「体系数学」補助教材 中学校移行措置対応
統計 近似値 標本調査
2012 年度より中学校新学習指導要領が完全実施されます。 この冊子は,新学習指導要領実施に先立って行われる移行措置の学習 内容のうち,「資料の整理(統計)」,「近似値」,「標本調査」につ いてまとめたものです。 【移行措置期間について】 ■ 中学 1 年生 2009 年度 ~ 2011 年度が移行措置期間となる。 本冊子の内容のうち,「資料の整理」,「代表値 とちらばり」,「近似値と誤差」は中学 1 年生で 学ぶ。 ■ 中学 2 年生 2009 年度 ~ 2011 年度が移行措置期間となる。 追加して学習する内容はなく,「円周角と中心角 の関係」が中学 2 年生から削除される。 ■ 中学 3 年生 2010 年度,2011 年度が移行措置期間となる。 本冊子の内容のうち,「標本調査」は中学 3 年生 で学ぶ。 なお,数研出版から発行している「体系数学」シリーズの「1 代数」, 「1 幾何」,「2 代数」,「2 幾何」の各巻には,本冊子収録内容以外の 移行措置の学習内容が含まれています。 数研出版1 資料の整理
度数分布
次の資料は,ある中学校の 1 年生 50 人の身長(単位は cm)である。 142.7 164.7 158.8 146.2 162.9 155.1 157.3 171.8 160.6 167.8 136.4 161.3 148.3 169.1 141.2 157.8 151.3 167.5 142.6 154.0 151.5 163.8 156.9 159.9 170.8 145.1 170.3 159.7 167.0 147.3 153.8 163.1 150.9 138.5 164.2 159.3 152.0 171.5 162.2 146.9 152.4 158.4 143.5 156.2 169.6 166.3 154.7 168.4 157.5 161.8 この 50 人の身長の特徴を調べる方法を考えてみよう。 身長 0cm1 階級値 度数 0人1 135 以上 140 未満 140 ~ 145 145 ~ 150 150 ~ 155 155 ~ 160 160 ~ 165 165 ~ 170 170 ~ 175 137.5 142.5 147.5 152.5 157.5 162.5 167.5 172.5 2 4 5 8 11 9 7 4 計 50 度数分布表 この資料から,50 人の身長 の特徴を知るためには,右の 表のように整理するとよい。 このように,資料の値の範 囲を適当に区切ったとき,各 区間に含まれる資料の個数を 度数 といい,各区間ごとの 度数を示す表を 度数分布表 という。 度数分布表において,区切 られた各区間を 階級,区間 の幅を 階級の幅,各階級の 中央の値を 階級値 という。2 ─ 資料の整理 ─
135 140 145 150 155 160 165 170 175 cm 人 0 2 4 6 8 10 12 ヒストグラム 度数分布表を,柱状のグラフで 表したものを ヒストグラム とい う。前のページの度数分布表から ヒストグラムをつくると,右の図 のようになる。 ヒストグラムの各長方形の横の 長さは階級の幅を表し,高さは各 階級の度数を表している。 ヒストグラムの各長方形の上の 135 140 145 150 155 160 165 170 175 cm 人 0 2 4 6 8 10 12 度数折れ線 辺の中点を結んでできる折れ線グ ラフを 度数折れ線 という。上の ヒストグラムから度数折れ線をつ くると,右の図のようになる。 v 度数折れ線をつくるときには, ヒストグラムの左右両側に度数 0 の階級があるものと考える。 練習1 2 ページの 50 人の身長に関する資料について,次の問いに答えなさい。 (1) 136 cm 以上 142 cm 未満を階級の 1 つとして,どの階級の幅も 6 cm である度数分布表をつくりなさい。 (2) ヒストグラムと度数折れ線をつくりなさい。 (3) このページの上の図のヒストグラムと,(2) でつくったヒストグラムを 比べて,気がついた点をいいなさい。 練習2 ヒストグラムの長方形の面積の和と,度数折れ線と横軸で囲まれた部分 の面積は等しくなる。そのようになる理由を説明しなさい。 ─
資料の整理 ─ 3
相対度数
