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ETHODOLOGY
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不動産ポートフォリオ・キャッシュフロー変動リスク格付
コンタクト先 :
東京
竹之内 哲次 SVP- チームリーダー 03.5408.4165 [email protected]目次
はじめに 不動産ポートフォリオ・キャッシュフロー変動リスク格付け I. 本件格付けの定義 II. 分析手法 1. 個別物件の純収益の変動性の推計 2. 個別物件間の相関係数の推計 3. 本件格付けの対象になる不動産ポートフォリオの純収益の変動性の 決定 4. 不動産ポートフォリオの純収益の変動性の水準と本件格付け符号に ついて 5. 本件格付けの分析プロセスにおいて有用な情報について III. 本件格付けの具体例 おわりにはじめに
日本におけ る 不動産投資市場は、 不動産投資信託 (J-REIT) 及び不動産私募フ ァ ン ド な ど に よ る 不動産証券化を通 じ て近年拡大を遂げてい る1。こ う し たマーケ ッ ト において 投資対象 と な る 不動産のポー ト フ ォ リ オは、 その規模、 物件数、 アセ ッ ト タ イ プ も 多 様化 し て き てお り 、 投資 リ ス ク も ま た多様であ る 。 一方、 不動産投資におけ る エ ク イ テ ィ 投資家について も 、 J-REIT の投資証券は小口化 さ れ買いやすい こ と か ら 個人投資 家の参入を促 し 、 ま た、 年金基金が資産運用先の 1 つ と し て不動産私募フ ァ ン ド への 投資を行っ てい る な ど、 近年投資家の裾野 も 広が り 、 不動産投資の リ ス ク に精通 し た 機関投資家等のプ ロ に加え必ず し も 不動産の専門家ではない投資家の参加 も 見 ら れ る よ う な状況 と な っ てい る 。 ただ し 投資利回 り の高い商品は必ず し も キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー が安定的 と は言えず、 いわゆ る ハ イ リ ス ク ・ ハ イ リ タ ーンの商品であ る おそれがあ る な ど、 不動産投資商品の リ ス ク 分析には、 十分な情報開示 と と も に専門的な分析能力 が必要 と さ れ る 。 し か し なが ら 、 こ う し た不動産投資商品は、 例えば来期の予想収益 配当な ど リ タ ーンに関す る 情報提供は通常あ る も のの、 キ ャ ッ シ ュ フ ロ ーがど の程度 変動す る 可能性があ る か と いっ た投資 リ ス ク に関す る 定量的な分析については情報提 供が限定的であ る のが現状であ る 。 こ う し たマーケ ッ ト 状況を踏ま え、 ムーデ ィ ーズ 1. 国土交通省が実施 し てい る 「不動産の証券化実態調査」 に よ る と 、 不動産証券化の市場規模は、 平成 15 年 度約 4.0 兆円、 平成 16 年度約 5.3 兆円、 平成 17 年度約 6.9 兆円 と な っ てい る。2010
年 9 月 30 日
Methodology for Assigning Real Estate Cash Flow Volatility Ratings
は不動産ポー ト フ ォ リ オの キ ャ ッ シ ュ フ ロ ーの安定性及び変動 リ ス ク に関 し て第三者の立場か ら 意見表明す る サービ ス を行 う こ と で不動産証券化市場の発展に寄与 し たい と 考え てい る 。 ムーデ ィ ーズは 2005 年よ り 、 日本において不動産ポー ト フ ォ リ オ ・ キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー変動 リ ス ク 格付け (以下、 「本件格付け」 と い う 。) を開始 し てい る 。 