第
7
章 定積分の応用(キーワード)
線積分、面積分、体積積分、立体角、重心、慣性モーメント
定積分の応用として、曲線の長さ、曲面の表面積、立体の体積、空間に分布した物理量 の曲線、曲面、および体積についての積分、および物理学への応用として重心、慣性モー メントの計算法を検討する。
7.1
曲線の弧の長さ図 7.1(a)のように関数
y = f ( ) x
をx − y
平面上にプロットして曲線を描く。x = a
からまでの曲線の長さを求める問題を考える。区間
b
x = [ ] a, b
を等間隔に分割し、分割幅をΔ x
とする。これらの分割された区間はx
座標 で区切られるとする。このよ うに曲線を分割したとき、各区間の弧の長さはx
nx x x
x
1,
2,
3,
4,...
( x
i− x
i−1) (
2+ y
i− y
i−1)
2 で近似される。し たがって、弧の全長はこれらの和で近似され、y
( ) ( ) ( ( ) ( ) ) ( ) ( )
x x x f x x f
f x f x y
y x
x
n
i
i i
n
i
i i
n
i
i i i
i
⎟ Δ
⎠
⎜ ⎞
⎝
⎛
Δ + −
=
− +
Δ
=
− +
− ∑ ∑
∑
=−
= −
= − −
1
2 1 1
2 1 2
1
2 1 2
1
1
と書ける。ここで、分割を細かくして
Δx → 0
の極限をとれば、弧の長さ はs
dx dx s
bdf
∫
a+ ⎜ ⎝ ⎛ ⎟ ⎠ ⎞
=
2
1
(7.1)として求めることができる。定積分は分割と総和であることを思い出して欲しい。
次に、曲線がパラメータ
t
などによりx
座標と 座標を別々に指定することで表される場 合について、曲線の長さを与える式を導く。図7.1(b)に示すように、ここで、曲線はy x
( ) x f y =
x
1x
2x
i−1x
ix
n−1x
n図7.1(a) 弧の長さの和 (x-y)表示
Δ x
a b
,
y
i−1
y
iy (
• •
•
•
−1
t
it
i i)
i
y
x ,
( x
i−1, y
i−1)
x
図7.1(b) 弧の長さの和 t 表示
x = x ( ) t
y = y ( ) t
(7.2)で与えられるとする。パラメータは
t = α
からt = β
まで変化するとし、この区間を により分割する。分割幅はt
nt t
t
1,
2,
3,... Δ t
で均一とする。このとき、Δ t
に対応したx
との増分 と はもはや均一ではなく場所場所で異なる値をとる。曲線をパラメータの分 割に対応した折れ線で近似すれば、弧の長さは近似的に
y Δ x Δ y
( ) ( ) ( )
tt y t
t x t t
t y y t
t x y x
y x
x
n
i i i n
i i i
i i i
i i i n
i
i i i
i ⎟ Δ
⎠
⎜ ⎞
⎝
⎛ Δ + Δ
⎟⎠
⎜ ⎞
⎝
⎛ Δ
= Δ
⎟⎟ −
⎠
⎜⎜ ⎞
⎝
⎛
− + −
⎟⎟⎠
⎜⎜ ⎞
⎝
⎛
−
= −
− +
−
∑ ∑
∑
− == −
−
−
−
= − −
1
2 2
1 1
2
1 1 2
1 1 1
2 1 2
1
と書けるので
Δt → 0
の極限において、弧の長さは
dt dt dy dt
s = ∫
αβ⎜ ⎝ ⎛ dx ⎟ ⎠ ⎞ + ⎜ ⎝ ⎛ ⎟ ⎠ ⎞
2 2
(7.3)
として求められる。
特に、曲線が極座標で表されているなら、
x
とy
は動径r
と偏角θ
で表されるが、曲線上では
r
はθ
の関数として与えられるので結局独立に変化するパラメータはθ
である。このθ
を上述の
t
の代わりに用い、θ cos r
x =
およびy = r sin θ
から、θ θ θ
θ d cos r sin dr
d
dx = −
および、θ θ
θ
θ d sin r cos dr
d
dy = +
であるので、∫
