廃校の転用に際して建築関連法
規が及ぼす影響
−過疎地域の事例の考察−
A STUDY ON THE INFLUENCE OF
BUILDING CODES ON CONVERSION
OF CLOSED ELEMENTARY AND
JUNIOR HIGH SCHOOLS
− In the case of depopulated areas −
日本建築学会技術報告集 第 17 巻 第 36 号,633-638,2011 年 6 月 AIJJ.Technol.Des.Vol.17,No.36,633-638,Jun.,2011 鈴木健二— ———— * 1 キーワード : 廃校,転用,建築関連法規 Keywords:
Closed schools, Conversion, Building codes
Kenji SUZUKI— ーーーーーー * 1
The purpose of this paper is to clarify the influence of building codes on conversion of closed elementary and junior high schools in depopulated areas. Some results show as follows : (1)In the past, obligatory return of national subsidy for school construction prevented closed schools from conversion, but recently such a situation has been improved by deregulation. (2)In depopulated area, there are a lot of regions where waste water purifier is used. In such a region, installation of combined treatment purifier becomes a question of money. (3)Conversion from the usage with a loose requirement for fire extinguishing equipment to a severe usage needs more advanced fire extinguishing equipments.
*1 鹿児島大学大学院理工学研究科 准教授・博士(工学)
(〒 890-0065 鹿児島市郡元 1-21-40)
*1 Assoc. Prof., Graduate School of Science and Engineering, Kagoshima Univ., Dr.
Eng. 本稿は 2009 年日本建築学会大会にて口頭発表したもの(参考文献1)に、加筆・修正を行ったものである。 られるが、既往研究ではこうした知見や、過疎地域の廃校を転用する 際に生じる建築関連法規上の問題については、明らかにされていない。 そこで本研究では、過疎地域において転用が行われた廃校の事例 を対象とした調査から、廃校の転用過程について比較考察を行い、 転用を実現させていく上での問題点を明らかにすることで、今後の 廃校転用についての計画的知見を得ることを目的とする。 3. 調査と事例の概要 過疎地域において転用が行われた廃校の事例を対象に、現地での調 査を 2008 〜 2009 年に行った。対象事例の選定に際しては、用途や構造、 規模が異なるように7つの事例を選出し、管理者や設計者、行政担当 者へのヒアリング調査を行った。各事例の概要を表1と以下に示す。 事例 KK:2000 年に廃校となった熊本県菊池市の旧中学校を、2004 年に NPO 法人が転用した事例である。地域住民による協議の下、老朽 化した木造・平屋建校舎の有効活用を目的に、農業や自然を学ぶ研修 施設(確認申請上の用途は専修学校)へ転用され、農業体験や運動合 宿の場として利用されている。改修工事は南側校舎を対象とした1 期工事と、北側校舎を対象とした2期工事の2段階でなされているが、 本調査では大規模な改修が行われた第2期工事を対象としている。 事例 AK:2001 年に廃校となった福岡県朝倉市の旧小学校を、2004 年に任意団体(自治会)が転用した事例である。過疎化が進んだ地域 の活性化を目的として、木造・平屋建校舎の改修により食堂を併設 した宿泊施設へと転用されており、特に宿泊施設は夏季に多くの利用 が見られるとのことである。 事例 MT:1994 年に廃校となった鹿児島県南種子町 ( 種子島 ) の 1. 研究の社会的背景 近年、少子化や市町村合併に伴う学校の統廃合等により全国各地で 廃校が増加している。小中学校は利便性の高い場所に立地している事 が多く、廃校になった後も地域のニーズに合致した学校以外の用途へ と有効に活用していく事が望まれるが、廃校校舎の具体的な転用手法 が知られていない事や、地方自治体の財政状況が厳しい事などから、 廃校が放置されたままとなっているケースも少なくない注1。このよう に廃校の有効活用が進まない大きな要因としては、補助金で整備され た校舎を用途変更する際に生じる「補助金返還の問題」がこれまで指 摘されてきた。しかし、2003 年から始まった「地域再生計画」注2や 1991 年以降数回に渡って行われた「補助金対象財産の財産処分手続 の弾力化」によって規制の緩和が進みつつあり、補助金返還のハード ルは小さくなりつつある事から、地域のニーズを踏まえながら廃校 を有効活用し、地域の活性化へと繋げていくことが期待されている。 2. 既往研究と研究の目的 廃校の転用事例を紹介したものとしては、2003 年に公表された廃校 リニューアル 50 選注 3が知られている。その後も建築分野における廃 校の転用に関する研究としては、廃校となる要因に着目した藤野らの 研究注 4、学校の統廃合や跡地利用計画策定のプロセスに着目した斎尾 や能勢の研究注 5、都市部における廃校の転用事例に着目した角田ら や河野らの研究注 6があり、筆者らも住民主体で過疎地域の廃校を転 用した事例に着目した研究注 7を行っている。過疎地域では自治体の 財政も厳しく、資金に余裕のある民間の参入も難しい事から、限られ た予算の中で転用を実現させていくための知見が重要になると考え Kenji SUZUKI---*1
鈴木 健二 ---
*1キーワード 廃校、転用、建築関連法規 Keywords
Closed schools, Conversion, Building codes
The purpose of this paper is to clarify the in uence of building codes on conversion of closed elementary and junior high schools in depop-ulated areas. Some results show as follows : (1)In the past, obligatory return of national subsidy for school construction prevented closed schools from conversion, but recenly such a situation has been improved by deregulation. (2)In depopulated area, there are a lot of regions where waste water puri er is used. In such a region, installa-tion of combined treatment puri er becomes a quesinstalla-tion of money. (3)Conversion from the usage with a loose requirement for re extin-guishing equipment to a severe usage needs more adovanced re extinguishing equipments.