2 ページの中学 1 年生 50 人の身長の資料とは別に,中学 3 年生 40 人 の身長を調べて度数分布表をつくったところ,下の表のようになった。 度数分布表 身長 0cm1 階級値 度数 0人1 41 年生5 度数 0人1 43 年生5 135 以上 140 未満 140 ~ 145 145 ~ 150 150 ~ 155 155 ~ 160 160 ~ 165 165 ~ 170 170 ~ 175 137.5 142.5 147.5 152.5 157.5 162.5 167.5 172.5 2 4 5 8 11 9 7 4 0 0 0 2 6 14 10 8 計 50 40 1 年生と 3 年生の身長の特徴を調べるとき,1 年生の人数と 3 年生の 人数が異なるため,度数をそのまま比べることはできない。このような ときには,度数で比べるのではなく,各度数の度数の合計に対する割合 で比べるとよい。 各階級の度数の,度数の合計に対する割合を,その階級の 相対度数 という。 相対度数 0相対度数 =1 0その階級の度数1 0度数の合計14 ─ 資料の整理 ─
練習3 4 ページの度数分布表から,相対度数の分布表をつくりたい。下の表の 空欄をうめて,相対度数の分布表を完成させなさい。 相対度数の分布表 身長 0cm 1 階級値 相対度数 41 年生5 相対度数 43 年生5 計 135 以上 140 未満 137.5 0.04 0.00 140 ~ 145 142.5 145 ~ 150 147.5 0.10 150 ~ 155 152.5 155 ~ 160 157.5 160 ~ 165 162.5 165 ~ 170 167.5 170 ~ 175 172.5 度数 相対度数 3 3 10 2 2 10 5 5 10 計 10 ? 分母も分子も度数の合計 相対度数の合計について考えてみよう。 たとえば,度数が右の表のようになっている とき,相対度数の合計は 3 10+ 2 10+ 5 10 = + + 3 2 5 10 =1 となる。 同じように考えて,どのような度数分布につ いても,相対度数の合計は,つねに 1 となることがわかる。 ─
資料の整理 ─ 5
5 ページでつくった相対度数の分布表を,折れ線で表してみよう。 135 140 145 150 155 160 165 170 175 cm (相対度数) 0 0.04 0.08 0.12 0.16 0.20 0.24 0.28 0.32 0.36 相対度数の折れ線 1 年生 3 年生 上の折れ線からは,3 年生の身長の分布は 1 年生の分布に比べて全体 に高い傾向にあることや,3 年生の分布は 1 年生の分布に比べて狭い範 囲に集中していることを読み取ることができる。相対度数を利用すると, 度数の合計が異なる複数の分布について比べることができる。 練習4 A 中学校の生徒 100 人と B 中学校の生徒 200 人の通学時間を調べたとこ ろ,下の度数分布表のようになった。この度数分布表を見た P さんは A 中学校と B 中学校における通学時間が 10 分以上 20 分未満の生徒 の割合は等しい。 と考えたが,この考えは誤っている。 誤っている理由を,相対度数を求めることによって,説明しなさい。 通学時間 0 1分 度数 0人1 0 以上 10 未満 26 10 ~ 20 54 20 ~ 30 20 計 100 通学時間 0 1分 度数 0人1 0 以上 10 未満 120 10 ~ 20 54 20 ~ 30 26 計 200 A 中学校 B 中学校
6 ─ 資料の整理 ─
2 代表値とちらばり
いくつかの値が集まった資料があるとき,その資料全体の特徴を 1 つ の数値で表すことを考えよう。 そのような値を,資料の 代表値 という。資料の値から求める平均値
資料に含まれる値が全部で n 個であるとする。 これらの n 個の値をすべて加えたものを n で割った値を,この資料 の 平均値 という。平均値は代表値の例である。 例 1 ある野球チームが行った 10 試合の得点は,それぞれ 3 7 0 4 6 2 8 5 3 1 であった。このとき,1 試合あたりの得点の平均値は 3+7+0+4+6+2+8+5+3+1 10 = 39 10=3.9(点) 練習1 ジョギングを日課にしている A さんが最近 5 日間に行ったジョギング の時間は,それぞれ 23 分 18 分 35 分 27 分 42 分 であった。1 回あたりのジョギングの時間の平均値を求めなさい。 練習2 B さんの最近 7 日間の収入と支出について,収入を正の数で表すと, 次のようになった。 +300 円 -120 円 -80 円 +240 円 -150 円 -200 円 -60 円 平均値を「○○円の収入(または支出)」のように書きなさい。─ 代表値とちらばり ─ 7
