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(1)

⾏動科学やソーシャルマーケティング、

ナッジを活⽤した

がんに関する普及・実装研究

国⽴がん国⽴がん研究センター 保健社会学研究部 室⻑ 溝⽥ 友⾥([email protected]) 部⻑ ⼭本 精⼀郎([email protected]

(2)

2

研究プロジェクト概要

国⽴がん研究センター保健社会学研究部

がん検診の普及プロジェクトホームページ

(3)

研究プロジェクト概要

がん対策

の推進

⽅法の開発と評価

全国展開(現場)

社会規範の醸成

(メディア活⽤)

禁煙・防煙

がん検診

がん教育

⼦どもの

肝炎

ウイルス検

(4)

テーマとステップ①

4 全国展開・ 社会規範 コミュニケーション のポイント ・未受診者の⼼理に合わ せたメッセージ(各がん種 ごとに作成) 「この通知がきたあなたに、 今だけ、補助が出る」、 「お得」、「⼥性医師」 がん検診 都道府県が主体となり 市区町村をサポートする 「⾃⽴的・継続的な 受診勧奨」 肝臓がん予防につながる 肝炎ウイルス検査 禁煙 禁煙治療受診勧奨 <単独受診> 「肝がんの原因は肝炎ウイ ルス」 <健康診断に追加> 「⾎液だけの簡単な検査」 「ついで受診」 「禁煙のつらくない⽅法」 「近所の地図を⽰す」 ⽅法の 開発 ・コール・リコール⽤ 資材の開発 ・効果を最⼤限発 揮するためのマ ニュアル ・予算獲得のため の資料 ・モデル5県で 2012年度 より介⼊ ・介⼊1年⽬、 2年⽬の受 診率で評価 評価と 改良 ・2012年度より全国市区 町村へ資材提供 ・部のサイト ・コンサルテーション事業 ・都道府県研修会 ・市区町村研修会 ・職域への働きかけ ・メディア・⾃治体との協働 ・単独受 診、つい で受診の 2パター ンの資材 の作成 ・(2018年度〜) 枚⽅市にて単独受 診の介⼊研究実施 中 ・(2019年度〜) 佐賀県職域にてつ いで受診の介⼊研 究(RCT)開始予定 これまで築いてきた関係を もとに ・⾃治体のがん検診・特定 健診受診勧奨への組み 込み ・職域への働きかけ ・リーフレット ・禁煙外来 医療機関 の地図 ・2015年度より⼋ 王⼦市にて介⼊ 研究実施中(医 師からの⼿渡しと 郵送) これまで築いてきた関係を もとに ・⾃治体のがん検診・特定 健診受診勧奨への組み 込み ・職域への働きかけ

(5)

テーマとステップ②

全国展開・ 社会規範 コミュニケーション のポイント 禁煙・防煙 ⼤学⽣の禁煙・防煙 がん教育 ⼩学⽣ 学研まんがでよくわかるシリーズ 『がんのひみつ』 ⻑編まんがの良さ →知識よりもストーリー重 視 →読後の印象として 「がんは⾝近な病気」 「がんになっても社会で活 躍できる」 「がん予防・検診が⼤切」 「がんとともにある社会」を ⾃然に作っていく 「就職のためにたばこを吸 わない」 *髪を⿊く染める、スーツ を買うのと同様に、就職 を機に、喫煙についても 考えてみよう ⽅法の 開発 評価と改良 ・エビデンスづくり (調査を実施し結 果を公表) ・メディアキャンペーン ・シンポジウム ・ホームページ、動画 ・シンポジウム 参加者の 認識の変 化 ・テレビ、新聞、インターネット ニュースを利⽤した社会規範 づくり ・YouTube ・ブログやツイッターによる拡散 書籍版 ・1972年から続く「ひみ つシリーズ」の89冊⽬ ・全国すべての国公私 ⽴⼩学校23,500校、 公⽴図書館3,000館 に設置 ・100⾃治体、4,000 冊を⾃治体予算で増 刷し、市役所や保健所、 公⺠館などに設置 ・教員・図 書館司 書へのア ンケート 調査 ・⼩学⽣へ の介⼊研 究 電⼦書籍版 ・学研アプリからスマートフォン で無料閲覧可 ・学研キッズネット(650万 PV/⽉、会員数5万⼈)にて 無料閲覧可 →「がん」に興味がなくても 「ひみつシリーズ」から誘導 ・学校の授業や夏休みの仮 題などへの活⽤ ・感想⽂、がん検定クイズ、家 族への⼿紙

(6)

テーマとステップ③

6 全国展開・ 社会規範 コミュニケーション のポイント 適正体重の維持 ⾝体活動量の増加 健診前後で体重減少を中⼼と した運動指導 個別化による 精密予防 個⼈の特性に合わせた予防 ⽅法の提供 ・本⼈にとって「もっとも取り 組みやすく、効果の⾼ い」予防法を提供 ・リスクに応じた予防法の 提供ではない <禁煙> Quitline/禁煙外来/家 族と協⼒/禁煙補助薬 <⾝体活動量の増加> スポーツジム/ジョギング/ 家で体操/ゲームの利⽤ 個⼈の特性に合った予防 法の提供 ・健診前の「健診結果を よくしたい」という本⼈の インセンティブとタイムリネ スを利⽤ ・健診結果が悪かった⼈ に、結果返却時と健診 前に保健指導を勧奨 ⽅法の 開発 評価と改良 ・市町村がスポー ツジムと契約を 結び、結果返 却後と健診前 の数か⽉間で 短期に結果の ⾒える指導を 提供 ・指導後の健 診時の結果 で評価 ・昨年度、も しくは対象な のに指導を 受けなかった ⼈を対照 ・保険者インセンティブ制度 を利⽤し、市町村予算を 確保 ・全国展開のスポーツジムと 組むことにより、スポーツジ ムのインセンティブを利⽤し、 全国展開を図る ・ソーシャルマーケ ティング調査を⾏ い、しない、できな い理由から特性パ ターンを決定 ・効果のある⽅法の 選択肢を増やせる よう健康改善⽅ 法の開発 ・個⼈の性格や特 性を分析し、それ に合った⽅法を提 供 ・結果を フィードバッ クし、正確 や特性に 合った予防 ⽅法提供 アルゴリズム を更新 ・AIやディー プラーニング を利⽤ ・保険者と協⼒し、被保険 者に対する提供によりパイ ロットスタディ ・アプリの開発 ・他の保険者への提供 ・商業利⽤として展開 ・個⼈の特性に合わせて提 供アルゴリズムの他分野へ の応⽤ ・social goodに対するナッ ジとしての展開

