Oracle ホワイト・ペーパー
2013 年 6 月
Oracle Database Appliance への SAP HA
ASCS/ERS インスタンスのインストールと構成
ベスト・プラクティス・ガイド
目次
インストールの前提条件 ... 3
ASCS のインストール... 4
ERS のインストール ... 5
HA 固有の追加手順 ... 9
2インストールの前提条件
複数のホストに分散した高可用性 SAP システムをインストールする場合、最初の手順として、
ASCS インスタンスを共有ディスクにインストールする必要があります。
Oracle Database Appliance
では、共有ディスクとして ACFS ファイル・システムを使用します。
したがって、/sapmnt および/usr/sap/<SID>が ACFS 上に構成され、NFS 経由で必要なサーバーにす
べて分散されていることを確認してください。ASCS インスタンスには、独自の仮想 IP アドレス
または仮想ホスト名があり、この IP アドレスは、Oracle Clusterware により管理されます。SAP イ
ンストーラは ASCS のインストール時に、この IP アドレスを解決できることが必要です。この IP
アドレスは、Oracle Clusterware のリソース管理プログラム crsctl により開始および停止します。
例:
[root@lsoda01 sap]# /u01/app/11.2.0.3/grid/bin/crsctl start ip -A ascs-vip/255.255.252.0/bond0 [root@lsoda01 sap]# ifconfig -a | grep bond0
bond0 Link encap:Ethernet HWaddr 00:21:28:F1:36:8C bond0:1 Link encap:Ethernet HWaddr 00:21:28:F1:36:8C bond0:2 Link encap:Ethernet HWaddr 00:21:28:F1:36:8C bond0:3 Link encap:Ethernet HWaddr 00:21:28:F1:36:8C xbond0 Link encap:Ethernet HWaddr 90:E2:BA:05:DF:C0 [root@lsoda01 sap]# ifconfig -a bond0:3
bond0:3 Link encap:Ethernet HWaddr 00:21:28:F1:36:8C inet addr:10.20.91.107 Bcast:10.20.91.255 Mask:255.255.252.0
UP BROADCAST RUNNING MASTER MULTICAST MTU:1500 Metric:1 Server: 10.17.121.30
Address: 10.17.121.30#53 Name: ascs-vip.wdf.sap.corp Address: 10.20.91.43 [root@ascs-vip]#
インストールを開始する前に、SAP の Software Provisioning Manager の Master Guide で説明されて
いる必要なシナリオを確認してください。
ASCS のインストール
仮想ホスト名を使用して、SAP インストールを起動して ASCS をインストールできます。
[root@lsoda01 sap]# sapinst SAPINST_USE_HOSTNAME=ascs-vip
ここでは、最初のエントリの手順のみで、すべてのインストール手順は説明しません。
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ERS のインストール
ASCS のインストールが問題なく完了したら、次に Enqueue Replication サーバー・インスタンス
ERS をインストールします。ERS は、ローカル・ホスト名を使用して、すべてのノードにインス
トールする必要があります。これが、SAPinst のデフォルトです。そのためには、単にパラメータ
無しで SAPinst をコールします。
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最初のクラスタ・ノードへのインストール完了後、引き続き ERS インスタンスを 2 番目のクラス
タ・ノードにインストールします。
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HA 固有の追加手順
ASCS インスタンスをスイッチ・オーバーするシステムを準備するには、追加手順が必要です。
ASCS は共有ファイル・システム（ACFS）にインストールされるため、すべてのノードで使用可
能ですが、登録されるのは最初のノードのみです。次の手順に従って登録してください。
最初のノード（ASCS のインストール・ノード）で ASCS を停止します。
lsoda01:os1adm 102> sapcontrol -nr 00 -function Stop
最初のノード（ASCS のインストール・ノード）でサービス ASCS を停止します。
sapcontrol -nr 00 -function StopService
最初のノードで仮想 IP アドレスを停止します。
[root@lsoda01 inst_ERS]# crsctl stop ip -A ascs-vip/bond0
2 番目のノードで仮想 IP アドレスを開始します。
[root@lsoda02 inst_ERS]# crsctl start ip -A ascs-vip/255.255.252.0/bond0
切り替えた仮想 IP アドレスを使用して、2 番目のノードに ASCS インスタンスを登録します。
[root@lsoda02 inst_ERS]# /usr/sap/hostctrl/exe/saphostctrl -function RegisterInstanceService -sid OS1 -nr 00 -saplocalhost ascs-vip
Webmethod returned successfully
Operation ID: 002128F134F81ED2B69FA9DB436E93DF
--- Log messages ----
Info: saphostcontrol: Executing 'sapstartsrv'
