No. 問題 正答 解説 章 1 写真の天体は何か。 ①わし座の特異星 SS433 ②アンテナ銀河 NGC 4038-4039 ③超巨大楕円銀河 M87 ④クェーサー 3C353 ② アンテナ銀河は、2つの渦状銀河 NGC 4038とNGC 4039 が衝突しており、互いに潮汐力を及ぼし合うことで2本の 長い腕状の構造がのび、これがアンテナのように見える。 なお、ほとんどの銀河がその寿命の間に一度は他の銀 河との衝突を起こすと考えられており、我々の銀河系も将 来アンドロメダ銀河と衝突すると考えられる。 1 2 太陽の黒点が周囲の光球よりも温度が低いのはなぜか。 ①磁場が強いため、対流が妨げられているから ②小天体が衝突して、局所的に冷却したから ③対流渦の頂点となっており、光球表面がへこんでいるから ④現在でも原因がよくわかっていない ① 太陽の黒点には地球の磁場の1万倍にもおよぶ強い磁場 があって、その影響で太陽内部からの対流による熱輸送 が妨げられ、周囲の光球より温度が低くなっている。 2 3 次の文はどの惑星の見かけの動きを説明したものか。 約2年2カ月ごとの地球との接近のときには動きの変化が大きい。 接近の前後2カ月ほどは、夜空を東から西へ動いているように見え る。 ①水星 ②金星 ③火星 ④木星 ③ 水星は約3カ月、金星は約1年7カ月ごとに地球に最接近 (会合=2つの惑星が太陽から見て同じ方向に来る現象) する。木星は地球より遠いところを12年かけて一回りする ので、地球との接近はほぼ1年ごとである。ちなみに、内 側の惑星の公転周期をP1、外側の惑星の公転周期を P2、会合周期をSとすると、 (360°/P2-360°/P1)×S=360° つまり、 1/S=1/P2-1/P1 となる。 火星の公転周期は1.88年、 地球は1年なので、この式に代入すると、 1/S=1/1-1/1.88=0.88/1.88=0.468 ∴S=1/0.468=2.14年 ≒2年2カ月 となる。 3 4 恒星のスペクトル型を高温から低温に正しく並べたものはどれか。 ①ABFGKLMOTY ②BOFGAKMLTY ③OBAFGKMLTY ④OBAFGKMYTL
③ スペクトル型の覚え方は、Oh, Be A Fine Girl/Guy Kiss My Lips, Tonight, Yah! あるいは、Oh, Be A Fine Girl/Guy, Kiss Me, Let's Try, Yeah! などでもよい。
4 5 連星間距離をa天文単位、公転周期をP年、太陽の質量を1とした ときの連星の質量をそれぞれm1、m2とするとき、連星の質量の和 m1+m2を与える式はどれか。 ①P2 /a3 ②P3/a2 ③a2/P3 ④a3 /P2 ④ 連星間距離をa天文単位、公転周期をP年、太陽の質量 を1としたときの連星の質量をそれぞれm1、m2 とすると、 一般化されたケプラーの第3法則は a3 /P2 =m1+m2 で与えられ、④が正解となる。他の選択肢はダミーであ る。なお、太陽と惑星の場合は、惑星の質量が太陽の質 量に比べとても小さいので a3 /P2 =1 となる。 5 6 プレアデス星団の青い反射星雲中の塵をカプセルに採取して、地 球に持ち帰ったとする。そのカプセルを開けると塵はどうなるか。最 も可能性の高いものを選べ。 ①青く輝く ②白い煙を出す ③蒸発してなくなる ④特に変化しない ④ 反射星雲が青く輝くのは、星の光を塵が散乱するからで ある。そのため、地球に持ち帰っても①のように青く輝くこ とはないであろう。また、②や③の可能性を完全に否定で きるものではないが、塵を構成する物質として炭素質の 物質や珪酸塩鉱物などが考えられるので、カプセルを開 けても特に変化しない可能性が高いと考えられる。 6 7 2015年に史上初の重力波が検出され、重力波源GW150914と命名 された。GW150914の観測は、他にもどんなことを実証したか。 ①ブラックホールの分裂 ②ブラックホールの合体 ③ブラックホールの蒸発 ④ブラックホールとホワイトホールの接続 ② GW150914の観測によって、重力波が初めて検出された だけでなく、ブラックホール同士の衝突、ブラックホール連 星の存在、太陽質量の約36倍と約29倍のブラックホール の合体が初めて明らかになった。 なお、合体前のブラック ホールの質量の合計は65太陽質量だが、合体してできた ブラックホールの質量は62太陽質量で、3太陽質量分が すべて重力波のエネルギーに転換されたと考えられてい る。 7
