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文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 3:

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(1)
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文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 3:

中 村 俊 亀

まえがき

てセ‑カゴ(静岡県静岡市

) ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑

二八五

二'ネジリカゴ(山梨県)‑

‑ ‑ ‑ ≡ ‑ ‑ ‑ ・⊥

l九〇

三'カルイ(宮崎県高千

穂 町 ) ・‑ ⁚ ‑ ‑ ‑ ・‑ ⁚

二九

四'テポ(長崎県対馬)‑‑

‑ ⁝ ⁚ ⁚ ‑ ‑ ‑ ‑ ユ

一九九

五、テル(鹿児島県奄美

大 島 ) ‑ ・・・ ・・・ ‑

・・・ ・・・ ・・

三〇一 戻六、ヒヤメシカゴ(東京都八丈島)‑‑‑

‑ ‑ ‑ ‑

七'カTT(高知県清水町)・・・・・・・‑・・・・・・・・・・・・・

‑ ・・‑ ・・二

八'ハソポチ(長野県上田市)

‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑

三一五

九'カンテヤ・カツコベ(秋田

県 雲 然 村 ) ‑ ⁚ ‑ ‑

圭一八

一〇'丸箕(新潟県保倉村)‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑⁚⁚三二〇

あとがき

が き

文 部 省 史 料 館 に は ' 現 在 ' 東 南 ア ジ ア 等 国 外 の 資 料 を も 含 め ' 約 五 〇 〇 点 余 の 寵 ・ 充 の 類 が 収 蔵 さ れ て い る 。 そ の

う ち ' す で に ' 整 理 を 了 え た も の に つ い て は ' 昨 秋 刊 行 の ﹃ 史 料 館 所 蔵 民 族 資 料 図 版 日 録 ﹄ 第 二 巻 に 収 め ら れ て い る

が ' な お 紙 幅 の 都 合 も あ り ' 同 図 版 目 録 で は 説 明 を 一 部 省 略 せ ざ る を 得 な か っ た の で ' こ こ に ' 同 日 録 所 収 の 資 料 の

う ち 一 〇 例 を 扶 び ' 整 理 中 の 所 見 に よ っ て t や ゝ 詳 し ‑ 御 紹 介 し て み よ う と 思 う 。 L'け ナく

な お 寵 や 充 (以 下 こ れ を 総 称 し て 範 と い う ) は t t 殻 に '

(材 料 の 調 整 ) と 編 み の 三 工 程

(

み 、

み '

文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 (中 村 )

二八三

(3)

文部省史料館所蔵生活用具の研究(中村)二八四

(1)み)'及び'仕上げの工程によって完成されるのであ小文では'そのうち竹作りの工程を除き'専ら'編みの形

態を手掛りに'底'胴'緑'その他の順に従い、特に'ひとつひとつの範のもつ独白の構造や手法といったものに留(2)意して'分析の結果をまとめてみようと思う。

i‑ちL,A)(

1 )

底編みは'(織物当る)か組合せて底を作る工

'及び、立竹を分け'これを立ててゆ‑工程を含む。胴I.E:だけA{こいと編みは立竹に廻し竹(織物当る)を掛け胴を編む工ふちL'け士At'だけ程。そして禄編みは立竹を止め'によって縁を

仕上げる工程と考えられる。底から胴に移る過程は'寵全こしLI体の形に大きく影響するので'これをて」と呼ぶこと

がある。寵の形態を正碇に把握するためには'寸法や各分部

の比例のほか'以上の各工程に応じて'どれほどの帽の、

)また'どのような稲材が、どのような編み方によって編ま

れているかを明らかにする必要があろう。・&わだけt.け編材としての竹には'(表皮をつけた竹)、(主モめだけとして茎の基本組織・表皮を取去った部分)'(着色し

た竹・鰐耶をも含む)・郎耶(粗割りした竹)・丸竹などが

常に用いられている。

編みは工芸竹細工に於いて'著しく多様化しているが、

我国在来の庶民の日常の寵細工では、目のつんだ寵なら'あじろさくあ底がか四つ日柄、あるいは、み等。目の透いためrt

の寵ならは、六つ目編、または四つ日輪。さらに、六 つぷつ目系統の目の塞がった(これを「目を潰す」という)六つぷしめすつ目目編、または六つ日き(細い廻し竹を日にいぎるめあみれ目を透かす)。胴も同じように'、網代編'四つともttち日柄、六つ目三種の縮み'緑には'(立竹のみを組んtさ寸ちしあのt.で緑を仕上げる)'縁竹・巻竹を用いる

げ'◆ちしあじやばら士

げ'きなどが普通である。なお、立竹は二本

で1筋、三本1筋'1本1筋の場合があるので'とりあえ

ず'それぞれ'「二本合せ」、「三本合せ」「一本立て」と記

して区別した。

なお'編材、編み方'細部等に対する呼称は、所によっ

て在来の表現方法があり'必ずしも一定ではないが'庭藤

庄五郎先生の﹃図解竹細工の実際﹄(昭和三一年富民社

刊)や、額田巌先生の御研究(「竹細工の民族学的研究」

﹃物質文化﹄五号)を参照し'努めて概念の簡素化を計

り'記述を簡略化することにした。例えは'底を保護する

添え竹を「力竹」とLtまた'共縁に海老止め'消し止め

の区別を行なわなかった。

(2)所蔵資料(国内関係)三八

点中'所用地・採集地の明

らかなものは全体の八一・六

%

(三一〇点)。その地方別内

(4)

訳 は 、 九 州 地 方 九 二 点 (二 九 ・ 七 % )' 中 部 地 方 八 八 点 ( 二 八 ・ 四 % )、 東 北 地 方 四 五 点 ( 1 四 ・ 五 % )、 関 東 地 方 四 〇 点 ( 一 二 ・ 九 % )' 四 国 地 方 1 九 点 (六 ・ 一 % )' 沖 縄 ' 中

国 両 地 方 ' 共 に ' 九 点 ( 二 ・ 九 % )、 近 故 地 方 八 点 ( 二 ・ 六 % ) で あ る 。 こ の よ う に 収 蔵 資 料 に は 、 地 方 に よ っ て 著

し い ム ラ が 認 め ら れ る 。 し か し ' こ れ ら の 資 料 の 内 に は t A M 同 人 ( ア チ ッ ク ・ ミ ュ ー ゼ ア ム 同 人 ) や 岩 倉 市 郎 氏 に

よ る 戦 前 の 十 島 ・ 奄 弟 諸 島

係 の 七 二 点 を は じ め ' 八 幡 教

ー カ ゴ 按 の 宮 崎 県 高 千 穂 町 採 袋 の 一 〇 点 ' 同 教 授 の 長 野 県 上 田 市

の 一 〇 点 、 宮 本 教 授 に よ る 対 馬 の 九 点 、 桜 田 教 授 の 高 知 県

中 村 町 他 一 七 点 ' 内 田 武 志 氏 の 静 岡 全 県 に 及 ぶ 採 集 二 一 点 、 昭 和 初 年 の 藤 木 喜 久 昏 氏 ・ 戦 後 の 古 河 静 江 氏 の 伊 豆 七 島 関 係 二 四 点 、 武 藤 鉄 城 先 生 の イ タ ヤ 寵 一 二 点 ' 早 川 孝 太

郎 氏 の 愛 知 県 三 河 地 方 の 一 四 点 な ど が あ り 、 か え っ て ' 今 日 で は こ れ ら の 地 方 の 範 細 工 の 様 相 と そ の 特 質 を 親 が う た

め に は 適 切 な 資 料 と な っ て い る と い う こ と が で き る 。

図 版 一 の 上 右 ( 三 二 九 頁 ) 収 集 番 号 五 〇 七 九

昭 和 一 〇 年 一 月 一 八 日 ' 内 田 武 志 氏 採 集 。

所 用 地 、 静 岡 県 静 岡 市 。

ロ の 長 径 五 〇 ・ 〇 c m ' 短 径 四 八 ・ 〇 cm 。 底 の 長 径 四 九 ・ 〇 5 、 短 径 四 二 ・ 〇 cm。 高 さ 四 七 ・ 〇 cm。

重 さ 二 ・ 五 k g 。 立 竹 は 幅 一 五 m の 皮 竹 ' 廻 し 竹 は 幅 二 五 m の 身 竹 そ の ほ か 。 (1 ) 内 田 武 志 氏 は ﹃ 静 岡 県 方 言 誌 ﹄ の な か で ' 当 時 (昭 和 九 年 ) ' 静 岡 県 に お い て ' 次 の 五 つ の 種 類 の 背 負 寵 が 行 わ れ て