度数分布表から求める平均値
度数分布表にまとめられている資料の平均値を求める方法を考えよう。 資料が度数分布表にまとめられているときには,各階級に属する資料 の個々の値はわからないから,ある階級に属する資料は,すべてその階 級の階級値をとるものと考えて,平均値を求める。 度数分布表から求める平均値 0平均値 =1 60階級値1%0度数 の合計17 0度数の合計1 資料の個々の値から求める平均値と,度数分布表にまとめたものから 求める平均値は一般には一致しないが,その差は大きくない。 例 2 記録 0cm1 階級値 男子 女子 26 以上 30 未満 28 4 2 30 ~ 34 32 8 6 34 ~ 38 36 5 7 38 ~ 42 40 2 4 42 ~ 46 44 1 1 計 20 20 ある学校の男子 20 人, 女子 20 人の上体そらし の記録(単位は cm) は,右の度数分布表の ようになった。 このとき,男子 20 人 の記録の平均値は 28%4+32%8+36%5+40%2+44%1 20 =672 20 =33.6(cm) 練習3 例 2 の度数分布表において,女子 20 人の記録の平均値を求めなさい。8 ─ 代表値とちらばり ─
中央値と最頻値
次の値は,日本の 5 つの都道府県の面積である。(単位は km )2 1898, 2103, 4613, 5116, 83456 これらの面積の平均値は 19437 km であるが,1 つだけ極端に面積が2 大きいため,面積の平均値は 83456 km 以外の 4 つよりはるかに大きく2 なり,5 つの都道府県の面積を代表する値として適当とはいえない。 このような場合には,5 つの面積を大きさの順に並べたとき,中央に くる値 4613 km を代表値とする方がよい。2 一般に,資料を大きさの順に並べたとき,その中央の順位にくる値を 中央値 または メジアン という。ただし,総度数が偶数のときは,中 央に 2 つの値が並ぶから,その 2 つの値の平均値を中央値とする。 練習4 10 人の生徒の英語のテストの得点は,次のようになった。 75 38 49 88 61 83 44 67 58 95 10 人の得点の中央値を求めなさい。 内容量 0m^1 150 250 350 500 750 計 売り上げ本数 33 20 92 41 14 200 右の表は,ある店に おけるある飲料の内容 量ごとの売り上げ本数 の資料である。度数が最も大きいのは,内容量が 350 m^のものである。 さい ひん ち 一般に,度数分布表に整理したとき,度数が最も大きい階級の階級値 を 最頻値 または モード という。 練習5 8 ページの例 2 について,男子の記録の最頻値,女子の記録の最頻値を それぞれ求めなさい。─ 代表値とちらばり ─ 9
範囲
資料のちらばり方を調べる方法を考えよう。 月 A B 1 4 3 2 0 4 3 2 6 4 1 3 5 6 4 6 7 8 9 10 11 12 2 8 15 2 1 3 4 3 5 6 4 3 2 5 平均値 4 4 右の表は,A さんと B さんの 2 人が,昨年 1 年間 の各月に,図書館に行った回数の資料である。 2 人とも 1 年間に 48 回図書館に行ったことから, 1 ヵ月に図書館に行った回数の平均値は等しい。 一方,月ごとに図書館に行った回数について A さん 最大:15 回, 最小:0 回 B さん 最大: 6 回, 最小:2 回 となり,2 人を比べると,回数の差が大きく異なる。 このような場合,平均値が等しくても,資料のち らばり方は等しいとはいえない。 資料の値のうち,最大のものから最小のものをひ いた差を 範囲 という。 範囲は資料のちらばりの度合いを表す値の 1 つと して用いられる。 練習6 A さんと B さんについて,月ごとに図書館に行った回数の範囲を,そ れぞれ求めなさい。 練習7 10 人の生徒の英語のテストの得点は,次のようになった。 75 38 49 88 61 83 44 67 58 95 10 人の得点の範囲を求めなさい。10 ─ 代表値とちらばり ─
■ ■ 確認問題 ■ ■
