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研究開発動向 農薬企業の重点農薬などをまとめた 植物防疫年刊 2015 を新たに企画発行することに致しました JPP-NET 会員向けの無料メールマガジン 植防コメント 月刊誌 植物防疫 など各種出版物の発行と併せ 情報発信機能をさらに強化していく所存です 最後になりますが 近年の異常気象や抵抗性病

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Academic year: 2021

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1 -平成27年1月9日号-1 発行 一般社団法人日本植物防疫協会 東京都北区中里2-28-10 tel03-5980-2181 Fax03-5980-6751

平成27年の新年を迎えて

上路雅子理事長挨拶

新しい年を迎え、新年のお慶びを申し上げます。 旧年中は皆様からの多大なご支援、ご鞭撻を賜り、当協会における各事業はいずれも順調 に推移いたしました。誠にありがとうございました。 植物防疫が直面する近年の課題には温暖化、耕作放棄地の増大、農産物の輸入増加に伴 う病害虫リスクの増大、抵抗性病害虫の発生などがあり、農作物の安定供給のために、病 害虫防除資材としての農薬の重要性は一層大きくなっています。また、政府が掲げる「攻 めの農林水産業」の具体化とともに、病害虫防除にも今後様々な要望が出てくるものと思 われます。これらの課題に着実に対応していくため、当協会は設立当初から継続してきた 新農薬実用化試験や各種試験研究を通して、新規薬剤の開発、さらに、病害虫防除技術の 確立に必須となる信頼できるデータの蓄積に一層貢献していきたいと思っております。 昨年3 月、厚生労働省は作物残留基準の設定について、これまでの長期暴露評価に加え 新たに ARfD(急性参照用量)に基づく短期暴露評価を導入する方針を表明しました。こ れに伴い既登録剤の登録維持が困難となり、現状の病害虫防除体系に悪影響が生じること が強く懸念されております。このため、当協会は、生産現場における混乱の軽減が喫緊の 課題であると判断し、登録維持のために企業が緊急に実施する作物残留試験経費の一部を 助成する緊急措置をスタートさせたところです。 また、当協会が生物農薬連絡試験を発足させてから 20 年が経過しました。この間、天 敵農薬、微生物農薬等多くの生物農薬が開発され、全国規模での IPM や環境保全型農業 の推進が図られてきましたが、必ずしも十分な普及には至っておりません。この 20 年を 記念し、1月16 日、都内で「生物農薬―この 20 年の歩みと今後の展望」というテーマで シンポジウムを開催し、生物農薬を巡る動きを総括するとともに、生産現場における生物 農薬の利用の現状と今後の課題を考えたいと思います。多くの関係者にご参加いただけれ ば幸いです。 さらに、当協会では、植物防疫に関する情報発信機能の充実を活動方針に掲げ、様々な 取り組みをはじめております。そのひとつとして、このたび、植物防疫に係る行政指針や

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2 -研究開発動向、農薬企業の重点農薬などをまとめた「植物防疫年刊 2015」を新たに企画 発行することに致しました。JPP-NET、会員向けの無料メールマガジン「植防コメント」、 月刊誌「植物防疫」など各種出版物の発行と併せ、情報発信機能をさらに強化していく所 存です。 最後になりますが、近年の異常気象や抵抗性病害虫の発生が、防除技術の確立を一層難 しくさせていると痛感しております。また、農薬行政への対応にも的確かつスピード感が 求められています。今年も植物防疫を巡る諸問題について最善の努力をする所存でおりま すので、皆様からの暖かいご理解、ご協力を何卒よろしくお願い致します。

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-日本植物防疫協会の人事異動

「平成26 年 12 月 31 日付けの人事異動」 ○退職 氏名 所属 飯島 友紀 信頼性保証室茨城分室 「平成27 年 1 月 1 日付けの人事異動」 ○配置換え 氏名 新所属 旧所属 森田 久孝 調査企画部プロジェクトマネージャー 茨城研究所総括主任 門田 健吾 調査企画部第1 グループ総括主任 茨城研究所主任 黒滝美音子 調査企画部プロジェクトマネージャー 調査企画部第2 グループ特任調査役 六原 智子 信頼性保証室茨城分室 茨城研究所分析担当 (分析業務担当兼務) 櫻井 昭寿 茨城研究所次長 総務部次長 柑本 俊樹 宮崎試験場総括主任 茨城研究所主任 平成27年1月9日号ー2