廃校の転用に際して
建築関連法規が及ぼす影響
〜過疎地域の事例の考察〜
A STUDY ON THE INFLUENCE OF BUILDING
CODES ON CONVERSION OF CLOSED
EL-EMENTARY AND JUNIOR HIGH SCHOOLS
In the case of depopulated areas
-*1 鹿児島大学大学院理工学研究科 准教授・博士(工学) (〒 890-0065 鹿児島市郡元 1-21-40)
*1 Assoc Professor.,Graduate School of Science and Engineering, Kagoshima Univ.,Dr.Eng
4. 廃校転用の流れ 廃校を転用する際には、一般的に転用計画を申請した上で財産処分 の手続きを行い、必要に応じて建築確認、改修工事といった過程を経 ることになる(図1)。今回の事例ではそれぞれの過程で異なった対 応が見られるため、それぞれの過程毎に考察を進めていく。 4-1. 財産処分手続きへの対応 国庫補助金を受けて設立された廃校の内、処分制限期間注 8を経過 していないものを転用する場合、補助事業の目的外で使用する際には、 補助金の不正利用を防ぐための補助金等適正化法によって補助金返 還の問題が発生することになる。地方自治体の財政も厳しい状況にあ る事から、補助金の返還をしてまで廃校の転用を行うのは難しいため、 廃校の円滑な転用を妨げている要因の一つとも指摘されている。 近年は規制緩和が一部なされており現在は若干の変更があるが、対 象事例が転用を行った時期の財産処分の手続きを表したのが図 2 で ある。補助金を受けて設立された廃校の転用については、まず処分制 限期間を経過しているかが問題となり、処分制限期間を経過している ものについては補助金の返還は不要となる。処分制限期間は、RC 造 の場合は 60 年、S 造の場合は 40 年、木造の場合は 24 年(2000 年度 以前の事業のもの注 9)と異なり、構造形式によって大きな差がある。 次に、処分制限期間は経過していないが、補助事業完了後 10 年以上 が経過したものについては、無償による転用の場合に限り、補助金返 還が不要となる可能性が出てくる。特に「転用する主体」と「転用後 の用途」によってその後の対応が変わる事になるが、転用主体が NPO 法人や任意団体の場合は、公共団体や学校法人・社会福祉法人と区別 されて「その他での転用、貸与、譲渡」に該当するため、転用後の用 途が何であっても補助金の返還が必要と判断される事になる。文部 科学省の調査結果注 10を見ても、転用後の用途は社会教育施設・社会 体育施設・庁舎等で 60%以上を占める等、学校と同じ教育委員会が管 理する施設に用途が偏っており、「転用後の用途」よりも「転用する主 旧中学校を、2006 年に NPO 法人が転用した事例である。町で唯一の 特別養護老人ホームに入れない高齢者の受け皿となるため、地域再 生計画第 2 回認定を受けて高齢者福祉施設(短期入所介護施設)へと 転用されている。渡り廊下の屋内化により RC 造・平屋建ての既存校 舎2棟を一体化すると共に、別棟を 2 棟新築する工事が行われている。 事例 YK:2005 年に廃校になった熊本県山都町の旧小学校を、2007 年に NPO 法人が転用した事例である。廃校校舎の有効活用を目的に、 地域再生計画第 2 回認定を経て高齢者福祉施設(小規模多機能型居宅 介護事業所)へ転用されており、地域の要介護高齢者へのサービス拠 点となっている。RC 造・2 階建て校舎の 1 階部分が利用されているが、 改修箇所は小規模な範囲に留まり、改修費用も比較的抑えられている。 事例 YM:1982 年に廃校になった鹿児島県屋久町(当時)の旧中学 校特別教室棟を、2004 年に NPO 法人が転用した事例である。高齢化 が進む離島・過疎地域において、介護が必要となっても地域で住み続 けられることができるよう、町立診療所の医師が中心となって高齢者 福祉施設(通所介護事業所)へと転用されており、地域の要介護高齢 者へのサービス拠点となっている。元々中学校の特別教室棟であった 小規模な RC 造・平屋建の建物が利用されており、今回の事例では改 修費用が最も少ないものの内装を中心に大幅な改修が施されている。 事例 KO:2004 年に廃校になった広島県河内町(当時)の旧小学校を、 自治体が転用した事例である。近接する町立診療所の老朽化が進み、 移転・改修の必要性が高まっていた所に、小学校の廃校が決定した ため、2004 年に廃校校舎の一部、約 140 ㎡を診療所へ、2006 年に残 りの部分を公民館へと2段階に分けて転用がなされた。RC 造・2 階建 校舎の1階の2教室が診療所、残りの部分が公民館となっており、地 域住民の交流の場や地域医療の拠点として利用されている。 