• 検索結果がありません。

<4D F736F F D E E05F8DC58F498D655F D89C C5>

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "<4D F736F F D E E05F8DC58F498D655F D89C C5>"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

平成21年度 理数教育ステップアップ研修 実践記録

目に見えない空気を実感し,科学的な見方・考え方を促す授業の工夫

-小学校4年理科「空気と水」の指導を通して- (実践者 柏崎市立柏崎小学校 山之内 知行) 私は「理数の面白さや深く追究する楽しさなどを味わわせる」ために,子どもと「人・もの・こと」 との豊かなかかわりを大切にして理科の授業を展開している。それは,子どもが単に知識を暗記した り,教師が正解を効率よく教えたりするということではない。子どもが自ら自然の事物・現象に働き かけ,仲間と共に科学的に追究しながら,実感を伴った理解を深めていく学習プロセスにおいて「理 数の面白さや深く追究する楽しさを味わう」ことができると考える。 本単元「空気と水」では,子どもは,主に空気とかかわっていくこととなる。しかし,子どもが目 に見えない事物・現象にかかわっていくことは容易なことではない。そこで,空気遊びの体験によっ て空気の存在を実感する活動や空気をモデル化したり可視化したりすることによって,空気を科学的 に追究する活動を設定した。その結果,子どもは,空気をからだ全体で感じながら空気の存在を実感 し,空気をモデル化することで,空気を「もの」としてとらえ,科学的に追究しながら粒子概念を形 成することにつながった。 1 「理数の面白さや深く追究する楽しさなどを味わわせる」ための構想 (1)目に見えない空気の存在を実感させるための工夫 子どもにとって,空気は大変身近なものであるにもかかわらず,目に見えない,透明,形がな いといった空気の特性により,その存在を実感することは容易ではない。子どもは,空気の存在 を,知識としては知っている。しかし,子どもが目に見えない空気を「もの」としてとらえ,そ の性質について考えていくことは,本単元を学習する上で大きな壁であるといえる。 そこで,まずは空気遊びを通して,子どもが,目に見えない空気の存在を感じ,空気の面白さ や不思議さを味わえるようにしていきたい。そして,そこで生まれた子どもの気付きや疑問を生 かしながら学習を展開していくことが大切だと考えた。 空気遊びは子どもの興味や関心を惹き付けるであろう。しかし,単なる遊びだけでは「ああ, 面白かった」で終わってしまう。そこで,「空気の『すごい!』を見付けよう」の学習を導入と して設定し,体験したことを言葉に表し,実感を伴った理解に結びつけたい。 (2)科学的な見方・考え方を促し,粒子概念を形成するための工夫 科学的なものの見方・考え方を促すために,子どもが「なぜ?知りたい!」という事象に出会 わせていき,子どもの気付きや疑問をつないで学習課題をつくっていくことを大切にしたい。 また,自分の見方・考え方が独りよがりにならないように,友達と交流する場面を設ける。そ のための方法として,目に見えない空気をモデル図で表現させ,友達の見方・考え方と交流しな がら吟味していく。なぜそうなるのか,空気の性質と関連付けながら話し合ったり,実験によっ て確かめたりしていく科学的なプロセスによって,理数の面白さや深く追究する楽しさを味わう ことができると考える。また,このことは,新学習指導要領で示された粒子概念の形成の基礎に つながるとも考えた。 (3)単元構成と評価の計画(全8時間) 次 学習内容 学習活動 評価と方法 1 空気の「すごい!」を 探ろう (2時間) ・空気砲遊びで空気の「すごい!」 を探る。 ・巨大な袋を使って,閉じ込めた空 気の「すごい!」を探る。 ○空気遊びの体験を基に, 空気にはどんな性質があ るのかを表現できる。(発 言・ノート)

(2)

