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氏名 上原ウエハラ

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Academic year: 2021

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(1)

氏 名 上原

ウ エ ハ ラ アキラ

所 属 都市環境科学研究科 都市環境科学専攻 観光科学域 学 位 の 種 類 博士(観光科学)

学 位 記 番 号 都市環境博 第

253

号 学位授与の日付 平成

31

3

25

日 課程・論文の別 学位規則第4条第

1

項該当

学 位 論 文 題 名 観光目的地の商業空間における店舗特性の評価が観光者の 購買意向へ与える影響:人間-環境系領域の知見の応用による 観光現象へのアプローチ

論 文 審 査 委 員 主査 准教授 直井 岳人 委員 教 授 清水 哲夫 委員 准教授 岡村 祐

【論文の内容の要旨】

本研究では、人(観光者)と環境との関係性から購買意向が促される店舗の特性を明ら かにすることを目的としており、6 章で構成されている。

1

章では観光目的地における購買意向や観光旅行における多段階の意思決定、観光と 衝動買いの議論した上で、研究の目的について述べた。まず、観光目的地における購買意 向は、日常の購買との違いを整理し、特に都市型観光目的地には、観光に付随する

2

次的 な購買意向の機会がある可能性を示した。次に観光旅行の過程は複数の段階から構成され ており、 「旅行の実施前⇒実施中⇒実施後」という時間的経過の中で、観光者は様々な意思 決定を行っている可能性を示した。特に観光目的地における購買意向は往々にして現地で 意思決定されるものだと指摘した上で、このような現地での意思決定は、商業広告などの 情報だけでなく、現地で接触する環境要因(訪問する前は購入の計画はなかったが、開放 的な外観の店舗に入ってしまい、思わず商品を購入してしまったなど)の影響を受ける可 能性を示した。以上の研究背景から、本研究では、人(観光者)と環境との関係性から購 買意向が促される店舗の特性を明らかにするという研究目的を提示した。

2

章では、第

1

章での論点に基づき、人間-環境系及び消費者行動の研究における観 光者を含めた人の購買意向に関する先行研究を整理した。次に本研究の分析対象である観 光目的地における店舗特性を把握する枠組みとしての「servicescape」の特性を明確にし た。そして、本研究で援用する人間-環境系領域と消費者行動論の領域に関する研究レビ ューを行い、それら及び観光研究の中での本研究の位置づけと独自性を明らかにした。

3

章では、本研究で対象地とする沖縄県那覇市国際通り周辺における観光目的地とし

(2)

ての現状、商店街としての現状を概観し、当該地域がこれらの条件に照らして適切な研究 対象地であるかを考察した。

4

章の調査では、観光目的地内の商業空間における店舗特性( 『店の外観・内観』 、 『商 品の品揃え』、 『店員のホスピタリティ』の特徴)に着目し、店舗の全体評価と観光者の購 買意向の関係を明らかにすることを目的としている。調査内容としては、沖縄県那覇市国 際通り周辺の

30

店舗を対象に

20

代の観光者

16

名・県外出身者の観光従事者

16

名を被験 者とした現地調査を行った。分析内容としては、当該店舗の特性の評価構造を明らかにす るために因子分析を行い、それぞれの因子得点を基に当該店舗における特徴の分類を行っ た。最後に店舗の全体評価(独立変数)と購買意向(従属変数)との関係を厳密に検証す る為に共分散構造分析を行い、共分散構造分析の最終モデルをもとに、観光者及び観光従 事者の間で違いがあるかを検証した。その結果、 「沖縄風地元感があり店員に近づきやすい と知覚される店舗」のように「非日常的な観光性」が低いが、店員のホスピタリティと外 観や内観やその組み合わせが生み出す地元感が購買意向を向上させる可能性があるといっ た、複合的な環境の影響を明らかにした。

5

章では、第

4

章で明らかにした観光者の購買意向に関わりうる環境要因を独立変 数とし、モニターツアーでは対象に出来ない観光者に関わる諸要因(買物を楽しむ特性、

衝動買いの特性、ポジティブ、ネガティブ、促された要因)を組み込んだ質問票を用いて、

観光者(質問票配布:

2,000

部、回収:445 部)が購入した店舗の評価について調査を行い、

共分散構造分析を行った。その結果、サービススケープの全体評価である「活気のある沖 縄的地元感」と普段の観光旅行で買物を楽しむ特性である「SET」が、今回の土産物購買に 関わるポジティブな感情である「PA」を媒介変数とし、土産物購買に関わる促された感情 である「URGE」と「再購入意向」に正の関係にあることが示された。なお、 「SET」と「活 気のある沖縄的地元感」では、物理環境の評価である「活気のある沖縄的地元感」のパス 係数が大きいことが示され、個人特性を加味した上でも、環境要因の評価が再購入意向へ 与える影響が示された。

最後に第

6

章では、これまでの研究結果を踏まえ、観光目的地における店舗特性と観光 者の購買意向との関連性に関して整理を行い、本研究の今後の展望について述べた。

本研究では、観光者が現地で目にするサービススケープの評価が観光者の購買意向に少

なからず影響を与えていることを示し、観光分野の既存研究で見落とされていた環境要因

の観光者購買意向に対する影響を明らかにしたという意味で観光研究のリサーチギャップ

を埋めるものである。こうした諸領域(人間-環境系や消費者行動など)における評価手

法とその観光学への応用は、観光者の現地での購買意向の生成の仕組みを理解する上で有

効だと考えられ、 「人と環境との関係性」という枠組みは観光現象の理解に手掛かりを提供

してくれるものだと考えられる。

参照

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