事例 KS:1993 年に廃校になった広島県河内町(当時)の旧小学校 を、任意団体(自治会)が転用した事例である。遊休化した校舎の有 効活用を目的に、2004 年に廃校校舎の一部を体験交流施設、2005 年 に公民館へとそれぞれ転用がなされており、体験交流施設は一日 30 名程度の利用があるなど、住民の交流の場としても機能している。RC 造・2 階建の校舎全体が利用されているが、建物自体は殆ど改修が行 われておらず、調査事例の中でも改修に要した費用が非常に少ない。 表 1:対象事例の概要 図 1:廃校転用の流れ ᗫᰯ㌿⏝ィ⏬ ࠉࠉࠉࡢ⏦ㄳ ㈈⏘ฎศ ࠉࡢᡭ⥆ ᘓ⠏☜ㄆ ࠉࠉ⏦ㄳ ᨵಟᕤ 㐠Ⴀ 㸦ᚲせ࡞ሙྜ㸧 㸦ᚲせ࡞ሙྜ㸧 㸦⿵ຓ㔠㏉㑏 ࠉࠉࠉࡢ᭷↓㸧 KK AK MT YK YM KO KS 所在地 熊本県菊池市 福岡県朝倉市 鹿児島県南種子町 熊本県山都町 鹿児島県屋久島町 広島県東広島市 広島県東広島市 建設年 1950 年 1950 年頃 1947 年 1983 年 1962 年 1981 年 1978 年 廃校年 2000 年 2001 年 1994 年 2005 年 1982 年 2004 年 1993 年 転用年 2004 年 2004 年 2006 年 2007 年 2004 年 2004・2006 年 2004・2005 年 構造・階数 木造・平屋 木造・平屋 RC 造・平屋 RC 造・2階建 RC 造・平屋 RC 造・2階建 RC 造・2階建 転用面積 1819 ㎡(2期工事) 759 ㎡ 742 ㎡ 487 ㎡ 178 ㎡ 994 ㎡ 841 ㎡ 用途転用前転用後 研修施設中学校 小学校 中学校 小学校 中学校特別教室棟 小学校 小学校 (申請上は専修学校) 宿泊施設 (短期入所介護施設)高齢者福祉施設 (小規模多機能事業所)高齢者福祉施設 (通所介護事業所)高齢者福祉施設 診療所(2004 年)公民館(2006 年) 体験交流施設・公民館 平面形式 片側廊下 片側廊下 片側廊下 片側廊下 片側廊下 片側廊下 片側廊下
運営主体 NPO 法人 任意団体(自治会) NPO 法人 NPO 法人 NPO 法人 自治体 任意団体(自治会)
建築確認 なし 用途変更 用途変更 用途変更 用途変更 用途変更(公民館部分) 用途変更
改修費用 14000万円(2期工事) 9500 万円 3000 万円 1500 万円 500 万円 1100 万円 960 万円 坪単価 25.4 万円 41.3 万円 13.3 万円 10.2 万円 9.3 万円 3.7 万円 3.8 万円
財源 約 45%を補助金 約 80%を辺地債 約 70%を銀行融資 ほぼ全額を交付金 NPO 法人が負担 自治体・一般財源 自治体・特定財源 調査年月 2009 年6月 2009 年8月 2008 年5月 2009 年4月 2009 年9月 2009 年8月 2009 年8月
補助金の返還不要 国庫補助事業完了 後10年以上経過 国庫補助事業 完了後10年未満 廃校 国庫補助金を 受けて設立 国庫補助金を受けずに設立 処分制限期間を 経過していない 処分制限期間を経過している 問わない 無償による転用 問わない (民間は市町村 と協力すること) 地域再生の意識・ 目標に合致する事 地域再生計画 の申請 補助金の返還不要 大臣の承認不要 無 補助金の 有無 処分制限 期間 国庫補助 事業完了 後年数 転用主体 転用用途 自治体の 手続き 国庫納付金 廃校 国庫補助金を 受けて設立 地域再生計画 の認定 地域再生計画 の認定 木造 24年 RC 60年 国庫補助事業完了 後10年以上経過 返還 返還不要 返還不要 同一の公共団体 大臣への報告 公共、公用施設 への転用 その他での 転用、貸与、譲渡 (任意団体) 大臣の承認申請 無償による転用 KK,AK YK,MT KS KO (大臣の承認を得た上で 返還不要であった。) 事例 無償による転用 有償による転用 他の地域公共団体 への譲渡、貸与 公共、公用施設 への転用 学校法人・社会 福祉法人への貸与 期間を限定し、学 校施設や社会福祉 施設への転用 同一公共団体 公共、公用施設 への転用 大臣への報告 大臣の承認申請 大臣の承認申請 補助金の返還不要 補助金の返還 納付金相当額の 基金積み立て その他での 転用、貸与、譲渡 (NPO法人等が該当) 体」によって大きな影響を受ける状況にあると思われる。 次に今回の調査事例が実際に辿った過程を整理したのが図3であ る。尚、事例 YM は、財産処分手続きへの対応が不明であったため、こ の考察の対象外とする。事例 YM 以外の6事例全てが、建築時に国か らの補助金を受けており、補助金返還の有無を確認する必要があった。 これら6事例の内、事例 KK・AK は共に木造校舎であり、転用計画時 点で処分制限期間の 24 年を既に経過していたため、補助金返還は不 要であり、転用主体や転用後の用途に制限を受ける事なく、専修学校 や宿泊施設への転用が可能となっていた。 