No. 問題 正答 解説 章 8 藤原定家は、日記『明月記』のなかで、後にかに星雲になったもの も含め、8つの客星の出現を記載している。定家はどのようにしてこ の記載情報を得たのか。適当なものを選べ。 ①すべて定家が自ら直接観察した ②定家の部下の天文博士から記録を聞き取った ③中国から伝わってきた記録を記載した ④陰陽寮の史書の記録を伝え聞き書き入れた ④ 藤原定家の活躍した平安時代には陰陽寮が都に設置さ れ、天文博士がそこで天の異変を観察して朝廷に上奏し ていた。その記録は史書に記録され、その内容を伝え聞 いた貴族は、具注暦の空欄を利用して、日記を記した。藤 原定家の『明月記』もそうした日記の1つである。なお、天 文博士は帝の部下であり、定家の部下ではない。また、 定家は以前の記録を拾っているので、自分で観察してい ないものも多数含まれている。また、記録は日本のもので 中国の記録ではない。 8 9 あるロケットの比推力が500秒であった。このロケットの燃焼ガスの 噴射速度はどれくらいか。ただし、重力加速度は10m/s2とする。 ①秒速200m ②秒速500m ③秒速2km ④秒速5km ④ 比推力=推力÷1秒間に消費される推進剤の質量÷重 力加速度である。 燃焼ガスの噴射速度は、比推力×重力 加速度になるので、秒速5000mすなわち、秒速5kmであ る。 9 10 系外惑星の名前として、現在あり得るのはどれか。 ①ケプラー22a ②グリーゼ143C ③太陽b ④ペガスス座51番星b ④ 系外惑星の名前は、親星の名前に、小文字のアルファ ベットをつけて表記する。その際、アルファベットはaを抜 かして、bからはじめることになっている。したがって、①と ②はこのルールからありえない。③はありえなくはない が、太陽は太陽系内の天体なので「系外」惑星の名前と してはありえない。したがって④が正解で、これは1995年 に発見された系外惑星の名前でもある。 10 11 次の式は、銀河系内の宇宙文明の数Nを見積もるドレークの式で ある。変数fpは、何を表しているか。 ①宇宙全体の銀河の発生数 ②銀河系内の恒星の個数 ③1つの恒星が惑星をもつ確率 ④重力が十分にある衛星の数 ③ ドレークの式は、「宇宙文明の数」=「銀河系における恒 星の生成率」×「恒星に惑星が存在する確率」×「惑星が 存在する場合の地球型惑星の数」×「地球型惑星に生命 が発生する確率」×「生命が知的生命まで進化する確 率」×「知的生命が他の星へ通信ができるほどの技術文 明を発達させる確率」×「技術文明の寿命」で表される。ド レーク自身は「宇宙文明の数」を10個と見積もったが、太 陽系外の惑星がたくさん見つかるようになったため、見積 もりは増加傾向にある。なお、選択肢の①、②、④はド レークの式の変数ではない。 1 12 写真は、太陽観測衛星「ひので」が太陽表面の一部を撮影したも のである。写真中央に写る太陽の縁から無数に生えているトゲの ような構造を何というか。 ①プラージュ ②スピキュール ③プロミネンス ④ダークフィラメント ② スピキュールとは、彩層ガスがコロナ中に突き出したよう に見える、小規模なジェット噴出現象である。1877年にバ チカン天文台のアンジェロ・セッキが発見した。スピキュー ルは、5~10分間存在し、太陽全面で常に6~7万個発生 する。発生の仕組みは解明されていない。なお、プラー ジュは黒点周辺などで温度が高い領域、プロミネンス(紅 炎)は光球上空で磁場に支えられて浮かぶ水素の雲、 ダークフィラメントはプロミネンスが太陽面の手前側に来 たため、水素Hα線で見たときに黒い帯としてみえるも の。 2 13 ケプラーの法則について、間違っているのはどれか。 ①ケプラーとは、法則を発見した人の名前である ②惑星は、太陽を1つの焦点とする楕円軌道を公転する ③惑星の公転速度は、近日点付近で遅く、遠日点付近で速くなる ④太陽から遠い惑星ほど公転速度が遅い ③ ②はケプラーの第1法則である。③は、正しくは「…近日 点付近で速く、遠日点付近で遅くなる」であり、第2法則 「惑星と太陽を結ぶ線分が単位時間に描く面積は一定で ある」ことからいえることである。④は第3法則「惑星の軌 道長半径の3乗と、惑星の公転周期の2乗との比は、どの 惑星においても一定である」ことからいえることである。 3 14 星の明るさを測る測光観測を行う場合には、一般にある特定の波 長域の光を透過する色フィルターを用いる。2つの異なる波長域の フィルターを通して星の明るさ(等級)を測光したとき、短波長域で の等級から長波長域での等級を引いたものを何というか。 ①実視等級 ②絶対等級 ③色温度 ④色指数 ④ 色フィルターには、紫外線を透過するUバンドフィルター、 青色光を透過するBバンドフィルター、緑色から黄色の波 長域を透過するVバンドフィルターなどがあって、それらで 測光した等級の差として、U-B色指数、B-V色指数な どが使われる。いずれの色指数も表面温度が高いほど 値は小さくなる。 4