い た こ と を 指 摘 し て お ら れ る 。

a

円 筒 体 ' ま た は 、 楕 円 体 型 の 背 負 寵 。 ロ の 差 渡 し と 寵 の 高 さ は ほ ほ 等 し ‑ 、 胴 に 膨 ら み の あ る 型 。 全 県 的 に 普

及 し て い る と い う 。 編 み は 同 番 挿 画 に よ れ ば 六 つ 日 日 放 し で あ ろ う か 。

b 円 筒 体 型 で ' 胴 の 丈 は ロ の 差 渡 し よ り 1 ・ 二 倍 ほ ど 長 ‑ ' 専 ら ' 刈 革 ' 海 草 な ど の 特 に 軽 ‑ 寓 栗 る も の を 運 ぶ

文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 (中 村 ) 二 八 五

(5)

文部省史料館所蔵生活用具の研究(中村)

寵 。 編 み は 六 つ 目 編

こ れ も 全 県 的 に 用 い ら れ て い る と い ‑ 。

C

直 方 体 型 の 茶 目 の 寵 。 静 岡 市 と そ の 近 傍 に の み 普 及 し て い る と い う 。

d 丈 の 高 い 円 筒 型 (丈 は 差 渡 し の 約 1 ・ 四 倍 余 り ) の 寵 。 伊 豆 地 方 の 北 部 ' 駿 東 郡 の 1 部 の み 分 布 し て い る と い

う 。 呼 称 は ポ ー ラ ' ま た は 、 ゴ ー ラ 。 朱 目 編 。

e

富 士 郡 庶 岡 町 附 近 に 分 布 し て い る 担 ぎ 寵 。 樺 を 通 し ' 二 人 し て 担 ぐ と い う 。 a の 派 生 型 。

L,

右 の 資 料 は ' す な わ ち a 型 に 当 る も の i )

え ら れ る 。 東 海 地 方 か ら 関 東 地 方 に か け て ' 所 謂 '

の 寵 細 工 お おも のナ く が ' 今 な お 盛 ん で あ る が ' こ の 背 負 寵 は 大 竹 細 工 の

」 の 特 色 を い か ん な く 示 し て い る よ う に 思 わ れ る 。

川 底

底 の 作 り は 、 用 途 柄 ' 手 荒 く 置 い て も よ い よ う ' い か に も ' 頑 丈 で あ る 。

編 み は 六 つ 目 目 潰 し 。 目 潰 竹 は 幅 二 〇 ' 乃 至 ' 二 五 m の 身 竹 。 一 目 に 二 枚 の 割 で い れ ' 目 を 塞 ぐ 。

カ 竹 は 二 重 に 掛 け る 。 最 初 の カ 竹 は ' 幅 三 〇 m ' 厚 さ 五 m の 割 竹 。 第 1 図 の よ う に ' 底 の 群 い っ ぱ い の 長 さ (約 三

六 ・ 〇 m ) で ' 両 端 は 一 〇 cm ほ ど ' 斜 に 落 し ' そ の 部 分 を 目 漁 し の 竹 の 透 間 に い れ て 止 め る 。 そ し て ' そ の 外 側 に 、

あ た か も ' こ の 最 初 の 二 本 の 力 竹 を 庇 う か の よ う に ' 幅 三 〇 m ' 厚 さ 三 m の 丈 夫 な 皮 竹 を 並 べ て 掛 け る 。

さ て 、 外 側 の 力 竹 は 胴 に 沿 っ て 上 り ' 緑 に ま で 達 す る 。 そ の 際 、 茶 目 編 の 背 負 寵 な ら ば 、 さ し ず め ' 立 竹 の 力 竹 を

上 に 重 ね 合 せ 胴 の 編 み の 一 部 に 編 み 込 む と い う 形 に な る の で あ ろ う が ' こ の 窮 で は 廻 し 竹 の 幅 が 広 い の で ' 力 竹 は 胴

の 内 側 を 上 り 、 緑 下 一 〇 c m 辺 り で 寵 の 外 に 出 ' 緑 を 廻 り ' 緑 と 胴 と の 編 み の 透 間 の 所 で 、 瓶 を 針 金 で 結 ん で 固 定 す る ち から ぼ ね よ う に す る 。 こ の 種 の 力 竹 は ' 底 を 保 護 す る の み な ら ず ' 寵 全 体 の 骨 組 と も な っ て い る の で ' 俗 に

と い い '

野 菜 寵 や 御 用 寵 に も 用 い ら れ て い る 。

(6)

の 編 み も 底 と 同 じ よ う に 六 つ 日 日

治 し 。 た だ し ' 六 つ 目 と い え は ' 普 通 '

斜 に 走 る 立 竹 も 、 域 に 走 る 廻 し 竹 も 同

じ 幅 の 竹 で 編 む の で あ る が ' こ の 寵 で かわ

∵ 七

二 二 三 ∴ ㍉ ㌻

)

外 ' 立 竹 の 七 割 が た は 広 い 身 竹 を 廻 し

竹 と し て 用 い る 。 こ の 身 竹 の 厚 さ は 一

・ 五 聖 こ の よ う に ' ‑幅 の 広 い 身 竹 を

背 負 寵 に 使 う と い う あ た り が ' 大 竹 細

工 の 一 つ の 特 徴 で あ ろ う か 。

な お ' 立 竹 は 薄 ‑ 身 を 剥 ぎ '

と ん

ど 皮 の 所 は か り を 用 い る 。 立 竹 が 簿

‑ ' し か も ' 廻 し 竹 の 大 部 分 が 身 竹 な の で '

第‑図 七ーカゴの底の作 り

①立竹 ②目放 し竹 ③内側の力竹

④外側の力竹 ⑤負い縄 ⑥補助縄

かさ 「 鴬 の 割 り に は 軽 い も の を い れ る 」 と い う 背 負 寵 の 条 件 に は 適 合 す る 」F が 、 1 面 ' 胴 や 底 は そ れ だ け 脆 ‑ な る 。 そ こ で ' 先 程 の 力 骨 が 利 い て ‑ る の で あ る 。

の 仕 上 げ は 二 重 の 巻 口 仕 上 げ 。 巻 竹 は 幅 1 五 m の 身 竹 。 そ の 上 に ' さ ら に 、 幅 八 m の 藤 が 巻 い て あ る 。 緑 竹 は 隔

文部省史料館所蔵生活用具の研究(中村)

(7)

文部省史料館所蔵生活用具の研究(中村)二八八L'ま二五m、厚さ約三m、極めて丈夫な皮竹で'これも当然二本いれる。それ故'緑は'ちょうどのように、丸

‑'しかも'厚‑(二

〇 m

余)なる。

3

い縄幅二

m'厚さ1

0 m

'長さ約二

m

。藁の三ツ粒で'布を絢込む。負い縄は、寵の本体に比べ'いささか

細く'頼りな‑みえる。負い縄は、第1図のように'まんなかを前記の内側の短かい方の力竹に通し'両端を寵の緑

に結びつけて止める。負い縄の両端は輪に編んであり'縄の本体をこれに通すようにして緑にかける。

しかし'負い純が強扱なので'かえって、純が力竹を圧迫することを心配したのか'この寵には'第7図のように'

補助縄として'もう1筋の縄(太さ1

0 E )

がとりつけられている。この補助縄は負い縄と負い縄の掛るのとは反対(3)側の縁とを結ぶ役割を果す。

(1 )

﹃静岡県方言誌'民具編﹄(昭和一六年アチック⁚、ヽユ

ゼアム刊)一〇六‑一〇九頁。本書は'昭和九・一〇年'静岡県下の農

範 学

校・高等女学校の生徒を対

とする通信調査の結果に基いて執筆されたという。内田氏は

静岡県の背負範を概括して次のようにも述べておられる。背負寵とは「大形の寵の外側片面に二条の背負紐を附して'此紐を左右の腕に一本宛通し'寵を背に負い荷物を道

按するもの」。(同書一〇六貢)。畑作物'刈革'茶や桑の葉'燃料・肥料の枯葉

海草類、その他、弁当'魚具など

も運ぶ。(同上) 因みに'同書所収の背負寵1五七例中、直径、高さの債の明記されているもの約二10例について'そを整理してみると第二図のようにな

。また'同様'第三国のように'

桑摘み'落葉かき'草刈りに使われる寵は形も大き‑'逆に'茶摘みや密相と㌢の背負寵は小振りなことがわか

る。なお'関東・中部地方の他の地域では'内田氏の五型のほか'肩つきの冗目の背負ビクや作り込みの背負範(六つ目の寵のなに冗目の寵を作りつける)が用いられ

る 。

(2)真竹、淡竹'孟宗竹む主材料とする竹細工のことを'根

竹などの茎の細い竹を主材料とする竹細工に対して'1

部では「大竹細工」という。また、充などの小さな寵を作る

(8)

文部省史料館所蔵生活用具の研究(中村) 卯加

(D

0/0 JC /

0 0 戸

0/a JC /0

0

第二図 静岡県下の背負範 (差渡 し,高 さの分

a.差渡 L b. 布) 高 さ

『静岡県方言誌民具符』によ

る。

.

