとき,x > y
と定義する.x − y = 0
のとき,x = y
と定義する.y − x ∈ N
のとき,x < y
と定義する.定理
3.3.2
x, y ∈ Z
に対して,x > y
かx = y
かx < y
のいずれかが必ず成り立つ.幾何学序論1 K.Ichihara
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整数の集合の構成 0 負の数 整数の演算と大小関係
整数の演算 整数の大小関係
補足 練習問題
補足
補足
整数の集合
Z
と和の演算+
を組(Z, +)
にして考えると群に なり,さらに,整数の集合Z
と和の演算+
と積の演算×
を 組( Z , +, × )
にして考えると環になる(より正確には可 換環).詳しくは代数学序論で学んでください.
幾何学序論1 K.Ichihara
前回の補足 整数とは
整数の集合の構成 0 負の数 整数の演算と大小関係
整数の演算 整数の大小関係
補足 練習問題
練習問題 練習問題
3.3.1
N × N
において,(a, b) ∼ (c, d) ⇔ a + d = c + b
で定義され る関係を考えると,これは同値関係になることを示しな さい.練習問題
3.3.2
定義
3.3.4
で定義した整数x
とy
の和x + y
が,x
とy
の代 表元によらずに決まることを示しなさい.練習問題
3.3.3
定義
3.3.4
に基づいて,∀ x ∈ Z
に対して,x − x = 0
が成り 立つことを証明しなさい.練習問題