∫ ⎜ ⎝ ⎛ ⎟ ⎠ ⎞ + ⎜ ⎝ ⎛ ⎟ ⎠ ⎞ = ⎜ ⎝ ⎛ ⎟ ⎠ ⎞ +
=
21 2
1
2 2 2
2 θ
θ θ
θ
θ
θ θ θ
θ d r d
d dr d
dy d
s dx
(7.4)が得られる。
例1
y = x
2の曲線の長さをx = 0
からx = 1
まで求めてみよう。(7.3)式より、( ) x dx x dx t dt
dx dx
s = ∫ + ⎜ ⎝ ⎛ dy ⎟ ⎠ ⎞ = ∫ + = ∫ + = ∫
02+
1 20 1 2
0 1 2
0
2
2 1 4 1
1 2
1 1
ここで、
t = 2 x
のように変数を置換した この積分を実行すると( )
( ) ( )
4
5 2 log 5 1 2
log 4 1
1
20 2
2
+ + + = + +
+
= t t t t
s
となる。
例2 半径
a
の円周長を(7.4)式を用いて計算する。この円周上ではr = a
でθ
に依存しないで一定なので、
= 0 θ d
dr
であり、a a
d a d
r
s
πθ
πθ θ
2π2 π
0 2
0 2
0
= = =
= ∫ ∫
となる。例3 極座標表示の対数螺旋、
r = ce
αθについて、θ = 0
からθ = 2 π
までの弧の長さを求める。
( 1 )
1
1 1
22 2 0 2 2
0 2 2
0
2
2
+ −
+ =
= +
⎟ =
⎠
⎜ ⎞
⎝ + ⎛
= ∫
πr d dr θ d θ ∫
πce
αθα d θ c α α e
αθ πc α α e
παs
例4 アルキメデスの螺旋
r = c θ
( は正の定数)上の弧長をc θ = 0
からθ = θ
0まで求める。
⎟
⎠
⎜ ⎞
⎝
⎛ ⎟
⎠ ⎞
⎜ ⎝
⎛ + + +
+
= +
⎟ =
⎠
⎜ ⎞
⎝ + ⎛
= ∫ ∫
0 0 02 0 022 0
2
2
1 log 1
1 2
0
0
θ θ θ θ θ θ θ
θ
θ
θ
c
d c
d d r dr s
7.2
線積分次に、
x − y
平面上に曲線が与えられているとし、この曲線上の各位置で関数が定義され ているとする。この関数をz = f ( x , y )
とし、次の計算を考える。( ) ( ) ( ) ( )
ii
i i i
i i i i
i
i
y x x y y f x y s
x f
I = ∑ ,
+1−
2+
+1−
2= ∑ , Δ
(7.5)この和は曲線を微小な長さ に分割し、この微小長さに各地点における関数値を掛けて総 和を取ったものである(図7.2参照)。ここで分割を無限に細かくし、分割数 を無限に大 きくするとき、この総和が有限な値に一様に収束するならば、この総和を次の様に表し、
関数 の曲線 に沿っての積分、あるいは
s
iΔ
N
( x y
f , )
Af ( ) x , y
の曲線A上での線積分という。( x y ) s f ( ) x y ds
f
I
iN s
i i
i
∑ Δ = ∫
=
∞
→→
Δ A
, ,
0
(7.6)
y
x z
a b
( ) a g
( ) b g
( ) x y f z = ,
A:積分路
y = g ( ) x
( x
i, y
i) ( x
iy
i)
f ,
( x
i+1, y
i+1) ( x
i+1, y
i+1)
f
図7.2 線積分の説明 図
この計算において、
( ) x, y
は積分路 上の点であることに注意する。したがって、 および は積分路 を与えるためにA y
iy
Ay = g ( ) x
としてx
の関数として表されていなければならない。この線積分は関数値
z = f ( ) x , y
をx − y
平面に対して垂直な 軸方向での値としてプロッ トしてみるとわかりやすい。図7.2 に示すように、積分路 上に高さが の曲線が形 成され、積分(7.6)はこの曲線と積分路との間にできる曲面(垂直に下がるカーテンのよ うなもの)の面積を与える。線積分は(7.6)式のようにシンボル的に表されるが、具体的 に計算しようとする場合、より具体的な形式に書き表したほうが良い。このような観点か ら、まず式(7.6)式を、独立変数としてのz