/ACC

l I

l l

J J

I

. ゐ

II

I I

Ih1

l

I ILIII

Ⅲ J

7I 一.I日‑一■ J l

あ あ ゐ あ あ

a) 也

第三図 静岡県下の背負説 く用途別

寸法の分

布範囲)①落燕き ②革か り ③畑作物の迎

接 ④茶つみ,蜜柑 とり ⑤桑つみ

⑥その他 ⑦用途不詳 実線

は直径の分布,点矧 ま高 さの分 布範囲を示す。三角印は

平均の倍。

『静岡県方言誌民具篇』による。 細工に対し

て、

直 接 生

産に

いる

形の

寵作をる

細工のこと

「 大 物 作

り」と呼んでいる。なお'真竹の自生区域は関東以西の地域から華中華南に及び'その栽培区域は'さらに南朝鮮 半島、北海道南部にまで遥しているとのことである(室井縛博

士「竹笹の生態を中心とした分布」﹃富士竹類植物園報告

﹄五号)。(3)背負寵の場合'負い純の編み方やその着装

の方法が1つの問題となる。一般には'寵の

(9)

文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 (中 村 )

ネジ

リ 寵

整理番号

Z 六 八

採 集 年 月 日 ' 採 集 者 ' 呼 称 等 不 詳 。

所 用 地 ・ 山 梨 県 。

口 の 長 径 四 二 ・ 〇 5 . 短 径 四 1 ・ 〇 5 . 底 径 二 五 ・ 〇 m . 高 さ 約 四 七 ・ 〇 cm 。 重 さ 一 ・ 九 B 。 立 竹

は 幅 一 五 m の 皮 竹 。 廻 し 竹 も 幅 1 五 m の 皮 竹 。

山 梨 県 南 都 留 都 道 志 村 で は ' 右 の 資 料 と 同 じ 形 の 範 の こ と を 「 ネ ジ リ カ ゴ 」 と 呼 び ' 田 の 苗 運 び や 山 林 の 落 葉 か き に (1 ) 用 い る 由 で あ る 。 こ こ で は ' そ の 呼 び 名 を 借 り て ' ひ と

ま ず ' こ の 資 料 に ネ ジ リ 寵 の 名 を 当 て て み よ う と 思 う 。

ネ ジ リ 寵 は ' 同 じ く 背 負 寵 と は い い な が ら ' 前 項 の セ

‑ カ ゴ の 類 と も ' 後 の テ ポ や テ ル と も ' 全 ‑ 異 質 の 梼 造

を 持 つ も の な の で あ る 。

川 底

底 の 作 り は 六 つ 目 編 。 立 竹 は 厚 さ 二 m 。 立 竹 に は ' 第

四 国 の よ ‑ に ' こ れ と ほ ぼ 同 じ 幅 の t L か し や や 薄 い 皮

竹 ( こ の 竹 を 仮 に 「 子 の 竹 」 と 呼 ん で お ‑ ) が 巻 き つ け

ら れ て い る 。 こ の よ う な 立 竹 の 作 り は ' 他 の 種 類 の 寵 に

(10)

は ' 比 と ん ど ' 見 出 し 賂 i と こ ろ で あ る か

子 の 竹 は 親 の 竹 に ' 巻 き つ け や す い よ う 、 予 め ま ん な か に 割 り を い れ て お t S 胴

ふち

胴 の 編 み は ' 強 い て い え は ' 六 つ 日 日 透 き 。 廻 し 竹 は 一 撃

つ ' 七 段 に い れ る 。 底

の 廻 し 竹 の み は 幅

1 0 m の 細 い 皮 竹 を 用 い る 。 廻 し 竹 の 厚 さ は ' 立 竹 に 比 し て ' 若 干 縛 目 で あ ろ う か 。

立 竹 は ' 廻 し 竹 に 対 し ' お よ そ 七 〇 度 の 傾 斜 を 保 っ て 上 下 し て い る 。

ジ リ 範 の 縁 は ' 第 五 図 の よ う に ' 立 竹 の 曲 り で ' 最 上 段 の 廻 し

竹 を 押 え た だ け の も の で あ る 。 こ の よ う な 単 純 な 緑 作 り も ま た 通 常

の 範 に は ' 勿 論 ' 見 出 し 難 い も の で あ る 。

立 竹 が 最 上 段 の 廻 し 竹 (あ る い は 縁 竹 ) を 越 え る 辺 り で ' 子 の 竹

と 親 の 立 竹 と は 入 替 り ' 今 度 は ' 親 の 竹 が 子 の 竹 に 巻 き つ い て ゆ .

‑ 。 こ れ は ' 恐 ら ‑ ' 立 竹 の 皮 の 面 が ' 常 に ' 範 の 表 側 に 出 る よ う (2 ) に す る た め の 工 夫 で は な い か と 考 え ら れ る

たけ く ば 糾

第五 ①親の立竹 ②廻 し竹③子の竹.④緑の変曲ネ ジ リ寵

点 ⑤底の変曲点

は'

緑 を

廻 て 再 び っ

胴 の

所 へ 出 た 立

竹 は' そ の

後' 如

何 な る

路 を

辿 の で あ ろ か。 る う

い ま' こ の

寵 の

配 を り

跡 て し

み る た め

に' 立 竹 が 緑 で 反 転

す る

( い わ

変 曲

) を 第 五 図 の に よ う

定 め、 任

意 の

変 曲 点 を 起 点 と し て ' 順 に (変 曲 点 の 数 は 二 一

(11)

文部省史料館所蔵生活用具の研究(中村)

二 九 二

が 底 の 編 竹 に 変 る 点 も

'

第 五 図 の よ う に

'

同 様 に 番 号 を 打 っ て お く . な お ' 上 下 そ れ ぞ れ 二 一の 点 が ' 同 一 円 周 上 に

あ る も の と し て ' 緑 の 変 曲 点 を 外 円 上 の 点 、 底 の 変 曲 点 を 内 円 上 の 点 に よ っ て 示 し t l一 つ の 変 曲 点 を 結 ぶ 立 竹 の 配 sl .

を 直 線 で 表 わ す と す れ ば ( 二 つ の 円 の 間 に は ' 実 際 に は 、 辛 目 一 五 度 ず つ の ズ レ が あ る ) ' 第 六 図 ① が 得 ら れ る 。

す な わ ち 、第 六 図 の よ う に ' 底 か ら 縁 ' 緑 か ら 底 へ の 路 を 辿 っ た 立 竹 は ' 底 を 横 切 り ' 緑 ' 胴 、 底 の 過 程 を 繰 返 し 、

結 局 ま た も と の 、 出 発 点 へ一 と 回 帰 し て い る こ と が わ か る 。

こ れ を 右 の 番 号 で 記 せ ば 次 の よ う に な る 。 た だ し 、 p n は 緑 の 変 曲 点 t q n は 底 の 変 曲 点 を 示 す 。

p 1 2‑ q2‑ q5‑ P l q 「 ・q 2‑ P 4‑ q 6‑ q9‑ PL1 ‑ qlI q 6 ‑ P8‑ qt0 ‑ ql‑ p3‑ qSI qm ‑ Pt2 .() )

同 様 に ' 現 さ れ た pl を 起 点 と す る 立 竹 の 経 路 を 追 っ て み る と ' こ れ も ま t 'ル ー プ を な す こ と が わ か る 。

p1q

3‑ q8‑ pta ‑ qt2 ‑ q3‑ p5‑ q7I qt2 ‑ P 2 ‑ q4‑ q 7 ‑ P9‑ q

I

II qI‑ P6‑ q8‑ q

lII

P

l

(2 )

て ' こ の ネ ジ リ 韓 は ( S は 二 つ の 系 列 に よ っ て 全 て の 立 竹 の 編 み は 満 足 さ れ て い る の で ) 以 上 た っ た 二 筋 の

立 竹 と 前 記 の 七 段 の 廻 し 竹 に よ っ て 梼 成 さ れ て い る こ と が わ か る 。

そ の 際 ' 底 あ る い は 緑 の 任 意 の 一 点 と 、 そ の 次 に く る 点 と の 開 き (例 え ば t r 番 目 の q と r + 1 番 目 の q と の 開 き )

は ' 立 竹 の 傾 斜 が 一 定 な の で '常 に 同 じ 値 を と る 。 こ の ネ ジ リ 寵 で は ' そ の 開 き の 値 は 四 と な る 。 恐 ら く 、 実 際 に ' ネ