2 空気と水の性質を比べ よう (5時間) ・「本当に空気は圧し縮められるの か?」を探る。(本時) ・空気と水が縮むのかを実験する。 ・水と空気を一緒に圧したらどうな るか実験する。 ・筒に空気や水を閉じこめて,玉を 飛ばしてみる。 ・空気鉄砲の玉が飛ぶ仕組みを考え る。 ○ 空 気 の 性 質 に 興 味 を も ち,閉じ込めた空気が圧 し縮められることを理解 する。(発言・ノート) ○空気や水の性質について 比較しながら実験するこ とができる。(実験の様 子・記録) ○空気鉄砲の玉が飛ぶ仕組 みを空気や水の性質と結 び付けて考えることがで きる。(発言・ノート) 3 空気や水の性質を利用 して (1時間) ・日常生活の中で,空気と水の性質 が使われているものを探し,紹介 し合う。 ○空気や水の性質が使われ ているものを見付け,仕 組みを説明することがで きる。(発言・ノート) 2 授業の実際 (1)空気遊びを通して,目に見えない空気の存在を実感する子ども(1次 1・2時間目) まずは,子どもの空気に対する興味・関心を高めたいと考え,空気砲を使った空気遊びを行っ た。 紙で作った的を置き,空気砲から出た空気によって的 が倒れるという演示を行うと,子どもからは,目に見え ない空気によって的が倒されたことに「おーっ」と驚き の声が上がった。また,遠い的ほど時間差で遅く倒れる ことにも興味をもったようであった。 そして,実際にグループ毎に空気砲を作り,的を倒し たり,空気砲から出てくる空気をからだで感じたりし ながら,目に見えない空気とかかわった。(写真1) 活動後には,「今日見付けた,空気の『すごい!』を書こう」と投げ掛け,空気砲を使った活動 を通して見付けた空気の面白さや不思議さを言葉で表現させた。さらに,どうして紙が倒れたの かについて理由を書くことによって,空気の性質に目が向くようにした。以下,子どもの見付け た「空気のすごい!」である。 このように,はじめに空気砲による空気遊びを取り入れることで,子どもは「空気は目に見え ないが何かがある」「空気は当たると感触がある」など感覚的にとらえたり,「空気はどうやって 的を倒したのか?」「空気にはまだまだ『すごい!』がありそうだぞ」など,知的好奇心をくすぐ られたりしながら,これからの学習に期待をもつことができた。 2時間目。「空気を集めて,もっと空気のすごい!を見付けよう」と投げ掛けた。子どもには, かさ袋を使って空気を集めようと提案した。かさ袋は,筒状に膨らむため,剣のようにたたき合 ったり,ロケットのように飛ばしたりして,空気の感触や跳ね返りを確かめる姿が多く見られた。 次に,「もっと大きな袋にたくさんの空気を集めてみよう」と提案し,各グループに,長さ2 メートル,直径50センチほどの巨大なビニール袋(クリーニング店で使用している袋)を用意 した。みんなで協力して体育館を走り回りながら,空気を入れ,膨らませ,巨大な空気のかたま 写真1 空気砲を使って空気とかかわる子ども ○空気のしょうげきを受けた。○空気は遠いところまで飛んですごい!○10本以上あった鉛 筆を全部たおしてすごい!○空気がほわーんと出てきて気持ちよかった。

(3)

りに興奮する子どもたち。思いっきり上に飛ば してみたり,友達にぶつけてもらい,その衝撃 を楽しんだりした(写真2)。以下,子どもの感 想である。 このように,巨大な袋に空気を閉じこめ,からだ全体でかかわることによって,空気の存 在を,ある-ない,多い-少ない,重い-軽いなどの性質をもつ「もの」としてとらえるこ とができた。さらに,遊びを通して,空気を圧すとはね返される感触や,空気の量と硬さの 関係に着眼する子どもの姿も見られた。 (2)目に見えない空気を,科学的に追究する子ども(2次 1時間目) 空気遊びによって,空気の存在を実感してきた子どもたち。これまでの空気遊びの体験と 空気の性質とを結びつけながら,さらに科学的に追究していけるように,次のような学習活 動を展開していった。 時間 学習活動 教師の働きかけと予想される児童の反応 ○支援 ☆評価 ・留意点 10 5 1 教師の演示実験 から,課題をつ かむ。 2 実験の条件を確 認する。 ・1.5リットルのペットボトルAとB がある。2つとも空気だけが入ってい て,見た目はほとんど変わらない。 ・Aは,ふたをしただけ。Bは,空気を 空気入れで圧縮してパンパンに入れ てある。 ・ペットボトルにしぼんでいる袋をかぶ せておき,ふたを開ける。 ・Aのふたを開けると,変化なし。Bの ふたを開けると,勢いよく袋がふくら む。 ・空気が圧し縮められることをどうし たら確かめられるか,実験の条件を 考えさせる。 ○1.5リットルのペットボ トルを開けると袋が膨ら むという驚きから,課題意 識をもたせる。 ○「どうしてそう思ったの か」を問い,これまでの体 験とつなぐようにする。 ☆課題をつかみ,自分なりに 予想することができたか (つぶやき・発言・ノート) ○空気がもれないこと,変形 しないことを条件として おさえる。 ○空気はさわれないのに,閉じこめたら感触 がある。○友達にぶつけてもらったら,すご い衝撃だった。○空気を少なくするとやわら かく,たくさん入れるとかたい。○空気に乗 っかったらはね返される感じがした。袋を体 に当てるとやわらかかった。強くするといた い。 写真2 巨大な袋を使って空気とかかわる子ども 空気は,本当に圧し縮められるのだろうか?