No. 問題 正答 解説 章 15 主系列星の燃料である水素の量は質量に比例し、水素の消費率 は光度に比例する。主系列星の寿命についての記述として正しい ものはどれか。 ①質量が大きいほど燃料が多いので寿命は長くなる ②質量が大きいほど燃料は多いが、その消費率とバランスしてい るため、質量による寿命の違いはほとんど生じない ③質量が大きいほど燃料は多いが、その消費率がそれ以上に大 きくなるため、質量が大きいほど寿命は短くなる ④太陽と同程度の質量の主系列星の寿命はおよそ500億年である ③ 主系列星の質量Mと光度Lの間には、L ∝ M3~4(∝は 比例するという記号)で表される質量光度関係が成り立 つ。主系列星の寿命τは、燃料である水素の量に比例す る質量を水素の消費率に比例する光度で割った値で見 積もることができ、τ ∝ M/L ∝ 1/M2~3 と表される。つ まり質量の2~3乗に反比例するため、質量の大きな主系 列ほど寿命が短くなり、③が正解となる。なお、太陽の主 系列星としての寿命はおよそ100億年と推定されている。 5 16 惑星状星雲の中心に見える星はどんな星か。 ①主系列星 ②褐色矮星 ③白色矮星 ④中性子星 ③ 太陽質量の0.46~8倍程度の主系列星は、赤色巨星に進 化した後、その外層を宇宙空間に放出して惑星状星雲を 形成するが、中心部は白色矮星となる。したがって惑星 状星雲の中心に見える星は、白色矮星である。 6 17 ハッブルの音叉型分類の図として正しいものはどれか。 ④ ハッブルは、E0、E1、…と楕円銀河が進化して、レンズ状 銀河を経て、渦巻銀河と棒渦巻銀河に分かれて進化する と考え、銀河の分類を音叉の形をした模式図で表した。 現在でも形態の分類としてこの図が用いられているが、 ハッブルの進化の考え方はその後の研究により否定され ている。 7 18 太陽と地球の間の距離を10としたとき、r(太陽からの平均的な距 離)=4+3×2nで表される距離に惑星が存在すると主張するのが ボーデの法則である。このボーデの法則のn=3に対応する未知の 惑星を探索した結果、1801年に発見された天体は何か。 ①天王星 ②冥王星 ③カロン ④ケレス ④ この法則はティティウスが最初に提唱したため、ティティ ウス・ボーデの法則とも呼ばれる。n=-∞が水星、0が 金星、1が地球、2が火星、4が木星、5が土星である。法 則の提唱後、1781年に天王星が発見され、その距離がn =6の場合によく合っていたため、法則の信憑性が高まっ た。そのため、空席であったn=3の天体の探索が行わ れ、その結果1801年に小惑星ケレス(現在は準惑星に分 類)が発見された。なお、海王星はn=7から大きくずれて いる。この法則は力学的なものではなく、偶然のものだと 考えられている。 8 19 図は、2016年から2017年にかけての国際宇宙ステーションの高度 変化である。リブーストによる急激な上昇と緩やかな下降を繰り返 しているが、国際宇宙ステーションの高度が下がる主な理由は何 か。 ①太陽から飛来する太陽風による抵抗を受けるから ②地球を様々な高度から観測するために人為的に高度をゆっくり 下げているから ③地球大気の抵抗を受けるから ④地球周辺に漂うスペースデブリ(宇宙ゴミ)に衝突するから ③ 国際宇宙ステーションの高度が徐々に下がっているのは 大気の抵抗によるもの。高度低下が一定でないのは、太 陽活動の変化によって地球の外層大気の密度が変化す るからだと考えられている。 9
No. 問題 正答 解説 章 20 系外惑星に生命が存在するために、現在もっとも重要な条件と考 えられているのはどれか。 ①液体の水の存在 ②同じ系内の木星のような巨大ガス惑星の存在 ③大量の酸素を含む大気 ④大型の衛星の存在 ① 生命は多様であり、本当のところは何が重要なのかはわ からない。ただ、現在のところは、まず液体の水があるこ とが重要と考えられている。酸素については、地球でも当 初は酸素が少ない状況で生命が発生し、シアノバクテリ アなどの光合成生物が出現すると、大気中の酸素が増加 していった。大型の衛星や巨大ガス惑星の存在も、最も 重要とは考えられていない。 10 21 次のうち、スケールの比率が最も小さいものはどれか。 ①銀河系サイズとオールトの雲サイズの比率 ②人間サイズと富士山サイズの比率 ③宇宙全体サイズと宇宙の大規模構造の比率 ④銀河団サイズと星団サイズの比率 ③ 全員 正解 この問題では、物体や天体の大まかなサイズ・スケール の比率を問うている。とらえ方によって10倍以上の違いは でるが、大づかみに理解するのが重要である。また指数 表現も使うことで慣れておくとよい。①銀河系は1020mの サイズ、オールトの雲は1016mのサイズなので、比率は 104(1万)倍。②人間は、100mのサイズ、富士山は104mの サイズなので、比率は104(1万)倍。④銀河団は1022mの サイズ、星団は1018mのサイズなので、比率は104(1万) 倍、である。これらはとらえ方や個別の天体によってサイ ズは10倍程度は軽く違うこともある。一方、③宇宙全体の サイズ 1026mと、大規模構造サイズ 1024mは100倍程度で あり、他の天体や物体同士のサイズ・スケールの比率よ り明らかに小さい。したがって、正答は③である。 ※選択肢③の「宇宙全体サイズ」について、(観測可能 な)宇宙全体サイズという意図で出題いたしましたが、選 択肢として正確な表現ではありませんでしたので、この 問題を全員正解といたします。 1 22 太陽のコロナのガスは、どのような状態となっているか。 ①有機物が燃焼している ②核分裂を起こしている ③核融合を起こしている ④原子が電離している ④ 太陽を取り巻くコロナの温度は約100万Kで、光球や彩層 よりも桁違いに高温であるため、ガスの原子が電離した 状態(プラズマ)となっている。コロナがなぜこのように高 温になっているのかは、いまだ解明されていない。 