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秋田県における中学校英語教育の現状及び課題について

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1. はじめに

現在,物の流れや人の流れ,情報や資本など,経 済や社会における様々な面でのグローバル化が進行 している.その中で,母語の異なる人々を結ぶ「国 際共通語」としての英語の役割は,一層その重要性 を増している.この状況を背景に,文部科学省は 2013年12月,「グローバル化に対応した英語教育改 革実施計画」(文部科学省,2013a)を公表し,初等 教育段階からの英語教育の拡充強化,またそれに伴

う中等教育段階での英語教育の高度化など,学校教 育における英語教育全体の抜本的充実を図る方針を 打ち出した.

上記のような計画の実行には,学校英語教育の実 施状況の把握が必要となる.これに関し,文部科学 省は2013年12月,全国の公立中学校・中等教育学校 9,653校を対象に「平成25年度英語教育実施状況調 査」を実施した.生徒の英語力の状況や外国語指導 助手(ALT)等の活用状況など,計15項目に関し て行われたこの調査の結果は昨年 6 月に公表された

(文部科学省,2014).なお今回,文部科学省は一部 の調査項目について,この種の調査としては初めて となる,都道府県別の結果の公表にも踏み切ってい る.

本稿では,この調査結果を基に,⑴中学校段階で の生徒の英語力の状況,⑵授業における英語担当教 員の英語の使用状況,⑶授業における,生徒の英語

秋田県における中学校英語教育の現状及び課題について

-平成25年度英語教育実施状況調査の結果の分析から-

関谷美佳子*  秋田県教育庁高校教育課  若有 保彦**

秋田大学教育文化学部   本稿は,秋田県中学校英語教育の現状及び課題について,文部科学省が2013年12月に実

施した「平成25年度英語教育実施状況調査」の結果から分析を試みたものである.今回は,

この調査結果のうち,⑴生徒の英語力の状況,⑵授業における英語担当教員の英語の使用 状況,⑶授業における,生徒の英語による言語活動時間の割合,⑷CAN-DOリスト形式 による学習到達目標の設定・公表及び達成状況の把握の状況,⑸パフォーマンステストの 状況,⑹英語担当教員の英語力の状況,の 6 項目に焦点を当て,全国平均または他の都道 府県と秋田県の数値を比較する形で分析を行った.分析の結果から,生徒の英語力,英語 授業における生徒及び英語担当教員の英語使用率,CAN-DOリスト形式による学習到達 目標の設定状況,パフォーマンステストの実施率は全国平均を上回っていることが明らか になった.一方,英語担当教員の英語能力に関する外部試験の資格取得率,CAN-DOリ スト形式による学習到達目標の達成状況把握割合は全国平均を下回っており,今後この点 の改善が課題となることを明らかにした.

キーワード:中学生の英語力,授業における英語使用,中学校英語担当教員の英語力

 2015年 1 月 8 日受理

 † The present state of affairs and issues existing in the  teaching  of  English  at  junior  high  schools  in  Akita  Prefecture-based on the results and analysis of the  MEXT's 2013 nationwide investigation on the status  quo of English teaching in Japan

 * Mikako SEKIYA, Senior High School Education Division  of Akita Prefectural Board of Education

** Yasuhiko WAKAARI, Faculty of Education and Human  Studies, Akita University

(2)

による言語活動時間の割合,⑷CAN-DOリスト形 式による学習到達目標の設定・公表及び達成状況の 把握の状況,⑸スピーキングテスト及びライティン グテスト等のパフォーマンステストの状況,⑹英語 担当教員の英語力の状況,の 6 項目に関して,全国 平均や他の都道府県の数値と比較しながら秋田県の 中学校英語教育の現状及び課題の分析,考察を試み たい.なお,本稿における「英語担当教員」とは,

「外国語(英語)」の教員免許を有し,調査実施時点 において中学校で英語の授業を担当している者のう ち,非常勤講師を除いた者を指す.管理職はこれに 含まれる.この定義は前述の文部科学省(2014)を 参考に設定した.

2. 「グローバル化に対応した英語教育改革実施計 画」の目標及び施策について

英語教育実施状況調査の結果の分析にあたって は,評価の判断材料となる目標の把握が欠かせない.

本節では,前述の「グローバル化に対応した英語教 育改革実施計画」(文部科学省,2013a)で設定され た目標のうち,中学校段階における生徒の英語力及 び指導体制の強化に関する記述の考察を行う.

はじめに,生徒の英語力の目標であるが,この 計画では,「グローバル化に対応した新たな英語 教育の目標」案として,中学校卒業段階でCEFR

[Common European Framework of Reference for  Languages](外国語の学習,教授,評価のための ヨーロッパ共通参照枠)のA1~A2(基礎段階の 言語使用者)程度(実用英語技能検定(英検)3 級

~準 2 級程度等),高等学校卒業段階でCEFRの B1~B2(自立した言語使用者)程度(英検 2 級~

準 1 級,TOEFL iBT57点程度以上等)が設定され ている.同時に,これらの目標の達成度を検証する ための外部検定試験の活用,またこのような試験の 指導改善への活用が盛り込まれた.