(4)

5 20 5 3 空気を圧し縮め る実験をする。 4 実験のまとめと 考察をし,友達 と考えを交流す る。 5 空気がどのよう に圧し縮められ る か を 確 か め る。 C:やっぱり,縮んだ。 C:圧したら戻った。 C:強く圧すと,圧し返す力も強いぞ。 ・「空気は確かに縮んだ。でも,筒の中 で空気はどうなっていたのかな?言 葉や絵,モデル図などを使って書い てみましょう。」 ・班の中で考えを交流してみましょう。 ・筒の中でシャボン玉をつくり,空気 が縮む様子を見てみましょう。 ☆実験の条件を理解し,正し く実験することができた か(実験の様子) ○筒の中の様子が書けるワ ークシートを配布する。 ○班の中で考えを交流した 後,いくつかの考えを全体 で紹介する。 ☆自分なりの表現で,空気が 縮む様子をイメージでき たか(ノート) 学習活動1のペットボトルによる演示実験を基に,課題作りを行った。以下は,その時の やりとりである。 C1:「何これ,すごい!」 T:「何が起こったの?」 C2:「空気が袋に入った。」 C3:「何か,白いけむりが見えた。」 T:「もともとこの空気(ふくらんだ袋を指しながら)は,ペットボトルに入っていたんだ よね。これ(袋がふくらむ現象)って,どういうこと?」 C4:「ペットボトルに空気がいっぱい入っていた。」 T:「じゃあ,どうやって入っていたの?」 C4:「わかった!わかった!」 C5:「空気がめっちゃ,入っていた。」 C3:「Bは,白くなっていたから,何か関係がありそう…。」 T:「どうやったら,これが,ペットボトルの中に入るのかな?」 C4:「圧す,圧す。」 T:「袋をぎゅーって圧すと入るんだね。」 T:「じゃあ,C4さんが言うように,袋を圧すと,空気が縮められてペットボトルに入る?」 C4:「入る,入る。」 C6:「入らないよ。」 T:「空気って,圧すと縮められるの?」 C7:「えー,無理だよ。」 C8:「できるかも知れないよ。」 このように,目に見えない空気を「袋がふくらむ大きさ」として可視化し,起きた現象に ついての子どもの考えをつないでいくことで「空気は,本当に圧し縮められるのだろうか?」 という課題をもたせることができた。1.5リットルのペットボトルから,それ以上のかさ の空気が出てきた事実,見た目のペットボトルより多くの空気が,ペットボトルに入ってい たというギャップから,「空気は,本当に圧し縮められるのだろうか?」という疑問が生ま れ,科学的な追究への導入ができたのである。 課題提示の後,予想をノートに書かせた。この時点での予想と理由の中に,これまでの空 気遊びによる「目に見えない空気を実感させる」手立てがどれだけ有効に働いていたのか検 証したい。

(5)