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1 -平成27年1月9日号-3

新農薬実用化試験「落葉果樹」・「常緑果樹」・「芝草」・「生物

農薬」・「家庭園芸」成績検討会を開催

日本植物防疫協会主催

調査企画部

12月に「落葉果樹」・「常緑果樹」・「芝草」・「生物農薬」・「家庭園芸」を都内で開催 平成26 年度新農薬実用化試験成績検討会は、10 月に茶と寒冷地果樹を、11 月に稲野菜 関係を全国8 地域に分けて開催してきた(既報)。引き続き 12 月には落葉果樹、常緑果樹、 芝草、生物農薬、家庭園芸と5 つの分野の成績検討会を開催したので、それらの概要をま とめて報告する。 ◆落葉果樹 12 月 9 日~ 10 日に都内日暮里のホテルラングウッドで開催し、全国 37 道府県の試験 機関をはじめ委託企業の関係者など約310 名が参加。冒頭上路理事長より、協会として短 期暴露評価導入に伴う既登録剤維持のための緊急助成を決めたことを報告し、2 会場に分 かれて会議が開始された。本年は病害262 件、虫害 232 件とほぼ前年並みの試験成績を検 討。病害は果樹研究所の中畝上席研究員と須崎上席研究員、虫害は果樹研究所の井原上席 研究員と新井上席研究員のリードで検討がすすめられ、試験法や評価基準についても議論 が及んだ。初日の終了後に開催した懇親会には多くの関係者が参加し、熱心な意見交換が 行われた。 ◆常緑果樹 12 月 10 日~ 11 日にホテルラングウッドで開催。例年、落葉果樹の検討終了後の開会 となることから病害は予定どおり 15 時からスタートしたが、虫害は落葉果樹の検討会が 長引いたことから予定を遅れ、13 時 30 分すぎに開会となった。会議には約 220 名が参加。 落葉果樹の試験成績検討会、都内で 挨拶する上路理事長

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2 -本年は病害 70 と前年並みであったが、虫害は 137 件と前年よりも 3 割ほど多い試験成績 を検討した。病害は果樹研究所興津拠点の足立主任研究員、虫害は同所の望月上席研究員 のリードで検討がすすめられた。10 日夕刻の懇親会では果樹研究所の高梨研究領域長に ご挨拶をいただき、参加者は2 日連続の疲れもみせず交流を深めた。 ◆芝草 第 3 週のはじまりとなる 12 月 15 日~ 16 日にホテルラングウッドで開催。芝草病害虫 対策はかつて都道府県試験研究機関でも課題となっていた時期があったが、ゴルフ場農薬 問題が下火になって以降、試験の実施主体は各地のグリーン研究所や協会研究所が中心と なっている。会議にはこれら試験機関の担当者と委託企業の関係者など約 90 名が参加。 本年は虫害 33 件、病害 149 件といずれも前年より減少という概況の中、虫害関係試験成 績の検討からスタートした。虫害は静岡県ゴルフ場協会の廿日出技術顧問(元静岡大学) と協会信頼性保証室の宮井技術顧問、病害は農研機構畜産草地研究所の月星上席研究員、 協会信頼性保証室の高橋技術顧問及び田代専門調査役にそれぞれ委員をお願いした。本年 は新病害の報告などもあり、初日終了後の懇親会でも熱心な意見交換が行われた。 ◆生物農薬 12 月 18 日~ 19 日にホテルラングウッドで開催。冒頭、上路理事長が「平成 6 年に生 物農薬連絡試験を発足してからまる 20 年を経過し多くの生物農薬を上市したが普及は今 ひとつ。その原因究明と今後の展望などを年明け1 月のシンポジウムで総括したい」と挨 拶。会議には全国 41 の試験機関の担当者と委託企業の関係者など約 180 名が参加し、病 害と虫害に分かれて検討会がすすめられた。本年は病害が 57 件と前年よりも減少したが 虫害は 93 件とここ数年では最も多い試験成績を検討した。時間的な制約の中で活発な意 見交換が行われ、この分野に対する期待感の大きさがうかがわれた。委員は病害が農研機 構の仲川室長と井上主任研究員(中央農研)、虫害が近畿大学の矢野教授、中央農研の後 藤上席研究員、野菜茶業研究所の武田上席研究員にそれぞれお願いした。初日終了後に開 催した懇親会は、企業関係者よりも都道府県関係者のほうが多いという珍しい構成となり、 研究談義に花が咲いた。 ◆家庭園芸 本年最後の成績検討会となる家庭園芸分野は12 月 22 日に当協会会議室において開催。 この検討会はスプレー剤など農業用途よりも小規模・限定的な製品を取り扱うものである が、試験実施機関は多岐にわたるところから、茨城大学、千葉大学、協会研究所といった 主要な試験機関以外は、事務局が成績報告を代行する形で検討会を構成した。本年の試験 は病害32 件、虫害 115 件といずれも前年よりも半減した。委員は病害を日本大学の藤田 教授(元農研機構)と協会信頼性保証室の高橋技術顧問に、虫害を永田 徹氏(元茨城大 学)と協会信頼性保証室の宮井技術顧問にそれぞれお願いし、検討がすすめられた。