(7)

テーマ①︓がん検診受診率向上

国⽴がん研究センター保健社会学研究部

がん検診の普及プロジェクトホームページ

(8)

8

コール・リコールの有効性

(9)

ヘルスビリーフ・モデル(Health Belief Model)

Rosenstock, 1974

⼈々が疾患予防もしくは早期発⾒のためのプログラムに参加しない理由を明らか

にするために考案された概念

がん検診

受診

罹患性(かかり やすさ)の認知 疾病の重⼤ 性の認知 有益性の認知 障壁の除去 きっかけ

(10)

出典︓ CPSTF(U.S Community Preventive Services Task Force) community guideより作成 http://www.thecommunityguide.org/cancer/screening/client-oriented/index.html がん検診受診率向上のための介⼊⽅法 (マンモグラフィ)乳がん検診 ⼦宮頸がん検診(細胞診) (便潜⾎検査)⼤腸がん検診 がんとがん検診に関する認知の変化を促す(罹患性の認知、重⼤性の認知、有益性の認知) スモールメディア 例︓ビデオやパンフレット、ニュースレターなど 推奨 推奨 推奨 1対1の教育 例︓電話や⾯談によって⾏う健康教育や啓発など 推奨 推奨 推奨 グループ教育 例︓講演など 推奨 証拠不⼗分 証拠不⼗分 マスメディアのみ 証拠不⼗分 証拠不⼗分 証拠不⼗分 障害の除去 費⽤以外の障害の除去 例︓休⽇や夜間の受診、アクセス向上など 推奨 証拠不⼗分 推奨 ⾃⼰負担費⽤の軽減 例︓検診費⽤の補助、無料化など 推奨 証拠不⼗分 証拠不⼗分 きっかけ ⼿紙や電話によるコール・リコール(受診勧奨・再勧奨) 推奨 推奨 推奨 報奨のみ 例︓少額の現⾦やクーポンの提供など 証拠不⼗分 証拠不⼗分 証拠不⼗分 組み合わせ 複合的アプローチ(上記いずれかの⽅法を2つ以上組み合わせる) 推奨 推奨 推奨

(11)

⽇本の市区町村の多くですでに受診勧奨は

⾏われているにもかかわらず、受診率はあまり上がらない

個別勧奨の⼿法 市区町村の割合実施している 個別通知(郵送) 48% 個別通知(電話) 4% 世帯主あてに通知(郵送) 25% 個別訪問(⾃治体職員) 5% 個別訪問(ボランティア等) 12% 上記のうち、何らかを実施 57% 「平成25年度 市区町村におけるがん検診の実施状況調査」 厚⽣労働省

個別通知による受診勧奨の実施状況

(12)

がん予防対策・検診受診率向上対策の現状

現時点では、国などによる系統的ながん予防対策や検診受診率向上対策は

⼗分⾏われておらず、

実施主体に⼀任

⾃治体などの現場においては、⼗分な資⾦的・専⾨的・⼈員的サポートが得ら

れないまま、担当者の意欲や能⼒・環境に依存した場当たり的な対応

例)がん検診受診率︓20〜30%←がん対策推進基本計画の⽬標は50%

そもそも、現状の資⾦・⼈員で実現可能な普及啓発を⾏うためには、各実施

主体の努⼒に任せるのではなく、

国が主導となり、⾃治体担当者の現状に即し

た⼿厚いサポートが必要

⽅法についても、これまでの対策では不⼗分なことは明らか

新しい効果的・⾰新的な⽅法

の開発が必要

1 2

(13)

研究の⽬的

• Efficacy study︓限られたフィールドで実験的に介⼊の効果を検証 • Effectiveness study︓それを実際に実地で利⽤し、リアルワールドでの効果を検証

研究の特徴

 ナッジ、ソーシャルマーケティングなどの新しい⾏動科学的⽅法を活⽤  メディアなどを積極的に活⽤するとともに、公衆衛⽣プラクティスの要である⾃治体を ⽀援することにより全国への普及を⾏う  研究と実践のどちらかのみに終わらせず、研究と実践を両⽴ ①研究によるエビデンスの創出→②研究結果をもとにした全国規模での実践 →③実践結果の研究としての評価と⽅法論への還元

がん予防・がん検診のエビデンス-プラクティスギャップを埋める

ため、

がん予防の実践とがん検診受診率向上の

⽅法を開発し、

実際の普及啓発を全国規模で⾏う

(14)