本件格付けは、 対象にな る 不動産ポー ト フ ォ リ オが生み出すキ ャ ッ シ ュ フ ロ ーの変動性の程度について、 ムーデ ィ ーズが行 う 意見の表明であ る 。 こ れに よ り 、 不動産投資商品のエ ク イ テ ィ 投資家に対 し 、 1 つの投資判断材料を提供する役割を果たす こ と をね ら い と し てい る。 本レ ポー ト の目的は、 不動産ポー ト フ ォ リ オ ・ キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー変動 リ ス ク 格付けの手法等を紹介す る こ と であ る 。
不動産ポートフォリオ・キャッシュフロー変動リスク格付け
I. 本件格付けの定義
ムーデ ィ ーズの不動産ポー ト フ ォ リ オ ・ キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー変動 リ ス ク 格付けは、 本件格付けの付与対象にな る 不 動産ポー ト フ ォ リ オが生み出すキ ャ ッ シ ュ フ ロ ー (純収益 (Net Operating Income)) の変動性の程度についてのムー デ ィ ーズの意見であ る 。 ただ し 、 現状の純収益が安定的な純収益に到達す る ま での期間及びその期間の純収益の変動性の程度については こ こ では考慮 さ れていない。 すなわち、 個別物件のキ ャ ッ シ ュ フ ロ ーに関 し て、 例えば現状一時的に大量の空室 が発生 し てい る 場合、 その リ ース ア ッ プが進むま での期間に純収益は上昇す る が、 こ れを も っ て純収益の変動性 の程度が高い と 評価す る こ と は適切ではない。 ま た例えば、 個別事情に よ っ て物件の市場賃料レベル よ り は る か に高い賃料で入居 し てい る テナン ト がい る こ と に よ り 純収益が実力以上に高い場合、 こ のテナン ト が退去 し た と き 純収益は低下す る が、 こ れを も っ て純収益の変動性の程度を評価す る こ と はやは り 適切ではない。 こ の よ う に 現状の純収益の水準を基準 と し て純収益の変動性を評価 し よ う と す る と 評価上のバ イ ア ス がかか る おそれがあ る ため、 対象物件が生み出す こ と ので き る 安定的純収益の水準を基準 と し て、 そ こ か ら の純収益の変動性を評価す る こ と と し てい る 。 こ のため、 安定的純収益の水準についてはムーデ ィ ーズが評価 し た純収益を用いてい る (評 価方法後述)。 ま た純収益の変動性については、 レ バ レ ッ ジ効果考慮前の も のであ り 、 レ バ レ ッ ジ効果を考慮 し て算出 さ れ る 投 資証券のエ ク イ テ ィ 投資家の投資収益の変動性 と は異な る 。 ま た不動産価格の変動 リ ス ク や、 エ ク イ テ ィ 配当を 制限す る ト リ ガー メ カ ニ ズ ム な ど ス ト ラ ク チ ャ ーの作 り こ みに起因す る 投資証券のエ ク イ テ ィ 投資家の投資収益 の変動 リ ス ク は、 こ こ では考慮 さ れていないが、 投資証券の投資家の収益率に大 き く 影響す る こ と があ る 。 本件格付けは、 日本の不動産マーケ ッ ト に関 し て ムーデ ィ ーズが得てい る 情報に基づいた分析を行っ てい る 。 本 件格付けは信用 リ ス ク に関す る 債務の格付け と は異な る 。 ムーデ ィ ーズは、 本件格付けの付与後、 本件不動産ポー ト フ ォ リ オか ら 生 じ る キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー及び本件格付け を モニ タ ーす る も のではない。 ま た、 ムーデ ィ ーズは、 不 動産ポー ト フ ォ リ オに関す る 本件格付けが表象す る 変動性が実際の純収益の変動性 と 異な り 得 る こ と について、 いかな る 保証 も 行っ ていない。 