その一方で KK・AK 以外の4事例は全て RC 造校舎であり、処分制限 期間の 60 年を経過していなかった事から、財産処分手続きの対応が 必要となった。RC 造の4事例の内、事例 KO では転用主体が自治体、 転用後の用途も公共公用施設に該当したため、大臣への報告のみで補 助金の返還は不要だったが、他の3事例 はこうした条件に合致せず、別の対応が 取られる事となった。まず事例 KS では、 転用主体が任意団体であったため、大臣 の承認を得た上で転用が行われた(但し 結果的に補助金返還は不要だったとの事 である)。また事例 YK・MT は転用主体が NPO 法人だったため、通常の手続きでは転 用後の用途が何であっても補助金の返還 が必要と判断される事になる。そこでこ れら2事例では、自治体と共に地域再生 計画への申請を行い、その認定を受ける 事で補助金返還の問題を解決させている。 このように全事例で補助金返還は不 要となったが、返還が不要となるまでの 経緯は、建物の構造や転用主体・転用後 の用途により大きく異なっていた。但し 2008 年6月に転用手続きの弾力化が行われた注 11事で、現在はこうし た手続きが大幅に簡素化され、①国庫補助事業完了後 10 年以上が経 過、②無償による財産処分(転用・貸与等)の条件を満たすものは「大 臣への報告」のみで手続きが済み、補助金の返還も不要となっている。 地域再生計画を利用した事例 YK・MT や、大臣への承認申請を行った 事例 KS もこうした条件に合致しており、現在であれば補助金返還の ために特別な対応は必要とならない。 4-2. 建築確認申請 廃校の用途変更では、変更後の用途が特殊建築物に該当する場合、 類似用途相互間を除き、建築確認を行わなければならない ( 図4)。 用途変更による建築確認の際に準用される条文と注 12、今回の事例に おける対応を表 2 に示す。基準は用途によって異なり、学校の用途よ りも基準が厳しい用途への変更は改修の際に大きなハードルとなる。 図2:公立学校施設整備補助金等に係る財産処分手続のフローチャート (1997 年 11 月∼ 2007 年2月) 図3:各事例の財産処分手続 表2:用途変更の際に準用される建築基準法と対応の有無 用途 学校 福祉施設 宿泊 診療所 学校(公民館を含む) 事例 MT YK YM AK KO KK KO KS 24 条 木造特殊建築物の外壁等 27 条 耐火構造・準耐火構造の特殊建築物 28 条 採光・換気居室の 採光 換気 29 条 地階における住居等の居室 30 条 共同住宅の各戸の界壁 35 条 特殊建築物 の避難 ・消火 の基準 避難 階段 廊下幅 階段関連 排煙設備 非常用の照明装置 ○ 非常用の進入口 敷地内の通路 消防 設備 自動火災報知設備屋内消火栓 ○○ 不要不要 既設既設 ○○ ○(増設)不要 35 条の 2 特殊建築物の内装 特殊建築物 火気使用室 35 条の 3 無窓の居室等の内装 36 条 定める基準政令で (合併処理浄化槽への対応)浄化槽 35 人槽○ 30 人槽既設 14 人槽○ 50 人槽○ 25 人槽○ 60 人槽○ 25 人槽○ 51 人槽既設 ○ 基準が厳しい 基準が緩い 対応がなされたもの
特別教室 特別教室 特別教室 教室 教室 教室 職員室 渡り廊下 便所棟 便所棟 居室 (3床) (4床)居室 居室 (4床) 居室 (4床) 居室 (4床) 居室 (4床) 便所 医 務 室 介護職員室 浴 室 和 室 調理室 食堂 機能訓練室 事 務 棟 職員棟 今回の事例では、事例 AK・MT・YK・YM・KO(公民館部分)・KS では 変更後の用途が特殊建築物に該当し、類似用途間ではなかったために 建築確認の手続きが必要となった。また全ての事例が片廊下形式の平 面構成で自然排煙による対応が可能だったため、排煙設備について の大がかりな工事は特になされていない。 これに対して事例 KO の一部と事例 KK では、建築確認が行われず に改修が行われている。公民館と診療所に転用された事例 KO では診 療所部分に患者を収容する施設がなく、特殊建築物には該当しなかっ たため、診療所部分の改修については建築確認が不要となった。また 事例 KK では、既存の木造校舎をできる限り保存したいという地域住 民の要望があったが、建築確認を行うと木造校舎の保存が非常に難し いと判断した設計者が行政と協議を行い、最終的には中学校と類似 用途である専修学校へ用途が変更されたため、建築確認は行われてい ない(新築の宿泊棟については建築確認が行われている)。そのため 事例 KK では建築基準法を準用しなくて済んでおり、壁量の増加によ る補強などは行われているものの、主要構造部や小屋裏の隔壁等の改 修をせずに、予算内での用途変更を実現させている。 4-3. 