2 23 木星が巨大惑星になれたのはなぜか。 ①太陽の重力の影響が比較的小さかったから ②小惑星帯が木星の内側にあったから ③木星がつくられたあたりで水が氷としてたくさん存在したから ④土星と比べて環が成長しなかったから ③ 原始太陽系円盤の中には水がたくさん存在していたと考 えられているが、太陽の近くでは水蒸気となり、遠くでは 氷となる。この境界を雪線(スノーライン)といい、雪線より も遠くには氷を含めて材料がたくさんあって、巨大惑星の 成因となった。 3 24 太陽のスペクトルに見られるフラウンホーファー線は、なぜあらわ れるか。 ①太陽の大気中にある元素が特定の波長の光を放射するため ②太陽の大気中にある元素が光球からの特定の波長の光を吸収 するため ③太陽の光球が特定の波長の光をより強く放射しているため ④太陽の光球が特定の波長の光を放射していないため ② 1802年、イギリスのウィリアム・ウォラストンが、太陽光の スペクトルの中にいくつかの暗線の存在を報告した。1814 年にヨゼフ・フォン・フラウンホーファーは、ウォラストンと は別に暗線を発見し、570を超える暗線について波長を 計測し、主要な線にAからKの記号をつけた。その後、ロ ベルト・ブンゼンやグスタフ・キルヒホッフにより、太陽大 気中の元素や地球大気中の酸素などによる吸収線であ ることが示された。 4 25 原始星の記述として間違っているものはどれか。 ①エネルギー源は重力エネルギーである ②温度が低いため、主に赤外線で輝いている ③中心部で核融合反応が生じると、急激に膨張して赤色巨星にな る ④中心部で核融合反応が生じる前に収縮が止まると、褐色矮星に なる ③ 原始星は、自己重力で星間ガスが収縮して星を形成する ときに解放される重力エネルギーで輝く段階の星であり、 表面温度が低いため主に赤外線を放射する。したがって ①と②は正しい記述である。質量が太陽質量の0.08倍よ り小さいと、中心部で核融合反応が起こる前にガスの圧 力で収縮が止まり、エネルギー源がなくなって褐色矮星と なる。そのため④も正しい記述となる。中心部で核融合反 応が始まると、原始星の収縮は止まり、星は主系列星と して安定的に輝きはじめる。赤色巨星に進化するのは主 系列星であり、③の記述が誤っているため、③が正解と なる。 5
No. 問題 正答 解説 章 26 1964年、アメリカのベル電話研究所のアーノ・ペンジャスとロバー ト・ウィルソンが雑音電波の調査中に、あらゆる方向からやってくる 謎の電波をとらえた。この正体は何か。 ①天の川銀河の星間電波 ②活動銀河3C405からの電波 ③宇宙背景輻射(放射) ④常に降り注ぐ流星からの電波 ③ 宇宙背景輻射(放射)は、1940年代にジョージ・ガモフらに よって予言され、1964年にアーノ・ペンジャスとロバート・ ウィルソンがアンテナの雑音を減らす研究中に偶然発見 した。この発見によって、ペンジャスとウィルソンは1978年 にノーベル物理学賞を受賞した。 6 27 我々の銀河系は、局部銀河群という銀河の集まりの中にある。こ の銀河群に属する銀河の数はどの程度か。 ①数個 ②数十個 ③数百個 ④数千個 ② 我々の銀河系は、アンドロメダ銀河(M31)、さんかく座の 渦巻銀河(M33)などを含む、数十個ほどの銀河が数百万 光年の範囲に広がっており、これを局部銀河群という。銀 河群は数個~数十個程度の銀河の集まりで、銀河が数 百~数千集まると、銀河団と呼ばれる。 7 28 日本が太陽暦に移行したのはいつか。 ①南北朝時代 ②安土桃山時代 ③江戸時代 ④明治時代 ④ 古来日本では中国暦が使われ、江戸時代の貞享じょうきょう改暦で 日本独自の暦が作られたが、いずれも太陰太陽暦であ る。明治5年になって、太陰太陽暦から太陽暦(グレゴリオ 暦)に改暦され、明治5年12月3日が明治6年1月1日となっ た。 8 29 図の宇宙船は、2010年にJAXAが打ち上げた「IKAROS(イカロス)」 である。これは、何を実証するためのものか。 ①ソーラーセイル ②光子ロケット ③ラムロケット ④レーザーロケット ① 2010年にJAXAが打ち上げた小型ソーラー電力セイル実 証機「IKAROS」は、史上初のソーラーセイルと、セイルに 貼りつけた薄膜の太陽電池による太陽光発電の宇宙実 証を行った。ソーラーセイルは太陽風ではなく、光子の反 射によって生じる反作用によって推進している。太陽光を 十分に受けることができれば、燃料を消費することなく、 加速することができる。初速が小さくても、大きな加速が 必要な天体まで移動できるのが利点である。また、帆の 角度を変えることで進行方向も程度変化させることができ る。 9 30 系外惑星の大気にオゾンが検出された場合、その惑星の生命の 存在について、どのような可能性があるか。ただし、生命の発生過 程は地球と同じと考える。 ①光合成生物の存在を示唆するバイオマーカーとしての可能性 ②紫外線が非常に強いため生命の存在は否定的な証拠 ③その惑星に原始的な生命が発生しつつある証拠 ④オゾンは有毒なので生命の存在は否定的な証拠 ① オゾンは、酸素原子が3つ組み合わさった分子であり、酸 素分子が豊富にある証拠ともなる。