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機能生物学2-① 10月2日 Functional Biology 年後期(2年生)

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機能生物学2-⑥

12月3日

Functional Biology 2

2018年後期

松島 俊也 [email protected] 行動神経生物学講座 松島Patzke研究室

筋の収縮機構

contraction mechanism of muscle

基礎的な事実

basic facts

構造

structures

 運動:姿勢の維持、歩行ー遊泳(移動)、指の操作、 心臓拍動、腸の蠕動運動、動脈血流の調整・・・  横紋筋・心筋・平滑筋 Muscle Bundle of muscle fibers Nuclei Single muscle fiber (cell)

Plasma membrane Myofibril Z lines Sarcomere  横紋筋は筋線維 (muscle fiber、長さ 数センチ以上にもな る多核の単一細胞が 束ねられたもの  ひとつの筋線維の 中には、多数の筋原 線維(myofibrils)が 含まれている。

筋原線維を構成する最小の単位が筋節(sarcomere)

である。Z diskを通してつながっている。

(2)

機構

mechanisms

 Excitation-contraction coupling 興奮収縮共役  SR (Sarcoplasmic reticulum) / T-tubule

 Excitation-contraction coupling 興奮収縮共役  SR (Sarcoplasmic reticulum) / T-tubule  Actin filament (+ Tropomyosin)

 Myosin filament (ATP-binding and Actinbinding)

 Excitation-contraction coupling 興奮収縮共役  SR (Sarcoplasmic reticulum) / T-tubule  Actin filament (+ Tropomyosin)

 Myosin filament (ATP-binding and Actinbinding)

(3)

3

弱い再結合

ATP の結合による分離

弱い再結合

強い結合

ATP の結合による分離

弱い再結合

強い結合

ATP の結合による分離

分子変形とパワースト ロークの発生

ATP の結合による分離

弱い再結合

強い結合

分子変形とパワースト ロークの発生

復帰

ATP の結合による分離

弱い再結合

Ca

2+

の作用点

分子変形とパワースト ロークの発生

復帰

Ca2+による tropomyosinの 分子変形 Excitation-contraction coupling 興奮収縮共役の主な役者はふ たつ…

Transverse tubule (T-tubule) T 細管

 Continuum of the cell membrane  DHPR (dihydropyridine receptor)

on T-tubule

Sarcoplasmic reticulum (SR) 筋小胞体

 High Ca2+ concentration (~1mM)  RyRs (ryanodine receptors) on SR

https://www.youtube.com/watch?v=gJ309LfHQ3M

Ca

2+

イオンを一気に

(4)

Excitation-contraction coupling 興奮収縮共役の主な役者はふ たつ…

Transverse tubule (T-tubule) T 管

 Continuum of the cell membrane  DHPR (dihydropyridine receptor)

on T-tubule

Sarcoplasmic reticulum (SR) 筋小胞体

 High Ca2+ concentration (~1mM)  RyRs (ryanodine receptors) on SR

https://www.youtube.com/watch?v=gJ309LfHQ3M

Ca

2+

イオンを一気に

供給する仕組み

Length-tension curve 長さ張力曲線 張力を発生するためには、一定 の長さが確保されねばならない  長すぎても、短すぎても張力 (active tension)を発生できない  体の中での自然長(resting length in situ)が最大の張力を生むように なっている Length-tension curve 長さ張力曲線 張力を発生するためには、一定 の長さが確保されねばならない  長すぎても、短すぎても張力 (active tension)を発生できない  体の中での自然長(resting length in situ)が最大の張力を生むように なっている これはアクチン・ミオシンのス ライディング機構によって説明 できる。 Length-tension curve 長さ張力曲線 張力を発生するためには、一定 の長さが確保されねばならない  長すぎても、短すぎても張力 (active tension)を発生できない  体の中での自然長(resting length in situ)が最大の張力を生むように なっている これはアクチン・ミオシンのス ライディング機構によって説明 できる。 もう一つはバネの働き。たるん だバネは張力を発生しない。

筋の制御機構

neural control of muscle

イモリとロボット

筋の制御機構

neural control of muscle

Vaucanson’s duck (1738)

https://en.wikipedia.org/wiki/Digesting_Duck

機械仕立ての動物 オートマトン

(5)