ムーデ ィ ーズは、 格付け意見お よ び リ サーチ を出版す る 会社であ る 。 ムーデ ィ ーズは、 証券の募集 ・ 販売に関与 せず、 ま た募集を行 う 当事者の業務を代理す る こ と はない。 ま た ムーデ ィ ーズは、 証券 も し く は不動産ポー ト フ ォ リ オの価値に関す る 意見を示 し 、 ま たは表明を行な う も のではない。 ムーデ ィ ーズの格付けは、 ムーデ ィ ーズの 単独の意見に よ り 、 あ る 情報の存在 ま たは不存在が格付の変更、 停止 ま たは撤回を正当化す る と 判断 さ れ る 場合 はいつで も 、 変更、 停止ま たは撤回 さ れ る 可能性があ る 。 不動産ポートフォリオ・キャッシュフロー変動リスク格付け符号 CFV-1 :純収益の安定性が最 も 高 く 、 純収益の変動 リ ス ク が限定的であ る と 判断 さ れ る 不動産ポー ト フ ォ リ オ に対す る 本件格付け CFV-2 : 純収益の安定性が高 く 、 純収益の変動 リ ス ク が低い と 判断 さ れ る 不動産ポー ト フ ォ リ オに対す る 本件 格付け CFV-3 :純収益の変動 リ ス ク が中程度 と 判断 さ れ る 不動産ポー ト フ ォ リ オに対す る 本件格付け CFV-4 :相当の純収益の変動 リ ス ク があ る と 判断 さ れ る 不動産ポー ト フ ォ リ オに対す る 本件格付け CFV-5 :純収益の変動 リ ス ク が高い と 判断 さ れ る 不動産ポー ト フ ォ リ オに対す る 本件格付けムーデ ィ ーズは CFV-2 か ら CFV-5 ま での符号に、 " + " と " − " と い う 付加記号を加えてい る。 " + " は本件格付 けのカ テ ゴ リ ーで上位に位置す る こ と を示 し 、 " − " は下位にあ る こ と を示す。
II. 分析手法
ムーデ ィ ーズは、 以下の よ う な手法に よ り 本件格付けの付与を行 う 。 まず、 1) 対象ポー ト フ ォ リ オに含まれ る全物件について個別物件の純収益の変動性の推計を行い、 次に、 2) 対象 ポー ト フ ォ リ オの個別の 2 物件の全組み合わせについて、 純収益の変動性に関する相関係数の推計を行い、 3) こ れ ら を用いて本件格付けの対象 と な る 不動産ポー ト フ ォ リ オ と し ての純収益の変動性を求め る 。 1.個別物件の純収益の変動性の推計 個別物件の純収益の変動性 (年率の変動性2) は、 に よ り 表す も の と す る 。 こ の場合の純収益の標準偏差及び安定的純収益は、 標準的な ア セ ッ ト マネジ ャ ー、 プ ロ パテ ィ マネジ ャ ー等に よ り 運営 さ れた こ と を想定 し た場合の物件が生み出す純収益の変動性を評価す る も のであ る 。 し たが っ て、 現行のア セ ッ ト マネジ ャ ー、 プ ロ パテ ィ マネジ ャ ー等の運営能力 ・ 方針を前提 と し た も のでは ないため、 現実の純収益の変動性は、 現実のア セ ッ ト マネジ ャ ー、 プ ロ パテ ィ マネジ ャ ー等の運営能力 ・ 方針の 影響を受け る 。 純収益の変動性の算出過程は以下の と お り 。 (1) は じ めに、 ムーデ ィ ーズの保有す る 過去収支を含む各種物件デー タ を利用 し て、 純収益の変動性を目的変 数 と す る 回帰分析を実施 し た。 その結果、 築年数、 駅か ら の距離、 総戸数等、 純収益の変動性を説明す る 説明変数 (物件要素) を抽出 し 、 その影響度を勘案 し た回帰式を求めた。 (2) 次に、 各対象物件について、 算出 さ れた回帰式に各物件要素を あ てはめ、 純収益の変動性を算出 し た。 (3) さ ら に、 マ ク ロ 要因 (賃料の上昇、 下降 ト レ ン ド 等) 、 エ リ ア要因 (サブマーケ ッ ト におけ る 地位、 サブ マーケ ッ ト の需給動向等) 、 周辺環境要因 (騒音、 ごみ焼却場な ど の嫌悪施設の有無、 再開発計画等の有 無等)、 設備要因 (IT 設備、 セキ ュ リ テ ィ シ ス テ ム等)、 テナン ト と の賃貸借契約の内容およ びテナン ト の属性 ・ 特徴、 過去の純収益の変動実績等、 対象物件毎の個別事情を勘案の上、 最終的に純収益の変動性 を決定 し た。 ムーデ ィ ーズは以下に示す算定方法に よ り 安定的純収益を算出す る 。 算出にあ た っ ては、 賃料、 空室率、 維持管 理費等について投資期間中の安定的な水準を評価 し てい る 。 なお、 安定的純収益の算定方法 と 鑑定評価におけ る 収益価格算定のためのキ ャ ッ シ ュ フ ロ ーの算定方法 と は、 その考え方が必ず し も 一致 し ない。 安定的純収益=安定的収入−安定的支出 (安定的収入) 賃料 (含 : 共益費)、 水道光熱費収入、 駐車場収入、 その他収入 (看板代等) ※礼金、 更新料収入は含んでいない。 (安定的支出) 公租公課、 損害保険料、 水道光熱費、 建物維持管理費 (清掃、 保守点検、 警備等)、 プ ロ パテ ィ ・ マネジ メ ン ト 料、 その他経費 (地代支払等)、 小修繕 ・ 原状回復費 ※敷金 ・ 保証金の運用益、 テナン ト 募集経費、 更新手数料、 資本的支出 (CAPEX) は含んでいない。 キ ャ ッ シ ュ フ ロ ーの指標 と し ては、 資本的支出 (CAPEX) を も 費用項目 と し て控除 し た後のネ ッ ト キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー (Net Cash Flow (NCF)) と 呼ばれ る指標 も あ る が、 本件格付けに関し ては NCF を指標 と し て採用 し ていない。2. 年率の変動性は同一で も 、 フ ァ ン ド 投資期間が違えば投資期間全体での変動性は異な る こ と と な る 。
純収益の標準偏差(年率) 安定的純収益(年間値)
こ の理由は、 毎期の資本的支出額は、 必要 と さ れ る 大規模修繕等の タ イ ミ ン グに よ っ て大 き く 不定期な変動を起 こ すため、 こ れを も っ て物件本来のキ ャ ッ シ ュ フ ロ ーの変動性の程度を評価す る こ と は適切ではないためであ る 。 2.個別物件間の相関係数の推計 対象ポー ト フ ォ リ オの個別の 2 物件間の相関係数の決定方法であ る が、 各対象物件の存する地域間 (市区レベル) のア セ ッ ト タ イ プ ご と の賃料の相関について、 ムーデ ィ ーズが作成 し た相関係数デー タ をベー ス に し て、 各対象 物件の特性を加味 し 相関係数を推計 し た。地域間相関については、各対象物件の存す る エ リ アが近いほ ど マーケ ッ ト の需給動向等のマ ク ロ 的な共通要因の影響を受けやすいため相関係数は高い傾向があ る と 想定 し てい る 。 3.本件格付けの対象になる不動産ポートフォリオの純収益の変動性の決定 (1) 上記 1.、 2. で求めた個別の 2 物件の純収益の変動性 と 個別物件間の相関係数を かけ た も の を個別の 2 物件 の純収益が対象ポー ト フ ォ リ オ純収益合計額に占め る シ ェ ア で加重平均 し た も のの平方根 と し て ポー ト フ ォ リ オの純収益の変動性は求め ら れ る3。 相関係数が 1 よ り 小 さ い と き、 ポー ト フ ォ リ オの純収益の変動 性は、 個別物件の純収益の変動性の加重平均 よ り も 小 さ く な る (ポー ト フ ォ リ オ効果)。 (2) さ ら に、 ポー ト フ ォ リ オ全体での物件数及び総戸数の影響について再吟味 し 、 最終的な純収益の変動性を 決定 し た。 4. 