浄化槽 2001 年の浄化槽法改正により合併処理浄化槽の設置が義務化され たため、単独処理浄化槽を使用している建物を用途変更する際には、 新たに合併処理浄化槽の設置が求められる。今回の7事例の内、事例 KS と事例 YK では転用前に単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への変 更が行われていたため、特に大きな問題とはならなかった(表2)。し かし他の5事例では単独処理浄化槽が設置されていたため、合併処理 浄化槽を新たに設置する必要が生じており、後述するように改修費用 にも大きな影響を与える等、転用時の大きな障害となっていた。 都市部よりも人口密度が低い過疎地域では、費用対効果の観点から 下水道よりも浄化槽が用いられる事が多いため、用途変更に伴う合併 処理浄化槽の設置は過疎地域ならではの問題だと考えられる。 4-4. 消防設備 既存建物を用途変更する際、変更後の用途が特定防火対象物に該当 する場合は、変更後の用途と規模に対して消防法の基準が遡及適用さ れることになる。廃校転用の際に設置費用の面で主に問題となるのが スプリンクラー設備、屋内消火栓設備、自動火災報知設備であるが、こ れらの設置基準と各事例の改修前、改修後の変化を示したのが図5で ある。図5は縦軸に面積規模、横軸の左側に基準の緩い用途、右側に 基準の厳しい用途をそれぞれ取っており、用途と規模の組合せによっ て必要な消防設備が決定されるが、図の左下に行く程、設置すべき消 防設備が少なくなり、図の右上に行く程、設置すべき消防設備が増え る事を表している。この図を見ると、学校は基準が比較的緩い用途で あるため、福祉施設のように基準が厳しい用途へと転用する際には、 より高度な消防設備の設置が求められる事になる。 高齢者施設(短期入所介護施設)への転用を行った事例 MT はこう した影響を大きく受けた事例である。別棟であった 2 棟の校舎を渡 り廊下の屋内化により一体化した事で延床面積が 700 ㎡を超える 742 ㎡となったため(図6)、従来は不要であった屋内消火栓設備と自動 火災報知設備の設置が新たに必要となった。そのため、前者について は屋内消火栓設備の代替設備で、価格も 9 割程度に抑えられるパッケー ジ型消火設備が、後者については自動火災報知設備がそれぞれ設置さ れている。このように事例 MT では、前述した合併処理浄化槽の設置 に加えて、消防設備の大幅な設置が新たに必要となっているが、運営 者へのヒアリングによると、建物の改修は想定していたものの、こう した消防設備・浄化槽の設置が必要になることは全く想定しておらず、 転用を実現させる上で非常に苦労したとのことであった。 これに対して事例 YK は、同様に基準の厳しい高齢者施設(小規模 多機能事業所)への転用だが改修をさほど必要としなかった事例であ る。2 階建で延床面積 892 ㎡の建物を当初は全て使用する予定だった 事務所 学校公民館 図書館美術館 旅館ホテル 福祉施設(※1) 病院診療所福祉施設(※2) 用途 面積 150㎡ 300㎡ 500㎡ 700㎡ 1000㎡ 3000㎡ KK MT YK AK KO KS 自動火災報知設備 自動火災報知設備+ 屋内消火栓設備 + スプリンクラー設備 改修前 改修後 自動火災報知設備 + 屋内消火栓設備 ※1:自力避難困難者入所施設を除く ※2:自力避難困難者入所施設 KK KK KK KK AK KS KO KO YK MT MT YM YM 図5:消防設備設置基準(2008 年時点)と各事例の変遷 テラス 職員休憩室 応接室 会議室 印刷室 給湯室 休憩室 テラス トイレ 倉庫 管理人室 廊下 スタッフ玄関 玄関 倉庫 廊下 トイレ トイレ 脱衣所 浴室 和室宿泊室 洋室宿泊室 レクレーション 兼 食堂 トイレ ホール 階段で壁を塞ぎ、2階を利用不可にすることで、 高齢者施設としての使用面積を減らしている。 図7:事例 YK の平面図と改修内容 図6:事例 MT の平面図(上:改修前、下:改修後)と改修内容 渡り廊下の屋内化により2棟の建物を一体化し た事で、建物の面積は 700 ㎡を超え、屋内消火栓 設備と自動火災報知設備の設置が必要となった。 図4:用途変更による建築確認への流れ ⏝㏵ኚ᭦ ≉Ṧᘓ⠏≀ ୖグ௨እ ࡢ⏝㏵ 㢮ఝ⏝㏵ ᘓ⠏☜ㄆ⏦ㄳ 㢮ఝ⏝㏵┦㛫࡛࠶ࡿ 㢮ఝ⏝㏵┦㛫࡛࡞࠸ .. $.07<.<0.6 ⏦ㄳࡀᚲせ ⏦ㄳࡣせ ᗫᰯ ㌿⏝ .2ࡢデ⒪ᡤ㒊ศ .2ࡢබẸ㤋㒊ศ 壁の設置等は最小限に 留め、多くの居室は元の 教室がほぼそのままの 状態で使用されている。 居 室 の 前 に は 避 難時用にスロープ を新たに設置。 廊下等の配置は変更 されておらず、学校 時の配置のまま。 玄関前には新たに スロープを設置。 以 前 は ト イ レ が あ っ た 場 所 に浴室を設置。