目標実現のための体制整備の施策の一つとして挙 げられている指導体制の強化については,中学校に おいて授業を基本的に英語で行うこと,また全英語 科教員について,指導に必要な英語力として,英検 準 1 級,TOEFL iBT80点程度等以上を確保するこ とが提示されている.

この「グローバル化に対応した英語教育改革実施 計画」は,2003年に文部科学省が公表した「『英語 が使える日本人』の育成のための行動計画」(文部

科学省,2003)や現行の中学校及び高等学校学習指 導要領(文部科学省,2008,2009)による英語教育,

さらには2011年の「国際共通語としての英語力向上 のための 5 つの提言と具体的施策」(文部科学省,

2011)をより高度化したものと位置付けることがで きる.そのことは,中学校卒業段階での目標が「卒 業者の平均が英検 3 級程度」(文部科学省,2003)

から「3 級~準 2 級程度」(文部科学省,2013a),

高等学校卒業段階での目標が「卒業者の平均が英検 準 2 級~2 級程度」(文部科学省,2003)から「英 検 2 級~準 1 級程度」(文部科学省,2013a)などの ように,より高いレベルに設定されたこと,また英 語科教員に求められる英語力に関しても,「概ね全 ての英語教員」(文部科学省,2003)から「全英語 科教員」(文部科学省,2013a)へと表現が修正され たことからも窺える.

3. 中学生の英語力の状況

表 1 は,前述の「グローバル化に対応した英語教 育改革実施計画」において目標として定められた,

中学校卒業段階で求められる英語力(英検 3 級以上)

を有している生徒の割合,及びそれに相当する英語 力を有すると思われる生徒の割合について,全国平 均及び秋田県の数値を示したものである.この結果 によると,英検 3 級以上を有している生徒の割合は,

全国平均では16.5%であったのに対し,秋田県では 28.5%と大きく上回っていた.また,これらの数字 に,英検 3 級以上相当の英語力を有すると思われる 生徒(資格を取得してはいないが,英語担当教員が 同程度以上の力があると判断した生徒)の割合を加 えた合計においても,全国平均での32.2%に対し,

秋田県では38.4%とこれを上回っている.

これらの数値は秋田県の中学生の英語力がもとも と高かったことを意味しているわけではない.この ことは,2012年度に実施された同種の調査(文部科 学省,2013b)の結果を示した表 2 から窺うことが 表 1 英検 3 級以上を有している,またはそれと相当の英 語力を有すると思われる生徒の割合(2013年12月)

(秋田県教育庁高校教育課英語教育推進班,2014より作成)

⑴英検 3 級以上を

有している ⑵相当の英語力を 有すると思われる ⑴, ⑵

の合計

全国 16.5% 15.7% 32.2%

秋田県 28.5% 9.9% 38.4%

(3)

できる.この表によると,2012年12月時点で,秋田 県において英検 3 級以上を有している生徒の割合は 17.1%,また英検 3 級以上相当の英語力を有すると 思われる生徒の割合との合計は32.2%であった.全 国平均の数値は16.2%及び31.2%であることから,

1 年前の時点では,秋田県の数値が全国平均とほぼ 同程度であったことがわかる.

表 2 の結果は,2012年度から2013年度までの 1 年 間で,秋田県の中学生の資格取得状況に大きな変化 があったことを意味している.この変化を示したの が表 3 である.この表によると,秋田県では 1 年 間で英検 3 級以上を有している生徒の割合が17.1%

か ら28.5%と11.4%も 増 加 し た. ま た, こ れ に 英 検 3 級以上相当の英語力を有すると思われる生徒を 加えた合計の割合も,32.2%から38.4%と6.2%増加 している.これらの数値に対応する全国平均の変化

(0.3%及び1.0%の増)と比較すると,それぞれの増 加率が全国平均よりも大きいことがわかる.

このような数値の上昇の背景には何があるのだろ うか.その一つとして考えられるのが,秋田県で実 施している「外部検定試験(英検)事業」である.

「外部検定試験(英検)事業」は,「あきた発!英語 コミュニケーション能力育成事業」(秋田県教育委 員会,2013a)の一環として2013年度から実施され た事業で,秋田県内の中学校 3 年生全員,及び特別 支援学校中学部 3 年生のうち受験を希望する生徒を 対象に,年 1 回,英検(4 級以上の級から生徒が一 つを選択)の検定料を秋田県が全額負担するもので ある(秋田県教育委員会,2013b,『秋田魁新報』,

2013年 6 月 1 日号).