これまでの普及啓発 エビデンス (研究結果) 学術誌・報告書 ウェブサイトなど から一方的に発信 ・国民ひとりひとりに発 信することができない ・「まじめ」で「ありき たり」のメッセージ 研究結果が現場に いかされない 公衆衛生において、学術分野と実践分野(プラク ティス)との間に壁があり、エビデンスが実践の 場でいかされていない。 学術分野 (エビデンスの創出) 実践分野 (国民への普及啓発) 限られた エビデンス(情報) 国民 ・担当者の孤立無援の場 当たり的普及 ・エビデンスに関する情 報や理解の不足 ・必要な情報をすべて詰 め込んで伝える お役所 仕事 普及効果が出ない 研究者 自治体などの 現場 本研究による新しい取り組み エビデンスの専門家(研究者)、「人を動かす」専門家(マーケティング)、公衆衛 生プラクティスの要(自治体)が一丸となったチームによる、戦略的・効果的な普及。 現場のニーズに合わせた普及方法を開発し、即実践につなげる。 エビデンス 学術分野と実践の融合 エビデンスの知識、創出 調査・研究の専門家 疫学調査、面接調査 効果測定、評価研究 発信する情報の信頼性 研究者 国民ひとりひとりに直接 アクセスができる公衆衛 生のプラクティスの要 地域の住民との距離の近 さ・結びつき 事業として予算獲得でき る 自治体 「伝えること」の専門家 人を動かす(ヒット商品 、ブームを作る) デザイナー・コピーライ ター・PRなど専門集団 マーケティ ング専門家 国民ひとりひとりの行動変容へ 互いの強みを活かし補完 国民を動かす普及方法 の開発・実践 期待される成果:がん予防行動の実践・がん検診受診への国民の行動変容を促す方法の開発と普及 研究者が発信するエビデンスをソーシャルマーケティング手法により 人を動かす メッセージに変え、効果検証の後、 自治体など現場に提供。研究期間後も継続が可能な自立的・継続的普及のため、予算獲得も含めて自治体を支援。 行動変容効果が実証された方法が、自治体を通じて国民ひとりひとりに届く。

(15)

ナッジや⾏動科学の活⽤

国⽴がん研究センター保健社会学研究部

がん検診の普及プロジェクトホームページ

(16)

よく売れるのは︖

16

6種類のジャムを試⾷できる

24種類のジャムを試⾷できる

(17)

よく売れるのはどっち︖

6種類のジャムを試⾷できる

試⾷に来た30%が購⼊

24種類のジャムを試⾷できる

試⾷に来た3%が購⼊

選択肢が多すぎると意思決定を阻害

(選択回避・選択肢削減の法則)

選択肢の数は7±2(5〜9)が最適

(18)

どちらを選ぶ︖

18

50%の確率で200万円が

もらえるけれど、50%の確率で0円

100%の確率で

100万円がもらえる

(19)

どちらを選ぶ︖

50%の確率で200万円が

もらえるけれど、50%の確率で0円

100%の確率で

100万円がもらえる

リスクを避け、確実なほうを選ぶ

(リスク(損失)回避の法則)

(20)

どちらがうれしい︖

20

5万円儲ける

10万円儲けて5万円失う

(21)

どちらがうれしい︖

5万円儲ける

10万円儲けて5万円失う

利益を得ることによる満⾜度の増加に⽐べて、

損失による満⾜度の低下のほうが⼤きい

(損失回避)

(22)

参加する︖

22

コイントスで表が出たら3万円もらえる

裏が出たら2万円⽀払う

(23)

参加する︖

コイントスで表が出たら3万円もらえる

裏が出たら2万円⽀払う

利益よりも損失のほうが⼤きく感じる(2〜2.5倍)

「表が出たら5万円もらえ、裏が出たら2万円払う」で初めて

「参加する⼈」と「参加しない⼈」が半々になる

(損失回避)

(24)

⼿術を受けますか︖

24

術後1ヶ⽉の死亡率は10%

術後1ヶ⽉の⽣存率は90%

(25)

⼿術を受けますか︖

術後1ヶ⽉の死亡率は10%

約50%が⼿術を受けると回答

術後1ヶ⽉の⽣存率は90%

約80%が⼿術を受けると回答

表現のしかたで受け取り⽅が異なる

(フレーミング効果)

ポジティブな表現のほうが受け⼊れられやすい

(26)

わざわざ外しますか︖

26

⼩鉢をひとつ外すと100円引き

定⾷セット1000円

(27)

わざわざ外しますか︖

⼩鉢をひとつ外すと100円引き

定⾷セット1000円

もともと提⽰されているものを受け⼊れやすい

(デフォルト)

(28)

ナッジ(Nudge)とは︖

28 

「⼈々の⾏動は不合理だ」

 Bounded rationality(限定的合理性)︓⼈は限定的な合理性の中で意思決 定する  選択するときのくせ(惰性・バイアスなど) 

選択を禁じることも経済的なインセンティブを⼤きく変えることもなく、⼈々の⾏動

を予測可能な形で変える選択アーキテクチャーのあらゆる要素を意味する

1)

強制することなく、⼈々の⾏動を望ましい⾏動に誘導するようなアプローチ

1) Richard H. Thaler, Cass R (2009). Sunstein. Nudge: Improving Decisions About Health, Wealth, and Happiness. (遠藤 真美 (翻訳) 2009.「実践 ⾏動経済学」⽇経BP社) 2) Behavioral Insight Team (2013). Applying Behavioral Insights to Organ Donation: preliminary results from a randomized controlled trial. Cabinet Office.

(29)

ナッジの特徴

⾏動変容の起こし⽅

 ⼈間の⾏動経済学的特性(惰性、バイアスなど)を利⽤して誘導  ナッジを実践するための⽅法として、⾏動科学モデルや⼿法、ソーシャルマーケティング⼿ 法などが利⽤できる 

基礎となる概念

 リバタリアン・パターナリズム(「個⼈の⾃由意思を尊重する」+「家⽗⻑的な⼲渉主義」 →選択の⾃由を確保した上で、⼈々の⾏動を「望ましい」⽅向へと変化させる介⼊ 

対象

 社会的に合意された「正しい解」が存在するもの →公衆衛⽣政策や保健政策との相性がいい

(30)

がん予防・がん検診におけるナッジの活⽤

30 

リバタリアン・パターナリズムに基づく解釈

 「⼈々がより健康で⻑⽣きし、よりよい⽣活を送る」という⽬的のために禁煙や防煙、が ん検診受診*、肝炎ウイルス検査受検を積極的に呼びかけ、選択しやすくすることは、リ バタリアン・パターナリズムにより正当化できる *がん検診の場合は指針に基づく対策型検診  しかし、強制は⾏わない  「たばこを吸う」、「検診を受けない」といった選択も尊重しなければならない  選択のため、利益のみならず不利益に関する説明も⼗分⾏う必要がある  検診や検査により不利益が⽣じる可能性があり、また肝炎ウイルス検査は感染症検査 であることなどからも、デフォルト設定をオプトアウトにすることには⼗分な配慮が必要