が、宿泊機能を有する高齢者施設として利用するには、スプリンクラー 設備が必要になるとの指摘を消防から受けた注 13。そこで、2 階部分は 使用しないこととし、階段部分については壁で塞ぎ、高齢者施設と して使用する範囲を 1 階部分のみの 487 ㎡とする事で、スプリンクラー 設備の設置を避けている(図7)。自動火災報知設備については既存 の設備を利用する事ができたため、新たな消防設備の設置は殆どな されていない。また前述したように合併処理浄化槽も既に設置され ており、設備面の条件が非常に整っていた転用事例だと考えられる。 事例 YM も同様に、基準の厳しい高齢者施設(通所介護事業所)へ 転用したものの、消防設備の改修をさほど必要としなかった事例であ る。事例 YM では転用した建物が中学校の特別教室棟であり、建物面 積が 178 ㎡と非常に小さかったため、通所介護事業所への転用後も 必要な消防設備は消火器の設置のみで済んでいる(転用時点)。ただ し事例 YM では浄化槽が単独処理浄化槽であったため、面積が小さく とも合併処理浄化槽の設置を新たに行っている。 上記の3つの事例は、特に基準が厳しい用途への変更であったため に対応が必要となった事例だが、事例 KK は転用後の用途が専修学校 であり、基準の厳しさは転用前とほぼ同じ用途への転用事例である。 事例 KK の建物は北側校舎と南側校舎の2つで大きく構成されており (図8)、第2期工事では北側校舎を対象に改修が行われた。しかし木 造の渡り廊下で南側校舎と繋がっていたため、消防法上は延床面積 が 1840 ㎡の1つの建物とみなされ、屋内消火栓設備の設置が求めら れることとなった。そこで、渡り廊下の構造を一部鉄骨造にすると共 に、北側校舎の玄関部分の外壁や屋根を防火構造として消防法上の別 棟扱いにすることで校舎全体を 4 棟の建物に分け、それぞれの部分を 700 ㎡以下とすることによって、屋内消火栓設備の設置を免れている。 以上のように、消防法では用途と面積によってどのような消防設備 の設置が必要かが決定されるため、廃校を転用する際にはどのような 用途でどの程度の面積で計画を進めていくのかは重要なポイントと なる。しかし転用計画時にこうした検討を充分に行った事例は、今 回の事例でも殆ど見られず、限られた予算の中で廃校の転用を実現 させていくには、こうした視点からの検討が不可欠だと考えられる。 尚、2009 年 4 月施行の消防法改正により、防火対象物6項ロ(主に 入居を伴う社会福祉施設)の消防設備の設置基準が強化され、自動火 災報知設備は面積や構造に関係なく全ての施設、スプリンクラー設備 は面積 275 ㎡以上の施設が対象となった。この改正により、通所施設 である事例 YM や事例 YK はスプリンクラー設備の設置対象となってい ないが、入所施設である事例 MT はスプリンクラー設備の設置対象に該 当するため猶予期間である 2012 年3月末までの対応が求められる等、 廃校を高齢者施設へ転用する際のハードルは更に厳しくなりつつある。 5. 改修費への影響 前章では転用時に満たすべき法規上の基準について見たが、これら の内容は改修工事の費用にも影響を与えている。そこで、工事内容を 大きく「建築工事注 14」、「設備工事(電気・機械・給排水工事を含む)」、 「その他」に分類し、単位面積当りの改修費用を示したのが図9である。 まず建築工事費をみると、木造校舎を転用した事例 KK・AK の数値が高 く、RC 造校舎を転用した他の5事例の数値は比較的低い結果となった。 建築工事費が高くなった要因としては、2つの事例共に、老朽化した 校舎の補修や瓦屋根の葺替え、事例 AK では基礎の補修が行われたこ と等が挙げられる。加えて、両事例共にレストランに厨房設備が設置さ れる等、「その他」の改修費も含め、全体的に改修費用が高くなってい るが、その財源は補助金や辺地債などによって賄われている。 一方、RC 造校舎を転用した事例の内、事例 KO・KS は単位面積当りの 改修費用が最も少ない(表1)。これらの事例では主な用途が公民館 であり、他の事例と比較すると内部改修が行われた範囲が限定的で、 合併処理浄化槽の設置等、必要最小限の設備改修が転用工事の大半を 占めていたため、少ない改修費での転用が可能であったと考えられる。 また、同じ RC 造校舎を転用した事例の内、MT・YK・YM の3事例は 高齢者施設へ転用されたもので、坪単価も 9.3 万円〜 13.3 万円と比 較的同程度の数値となっているが(表1)、改修の事情は3つの事例 で大きく異なる。前述したように事例 YK では、合併処理浄化槽や自 動火災報知設備が既に設置される等、設備面の条件が非常に整って いた事もあり、浴室やトイレなどの内部改修が転用工事の中心で、建 築工事費が全体の約6割を占めている。また、財源として交付金を活 用できたため、改修費用の工面に苦労する事はさほど無かったようで ある。これに対して事例 YM では、補助金や交付金の支援が無く、改 修費用は自己資金のみという限られた条件の中で行われた。しかし、 パッケージ型消火設備や自動火災報知機や合併処理浄化槽など、基準 を満たすのに必要な設備の工事が優先的に行われたため、設備工事費 壁と屋根の一部を防火構造とすること で、北側校舎の西側と東側とを消防法 上の別棟扱いとしている。 北側校舎と南側校舎を繋ぐ渡り廊下の 一部を長さ6m以上に渡って鉄骨構造 に変更する事で、北側校舎と南側校舎 とを消防法上の別棟扱いとしている。 消防法上 の棟の区分 別棟扱いの 工夫をした箇所 図8:事例 KK の配置図と改修内容 北側校舎 南側校舎 体育館 講堂 宿泊棟 (新築)