自治体による検定料の補助については,一部負担 の形をとることが多く,全額負担は京都府八幡市,

鹿児島県薩摩川内市などいくつかの自治体に限られ ている(日本英語検定協会,2014a,2014b).この ような検定料補助事業が資格取得率向上に及ぼす効 果については,秋田県だけでなく,同種の事業を行っ ている他の自治体の生徒の資格取得状況も調査する ことで,その有効性の検証が可能になると考える.

生徒の英語力の状況に関する秋田県の今後の課題 としては,英検 3 級以上の英語力を有する生徒及び それに相当する英語力を有する生徒の割合をさらに 上昇させることである.これに関して,秋田県教育 委員会では表 4 のように,2017年度までに「51%」(秋 田県教育庁高校教育課英語教育推進班,2014)とい う数値目標を設定している.

この「51%」という数値は,文部科学省が2017年 度までの数値目標を「50%」(文部科学省初等中等 教育局国際教育課外国語教育推進室,2013)に設定 したことに対応している.また2014~2016年度の数 値は,2017年度の目標値から逆算して設定されてい る.なお,表 4 の下段の数値については,例えば 3 級程度以上の英語力を有しながら準 2 級以上に挑戦 し不合格となる生徒も一定数存在することから,有 資格者数よりは数値が下がることを前提に設定され たと考えられる.

4. 授業における英語担当教員の英語の使用状況 表 5 は,2013年12月時点での授業における英語担 当教員の英語使用状況に関して,授業での発話をお おむね,もしくは半分以上英語で行っている英語担 当教員の割合の全国平均と秋田県の数値を示したも のである.この表が示すように,授業の発話を50%

以上英語で行っている秋田県の英語担当教員の割合 表 2 英検 3 級以上を有している,またはそれと相当の英

語力を有すると思われる生徒の割合(2012年12月)

(秋田県教育庁高校教育課英語教育推進班,2014より作成)

⑴英検 3 級以上を

有している ⑵相当の英語力を

有すると思われる ⑴, ⑵の 合計

全国 16.2% 15.0% 31.2%

秋田県 17.1% 15.1% 32.2%

表 3 2012年度の結果(表 2)と2013年度の結果(表 1)

に関する増減率

⑴英検 3 級以上を

有している ⑵相当の英語力を

有すると思われる ⑴, ⑵の 合計

全国 +0.3% +0.7% +1.0%

秋田県 +11.4% -5.2% +6.2%

表 4 英検 3 級以上及びそれに相当する英語力を有する生 徒の割合に関する秋田県の数値目標

注:2013年度の数値は現状の割合を示したものである.

(秋田県教育庁高校教育課英語教育推進班,2014より作成)

年度 *2013 2014 2015 2016 2017 英検 3 級以上の

英語力を有する

生徒の割合(%) 38.4 42 45 48 51 上記のうち英検 3 級

以上を有している

生徒の割合(%) 28.5 33 36 38 40

(4)

は,全ての学年において全国平均を大幅に上回って いる.特に注目すべき点は,全国平均では第 1 学年 44.5%,第 2 学年42.9%,第 3 学年41.2%のように,

学年が進むほど割合が低下しているのに対し,秋田 県の場合は67.5%,70.9%,71.2%と,学年が進むほ ど割合が上昇していることである.これは,秋田県 の英語授業が,文法やリーディング重視の傾向が強 い高等学校入学試験の対策に偏ることなく,中学校 学習指導要領が目標とする,聞くこと,話すこと,

読むこと,書くことの 4 技能全てに配慮したコミュ ニケーション能力の基礎の育成に積極的に取り組ん でいることを反映したものと考えることができる.

ただし,これは現段階では推測に留まるものであり,

今後,上記の結果をもたらした要因の検証が必要と なる.

秋田県の中学校英語授業における英語担当教員の 英語使用率の高さは,各学年の授業の発話を50%以 上英語で行っている英語担当教員の割合について,

都道府県別で数値の高い順に示した「【都道府県別 一覧】授業における英語担当教員の英語の使用状況」

(文部科学省初等中等教育局国際教育課外国語教育 推進室,2014a)でさらに浮き彫りになる.この資 料によると,秋田県の数値は,全学年において全国 47都道府県の中で最も高かった.

なお,秋田県教育委員会が行った全国学力・学習 状況調査の結果の分析によると,県内の多くの小学 校及び中学校が,授業に言語活動を取り入れ,思考 力,判断力,表現力等の育成に取り組んでいる(秋 田県教育委員会,2014a).この分析結果は,秋田県 の小中学校が学習指導要領の趣旨に沿った授業を展 開していることを示唆すると考えられる.表 5 の結 果は,この傾向が秋田県の中学校英語授業にも当て はまることを反映していると解釈できるが,現段階 では推測にとどまるものであり,今後の検証が必要 となる.

