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国立感染症研究所

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(1)

病院・介護施設におけるノロウイルス感染症の拡大防止対策を 目的とした吐物の飛散状況に関する研究

1)

一般財団法人北里環境科学センター,

2)

新日本空調株式会社,

3)

国立感染症研究所

林 伸行

1)

野島 康弘

1)

高塚 威

2)

柳沢 昌行

2)

宇田川悦子

3)

(平成 28 年 7 月 21 日受付)

(平成 29 年 2 月 1 日受理)

Key words : norovirus, phage, nosocomial infection

ノロウイルス(norovirus,NV)は嘔吐下痢症の原因ウイルスで,感染伝播能力が高く,2 次感染による アウトブレイクを引き起こし,院内感染対策における重要な病原微生物の一つと考えられている.NV の 2 次感染は吐物処理後においても報告されることから,従来の処理方法では防止できない可能性がある.そこ で,我々は嘔吐物の飛散に着目し,環境中における飛散状況および汚染状況について検討した.

我々は,色素およびウイルスを添加した模擬吐物を用いて,目視確認による飛散状況の観測およびウイル ス感染価測定による飛散状況の検出を行った.我々の研究では,高さ 1.5m より落下した色素を含む模擬吐 物は同心円状に飛散し,垂直方向に 0.8〜0.9m,水平方向に 3.1m まで飛散物を目視で確認した.また,高さ 1.6m より落下した約 8 log

10

PFU/mL のウイルスを含む模擬吐物では,5m 先に飛散した模擬吐物中から 0.9 log

10

PFU/100cm

2

のウイルスを検出した.さらに模擬吐物落下後の空間中の浮遊ウイルスを測定したところ,

落下 89 分後に 2.1 log

10

PFU/m

3

のウイルスを検出した.

本研究の結果,従来の報告よりも模擬吐物は長距離に飛散し,飛散後,長時間空間中を浮遊することを確 認した.また,ウイルス感染価の測定は,模擬吐物の飛散状況および浮遊状況を定量的に評価出来ることを 明らかにした.

病院施設等における NV の 2 次感染を抑制するには,吐物が広範囲に飛散することを考慮し,十分な換気 と半径 5m の床面の清掃と消毒の実施が重要であると考えられた.

〔感染症誌 91:399〜404,2017〕

ノロウイルス(norovirus,NV)は,カリシウイル ス科に属する直径約 30〜40nm の球形ウイルスで嘔吐 や下痢を主徴とする急性胃腸炎を起こす病原ウイルス である

1)2)

.また,感染伝播力が高いこと,不顕性感染 を起こすことから,感染が容易に拡大し,集団食中毒 や院内感染などを引き起こすことが知られている

1)3)4)

. 国立感染症研究所・感染症情報センターの情報による と,2008 年 1 月〜2014 年 12 月末までの 7 年間に国内 で発生した食中毒事件の発生事例のうち,NV 感染に

起因する食中毒患者の割合は全体の 60% を占めてい ることが報告されている

5)

NV 感染患者の吐物 1g あたりには,約 10

8

個のウイ ルス粒子が存在すると言われている

6)

.NV は約 10〜

100 個のウイルス粒子で感染が成立するとの報告

7)

が あり,NV 感染患者の吐物には感染を起こすに十分な ウイルス粒子が含まれている.NV の感染経路には,

汚染食品を介した経口感染,汚染した手指,衣服およ び物品に接触することによる接触感染,NV 感染患者 の吐物や下痢便などの飛沫により感染する飛沫感染,

および乾燥した NV 汚染物を吸い込む塵埃感染が存 在する

1)8)9)

病院における代表的な院内感染対策の指標として,

厚生労働省による通知「医療機関等における院内感染

別刷請求先:(〒252―0329)神奈川県相模原市南区北里 1―

15―1

一般財団法人北里環境科学センターウイルス部 林 伸行

(2)

対策について(医政地発 1219 第 1 号),平成 26 年 12 月」

10)

や国公立大学附属病院感染対策協議会が発行す る「病院感染対策ガイドライン(改訂 2 版)」

11)

などが あり,標準予防策および感染経路別予防策による院内 感染対策が記載されている.また,医療現場では個々 の医療機関ごとにマニュアル作成し,院内感染対応に 取り組んでいる