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3 -◆その他 これらの検討会の合間をぬう格好で特別連絡試験の成績検討会も開催された。12 月 8 日フェニックス剤の果樹枝幹害虫防除(委員:新井上席研究員)、12 月 11 日プルート MC の検討(委員:望月上席研究員)、12 月 19 日ゴッツ A の野菜病害防除(委員:仲川室長)。 ◆謝辞 10 月中旬からはじまった各分野の検討会は以上で全て終了しました。ご多忙の中、試 験成績を校閲いただき検討会の座長をおつとめいただいた委員各位、適切な試験実施に腐 心され、出席いただいた試験機関ご担当者各位、連日の検討会にご出席いただいた委託企 業のご担当者の方々並びにFAMIC 生物課のご担当者に心から感謝申し上げます。

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平成27年1月9日号-4

平成26年病害虫の発生と防除

農林水産省消費・安全局 植物防疫課 農林水産省消費・安全局 農産安全管理課 農薬対策室 Ⅰ 天候経過の状況(気象庁報道発表資料より抜粋) 1 2014年(平成26年)冬(2013年12月~2月)の特徴 (1) 東日本と沖縄・奄美では、1月下旬から2月はじめを除いては寒気に覆われることが多く、 気温は低かった。東日本では3年連続の寒冬となった。北・西日本では平年並だった。 (2) 上空の強い寒気の南下は一時的で、日本海側の降雪量は北日本の山沿い等を除いて全般 に平年を下回ったところが多く、特に北陸地方の平地では平年を大きく下回った。 (3) 2月上旬と中旬にそれぞれ1度、低気圧が発達しながら日本の南岸を通過し、太平洋側で は広い範囲で大雪となった。特に、14日から16日にかけては、関東甲信地方を中心に過去 の最深積雪の記録を大幅に上回る記録的な大雪となった。 2 2014年(平成26年)春(3~5月)の特徴 (1) 北日本から西日本にかけては、期間を通して高気圧に覆われる日が多く、春の日照時間 がかなり多かった。東日本日本海側、東日本太平洋側、西日本日本海側では、統計を開始 した1946年以降最も多かった。 (2) 東・西日本では、寒気が南下し低温となる時期もあったが、3月下旬と5月下旬に南から 暖かい空気が流れ込み、気温が平年を大幅に上回ったことなどから、春の平均気温は高か った。沖縄・奄美では、冷涼な高気圧や寒気の影響を受けて気温の低い日が多く、春の平 均気温は低かった。 3 2014年(平成26年)夏(6~8月)の特徴 (1) 夏の平均気温は、西日本では、2003年以来11年ぶりに低かった。一方、北日本、東日本 では5年連続で高く、沖縄・奄美では2年連続で高かった。 (2) 夏の降水量は、北日本、西日本太平洋側ではかなり多く、東・西日本日本海側で多かっ た。 (3) 気圧の谷の影響と太平洋高気圧の西日本付近への張り出しが弱かった影響で、西日本の 夏の日照時間はかなり少なかった。 4 2014年(平成26年)秋(9~11月)の特徴 (1) 北日本から東日本にかけて大陸からの移動性高気圧に覆われ、晴れる日が多かった。こ のため、北日本と東日本日本海側の日照時間はかなり多く、東日本日本海側と東北地方で は1946年の統計開始以来、秋としては最も多い記録を更新した。 (2) 沖縄・奄美では、先島諸島を中心に高気圧の勢力が平年より強かったため、気温がかな り高く、降水量が少なかった。 (3) 北日本と東日本では、近年、秋の高温が続いていたが、9月を中心に大陸からの冷たい空 気を伴った高気圧に覆われる日が多く、2009 年以来5年ぶりに平年並の気温となった。