1 次の資料は,あるクラスの生徒 30 人のハンドボール投げの記録 (単位は m)である。この資料について,次の問いに答えなさい。 12.7 20.7 21.2 18.5 14.7 20.9 15.4 17.8 13.5 19.4 11.9 17.7 15.9 14.6 16.3 17.7 17.9 12.1 14.2 20.9 14.7 15.3 19.2 17.3 16.6 16.8 15.1 20.3 17.8 16.8 (1) 10 m 以上 12 m 未満を階級の 1 つとして,どの階級の幅も 2 m である度数分布表をつくりなさい。 (2) 記録が 14 m 以上 20 m 未満の生徒の人数を求めなさい。 (3) ヒストグラムと度数折れ線をかきなさい。 (4) 14 m 以上 16 m 未満の階級の相対度数を求め,小数第 2 位まで の小数で表しなさい。 2 次の資料は,あるクラスの生徒 20 人の垂直とびの記録(単位は cm) である。 47 35 42 45 46 51 48 40 52 34 40 49 43 31 37 45 44 49 41 47 この資料について,次の問いに答えなさい。 (1) 20 人の記録の範囲を求めなさい。 (2) 20 人の記録の中央値を求めなさい。 (3) 30 cm 以上 34 cm 未満を階級の 1 つとして,どの階級の幅も 4 cm である度数分布表をつくりなさい。 (4) (3) の度数分布表から,20 人の記録の最頻値を求めなさい。 (5) (3) の度数分布表から,20 人の記録の平均値を求めなさい。─ 確認問題 ─ 11
発展 分散と標準偏差
「標準偏差」は,平方根の内容を学習した後に学ぶのが望ましい。 範囲は簡単に求められる量であるが,資料の中に極端に離れた値があ るときには,ちらばりの度合いを表すのに適当とはいえない。 ここでは,ちらばりの度合いを表す新しい量を考えよう。 資料に含まれる値が全部で n 個あるとする。それらの値を x ,1 x ,2 3 x ,……,x とし,これら n 個の値の平均値を a とする。n このとき,n 個の値 20
x1-a ,1
0
x2-a ,1
20
x3-a ,……,1
20
xn-a1
2 へん さ の平均値を,x ,1 x ,2 x ,……,3 x の 分散 という。n また,分散の正の平方根を 標準偏差 という。 例 1 5 つの数 1,4,5,9,11 の分散と標準偏差を求める。 5 つの数の平均値は 1+4+5+9+11 5 =6 である。 よって,分散は 01-612+04-612+05-612+09-612+011-612 5 =25+4+1+9+25 5 = 64 5 =12.8 標準偏差は U12.8 (およそ 3.58) v 標準偏差を求めるときには,必要に応じて電卓を利用してもよい。12 ─ 分散と標準偏差 ─
練習1 5 つの数 -3,-1,0,4,5 の分散と標準偏差を求めなさい。標準偏差 は四捨五入して小数第 2 位まで求めなさい。 5 つの数 3,5,6,8,8 の分散を求める。 5 つの数の平均値は 3+5+6+8+8 5 =6 である。 よって,分散は 03-612+05-612+06-612+08-612+08-612 5 =9+1+0+4+4 5 = 18 5 =3.6 12 ページの例 1 と上の例を比べてみよう。 どちらも平均値は 6 で等しいが,分散がそれぞれ 12.8,3.6 で異なっ ている。 分散(標準偏差)の大きさは,資料のちらばり方の度合いを表してい て,分散(標準偏差)が小さいほど,資料は平均値の近くに集まる傾向 がある。 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 例 1 平均値 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 上の例 2 つの例を比べると,12 ページの例 1 より上の例の方が,5 つの数が 平均値の近くに集まっていることがわかる。
─ 分散と標準偏差 ─ 13
3 近似値と誤差
近似値と誤差
円周率 p の値は,次のようなどこまでも続く小数である。 p=3.141592653589793238462…… 小学校では,円周率を 3.14 として計算することが多い。この 3.14 は, きん じ ち p の真の値とは異なるが,真の値に近い値である。 このように,真の値とは異なるが,真の値に近い値のことを 近似値 という。3.14 は円周率 p の近似値である。 例 1 1 7=0.1428…… であるから, 1 7 の近似値を,小数第 2 位まで の小数で表すと,0.14 となる。 練習1 次の数の近似値を,小数第 2 位までの小数で表しなさい。 (1) 4 7 (2) 1 6 ご さ 近似値から真の値をひいた差を 誤差 という。 誤差 0誤差 =01 近似値 -01 真の値1 例 2 1 7 とその近似値 0.14 との誤差は 0.14-1 7= 98 700 -100 700 =-2 700 =-1 35014 ─ 近似値と誤差 ─