KK AK MT YK YM KO KS
60,000 40,000 20,000 0 (円/㎡) 建築工事費 設備工事費 その他 図9:単位面積当りにみた改修費用の比較
[2010 年 10 月 20 日原稿受理 2011 年 1 月 7 日採用決定] が改修費用全体の約半分を占める事となり(消防設備と浄化槽の設置 費用だけで全体の約3割)、建築工事費は全体の 2 割に留まっている。 同様に事例 YK でも補助金や交付金の支援はなく、NPO 法人の自己資 金のみという限られた予算の中で改修が行われているが、面積が小さ かったために新たな消防設備はさほど必要としなかった事や、合併処 理浄化槽の設置工事や建築工事が地域住民のボランティアで行われ た事などから、ほぼ当初の予算内で廃校の改修を実現させている注 15。 以上のように、校舎の老朽化の度合いに加えて、転用後に必要とさ れる浄化槽・消防設備が既設されているかどうかが改修費用にも大き く影響している。特に予算が限られた中で、こうした設備の設置が必 要な転用の場合には、設備工事の費用が大きな割合を占める事になる。 10. まとめ 本研究では転用が行われた過疎地域の廃校を対象として、転用過程 について比較分析を行った。どの事例も高齢者介護の問題や地域の活 性化等、過疎地域の課題の解決に向けた取組みが行われていたが、転 用を実現させていく上での問題点として、以下の事が明らかになった。 木造校舎の転用事例では処分制限期間が短いことから補助金返還 の問題が発生しなかったが、RC 造校舎の転用事例では 60 年の処分制 限期間を経過していないものが大半で、転用主体・転用用途が条件を 満たさない場合には地域再生計画を活用する等、補助金返還の問題を クリアするために様々な工夫が行われていた。近年では財産処分手続 きは大幅に簡素化され、現在であればこうした事例も特別な手続きを 経なくとも補助金の返還は不要となっており、転用主体や用途の制約 を受けずに転用がしやすい状況にあると考えられる。 しかし財産処分手続きは簡素化されたものの、限られた予算の中で 過疎地域の廃校を転用させていくには幾つかの問題が残されている。 その1つが浄化槽の問題である。今回の調査でも大半の事例で単独処 理浄化槽が設置されていたため、転用主体や用途とは関係なく、合併 処理浄化槽の設置が必要となっていた。人口密度が低い過疎地域では 費用対効果の観点から浄化槽が用いられる事が多く、用途変更に伴う 合併処理浄化槽の設置は過疎地域ならではの問題だと考えられる。 そしてもう1つの大きな問題が消防設備の問題である。高齢化が 進んだ過疎地域では高齢者施設への転用を検討するケースが多いと考 えられるが、「学校」は消防設備の基準が比較的緩いのに対して、「福 祉施設」は消防設備の基準が非常に厳しい用途である。このように転 用前後の基準に大きな落差があると、より高度な消防設備の設置が求 められる事になり、改修費用にも大きな影響を与えることとなる。こ のような状況を避けるために、使用面積を制限する事で過大な消防設 備の設置を避けようと工夫している事例も幾つか見られたが、過大な 設備の設置を避けるという点では、過疎地域で多く見られる小規模 な面積の校舎が転用する上で有利となるケースもあると考えられる。 謝辞 対象施設の運営者・自治体の皆様には調査時に多大なる御協力を頂き ました。末筆ながら感謝の意を表します。また当時卒論生で調査資料 の整理に尽力してくれた右田正信君、木口屋由紀君にも感謝致します。 。 