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Ⅱ 作物別の病害虫発生状況の概要 1 水稲病害虫 病害:縞葉枯病は、冬期から春期の調査で、ヒメトビウンカ越冬虫のイネ縞葉枯病ウイ ルス保毒率が高かったことから、発生が多くなることが懸念され、2月下旬から5月下旬に 注意報が茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県の5県から延べ6件発表され、防除が 呼びかけられた。 いもち病は、西日本を中心に8月上旬ごろから多雨、日照不足となり、本病の発生に適 した天候が続いたことから発生が多く、警報が鳥取県、山口県、福岡県、佐賀県及び大分 県の5県から、注意報が17府県から延べ18件発表され、防除が呼びかけられた。なお、鳥取 県では平成15年以来の11年ぶり、山口県、福岡県、佐賀県及び大分県では平成5年以来の21 年ぶりの警報発表となった。 害虫:トビイロウンカは、6月末から飛来し、8月上旬ごろから各地で発生が多く、警報 が兵庫県から、注意報が近畿、中国、四国及び九州の10県から延べ11件発表され、防除が 呼びかけられた。 斑点米カメムシ類は6月下旬から8月下旬に北海道から中国にかけて発生が多く、警報が 秋田県から、注意報が24道府県から延べ32件発表され、防除が呼びかけられた。 なお、平成26年産水陸稲の収穫量(平成26年12月5日農林水産省大臣官房統計部公表) では、平成26年産水稲の作柄は、北海道から関東・東山では、全もみ数が総じて多かったこ とから作柄がおおむね平年並み以上となった一方、東海以西では、日照不足・低温や一部 地域での病害虫等の影響で全もみ数及び登熟が平年を下回ったことから、全国の10a当た り収量は536㎏(作況指数101)が見込まれている。 農業地域別の作況指数は、北海道が107、東北105、北陸100、関東・東山102、東海99、 近畿98、中国96、四国96、九州96及び沖縄84となった。 2 その他普通作物病害虫 麦:麦類の赤かび病は、注意報が愛媛県及び大分県の2県から発表され、防除が呼びか けられた。 大豆:オオタバコガは、注意報が茨城県及び愛知県の2県から発表され、防除が呼びか けられた。 3 果樹病害虫(茶を含む) 害虫:果樹カメムシ類は、各地で越冬量が多く、春期から夏期にかけて越冬成虫の果樹 園への飛来が多いことが懸念された。また四国及び九州を除いてスギやヒノキの花粉の飛 散量が少なく、餌となる毬果が少なかったことなどから、夏以降は第1世代以降の成虫が 果樹園に多く飛来することが懸念された。このことから1月から10月上旬までに注意報が3 1都府県から延べ41件発表され、防除が呼びかけられた。 4 野菜および花き病害虫 病害:トマト灰色かび病は、注意報が岐阜県及び熊本県の2県から発表され、防除が呼 びかけられた。 害虫:いちごのハダニ類は、注意報が2月に宮城県、茨城県、三重県、徳島県及び宮崎 県の5県から、10月中旬に長崎県から発表され、防除が呼びかけられた。 オオタバコガは、注意報が茨城県、群馬県、神奈川県、愛知県及び徳島県の5県から発