ジ リ 範 を 作 る 場 合 に は ' こ う し た 「 開 き 」 の 値 が 目 安 に な る の で あ ろ う 。

そ れ な ら ' ネ ジ リ 龍 の 竹 配 り は ' 皆 ' こ の よ う で あ ろ う か 。 類 似 の 資 料 に つ い て こ れ を 検 討 し て み よ う 。

鹿 児 島 県 指 宿 町 採 集 の マ ッ ド ソ チ エ ゴ は 、 口 径 三 三 ・ 〇 C . 高 さ 二 三 ・ 〇 Ei . 重 さ 五 七 〇 g 余 の 長 い 竹 の 手 の つ い

た 六 つ 日 の 寵 (昭 和 八 年 ' 草 野 辰 夫 氏 採 集 、 た だ し ' 子 の 竹 は ね じ れ て い な い ) で あ る が ' そ の 竹 配 り は ' 開 き 三

で ' 都 合 ' 五 男 の 立 竹 か ら 凝 成 さ れ て い る こ と が わ か る 。

(12)

文部省史料館所蔵生活用具の研究(中村)

(13)

文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 (中 村 )

P 1

2Iq2q7P8‑q10‑q3‑P4‑q6qt1‑P︼2

Ptq31q6p7q9‑q1

2 P

L

P2q

4

‑q9PZoIq12‑qSIP6q8qt‑P2

P31q5‑q8」P91q

tt

q2P3

P 5

‑q71qtOIPE‑qtIq4P5 ((

2) ・

(3)

(4)

(a). 二九四

そ こ で

'立竹

が 底

でど

の よ う な 経 路 を 辿 る か は ひ

ま ず お き 、 立 竹 の 通 る 緑 の 変 曲 点 を 順 次 結 び つ け て み る と 、

p12・・・‑P8・・・・・・P4・・・P12())

pp.p

P2+

三 P tO +.

'⁚.P6

.+Q

P2

P3'二三P9

'

+.+P3

P5.I.''JPJ)PJ.''JPS

E

(4

)

E

と な

.

・ 第 六 図

よ う に t M と 桝 は 合 同 な 二 つ の 三 角 形 ' 残 り 三 回 路 は 二 点 間 を 結 ぶ 直 線 と し て 表 わ す こ と が で き

る 。 つ ま り ' マ ッ ド ソ チ エ ゴ の 五 つ の 立 竹 の 回 路 は ' 二 つ の バ タ ー ソ に 分 か れ る の で あ る (前 記 の 山 梨 の ネ ジ リ 寵 で

は ' 二 つ の 立 竹 は ' 第 六 図 ⑨ の よ う に 、1 二 づ と も 同 1. の パ ータ ー ン で あ っ た )。

マ ッ ド ソ チ エ ゴ 型 の 竹 配 り は ' か な り 広 ‑ 行 わ れ て い る の で あ ろ う 、 他 の 一 資 料 ' す な わ ち 徳 島 県 名 東 郡 佐 郡 可 閉

村 採 集 の 目 寵 ( 口 径 五 四 ・ 〇 cm ' 高 さ 二 五 ・ 〇 c m ' 重 さ 一 ・ 三 kg ) に も ' そ の ま ま 見 出 さ れ る 。 (3 ) ネ ジ リ 寵 類 似 の 寵 に は ' こ の 外 ' さ ら に 幾 つ か の 竹 配 り の 型 が 行 わ れ て い る よ ‑ に 思 わ れ る 。 し か し 、 そ の 分 布 や

構 造 に つ い て は ' こ の 種 の 寵 が ' 現 在 の 「 大 竹 細 工 」 の 流 れ か ら は 余 り に も 遺 ‑ 掛 練 れ て し ま っ て い る た め か ‑ そ

(14)

の強敵さ1.作りの簡易さなどの利点にも拘らず‑充分清められてはいないように思われる。

(‑ )

清水茂夫氏・稲垣正幸'塚田正氏勤氏「道志村の言方」

(﹃

甲斐史学﹄二一号)には'「竹の寵であるが'竹片をね

じって目を荒‑あんである」とみえる。

(2

)立竹が縁を越えて再び胴に出たとき'相変らず皮の面が

の外側になるようにするには、規子の竹を替えるという

方法以外'縁を廻る前校で竹を捻る方法(捻り方には硬軟

両様があを)がある.マッドソチエゴや後出のタケガライ

は'いずれも'この方法によっている。(3)他に1例をあげてみよう。次の例は先年'京都で求め'

以来、布巾いれにして使っている,、ヽ一lアチュア(口径六・

C

.高さ七・〇cm、山前を写したもの)であるが'第六 図⑤のように'三回堕一バターンで梅成されている。

P12‑q3‑q‑1P

I

D‑qlq6‑pqItIq4‑P6‑qq2‑

p‑‑q7‑q)2‑

P 2

qS‑qt0p‑2(I)

pH1‑q9‑q6‑p3‑q1‑qtOIP7‑q5Iq2‑PI1(2)

p'‑qTIq4‑pIIqq‑‑pSIq}q12IP9(3)

p‑2'+'p'''p84.4P6.++p‑"'P2'+.P12

PIt4'.p3.+.P7.T.PIL

p●POJPI.PsJJ.P9(S'合同の三角形)茶碗範のようなものでは'変曲点の数も増し、竹配りも、

一層複雑になる。

三 カ

ルイ

図版一の下(三二九頁)収集番号一五二八三

採集年月日'採集者不詳。

所用地'宮崎県西臼杵郡高千穂町。

口の長径五六・五cm'短径三二・五5.高さ四

三 ・〇

cm'底の幅三八・

cm。重さ1・四kg。

立 竹

は幅二'乃至、二二mの皮竹。廻し竹は幅1

0

mの皮竹。

文部省史料館所蔵生活用具の研究(中村)

二 九 五

(15)

文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 (中 村 ) 二 九 六 31 m ネ ジ リ 範 の 竹 配 り か ら ' 直 ち に 思 い 浮 ぶ の は ' 宮 崎 県 日 向 地 方 の カ ル イ で あ る 。 し か し ' 検 討 し て み る と ' こ の 優

雅 な 背 負 寵 に は ネ ジ リ 範 と も 、 ま た ' い さ さ か 異 な る 作 り が な さ れ て い る よ う に 思 わ れ る 。

の 外 観 は 第 七 図 左 の よ う で あ る 。 す な わ ち ' 厚 さ 一 m ほ ど の 艶 の あ る 良 質 の 竹 が 、 互 に 絡 み 合 い ' 複 雑 に 入 組 み

底 を 塞 い で い る 。 し か し t は ど な ‑ ' そ の 竹 の な か に 二 種 の 竹 の あ る こ と が わ か る 。 一 つ は 前 後 の 胴 に 掛 り 緑 ま で 上

る 竹 ' 他 は 胴 か ら 下 り て そ の ま ま ほ か の 竹 の 下 に 潜

り 目 を 潰 し て い る 竹 。 そ こ で ' 図 の 上 で ' 目 を 潰 し (2 ) て い る 後 者 の 竹 の 筋 を 消 去 し て

' 第 七 図 右 の

よ う に ' 六 つ 目 の 編 み が 残 る 。 そ れ 故 こ の 寵 は 六 つ

目 を 基 礎 に し て 成 立 し て い る こ と が わ る か 。

さ ら に ' 立 竹 の 竹 配 り を 追 っ て み よ う 。 立 竹 は '

ネ ジ リ 寵 の 立 竹 の よ う に 、 胴 を 昇 り ' 緑 の 廻 し 竹 を

越 え ' 範 の 内 側 に 出 ' 皮 の 面 を 常 に 表 側 に し て 底 へ

向 い ' 幅 の せ ま い 底 を 横 切 り ' 再 び ' 胴 、 緑 ' 胴 を

経 て 、 最 後 に 底 で 目 を 塞 い で 終 っ て い る こ と が わ か

る 。 外 側 か ら 寵 の 底 の 内 側 に 入 っ た 立 竹 は 、 な お '

二 〇 c m 余 り を 残 し 、 こ の 余 裕 部 分 も 互 に 絡 み 合 い 底

を 塞 ぐ 。 土 の 範 の こ と を 一 名 タ ケ ガ ラ イ と い う が 、 主 義

(16)

そ の 名 の よ う に 、 上 か ら こ の 寵 の 底 を 覗 い て み る と 、 立 竹 が 身 の 方 を 上 に し て 文 字 通 り 竹 が ら み に な ゥ て い る の 外 見

て と れ る 。 勿 論 ' こ の よ う な 底 の 作 り は ' 恐 ら く 他 の 寵 に は 例 を み な い も の の よ う に 思 わ れ る 。