5. 授業における,生徒の英語による言語活動時間 の割合

英語のインプットの量を増やすという点で,英語 担当教員が授業中の発話を英語で行うことは有効で あると考えられる.しかし,Harley & Swain(1984)

やTarone & Swain(1995)などが指摘しているよ うに,目標言語によるインプットを与えるだけでは 生徒のスピーキング力の向上には十分とは言えな い.生徒のスピーキング力の向上には,生徒が英語 で言語活動を行う時間をある程度確保することが必 要となる(Harley & Swain, 1984).

表 6 は,ペアワークやグループワーク,また,教 員と生徒のやり取りなど,授業に占める生徒の英語 による言語活動の時間の割合について,「おおむね,

もしくは半分以上の時間行っている」と回答した英 語担当教員の割合を示したものである.この表が示 しているとおり,秋田県は第 1 学年において68.7%,

第 2 学 年, 第 3 学 年 で そ れ ぞ れ66.3%,67.2%と,

全ての学年において全国平均の数値(第 1 学年 52.5%,第 2 学年47.0%,第 3 学年43.1%)を大きく 上回っている.

特に注目すべき点は,全国平均では第 1 学年から 第 3 学年へと学年が進むにつれて言語活動の時間が 少しずつ減少しているのに対し,秋田県の場合は,

学年が上がっても数値にほとんど変化がないことで ある.このことは,4 の「授業における英語担当教 員の英語の使用状況」でも指摘したように,全国的 には高等学校の入学試験を意識した授業が数値の減 少に影響している(文部科学省初等中等教育局国際 教育課外国語教育推進室,2014b)中で,秋田県の 英語担当教員が,第 3 学年においても,生徒の言語 活動の時間を一定の割合で確保しながら授業を行っ ていることを示している.上記の結果をもたらした 要因の詳細については今後の検証が必要となるが,

秋田県の英語担当教員のこのような一貫した取り組 みは,コミュニケーション能力の基礎の育成という 観点から一定の評価ができる.

表 5 授業において発話を50%以上英語で行っている英語 担当教員の割合(2013年12月)

(秋田県教育庁高校教育課英語教育推進班,2014より作成)

学年 第 1 学年 第 2 学年 第 3 学年

全国 44.5% 42.9% 41.2%

秋田県 67.5% 70.9% 71.2%

表 6 授業において50%以上の時間言語活動を行っている 英語担当教員の割合(2013年12月)

(秋田県教育庁高校教育課英語教育推進班,2014より作成)

学年 第 1 学年 第 2 学年 第 3 学年

全国 52.5% 47.0% 43.1%

秋田県 68.7% 66.3% 67.2%

(5)

4 及び本節の結果から,秋田県の英語担当教員は 授業における目標言語の使用に積極的であることが わかる.この傾向は,中学校においても「授業を英 語で行うことを基本とする」(文部科学省,2013a)

ことが示される可能性の高い,次の学習指導要領改 訂の方向性とも合致すると考えられる.

授業に占める生徒の英語による言語活動の時間の 割合,及び授業における英語担当教員の英語使用割 合に関する秋田県の今後の課題としては,2013年度 の数値をさらに上昇させていくことが挙げられる.

このことに関し,秋田県教育委員会では表 7 のよ うな目標を設定している.発話の50%以上を英語で 行っている英語担当教員の割合を2017年度時点で 100%に引き上げるという数値目標については,現 状の割合が70%であることから,達成に向けては今 後かなりの努力が求められる.しかし,秋田県の教 員の年齢バランスから,今後数年間で英語の堪能な 若手教員の採用が増えることも考慮に入れると,こ の数値目標の達成は可能であると考える.ただし,

前述の「あきた発!英語コミュニケーション能力育 成事業アクションプラン(平成25年度~)」(秋田県 教育委員会,2013a)で言及しているように,秋田 県の英語教育が日本の英語教育のモデルとなること を目指す上では,英語担当教員を支援する教員研修 と同様に,英語教員志望学生の英語力育成など,教 員養成の取り組みも重要になる.

6. CAN-DOリスト形式による学習到達目標の設 定・公表及び達成状況の把握の状況

学習指導要領に示された目標を効率的に達成する ためには,学習の到達目標を設定すること,また,

設定した目標の達成状況を把握しながら授業の目標 や内容を検討し,必要に応じて修正することが求め られる.この学習の到達目標の設定に関して,近年,

CEFRのaction-oriented approach,すなわち,言葉 を使ってできることを記述して「CAN-DOリスト」

を作成し,それに基づいた指導や評価を行う動きが 世界各地で進んでいる(文部科学省,2012).日本 の英語教育においても,この概念は 2 で述べた「グ ローバル化に対応した英語教育改革実施計画」(文 部科学省,2013a)に導入されている.