A
f ( x , y )
x
および従属変数としてのy
で表す。( ) ( )
( )
( ) ( )
( )
( )
( ) ( )
∫ ( )
∑
∑
∑
∑
⎟ ⎠
⎜ ⎞
⎝ + ⎛
=
⎟ Δ
⎠
⎜ ⎞
⎝
⎛ Δ + −
=
⎟⎟ −
⎠
⎜⎜ ⎞
⎝
⎛
− + −
=
− +
−
= Δ
=
+
→ Δ +
+ +
→
−
+ +
→
∞ −
→→ Δ
+
+
1 0 1
1
2
2 1 0
1 2
1 1 0
2 1 2 1 0
0
1 ,
1 , 1
,
, ,
x x
i i
i x
i i i
i i i
i i x
x
i i
i i i i x
x
i i i
s
i i
dx dx y dy
x f
x x y y y
x f x
x x x
y y y
x f
y y x x y x f s
y x f I
i i
i i i
(7.7) ここで、
x
i+1− x
i= Δ x
とした。この計算に於いては積分路を与える関係式 を に 代入するので、被積分関数は結局( ) x
g
y = y
x
だけの関数となり、通常の定積分に帰着される。次に、
x − y
平面上の座標x
と がパラメータt
の関数として与えられるとする。このパ ラメータを から の区間で について等間隔y
t
0t
1t Δ t
で分割する。このとき、(7.6)式は次のよ うに書き直される。( ) ( ) (
1)
22
,
i 1 i i ii
i
i
y x x y y
x f
I = ∑
+− +
+−
( ) ( ) dt
dt dy dt
y dx x f t t
y y t
x y x
x
f
ti t i
i i i
i i i
i
i
∫
∑ ⎟⎟ Δ = ⎜ ⎝ ⎛ ⎟ ⎠ ⎞ + ⎜ ⎝ ⎛ ⎟ ⎠ ⎞
⎠
⎜⎜ ⎞
⎝
⎛ Δ + −
⎟⎟ ⎠
⎜⎜ ⎞
⎝
⎛ Δ
=
+−
+ 10
2 2 2
1 2
1
,
,
(7.8)ただし、
x
およびy
はx = x ( ) t
およびy = y ( ) t
として で与えられ、これらは積分路を表す。t
特に、
x − y
平面上の位置が極座標で与えられているならば、x, y
をr , θ
で表し、r
をθ
の関数と考えて(7.8)式の微分係数を求め代入することで(7.8)式が次のように表される。
( ) θ
θ θ
θ
θ
r d
d r dr f
I = ∫
01, ⎜ ⎝ ⎛ ⎟ ⎠ ⎞
2+
2 (7.9)ただし、
r = r ( ) θ
は積分路上の点までの動径長を偏角θ
の関数で与えるもので、積分路の極 座標表示である。この式は簡単な図形的理解から直接求めることができる。図7.3に示すよ うに、( x
i, y
i)
点から( x
i+1, y
i+1)
点までの間の弧の長さをΔ s
iとする。( x
i, y
i)
点およびs
iΔ
r
i +1r
iθ Δ
) , ( x
iy
i) , ( x
i+1y
i+1図7.3 曲線長の見積もり (極座標)
Q
r
PΔ
θ Δ r
) ,
( x
i+1y
i+1 点までの動径の長さをそれぞれr
iおよびr
i+1とするとθ θ Δ
∂
= ∂ Δ
=
+
−
r r r r
i 1 i である。したがって、弧
PQ = ( r Δ θ )
2+ ⎛ ⎜ ∂ θ r Δ θ ⎞ ⎟
2= ( ) r
2+ ⎛ ⎜ ∂ θ r ⎞ ⎟
2Δ θ
∂ ∂
⎝ ⎠ ⎝ ⎠
であるから、
= ∑ ( ) ( ) + ⎜ ⎝ ⎛ ∂ ∂ ⎟ ⎠ ⎞ Δ = ∫ ( ) ( ) + ⎜ ⎝ ⎛ ∂ ∂ ⎟ ⎠ ⎞
=
1 0
2 2
2
2
,
,
θθ
θ
θ θ θ θ
θ r d
r r r f
r r
f I
ri
r i
i
i
i (7.10)