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表され、防除が呼びかけられた。 平成26年の特殊報は、11月30日までに都道府県から46件発表されており、そのうち普通 作に関するものは1件、果樹・茶に関するものは15件、野菜・花き等に関するものは30件あっ た。 Ⅲ 病害虫防除事業 1 ウリミバエ及びミカンコミバエ ウリミバエ及びミカンコミバエの侵入リスクのある地域において侵入警戒調査を実施する とともに、これら害虫の侵入リスクが特に高い沖縄県においては、ウリミバエに対して不妊 虫放飼、ミカンコミバエに対して誘殺板(誘引剤と殺虫剤を染み込ませたもの)を散布する ことにより、再侵入防止対策を実施している。 なお、沖縄県においては、毎年、ミカンコミバエが侵入警戒調査用トラップに複数回誘殺 されている。平成26年は、ミカンコミバエの誘殺が例年よりも多く、また、調査の過程にお いて寄主植物の果実から幼虫の寄生が確認された。いずれの誘殺事例においても、風による 海外の発生地域からの飛び込みが原因となった誘殺と考えられるものの、防疫指針に基づき、 発生調査及び誘殺板の散布などの防除対策を強化して、再侵入がないことを確認している。 2 アリモドキゾウムシ及びイモゾウムシ 鹿児島県の喜界島においては、アリモドキゾウムシを対象として、沖縄県の津堅島におい ては、アリモドキゾウムシ及びイモゾウムシを対象として、不妊虫放飼法などによる防除を 実施し、根絶防除事業を進めている。 3 カンキツグリーニング病菌 現在、鹿児島県の奄美群島(奄美大島及び喜界島を除く。)及び沖縄県北部地域において は、両県が感染植物を処分する等の根絶に向けた取組を進めている。 4 ウメ輪紋ウイルス(プラムポックスウイルス(PPV)) 東京都青梅市とその周辺地域において、平成22年2月から緊急防除を実施し、PPVに感染す るおそれのある植物の移動制限、PPVを媒介するアブラムシに対する薬剤散布及び調査で特定 したPPVの感染植物の廃棄等の防除により、国内におけるPPVの根絶を図ってきた。このよう な状況の中、平成26年度の調査の結果、東京都八王子市の一部地域で根絶が確認された一方、 新たな感染植物が確認されたことから、引き続き緊急防除によりPPVの根絶を図ることとし、 平成27年1月現在、東京都青梅市、愛知県犬山市、大阪府富田林市及び兵庫県伊丹市など4都 府県14市町で緊急防除を実施している。 5 新規発生病害虫 平成24年度に制定した重要病害虫発生時対応基本指針に基づき、平成26年度は10月までに 約20件の新規発生病害虫の発生に関する報告があった。都道府県と協力して調査を行ったと ころ、これら病害虫は、農業被害が確認されないか、既存の防除体系の中では被害が軽微と なるものであった。また、近年、学会等の報告で初めて新規発生病害虫の発生が確認される 事例が散見されている。新規発生病害虫への対応は、早期発見・早期防除が重要であること から、関係者に対して、発生が疑われる場合は最寄りの植物防疫所へ情報提供するよう促し ているところである。

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Ⅳ 農林水産航空事業 有人ヘリコプターによる平成26年度の農林水産航空事業の農業関係の延べ面積は48千haと なる見込みである(計画値)。作物別では、水稲では38.3千ha、水稲以外(果樹、畑作物等) 防除で8.3千ha、その他(播種・施肥等)1.3千haとなっている。また、ミバエ類の再侵入防 止対策の延べ面積は2,432.6千haとなる見込みである。 無人ヘリコプターについては、平成26年4月の航空機製造事業法の改正により、総重量の 規制が100 kgから150 kgに緩和されたことから、より低コストな空中散布等の実施が期待さ れている。また、平成25年度には無人ヘリコプターによる死亡事故が発生したことから、安 全対策のより一層の強化を図るため、同年6月に「無人ヘリコプター利用技術指導指針」を 改正し、事故防止のための具体的な対策を追加した。 また、平成25年は西日本の天候不順によるイネいもち病の発生が懸念されたことから、8 月に、いもち病の防除の徹底が図られるよう、「無人ヘリコプターによるイネいもち病の防除 について(平成26年8月21日付け 26消安第2743号 消費・安全局植物防疫課長通知)」を関係 団体へ通知し、円滑な無人ヘリコプターによる追加防除のため機体の機動的な運用の推進等 を依頼した。 Ⅴ 農薬の出荷状況 平成26農薬年度(平成25年10月1日~平成26年9月30日)における農薬の出荷は,前年度 に比べ数量では0.5%減の196千t又はkl,金額では2.6%増の3,460億円である(表-1)。 表-1 平成26農薬年度農薬出荷状況(暫定) (単位:t,kl,百万円,%) 用途 平成25 農薬年度 平成26 農薬年度 出荷 出荷 対前年比 殺虫剤 数量 70,957 68,779 96.9 金額 100,725 102,673 101.9 殺菌剤 数量 38,490 39,221 101.9 金額 74,189 75,973 102.4 殺虫殺菌剤 数量 21,284 20,911 98.2 金額 38,211 38,176 99.9 除草剤 数量 60,659 61,523 101.4 金額 114,121 119,318 104.6 その他 数量 5,299 5,224 98.6 金額 9,965 9,921 99.6 合計 数量 196,688 195,656 99.5 金額 337,209 346,060 102.6 農産安全管理課農薬対策室調査(農薬工業会加盟会社対象) (注)端数処理(四捨五入)の関係で、合計欄の数字と足し上げた数字とは必ずしも一致しない。