Info: saphostcontrol: 'sapstartsrv' successfully executed Info: saphostcontrol: Executing 'sapstartsrv'
Info: saphostcontrol: 'sapstartsrv' successfully executed [root@lsoda02 inst_ERS]#
登録中に、SAP がシェル・スクリプト/etc/init.d/sapinit をカスタマイズします。このサービス・ス
クリプトが、ブート時にすべての sapstartservices を起動しますが、次のコマンドを使用すると起
動の確認ができます。
[root@lsoda02 inst_ERS]# ps -ef | grep sap
os1adm 7089 1 0 Jun19 ? 00:00:04 /usr/sap/OS1/ASCS00/exe/sapstartsrv pf=/usr/sap/OS1/SYS/profile/START_ASCS00_ascs-vip –D
os1adm 9175 1 0 Jun19 ? 00:00:03 /usr/sap/OS1/ERS10/exe/sapstartsrv pf=/usr/sap/OS1/ERS10/profile/START_ERS10_lsoda02 -D -u os1adm
root 7698 1 0 Jun19 ? 00:00:00 /usr/sap/hostctrl/exe/saphostexec pf=/usr/sap/hostctrl/exe/host_profile sapadm 7701 1 0 Jun19 ? 00:00:02 /usr/sap/hostctrl/exe/sapstartsrv pf=/usr/sap/hostctrl/exe/host_profile-D root 8827 1 0 Jun19 00:01:57 /usr/sap/hostctrl/exe/saposcol -l -w60
起動と停止は Oracle Clusterware が管理します。そのために、システムの起動時に ASCS サービス
および ERS サービスが起動しないようにする必要があります。両方のノードでファイル
/etc/init.d/sapinit の一部の行をコメントアウトしてください。
最初に、次のコマンドを使用して、オペレーティング・システム・サービス sapinit を停止します。
[root@lsoda02 inst_ERS]#/etc/init.d/sapinit stop
次に、ファイル/etc/init.d/sapinit を編集し、次の行をコメントアウトします。
425 #
426 # Implements the start 427 # 428 start() { 429 setup_limit 430 431 current_dir=`pwd` 432 if [ -x "${HOSTEXEC_PATH}" ]; then 433 ${HOSTEXEC_PATH} pf=${HOSTEXEC_PROFILE_PATH} 434 fi 435 436 read_sapservices 437
438 ##### for index in `${SEQ_CMD} 0 $((${#g_commands[@]} - 1))` 439 ##### do
440 ##### vv=`sh -c "${g_commands[index]}"` 441 ##### if [ -n "$vv" ]; then
442 ##### echo "failed to start ${g_commands[index]}: $vv" 443 ##### fi 444 ##### done 445 446 cd ${current_dir} 447 unset vv 448 unset index
サービス sapinit を再起動します。
[root@lsoda02 init.d]# ./sapinit start
ASCS サービスおよび ERS サービスが起動しないように制御します。
[root@lsoda02 init.d]# ps -ef | grep sap
root 32458 1 0 16:12 ? 00:00:00 /usr/sap/hostctrl/exe/saphostexec pf=/usr/sap/hostctrl/exe/host_profile sapadm 32509 1 0 16:12 ? 00:00:00 /usr/sap/hostctrl/exe/sapstartsrv pf=/usr/sap/hostctrl/exe/host_profile -D root 32600 1 0 16:12 00:00:00 /usr/sap/hostctrl/exe/saposcol -l -w60 pf=/usr/sap/hostctrl/exe/host_profile root 32667 16917 0 16:12 pts/0 00:00:00 grep sap
前述したように、2 番目のノードの/etc/init.d/sapinst で一部の行を必ずコメントアウトしてくださ
い。
プログラム sapcontrol を使用すると、サービス、ASCS インスタンスおよび ERS インスタンスを
起動・停止できます。
sapcontrol –nr <Instancenumber> -function StartService <SID> sapcontrol –nr <Instancenumber> -function StopService sapcontrol –nr <Instancenumber> -function Start sapcontrol –nr <Instancenumber> -function Stop
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Oracle Database Appliance への SAP HA ASCS/ERS インスタンス のインストールと構成 2013 年 6 月 著書: Martin Sautter 寄稿者: Jan Klokkers Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 海外からのお問合せ窓口: 電話: +1.650.506.7000 ファックス: +1.650.506.7200 oracle.com
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