(31)

ナッジの代表例

<イギリス>

 ナッジを政策に取り⼊れ、積極的に活⽤

 2010年よりBehavioral Insight Team (BIT、Nudge Unit) が政策提⾔

 運転免許の更新の際の臓器提供意思表⽰のデフォルトをオプトイン(Opt-in:参加

を申し出)からオプトアウト(Opt-out:不参加を申し出)に変更→臓器提供者の 増加2)

<アメリカ>

 2010年Affordable Care Act (ACA:オバマケア、患者保護並びに医療費負担

適正化法) による医療保険加⼊の義務付け

 確定拠出型年⾦のデフォルトをオプトイン(Opt-in:参加を申し出)からオプトアウト

(32)

デフォルトの活⽤例︓オプトイン・オプトアウト

32 

あらかじめセットされたものに従う

 わざわざ変更するアクションを起こさない 

オプトインとオプトアウト

 オプトイン︓参加を表明する  オプトアウト︓参加をやめることを表明する →オプトアウトをしない限りオプトイン状態にあるとみなす 

(例)臓器提供の意思表⽰

 オプトイン→臓器提供を希望する場合は✔ チェックをいれなければ「臓器提供を希望しない」  オプトアウト→臓器提供を希望しない場合は✔ チェックを⼊れなければ「臓器提供を希望する」とみなす

(33)

デフォルトの活⽤例︓オプトイン・オプトアウト

オプトイン オプトアウト

デフォルトをオプトアウトにすると、16.3%臓器提供が増加(p<0.02)

【参考・⽇本】Q)⾃分が脳死と判定または死亡と判断された場合に、臓器提供をしたいと思うか ⇒A) 「提供したい」19.7%「どちらかといえば提供したい」22.1%

(34)

ナッジのフレームワーク①︓MINDSPACE

1)2) 34 構成要素 アプローチのポイント Messenger 誰から 情報提供者の好き嫌いや権威の有無に影響を受ける Incentives インセンティブ 標準的インセンティブ、損失回避(増えることよりも失うことを避 ける)、参照点依存性、双曲型割引など* Norms 規範 多くの⼈がやっていること(社会規範)に影響を受ける →社会規範をつくる Defaults デフォルト デフォルト(あらかじめセットされたもの)に従う オプトインからオプトアウトへ Salience 顕著性 ⽬⽴つもの、魅⼒的なもの、新しいもの、⾃分に関係があるもの に惹かれる** Priming プライミング 事前に⾒たり聞いたりしたものが⾏動のきっかけになる*** Affect 感情 ⾔葉や印象、出来事などに対する感情的な反応が意思決定に ⼤きな影響を与える Commitment コミットメント 内外への宣⾔・公約に従おうとする(書⾯に書くなども) Ego エゴ ⾃分⾃⾝の気分がよくなる⽅向に⾏動する *参照点依存性︓意思決定のもとになる価値を、特定の状態(参照点)からの変化によって決める傾向。現状、社会規範、将来などが参照点となりうる。 双曲型割引︓将来得られるベネフィット(満⾜)を⼼理的な要因によって割り引く。(例 1年後の2万円よりも今⽇⼿に⼊る1万円) **セイリアンスバイアス︓⽬⽴つ部分にばかり⽬がいく ***プライミング効果︓事前にあるものを⾒聞きしておくと、別のことが思い出しやすくなったり、覚えやすくなる

1) Institute for Government (2010). MINDSPACE Influencing behavior through public policy. 2) Halpern D (2015). Nudging goes mainstream. Inside the Nudge Unit. WH Allen. PP.38-57.

(35)

ナッジのフレームワーク②︓EAST

1) 構成要素 アプローチのポイント Easy 簡単 簡単で楽な⾏動を選ぶ Attract 魅⼒的 ⾔葉や印象、出来事など、魅⼒的に感じられるものを選ぶ Social 社会的 多くの⼈がやっていること(社会規範)に影響を受ける Timely タイムリー タイムリーな働きかけに反応しやすい

(36)

36

ナッジやソーシャルマーケティング、⾏動科学を活⽤した

がん検診受診勧奨資材の開発

国⽴がん研究センター保健社会学研究部

がん検診の普及プロジェクトホームページ

http://prev.ncc.go.jp/kenshin/

(37)

背景︓ピンクリボンキャンペーンの認知

意識 (マンモの 有⽤性) ⾏動 (受診率)

認知の変化だけでは⾏動変容は起こらない

(38)

38

ヘルスビリーフ・モデル(Health Belief Model)

がん検診

受診

罹患性(かかり やすさ)の認知 疾病の重⼤ 性の認知 有益性の認知 障壁の除去 きっかけ

Rosenstock IM. Historical origins of the Health Belief Model. Health Education Monographs. 1974;2(4):328-35.

(39)

そもそも、なぜ未受診者は受診しないのか︖

未受診者によっても

受診しない理由は様々

それぞれの気持ちに響く

メッセージを送らないと

その⾏動は変わらない

(40)

ソーシャルマーケティングの活⽤

従来より、がん予防や検診受診率向上に関する対策、研究が⾏われ

てきたが、⼗分な成果が得られていない

これまでとは異なる

新しい普及⽅法

が必要

40

ソーシャルマーケティングとは

費⽤効果を重視し、

徹底した市場調査

に基づき商品等のプロモーションを⾏う

ーケティング⼿法

を、公衆衛⽣に取り⼊れ、⼀般市⺠への普及啓発を

戦略的

⾏う取り組み

欧⽶で国の施策として取り⼊れられ始めた先駆的取り組み

 アメリカ︓NCI など

 イギリス︓National Social Marketing Centre(2006)

(41)