立 竹 を 絡 み 合 せ て 作 っ た 底 は ' 白 か ら ' か な り の 厚 さ に な る 。 そ こ で 、 ほ か の カ ル イ で は 丈 夫 な 力 竹 を い れ ' ま た モ だ け は 底 の 内 側 に ' 立 竹 の 端 を 押 え る た め

当 て こ と が あ る 。

S

竹 の 傾 斜 は 約 七 〇 度 か ら 八 〇 度 。 ロ が 広 が っ て ゆ く の で ' 立 竹 の 作 る 菱 形 の 目 も ' 漸 次 ' 大 き ‑ 開 き ' 透 け て ゆ

‑ 。 そ れ が 白 か ら 胴 の 編 み に 変 化 を 与 え て い る 。

廻 し 竹 は 四 段 。 上 の 一 段 以 外 は い ず れ も 三 側 ず つ 廻 す 。

最 上 段 の 廻 し 竹 (緑 竹 ) は 幅 二 〇 B . 厚 さ 五 m の 丈 夫 な 皮 竹 。 糾 縁

こ の 最 後 の 廻 し 竹 の 上 に ( ネ ジ リ 寵 な ら ' さ し ず め 、 こ れ で 緑 が 終 る 所 で あ る が ) 、 さ ら に ' そ の 上 に 太 さ ) 三 m

の 巻 口 仕 上 げ の 緑 を あ げ る 。 芯 に な る 緑 竹 は 帽 五 m の 身 竹 。 巻 竹 は 幅 1 1 m の 皮 竹 で ' 割 り を い れ て 巻 い て ゆ ‑ 。 こ

の 巻 竹 を 巻 い て ゆ ‑ と き 、 巻 竹 を 範 の 本 体 の 立 竹 の 曲 り に 絡 ま せ ' 二 つ の 緑 を 不 可 分 に 結 合 さ せ る 。 こ の よ う な 二 重

の 緑 の 作 り を こ こ で は 「 二 重 の 緑 」 と 呼 ん で お こ う 。

二 重 の 緑 の 手 法 は ' 所 蔵 資 料 中 ' 鹿 児 島 県 口 永 良 部 島 採 集 の 一 対 の テ ゴ (男 テ ゴ ' 女 テ ゴ ) や 同 県 桜 島 の 蜜 柑 と り

の 手 龍 に も 見 出 さ れ る 。 し か し ' そ の い ず れ も が ' 下 の 縁 は 共 緑 で あ る 。 し て み れ ば ' ロ の 開 い た 範 で は ' 勢 い ' 口

は 外 側 に 開 き が ち に な る の で ' そ れ を 巻 口 仕 上 げ や 野 田 口 仕 上 げ の 手 法 に よ ら ず に ' し か も 、 強 固 に 仕 上 げ よ う と す

れ ば ' 別 に ' 共 緑 の 口 の 開 き を 規 制 す る も う 一 重 の 緑 を の せ る こ と が 良 節 だ っ た の で は な か ろ う か 。

文部省史料館所蔵生活用具の研究(中村)

二 九 七

(17)

文部省史料館所蔵生活用具の研究(中村)

糾負い紹

負い縄は'太さ二

〇 m

ほどの三ツ組丸打ちの藁の縄。ただし二本'それぞれ1端を寵の縁に結びつけ'︼端を底の竹の間から寵の内側に通し'そこで'互に結んで止める。

註(1)カルイの呼称は'四国'九州地方の7部では背負梯子の呼称として用いられているという(﹃綜合民俗語愛﹄)。しかし'ここでは、付票のままの呼び名に従ってお‑。(2)このような六つ日日浪しの底編みの手法は'同じ高千穂採集のカタギメゴ(口径五五・〇

c

m'底径四〇・〇cm'高さ一九・五cm'重さ7・〇五B

の担

ぎ寵)に

'

1

屑明瞭な形で見出される。立竹

(幅1五mで皮竹)'やはり緑で捻れ'底へ降り、最後は他の立竹の下へはいって日放し竹となる'第八図のように、その目潰し部分を消去すれば、六つ目の編みが現われる。なお'この担ぎ寵も、やはり底は相当に厚‑なる。所蔵のカルイにはこの外'八幡一郎教授採集の標本と早川孝太郎氏採集の一例とがある。八幡先生採集のカルイは形は小技りであるが'立竹の将は七mで、しかも、日が細かく廻し竹も八段。底の立竹の瑞は短か‑切り揃えられ'作りは全体として上品になっている。

(18)

図 版 一 の 上 左 ( 三 二 九 頁 ) 収 集 番 号 二 二 〇 〇

昭 和 二 五 年 八 月 八 日 ' 宮 本 馨 太 郎 教 授 採 集 。

所 用 地 ' 長 崎 県 下 県 郡 豆 酸 村 豆 酸 。

口 の 長 径 三 五 ・ 五 C . 短 径 三 四 ・ 〇 E印 . 底 の 縦 横 一 六 ・ 〇 cm。 高 さ 四 三 ・ 〇 cm。 重 さ 1 ・ 三 kg 。 立

竹 は 幅 七 m の 皮 竹 。 廻 し 竹 は 幅 三 乃 至 四 m の 皮 竹 と 身 竹 。

右 の 資 料 は ' 昭 和 二 五 年 の 九 学 会 連 合 に よ る 対 馬 の 共 同 調 査 の 折 ' 他 の 四 点 の 資 料 (大 型 の 背 負 寵 メ ゴ チ ポ ' 磯 寵

コ テ ポ 、 充 メ カ ゴ ・ コ タ オ ゲ ) と と も に ' 宮 本 先 生 に よ っ て 1 括 採 集 さ れ た も の で あ る 。 こ れ ら 一 括 資 料 を 通 し て 対

馬 独 自 の 寵 細 工 の 手 法 を 充 分 に 伺 う こ と が で き る よ う に 思 わ れ る 。

付 票 に よ れ ば ' こ の 寵 の 「 用 途 は 穀 類 の 道 政 」。 材 料 は ' 「 寵 の 本 体 が ハ テ ク 、 緑 の 竹 が オ ナ ゴ ダ ケ 、 ロ 緑 部 の 枝

が カ ズ ラ ' 蔓 は ツ ヅ ラ 」 。 製 作 者 は 他 の 四 点 の 資 料 と と も に ' 阿 比 留 五 郎 氏 (当 時 七 四 歳 ) で あ っ た 。

の 編 み は 二 つ 跳 ね 二 つ 潜 り の 網 代 編 。 奄 美 諸 島 の テ ル の よ う に 、 中 心 部 を や や 浮 か し ' 心 持 だ け 四 方 に 脚 が 出 る

よ う に 作 る 。 網 代 の 編 み は 底 い っ ぱ い に 広 が っ て い て ' 底 の 緑 近 ‑ ' わ ず か 三 筋 で 腰 を 立 て て ゆ ‑ 。

力 竹 は 幅 1 0 m ' 厚 さ 八 m 。 カ 竹 と し て は ' 極 め て 細 い 身 竹 で ' 四 隅 を 結 ん で 十 文 字 に 掛 け る . そ し て ' そ の 交 点

の 辺 り に ' 太 さ 五 m の 蔓 で こ し ら え た 長 径 一 一 ・ 〇 c m ' 短 径 四 ・ 〇 c m の 輪 を と り つ け る 。

口 の 大 き さ に 対 し て ' 底 は ' . 一 辺 が 口 径 の 約 四 割 五 分 。 し た が っ て ' か な り 小 さ く ' こ れ が ' 背 負 寵 と し て の こ の

文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 (中 村 ) 二 九 九

(19)

文部省史料館所蔵生活用具の研究(中村)

範 の 胴 の 形 に す ‑ な か ら ず 影 響 を 与 え て い る よ う に 思 わ れ る 。

∽ 胴 ヽ ヽ ヽ 胴 は 上 三 分 の 二 の 所 ま で が 円 筒 型 で ' そ の 下 は 急 速 に す ぼ ま っ て ゆ ‑ 。 背 負 っ て み る と ' こ の 下 三 分 の 一 の す ぼ ま ヽ り が ' ち ょ う ど 腰 の 上 に か か る 。 こ の す ぼ ま り は い \ ま た 、 こ の 寵 に ま ろ や か な 感 じ を 与 え る 。

編 み は 衆 目 編 。 立 竹 は 二 本 合 せ 。 廻 し 竹 の 幅 は 立 竹 の 半 分 程 度 で か な り 細 い 。 そ し て ' 廻 し 竹 は 二 筋 ' あ る い は '

四 筋 ご と に 身 の 竹 と 皮 竹 と を 交 互 に い れ 、 横 縞 の 文 様 を 作 り 出 す 。 こ の よ う な 手 法 は 他 の 地 方 で も ' し ば し は 、 用 い

ら れ て い る が ' こ の 対 馬 の 寵 に お い て は 材 料 の 竹 の せ い か 、 皮 竹 の 艶 と 身 竹 の ‑ す ん だ 色 合 い と が き わ だ っ た 対 照 を

示 し ' 極 め て 効 果 的 で あ る 。

緑 や 胴 に は ' ち ょ う ど 紐 で 荷 造 り で も す る か の よ う に 、 蔓

が 掛 け て あ る 。 特 に 緑 廻 り は 入 念 で あ る 。 対 馬 の 寵 に お い て

は ' な お ' 一 つ 寵 に 竹 と 蔓 と が 共 存 L で い る の で あ る 。

緑 の 作 り の 順 序 は お よ そ 次 .の よ う に 考 え ら れ る 。

1 、 立 竹 の 先 を ' 廻 し 竹 の 上 約 1 0 cm の 所 で ' 切 り 揃 え で .

