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コアカリC-5 循環器 シケプリ

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Academic year: 2021

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コアカリC-5 循環器 シケプリ 加藤(声)担当分

<不整脈>

俺の担当の範囲では正直、ここがヤマっす。がんばりましょ~ 不整脈は心臓の刺激生成と興奮伝道の異常のことをいい、頻脈性不整脈と徐脈性不整脈の2 種類が存在する。 とりあえず、薬理について軽く触れときます。 Ⅰ類:Na チャネルに結合して脱分極を抑制するもの。 Ⅰ類 a は活動電位の持続時間を延長させる薬でキニジン、プロカインアミド、ジソピラミドなど。副作用は QT 延長などの催不整脈作用。 Ⅰ類b は活動電位の持続時間を短縮させる薬でリドカイン、メキシレチンなど。安全性が高い。 Ⅰ類c は活動電位の持続時間を変化させない薬でフレカイニドなど。副作用として最も催不整脈作用が強い。 Ⅱ類:β受容体遮断薬で洞結節や房室結節の脱分極を抑制する。 交感神経の緊張が誘因となるタイプの不整脈に有効。 Ⅲ類:アミオダロンで再分極時のK チャネルを遮断する。 副作用として肺線維症が問題となるので他の薬剤が無効の重篤な心室性不整脈の患者にのみ適応。TdP を引き起こす可能性もある。 Ⅳ類:Ca 拮抗薬で洞結節や房室結節の脱分極を抑制する。 ベラパミルとジルチアゼムが中心でニフェジピンは降圧作用が強いため利用しない。 1.徐脈性不整脈 (1)洞不全症候群(SSS) 概念 洞結節やその周辺に病変が生じ、洞性徐脈、洞停止、洞房ブロックなどの疾患に至ったものの総称。半数は 突発性、残り半数は虚血性心疾患、心筋症、高血圧性心疾患など。 分類(Rubenstein分類)と特徴 Ⅰ型:持続性の洞性徐脈 →原因不明の洞徐脈でPP 時間が常に長く、心拍数は 50 を下回る Ⅱ型:一過性または持続性の洞停止または洞房ブロック →洞停止や洞房ブロックによる心停止を起こす Ⅲ型:徐脈頻脈症候群 →洞徐脈、洞停止、洞房ブロックがある一方で頻脈性不整脈も伴う 症状 徐脈→心拍出量低下→中枢神経の灌流が不十分→めまい、Adams-Stokes 発作 全身の血流(=酸素)不足→心不全症状 10~30%は無症状 検査 診断は上記の心電図の特徴からできるが、常に所見が出現しているわけではないのでHolter 心電図によって 24 時間の変化を観察する。

他には誘発検査としてoverdrive suppression test を行い、洞結節回復時間(SNRT)を測る。SNRT が延 長したら本症を疑う。 治療 第一選択は人工ペースメーカーの植え込み。 病状がどんどん進行して直ちに即効性のある治療が必要な時にはイソプロテレノール(=β受容体刺激薬) やアトロピン(=副交感神経遮断薬)を投与し、ペースメーカー植え込みまでのつなぎをすることもある。 この目的では一時的ペーシングも利用できる。 安定した洞不全症候群には薬物療法の適用はなく、無症状のものにはペースメーカーもなし。 [ 一時的ペーシングと永久ペーシングの違い ] 一時的ペーシングではペースメーカーは体外に置き、永久ペーシング(つまり植え込み)では前胸壁の皮下