となる。
それでは、具体的に関数の線積分を求める作業を行う。
例 5
z = f ( ) x , y = x
2+ y
2(回転放物面)を積分路y = 2 x + 1
に沿って積分する。積分は 点( 0 , 1 )
から( ) 1 , 3
までとする。この場合は、(7.7)式をx
について区間0 ≤ x ≤ 1
で積分するこ とで求められる。( )
2( ( ) ) ( )
21 2 2 1 2 2
0 0
1 2 1 1 2 1 14 5
3
dy d
I zds x y dx x x x dx
dx dx
⎛ ⎞ ⎧ ⎫
= ∫ = ∫ + + ⎜ ⎝ ⎟ ⎠ = ∫ + + + ⎨ ⎩ + ⎬ ⎭ =
A
例 6
z = f ( ) x , y = x + y
(原点を通る傾いた平面)を積分路y x 2
= 1
に沿って からまで線積分する。
= 0 x
= 1 x
( )
8 5 3 4
5 3 2
1 1 2
1 1
10 1 2
0 1
0
2
=
⎟ =
⎠
⎜ ⎞
⎝ + ⎛
⎟ ⎠
⎜ ⎞
⎝ ⎛ +
⎟ =
⎠
⎜ ⎞
⎝ + ⎛ +
= ∫ x y dy dx dx ∫ x x dx ∫ xdx
I
こ れ を 極 座 表 で 求 め る 。 原 点 か ら 点
( ) x, y
ま で の 距 離 をr
と す る とx r 5
= 2
お よ びr y
5
= 1
であるから、( ) ∫ ∫
∫ = ⎜ ⎝ ⎛ + ⎟ ⎠ ⎞ =
=
25 0 2
5
0
5
3 5
1 5
, y ds 2 r r dr rdr
x f I
A
8 5 3 5 2
3 5
3
25
0 2 2
5
0
= =
= ∫ rdr r
と同じ結果が得られる。ここでは偏角
θ
が一定なので、線積分はr
について行う。例7
z = x
2+ xy + y
2 (放物面;z = const
面との交線が楕円で、x
軸から の方向 へ長軸を持つ)を半径45
D−
R
の円周x
2+ y
2= R
2 上でy ≥ 0
の領域で線積分する。まず、y
x −
座標系では次のようになる。( )
∫
∫ =
−+ + + −
=
RR
dx
x R y x
xy x zds
I
2 22 2
2
1
A
;ここで、
y = R
2− x
2 を代入する。( )
( )
( ) ( )
3
2 2 2
2 2
2 2 2
2 2
2 2
2 2
2 2
2 2 2 2 2 2 2
2 2
2 1
R
dx x R x
R R x
R dx x R R x
R
dx R x R x x R dx x R x x R R x
dx x R x R x R x x R
R R R
R R
R
R R R
R R
R
π
π π
π
=
⎥ ⎦
⎢ ⎤
⎣
⎡ − − + −
⎥ =
⎦
⎢ ⎤
⎣
⎡ ′
−
−
=
⎥ ⎦
⎢ ⎤
⎣
⎡ +
= −
⎟⎟ ⎠
⎜⎜ ⎞
⎝
⎛ + + −
= −
− − +
− +
=
∫
∫
∫
∫
∫
− −
−
−
−
−
これを極座標で計算すると、
x = r cos θ , y = r sin θ
でr = R
とし、= 0
∂
∂ θ
r
であることを用 いると、( ) ( )
( )
∫
∫ = + + +
=
πθ θ θ θ θ
0
2 2 2 2
0 sin
sin cos
cos R R R d
R zds
I
A
( )
30 3
0
3
sin 2
2 sin 1
cos
1 d R R
R
πθ θ θ θ θ ⎥⎦ ⎤
π= π
⎢⎣ ⎡ +
= +
= ∫
となり、同じ結果を得る。
例8
線積分の応用として物体に働く力が行う仕事を計算してみよう。物体に力
F
が働いてい て変位Δ r
が生じたとする、このとき、力が行った仕事はF
•Δ r
で与えられる。鉛直下方に 重力 が働いているとき、放物運動している物体にたいして重力が行う仕事を考える。物体を水平方向(
− mg
x