つ め る 。

2 ' 別 に 、 前 も っ て 、 太 さ l 三 m ほ ど の 枝 を 用 意 し ' 寵

口 径 に 合 せ て 円 く 揖 め て お ‑ 。 枝 の 両 端 は 「 重 ね 」 の た

め 軽 ‑ 斜 に 削 る 。

(20)

3 、 立 竹 の 内 側 に 挟 め た 枝 を い れ ' 立 竹 を 曲 げ ' 立 竹 の 元 を 太 さ 五 m の 蔓 で か が っ て 止 め る 。 廻 し 竹 と 枝 と の 間 に

は 的 山 〇 m の 透 間 が あ く の で 、 こ の 透 間 を 利 用 し て ' 蔓 を 絡 ら げ て ゆ く 。 立 竹 は 二 本 合 せ な の で ' 二 枚 を 重 ね '

い っ し ょ に 蔓 で 結 ぶ 筋 も す く な ‑ な い ( 立 竹 の 曲 り の 所 は ' 身 を 剥 い で ' 接 め や す ‑ し て お ‑ ) 。

4 ' 絡 み 蔓 は l 本 な の で ' 切 れ る の を 心 配 し た の か ' ま た は ' 立 竹 の 招 ね 返 り を 押 え る た め か ' さ ら に ' 廻 し 竹 の

良 後 の 段 と 高 さ を 揃 え ' 寵 の 内 と 外 と に ' 緑 竹 を 当 て こ れ を 重 で 結 ん で 止 め る 。 外 側 の 緑 竹 は 幅 一 五 m の 皮 竹 。

厚 さ は 二 m 。 内 側 の 竹 は 身 竹 で 幅 1 0 m 、 厚 さ 五 聖

以 上 の よ う な 緑 仕 上 げ も ま た ' 一 般 の 寵 細 工 に は 稀 な 手 法 と い わ ね ば な ら な い 。 た だ し ' 立 竹 の 止 め 方 は 蛇 胆 巻 き の (1 ) 下 地 の 作 り 方 の 「 方 法 ' す な わ ち ' 佐 藤 庄 五 郎 氏 の 第 五

通 で ' ま た 山 形 県 採 集 の タ ガ ラ (縦 四 〇 ・ 〇 cm ' 拭 七 (2 ) 〇 ・ 〇 c m ' 高 さ 三 四 ・ 〇 cm ) の 犬 目 編 の 野 菜 寵 の 緑 の 作 り に も ' 類 例 を 見 る こ と が で

負 い 縄

さ 的 叫 〇 m の 三 つ 組 の 藁 縄 で ' 前 記 の 底 の 力 竹 の 蔓 の 輪 に 通 し ' 両 端 を 緑 に 結 び つ け る 。

註(1)

佐 藤 氏 ﹃ 図 解 竹 細 工 の 実 際 ﹄ (前 出 ) 八 六 頁 。 立 竹 を 縁

芯 の 所 に 掛 け ' そ の 元 の 所 を 細 い 竹 な ど で 絡 ら ん で 止 め る 手 法 。 た だ ' 緑 仕 上 げ に は こ の 手 法 は い さ さ か 無 理 な の か 枝 は 重 ね を 探 ‑ と っ て あ る に も 拘 ら ず ' こ の 寵 で は 折 れ ' 全 体 の 形 に は 歪 み が 出 て き て い る . な お ' 以 上 の 縁 作 り や 胴 の 編 み は 他 の 四 資 料 に も 共 通 し て い る . (2 ) 盟 作 物 の 運 故 や 流 束 の 出 荷 に 用 い る と い う . 立 竹 は 暗 七

m の 皮 竹 で 三 本 ' ま た は ' 円 本 合 せ 。 枝 の 太 さ 二 〇 m 。 立 竹 の 揺 じ に は 細 引 き が 用 い ら れ て い る 。

五 テ

図 版 二 の 上 右 ( 三 三 〇 貢 ) 収 集 番 号 二 九 六 四

文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 (中 村 )

〇 一

(21)

文部省史料館所蔵生活用具の肝免(中村)

昭 和 七 年 ) 二 月 某 日

'

渋 沢 敬 三 先 生 採 集 .

口 の 長 径 三 九 ・ 〇 E 3. 短 径 三 八 ・ 五 ei . 底 の 縦 横 二 一 ・ 〇 cm。 高 さ 四 〇 ・ 〇 cm。 重 さ 一 ・ 〇 五 B 。

立 竹 は 幅 八 m の 皮 竹 ' 及 び ' 身 竹 。 廻 し 竹 は 幅 五 m の 皮 竹 。 (1 ) 都 成 鋼 三 氏 の 御 報 告 に よ れ は ' テ ル に は ' カ ツ ケ デ ル と ク サ カ リ デ ル の 二 つ の 種 類 が あ る と い う 。 右 の 資 料 は そ の

う ち の カ ツ ケ デ ル に あ た る 。 こ の 種 の テ ル に は ' 南 西 諸 島 の 他 の 同 形 の 寵 と は 異 な り ' 口 が 大 き ‑ 開 き ( ロ の 長 径 は

底 の 縦 横 の 二 倍 ' 高 さ と ほ ほ 等 し い ) ' ま た ' 胴 に は 特 有 の 張 り が あ り ' 全 体 ' 一 見 し て ' す ぐ そ れ と 分 る 特 徴 が 備

わ っ て い る 。 し か し ' そ れ は ' 単 に ' 形 の 上 は か り の こ と で は な い 。 細 部 に も ま た ' 幾 つ か の 点 で ' テ ル に 特 有 の 手

法 と い う べ き も の が 見 出 さ れ る よ う に 思 わ れ る 。

川 底

底 の 編 み は 四 つ 日 柄 。 中 央 の 四 つ 目 の 部 分 を 浮 か し ' 四 隅 は 底 よ り 約 二 〇 m は 突 出 て い る 。 そ の 四 隅 に は ' そ れ ぞ

れ ' 膨 ら み が あ る 。

底 編 み か ら 腰 立 て に 到 る こ の 部 分 は ' 立 竹 と 廻 し 竹 と の 阻 み 加 減 に よ っ て 微 妙 な 膨 ら み や 挟 み を 作 り あ げ る と い う ' (2 ) 最 も 困 難 な 過 程 を 経 て 生 み 出 さ れ る 。

四 つ 日 編 の 周 囲 に は ' 幅 八 m の 皮 竹 を 井 の 字 型 に い れ ( ま た ' 四 隅 先 端 に は 、 幅 一 〇 E . 長 さ 五 ' 乃 至 ' 六 m の U

字 型 の 皮 竹 を 立 竹 の 上 に 重 ね て 執 む 。 こ れ は ' 底 の 四 隅 の 出 に 対 す る ' 細 か い 心 遣 い で あ ろ う 。 図 版 二 の 下 の よ う

に ' 他 の テ ル の 一 例 に は ' こ の 部 分 を 蔓 で し か も 一 筆 書 き の 手 法 で か が っ て い る 例 が あ る 。

S

の 編 み は 茶 目 編 。 立 竹 は 、 テ ル の 場 合 、 皮 竹 と 身 竹 の 二 本 合 せ で あ る 。 と こ ろ が 他 の 西 南 諸 島 の 範 に は 皮 竹 の 二

(22)

本 合 せ が 圧 倒 的 に 多 い 。従 っ て テ ル の 立 竹 の

遣 い

(23)

文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 (中 村 )

ち ' そ の 組 合 せ に よ っ て 共 縁 の 型 を 区 分 し て み よ う 。 例 え は ' 次 の よ う に 。

T 2 , ) ︺ (第 7 0 図 d ) 喜 界 島 の ア ラ デ ィ ル の 緑 。 寵 の 中 側 を 廻 っ た 立 竹 は 、 .‑ 2 と ‑ 3 の 立 竹 の 間 を 通 り ' +

)