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に植え込む。いずれも心カテーテルを利用して経静脈的に心内膜の電極を留置する。 (2)洞房ブロック(SA block) 概念 洞不全症候群Ⅱ型の一種。洞結節で発生した刺激が心房に伝わりにくくなった病態。 検査 心電図におけるP 波とそれに引き続く QRS 波の欠如。洞停止との鑑別をするために洞房伝達時間(SACT) の測定。これの延長が認められれば洞房ブロックである。 治療 SSS に同じ。 (3)房室ブロック(AV block) 概念 心房の刺激が心室に伝わりにくくなった状態。①心房内の伝導路、②房室結節、③His 束、④左右の両脚の 4つのどこに障害が生じても房室ブロックは起こる。通常の心電図では房室ブロックの障害部位まで特定す ることはできないのでHis 束心電図を行う。 His 束心電図では A 波、H 波、V 波の 3 つの波が観察され、AH 時間は刺激が房室結節を通過する時間を表 す。HV 時間は His 束から出た刺激が心筋を興奮させるまでの時間に相当する。したがって His 束心電図を 使えば障害部位がHis 束より上(AH ブロック)か下(HV ブロック)かが分かる。 分類 a.第1度房室ブロック 心房から心室への伝達が遅くなっただけで心房→心室の刺激は全部伝わっているもの。 聴診でⅠ音が減弱する。心電図では PQ 時間が正常の 0.20 秒を超えて延長するが QRS 波の脱落はない。 b.Wenckebach 型第 2 度房室ブロック(MobitzⅠ型) 心房→心室の刺激がときどき伝わらなくなるもの。PQ 時間が徐々に延長してついに QRS 波が脱落するとい う周期を繰り返す。PP 間隔は一定で RR 間隔は徐々に短縮しブロックとともに延長する。ほとんどのものは 障害部位が房室結節(AH ブロック)にある。一部には器質的な HV ブロックもあってこれらはより高度な ブロックへ進展しやすい。 c.MobitzⅡ型第 2 度房室ブロック PQ 時間は一定だが突然 QRS 波が脱落する。ほとんどのものは障害部位が His 束から Purkinje 繊維に存在 (HV ブロック)し器質的病変が原因となるため、Wehckebach 型より危険であるといえる。 d.第 3 度房室ブロック(完全房室ブロック) 心房→心室の刺激が全く伝わらなくなったもの。ブロックされた部位の下から補充収縮が起こり、心房(P 波)と心室(QRS 波)はお互い勝手にリズムを刻みだしこれを房室解離と呼ぶ。また聴診ではときに巨大な 大砲音を聞くことができる。心拍数は遅い。 症状 めまい、Adams-Stokes 発作、心不全症状。 第1 度と第 2 度の多くは無症状。 治療 第1 度と第 2 度のうちの AH ブロックは経過観察。 第2 度のうち HV ブロックのものと第 3 度は人工ペースメーカーの植え込み。 薬物療法はこれまで同様人工ペースメーカーまでのつなぎとして使う。AH ブロックの多くは迷走神経の過 緊張によるものなのでアトロピンを利用。効果が不十分な場合にはイソプロテレノール。HV ブロックは最 初からイソプロテレノール。 (4)脚ブロック 概念 右脚、左脚前枝、左脚後枝の3 本あり、3 本とも障害されると房室ブロックなので 1 本か 2 本が障害された ものがこれにあたる。

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QRS 波の幅が広くなり、0.12 秒を超えると完全脚ブロックとなり、QRS 波に変形があっても 0.12 秒未満の ものは不完全脚ブロックという。 分類 a.右脚ブロック V1とV2誘導でrSR’型の心電図が見られる。(正常は rS 型だがその後に上向きの R’波がでる) V5とV6誘導では深くて幅の広いS 波が見られる。 聴診ではⅡ音が呼吸時にも分裂している病的分裂を聞くことができる。 器質的心疾患を有しない原因不明のものが多く、左脚ブロックより予後は良好。 完全右脚ブロックの基礎疾患としては、虚血性心疾患、高血圧性心疾患、先天性心疾患の術後があり、不完 全右脚ブロックの基礎疾患としては心房中隔欠損症、三尖弁閉鎖不全症、肺動脈還流異常症、Brugada 症候 群(持続的ST 上昇)がある。 b.左脚ブロック 左脚が枝分かれする前、もしくは前枝後枝ともにブロックされている状態をいう。 V5とV6誘導で初期q 波が見られず R 波は分裂している。 V1とV2誘導でr 波を欠き QS 型となる。 聴診ではⅡの奇異性分裂を聴くことができる。 完全左脚ブロックでは何らかの基礎疾患があると考えられ、虚血性心疾患(特に心筋梗塞)、心筋症、大動脈 弁疾患などがある。 c.左脚分枝ブロック 左脚の前枝もしくは後枝のどちらかのみがブロックされたもの。前枝ブロックでは著明な左軸偏位が、後枝 ブロックでは著明な右軸偏位がみられる。 d.二枝ブロック 右脚+左脚前枝または右脚+左脚後枝の組み合わせで生じたブロック。完全房室ブロックに進展する危険性 が高い。 治療 基 本 的 に は 基 礎 疾 患 の 治 療 を 行 い 脚 ブ ロ ッ ク 自 体 に 対 す る 治 療 は 行 わ な い が 、 心 室 細 動 の 既 往 の あ る Brugada 症候群に対しては植え込み型除細動器の適応となる。 2.頻脈性不整脈 (1)期外収縮 概念 本来なら洞結節からの刺激を受けての心筋の活動が、刺激が伝わるのよりも早期に出現するもの。早期収縮 とも呼ぶ。早期に出現した心筋の活動部位によって心房性期外収縮、房室結節性期外収縮、心室性期外収縮 に分けられる。 a.心房性期外収縮(PAC) P 波が変形し QRS 波は正常どおりのものとなる。しかし、右脚や左脚が相対不応期にあると心室内変行伝 導が起こり QRS 波形は右脚ブロック型(まれに左脚ブロック型)になる。さらに、房室結節が絶対不応期 にあると非房室伝導性心房性期外収縮となりQRS 波を欠如する。 [ 症状・治療 ] ホルター心電図で PAC は健常人の 70%に出現し、ほとんど無症状。たまに動悸が出る。基礎疾患がなけれ ば無治療、あっても経過観察を行う。 b.房室結節性期外収縮 PAC とともに上室性期外収縮と呼ばれる。PAC との違いは P 波の向きが逆になっていること。特にⅡ、Ⅲ、 aVFでは陰性のP 波がみられる。 また、房室結節の上部からの刺激ならP 波は QRS 波に先行するが、下部からの刺激なら QRS 波が先行する。 症状、治療は上に同じ。