表 8 は,「CAN-DOリスト形式による学習到達目 標を設定している学校の割合」「CAN-DOリスト形 式による学習到達目標の設定を行っている学校の 内,目標を公表している学校の割合」「CAN-DOリ スト形式による学習到達目標の設定を行っている学 校の内,達成状況を把握している学校の割合」の 3 項目について,2013年12月時点の全国平均及び秋 田県の数値を示したものである.この表によると,

CAN-DOリスト形式による学習到達目標の設定に 関する全国平均は17.4%,秋田県は28.3%となって おり,全国平均との比較では,秋田県内の中学校に おける学習到達目標の設定は順調と言える.

このCAN-DOリスト形式による学習到達目標の 設定に関して,秋田県教育委員会では前述の「あき た発!英語コミュニケーション能力育成事業」(秋 田県教育委員会,2013a)において,県内全ての中 学校,高等学校における作成を目指していた.な お秋田県では2014年度の段階で県内の全中学校が CAN-DOリスト形式による学習到達目標を作成・

提出しており,すでに100%に到達している(秋田 県教育委員会,2014b).

一方,CAN-DOリスト形式により学習到達目標 を設定している学校のうち,これを公表している学 校の割合は20.6%で,全国平均の21.3%と同程度と 表 7 授業における生徒の英語による言語活動の時間及び

英語担当教員の英語使用の割合に関する秋田県の数 値目標

注 1:2013年度の数値は現状の割合を示したものである.

注 2:表中の“―”は目標の設定が特には行われていない ことを示す.

(秋田県教育庁高校教育課英語教育推進班,2014より作成)

年度 *12013 2014 2015 2016 2017 言語活動時間が50%

以上となる英語担当

教員の割合(%) 67.4 69 71 73 75 発話の50%以上を英

語で行っている英語

担当教員の割合(%) 70 *2 85 100

表 8 CAN-DOリスト形式による学習到達目標の設定・

公表及び達成状況の把握を行っている学校の割合

(2013年12月)

(秋田県教育庁高校教育課英語教育推進班,2014より作成)

学年 目標の設定の

割合…⑴ ⑴の内,目標

の公表の割合

⑴の内,達成 状況の把握の

割合

全国 17.4% 21.3% 66.8%

秋田県 28.3% 20.6% 52.9%

(6)

なっている.また設定した目標の達成状況を把握し ている学校の割合は52.9%と,全国平均の66.8%よ りも低い状況にある.特に後者の達成状況の把握に 関する数値は,CAN-DOリスト形式による学習到 達目標は設定したものの,その活用が実質的には進 んでいないことを示しており,今後この数値を上げ るための英語担当教員の意識啓発が課題となる.

なお,CAN-DOリスト形式の学習到達目標の作 成,公表及び達成状況の把握に関して,秋田県教育 委員会では表 9 のような数値目標を設定している.

表中の「⑴の内,『CAN-DOリスト』形式による 学習到達目標を公表している学校の割合(%)」や

「⑴の内,達成状況を把握している学校の割合(%)」

の2017年度における数値目標については,前者が 60%,後者が73%と,「CAN-DOリスト形式による 学習到達目標の設定」の100%に比べてやや低めに 設定されている.このような低めの数値目標が設定 された背景には,学校によっては設定した学習到達 目標を実際に活用し,その検証を経て目標を改訂し,

さらにそれを活用してその検証,改訂を行うなど,

試行錯誤の段階を経てから公表や達成状況の把握を 行う可能性があることから,こういった学校への時 間的猶予を与える意図があったと推測する.

表 9 で示した目標の達成に向け,秋田県教育委員 会では,中学校英語教員指導力向上研修などの教員 研修等の機会を通じ,CAN-DOリスト形式による

学習到達目標設定の目的や意義について改めて周知 している.同時に,実際に活用しながら学習到達目 標の見直しや改善を続けることの大切さを呼びかけ ている.

秋田県に限らず,CAN-DOリスト形式での学習 到達目標の活用があまり進んでいない背景には,文 部科学省(2012)が示唆しているように,CAN-DO リストそのものに関する英語担当教員の理解が十分 とはいえない状況があると考えられる.作成に関 わっていない教員が利用していない,特定のクラス にしか利用されていないなどの問題(文部科学省,

2012)についても,このような理解の問題が関連し ているのではないか.

他方で,CEFRにおける評価は,一定の時間が経 過して特定の縛りがなくなった時に行われることが 多く,学習直後に評価を行うことが多い現在の外国 語(英語)科における評価の枠組みとの整合が難し いという側面もある(文部科学省,2012).このよ うに,CAN-DOリスト形式による学習到達目標の 活用に関して,現時点では様々な問題が存在してい る.数値目標の達成には,この形式による学習到達 目標の活用が困難な要因を把握する調査を行った り,調査を通じて明らかになった問題に対し,解決 に役立つ支援を行っていく必要がある.