の 立 竹 の 下 へ 隠 れ る 。

0,2

) (第 7 0 図 a ) 丘 竹 が 自 分 の 左 脇 か ら 寵 の 外 へ 出 ' 右 二 本 目 へ 隠 れ る 型 。

こ の ほ か t T 2 . ) ︺、 T 2 , 2 ] の 型 が 現 実 に は 行 わ れ て い る 。 そ の 分 布 の 1 端 は ' 附 表 一 の 如 V で あ る 。

さ て ' 」 ア ル の 場 合 ' 立 竹 は ' 範 の 中 側 か ら 外 に 抜 け る 辺 り で ' そ れ ま で 終 始 寄 り 添 っ て き た 二 本 の 竹 が こ こ で 重 な

り (皮 竹 が 上 に な る 筋 と 身 竹 が 上 に な る 筋 と が 交 互 に ま じ る ) ' そ の ま ま 次 の 一 1 の 筋 の 立 竹 の 横 で 寵 の 外 へ 出 ' 1 の

立 竹 の 下 へ 隠 れ る 。

従 っ て 、 前 記 の 表 記 法 に 従 え は 、 テ ル の 縁 作 り は 第 l O 図 C の よ う に ' ︹ 1 2 , 2 ] の 変 則 型 と い う こ と に な る (あ る

い は ' 二 本 7 筋 を 単 位 と し て ︹ I t, ) ︺ と 記 す こ と も で き る で あ ろ う ) 。 こ の 型 の 緑 作 り の 利 点 は 二 本 合 せ の 立 竹 を

縁 の 下 の 所 で 割 ら ず に (他 の 方 法 で は ' 胴 の 上 部 で ' 漸 次 ' 立 竹 の 問 を あ け て ゆ ‑ ) 済 む こ と で あ る 。

テ ル の 場 合 ' 大 抵 ' 以 上 の 共 縁 の 上 に 篠 や 皮 竹 を 巻 き ' さ ら に ' 補 強 す る 。

3

ミ ソ は 負 い 緒 を 通 す 所 。 幅 五 m の 藤 で 編 む 。

. い ま ' そ の 編 み 方 を 明 ら か に す る た め に ' 他 の テ ル の ' や や 分 り や す い 7 例 (第 二 図 1 ' 蔓 で 編 む ) を 借 り て み .

る こ と に し よ う 。

笛 図 の よ う に ' 蔓 が 寵 の 中 側 か ら 外 側 へ 出 入 す る 口 は 上 下 四 個 ず つ ' そ し て 、 そ の 下 に 二 個 二 段 ず つ の 口 が あ

る 。 そ こ で 層 号 を 打 ち ' そ の 蔓 便 り を (途 中 で 葛 が ど の よ う 芯 絡 み 合 っ て い る か は 省 略 し て

)

追 っ て み る と ' 次 の 上

(24)

匡 喝

文 書 史 料 屠 空 清 用 兵

研の

究 宰 相

(25)

文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 (中 村 )

(26)

こ の テ ル の 緒 は 太 さ 四 m の 組 と ' 同 じ 太 さ の 殴 り の 紐 か ら 成 立 っ て い る ∵ 例 に よ O. て 、 緒 の 上 下 の 線 (第 二 面 の p

線 と q 線 ) に 縄 が 交 わ る 点 を 定 め ' 左 か ら 順 に 番 号 を 振 っ て お ‑ 。 紐 は t

P I

IPtlIql1q3P3‑p9‑q9‑q4‑P41P8Iq8q2‑p2‑Ploq10q5‑p5‑P

T

q7‑q6‑P6‑Pt2qtIqt2PA

罪‑=図 テル の緒 の縄配 り (楢 造供型)

い ‑

で' 」 父

点 を

通 り

第 一 二

図 の う よ

な 回

に よ っ

配 れ て い ら る こ と

が わ

か テ る 。

ル の

緒 に は' こ の

外' の こ よ

( 5

) う に

ル を プ ー

成 し

な い 絶

配 り

な ど'

つ か の

が あ る よ う

に 思

ル の も

独 の 自

美 の さ し

根 低 に は'

底 の

作 仇

か ら

緒 の

作 に り

到 ま で' る

上 の に' よ う

巧 み な

慮 が な 4 れ i J

で い (6 ) る の で あ

文部

(27)

文部省史料館所蔵生活用具の研究(中村)

註(1)カツケデルは農作物の運搬をはじめ、町へ作物を売りに

ゆくとき(帰りには日用品を買っていれて‑る)'椎の冥

採り、草刈など'広範に'利用するという.しかし'それ

.は主として女の人たちが使う.これに対してクサカリデル

は草刈りの際'男の人たちが用いる大型の背負寵(口径六

〇・〇cm'円筒型)で(﹃民具問答集﹄(前出)三〇九頁)'

島民俗誌﹄(徳之島民俗研究会編昭和三七年奄夫社

刊)には「ティる(ti:ru)竹で編んだ背負寵。上部外側

の左右に耳があり'細縄で編んだ局平の組み紐を'その耳Iに通す。阻紐を頭に掛けて<テイルVを背負うのだが'農

の主婦(アIヤ)や女青年(メI

)達でも盲斤位の荷

を平気で背負う.原始的だが手軽で便利な運搬具なので'

T今も手広く使われている。」(T五八貢)とある。

(2)「底は全体からいえはせいぜいT.三割の面積にすぎないが、底を編みおわると'それは'工程の八'九割がおわ

ることを意味する。」(南日本新聞社編﹃用と夫‑南日本

の民芸‑﹄昭和四一年未来社刊、二一八頁)という。(a)南島の寵の耳にはtX型の外tltXll型。ttt型が知られている。tTXttとttZ型はいずれも'上下の出入tIは六

個である。

者の竹配りは次の通り。

po‑q・IP3q3‑PtIq2P2‑qSIPSIq1‑PAq6‑

P6‑

q

O

三 〇

これを。qop6‑q6‑

p

lIqlIP5‑qSIP2‑q2‑

p 4

‑q3

p3‑qI一Po

と書きかえ'下の出入口を伏せると'次のように'竹は'

最初、外側の口同志、次に内側のロ同志結ばれていること

がわかる。恐ら‑、この原則が目安であろう.

qot⁚p4'..p1.4'PS4'.p2⁚.p4⁝P3⁝pO

この最後の過程で、p.‑q3‑p3‑q.‑qOとなっていて'p‑

‑ql・p3‑q3‑Poとならないのは'この部分で'竹が交叉

・するからであるが'若し'交叉しないとすれば(q‑‑q「・

poとすれば)'‑I‑型となる。すなわち'第二図3のよう

にqoI

p I

IqlIP6‑q6‑p2‑q2‑p5‑qSIp3q3pILq4

t.P

q

この竹配りの型は'収蔵の資料では'喜界烏のイスやグー

という小さな寵の耳に1例見出される。・

(4

)テルの緒一本を縮むのに'たっぷり二はかかるとい

。テルの寿命は1年である(西日本新聞社編﹃用と美﹄(前出)二一九頁)。

(5

)縦の組の目に綴じ縄を通し'広い帯を作りだす方法は'

媛地方の猫車の曳綱や」兵庫県洲本町採集の馬の腰帯'

あるいは'やや縄配りをにするが秋田県仙北地方の樋の

曳網(所謂肩当)にも見出すことができる。授じ紐は、時

妃は'正感̲曲線潮、ま七'屑当の場合花心、ループで、

(28)

し か も 、 中 央 か ら 先 輪 に 移 る に 償 っ て ' 静 の 幅 は 漸 汲 す る よ う 工 夫 さ れ て い る .