12)

.その他,東京都健康安全研究セン ターが発行している「ノロウイルスタスクフォース(最 終報告)」

13)

や国立感染症研究所感染症情報センターの ホームページに掲載されている「ノロウイルス感染症 とその対応・予防(医療従事者・施設スタッフ用)」

14)

には,NV の感染防止対策に関する情報が公表されて いる.NV については吐物処理時における感染と拡大 防止のため,吐物処理時における NV 感染と拡大防 止のため,手袋,マスク,ゴーグル,エプロンなどの 個人防護具を着用すること,吐物の処理には濃度 1,000 ppm,吐物除去後の床面等の飛散箇所には濃度 200 ppm の次亜塩素酸ナトリウム液を用い,落下点の外 周から中心に向かって広範囲(半径 2m 程度)の清掃 と消毒を行うことが挙げられている

12)15)

このように NV に対する対策は取られているが,国 内の医療機関において NV 感染症の集団発生

3)4)

やアウ トブレイク時の室内空間から NV 遺伝子の検出

9)16)

の 報告がある.また,既報の模擬吐物の飛散試験では,

落下点より最大で約 3m の地点において模擬吐物の飛 散が確認されている

15)

.そこで,我々は模擬吐物を用 いた実験により,吐物の飛散および空間中への浮遊状 況を検証した.最初に,既報の方法

15)17)

を参考に色素 を添加した模擬吐物による模擬吐しゃ試験を行い,床 面,壁面に飛散した模擬吐物の飛散状況を目視で検証 した.次に,我々は大腸菌ファージ(Escherichia coli phage Q β NBRC 20012,以下,phage Q β )を添加し た模擬吐物の模擬吐しゃ試験を行った.phage Qβ の 感染価を指標とすることで,床面における最長飛散距 離および飛散状況を,また空間中における飛散した吐 物の浮遊量と時間を検証した.本研究の結果,吐物の 床面における飛散状況,空間における浮遊状況につい て新たな知見を得たので報告する.

材料と方法

1.使用微生物

本研究では培養出来ない NV の代替ウイルスとし て phage Qβ を用いた.phage Qβ は大腸菌に感染す るウイルス(bacteriophage)の一種で,培養が容易 なこと,人に感染性を示さないことから,JIS の抗ウ イルス試験において,病原ウイルスの代替ウイルスと して微生物実験に用いられる

18)

.phage Qβ の宿主と して,大腸菌(Escherichia coli NBRC 106373,以下,

宿主)を用いた

18)

2.phage Qβ の調製方法

phage Q β の培養は,既報に従い行った

18)

.すなわ ち,宿主に phage Qβ を感染させ,35℃ で 1 日間培 養した.培養後,遠 心 分 離(3,000-×g,20 分,4℃)

により上清を回収し,0.22μm のメンブレンフィルター

(Millipore)でろ過し,1.1×10

11

PFU/mL の phage Q β の調製ウイルス液を得た.調製ウイルス液は試験まで

−80℃ 条件下で凍結保存した.

3.模擬吐物の調製

滅菌済のチャック袋に加熱済みレトルト御飯 200g と滅菌蒸留水(大塚製薬)800mL を入れ,30 回揉み 混ぜ,模擬吐物を調製した.目視観測用の模擬吐物に は,0.43g のフェノールレッド(和光純薬)(以下,PR)

または水溶性蛍光色素(以下,蛍光色素)(SINLOIHI)

を添加した.ウイルス感染価による検出用の模擬吐物 に は 1.1×10

11

PFU/mL の phage Qβ を 1mL 添 加 し た.既報より,NV 感染患者の吐物 1g には約 10

8

個の ウイルス粒子が含まれることから,模擬吐物 1mL あ たりの phage Q β 感染価を 10

8

PFU(=8.0 log PFU)

になるよう調製した.

4.飛散状況の評価 4-1.目視による観察

模擬吐しゃ試験は 2 種類の色素を用い,方眼入り模 造紙または黒色プラスチックダンボールを床面および 壁面に張り付けた気流の影響のない試験空間(10m×

5m×5m)で行った.それぞれの色素を添加した模擬 吐物 1,000mL を 100mL ビーカーに 10 等分 後,高 さ 1.5m より床面に自然落下させた.