練習2 次の数の近似値を,小数第 2 位までの小数で表したとき,真の値と近似 値との誤差を求めなさい。 (1) 2 3 (2) 5 7 誤差の絶対値が小さいほど,真の値は近似値に近いといえるが,実際 には真の値がいくらであるのかわからないことが多い。 ここでは,近似値から真の値がどの範囲にあるのかを考えてみよう。 たとえば,近似値を小数第 1 位までの小数で表したとき 3.7 になる数 の真の値は,3.65 以上 3.75 未満であることがわかる。 3.63 3.64 3.65 3.66 3.67 3.68 3.69 3.7 3.71 3.72 3.73 3.74 3.75 3.76 3.77 真の値の範囲 誤差が負の数となる範囲 誤差が正の数となる範囲 近似値が真の値 より大きいとき 近似値が真の値 より小さいとき また,真の値と近似値との誤差を e とすると,e の範囲は,次のよう に表される。 -0.05<e (0.05 練習3 近似値を小数第 2 位までの小数で表したとき 2.08 になる数について, 次の問いに答えなさい。 (1) 真の値の範囲を求めなさい。 (2) 真の値と近似値との誤差を e とするとき,e の範囲を不等号を用いて 表しなさい。
─ 近似値と誤差 ─ 15
有効数字
真の値が 4.302… である数について,その近似値を [1] 小数第 1 位までの小数で表すと 4.3 [2] 小数第 2 位までの小数で表すと 4.30 となる。これらを区別せずに 4.3 と書くと,その近似値がどのくらいの 正確さで表されたものなのかはっきりしなくなる。 近似値を表す数のうち,信頼できる数字を 有効数字 という。 上の例 [1] の有効数字は 4,3,[2] の有効数字は 4,3,0 である。 近似値が 72400 と表される数があるとする。この近似値の有効数字をa %
10
n 1 以上 10 未満の数 自然数 近似値の表し方 はっきり示す場合には,次のように表す。 ● 有効数字が 7,2,4 のとき 7.24%104 ● 有効数字が 7,2,4,0 のとき 7.240%104 近似値が 1 より小さい正の数のときには,次のように表す。 a % 1n 10 (a は 1 以上 10 未満の数,n は自然数) この方法では,たとえば 0.0613 は 6.13% 12 10 と表される。 練習4 [ ] 内のきまりにしたがって,次の数の近似値を求め,それを a%10n または a% 1n 10 (a は 1 以上 10 未満の数,n は自然数)の形で表しなさい。 (1) 257 7 [小数第 1 位までの小数] (2) 9 130 [小数第 3 位までの小数]16 ─ 近似値と誤差 ─
■ ■ 確認問題 ■ ■
1 次の数の近似値を,小数第 2 位までの小数で表したとき,真の値と 近似値との誤差を求めなさい。 (1) 4 9 (2) 10 7 2 近似値を小数第 1 位までの小数で表したとき 4.0 になる数について, 次の問いに答えなさい。 (1) 真の値の範囲を求めなさい。 (2) 真の値と近似値との誤差を e とするとき,e の範囲を不等号を用 いて表しなさい。 3 次の数を,a %10 または a %n 1 n 10 (a は 1 以上 10 未満の数,n は 自然数)の形で表しなさい。 (1) 217.3 (2) 1453.0 (3) 0.00628 (4) 0.0370 4 平成 17 年に実施された国勢調査による日本の総人口は,127767994 人である。次の問いに答えなさい。 (1) この総人口を 10000000 人を単位とした概数で表したときの有効 数字をいいなさい。 (2) (1) の概数を,a %10 (a は 1 以上 10 未満の数,n は自然数)のn 形で表しなさい。─ 確認問題 ─ 17
4 標本調査
全数調査と標本調査