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平成26年12月 新規・変更農薬登録リスト 

一般社団法人日本植物防疫協会  【新規登録】 殺虫剤 登録日 登録番号 商品名 種類名 登録会社 12月3日 23590 ダニハチフロアブル シフルメトフェン・トルフェンピラ ド水和剤 OATアグリオ㈱ 12月3日 23591 ダニレンジャーDC シフルメトフェン液剤 OATアグリオ㈱ 殺菌剤 登録日 登録番号 商品名 種類名 登録会社 12月3日 23592 フレンダーフロアブル フルチアニル・TPN水和剤 OATアグリオ㈱ 12月3日 23593 SDSフレンダーフロアブル フルチアニル・TPN水和剤 ㈱エス・ディー・エス バイオテッ ク 12月3日 23594 ショウチノスケフロアブル フルチアニル・メパニピリム水 和剤 OATアグリオ㈱ 殺虫殺菌剤 登録日 登録番号 商品名 種類名 登録会社 12月3日 23595ホクコーDr.オリゼプリンスス ピノ粒剤6 スピノサド・フィプロニル・プロベ ナゾール粒剤 北興化学工業㈱ 12月3日 23596 Dr.オリゼプリンススピノ粒剤6 スピノサド・フィプロニル・プロベ ナゾール粒剤 Meiji Seika ファルマ㈱ 12月3日 23597ホクコーDr.オリゼプリンスス ピノ粒剤10 スピノサド・フィプロニル・プロベ ナゾール粒剤 北興化学工業㈱ 12月3日 23598Dr.オリゼプリンススピノ粒剤1 0 スピノサド・フィプロニル・プロベ ナゾール粒剤 Meiji Seika ファルマ㈱ 植物成長調整剤 登録日 登録番号 商品名 種類名 登録会社 12月3日 23589 サイコセルPRO クロルメコート液剤 BASFジャパン㈱ 【変更登録】 殺虫剤 変更日 登録番号 商品名 種類名 登録会社 12月3日 22477 ムシラップ ソルビタン脂肪酸エステル乳剤 丸和バイオケミカル㈱ 12月3日 23389 打ち込み上手 アセフェート水和剤 住化グリーン㈱ 12月17日 13426 トクチオン乳剤 プロチオホス乳剤 アリスタライフサイエンス㈱ 12月17日 16758 トレボン乳剤 エトフェンプロックス乳剤 三井化学アグロ㈱ 12月17日 17167 日産トレボン乳剤 エトフェンプロックス乳剤 日産化学工業㈱ 12月17日 17168 クミアイトレボン乳剤 エトフェンプロックス乳剤 クミアイ化学工業㈱ 12月17日 17169 サンケイトレボン乳剤 エトフェンプロックス乳剤 サンケイ化学㈱ 12月17日 18130 トクチオン細粒剤F プロチオホス粉粒剤 アリスタライフサイエンス㈱ 12月17日 18270 トレボンEW エトフェンプロックス乳剤 三井化学アグロ㈱  平成26年12月1日~31日に新規に登録された農薬及び変更登録された農薬の登録番号、名称、登録会社名及び 登録日を一覧表にしました。  それぞれの農薬の詳しい登録内容及び変更内容は、当協会有料情報サービス「JPP-NET」でご覧いただくことが 出来ます。 平成27年1月9日号-5