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c.心室性期外収縮(PVC) 心室のどこかに異所性興奮源があるので、P 波は欠如。QRS 波も幅が広く変形。Lown 分類におけるクラス Ⅱ以上、すなわち、頻発する期外収縮、多源性の期外収縮、連発性の期外収縮、RonT 型の期外収縮は心室 細動に移行する確率が高いので警告不整脈という。しかし、これは基礎疾患がある場合のみである。 自覚症状のない、もしくは弱い場合は治療の必要性はなし。 (2)発作性頻拍 概念 突然発現してすぐに停止する頻拍発作。頻拍は3 拍以上続いたもの。発作性上室性頻拍と心室頻拍に分けられ る。 a.発作性上室性頻拍(PSVT) 機序 大半のものはリエントリーに起因。 さらに以下の3つに分けられる ①房室回帰性頻脈(AVRT) ほとんどのものがWPW 症候群に伴って出現。刺激が副伝導路を逆行して心房を刺激して心房→心室→心 房→・・・というリエントリーを起こす。 ②房室結節回帰性頻脈(AVNRT) 房室結節内に不応期の短いα路と不応期の長いβ路があると、期外収縮の刺激がβ路を通れず、α路→β 路逆行と伝わりリエントリーが起こる。

③ブロックを伴う発作性心房性頻拍(PAT with block)

ジキタリス中毒では房室ブロックが出現し、心室に刺激が到達しないために心房筋の自動能が亢進する。 リエントリーではない。

心電図 心拍数は 140~240

変形 P 波を認める。AVRT ではⅡ、Ⅲ、aVFの各誘導で陰性P 波が AVNRT では QRS 波に埋もれた P 波と なる。QRS 波は原則正常だが、心室内変行伝導を起こすと変形。 症状 動悸。高齢者や基礎疾患のあるひとは血圧低下、めまい、Adams-Stokes 発作も。 治療 迷走神経刺激:眼球を圧迫するAshner 法、息こらえて腹腔内圧を上昇させる Valsalva 法など 迷走神経刺激で頻拍がとまらないときはATP またはベラパミルの静注。再発する場合はカテーテルアブレー ションも利用。WPW 症候群が基礎疾患の場合頻拍を繰り返す症状にはカテーテルアブレーションが第一選 択。PAT with block はジキタリスを中止、K 補給。

b.心室頻拍(VT) 機序 心室性期外収縮よりも多くの回数の連発の頻拍。基礎疾患を持つものは虚血性心疾患や不整脈源性右室心筋 症(ARVC)が挙げられ頻拍が 30 秒以上続く持続性とそれ以下の非持続性がある。特発性の VT には右脚ブ ロック+左軸偏位型(多くは持続型、機序はリエントリー)、左脚ブロック+右軸偏位型(リエントリーでは ない)がある。 心電図 発作時にはP 波を伴わない変形 QRS 波。そのほかのときは P 波は存在するが、QRT 波に埋もれている。し ばしば房室解離の状態に陥る。 症状 非持続性のうち数秒で収まるケースは無症状。持続性と 10 秒以上の非持続性は動悸。心拍数 180 以上では 血圧低下、めまい、Adams-Stokes 発作。