日本の総人口や人口の分布について調べる国勢調査は,日本に住む人 全員について行われる調査である。このように,対象とする集団に含ま れるすべてのものについて行う調査を 全数調査 という。 これに対して,対象とする集団の一部を調べ,その結果から,全体の 状況を推測する調査を 標本調査 という。 例 1 生徒全員に対して行われる健康診断は,全数調査である。 一方,電化製品の耐用年数に関する調査は,標本調査である。 練習1 例 1 の電化製品の耐用年数に関する調査は,なぜ全数調査ではなく標本 調査であるか,その理由を考えなさい。 練習2 次のそれぞれの調査は,全数調査と標本調査のどちらが適当であるか 答えなさい。 (1) 真空パックされた食品の中身の品質に関する調査 (2) 届いたお年玉くじ付き年賀はがきが当選しているかどうかの調査 (3) 新聞社が行う世論に関する調査 標本調査において,調査の対象全体を 母集団 といい,調査のために ちゅうしゅつ 母集団から抜き出されたものを 標本,母集団から標本を抜き出すこと を標本の 抽出 という。 また,母集団に含まれるものの個数を 母集団の大きさ,標本に含ま れるものの個数を 標本の大きさ という。18 ─ 標本調査 ─
標本調査の目的は,抽出した標本から母集団の状況を推測することで ある。よって,標本を抽出するときには,母集団の状況をよく表すよう な方法をとる必要がある。 たとえば,ある中学校の生徒 100 人から 10 人を選んでハンドボール 投げの記録の平均値を推定するとき,ハンドボール部の部員の中から 10 人選ぶのでは,生徒 100 人の状況をよく表しているとはいえない。この ようなときには,くじびきのような方法で 10 人を選ぶ必要がある。 くじびきなどの方法で,母集団からかたよりなく標本を抽出すること を,標本を任意に抽出するという。 標本を任意に抽出するには,次のような方法がある。 まず,母集団に属するものに番号をつけておく。 その上で ● 番号を書いたくじを作り,それでくじびきを行う。 ● 正二十面体のおのおのの面に 0 から 9 までの数字が 2 回ずつ 書かれたさいころ(乱数さいという)を使う。 ● 乱数表 (*) を利用する。 ──────────────────────────────── (*) 乱数表は,0 から 9 までの整数をでたらめな順序に並べた表で,上下,左右 斜めのいずれの並びを取り出しても,0 から 9 までの整数がほぼ等しい確率 で現れるようになっている。 【乱数表の例】 4 4 3 4 5 0 2 5 6 4 9 8 7 7 0 0 4 3 8 2 3 7 2 0 3 2 9 3 0 9 5 2 6 8 4 1 0 7 0 6 5 9 9 5 9 3 9 1 0 1 4 1 5 0 8 6 5 5 8 4 9 4 0 4 5 2 5 9 1 1 7 3 7 2 7 6 5 6 9 7 6 3 5 1 3 3 9 8 8 5 4 7 1 7 8 3 0 6 6 4
─ 標本調査 ─ 19
標本調査の利用
標本調査を利用して,母集団の性質を推測する方法を考えよう。 例 2 袋の中に大きさが等しい白玉と黒玉が合計 200 個入っている。 この袋の中の玉をよく混ぜてから 15 個取り出したところ, 白玉が 6 個,黒玉が 9 個であった。 白玉 6 個 黒玉 9 個 15 個 200 個 白玉?個 黒玉?個 白玉と黒玉の割合は 同じであると考える。 このとき,抽出した 標本における白玉の 比率は 6 15= 2 5 このことから,母集 団における白玉の比 率も 2 5 であると推 測することができる。 よって,袋の中の白玉の個数は,およそ 200%2 5=80(個) くらいと考えられる。 標本調査では,標本の大きさが大きいほど,標本の比率と母集団の比 率が近い値をとる傾向がある。よって,標本調査では,標本の大きさを できるだけ大きくすると,よい精度で母集団の比率を推測できる。 練習3 袋の中に大きさが等しい白玉と黒玉が合計 300 個入っている。この袋 の中の玉をよく混ぜてから 20 個取り出したところ,白玉が 13 個,黒玉 が 7 個であった。袋の中の白玉の個数は,およそ何個と考えられるか。20 ─ 標本調査 ─
■ ■ 確認問題 ■ ■