落下後,模擬吐物に添加した PR を蛍光灯下で目視 にて確認した.また蛍光色素は,暗所下で主波長 385 nm の BLB ライト(新日本空調)を照射し,目視に て蛍光を確認し,吐物の飛散状況を評価した.

4-2.ウイルス感染価測定による検出

事前に HEPA フィルターおよびオゾン燻蒸で清浄 化した BSL 2 対応実験室(5m×4m×3m)で,phage Q β と PR を 含 む 模 擬 吐 物 1,000mL を 100mL ビ ー カーに 10 等分後,高さ 1.6m より床面に自然落下さ せた.

床面に飛散した模擬吐物中に含まれる phage Qβ を 補捉するため,回収器材を 1〜5m の距離ごとに同心 円状に設置した.設置状況の 1 例を Fig. 1に示した.

模擬吐しゃ試験 1 回目および 2 回目では回収機材とし て,各距離に φ90mm 滅菌プラスチックシャーレ(以 下,シャーレ)(アズワン)を 10 枚ずつ並べた.試験 3 回目および 4 回目では,回収面積を広くするため シャーレおよび 10cm×10cm のプラスチック板を各 距離に 10 枚ずつ設置した.

模擬吐しゃ試験後,目視で飛散状況を確認し,距離

(3)

Fig. 1 Examination  space  for  drop  test  of  the  simulated vomit.

1m

2m

3m

4m

4m 3m 2m

1m

5m Fall point

Plastic plate

Plastic dish

Air sampler

Fig. 2 Evaluation of the scattering situation of the simulation vomit to which pigment and a fluo- rescent dye had been added.

Under visible light conditions 䠄 Neutral red 䠅

Under condition of darkness 䠄 Fluorescent dye 䠅

Horizontal direction

Vertical direction

ごとに回収器材を回収した.回収器材 1 枚あたり 0.1%

ペプトン加滅菌生理食塩水 5mL で 付 着 し た phage Qβ を洗い出し,計 10 枚のシャーレ(回収面積 585cm

2

) または計 20 枚のシャーレおよびプラスチック板(回 収面積 1,585cm

2

)から得た回収液を感染価測定用の 試料とした.試料中の phage Q β の感染価から模擬吐 物の最長飛散距離および分布域を定量的に明らかにし た.なお,感染価は,既報の溶菌法にて求めた

18)

4-3.ウイルス感染価測定による空間への浮遊状況 の把握

床面への飛散状況を確認後,試験空間中に浮遊して いる phage Qβ の実測を行った.phage Qβ は,ゼラ チンフィルター(ザルトリウス)を装着したエアサン プラー(エアポート MD8)(ザルトリウス)を用いて,

試験空間の空気 500L(50L/分×10 分)から継時的に 回収した.回収したゼラチンフィルターを 0.1% ペプ トン加滅菌生理食塩水 20mL に溶解し,溶解液中の phage Q β の感染価をプラーク法で測定し,空間への 浮遊状況を定量的に算出した.

1.目視による観測

模擬吐物は,落下点を中心に同心円状に飛散した.

PR による評価では,1.5m の落下点より水平方向に最 長 3.1m の床面,垂直方向に高さ 0.9m の壁面で色素 の付着を観測した.蛍光色素による評価では,落下地 点より水平方向に最長 3.1m の床面,また落下点高さ 0.8m の壁面に蛍光色素の付着を確認した(Fig. 2).

2.ウイルス感染価による測定 2-1.床面における飛散状況

phage Qβ の感染価から,模擬吐物の各距離におけ る飛散状況との最長飛散距離を確認した(Fig. 3).

シャーレおよびプラスチック板で回収した phage

Qβ の感染価は log

10

PFU に,回収面積は 100cm

2

に換

算した(=log

10

PFU/100cm

2

).模擬吐しゃ試験 1 回

目および 2 回目の各距離に飛散した phage Q β 感染価

の平均値は,1.0m で 6.8,3.0m で 5.2,5.0m で(log

10

(4)

Fig. 3 Evaluation of the scattering distance of the simulated vomit by the viral ti- ter of the phage Qβ

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0

1. 00 1. 25 1. 50 1. 75 2. 00 2. 25 2. 50 2. 75 3. 00 3. 25 3. 50 3. 75 4. 00 4. 25 4. 50 4. 75 5. 00

viral titer of phage Q ǃ

log

10

PFU/Collection area)

Scattering distance䠄m䠅 collection area䠄䠙100 cm

2

䕺䠖

Average of the examination 1 st and 2 nd

䕔䠖

Average of the examination 3 rd and 4 th

Fig. 4 Floating time and viral titer of the phage Qβ in simulated vomit.