軸とする)に速度v
0で発射したとすると、t
秒後における物体の位置は⎟ ⎠
⎜ ⎞
⎝
⎛
0−
22 , 1 gt t
v
で あ り 、x, y
の 関 係 と し て 表 せ ば 、 軌 道 は 2 22
0x v y = − g
)
で あ る 。 力 は
であり、軌道上の位置
( − mg
= 0 ,
F
( ) x, y
から軌道に沿って( x + Δ x , y + Δ y )
まで移動する際 に、この力が行う仕事は である。ここで は軌道上の位置(
における接線ベ ク ト ル で あ る 。
ds
dW =
F•tt x, y )
dx dx ds dy
2
1 ⎟
⎠
⎜ ⎞
⎝ + ⎛
=
で あ り 、 ま た 接 線 ベ ク ト ル を 成 分 で 表 す と⎟ ⎟
⎟ ⎟
⎟
⎠
⎞
⎜ ⎜
⎜ ⎜
⎜
⎝
⎛
+
− +
=
⎟ ⎟
⎟ ⎟
⎟
⎠
⎞
⎜ ⎜
⎜ ⎜
⎜
⎝
⎛
⎟ ⎠
⎜ ⎞
⎝ + ⎛
⎟ ⎠
⎜ ⎞
⎝ + ⎛
=
2 4 0
2 2 0 2
4 0
2 2
2
1 , 1
1 1
, 1
1
v x g v x
g
v x g dx
dy dx dy
dx dy
t
;x
v g dx dy
2 0
−
=
を用いた。したがって、
( ) ds
v x g v x
g mg
ds dW
2 4 0
2 2 0
1 +
−
−
=
= F
•t
となるので、重力がこの物体に行う仕事は、これを軌道に沿って線積分することで求められる。つまり、軌道上で原点から
( x , y )
までの積分は2 2 0
2
0 2
0 2 0
2 4 0
2
2 4 0
2 2 0
2
0
2
2 4 0
2 2 0
2
2 4 0
2 2 0
2
1 2 1
1 1
1
v x xdx mg v dx mg v x
g v x
g v x mg
dx dx dy v x
g v x mg ds
v x g v x mg ds
W
x x
x
=
= +
+
=
⎟ ⎠
⎜ ⎞
⎝ + ⎛ +
= +
=
=
∫
∫
∫
∫
∫
•A A
t F
となる。ところで物体が落下することによる高さの変化は 2 2
2
0x v
h = g
なので上記の積分はとなり、結局重力が物体に対して行った仕事は
mgh
≡
mgh
重力x落ちた距離 という馴染みのある結果を得る。例9.極座標を用いた線積分の例として、半径
a
の円周上で与えられる関数f ( ) r , θ = c θ
の円周に沿った線積分を考える。
r = a
および= 0 θ dr
d
より、( ) ( ) ( )
ac ca
d ca d a c d d
r dr r
f
I
22 2 0 2 2
0 2
2 2
0
2
2
, θ θ θ θ θ 2 π π
θ θ
π ππ
⎟ = = = =
⎠
⎜ ⎞
⎝ + ⎛
= ∫ ∫ ∫
これは螺旋状スロープ階段の側面の面積を与える。
7.3
立体の体積の計算図7.4に示すように、立体の断面積が
x
座標の関数であたえられるときは、立体の体積を求めることは難しくない。
x
座標を と分割し各区間の間隔を 、各々の 位置における立体の断面積をそれぞれx
nx x x
x
1,
2,
3,
4,... Δ x
( ) x
iS
とすれば、立体の体積は近似的に( ) x x S V
n
i
i
Δ
≈ ∑
=1
(7.11)
x
i( ) x
iS
a x
i+1b
図7.4 断面積がxの関数で 与えら得る場合
と表される。ここで分割を細かくし、
Δx → 0
の極限においては、体積は∫ ( )
=
ba
S x dx
V
(7.12) で与えらる。ただし、ここで立体の体積をx = a
からx = b
まで求めるものとする。例10 半径
a
の球の体積を求めてみる。球の中心を原点におき、x
における断面の半径をr
とすれば、r
2= a
2− x
2 であり、断面積は
π r
2= π ( a
2− x
2)