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治療 連発数が16 を超えるもの、心拍数が 200 を超えるもの、QRS 波が多形性を示すものは緊急な治療の対象。 リエントリーによって起こる右脚ブロック+左軸偏位型はベラパミル静注。非リエントリー性の左脚ブロッ ク+右軸偏位型はⅠ類a やⅡ類の薬物などの静注。それでもダメな時は直流電流による電気的除細動。カテ ーテルアブレーションも期待されている。 虚血性心疾患に伴うものではリドカイン静注。 c.QT 延長症候群(LQTS) QT 時間の延長を呈する一連の疾患。TdP という特殊な心室頻拍を生じる(1 拍ごとに QRS の形態と振幅が 変化)こともあり、これに至ると致死的な心室細動につながりやすい。 症状 QT 時間延長だけでは無症状。TdP を来すと動悸、心室細動に移行するとめまい、失神、突然死。 分類 ①後天性LQTS 電解質異常や薬剤投与による。Ⅰ類 a、Ⅲ類、テルフェナジンが原因となる。したがってテルフェナジン とエリスロマイジン・ケトコナゾールの併用は禁忌。 TdP 型の場合治療は硫酸マグネシウムの急速静注や一時的ペースメーカー。 ②先天性LQTS 70%は遺伝傾向で 30%は原因不明。遺伝的要因には 2 種類あり、ひとつは Jervell-Lange Nielsen 症候群 でこれは常染色体性劣性、聾をともなう。もうひとつは Romano-Ward 症候群でこれは常染色体性優性、 聾はともなわない。 TdP 型の場合治療はβ受容体遮断薬であるプロプラノロールの静注。 (3)心房細動(af) 概念 心房が細かく震えるだけで、心房全体としての収縮を行えない状態。原因は複数の興奮派による random reentry。 分類 ①発作性心房細動:基礎疾患の認められないlone af が多い。 ②慢性心房細動:90%に基礎疾患が認められる。心房中隔欠損症(ASD)、僧帽弁狭窄症(MS)、甲状腺機 能亢進症、心筋症、収縮性心膜炎、WPW 症候群など。 心電図 心房の細かな震えが基線の揺れとしてf 波として主に V1誘導に現れる。毎分300~600 回くらい。P 波も消 失。RR 間隔はバラバラ。脈拍欠損。 症状 心室がまともに機能していればほとんど無症状。発作性心房細動では頻脈を来して動悸、高齢者では心不全、 基礎心疾患があると Adams-Stokes 発作。 心房内に血栓を形成して脳などに飛んで梗塞症を引き起こすこともある。 治療 まずは心拍数のコントロールを試みる。頻脈の場合はジゴキシンを利用。急を要する場合はベラパミルやβ 受容体遮断薬。WPW をともなう場合は禁忌なのでⅠ類 a の薬剤を使用。 徐脈の場合にはペースメーカーの植え込み。 発作性心房細動が1 時間以上持続する場合は除細動の適応となる(ただし長期間経過した慢性心房細動を除 く)。先にⅠ類 a などの薬物で除細動を試み、ダメならば静脈麻酔をかけた後に電気的除細動。直流電流を 100J から通電、漸増させ QRS 波に同期させて行う。 また、除細動に当たっては事前と事後にワーファリンによる抗凝固療法を併用。

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(4)心房粗動(AF)