参考文献 1)吉元・鈴木「廃校から高齢者施設への転用に建築基準法が及ぼす 影響 過疎地域における事例を中心に」 日本建築学会大会学術講演梗概集 ,E-1,pp.583-584,2009 2)文部科学省:廃校の実態及び有効活用状況(2010.5 時点) (http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/09/__icsFiles/afi eldfi le/2010/09/03/1297186_3_1.pdf) 3)文部科学省:廃校施設の実態及び有効活用状況等調査研究報告書 ,2003 (http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyosei/03062401/houkoku_pdf/houkoku.pdf) 4)角田他「学校建築における部分コンバージョンの設計プロセスに 関する調査」日本建築学会技術報告集 , 第 23 号 ,pp.321-324,2006.6 5)鈴木他「住民主体による廃校から高齢者施設への転用に関する事 例的考察」日本建築学会計画系論文集 ,No.607,pp.17-24,2006.9 6)河野他「建築関連法規が廃校後の公立小学校の用途変更に及ぼす 影響について ―京都市・大阪市・神戸市の場合―」 日本建築学会計画系論文集 ,No.609,pp.47-52,2006.11 7)能勢「京都市における廃校小学校跡地利用計画策定プロセスに関 する研究」日本建築学会計画系論文集 ,No.626,pp.913-918,2008.4 8)斎尾「公立小中学校の統廃合プロセスと廃校舎利活用に関する研究 -茨城県過去 30 年間全廃校事例の実態把握と農山村地域への影響-」 日本建築学会計画系論文集 ,No.627,pp.1001-1006,2008.5 9)藤野他「公立小学校廃校の要因とその課題に関する研究」 日本建築学会計画系論文集 ,No.649,pp.579-585,2010.3 10)文部科学省:廃校後既存建物の主な活用用途(2010.5 時点) (http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/09/__icsFiles/afi eldfi le/2010/09/03/1297186_3_1.pdf) 11)「公立学校施設整備費補助金等に係る財産処分の承認等について」 平成 20 年 6 月 18 日付 20 文科施第 122 号文科省大臣官房文教施設企画部長 通知(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyosei/yoyuu/03082701/001.pdf) 12)社団法人建築・設備維持保全推進協会 BELCA:コンバージョン等 建築ストック有効活用の手引き-法令等をクリアするために- ,2005 13)防災研究会 AFRI:よくわかる消防設備 , 日本実業出版社 ,2006 注釈 1)文部科学省が行った調査結果(参考文献2)によると、平成 14 〜 21 年度に全国で廃校となった 3,671 件の内、現存する建物が活用され ていないものは 1,015 件で、建物が現存するものの約 31%を占める。 2)地域経済の活性化や地域雇用の創造をはかる取組みに対し国が 支援を行うもので、「補助金で整備された公立学校の廃校校舎等の 転用の弾力化」の認定を受ければ国庫補助金の返還が免除される。 3)参考文献3を参照。 4)参考文献9を参照。 5)参考文献7・8を参照。 6)参考文献4・6を参照。 7)参考文献5を参照。 8)財産の名称・構造ごとに、補助金等の交付金目的及び当該財産 の耐用年数を勘定して文部科学大臣が定める期間。2000 年度以前 の予算に係る補助事業を受けた場合、RC 造は 60 年、木造は 24 年。 9)平成 14 年3月 25 日文部科学省告示第 53 号により、平成 13 年度 年度以降の予算に係る補助事業を受けたものについては、RC 造は 47 年、木造は 22 年と処分制限期間が短縮されている。 10)参考文献 10 を参照。平成 14 〜 21 年度の全国の廃校は 3,671 件で、 建物が現存するものが 3,310 件(90.2%)とのことである。また現 存する建物が何らかの活用が図られているものは 2,295 件で、廃校 後の活用用途の上位3つが「社会体育施設(613 件)」「社会教育施 設(492 件)」「庁舎等(143 件)」であった。 11)参考文献 11 を参照。 12)参考文献 12 を参照。 13)転用時点での小規模多機能事業所に対するスプリンクラー設備の 設置基準は延床面積 1000 ㎡以上であったが、2006 年1月に長崎で 起きたグループホーム火災事故の影響か、面積が小さくとも施設が 2つの階に跨っている事・宿泊機能を有している事から消防担当 者がスプリンクラー設備は必要と判断したようだ。 14)老朽化した建物の補修が行われた事例 KK や、基礎の補修が一部 行われた事例 AK を除くと、殆どの事例で「建築工事」の内容は転用 のための改修が中心となっている。尚、事例 YK 以外の6事例は旧 耐震基準の建物であるが、増築を伴わない用途変更だった事もあり、 耐震改修のための工事は特に行われていない。また高齢者福祉施設 に転用された MT・YK・YM の3事例では、建物出入口や居室出入口 などの段差を解消するためのバリアフリー改修が行われている。 15)事例 YK の改修の詳細については参考文献5を参照。