不動産ポートフォリオの純収益の変動性の水準と本件格付け符号について 本件格付けに関 し て、 ムーデ ィ ーズでは、 純収益の変動性の分布を、 平均 12.0%、 標準偏差 7.0% の正規分布 と 想 定 し4、 上記 3. で求めた純収益の変動性の値が、 こ の分布に照 ら し て上位何 % にあた る かに よ っ て本件格付けの 水準を決定 し てい る (下表参照)。 例えば、 平均 (上位 50%) と 同 じ 12.0% の純収益の変動性を持つ不動産ポー ト フ ォ リ オは、 純収益の変動 リ ス ク が中程度 と 判断 さ れ る 不動産ポー ト フ ォ リ オ と し 、 CFV-3-の本件格付け符号 と し た。 ま た、 上位 10% に相当する 3.0% の純収益の変動性を持つ不動産ポー ト フ ォ リ オは、 純収益の安定性が最 も 高 く 、 純収益の変動 リ ス ク が限定的であ る と 判断 さ れ る 不動産ポー ト フ ォ リ オ と し 、 CFV-1 の本件格付け符号 と し た。 3. こ れを式で表す と 次の よ う にな る 。 (σp : ポー ト フ ォ リ オの純収益の変動性、 wi, (wj) : 物件 i (j) の純収益が対象ポー ト フ ォ リ オ純収益合計額 に占め る シ ェ ア、ρij : 物件 i, 物件 j 間の相関係数 (-1 ∼ 1)、σi (σj) : 物件 i (j) の純収益の変動性 4. こ の想定は、 ムーデ ィ ーズに蓄積 さ れた物件デー タ の分析に基づ き 決定 し てい る が、 今後蓄積 し てい く 物件デー タ の分析に よ っ ては、 こ の想 定を変更す る こ と があ り う る 。 ) ( ) 1 ( 1 1 j i ij j i N j N i p wwρσσ σ
∑
∑
= = = 平均 12.0% 標準偏差 7.0% 本件格付け符号 CFV-1 CFV-2+ CFV-2 CFV-2− CFV-3+ CFV-3 CFV-3− CFV-4+ CFV-4 CFV-4− CFV-5+ CFV-5 CFV-5− 上位何%か 10% 15% 22% 29% 36% 43% 50% 57% 64% 72% 81% 90% 100% 純収益の変動性 3.0% 4.7% 6.6% 8.1% 9.5% 10.8% 12.0% 13.2% 14.5% 16.1% 18.1% 21.0% 33.6% 純収益の変動性の分布 ᮮゲ䈪␜䈘䉏䉎⚐⋉䈱ᄌേ ᕈ䈏䇮䈋䈳㪊㩼એਅ䈪䈅䉎ᢳ✢ ㇱ䈱㕙Ⓧ䈏ో㕙Ⓧ䋨⭯㤛⦡ㇱ ಽ䋩䈱㪈㪇㩼䈫䈭䉎䇯 㪊㩼 㪈㪉㩼5. 本件格付けの分析プロセスにおいて有用な情報について ムーデ ィ ーズは、 対象物件の分析に当た り 、 レ ン ト ロ ール、 第三者に よ る 鑑定評価書、 マーケ ッ ト レ ポー ト 、 エ ン ジニア リ ン グ レ ポー ト 等の提供を受け る 。 ま た、 対象物件の実査を可能な限 り 行 う と と も に、 PM 業者、 賃貸住 宅の管理人か ら の ヒ ア リ ン グ も 行 う 。 なお、 対象物件の過去の収支状況に関す る デー タ があれば参考 と す る が、 必 須の情報ではない。
III. 本件格付けの具体例
それでは具体的な不動産ポー ト フ ォ リ オで ど の よ う な本件格付け水準にな る か を解説す る 。 (例 1) 物件数及びテナン ト 数が分散 さ れた賃貸マ ン シ ョ ン に よ る ポー ト フ ォ リ オの例であ る 。 賃貸住宅市場の需給の厚 さ 、 賃料水準の安定性、 低い経費率、 テナン ト 分散等を考慮す る と 、 賃貸マ ン シ ョ ンに よ り 構成 さ れ る ポー ト フ ォ リ オは景気変動の影響を受けに く く 、 一般的にオ フ ィ ス を中心 と す る ポー ト フ ォ リ オ よ り も キ ャ ッ シ ュ フ ロ ーの 安定性は高い と 考え てい る 。 ま た、 築年数については、 築年数の若いマ ン シ ョ ン と 古いマ ン シ ョ ン では一般的に 若いほ う が競争力を有す る と 考え てい る が、 築年数の経っ たマ ン シ ョ ン について も 、 適切な維持修繕が行われて お り 、 需要に合っ た立地 と 設備機能を備え た も のについては、 相場に合っ た賃料水準で底堅いキ ャ ッ シ ュ フ ロ ー を生み出す こ と がで き る と 考えてい る 。 