5

 ルネ・デカルト(1596~1650)  人間論(1664)  この様に、炎(A)が足(B)に近ければ、こ の炎の粒子は接触する皮膚領域を変形させ るだけの十分な力を持っている。  そして、図のような部位についている細か い糸(cc)を引っ張り、糸が終始している 細孔を同時に開口させる。  ちょうど、ひもの片方を引っ張るともう片 方に釣られた鐘を同時に鳴らすのと同じだ。  さて、細孔がこのように開くと、内腔(脳 室)Fから動物精気が流入し運ばれる。  (精気の)一部は炎から足を引き込めるの に作用する筋肉へと運ばれ、また一部は炎 を見るために目と頭を回転するのに作用す る筋肉に運ばれ、また一部は身を守るため に手を差し伸べて体を曲げるのに作用する 筋肉へと運ばれる。

 Sir Charles Scott Sherrington  1932年ノーベル生理学医学賞  synapseによる反射弓の発見

 Sir John Eccles

 1963年ノーベル生理学医学賞  抑制性synapseの発見  伸展反射=膝蓋腱反射:引っ張られると収縮する。  拮抗筋:抑制性介在ニューロンを介して、弛緩する。  刺激があるから、反応がある。(機械的決定論)  伸展反射=膝蓋腱反射:引っ張られると収縮する。  拮抗筋:抑制性介在ニューロンを介して、弛緩する。  刺激があるから、反応がある。(機械的決定論)  伸展反射=膝蓋腱反射:引っ張られると収縮する。  拮抗筋:抑制性介在ニューロンを介して、弛緩する。  刺激があるから、反応がある。(機械的決定論) 筋紡錘:伸展受容器。骨格 筋の長さを検出する自己受 容器で、体性感覚を生み出 す。 骨格筋が伸びると1a線維に上 行性の活動電位が発生する。 筋紡錘それ自身も筋肉であり、 γ(ガンマ)運動ニューロンに よって支配されている。  膝蓋腱反射:引っ張られると収縮する。  拮抗筋:抑制性介在ニューロンを介して、弛緩する。  刺激があり、反応がある。 筋紡錘:伸展受容器。骨格 筋の長さを検出する自己受 容器で、体性感覚を生み出 す。 骨格筋が伸びると1a線維に上 行性の活動電位が発生する。 筋紡錘それ自身も筋肉であり、 γ(ガンマ)運動ニューロンに よって支配されている。 γ(ガンマ)運動ニューロンが 活動すると筋紡錘が縮む。筋 肉が同じ長さであっても、1a 線維の活動は高まる。

(6)

 侵害反射:侵害性刺激を受けると収縮する。  拮抗筋:抑制性介在ニューロンを介して、 弛緩する。  反対側の足には、反対の反射が起こる。  刺激があるから、反応がある。(機械的決 定論)  侵害反射:侵害性刺激を受けると収縮する。  拮抗筋:抑制性介在ニューロンを介して、 弛緩する。  反対側の足には、反対の反射が起こる。  刺激があるから、反応がある。(機械的決 定論)  「意図的」に動くとき…反射弓を利用する。  大脳からの指令(central output)は直接に 運動ニューロン(αとγ)を興奮させる。同 時に拮抗筋につながる介在ニューロン (③:抑制性)を興奮させる。  では、大脳がなければ、運動は起こらない のだろうか???  脳(brain)と脊髄(spinal cord)  1:中脳の「歩行誘発野」の前で脳を離断する。  脳(brain)と脊髄(spinal cord) 1:中脳の「歩行誘発野」の前で脳を離断する。  「歩行誘発野」を電気的に刺激すると…  ネコは歩きはじめる。(離断脳ネコ)  末梢からの感覚を遮断しても歩く。  トレッドミルを動かして末梢からの刺激を 与えるだけでも、自然に歩きはじめる。  ネコは歩きはじめる。(離断脳ネコ)  末梢からの感覚を遮断しても歩く。  トレッドミルを動かして末梢からの刺激を 与えるだけでも、自然に歩きはじめる。

(7)

7

運動は反射か、内在性か?

 末梢からの刺激を受けて反射的に足が動いているのか?