酸素は、光合成を行 う生物がいない環境下では大量に作られ難いので、オゾ ンが存在する=光合成生物の存在を示唆することにな る。 10 31 太陽の中心核、表面、コロナの各温度で正しい組み合わせはどれ か。 ①中心核:約1400万K 表面:約6000 K コロナ:約100万K ②中心核:約1400万K 表面:約4000 K コロナ:約10万K ③中心核:約140万K 表面:約4000 K コロナ:約100万K ④中心核:約140万K 表面:約6000 K コロナ:約10万K ① ガスが濃く集まって、中心の温度が1000万Kを超えると水 素の核融合反応が起こり、恒星となる。太陽の中心部は 約1400万K、表面は約6000 Kで、コロナは光球よりも外側 にもかかわらず約100万Kという高温になっている。 2
No. 問題 正答 解説 章 32 近年の火星探査の成果には目覚ましいものがある。火星地表での 水の氷の存在を示す次の画像はどの探査機が撮影したものか。 ①火星探査ローバー・キュリオシティ ②フェニックス・マーズ・ランダー ③マーズ・リコネサンス・オービター ④マーズ・ポーラー・ランダー ② 選択肢のいずれも米NASAの火星探査機で、キュリオシ ティは 2012年8月6日に着陸した探査車。フェニックスは 2008年5月25日に火星の北極地域に着陸した。ロボット・ アームで北極域の地表を掘った際の写真が今回のもの。 リコネサンス・オービターは火星を周回する探査衛星。 ポーラー・ランダーは1999年12月3日に火星に到達した が、着陸には失敗した。 3 33 2つの星の等級m1、m2(m1<m2とする)、明るさをL1、L 2(L1>L2) とすると、どのような式が成り立つか。 ④ 明るさが100倍違えば、等級は5等変わる。等級は数値が 小さいほど明るいので、例えば、m1=1(等級)、m2=6 (等級)、L1/L2=100(倍)とすれば、④だけが成り立つ。 4 34 Ⅰ型超新星爆発の記述として正しいものはどれか。 ①白色矮星がその限界質量を超えたときに起こる大爆発である ②超新星爆発が起こるとき、星の中心部にはケイ素や鉄といった 重い元素が形成されている ③超新星爆発の後、中心部には中性子星やブラックホールが形成 される ④おうし座のかに星雲は、Ⅰ型超新星爆発後に生じた代表的な超 新星残骸である ① 連星系をつくっている星が赤色巨星に進化する段階で、 その外層の一部が、もう一方の白色矮星に降り積もり、 白色矮星の限界質量(太陽の質量のおよそ1.4倍)を超え たときに起こす大爆発がⅠ型超新星爆発(厳密にはⅠa 型)であり、中心部には何も残らない。したがって①が正 解である。②、③、④はすべてⅡ型超新星爆発について 述べたものである。 5 35 散開星団の天球での分布はどれか(図は、モルワイデ図法で世界 地図のように展開している。中心は銀河系中心の方向。楕円の長 径は天の川に沿った方向にある)。 ① 散開星団は、私たちの銀河系の銀河円盤と呼ばれる部 分に存在するため、天球分布は天の川に沿って分布す る。②は球状星団の分布で、銀河系中心部に集中し、ハ ローの部分にも見られる。 ③、④はダミーである。 6 36 100万パーセク(=1メガパーセク)の距離にある銀河の後退速度 は、約70km/sになると見積もられている。おとめ座銀河団の後退 速度はおよそ1500km/sである。この銀河団まではおよそ何メガ パーセクか。 ①200メガパーセク ②20メガパーセク ③2メガパーセク ④0.2メガパーセク ② 銀河の後退速度は、銀河系からの距離に比例している。 これをハッブルの法則という。求める距離は、1500 km/s/ ÷70 km/s/メガパーセク=約20メガパーセクになる。ほと んどの銀河が銀河系から遠ざかっていることから、宇宙 が膨張していると解釈されている。 7
No. 問題 正答 解説 章 37 日本は江戸時代まで、中国の暦を輸入して使用してきた。これにつ いて間違って述べたものはどれか。 ①白村江の戦いで中国に敗れた後、中国の暦を採用した ②宣命 暦せんみょうれきは800年以上も採用され続けていた ③高橋至時たかはしよしときによる寛政かんせいの改暦によって初めて日本独自の暦が採 用された ④中国の授時暦じゅじれきは日本独自の貞享暦じょうきょうれきを作る際に参考にされた ③ 日本独自の暦として最初に採用されたのは、貞享暦じょうきょうれきであ る。これは、中国の授時暦じゅじれきを参考にして渋川春海しぶかわはるみが作っ た大和暦で1684年に採用され、年号にあわせて貞享暦と 呼よばれた。寛政かんせいの改暦は、貞享暦より100年後の1797年 に高橋至時たかはしよしときらが担当した。 ※選択肢②「宣命暦」は「宣明暦」の誤植でした。訂正し てお詫び申し上げます。 8 38 地球観測衛星「だいち2号」は、約98分かけて地球を1周し、14日間 隔で同じ地域の上空をほぼ同じ時間帯に通過する。「だいち2号」 の軌道はどれか。 ①静止軌道 ②同期軌道 ③太陽同期準回帰軌道 ④準天頂軌道 ③ 「だいち2号」など多くの地球観測衛星は、地球の表面に あたる太陽の角度が同じになる(太陽同期軌道)という条 件のもと、定期的に同じ地域の観測が行える軌道(準回 帰軌道)をとっており、この軌道を太陽同期準回帰軌道と いう。 9 39 地球上の全生物の共通祖先はどのような性質をもっていたと考え られるか。 ①酸素を必要とする好気性の超好熱菌 ②酸素を嫌う嫌気性の超好熱菌 ③酸素を嫌う嫌気性の古細菌 ④酸素を必要とする好気性の古細菌 ② 酸素は初期の地球にはほとんど存在せず、また細胞や DNAを傷つける危険な物質であった。そのため初期の生 物は酸素を嫌う嫌気性であったと考えられている。また、 系統樹の根元あたりの生物は高熱環境を好む超好熱菌 であった。よって②が正解となる。古細菌は現生の生物 の一分類(ドメイン)で、「古」という字が使われているが、 真正細菌よりは新しく、真核生物に近いと考えられてい る。 10 40 下のグラフは、フレアのエネルギーと発生頻度を示す。太陽型星の 巨大フレアを表しているのはどれか。 ④ 超大規模なフレアをスーパーフレアと呼び、ケプラー宇宙 望遠鏡による観測から、太陽に似たタイプの星でも巨大 なフレアが起きていることがわかった。グラフのようにフレ アは規模が大きいほど、発生頻度が小さい。研究者の見 積もりでは、最大級の太陽フレアより100倍大きなフレア は800年に1回発生する可能性があると言われ、そのとき には地球にも甚大な被害が及ぶ可能性がある。なお、① はマイクロフレア、②は太陽フレア、③はκCetとEK Dra 星のフレアを示す。 2 41 小惑星帯にある天体を全部合わせると、どれくらいになるか。 ①月より小さい ②火星 ③地球 ④地球2個分 ① 火星と木星の間に惑星がない理由として、太陽系の形成 の過程で木星軌道のすぐ内側では微惑星の軌道が乱さ れお互いが衝突して小惑星となった、と考えられている。 しかし、小惑星帯の天体を合わせても月に満たない大き さなので、もともと材料が少なかったためではないかとも 言われている。 3
No. 問題 正答 解説 章 42 次の表はうさぎ座β星としし座γ星のB 等級とV 等級のデータで ある。これらの星で、肉眼で明るく見える星(A)と、表面温度が高い 星(B)の組み合わせとして正しいものはどれか。 ①A:うさぎ座β星 B:うさぎ座β星 ②A:うさぎ座β星 B:しし座γ星 ③A:しし座γ星 B:うさぎ座β星 ④A:しし座γ星 B:しし座γ星 ③ 色指数B-Vを求めると、うさぎ座β星はB-V=0.9、し し座γ星はB-V=1.2である。目で見た等級はV等級に 近く、等級の値の小さい方が明るいので、明るく見えるの はしし座γ星である。また、表面温度が高いほど色指数 の値は小さくなるため、表面温度が高いのはうさぎ座β 星である。したがって③が正解となる。 5 43 宇宙の膨張速度は、今後どのようになっていくと考えられている か。 ①だんだん大きくなる ②だんだん小さくなる ③周期的に大きくなったり、小さくなったりする ④一定である ① ビッグバンによる膨張では、宇宙に存在する物質の重力 によって宇宙の膨張速度はだんだん小さくなる。ところ が、観測から膨張速度はだんだん大きくなっていることが わかった。この加速膨張の原因は不明であるが、宇宙空 間にはダークエネルギーが満ちていて、空間を加速膨張 させる斥力の効果を持っていると推測されている。 7 44 ホーマン軌道を正しく説明しているのはどれか。 ①最短時間で地球から他の惑星に到達できる ②最小のエネルギーで地球から他の惑星に到達できる ③最短距離で地球から他の惑星に到達できる ④地球の公転軌道に平行な軌道である ② ホーマン軌道は、同一軌道面にある2つの円軌道間を移 る軌道の1つである。全体としては遠回りに見えるが、円 軌道の中心の天体(太陽)の引力に逆らわない軌道の接 線方向に1回ずつの計2回加速・減速をすることで、最小 のエネルギーで目的の天体に到着することができる。現 在の惑星探査機は、ホーマン軌道よりも打ち上げ速度を 上げ、打ち上げ方向を少し変えることで飛行日数を減ら す準ホーマン軌道が用いられる。 9 45 次の図は、植生などの反射スペクトルを示したものである。A、B、C はそれぞれ何に相当するか。正しい組み合わせを選べ。 ①A:レッドエッジ B:土壌 ②B:レッドエッジ A:土壌 ③C:レッドエッジ B:クロロフィルのこぶ ④A:クロロフィルのこぶ C:土壌 ① まず、このスペクトル図は、植生とB土壌の反射スペクト ルの違いを表したものであり、植生によりいかにスペクト ルが変わるかを示している。植生で特徴的なのは、Aの レッドエッジとCのクロロフィルのこぶである。レッドエッジ は赤色の光を植物が光合成のために強力に吸収してい る波長帯を示している。 10 46 次のうち、太陽磁場の発見に関係しないのはだれか。 ①ジョージ・ヘール ②ピーター・ゼーマン ③ノーマン・ロッキャー ④ピエール・ジャンサン ④ 1908年、ジョージ・ヘールはそれぞれ独立して行われてい たノーマン・ロッキャーによる観測結果とピーター・ゼーマ ンの実験結果とを結び付け、太陽黒点に2000~3000ガウ スの磁場があることを突き止めた。ピエール・ジャンサン は1868年に太陽スペクトル中から新元素ヘリウムを発見 した人物。 2