概念 心房が毎分 250~350 回で規則的に収縮する状態。Ⅱ、Ⅲ、aVF誘導で下向きの F 波を示す common type と上向きのF 波を示す uncommon type がある。多くは基礎疾患を有し、僧帽弁疾患が最も多い。 心電図 F 波が規則正しいリズムで分速 250 回~350 回刻まれる。そのまま刺激が心室に伝わるのではなく多くの場 合は2:1 伝導もしくは 4:1 伝導となる。RR 間隔も一定。 症状 4:1 伝導のみ、もしくは 4:1 伝導と 2:1 伝導が不規則に混じる場合はほぼ無症状。2:1 伝導になると動悸、胸 部不快感。1:1 伝導になると Adams-Stokes 発作。 治療 心拍数のコントロールにはジキタリス、Ca 拮抗薬、β遮断薬を利用。また、洞調律化においても心房細動 同様Ⅰ類 a やⅠ類 c の薬剤を試み、ダメならば電気的除細動。心房ペーシングや食道ペーシングも有効。 カテーテルアブレーションにより再発予防。 (5)心室細動(vf) 概念 心室が細かく震えるだけで心室全体としての収縮を行えない状態。血液が駆出されないので心臓停止と同じ状 態で、数分以内に治療しないと死亡する致死的なもの。 基礎疾患の代表は急性心筋梗塞、重篤な心臓弁膜症、心筋症、QT 延長症候群、低体温。 心電図 周波数の短い波が不規則で連続的に出現し、基線は常に揺れている。波の区別はできない。 症状 数秒間でめまい、速やかにAdams-Stokes 発作、意識消失。 治療 30 秒以内ならば直ちに電気的除細動。時間が経過していれば心肺蘇生とともに電気的除細動。心室細動時の 電気的除細動はカウンターショックと呼び、200J から始め、300J、360J と上げていく。 再発予防として植え込み型除細動器を利用。 (6)早期興奮症候群 概念 副伝導路を持つ先天性の疾患。大半はWPW 症候群(副伝導路は Kent 束)である。 Kent 束には 2 種類あり、左房と左室を結び V1誘導の QRS 波が上向きになる A 型と右房と右室を結び V1 誘導のQRS 波が下向きになる B 型がある。 心電図 PQ 時間の短縮(0.12 秒以下)、δ波の存在、QRS 時間の延長。 症状 WPW 症候群のみでは症状はないが、PSVT や心房細動(偽性心室頻拍)になると著明な頻拍を起こして動 悸や胸部不快感を訴える。心房細動からは心室細動に移行して突然死に至ることもある。 PSVT を起こした時、δ波は消失する。 治療 WPW 症候群自体に対しての治療法は無く、PSVT に対する治療と心房細動の停止と再発予防を行う。 心房細動の際にはⅠ類a の薬剤を静注し、効果が無い時には電気的除細動を行う。特に WPW 症候群の心房 細動にはジキタリスとCa 拮抗薬は禁忌である(心室細動につながるため)。 そのほかの早期興奮症候群として Lown-Ganong-Levine 症候群、Mahaim 束による早期興奮症候群、潜在性 WPW 症候群がある。

<心筋疾患と心膜疾患>

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1.心膜疾患 (1)心タンポナーデ 概念 心膜液の貯留量が増加することによって心膜腔内圧が上昇し心臓が拡張期に広がることができなくなる。こ のため、心拍出量が低下する状態。 原因としては悪性腫瘍の心膜転移、感染症、尿毒症、膠原病、粘液水腫、外傷など。 症状 静脈圧上昇、動脈圧低下、心拍動=Beck の三徴。 右室拡張期圧上昇→静脈圧・右房圧上昇 左室拡張期圧も上昇→1 回拍出量の低下・僧帽弁の早期閉鎖→動脈圧低下・脈圧低下→頻脈 心音の減弱、奇脈も認められる。 検査 胸部 X 線写真では心陰影が左右対称に拡大(氷嚢状、きんちゃく状)し、肺野が明るくなる。 心電図ではlow voltage、電気的交互波。