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0

0 20 40 60 80 100

1 st 2 nd 3 rd 4 th

floating time (min) vi ral ti ter of phage Q ǃ

log

10

PFU/m

3

-a ir )

PFU/100cm

2

)となった.一方,3 回目および 4 回目 の試験では,飛散距離 1.0m で 6.0,3.0m で 2.4,5.0m で 0.8(log

10

PFU/100cm

2

)となった.なお,模擬吐 物は落下点より最長 5.0m の床面に飛散することを確 認した.

2-2.空間における浮遊状況

模擬吐しゃ試験後,一定時間経過後の空間に浮遊し ている phage Qβ の検出結果を Fig. 4に示した.なお,

試験は 4 回実施した.ゼラチンフィルターに捕捉した 浮遊ウイルスの感染価は log

10

PFU に,回収空気 500 L の感染価を 1 立米(m

3

)に換算 し た(=log

10

PFU/

m

3

).

1 回目の試験では,吐物落下後から 13 分,27 分,42 分および 55 分の空気中の phage Qβ の感染価はそれ ぞ れ 2.7,2.4,2.1,2.1(log

10

PFU/m

3

)で あ っ た.2

回目の試験においては,11 分,25 分,45 分,60 分で 3.1,3.0,2.4,2.1(log

10

PFU/m

3

)となった.3 回目の 試験では,42 分,72 分後の空気を回収し,感染価は それぞれ 2.3,<1.6(=検出限界未満)(log

10

PFU/m

3

) となった.また,4 回目の試験では,29 分,49 分,89 分後の空気を回収し,感染価はそれぞれ 2.7,1.6,2.1

(log

10

PFU/m

3

)となった.

本研究は,NV 感染患者の吐物を由来とする NV の 院内感染拡大防止を目的として,吐物の飛散状況を評 価した.これまでに報告された飛散状況の評価試験で は,落下点の高さが 0.5m,1m であったことから

13)

, 我々は,その延長線上にあたる高さ 1.5m を落下点に 設定した.

PR または蛍光色素を用いた模擬吐物の飛散状況の

(5)

目視観測では,従来の報告

15)17)

と同様に水平方向に 3.0 m 程度飛散することの再現性が得られた.次に模擬 吐物の飛散状況の評価試験として,phage Qβ を用い た感染価測定を実施した.本試験では直立した人の口 元をイメージした試験を試みた.日本人男性の平均身 長が約 1.73m であるから口元の位置の高さを約 1.6m と考え

19)

,模擬吐物の落下点を 1.5m から 1.6m に変更 とした.目視観察に対する phage Qβ を用いた感染価 測定の有効性を検証したところ,PR を用いた目視観 測では,飛散を確認出来たのは最大 3.5m であったの に対して,感染価の測定による評価方法では,5m 先 で感染性のある phage Qβ の感染価を検出した.つま り,模擬吐物中の phage Qβ の感染価を測定すること で,従来の目視観測

14)15)

では確認することが出来ない 微小な吐物の飛散状況を把握することが可能となっ た.

phage Qβ を添加した模擬吐しゃ試験 1 回目および 2 回目において,5m の距離から感染性のある phage Q β を検出したため,回収面積を 585cm

2

から 1,585cm

2

に拡大し,模擬吐しゃ試験(3 回目,4 回目)を実施 した.その結果,5m の距離から感染性のある phage Qβ を検出した.このことから,phage Qβ を含む模 擬吐物は 5m 先の床面まで飛散することの再現性が得 られた.