ま た、 駅か ら の距離 も 3 ∼ 10 分 と 徒歩圏内にあ り 、 利便性を有 し てい る。 こ う し た特性を踏ま え、 個別物件の純収益の変動性を推計す る 。 こ れ ら の個別物件の本件格付けはお よ そ CFV-2 か ら CFV-3 の レ ン ジに収ま る も の と 想定する。 次に、 個別物件間の相関係数の推計を行 う 。 対象物件の存する地 域間 (市区レベル) の賃料の相関については、 対象物件が全国に分散 し てい る こ と か ら 、 マーケ ッ ト の需給動向 等のマ ク ロ 的な共通要因の影響を受けに く いため相関は低い。 ま た、 総戸数は 3,000 戸であ り 、 キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー の安定が期待で き る 規模に達 し てい る こ と か ら 、 個別物件のキ ャ ッ シ ュ フ ロ ーの変動の影響を最小化 し 、 ポー ト フ ォ リ オ と し ての変動性減少効果が十分発揮 さ れ る と 考え てい る 。 (本件格付け) CFV-1 (例 2) 物件数の分散が十分ではな い東京都内オ フ ィ ス ビ ルに よ る ポー ト フ ォ リ オの例で あ る 。 東京都内に立地す る オ フ ィ ス ビルはその他の地域に比較 し て一般的には高いテナン ト 需要があ る 。 ま た、 築年数については、 築年数の 若い物件 と 古い物件では一般的に若い物件のほ う が競争力を有す る と 考え てい る が、 築年数の経っ た物件につい て も 、 適切な維持修繕が行われてお り 、 需要にマ ッ チ し た立地 と 設備機能を備え た も のについては、 相場に合っ た賃料水準でのキ ャ ッ シ ュ フ ロ ーを生み出す こ と がで き る と ムーデ ィ ーズは考え てい る 。 こ う し た特性を踏ま え、 個別物件の純収益の変動性を推計す る 。 次に、 個別物件間の相関係数の推計を行 う 。 こ れ ら の個別物件の本件格 付けはお よ そ CFV-3 の レ ン ジに収ま る も の と 想定する。 対象物件の存する地域間 (市区レベル) の賃料の相関に ついては、 対象物件がすべて東京都内にあ る こ と か ら 、 マーケ ッ ト の需給動向等のマ ク ロ 的な共通要因の影響を 受けやすいため相関は高い。 ま た、 物件数は 5 棟であ り 、 個別物件のキ ャ ッ シ ュ フ ロ ーの変動の影響を最小化 し 、 ポー ト フ ォ リ オ と し ての変動性減少効果が十分発揮 さ れ る ま でには至 ら ない と 考え てい る 。 (本件格付け) CFV-2 -物件タイプ 所在地 築年数(平均) 駅からの距離 物件数 総戸数 賃貸マンション 全国に分散 10年 3∼10分 50 3,000 物件タイプ 所在地 築年数(平均) 賃貸可能面積(平均) 稼働率 (平均) 物件数 オフィスビル 東京都内 10年 3,000坪 90% 5おわりに
本レ ポー ト では、 不動産ポー ト フ ォ リ オ ・ キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー変動 リ ス ク 格付けの手法等を解説 し た。 こ のほか関 連す る サービ ス と し て、 不動産ポー ト フ ォ リ オの運用を行 う アセ ッ ト マネジ ャ ーの評価サービ ス も 行 う 予定であ る 。 ムーデ ィ ーズは、 こ う し たサービ ス を通 じ て今後の不動産投資市場の拡大 と 透明性の向上に貢献す る こ と を 目指 し てい る 。
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