7. スピーキングテスト及びライティングテスト等 のパフォーマンステストの状況

現行中学校学習指導要領の外国語科の目標が,「聞 くこと,話すこと,読むこと,書くことなどのコ ミュニケーション能力の基礎を養う」(文部科学省,

2008:105)ことにあるため,「話すこと」及び「書 くこと」における外国語(英語)表現の能力を評価 する際には,スピーキングテストやライティングテ スト等のパフォーマンステストの実施が重要とな る.これらのパフォーマンステストの学校における 実施率について,全国平均及び秋田県の数値を示し たのが表10である.この表が示すとおり,秋田県で はパフォーマンステストの実施率が全学年において 100%となっている.つまり,県内全中学校の全学 年において,何らかの形でスピーキングテストやラ イティングテスト等のパフォーマンステストが行わ れている.

表 9 CAN-DOリスト形式による学習到達目標の設定,

公表,及び達成状況を把握している学校の割合に関 する秋田県の数値目標

注:2013年度の数値は現状の割合を示したものである.

(秋田県教育庁高校教育課英語教育推進班,2014より作成)

年度 2013 2014 2015 2016 2017

「CAN-DOリ ス ト 」 形式による学習到達 目標の設定を行って いる学校の割合…⑴

(%)

28.3 100 100 100 100

⑴ の 内,「CAN-DO リスト」形式による 学習到達目標を公表 している学校の割合

(%)

20.6 30 40 50 60

⑴の内,達成状況を 把握している学校の

割合(%) 52.9 58 63 68 73

(7)

これらのテストの実施率に関しては,少なくとも 数字上は好ましい結果が得られた.今後は,CAN- DOリスト形式で設定した学習到達目標に基づくよ り適切なパフォーマンステストの実施,これらのテ ストの評価方法や評価規準の妥当性の向上など,質 の面での改善に取り組むことが課題となる.

8. 英語担当教員の英語力の状況

前述の「グローバル化に対応した英語教育改革実 施計画」(文部科学省,2013a)では,生徒の英語力 向上を図るための体制整備の一環として,英語担当 教員の英語力の向上に言及している.この英語担当 教員の英語力の状況に関して,全国及び秋田県の数 値を示したのが表11である.

この表によると,秋田県の中学校英語担当教員 285名のうち,外部試験を受験した経験のある英 語担当教員は210名,受験率は73.7%と,全国平均

(74.3%)とほぼ変わらなかった.一方,英検準 1 級 以上等の資格を有している教員は58名で,資格取得 率は20.4%であった.この数値は全国平均の27.9%

を下回るものとなっている.

秋田県の英語担当教員の資格取得率の低さは,こ の項目の都道府県別順位に関して,上位及び下位の 10都道府県を示した表12でさらに浮き彫りになる.

この表から,秋田県の順位は47都道府県中42位とい

う結果であることがわかる.なお,資格取得率が最 も高かったのは富山県の47.5%で,これに福井県の 42.8%,東京都の41.4%,石川県の39.0%が続いてい る.秋田県を除けば,全国学力・学習状況調査で上 位に位置する福井県や石川県など北陸地方の数値が 全体に高い.また,東京都や神奈川県を除けば西日 本が上位を占める傾向にある.東北地方は宮城県の 34位を除いて全て40番台であり,外部検定試験の資 格取得が進んでいない状況が見られる.

前述の文部科学省初等中等教育局国際教育課外国 語教育推進室(2014a)が示しているように,秋田 県は,授業中の英語による発話が50%以上となる英 語担当教員の割合が全ての学年において最も高い.

このことは秋田県の英語担当教員の潜在的な英語力 の高さを示していると考えられる.それにもかかわ らず,秋田県を含め,東北地方の都道府県でこのよ うな低調な結果となった要因は何であろうか.

表10 スピーキングテスト及びライティングテスト等の パフォーマンステストを実施する学校の割合

(2013年12月)

(秋田県教育庁高校教育課英語教育推進班,2014より作成)

学年 第 1 学年 第 2 学年 第 3 学年

全国 93.1% 93.7% 92.3%

秋田県 100.0% 100.0% 100.0%

表11 中学校英語担当教員の英語力の状況(2013年12月)

注:英検準 1 級以上等とは,英検準 1 級以上の他,TOEFL のPBT550点以上,CBT213点以上,iBT80点以上また はTOEIC730点以上を指す.