ソーシャルマーケティング⼿法による普及プログラムの流れ

ステップ Habit & Practice調査 対象者層を 理解し、 インサイトを 明らかに ⽅法の改善 フィードバック 分析 SWOT分析 などによる 現状分析 問題の把握、 背景・⽬的の 整理 準備(2) 準備(1) 準備(3) ⽬的とする⾏動と ⽬標、対象者層、 評価⽅法を決定 調査(1) 調査(2) 調査(3) 対象者層への コミュニケーション 戦略分析 対象者層のセ グメンテーション 調査によりター ゲッティング 調査(4) 障壁、利益、 動機づけ、 競合要因等を 明らかに + ⾏動科学モデル を活⽤し、 ターゲットの ⾏動に関連する ポジショニング 調査(5) 調査(6) コンセプト/ メッセージの 開発・評価 (プレテスト)・ 修正 クリエイティブ (普及資材)の 制作・評価(プレ テスト)・修正 調査(7) メソッドミックス の開発 4つのPを決定 ・製品(Product) ・価格(Price) ・流通チャンネル (place) ・宣伝 (Promotion) 調査(8) プログラムの 実施 + プロセス評価 (モニタリング) アウトカム評価 戦略開発 プログラムとコミュニケーション のデザイン、プレテスト プログラム 実⾏ フィードバック評価と 調査・実⾏ 綿密なフォーマティブリサーチの積み重ね 量的研究、質的研究(個別⾯接、フォーカスグループ) ターゲットにテーラードなメッセージ WHO,WHATの決定 実⾏ ⽂献 SWOT分析 ディスカッション 情報環境分析 メディアプランニング HOWの決定 介⼊ キャンペーン ツールの発信 普及⽅法の 確⽴・発信

(42)

ソーシャルマーケティング⼿法による普及プログラムの流れ

ステップ Habit & Practice調査 対象者層を 理解し、 インサイトを 明らかに ⽅法の改善 フィードバック 分析 SWOT分析 などによる 現状分析 問題の把握、 背景・⽬的の 整理 準備(2) 準備(1) 準備(3) ⽬的とする⾏動と ⽬標、対象者層、 評価⽅法を決定 調査(1) 調査(2) 調査(3) 対象者層への コミュニケーション 戦略分析 対象者層のセ グメンテーション 調査によりター ゲッティング 調査(4) 障壁、利益、 動機づけ、 競合要因等を 明らかに + ⾏動科学モデル を活⽤し、 ターゲットの ⾏動に関連する ポジショニング 調査(5) 調査(6) コンセプト/ メッセージの 開発・評価 (プレテスト)・ 修正 クリエイティブ (普及資材)の 制作・評価(プレ テスト)・修正 調査(7) メソッドミックス の開発 4つのPを決定 ・製品(Product) ・価格(Price) ・流通チャンネル (place) ・宣伝 (Promotion) 調査(8) プログラムの 実施 + プロセス評価 (モニタリング) アウトカム評価 戦略開発 プログラムとコミュニケーション のデザイン、プレテスト プログラム 実⾏ フィードバック評価と 調査・実⾏ 綿密なフォーマティブリサーチの積み重ね 量的研究、質的研究(個別⾯接、フォーカスグループ) ターゲットにテーラードなメッセージ WHO,WHATの決定 実⾏ ⽂献 SWOT分析 ディスカッション 情報環境分析 メディアプランニング HOWの決定 介⼊ キャンペーン ツールの発信 普及⽅法の 確⽴・発信 プログラム終了後も、普及⽅法や研究成果を発信し、全国規模での普及啓発として継続していくことを⽬指す

⾏動科学・マーケティングの専⾨家による綿密な調

査の繰り返しと、クリエイター(デザイナー、コピーライ

ター)など専⾨家の協⼒が不可⽋

(43)

ターゲットにあわせたメッセージによる個別受診勧奨

“どうやって受け ればいいの?” “私は絶対に 大丈夫” かるのが怖い”“がんが見つ 無関心者 (がんに無関心な層) 関心者 (がんが怖くて検診が 不安な層) 意図者 (すでに受けようと思っ ている層) 未受診者の 特性 伝える メッセージ 「乳がんは今や誰しもが心配すべき問題です」 「早く見つけてしまえば乳がんは治ります」 わかりやすく具体的ながん検診受診の方法 受診率 2.9倍 受診率3.9倍 受診率3.0倍 4.6% 13.3% 4.7% 17.3% 7.3% 25.5% 送り分けに よる効果

(44)

ナッジ︓インセンティブ(損失回避)の活⽤

44 

Fear appeal

 「損失」の危険をアピール  恐怖の度合いが強くなりすぎると、⽬を背けて無視する可能性がある  Fearを⼤きくしすぎない、かつその不安を完全に取り除ける⽅法を提⽰する 

希少性

 「この利益が得られる機会は今だけ」  やみくもに主張するのではなく、希少性には根拠が必要

(45)

インセンティブ(損失回避)の活⽤

(46)

実際に活⽤するために

実際に送り分けをするには…

事前に調査を⾏い

3種類印刷して

それぞれの特性ごとに送り分ける

メインターゲット︓検診への

関⼼者・意図者

(無関⼼者も考慮)

 未受診者の半数以上はカバーできる  無関⼼者向けのメッセージである「がん罹患の重⼤性」はʻ怖さを遡及ʼするため、関⼼者 (不安な層)を遠ざけてしまう可能性  関⼼者・意図者向けのメッセージは他のターゲットに逆に働くことはない

1種類だけ送ればいい ʻ普及版リーフレットʼ を開発

現場からの意⾒

事前調査の費⽤、⼿間

事前調査への回答が前提

3種類印刷する費⽤

送り分けの⼿間

46

(47)

リコール⽤ 乳がん検診リーフレット

(表紙)

40歳を過ぎたら 受けなければい けない 不安を取り除く ようにあたたか いトーンで 医師が後押しし てきっかけ作り

(48)

リコール⽤ 乳がん検診リーフレット

48

(中面)

乳がんは今や誰しもが 心配すべき問題です 乳がんの重大性

(49)

リコール⽤ 乳がん検診リーフレット

(中面)

(50)

リコール⽤ 乳がん検診リーフレット

50

(裏面)