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2 / 3 ページ 殺虫剤(続き) 変更日 登録番号 商品名 種類名 登録会社 12月17日 19355 トレボンMC エトフェンプロックスマイクロカプセル剤 三井化学アグロ㈱ 12月17日 19670 トレボンスカイMC エトフェンプロックスマイクロカ プセル剤 三井化学アグロ㈱ 12月17日 20064 パストリア水和剤 パスツーリア ペネトランス水 和剤 サンケイ化学㈱ 12月17日 20805 スタークル粒剤 ジノテフラン粒剤 三井化学アグロ㈱ 12月17日 20806 アルバリン粒剤 ジノテフラン粒剤 アグロ カネショウ㈱ 12月17日 20807 ホクコースタークル粒剤 ジノテフラン粒剤 北興化学工業㈱ 12月17日 20811 スタークル顆粒水溶剤 ジノテフラン水溶剤 三井化学アグロ㈱ 12月17日 20812 アルバリン顆粒水溶剤 ジノテフラン水溶剤 アグロ カネショウ㈱ 12月17日 20813 ホクコースタークル顆粒水溶剤 ジノテフラン水溶剤 北興化学工業㈱ 12月17日 20959 三井東圧アルバリン粒剤 ジノテフラン粒剤 三井化学アグロ㈱ 12月17日 20961三井東圧アルバリン顆粒水溶 ジノテフラン水溶剤 三井化学アグロ㈱ 12月17日 21644 チェス顆粒水和剤 ピメトロジン水和剤 シンジェンタ ジャパン㈱ 12月17日 22037 トレボンスターフロアブル エトフェンプロックス・ジノテフラ ン水和剤 三井化学アグロ㈱ 12月17日 22909 ディアナWDG スピネトラム水和剤 住友化学㈱ 12月17日 23187 モベントフロアブル スピロテトラマト水和剤 バイエルクロップサイエンス㈱ 殺菌剤 変更日 登録番号 商品名 種類名 登録会社 12月3日 17203 スターナ水和剤 オキソリニック酸水和剤 住友化学㈱ 12月3日 18755 ホクコーブラシンゾル フェリムゾン・フサライド水和剤 北興化学工業㈱ 12月3日 18756 ブラシンゾル フェリムゾン・フサライド水和剤 住友化学㈱ 12月3日 20889 ベンレート水和剤 ベノミル水和剤 住友化学㈱ 12月3日 21735 協友スターナ水和剤 オキソリニック酸水和剤 協友アグリ㈱ 12月3日 21997 芝美人フロアブル メトコナゾール水和剤 ㈱クレハ 12月3日 22196 日産芝美人フロアブル メトコナゾール水和剤 日産化学工業㈱ 12月3日 22209 アフェットフロアブル ペンチオピラド水和剤 三井化学アグロ㈱ 12月3日 22211 ガイア顆粒水和剤 ペンチオピラド水和剤 三井化学アグロ㈱ 12月3日 22357 理研ガイア顆粒水和剤 ペンチオピラド水和剤 クミアイ化学工業㈱ 12月3日 22799 オラクル顆粒水和剤 アミスルブロム水和剤 日産化学工業㈱ 12月3日 22800 オラクル粉剤 アミスルブロム粉剤 日産化学工業㈱ 12月3日 23101 ジャストフィットフロアブル フルオピコリド・ベンチアバリカ ルブイソプロピル水和剤 バイエルクロップサイエンス㈱ 12月3日 23180 GFベンレート水和剤 ベノミル水和剤 住友化学園芸㈱ 12月17日 17559 石原フロンサイド粉剤 フルアジナム粉剤 石原産業㈱ 12月17日 18750 石原フロンサイドSC フルアジナム水和剤 石原産業㈱ 12月17日 18751 日曹フロンサイドSC フルアジナム水和剤 日本曹達㈱ 12月17日 20624 ランマンフロアブル シアゾファミド水和剤 石原産業㈱ 12月17日 20979 モンガリット粒剤 シメコナゾール粒剤 三井化学アグロ㈱ 12月17日 21185 SDSドーシャスフロアブル シアゾファミド・TPN水和剤 ㈱エス・ディー・エス バイオテッ 12月17日 21199 ドーシャスフロアブル シアゾファミド・TPN水和剤 石原産業㈱ 12月17日 22344 グリーンダイセンM水和剤 マンゼブ水和剤 ダウ・ケミカル日本㈱