心エコーではecho free space と振り子様運動の様子。

治療 まずは心膜穿刺。心膜液の持続的な排出が必要な時は心膜腔ドレナージ (2)急性心膜炎 概念 心膜に急性の炎症を起こしたもの。原因不明の特発性心膜炎が一番多くウイルス感染ではB 群コクサッキー ウイルスが最多。他には悪性腫瘍の心膜転移、細菌感染症、リウマチ熱、SLE などの膠原病、尿毒症、心膜 切開後症候群など。急性心筋梗塞後にも起こり、発症後数日以内に生じるものと発症後 2~8 週間の間に生 じるもの(Dressler 症候群)がある。 症状 胸骨を中心とする刺すような痛みで吸気時に強く、前屈みで軽減。発熱、嗄声、嚥下困難、1~2 週間前の感 冒様症状。 心膜摩擦音は高調整の音で非常に耳に近く聴こえる(体位の変動あり)。 検査 心電図での上に凹んだ軽度のST 上昇 ウイルス感染のものかの判別として CK、GOT、LDH の測定。 治療 原則は入院、安静臥床で心タンポナーデに陥るかどうかを厳重観察。 心膜切開後症候群や Dressler 症候群には副腎皮質ステロイド。 (3)収縮性心膜炎 概念 急性心膜炎の回復過程で瘢痕化が起こり、心膜が硬く(鎧兜)なった病気。心臓の拡張が妨げられる。原因 不明が半数で、原因が分かっているものでは結核が最多。 症状 静脈圧上昇(Kussmaul 徴候)、奇脈、早期腹水、Pick の仮性肝硬変、蛋白漏出性胃腸症などの慢性右心不 全様症状、1 回心拍出量の低下、拡張早期の心膜叩打音。 検査 胸部 X 線では心膜の石灰化、肺野は明るい。心電図では low voltage。心エコーでは心膜の肥厚と輝度の増 加、拡張期の心室中隔の奇異性運動。右心カテーテル検査では右房圧、右室圧、中心静脈圧の上昇、右室圧 曲線でdip and plateau。

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心膜切開術 2.心筋疾患 (1)心筋炎 概念 B 型コクサッキーや C 型肝炎ウイルスなどのウイルス感染が原因と考えられている心筋の炎症性疾患。 症状 上気道感染が先行し、1 週間後くらいから動悸、息切れ。急性心膜炎との合併で腹痛。刺激伝達系へ炎症が 広がると不整脈。 不顕性発症の慢性化例は拡張型心筋症と関連。 検査 胸部 X 線、心エコーでの心拡大。血液検査で CK、GOT、LDH などの上昇、血沈の亢進と CRP の上昇、末 梢血の白血球数増加。 治療 対症療法のみ。 (2)拡張性心筋症 概念 心室が広がりすぎたためにその収縮能が障害された疾患。拡張した心室を支えるための十分な心筋の肥大が ない。心筋炎の慢性化が重要な原因。多くは非遺伝性疾患。 症状 うっ血性心不全による労作時の息切れ。進行すると左心不全症状、右心不全症状がでる。 さまざまな不整脈もみられる。 心音ではⅢ音が必発、Ⅳも高確率で聴取でき奔馬調律の心音。予後不良。 検査 胸部 X 線では著しい心陰影の拡大。左心不全に陥ると肺野は暗くなり、蝶形陰影。 ST-T の変化、QRS 幅の延長、電位軸の偏位、異常 Q 波など様々な異常所見。 心エコーでは内腔が著しく拡大してがらんどうになった心室、駆出率の低下。 左心カテーテルでは左室拡張末期圧上昇、肺動脈楔入圧も上昇。 心筋生検では変性した心筋細胞と代償で肥大した心筋細胞。 治療 利尿剤で水分を出し、ACE 阻害剤で血管拡張、ジキタリスで心臓強化。 しかし、予後は厳しく心臓移植が望ましい。 (3)肥大型心筋症 概念 心室中隔が異常に肥大したために心室拡張能に障害が生じたもの。閉塞性肥大型心筋症(HOCM)と非閉塞 性肥大型心筋症(HNCM)があり、後者のうち心尖部の肥大が特に著明なタイプは日本人に特に多い。 原因 約半数は家族性のもので、常染色体性優性遺伝である。サルコメア蛋白の異常が見られる。一部は拡張型心 筋症に類似する病態へ移行。 症状 学童の定期健康診断で発見。20~30 歳代で動悸、息切れ、胸痛、めまい、失神。 突然死に至ることもある。 聴診ではⅢ音、Ⅳ音が聴こえて奔馬調律となる。HOCM ではβ1刺激で増強する収縮期駆出性雑音も聴こえる。 予後は拡張性心筋症よりは良好だが拡張相に移行すると不良。 検査