次に,空間への浮遊状況について検証した.なお,

本検証は実験工程の関係上,床面に飛散した模擬吐物 の観察および回収と同時に実施するため,実施した 4 回 の 試 験 に お い て 空 気 の 回 収 時 間 に ず れ 生 じ た.

phage Qβ を添加した模擬吐しゃ試験後の空気から最 長で 89 分後に phage Qβ を検出した.その結果,従 来の報告における床面や壁面への模擬吐物の付着だけ ではなく,落下点より 4m 離れた空間中に感染性のあ る phage Qβ が存在することを明らかにした.また,

模擬吐物落下後から phage Qβ の感染価は継時的に減 少したが,空間中に長時間浮遊することを確認した.

我々は,ウイルス感染価の測定によって,模擬吐物 の床面への飛散状況に加え,空間中への浮遊状況につ いて定量的に検出することを可能とした.本研究の結 果を基に,嘔吐による NV の飛散状況を予測した場 合,従来の約半径 2m 範囲の清掃

12)15)

では,清掃範囲 外である半径 5m 地点に NV を含む飛散した吐物が残 存していると考えられる.仮に,5m 先の床面(100cm

2

あたり)に NV が約 6〜7 個存在する場合,その同心 円(0.785m

2

あたり)上には,約 470〜550 個の NV が 存在する.NV は 10〜100 個の粒子で感染が成立する ことから,残存した吐物は接触感染や塵埃感染など 2 次感染を引き起こす原因となりうる

8)13)

.また,密閉 された空間では,嘔吐から 89 分経過後,落下点から

距離 4m,高さ 1m の地点の空気 1m

3

中に NV が約 100 個浮遊しており,体内に取り込まれることで空気感染 を引き起こす可能性がある.事実,Sawyer らは 1985 年に病院の救急外来で生じた NV の集団感染の事例 において,空気感染の疑いがあることを報告してい る

20)

.その他,塵や埃とともに NV が空間に舞い上が る塵埃感染による NV の集団感染事例も報告されて いる

8)13)

このように嘔吐によって飛散した吐物は,飛沫感染 や接触感染を引き起こすだけではなく,空間中に浮遊 することで空気感染や塵埃感染を引き起こす可能性が 考えられる.そのため,医療機関等における NV の 院内感染を抑制するには,まず換気や空気清浄機によ り空間中に浮遊している NV を取り除く必要がある.

その後,従来の範囲(半径 2m)

12)15)

よりも広範囲(半 径 5m)の清掃と消毒を行うことが重要である.適切 に吐物処理を行うことで嘔吐による NV の 2 次感染 を低減し,院内感染の拡大を抑制することが期待され る.

利益相反自己申告:申告すべきものなし

文 献

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A Study on the Scattering Situation of Vomitus to Assess Extended Preventive Measures Against Norovirus Infectious Diseases in a Hospital or Nursing Facility

Nobuyuki HAYASHI

1)

, Yasuhiro NOJIMA

1)

, Takeshi TAKATSUKA

2)

, Masayuki YANAGISAWA

2)

& Etsuko UTAKAWA

3)

1)

Kitasato Research Center for Environment Science,

2)

Shin Nippon Air Technologies Co. Ltd.,

3)

National Institute of Infectious Diseases

This study used a visual inspection to determine the dispersion of simulated vomitus and also used a coliphage as a surrogate for the norovirus.

Gross visual observation revealed that dispersed droplets were noted 3.1m in a horizontal direction however the coliphage could be detected at a distance of 5m away. When recovering the airborne virus af- ter the simulated vomitus was released, the coliphage could be detected in the air up to 89 min after re- lease.

The current findings indicate that simulated vomitus is dispersed at a greater distance than previously reported. Findings also indicate that droplets are airborne for a prolonged period after release.

The fact that vomitus is widely dispersed must be taken into account, sufficient ventilation must be

provided, and a 5m ring around the patient must be cleaned and disinfected.

Fig. 1 Examination  space  for  drop  test  of  the  simulated vomit. 1m 2m 3m 4m 4m3m2m1m5mFall pointPlastic platePlastic dishAir sampler  Fig. 2 Evaluation of the scattering situation of the simulation vomit to which pigment and a fluo-rescent dye had be
Fig. 4 Floating time and viral titer of the phage Qβ in simulated vomit. 0.00.51.01.52.02.53.03.54.0 0 20 40 60 80 1001 st2 nd3 rd4 th

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