である。したがって体積は
( )
3 4 3
1
3 32 2
2
a
x x a dx x a
a
a a
a
π
−
π ⎟ = π
⎠
⎜ ⎞
⎝
⎛ −
=
−
∫
−となる。
例11
底面が長方形の角錐の体積を求めてみよう。頂点を原点に置いて、角錐の中心軸を
x
軸に とり、角錐の高さをh
とする。底面のサイズをy
方向に 、 方向に とする。このとき、a z b
x
の位置での断面積は2
x
2h b ab h a x h
x ⎟ =
⎠
⎜ ⎞
⎝
⎟ ⎛
⎠
⎜ ⎞
⎝
⎛
であるので、体積は
3 3
3
3 2 0 3 0 2
2 2
h abh h x ab h dx ab h x V ab
h
h
= = =
= ∫
である。
7.4
回転体の表面積図 7.5 に示すように関数
y = f ( ) x
をx
軸回りに回転して形成される回転体について、a
x =
から までの側面積を求める。 と に対応する y 座標の値をそれぞれ お よび とする。図の と の距離をb
x = x
i−1x
iy
i−1y
iM
i−1M
iΔ s
iとすると、
Δ s
i= ( x
i− x
i−1) (
2+ y
i− y
i−1)
2である。この距離は の位置に応じて変化することに注意する。したがって
i
番目というこ とで と書いた。側面を描く曲線を折れ線で近似したときの、この回転体の側面積はx
is
iΔ
−1
x
i( ) x
iS
a x
ib
図7.5 回転体の表面積
s
iΔ
−1
M
iM
i−1
y
i( ) ( ) (
12
1 1 1
2 1 2
1 1
1
2 2 1
2
−−
− −
−
−
−
−
⎟⎟ −
⎠
⎜⎜ ⎞
⎝
⎛
− + −
=
− +
−
=
Δ ∑ ∑
∑
i ii i
i i i
i i
i i
i i
i i
i
i
x x
x x
y y y
y y x
x y s
y π π
π )
と表すことができる。したがって、
Δ x = ( x
i− x
i−1) → 0
の極限では表面積は
( ) dx dx x df
f
S
ba
2
1
2 ⎟
⎠
⎜ ⎞
⎝ + ⎛
= π ∫
(7.13) により求めることができる。例12
y = x
で形成される回転体の表面積をx = 0
からx = 1
まで求めてみる。( ) ∫ ∫
∫ + ⎜ ⎝ ⎛ ⎟ ⎠ ⎞ = + = +
=
10 1
0 2
4 2 1
4 1 1 2
1
2 dx x dx
x x dx dx
x df f
S
ba
π π
π
( ) ⎟ ⎟
⎠
⎞
⎜ ⎜
⎝
⎛ −
⎟ =
⎠
⎜ ⎞
⎝ ⎛ +
= 8
1 5 3 4 4
1 3
4
31
0 2
3
π
π x
7.5
面積分定積分の応用として次の積分を考える。
図7.6のように、
x − y
平面上に有限な領域 を与える。この領域において関数 を定義する。ここで、 を多数の小面積S z = f ( ) x , y
S Δ S = Δ x Δ y
に分割し、各々の小面積の所在地を座 標( x
i, y
j)
で指定する。この各々の位置における関数値をz
i,j= f ( x
i, y
j)
とし、次の和を考える。
= ∑ Δ = ∑ ( ) Δ
(7.14)j i
j i j
i j i
n
z S f x y S
S
, ,
,
,
x
i−1
x
iy
j−1
y
j(
i j)
j
i
f x y
z
,= ,
図7.6 S上の面積 分
S
ここで、n は分割の総数を意味する。ここで、
n → ∞
とし、ΔS → 0
の極限において、上 記のS
nが有限の値に収束するとき、つまり
S
nI
n
=
∞
lim
→ (7.15) が一つ存在するならば、この極限値を関数 の面z S
上での面積分といい、記号∫∫
(7.16)S
zdS
で表す。これは、つまり積分領域を無数の小面積に分解し、各面積に関数値 を掛けて加 え合わせるという作業を行うことである。このような計算では意味をしっかり捉えること が何よりも重要である。