 Reflex Chain Theory 反射が繰り返されることで歩行や遊泳が生じる。  >>No! 末梢からの刺激を遮断しても(さらには脊髄を切り出しても)、歩行

パターンが生まれる。

 除脳ネコの「歩行誘発野」を電気刺激すると、歩きはじめる。

 中脳に加えた電気刺激には特定のパターンがないのに、歩行には決まったリズ ムが生まれる。

 脊髄の中にはCentral Pattern Generator(CPG、中枢性パターンジェネレーター) があって、そのスイッチが入ると(スイッチを押し続けると)、リズミック (周期的)な筋肉の収縮が起こる。  拮抗筋(伸筋と屈筋)、左右の足、前後の足の間のタイミングは、正常の保た れる。  たくさんの神経性発振器がつながって、CPGが構成される。  末梢からの刺激(自己受容器や皮膚からの機械感覚)だけでも、CPGをオンに することができる。

運動は反射か、内在性か?

 末梢からの刺激を受けて反射的に足が動いているのか?

 Reflex Chain Theory 反射が繰り返されることで歩行や遊泳が生じる。  >>No! 末梢からの刺激を遮断しても(さらには脊髄を切り出しても)、歩行 パターンが生まれる。  ヤツメウナギ(lamprey)の脳脊髄のin vitro標本  冷蔵すれば1週間生きる。  中脳を電気刺激すると、遊泳と同じ周期的活動が、末梢からの入力なく引き起 こされる。  脊髄に直接に興奮性アミノ酸伝達物質(glu)を投与しても同様の活動が生じる。

運動は反射か、内在性か?

 末梢からの刺激を受けて反射的に足が動いているのか?

 Reflex Chain Theory 反射が繰り返されることで歩行や遊泳が生じる。  >>No! 末梢からの刺激を遮断しても(さらには脊髄を切り出しても)、歩行

パターンが生まれる。

 脊髄神経回路を模した実機ロボットの研究

運動は反射か、内在性か?

 末梢からの刺激を受けて反射的に足が動いているのか?

 Reflex Chain Theory 反射が繰り返されることで歩行や遊泳が生じる。  >>No! 末梢からの刺激を遮断しても(さらには脊髄を切り出しても)、歩行 パターンが生まれる。  甲殻類(オマールエビ)の胃の運動(Stomatogastric ganglion) https://www.youtube.com/watch?v=OmRFehQuMHU YouTube video

運動は反射か、内在性か?

 末梢からの刺激を受けて反射的に足が動いているのか?

 Reflex Chain Theory 反射が繰り返されることで歩行や遊泳が生じる。  >>No! 末梢からの刺激を遮断しても(さらには脊髄を切り出しても)、歩行 パターンが生まれる。  甲殻類(オマールエビ)の胃の運動(Stomatogastric ganglion) https://www.youtube.com/watch?v=OmRFehQuMHU YouTube video  ペースメーカー・ニューロンが自発的にリズムを刻む。  電気シナプスや化学シナプスを介して相互作用することで、全 体のリズム(周期)やパターン(位相関係)が変化する。  アミン類伝達物質(オクトパミン、セロトニン、ドーパミン) の作用によって、さらに多様な運動が作られていく:化学的指 令系(chemical command system)と呼ばれる。

多型的神経回路 Polymorphic neural network

運動は反射か、内在性か?

 末梢からの刺激を受けて反射的に足が動いているのか?

 Reflex Chain Theory 反射が繰り返されることで歩行や遊泳が生じる。  >>No! 末梢からの刺激を遮断しても(さらには脊髄を切り出しても)、歩行

パターンが生まれる。

 甲殻類(カブトガニ)の鰓の運動

 完全な感覚遮断を行っても、長期間(80分の記録)にわたって複雑な周期的運 動を生成し続ける。

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運動は反射か、内在性か?

 多くの動物に共通して…  中枢性パターンジェネレーター(CPG)がある。  末梢からの感覚がなくともCPGは動き続け、さらに自発的にそのパターンを切 り替えていく。  末梢からの感覚があれば、CPGがオンオフしたり、そのパターンが変わる。  動物にも自由な内在的な意思があるのだろうか?  意思決定は何によって、脳内のどこで行われるのだろうか?  末梢からの刺激を受けて反射的に足が動いているのか?

 Reflex Chain Theory 反射が繰り返されることで歩行や遊泳が生じる。  >>No! 末梢からの刺激を遮断しても(さらには脊髄を切り出しても)、歩行

パターンが生まれる。

Vaucanson’s duck (1738)

参照

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