わかりやすい受診方法

(51)

リコール⽤ 乳がん検診リーフレット

(中面)

どのような検査なのかわか りやすく伝えて受診の不安 を解消 検査内容について

(52)

リコール⽤ 乳がん検診リーフレット

52

(裏面)

「⼥性医師に診てもらえる…︖」 ⇒乳がん、⼦宮頸がん検診で 多くみられる不安に対応

(拡⼤)

受診曜⽇や時間帯、

⼥性医師によ

る検診の提供

など、詳細は各医療

機関にお合わせの上、

ご都合にあった医療機関に直接ご予

約ください。

(53)

リコール⽤ 乳がん検診リーフレット

(裏面)

「0円で受けられます」だけではなく、 「⾃治体から10,000円の助成があります」 とすることで、本当は⾼価な価値のある検診が今 なら安く受けられるというお得感を強調 ⇒「安かろう悪かろう」ではない 具体的な助成金額

(54)

54 コール⽤リーフレット (年度始めに⼀⻫送付) -五がん検診 リコール⽤ リーフレット (未受診者へ送付) ⼤腸、乳、⼦宮頸、胃、肺がん 圧着はがき ⼤腸、乳、⼦宮頸、胃、肺がん リーフレット送付⽤ 定型封筒 セット受診⽤チラシ肺・胃・⼤腸がん すべての資材の電⼦ファイルを無償で提供中 (http://prev.ncc.go.jp/kenshin/) 「がん検診 ソーシャルマーケティング」で検索

(55)

乳がん圧着はがき

(表⾯)

(56)

乳がん検診

当部資材なし

当部資材あり

受診勧奨後の受診率⽐較(特に効果があった市町村)

56 0 10 20 30 40 50

A市 B市 C市D市 E市 F市 G町H市 I市 J市

対照群(前年度) 当部資材群

すべて統計的有意 %

溝⽥, ⼭本. がん検診の効果的な個別受診勧奨. 受診勧奨資材の開発と提供による ⾃治体のがん検診受診率向上対策⽀援. 保健師ジャーナル 2017;73(12):991-9.

(57)

厚⽣労働省「がん検診受診率向上ハンドブック」

監修

(2016年2⽉)

(58)

総合⽀援事業実施要綱

(2018年4⽉)

(59)

Dissemination

当プロジェクトウェブサイト

都道府県と協⼒し、全国で市

町村研修

厚労省作成がん検診受診率向

上ハンドブック(当部監修)

郵送によるサンプル配布

メーリングリストによるコンサルテー

ション

(60)

60

より効率よく、受診勧奨を⾏うために

国⽴がん研究センター保健社会学研究部

がん検診の普及プロジェクトホームページ

(61)

全国放送テレビ番組と全国⾃治体による個別通知を

組み合わせた乳がん検診受診勧奨の普及・実装研究

NHKの⼈気番組「ガッテン︕」と連動した受診勧奨

放送予定︓2018年9⽉5⽇(⽔) NHK総合 19:30〜20:15 同再放送︓2018年9⽉8⽇(⼟) NHK総合 0:25〜1:10 (7⽇(⾦) 深夜) NHKオンデマンド(インターネット)︓ 放送後14⽇間 NHKワールド プレミアム(国際)︓ 9⽉5⽇(⽔)19:30〜20:15 同再放送︓ 9⽉6⽇(⽊)10:05〜10:50 「86万⼈の⾃宅に届く︕乳がんで死なないための切り札をあなたへ」

(62)

放送までの経緯

都道府県・市区町村との関係

 2007年度からがん予防・がん検診について資材の開発を開始  2011年度から都道府県がん検診担当者研修会、市区町村がん検診担当者研 修会  2012年度からがん検診受診勧奨資材ファイルの提供  2012年度から資材サンプルをすべての都道府県、市区町村に送付 

NHK科学・環境番組部

 2007年度がん予防に関するクイズを監修 →視聴者との双⽅向で何か⾏えないか︖  以降、科学・環境番組部とのつながり  ガッテン︕、クローズアップ現代、NHKスペシャル… 62

(63)

-⾏動科学とナッジの活⽤-

⽬的︓⾏動科学やソーシャルマーケティング、ナッジを活⽤し、環境に働きかける新たなアプローチ* により、国⺠のがん検診受診⾏動を促す 全国放送テレビ (約1,200万⼈が視聴) 全国⾃治体 (約360市区町村) ・受診者数増加の効果が実証された受診勧 奨リーフレットとはがきの開発と⾃治体への提供 ・⾃治体への参加の呼びかけ 番組放送と同時に、⾃治体から対象者個⼈ に、がん検診の通知を届ける →放送内容の⾃分事化 →国⺠ひとりひとりに直接のアプローチが可能 (助成内容を伝え、申込み⽅法を指⽰) おなじみのバラエティ番組から、 ʻおもし ろくʼ がん検診の必要性やがんに関す る知識を伝え、受診を呼びかけ →関⼼・受診意図を⾼める ・伝えるべき情報の監修 国⽴がん研究センター 保健社会学研究部 乳がん検診 未受診者 (約86万⼈) 期待される成果︓マスメディアと個別受診勧奨の組み合わせによる、新しい効果的な全国規模 の受診勧奨⽅法の開発。他がん種、他メディアなどでの展開を計画中。

(64)

ヘルスビリーフ・モデル

(Health Belief Model)

⼈々が疾患予防もしくは早期発⾒のためのプログラムに参加しない理由を明らか

にするために考案された概念

64

がん検診

受診

罹患性(かかり やすさ)の認知 疾病の重⼤ 性の認知 有益性の認知 障壁の除去 きっかけ

Rosenstock IM. Historical origins of the Health Belief Model. Health Education Monographs. 1974;2(4):328-35.