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胸部 X 線では左室が求心性肥大するが拡大はない。左第 4 弓は丸みを帯びる。 心電図では誘導間の連続性が失われる。異常Q 波と ST-T の変化もみられる。日本人に多いタイプでは巨大 陰性 T 波もみられる。 断層心エコーでは心室中隔壁の非対称性の肥厚がみられる。HOCM では M モード心エコーで収縮期の僧帽 弁前尖の前方運動(SAM)と A 弁の収縮中期半閉鎖が著明。 HOCM では二峰性の頸動脈波がみられる。 心カテーテルでは左室拡張末期圧が上昇。HOCM では狭窄部位の前後で圧較差(代償性期外収縮後に増大) がありBrockenbrough 現象が得られる。 治療 β受容体遮断薬、Ca 拮抗薬。HOCM では永久ペースメーカー植え込みも効果的。 (4)拘束型心筋症 心室壁が硬化したために心室の拡張障害が起こる疾患。日本では極めてまれ。 治療は対症療法のみ。 3.心臓腫瘍 良性のものには粘液腫、脂肪腫、乳頭繊維腫、横紋筋腫などがあり全体の75% 残り 25%は悪性で血管肉腫、横紋筋肉腫、中皮腫、線維肉腫などがある。 良性の半分は粘液腫なので軽く触れます。 大半は左房に発生する。 症状 僧帽弁狭窄様症状(MS 様症状)と塞栓症を起こし、発熱、倦怠感、関節痛、Raynaud 現象もみられる。 聴診では左側臥位で増強する拡張中期遠雷様雑音(ランブル)が聴こえる。 検査 血液検査で白血球の増加、γ-グロブリンの上昇、血沈亢進。 断層心エコーで輝度の高い腫瘍陰影、M モード心エコーで多数の線状エコー

<感染性心内膜炎>

概念 字の通り、何らかの感染を誘因として心内膜の炎症を来した疾患。急性型と亜急性型がある。血流ジェット による弁尖とその周辺組織の破壊がないと発症しない。 亜急性を起こすのは緑色レンサ球菌、腸球菌、表皮ブドウ球菌で基礎疾患がないと発症しない。急性を起こ すのは黄色ブドウ球菌。 基礎疾患 心室中隔欠損症、動脈管開存症、Fallot 四徴候、僧帽弁逸脱症候群、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁閉鎖不全 症、肥大型心筋症 誘因 抜歯、虫歯、泌尿器科的処置、食道静脈瘤に対する凝固療法、産婦人科的処置、動静脈カテーテル検査。 症状 発熱、関節痛、筋肉痛、脾腫、心雑音。 血管閉塞症状としての点状出血、爪下出血、Osler 結節、Janeway 斑点。ばち状指。 検査 血液検査では血沈亢進とCRP 上昇、末梢血の白血球数増加。抗生物質投与前に血液培地検査を行うこと。 断層心エコーでは弁尖に付着した疣贅が可動性の異常エコーとして描出。 予防 誘因となっている処置の30 分前に下半身の処置ならば ABPC を静注または筋注、抜歯ならば AMPC を内服。

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治療 抗生物質の投与。最低4 週間。 弁尖が高度に破壊されて内科的治療ではコントロールできない場合は手術療法。

<高血圧>

1.概念 定義 血圧=心拍出量×全血管抵抗で考えられ、複数回測定された血圧で140/90 以上を高血圧とする。 二次性高血圧 原因疾患がはっきりとしているもの。 原因疾患としては 腎性高血圧:腎実質性高血圧、腎血管性高血圧 内分泌性高血圧:Cushing 症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、甲状腺機能亢進症、末端肥大症 心血管性高血圧:大動脈解離、大動脈炎症候群、大動脈縮窄症、大動脈弁閉鎖不全症(AR) がある。 甲状腺機能亢進症と AR では脈圧の増加がある。 本態性高血圧 二次性高血圧以外のすべてで全体の 95%。原因疾患は不明だが、遺伝的要因と環境要因による。 環境要因は食塩の過剰摂取、肥満、アルコールの多飲。 血圧は夜間に下がるが、この兆候がない高血圧の人を non-dipper と呼び、脳、心臓、及び腎臓などの臓器 障害を起こしやすい。 また、診療室での血圧が家庭で測定するより高くなってしまう白衣高血圧というのもある。これは通常の本 態性高血圧よりは予後は良好。 2.症状 高血圧のみでは無症状だが、持続すると脳、心臓、腎臓などの臓器障害を起こす。 特に血圧が急激に上昇して臓器障害を急速に引き起こし生命に危険をもたらす状態のことを高血圧緊急症と 呼ぶ。 脳にこれが起こると高血圧性脳症となり脳浮腫を引き起こし、結果、激しい頭痛、悪心、嘔吐、意識障害、 痙攣を起こす。 臓器障害が急速に進行する最重症型のものを悪性高血圧と呼び、拡張期血圧が130 以上、眼底の網膜浮腫や 乳頭浮腫を認め、乏尿を来すものである。頭痛、悪心、嘔吐、視力障害、意識障害、痙攣がみられる。 3.治療 食塩制限、カロリー制限と運動処方での減量、アルコール摂取を控える、禁煙などのライフスタイルの改善。 降圧薬については薬理の部分の担当の人のシケプリを参照