z
例13
S
を区間− a ≤ x ≤ a
と− b ≤ y ≤ b
で囲まれる矩形の領域とし、z = h
:一定としたとき、の における積分は
z S
( x y ) S h x y h x y abh
f zdS
j n i j
n i j
i
j n i
S
4 lim
lim ,
lim
, ,
,
∑ ∑
∫∫ =
→∞∑ Δ =
→∞Δ Δ =
→∞Δ Δ =
これはつまり、四角柱の体積に他ならない。この例でも明らかなように、関数 を面 に ついて積分するということは を面
S
内で加え合わせることと覚えるのが良い。z S
zdS
例14
2 2
2
x y
a
z = − −
を
x − y
平面上で原点を中心とする半径 の円で囲まれる領域で積分する(図7.7参照)。こ の積分領域は半径a
の球のa y
x −
平面上での切り口である。 を考えるにあたって、まず を固定し、zdS
y x
だけについて和を求める。つまり、zdxdy = a
2− x
2− y
2dxdy
を、 を固 定し、y
2 2 2
2
y x a y
a − ≤ ≤ −
−
の範囲でx
について加え合わせる、つまりにx
ついて積分する。ここで、
x
の範囲がこのように限定されるのは、S
は半径 の円で囲まれる領域だ からである。a
x y z
y
2
2
y
a
x = −
2
2
y
a
x = − − a
a
− a
曲面
z = a
2− x
2− y
2dy zdxdy
図7.7 半球の体積を面積分で求める
∫
∫ ∫
−−
−
−
−
−
−
− − = −
=
αα
α x dx
dy dx y x a dy
zdx dy
a yy a
y a
y a
2 2 2
2 2
2 2
2 2
2 2
2
2 ;
α = a
2− y
2 と置く( )
2(
2 2)
2 2 2 2
2 2 2
2 2
2 1 2
cos d dy cos d dy dy a y
dy = + = = −
= ∫
−∫
−α π θ π
α θ θ θ
α
ππ ππ最 後 の 積 分 で 、
x = α sin θ
と 変 数 を 置 換 し た 。 こ の と き 積 分 領 域− α ≤ x ≤ α
は2
2 θ π π ≤ ≤
−
に対応する。幾何学的に考えるならば、このようにしてx
について積分したものは、 のいろいろの位置において半球から切り出された厚さ のスライスの体積を与え る。もちろん、その体積は に依存する。その結果を について
y dy
y y − a ≤ y ≤ a
の区間で積分 すると
( )
3 4 2 1 2
3 2
2
a
dy y
a
a
a
π
π − =
∫
−となり、半径
a
の球体の体積を半分にしたものになっている。このように、関数 を面 について積分することは関数 と面 で形成される立体の体 積になっているが、そもそも積分の定義は体積を意識したものではない。あくまでも関数 値 と微小面積 の積を全面積 について加えたものという基本概念を忘れないように して欲しい。
z S z S
z dS S
次に、
x − y
平面上の領域 が極座標で表示されている場合の面積分を考える。面積分の 基本的な考え方は、S
( )
∑
∑ Δ = Δ
=
j i
j i j
i j i
n
z S f x y S
S
, ,
,
,
(7.17)であるが、ここで
Δ S = Δ x Δ y
およびx
iとy
iをそれぞれr
とθ
で表すことである。x − y
平 面上の図形の面積を求めるためには、図形をΔ S = Δ x Δ y
の微小な矩形に分割してから総和 を求めたが、極座標で同様の作業を行うためには、動径と偏角を微小幅に区切って微小面 積を表し、これらの総和を取る。図 7.11(a)のように、原点を取り囲む閉曲線で与えられる 領域の面積を考える。この曲線は動径r
が