(

6 ) こ れ に つ け て 想 起 き れ る の は ' 都 成 鋼 三 氏 の 報 告 の 次 の 一 節 で あ る 。 都 成 氏 は 、二 ア ル を め ぐ る 社 会 的 諸 条 件 を ' 正

し く 、指 摘 し て い る 。 「奄 実 大 島 の 群 島 は 殆 ん ど 嵯 峨 た る 山 地 の み で ' 平 地 と い ふ も の が 殆 ん と あ り ま せ ん 。 山 と 山 と

の 間 に 部 落 が あ っ て 、 平 地 と し て の 畑 地 や 田 な ど は そ の 周 囲 に 少 し あ る 位 の も の で 、 昔 は そ れ も 平 地 と い ふ 平 地 は 利

用 で き る だ け 藤 潜 の 砂 糖 改 発 の た め 甘 讃 畑 と 化 し て い た の で ' 唐 芋 其 他 の 良 作 物 は 山 地 や 傾 斜 地 を 拓 い て 多 ‑ 作 っ て 屠 り ま し た た 聖 坂 埠 傾 斜 地 草 を 歩 い て ' 鼻 作 物 を 連 敗

す る に は 勢 ひ テ ル の 様 な 器 具 が 必 要 と な っ て 発 達 し た も の で は な い か と 考 へ ら れ ま す . 実 際 ' 胸 突 き 八 丁 と で も い っ た 様 な 晩 し い 山 坂 や 山 腹 が 多 い 上 に ' 畑 も そ ん な 処 に 多 く

あ り ま す の で ' 私 達 の 経 験 や 見 聞 か ら し ま し て も ' テ ル は

こ ん な 地 勢 に は 便 利 な も の で す 。 天 秤 棒 な ど 担 い で は と て も 歩 け ま せ ん 。 理 由 を 書 い た も の や ' 人 が 自 覚 的 に 話 す る の を 聞 い た 事 は あ り ま せ ん が ' 以 上 の 様 に 私 通 に は 推 祭 い

た さ れ ま す 。」 (﹃ 民 具 問 答 集 ﹄ (前 出 ) 三 一 〇 頁 )

ヒ ヤ メ シ カ ゴ

図 版 三 の 上 ( 三 三 1 頁 ) .収 集 番 号 二 二 二 二 九

昭 和 三 〇 年 二 月 二 〇 日 ' 古 河 静 江 氏 採 集 。

所 用 地 、 ・ 東 京 都 八 丈 島 サ ・

皿 の 長 径 二 六 ・ 五 C . 同 短 径 二 〇 ・ 七 cm ' 底 の 横 二 五 ・ 五 C . 縦 1 五 ・ 〇 cm 。 高 さ 1 九 ・ 五 cm 。 重

さ 四 四 八 g 。 立 竹 は 幅 五 m の 皮 竹 。 廻 し 竹 は 昭 約 三 m の 皮 竹 。

藤 木 喜 久 麿 氏 の ﹃ 新 島 探 訪 録 ﹄ に よ れ ば 、 伊 豆 の 新 島 で は ' 凡 そ 三 種 の 背 負 寵 が 用 い ら れ て い た と い う 。 す な わ ち

一 つ は 米 を 買 い に ゆ く の に 背 負 っ て ゆ く 「 コ メ カ ゴ 」 、 一 つ は 畑 仕 事 や 椿 と り に 使 う 日 の 荒 い 寵 。 そ し て ' 残 り の 一 つ (1 ) は 山 や 浜 へ 昼 飯 を い れ て ゆ ‑ 小 さ な 背 負 寵 で あ っ た 。 右 の 資 料 は こ の 最 後 の も の に 当 る よ う に 思 わ れ る 。

文 部 省 史 料 館 所 蔵 生 活 用 具 の 研 究 (中 村 )

〇 九

(29)

文部省史料館所蔵生活用具の研究(中村)

三 一 〇

因 み に

t、

附 表 二 の よ う に

'

伊 豆 七 島 の 北 部 と 南 部 で は ' こ れ ら 背 負 寵 の 形 に も ' 多 少 の 相 違 が み ら れ る 。 し か し 、 (2 ) お し な べ て ' 作 り に は 共 通 の 特 徴 が あ り ' 本 州 と は 別 個 の 寵 細 工 が 発 達 し て

と が わ か る 。

の 作 り は 四 つ 目 治 し ∵ 浪 lL 竹 は 帽 1 五 m の 再 ‑ ' し か も ' 丈 夫 な 皮 竹 で あ る 。 こ の 竹 は ' 皮 の 面 が 寵 の 内 側 に 出

'

・第一三図 ヒヤメシカ

ゴの底の作 り

a.

立竹の編み

b.目潰

竹を加えた底の編み

①梁行のカ竹 ②桁行

のカ竹 ③立竹 ④目浪 し竹 l

に い よ れ る。 る

'

.

底 の

編 み の

側 は

厚 い 力

竹 で'

頑 丈 補 に

強 さ

れ て

は り

ゆ き

い る。

右 の

資 料 で は' 第 二 二

図 の よ う

に、

帽 1 五 m'

厚 五 m の 皮 さ

竹 を か け' れ に' や や こ

幅 の

広 い

(

幅 7 五'

至' 1

八 m

)

皮 竹 間 を、

隔 を と っ

て' 五 本 並

べ て い れ る。

横 か み 力 ら る と

竹 は'

底 の

み よ り

一 〇

m

浮 き

上 て っ

え' 力

竹 が

底 の ク

ン の 役

割 果 い が わ か を て る こ る。 力 と し

竹 の

先 端 は 1

0

m ほ ど

鋭 削 ‑ り '

胴 の 立

竹 に

重 ね て

編 み

込 む。

論 、

桁 の 力

竹 は'

腰 立 て の 曲 の り

分 を

削 ‑ 、

薬 の 力

竹 に

か り よ

(30)

(3)

ぅ に 敷 き な ら べ ' そ の 上 を ' さ ら に 、 二 本 の 割 竹 で 抑

で に な る 。

は 茶 目 編 。 た だ し ' 立 竹 の 幅 は か な り 細 い の で ' 三 本 合 せ 。 し か も 、 身 を 潔 ‑ 釧 ぎ 、 皮 の 部 分 だ け を 用 い る 。 こ

の 立 竹 三 本 合 せ の 手 法 は ' 附 表 こ の よ う に 、 三 宅 島 採 集 の 二 例 以 外 、 他 の 資 料 に 共 通 に 見 出 さ れ る 。

立 竹 は ' 緑 近 ‑ で そ の 間 を 漸 次 あ け て ゆ ‑ の で ' 側 面 の 底 近 ‑ で は ' 立 竹 の 端 を 重 ね 合 せ ' そ の 幅 を 狭 め る 。

の 仕 上 げ は 蛇 腹 巻 き 。 縁

は ' 前 記 佐 藤 庄 五 郎 氏 の 「 第 五 法 」 を 用 い る 。 立 竹 の か が り は t と の 場 合 ' 太

い 木 綿 糸 で あ る 。 巻 竹 に は 幅 五 m の 薄 い 皮 竹 を 用 い る 。

蛇 腹 巻 き の 縁 仕 上 げ も ま た ' 三 宅 島 採 集 の 資 料 以 外 ' 附 襲 二 の よ う に 他 の 資 料 に 共 通 に 行 わ れ て い る 。

3

は 四 個 ' こ の 範 で は

緑 の す ぐ 下 に あ る 。

耳 は ' 橋 梁 の よ う に '

い わ ば ' 橋 桁 の 部 分 と 橋

台 の 部 分 と か ら な る 。 橋

桁 は 太 さ 三 m の 蔓 ' 橋 台

部 は 幅 四 m の 皮 竹 で あ

る 。 橋 台 部 は 皮 竹 を 8 の

(31)

文部省史料館所蔵生活用具の研究(中村)‑三)

字形に編んで作り'橋桁は'奄美諸島のテルの耳のように'一筋の蔓を絡らみ合せて作る。橋桁の外観は第一四図の

ように縄の三ツ組のようにみえる。橋台の部分は'編み竹が寵の内側に出ないよう'立竹と廻し竹との問のわずかの

透間を利用して'編み竹を立竹の下へいれる。なお'図版三のように橋桁を抱で編むことがある。

橋桁の部分の蔓の配りは'例によって'第一四図のように'左から服に葛の出入口に番号をふり'結んでみると次(4)のように︼筆書きなる。ただし、蔓の端は'廻し竹の目に我んでと

q3‑PL‑p3qlI

P2

‑q2

註(

‑ )

藤木喜久庶民﹃新島探訪録﹄(昭和二年アチックミ‑

ゼアム刊)三三頁。昔'新島では、米は蟹沢晶で'俵ごと買えず'このコメ寵を背負っていって買ったという。(2)伊豆諸島には'ノダケ'ハコネダケ'ヤダケなどが自生

している(東京都教育委員会﹃伊豆諸島文化財綜合調査報

告﹄第三分冊八八九買)。いずれにしても'伊豆七島の竹細工は'本州の茎の細い竹細工の伝統を受継いで、しかも'独自の発達をとげたもののように考えられる。(3)割竹によって底を覆う手法は'所蔵の資料では硫黄島のテゴ(口の直径三九・〇

c

m'底の横二四・〇

c

m'縦二・

O

c.高さ六

〇 C

.重さ7・五五B。幅二五乃至三

〇 m

の皮竹をカ

して

上下に三本ずつ透間な‑いれる)

の他に見出される。(4)奄共・沖縄の島々と伊豆諸島とに共通する文化要素には所謂前頭支持背負道栂の寵のほか'高床の穀倉や手欽'そ

れに二部の社会組織や信仰などが指摘されている。この種の要素が両地域に共通する理由として「黒潮伝播説」と「隔離残存説」との二つの説が行われている。伊豆七島の寵細工には'このほか、網代の居辛範や箕の

形をしたイモタツ、あるいは椿油を絞るセ‑デなど'注目すべきものがす‑な‑ない。

参照

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