○圧し縮められる・・・27人 【空気遊びから】17人 ・ ビニール袋を圧したら,縮んだから。 ・ 空気をさわったり,空気におされたりできるから。 ・ 袋の中で空気はやわらかかったし,たくさん入れるとパンパンになるから。 ・ 空気は袋に入って,パンパンになっても,それは空気がバラバラの状態で,圧せばそれが 一つのかたまりになって縮まると思う。 【その他】10人 ・ボールがはね返ってくるのと同じで,空気もボールの中で縮んだり伸びたりしている。 ・空気鉄砲やポットは,空気が圧し縮められる仕組みだから。 ・さっきはその空気がペットボトルに入っていたのだから,ペットボトルに縮んで入る。 ・空気が大きくなったり,小さくなったりする。 ●圧し縮められない・・・8人 【空気遊びから】4人 ・ 空気がはれつしてふくろがわれてしまうから。 ・ 空気砲で空気がおされて出てきたから,縮めても空気が出てくるのではないか。 ・ 空気はうかんでいるものだから。 ・ 空気は目に見えないものだから。 【その他】4人 ・ あんな小さなあな(ペットボトルの入り口)じゃ入らない。 ・ 空気はもうパンパンだから。 ・ 空気はもともと透明でさわれないから。 「圧し縮められる」と予想した27人の児童のうち,17人の児童が,前時までの空気遊び の経験から理由を述べていた。また,本時での演示実験の現象から理由を述べている児童, これまでの生活経験から理由を述べている児童など,何らかの自分の経験から理由を述べて いる児童がほとんどであった。 「圧し縮められない」と予想した児童がいたことは,空気遊びの体験が誤った考えを与えて いるともとれる。しかし,どれも「空気がにげる」と考えていることから,「閉じこめた空 気が逃げられない状態で」という条件をきちんと確認することでクリアできる問題である。 このことから,空気遊びの体験は,子どもの空気に対する概念形成に大きく関係しているこ とが分かる。それだけに,体験だけに終わらせることなく,言葉に表すなど,体験をきちん と意味付けていく必要があると考えた。 予想を立てた後,空気を圧し縮められるのかを確かめる ためには,空気が逃げないようにしなくてはならないとい う条件を確認した上で,ピストンを使って閉じこめた空気 を圧す実験を行った。 ピストンを圧すと,ピストンは下に沈み「おーっ」とい う歓声が上がった。子どもたちは,この実験によって「空 気は圧し縮められる」ということを実感し,さらに圧し棒 が「押し戻される」「はね返ってきた」という手応えから, 空気の伸び縮みを実感することができた。(写真5) (3)空気をモデル化し,粒子概念をつくり始める子ども(1次 3時間目) そこで,「ピストンの中で,空気はどうなっていたのか」と問いかけ,粒子をイメージする 活動を設定した。これは,中学校,高等学校へとつながる「粒子概念」の形成も意図してい る。教師は,子どもが粒子をイメージしやすくなるように,ワークシートに,12 個の粒子を 予め描いておいた。以下,子どものモデル図を考察する。 写真5 空気の伸び縮みを実感する子ども

(6)

以上のように,ほとんどの子どもが,空気が圧し縮められ,また圧し返すというイメージ はもつことができた。 結果は,粒子が小さく圧し縮められ,圧し返すモデル(図1)をイメージした児童が多く いたものの,12個の粒子の数が変わらずに,圧し縮められたモデル(図2)を描いた児童 は2名であった。また,粒子が結合したモデル(図3)や結合後,分裂したモデル(図4), 粒子と粒子との間隔が広がるといったモデル図(図5)を描いた児童もいた。さらには,閉 じこめた空気が外に出て行ったモデル(図6)もあった。 これは,12個の粒子の数は変わらないという条件を教師が指示しなかったためである。 さらに,その後の,グループ内での話し合いの時間が十分でなく,そこまで話が及ぶことは なかった。 (4)可視化された空気によって,空気の伸び縮みを実感する子ども 実際に空気がどのように圧し縮められ,圧し返しているのかを 可視化するために,シャボン玉液を使用した。ピストンの筒の中 に,シャボン玉液を入れ,ストローでゆっくり吹く(写真6)と 筒の中全体に,十数個のシャボン玉の泡ができる。泡ができた状 態の筒を圧すと,シャボン玉(空気)が圧し縮められ,泡の大き さが小さくなるのが見て分かる。 演示実験を見た子どもたちは,「圧したら,シャボン玉は 小さくつぶれたけど,また元の大きさに戻った」「空気の一つ一つは,圧されて小さくなり, 写真6 空気の伸び縮みを可視化する 図1 粒子が縮み,圧し返す モデル(26名) 図2 12個の粒子の数は変わ らないモデル(2名) 図3 粒子が結合し,圧し 戻すモデル(2名) 図4 粒子が結合し,分裂する モデル(2名) 図 6 粒 子 が 外 に 出 て 行 っ たモデル(1名) 図 5 粒 子 の 間 隔 が 広 が る モデル(1名)

(7)