1 次のそれぞれの調査は,全数調査と標本調査のどちらが適当である か答えなさい。 (1) 選挙における,各候補者の得票数の調査 (2) ある川を流れる水の水質調査 (3) 自動車の安全性を確かめるために,実際に衝突させて行う調査 2 ある新聞社が,有権者 50000 人の中から 100 人を任意に抽出して, 世論に関する調査を行った。このとき,次の問いに答えなさい。 (1) この調査における母集団の大きさをいいなさい。 (2) この調査における標本の大きさをいいなさい。 (3) 任意に抽出した 100 人に対して,ある政策 A について賛成であ るか反対であるかを聞いたところ,73 人が賛成と答えた。このこ とから,有権者 50000 人のうち,およそ何人の人が政策 A に賛成 であるか推測しなさい。 3 ある湖にいる魚の数を推測するのに,次のような調査を行った。 [1] まず,100 匹の魚を捕獲し,それに印をつけて放す。 [2] しばらくたってから 200 匹の魚を捕獲したところ,そのうちの 11 匹に印がついていた。 この湖にいる魚の数を,100 匹単位で推測しなさい。─ 確認問題 ─ 21
● ● 解 答 ● ●
1 資料の整理
(p. 2 ~ 6) 練習1 (1) 身長 0cm1 階級値 度数 0 1人 136 以上 142 未満 139 3 142 ~ 148 145 7 148 ~ 154 151 7 154 ~ 160 157 13 160 ~ 166 163 9 166 ~ 172 169 11 計 50 (2) 136 142 148 154 160 166 172 cm 人 0 2 4 6 8 10 12 ヒストグラム (3) (解答例)階級や階級の幅の決め方 によって,ヒストグラムの形は異なる。 3 ページのヒストグラムは中央付近が 高く両側が低いが,練習1のヒストグ ラムはそうではない。 身長 0cm1 階級値 相対度数 41 年生5 相対度数 43 年生5 計 1.00 1.00 135 ~ 140 137.5 0.04 0.00 140 ~ 145 142.5 0.08 0.00 145 ~ 150 147.5 0.10 0.00 150 ~ 155 152.5 0.16 0.05 155 ~ 160 157.5 0.22 0.15 160 ~ 165 162.5 0.18 0.35 165 ~ 170 167.5 0.14 0.25 170 ~ 175 172.5 0.08 0.20 練習2 略 練習3 練習4 A 中学校における 10 分以上 20 分未満の階級の相対度数は 54 100= 0.54, B 中学校における 10 分以上 20 分未満 の階級の相対度数は 54 200= 0.27 である。 よって,両者の割合は等しくない。2
代表値とちらばり(p. 7 ~ 10) 練習1 29 分 練習2 10 円の支出 練習3 35.2 cm 14 136 142 148 154 160 166 172 cm 人 0 2 4 6 8 10 12 度数折れ線 1422 ─ 解答 ─
練習4 64 点 練習5 男子:32 cm,女子:36 cm 練習6 A さん:15 回,B さん: 4 回 練習7 57 点
確認問題
(p. 11) 1 (1) 記録 0 1m 階級値 度数 0 1人 10 以上 12 未満 11 1 12 ~ 14 13 3 14 ~ 16 15 8 16 ~ 18 17 10 18 ~ 20 19 3 20 ~ 22 21 5 計 30 (2) 21 人 (3) 10 12 14 16 18 20 22 m 人 0 2 4 6 8 10 12 ヒストグラム 度数折れ線 (4) 0.27 2 (1) 21 cm (2) 44.5 cm (3) (4) 48 cm (5) 43.6 cm発展 分散と標準偏差
(p. 12,13) 練習1 分散 9.2,標準偏差 3.033 近似値と誤差
(p. 14 ~ 16) 練習1 (1) 0.57 (2) 0.17 練習2 (1) 1 300 (2) -3 700 練習3 (1) 2.075 以上 2.085 未満 (2) -0.005< e (0.005 練習4 (1) 3.67%10 (2) 6.9%1 1 2 10確認問題
(p. 17) 1 (1) - 1 225 (2) 1 700 2 (1) 3.95 以上 4.05 未満 (2) -0.05<e ( 0.05 10 12 14 16 18 20 22 m 人 0 2 4 6 8 10 12 記録 0cm1 階級値 度数 0 1人 30 以上 34 未満 32 1 34 ~ 38 36 3 38 ~ 42 40 3 42 ~ 46 44 5 46 ~ 50 48 6 50 ~ 54 52 2 計 20─ 解答 ─ 23
3 (1) 2.173%10 (2) 1.4530%2 103 (3) 6.28% 13 10 (4) 3.70% 1 2 10 4 (1) 1,3 (2) 1.3%10 (人)8