(65)

マスメディアと個別受診勧奨の組み合わせ

両者の組み合わせにより、弱点を補い、相乗効果が期待できる

マスメディア 個別受診勧奨 (client reminder) 強み  ⾮常に多くの⼈数に⼀⻫に働きかけるこ とが可能  影響⼒の⼤きさ、ブームを作る  「娯楽」の側⾯をもつため、情報を楽しく 伝える、関⼼のない⼈に関⼼を持たせる、 認知の変化をもたらすことに有効  対象者宛に個別に届くことにより、 「⾃分事化」が可能  具体的・対象者に特化した動作 指⽰  届くことできっかけを与える 弱み  具体的・対象者に特化した動作指⽰の 不⾜  「⾃分事化」の不⾜ ⇒⼀般的な⾏動(ex.トマトを買う)の変 容は起こせるが、がん検診に関しては⾏ 動変容には結びつかない  そもそも通知を読まなかったら、情 報を伝えることができない ⇒無関⼼者への効果が出づらい

(66)

複合的アプローチの先⾏研究例

ベトナム系アメリカ⼈への乳がん検診受診勧奨RCT(California, US)

(Am J Prev Med. 2009;37(4):306–13)

 Arm 1: マスメディア(ベトナムローカルチャンネル)+2か国語のブックレット  Arm 2: マスメディア+2か国語ブックレット+グループ教育(⾃分事化)+予約⼿伝い(⾔葉 の障壁除去)  サンプルサイズ: 1,100⼈  結果  Arm 1: 受診率74%→75.6%(change:1.6pct pts, P=0.37)  Arm 2: 受診率64.7%→82.1%(change:17.4pct pts, P<0.001) 66

出典︓ CPSTF(U.S Community Preventive Services Task Force) community guide

http://www.thecommunityguide.org/cancer/screening/client-oriented/index.html

*CPSTF(U.S Community Preventive Services Task Force)

community guide の Multicomponent Interventions の

レビューでは、

マスメディアと個別通知を⽤いた全国規模の介⼊は

(67)

番組選定の理由

NHKは公共放送であり中⽴な⽴場であることから、⾃治体にとっても

協⼒しやすい

公共の福祉につながる実験的な試みに関⼼が⾼い

1995年から20年以上続く⼈気番組であり、多くの⼈の視聴が⾒込

まれる

科学番組としての評価も安定している

数々の健康ブームを⽣むなど放送後の反響の⼤きさの実績がある

など

(68)

企画内容(1)

⽬的

 NCC保健社会学研究部と全国の⾃治体が協働し、NHK「ガッテン︕」の放送も連動し て、乳がん検診受診の個別勧奨を⾏う 

番組内容

 NHK総合  放送︓2018年9⽉5⽇(⽔) NHK総合 19:30〜20:15  再放送︓2018年9⽉8⽇(⼟) NHK総合 0:25〜1:10 (7⽇(⾦) 深夜)  NHKオンデマンド(インターネット)  放送後14⽇間  NHKワールド プレミアム(国際)  放送︓9⽉5⽇(⽔)19:30〜20:15  再放送︓ 9⽉6⽇(⽊)10:05〜10:50  NHKガッテン︕「86万⼈の⾃宅に届く︕乳がんで死なないための切り札をあなたへ」  乳がんに関する基礎知識や乳がん検診の利点と限界を⽰し、がん検診受診率向上のた めに当部が開発した資材とその理論的根拠、これまでの成果を紹介し、乳がん検診の受 診を呼びかける 68

(69)

NCC保健社会学研究部

 テレビ番組の放送⽇に合わせて、全国の⾃治体から乳がん検診対象者宛にがん検 診受診個別通知(圧着はがき)が届くように、都道府県を経由して全国の市区町 村に依頼 

資材(乳がん受診勧奨 圧着はがき)

 個別勧奨による「⾃分事化」と、どこにいつ連絡し、どうすれば乳がん検診が受けられる かといった市町村ごとの具体的な「動作指⽰」 

⾃治体

 テレビ放送⽇の直前に届くよう、圧着はがきを送付  番組放送後には、たくさんの受診申し込みが⾏われることが予想されるため、問い合わ せ対応および、がん検診の受け⽫(受診機会)増加の準備 

期待される効果

 テレビ番組による強烈な認知と、個別勧奨による「⾃分事化」と「きっかけ」、「動作指 ⽰」を与えることでこれまでの未受診者を含む、多くの⽅の受診につながる

44都道府県、360を超える市区町村から、

企画内容(2)

(70)

⾃治体への通知

プロジェクトの案内(2018年6⽉〜)

<参加の有無を問わずすべての⾃治体に>放送に備えた対応の準備

番組では「はがきが届いていなくても、市区町村に問い合わせてください」

放送後は乳がん検診の問い合わせや申し込みが殺到することが予想される

ため、

放送翌⽇からの問い合わせ対応

(可能な限り)

受診枠を増やす

希望どおりの予約がとれない⼈に対しても、

⽇にちの変更等を提案し、受診

につなげる。断って終わりにはしない。

⇐「申し込んでも無駄」と思わせたら、今後逆に検診から遠のいてしまう

今年度対象でない⼈に対しては、

来年度対象であり、「いつ、どのように申し

込めるか」具体的な指⽰

⼼を込めた対応

⇐担当者⼀⼈の対応が、がん検診全体の印象につながる

70

(71)

 資材⾃体  ナッジにおけるインセンティブ  ソーシャルマーケティング調査により、対象者のインサイトに応じたメッセージ 

個別通知の送付

 ヘルスビリーフモデルにおけるきっかけ 

テレビ番組

 ヘルスビリーフモデルにおける「認知の変化」  ナッジにおける「タイムリー」、「社会規範」 

番組に前後に様々な⾓度からの情報提供

 ナッジにおける「プライミング」 <放送前> ・NHK︓健康関連サイト(健康チャンネル)、動画(NHKオンライン)、ツイッター、facebook ・NCC︓プレスリリース、ホームページ ・⾃治体︓広報誌、ホームページ <放送後> ・NHK︓2週間後に放送後の反響を報告(ガッテン︕「ひき⾁」)、健康関連サイト(健康 チャンネル、1.5チャンネル)、クローズアップ現代「乳がんを乗り越える(2018年10