(秋田県教育庁高校教育課英語教育推進班,2014より作成)

英語担当教員数…

⑴のうち外部試 験を受験した経 験のある英語担 当教員数及び割

合(%)

⑴のうち英検準 1 級以上等を取得 している英語担 当教員数及び割

合(%)

全国 30,813 22,903(74.3%) 8,607(27.9%)

秋田県 285 210(73.7%) 58(20.4%)

表12 英語担当教員の資格取得状況に関する都道府県別 順位

(秋田県教育庁高校教育課英語教育推進班,2014より作成)

順位 都道府県名 英語担当

教員数 資格取得

者数 資格取得率

1 富山県 276 131 47.5%

2 福井県 236 101 42.8%

3 東京都 1,960 812 41.4%

4 石川県 305 119 39.0%

5 広島県 621 238 38.3%

6 神奈川県 1,740 570 32.8%

7 徳島県 225 73 32.4%

8 愛知県 1,719 557 32.4%

9 山口県 392 126 32.1%

10 京都府 691 211 30.5%

    (中略)

38 高知県 217 47 21.7%

39 山梨県 241 52 21.6%

40 茨城県 711 149 21.0%

41 長崎県 383 79 20.6%

42 秋田県 285 58 20.4%

43 山形県 335 63 18.8%

44 青森県 420 78 18.6%

45 福島県 575 98 17.0%

46 岐阜県 590 95 16.1%

47 岩手県 422 44 10.4%

(8)

一つには,他地域と比較して面積が広く,交通網 の整備が進んでいるとは言えない東北地方の場合,

会場へのアクセス面で時間や費用の負担が大きいこ とが考えられる.また,他地域に比べこの種のテス トの受験人口が少ないことも,試験会場や日程など の面で不利な状況を作っている可能性がある.例え ば秋田県の場合,英検は県内 3 会場のみでの実施,

TOEIC,TOEFLは秋田市のみの実施となっている.

秋田県内で受験できる回数も限られているため,特 に県央部以外に居住する教員にとっては受験しにく い状況にある.ただし,これらの地理的要因も現段 階では推測に留まるものであり,今後,上記の結果 をもたらした要因についての検証が必要となる.

英語担当教員の英語力に関して,文部科学省は,

資格取得率の割合を2017年度までに「50%」(文部 科学省初等中等教育局国際教育課外国語教育推進 室,2013)にする目標を掲げている.また表12のよ うに都道府県別の資格取得率を公表したり,各試験 団体の協力を得て英語担当教員の受験料割引を行う 特別受験制度(文部科学省初等中等教育局国際教育 課外国語教育推進室,2013)を2012年度から実施す る等,資格取得者の増加に向けた取り組みを行って いる.

この文部科学省の方針に対し,秋田県教育委員会 では,2013年12月時点で20.4%となっている資格取 得率を,2017年度までに「51%」(秋田県教育庁高 校教育課英語教育推進班,2014)へと増やす目標を 掲げている(表13参照).この「51%」という数値 は,生徒の英検 3 級以上の資格取得率における数値 目標と同様,文部科学省が2017年度までの数値目標 を「50%」に設定したことを受けての対応である.

また2014~2016年度の数値は,2017年度の数値目標 から逆算した目標値を各年度に設定したもので,年 度ごとにデータを検証しながら目標の達成を目指す こととしている.

秋田県教育委員会は,数値目標の実現に向け,英 語担当教員対象の研修会等を通して意識の向上を図 るとともに,特別受験制度に関する情報提供に努 めている(秋田県教育庁高校教育課英語教育推進 班,2014).また,文部科学省の制度により特別価 格となっている英検の検定料に関して,英語担当教 員の自己負担分を県教育委員会が全額負担する制 度も2014年度から始めている(秋田県教育委員会,

2014c).

このような秋田県教育委員会の支援をさらに実効 性のあるものにするには,資格試験取得を目指す英 語担当教員を対象とした講座の開催や学習施設の利 用提供など,可能な範囲でより直接的なアプローチ をとることが考えられる.また,英語担当教員が資 格取得に向けて努力できる環境整備,すなわち教員 の多忙化の解消に向けた取り組みも必要である.

同時に,大学等の教員養成機関において,英語を 用いて英語の授業を行うことの重要性や,英語によ るインプットやインタラクションの必要性を認識さ せ,これらの授業の実現には教師の英語力の向上が カギになることを伝える取り組みも重要になる.

9. おわりに

3 ~ 8 の分析から,全国平均や他の都道府県との 比較において,秋田県の中学校英語教育は,多くの 面で改善に積極的に取り組んでいることが明らかに なった.特に,英語担当教員が授業中の発話を英語 で行っていること,生徒の言語活動の時間を多く とっていること,また県内の全中学校でCAN-DO リスト形式による学習到達目標の設定を行っている こと,全学校の全学年においてスピーキングテスト 及びライティングテスト等のパフォーマンステスト を実施していること等の取り組みは評価できる.ま た,これらの取り組みの成果として,少なくとも資 格取得率に関しては,生徒の英語力の向上が示唆さ れていると考えられる.