No. 問題 正答 解説 章 47 図は宇宙、地球、人体の元素の存在比(重量比)のグラフである。 正しい組み合わせはどれか。 ①イ:宇宙 ロ:人体 ハ:地球 ②イ:地球 ロ:宇宙 ハ:人体 ③イ:人体 ロ:地球 ハ:宇宙 ④イ:地球 ロ:人体 ハ:宇宙 ③ 水素とヘリウムは宇宙初期の元素合成でできているの で、現在でも圧倒的に存在比が高い。よってハは宇宙。 また人体の70%は水(H2O)で、水分子1個あたりのOの重 量はHの約8倍になるので、イが人体。鉄の核をもつ地球 はロ。 4 48 太陽の質量の8倍の主系列星が赤色巨星に進化する段階で、表面 温度が2万Kから4000Kに下がったが、この間、光度はほぼ一定で あった。表面温度が4000Kになったときの星の半径は、2万Kのとき の半径のおよそ何倍になったか。 ①5倍 ②25倍 ③125倍 ④625倍 ② ステファン・ボルツマンの法則から、星の半径をR、表面 温度をT、ステファン・ボルツマン定数をσとすると、光度 LはL=4π σ R2T4 で与えられる。光度が一定であるか ら、半径は表面温度の2乗に反比例する。表面温度が2万 Kから4000 Kに下がった場合、表面温度は1/5となるた め、半径は52=25倍となり、②が正解となる。なお、この 星の2万Kのときの絶対等級を-5等級、太陽の絶対等級 を5等級、太陽の表面温度を6000 Kとすると、光度は太陽 の104倍となる。半径は光度の1/2乗に比例し、表面温度 の2乗に反比例するので、この星の2万Kのときの半径 は、太陽半径の ×(6000/20000)2=100×0.32=9倍 になる。したがって、4000 Kのときの半径は、太陽半径の 9×25=225倍となり、赤色巨星となっていることがわか る。 5 49 ダークマターの正体は2017年現在わかっていないが、ある種の素 粒子ではないかと考えられている。これを検出するための実験装 置として正しいものはどれか。 ①ハッブル宇宙望遠鏡 ②XMASS検出器 ③LIGO ④ケプラー宇宙望遠鏡 ② ハッブル宇宙望遠鏡による精密観測で、ダークマターの 分布などが調べられている。ただし、ダークマターそのも のの正体を調べる実験ということだと②XMASS検出器な どとなる。LIGOは重力波検出器、ケプラー宇宙望遠鏡は 系外惑星検出専用の望遠鏡である。 7 50 天体物理学と現在いわれているものは、科学史上のある業績を契 機にしたものである。それは何か。 ①ニュートンの万有引力の法則など力学の形成 ②力学計算による海王星の発見補助 ③ハッブルによる膨張宇宙の発見 ④フラウンホーファーによる太陽光の分光吸収線の発見 ④ 天文学は長らく、天体の位置ならびに移動を予測する学 問であった。これに対して、天体の光を分析することで、 天体の表面物質の組成などを知ることができる分光学の 出現は、天文学のありようを大きく変えた。また分光学は 天体の移動についてもデータを出すことができ、ハッブル の膨張宇宙の発見もそれによるものである。 8 51 液体ロケットの歴史で間違っているものはどれか。 ①液体ロケットを考案したのはロシアのコンスタンチン・ツィオルコ フスキーである ②液体ロケットの飛行実験を初めて実施したのは、アメリカのロ バート・ゴダードである ③ロバート・ゴダードは燃料として液体酸素と液体水素を用いた ④ウェルナー・フォン・ブラウンはドイツ軍用ロケットV-2の発射に成 功した ③ ロバート・ゴダードは1926年に液体酸素とガソリンを燃料 (燃焼剤がガソリン、酸化剤が液体酸素)とする液体ロ ケットの飛行実験を行った。 9 104
No. 問題 正答 解説 章 52 次のグラフは、A~Dの4種類の発見法別に系外惑星の発見数の 推移を示したものである。近年、Bの発見法による数が非常多く なっているが、これは次の何にあたるか。 ①ハッブル宇宙望遠鏡による直接観測法による発見 ②アマチュアを含む小型望遠鏡によるマイクロレンズ法による発見 ③日本の岡山天体物理観測所を含むドップラー法による発見 ④ケプラー宇宙望遠鏡によるトランジット法による発見 ④ ケプラー宇宙望遠鏡は、系外惑星発見を主目的にした望 遠鏡ではくちょう座の一部の領域をモニター観測すること により惑星が親星の前を通過する(トランジット)による減 光をとらえ多数の系外惑星を発見した。現在は機器の一 部故障で観測方法を変えている。なお、①、③も実際に 行われているが、発見数はそれほど多くない。②のアマ チュアを含む小型望遠鏡で可能なのはマイクロレンズ法 ではなく、トランジット法である。 10 53 次の語句の命名者の組み合わせで正しいのはどれか。 A:ビッグバン B:インフレーション C:ブラックホール ①A:フレッド・ホイル B:アラン・グース C:ジョン・ホイーラー ②A:ジョージ・ガモフ B:佐藤勝彦 C:スティーブン・ホーキング ③A:フレッド・ホイル B:佐藤勝彦 C:スティーブン・ホーキング ④A:ジョージ・ガモフ B:アラン・グース C:ジョン・ホイーラー ① ビッグバンは定常宇宙論者のフレッド・ホイルが膨張宇宙 論を揶揄してそう呼んだ。