<心エコー>

写真解析の問題はほぼないようですが、いちおやりましょ~ 1.Mモード心エコー 探触子から超音波ビームを出し、横軸に時間、縦軸に探触子からの距離をとって受信信号を経時的に記録す るもの。経時的変化を記録できるので弁や心室中隔の細かい運動の観察に適し、左室系の測定にも便利。 僧帽弁は唇型に開いてその間を血流が心室に向かって流れる。 僧帽弁が最大に開いた点(E 点)と、心房の血液が心室に流入する時期と心房が収縮する時期の切り替え点 (F 点)の傾きを僧帽弁前尖後退速度(DDR)と呼ぶ。

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2.断層心エコー 心臓の全体像をリアルタイムに描くのでよく分かる。 3.ドプラー心エコー 近づく血流は赤く、遠ざかる血流は青く表示する。 4.経食道心エコー 食道側から超音波ビームを発射で、画像は明瞭だが、探触子を飲み込まなくてはならない。

<心カテーテル法>

カテーテルを末梢血管から心臓に向けて挿入して行う観血的検査。 1.右心カテーテル法 日本では安全性が高く、X 線透視のいらない Swan-Ganz カテーテルが主流。 右房圧、右心圧、肺動脈圧、肺動脈楔入圧、それぞれの部位の酸素飽和度を測定でき、熱希釈法を用いて心 拍出量を計算できる。 (1)内圧測定 右房圧は頸動脈圧と同じ波形。肺動脈圧の正常は大動脈圧の 5 分の 1 で 25/10。右心圧の正常は 25/0。肺動 脈楔入圧(PAWP)の正常は左房圧とほぼ同じで概ね一桁だが、13 までは正常範囲。PAWP は左房圧を反映 するので、この上昇は僧帽弁狭窄症(MS)や左心不全を示唆。肺動脈圧の上昇は肺高血圧。右室圧の拡張 期圧の上昇は収縮性心膜炎や心タンポナーデ、右心不全。右心圧の収縮期圧の上昇は肺高血圧。右房圧は a 波の増高で三尖弁狭窄症(TS)、v 波の増高で三尖弁閉鎖不全症(TR)。 (2)酸素飽和度 右心系を流れる血液の酸素飽和度は約 75%。肺動脈を楔入したときの血液は 95%以上。カテーテルの先端 を進めていくうちに酸素飽和度の上昇があれば左→右の短絡を意味する。 (3)心拍出量 正常値は 5ℓ、体表面積で割った心係数の正常値は 3.2ℓ/分/㎡。 2.左心カテーテル法 カテーテルを動脈から心臓に向かって逆行させるので右心カテーテルより侵襲性が高い。 (1)内圧検査 大動脈圧の正常は120/50。左室の収縮期圧は大動脈圧と同じ。拡張末期圧は左房圧とほぼ同じで 9 以下。 大動脈圧と左室収縮期圧が上昇するのは高血圧。左室収縮圧が大動脈圧よりずっと大きいと大動脈弁狭窄症 (AS)。左室拡張期圧の上昇は左心不全。 (2)酸素飽和度 正常は95%以上。 (3)心拍出量 左心カテーテル法では動脈血の酸素飽和度を測定できるので心拍出量を計算できる。 さらに肺血流量(QP)と体血流量(QS)の比も求まる。左→右の短絡があるとQP/ QSは1.0 を超える。右 →左の短絡があると QP/ QSは1.0 を下回る。正常では無論 1.0。 3.心血管造影 カテーテルの先端から造影剤を注入すれば右室造影、左室造影、肺動脈造影、大動脈造影、冠動脈造影などを 行える。 駆出率は拡張期に左室に存在した血液の何%が体循環に送り出されたかを表すが、拡張終期の左室造影と収縮 終期の左室造影を比較すれば分かる。正常値は60~70%。 以上で俺の範囲はおしまいです。 すっごく味気のないプリントになってしまいましたが、勘弁してください。よい冬休みが過ごせますよ~に!

参照

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