一方,今後の秋田県の中学校英語教育の当面の課 題としては,「グローバル化に対応した英語教育改 革実施計画」(文部科学省,2013a)で言及されてい る,指導に必要な英語力を有する英語担当教員の割 合を向上させること,CAN-DOリスト形式による 学習到達目標の達成状況の把握割合を増加させるこ と,の2 点が挙げられる.このうち前者の課題につ いて言えば,通常の授業日はもちろん,週末であっ ても部活動等の指導で多忙を極める教員が,外部検 表13 英検準 1 級以上等を取得している英語担当教員の

割合に関する秋田県の数値目標

注:2013年度の数値は現状の割合を示したものである.

(秋田県教育庁高校教育課英語教育推進班,2014より作成)

年度 *2013 2014 2015 2016 2017 英検準 1 級以上等を

取得している英語担

当教員の割合(%) 20.4 25 33 42 51

(9)

定試験に挑戦するのは容易ではない.しかし,資格 取得により,英語担当教員がより一層の自信をもっ て教壇に立てるという効果が期待できる.また,日 本人英語教員が資格試験に挑戦する姿勢を生徒に示 すことは,英語母語話者の教員にはできない,生徒 にとっての英語学習者のモデルの役割を果たすこと にもつながる.さらに,英語担当教員が英語力を高 めることで,文部科学省(2011)が提唱しているよ うに「授業を実際のコミュニケーションの場面とす る」ことが可能となり,授業の質的向上にもつなが ると考えられる.

英語教育に対する社会の関心が高まる中,英語担 当教員の英語力を客観的に証明することは,「社会 的要請に応える」と表現すべきものになりつつある.

このような状況にある英語担当教員に対し,教育委 員会等の教員研修関係機関は,多忙化の解消や英語 力向上への意識の啓発など,資格取得に関する支援 を一層進める必要がある.

後者の,CAN-DOリスト形式による学習到達目 標の達成状況の把握という課題に関しては,教員が 達成状況を把握して生徒と外国語学習の目標を共有 することで,生徒の自律的学習者としての態度,姿 勢の育成や,達成感による学習意欲の更なる向上が 期待できる(文部科学省初等中等教育局,2013).

この課題に対しても,前述のCAN-DOリスト形式 による学習到達目標の活用の意義を説明することの 他,目標の活用に関して効果の見られた取り組みを 紹介したり,実際の活用方法について具体的に助言 するなど,英語担当教員が納得しかつ自信を持って 課題に取り組める支援が重要である.その意味でも 教員研修関係機関が果たす役割は大きいと考えられ る.

最後になるが,本稿では「平成25年度英語教育実 施状況調査」の分析から,秋田県における中学校英 語教育の現状及び課題の一部を明らかにすることが できた.しかし,本稿で分析を行った項目は全15項 目のうち 6 項目と,全体の一部にすぎない.ALT 等の外国人教員や,海外経験を積み高度な英語力 を持つ日本人教員の活用状況,スピーチやインタ ビュー,プレゼンテーション,ディスカッション,

ディベイト等の様々な種類のスピーキングテストの 実施状況など,今回の研究に含まれていない項目も 少なくない.今後,これらの項目の分析を行い,秋 田県の中学校英語教育の現状や課題の全容を明らか

にしていくことが求められる.また,文部科学省に よるこの種の調査が毎年行われていることを踏ま え,今後も定期的に秋田県の中学校英語教育の現状 及び課題の把握を行うことも必要である.

引用文献

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Summary

This paper analyzes the results of the national  investigation  on  English  language  teaching  implemented in 2013 by the Ministry of Education,  Culture, Sports, Science and Technology, with an  aim to explore issues of English language teaching in  junior high schools in Akita Prefecture. The analysis  focuses  on  the  sections  such  as  Japanese  junior  high school students' English abilities, the extent to  which English is used in English classes, and English  abilities  of  Japanese  teachers  of  English  (JTEs)  teaching at junior high school. The analysis revealed  that  the  ratio  of  JTEs  with  English  certificates  is considerably  lower than the national  average,  while the ratio of students with English certificates  and the ratio of JTEs who use English in English  classes are higher. These findings suggest a need to  encourage JTEs in Akita Prefecture to take English  proficiency tests, as the development of their English  skills enables them to make their classes a place for  real communication, leading to the improvement 

(11)

of students' proficiency in English. In addition, the  findings suggest a need to encourage JTEs to make  use of the learner achievement goals in the form of 

"Can-Do lists" for evaluation of students' academic  performance.

Key Words

 : Students'  English  abilities,  Use  of  English in English classes, Teachers'  English abilities

(Received January 8, 2015)

参照

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