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3 / 3 ページ 殺菌剤(続き) 変更日 登録番号 商品名 種類名 登録会社 12月17日 22345 ジマンダイセン水和剤 マンゼブ水和剤 ダウ・ケミカル日本㈱ 12月17日 22346 クミアイペンコゼブ水和剤 マンゼブ水和剤 クミアイ化学工業㈱ 12月17日 22348 グリーンペンコゼブ水和剤 マンゼブ水和剤 ㈱理研グリーン 12月17日 22432 MICペンコゼブ水和剤 マンゼブ水和剤 三井化学アグロ㈱ 12月17日 22582ホクサングリーンペンコゼブ水和剤 マンゼブ水和剤 ホクサン㈱ 12月17日 22631 ホクサンフロンサイドSC フルアジナム水和剤 ホクサン㈱ 12月17日 22632 ホクサンフロンサイド粉剤 フルアジナム粉剤 ホクサン㈱ 殺虫殺菌剤 変更日 登録番号 商品名 種類名 登録会社 12月17日 18086 ラブサイドトレボンフロアブル エトフェンプロックス・フサライド 水和剤 ホクサン㈱ 12月17日 18404クミアイビームエイトトレボンゾ エトフェンプロックス・トリシクラゾール水和剤 クミアイ化学工業㈱ 12月17日 21745 STビームエイトトレボンゾル エトフェンプロックス・トリシクラ ゾール水和剤 住友化学㈱ 12月17日 23163 デュアルサイド水和剤 プロピレングリコールモノ脂肪 酸エステル・ポリオキシン水和 剤 科研製薬㈱ 除草剤 変更日 登録番号 商品名 種類名 登録会社 12月3日 20629 スマートフロアブル フェントラザミド・ベンゾビシクロ ン・ベンゾフェナップ水和剤 ㈱エス・ディー・エス バイオテッ ク 12月3日 20631 クミアイスマートフロアブル フェントラザミド・ベンゾビシクロ ン・ベンゾフェナップ水和剤 クミアイ化学工業㈱ 12月3日 23132 大塚スマートフロアブル フェントラザミド・ベンゾビシクロン・ベンゾフェナップ水和剤 OATアグリオ㈱ 12月17日 23293 オレンジパワー70 d-リモネン乳剤 ㈱エス・ディー・エス バイオテッ ク 殺虫除草剤 変更日 登録番号 商品名 種類名 登録会社 12月3日 22997 ショウリョクS粒剤 カルタップ・イマゾスルフロン・ カフェンストロール・ダイムロン・ ブロモブチド粒剤 住友化学㈱ 植物成長調整剤 変更日 登録番号 商品名 種類名 登録会社 12月17日 23085 ナインG乳剤 ニコスルフロン乳剤 石原バイオサイエンス㈱

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平成26年12月 病害虫発生予察情報の      

発表状況(警報・注意報・特殊報)  

一般社団法人日本植物防疫協会  【警報】 発表はありませんでした。 【注意報】 発表日 都道府県名 作物名 病害虫名 12月1日 愛知県 イチゴ ハダニ類 12月3日 熊本県 イチゴ ハダニ類 12月3日 熊本県 イチゴ うどんこ病 12月16日 長崎県 イチゴ ハダニ類 12月16日 長崎県 イチゴ 灰色かび病 12月24日 宮崎県 イチゴ ハダニ類 12月24日 宮崎県 イチゴ うどんこ病 【特殊報】 発表日 都道府県名 作物名 病害虫名 12月9日 愛媛県 なし サクセスキクイムシ 12月25日 大分県 シソ シソモザイク病(仮称)  平成26年12月1日から31日の間に都道府県から発表された病害虫発生情報のうち、警報、注意報及び特殊報の 発表状況を一覧表にしました。  情報の詳しい内容は、都道府県病害虫防除所のホームページでご確認いただけます。また、当協会の有料情報 サービス「JPP-NET」では、全ての発生予察情報の全文を提供しています。 平成27年1月9日号-6

参照

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