宇宙のごく初期の指数関数的 膨張を佐藤勝彦とアラン・グースは独立に提唱し、アラン・ グースが使ったインフレーションが一般的に使われるよう になった。ブラックホールはジョン・ホイーラーが1967年に はじめて使っている。 1 54 地球から金星が最も明るく見えるのは、次の図中のどこに金星が 位置しているときか。 ③ 金星は内合と外合の間で見かけの大きさが大きく変わ り、また満ち欠けをして見えるため、単純に近いときに明 るく見えるわけではない。金星が最も明るく見えるのは、 大きさと形の兼ね合いで、④内合と②最大離角の中頃 で、太めの三日月形をしている③のときだ。 3 55 太陽スペクトルに見られるD線とは何か。 ①スペクトル型がDであることを意味する ②ナトリウムの出すスペクトル線である ③太陽スペクトルの発見者の頭文字に由来する ④Dバンドに見られるスペクトル線である ② 太陽スペクトルのABC・・・と言うスペクトル線は、ヨゼフ・ フォン・フラウンホーファーが発見して名付けた名称であ り、D線は、ナトリウムの暗線(吸収線)に相当する。 4
No. 問題 正答 解説 章 56 次の元素の中で、天文学で用いる重元素ではない元素はどれか。 ①ヘリウム(He) ②炭素(C) ③酸素(O) ④鉄(Fe) ① 一般に重元素とは銀やカドミウムといった原子量が非常 に大きな元素を指す。しかし、天文学では元素の起源と いう観点で区分し、宇宙初期に存在した水素(H)とヘリウ ム(He)以外の元素をひとまとめにして重元素と呼ぶ。し たがって①が正解となる。なお、重元素は星の内部と超 新星爆発によってつくられた。 5 57 銀河系の回転曲線は、太陽系の惑星の公転速度と異なり、銀河系 の外側ではおおむね一定になる。これは何を示しているか。 ①銀河系の質量の大部分は、中心付近に集中している ②銀河系の質量の大部分は、バルジと銀河円盤部にある ③光や電波では見えない未知の物質が、銀河系の特にハローに ある ④アンドロメダ銀河の重力の影響を強く受けている ③ 銀河系の中心か、銀河円盤部に質量が集中していれば、 回転速度は外側ほど遅くなるはずだが、実際にはほぼ一 定となっている。これは、光や電波では見えないダークマ ター(暗黒物質)が銀河全体を包み込むようにハロー領域 まで存在するからであると考えられているが、その正体は 明らかではない。 6 58 現在、国際宇宙ステーションの長期滞在は6カ月という制約があ る。その最大の理由は何か。 ①無重力状態で体力が維持できなくなるため ②精神的・心理的限界を考慮して ③宇宙線による被曝量を考慮して ④多数国の宇宙飛行士にチャンスを与えるため ③ 挙げたいずれも、長期間の滞在に制限を加えるものだ が、当面6カ月としている最大の理由は、宇宙線による被 曝量を考慮してである。国際宇宙ステーションでは、1日 で地上の半年分の被曝がある。 9 59 アミノ酸や核酸などの有機分子には、D型とL型がある。地球の生 体はL型のアミノ酸だけを使っている。これについて述べた文で間 違っているものはどれか。 ①L型の方がD型より倍以上生成されやすい ②生体はD型のアミノ酸を吸収することはできない ③核酸はD型のみが使われている ④生体の核酸は片方の型だけが使われたおかげで二重らせん構 造がとれる ① アミノ酸や核酸などの有機分子を合成すると、L型もD型 も等量が生成される。L型とD型はそれぞれ同じ型のもの が結合して、より複雑で巨大なタンパク質やDNAを作って いる。なので、L型のアミノ酸でできた生体は、L型のアミノ 酸のみが使用できる。D型が来ても不良部品となり使えな い、すなわち吸収できないのである。ただ、そうなら、D型 のアミノ酸ばかりの生体が半分あっても不思議ではない が、それはほとんどない。その理由として考えられている のが、アミノ酸は特定の円偏光した光の元では、片方の 型ばかりが生成される性質があり、そういう環境があった とは考えられる。ただ、地球上ではそれは考えにくいの で、宇宙空間でそうした環境があり、そこでできたL型アミ ノ酸が降ってきて、地球に生体を作ったという説もある。 10 60 ニュートリノについて述べた文として、間違っているものはどれか。 ①太陽内部の核融合反応で発生するニュートリノは、理論的に予 想される発生数の1/3ほどしか観測されない ②超新星爆発では、大量のニュートリノが放出される ③1987年に大マゼラン雲で発生した超新星からのニュートリノが、 ニュートリノ検出器カミオカンデによって検出された ④我々の体をニュートリノが通り抜けるとき、遺伝子を破壊してが んなどの病気を引き起こすことがある ④ ニュートリノは素粒子の一種だが、他の素粒子とほとんど 相互作用を起こさない粒子である。そのため、毎秒数兆 個ものニュートリノが我々の体を通り抜けているが、非常 に相互作用が弱いため、体内の原子とニュートリノが反 応することはない。したがって④が誤った記述となり、正 解となる。他は正しい記述である。 5