戦略的なナッジ

(72)
(73)

NHK広報

番組の垣根を越え、科学・環境番組部全体での広報

番組予告、Facebook、Twitter

NHKオンライン「NHK 1.5チャンネル」

 『乳がん「4つの疑問」これってウソ︖ホント︖』(協⼒・監修)  (2018年9⽉4⽇〜公開中)  内容︓乳がんに関する知識を伝えるとともに、「ガッテン︕」の9⽉5⽇放送回のページと受診勧奨 はがきを紹介 

NHKオンライン「NHK 健康チャンネル」

 『乳がん情報まとめ 検診・セルフチェックから最新治療まで』(協⼒・監修)  (2018年8⽉28⽇〜公開中)  内容︓乳がんに関する知識を伝えるとともに、「ガッテン︕」の9⽉5⽇放送回のページと受診勧奨 はがきを紹介 

NHKオンライン「NHK 健康チャンネル」

 『乳がん検診に⾏っていないあなたへ そのモヤモヤ解消します︕』(2018年9⽉5⽇〜掲載中)  内容︓乳がん検診に関する知識や受診勧奨の取り組みを伝えるとともに、「ガッテン︕」の9⽉5⽇ 放送回のページと受診勧奨はがきを紹介

(74)

メディア掲載

新聞掲載 30誌

 朝⽇新聞/毎⽇新聞  共同通信/共同通信デジタル/どうしんウェブ(北海道新聞)/デーリー東北新聞/  やまがたニュースオンライン(⼭形新聞)/Web 東奥/  さきがけ on The Web(秋⽥魁新報)/新潟⽇報モア/福島⺠友/  東京新聞/千葉⽇報オンライン/茨城新聞クロスアイ/⼭梨⽇⽇新聞/  京都新聞/AGARA紀伊⺠報/⼭陽新聞デジタル/徳島新聞WEB/⾼知新聞/  宮崎⽇⽇新聞/伊勢新聞/四国新聞/福井新聞ONLINE/下野新聞SOON/  河北新報ONLINE NEWS/上⽑新聞ニュース/AGARA紀伊⺠報/  沖縄タイムスプラス/SANSPO.COM(産経スポーツ) 

インターネットニュース 22サイト以上

 YAHOO! JAPANニュース/オリコンニュース/47NEWS/

 Asahi Shimbun Digital & M/SankeiBiz/Googleニュース/excite ニュース/  楽天WOMAN/@niftyニュース/Infoseek楽天 NEWS/Livedoorニュース/  RBB TODAY/Gooニュース/AFP BBNews/マイナビニュース/

 J-CAST ニュース/Fresh eyeニュース/MANTANWEB/モデルプレス/  Medical Tribune/週刊エコノミスト/週刊⼥性PRIME

(75)
(76)

放送後の反応

ナッジの限界

 「啓蒙的すぎる」ことへの反発や、利⽤している「⼿の内」を明かすことにより、効果が 弱まる  例)電⼒使⽤量について「平均的使⽤料」と「効率的使⽤料」を⽰し、「効率的使⽤料」 に誘導しようと試みたところ、政治的にリベラルな対象者は狙い通り使⽤料を削減したが、 保守的な対象者は逆に使⽤料を増やした

反発もあるのかもしれませんが…

放送後の反応

 放送翌⽇に約1,000件のコメントが寄せられたが、⾮常に好意的  取材を⾏った市町村では申込みが殺到 ⇒2週間後のガッテン︕テーマ「ひき⾁」の回に放送後の反応を紹介 ⇒「健康」に関⼼のない視聴者にも⾒てもらうことを意図  ツイッターなどでの「検診を受けよう」の広がり  何か⼿伝いたいというお申し出(⼀般の⽅やがんサバイバー、そのご家族などから) 76

(77)

今後に向けて

乳がん受診者数等の結果の公表

 2018年度末までの受診者数等を集計(2018年5⽉末)  NHKでも結果を紹介予定 

他のメディアとの協働も企画中

 ラジオ、新聞、雑誌… 

⾃治体や議員等からの今後の企画への依頼

⾃治体のみならず、いろいろな⼈たちとも協働できるのでは

 患者さんや⼀般の⽅の呼びかけ、協⼒の申し出  医療機関でも今回の番組に関して「参加しています」とホームページなどで掲載 

扱う内容

 今回は「対象者の健康のため」に「指針で推奨されている対策型検診」を扱った (リバタリアン・パターナリズムに基づくナッジの活⽤)  肝炎ウイルス検査、健康診断の項⽬、、、配慮が必要

(78)

78  国⽴がん研究センター保健社会学研究部がん検診の普及プロジェクトホームページ http://prev.ncc.go.jp/kenshin/  がん検診受診勧奨  溝⽥友⾥、⼭本精⼀郎. ソーシャルマーケティングを活⽤したがん予防⾏動の「普及」の試み. 公衆衛⽣ 情報2011;40(12):26-9.  溝⽥友⾥、⼭本精⼀郎. がん検診の効果的な個別受診勧奨. 受診勧奨資材の開発と提供による⾃ 治体のがん検診受診率向上対策⽀援. 保健師ジャーナル 2017;73(12):991-9.  就職と喫煙の関係  溝⽥友⾥、⼭本精⼀郎. ⼈事担当者における就職応募者の喫煙に関する認識. ⽇本衛⽣学雑誌 2012;67(1):84-9.  ⼤学⽣の禁煙・防煙  溝⽥友⾥、⼭本精⼀郎. がん予防のためのソーシャルマーケティング⼿法. 体育の科学 2012;62(2):109-18.  ソーシャルマーケティング  溝⽥友⾥、⼭本精⼀郎. がん予防のためのソーシャルマーケティング⼿法. 体育の科学 2012;62(2):109-18.  溝⽥友⾥. 「ソーシャルマーケティング」 ⽇本健康教育学会編 「健康⾏動学-健康教育理論の変遷 とその実践(仮)」 医学書院 in press

参考

参照

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