また大きくなってはね返した」という空気に対して新しい見方,考え方を更新したのである。 しかし,子どもが自分たちで実験したときに,圧し加減が難しく,思いっきり圧すとシャ ボンの泡が割れてしまうということが起こった。それを見た子どもは,逆に「空気の粒子は, 圧し縮められるときに結合する」という誤ったイメージにつながってしまったことが,本時 後のノート記述から分かった。 この授業後,研究協議会で,誤概念をもっていた児童について指摘をいただいたことで,教 師の認識も変化し,修正をかけながら,次時を展開することとした。 (5)仲間と話し合いながらイメージを確かにする子ども(2次 2時間目) 前時での誤概念をもった児童への支援が必要となり,もう一度,モデル図について話し合 うこととした。それぞれが書いたモデル図から6つを取り上げ,図1~図6の拡大コピーを もとに,どのモデル図が妥当かをもう一度話し合った。 C1:これは(図6)あり得ないでしょ。だって,閉じこめた空気を圧せるか?っていう実験 をしたんだから,出て行ったら意味ないし。 T:そうだね。他はどうだろう。 C2:空気が合体するって(図3,4)おかしくない? C3:シャボン玉の実験でも,あわの一つ一つが小さくなったじゃん。 C4:そうだよ。だって,空気のあわが合体したら戻らなくなるよ。それに,ここ(図3の圧 した後)の空気のすきまは何? C1:すきまってあり得ない。空気もなくて,何にもないってこと?真空? C5:じゃあ,これ(図1)が正しい。だって,みんなつまっているから。 T:確かに,空気の粒以外のところは何にもないってことになるね。ということは,これ(図 1)が正しいのかな? C2:でもさあ,数が適当だよ。空気の数が増えてるし。これ(図2)は12個のままだから, これがいいと思う。 T:C1さんが言いたいのは,閉じこめた空気そのものは変わらないってことだね。空気の 粒の数は変わらないっていうか…。 C4:でも,(図2)は,やっぱりすきまがあるから,おかしいよ。 T:なるほど,じゃあ,(図1)と(図2)をミックスしたようなイメージかな?そもそも, 最初の圧す前の図に,すきまがあるのはおかしかったね。 このように,子どもはモデル図をもとに,友達と話し合いながら,空気に対するイメージを つくりかえていった。まずは閉じこめられた空気という条件,合体したら戻らなくなる,もと もとあった数が減るのはおかしいなどの理由によって妥当性を確かめていった。子どもの話し 合いでは,図1か図2が妥当なのではないかという意見にまとまった。子どもは,空気をモデ ル図に表現することで,自分の空気に対する見方・考え方を自覚できた。さらに,友達と話し 合うことで,より科学的に空気の見方・考え方を更新しながら,空気に存在する粒子を意識し 始めたのである。 しかし,空気の粒以外の所には何があるのか?という疑問も生まれてきた。これは,教師が 示したモデル図の不備である。モデルとしては完全ではなく表現しきれない問題もあったが, 教師の意図を超えて,子どもたちは空気を粒子としてとらえ始めたのである。 3 実践の考察とまとめ 学習前と学習後にとったアンケート調査(アンケート対象:4年2組児童35人 調査実施日 学 習前:平成21年5月19日,学習後:平成21年7月16日)の結果を比較し,本実践の有効性 を検証する。

(8)

(1)目に見えない空気の存在を実感するための工夫について アンケート結果からも,目に見えない空気の存在を感じ,空気の性質に目を向け,空気と のかかわりが深まってきたことが分かる。多くの子どもは,「空気は本当に圧し縮めること ができるのか?」という課題に出会ったとき,空気遊びの体験を根拠に予想を立てていた。 このことから,空気遊びを通して,からだ全体で空気を感じ,言葉に表していく活動は,目 に見えない空気の存在を実感するのに有効であったといえる。 (2)科学的なものの見方・考え方を促す工夫について なぜ?知りたい!という事象に出会わせることによって,「空気は本当に圧し縮めること ができるのか?」という科学的な見方・考え方につなげていくことができた。また,空気を モデル化することにより,友達と活発に話し合いながら,粒子概念を形成することにつなが っていった。さらに,シャボン玉による実験で空気を可視化することで,「空気が圧し縮め ることができる」ことを,実感を伴って理解することができた。しかし,モデル化させるこ とで逆に誤概念にもつながる危険性もあり,空気をモデル化する際,適切に指導する必要が あることが分かった。また,この時期に,どの程度「粒子の存在」を意識させていけばよい かも検討が必要である。 (3) 実践を終えて 実践後,「はじめは空気ってよくわからないなあと思っていました。でも,空気で遊んだ り,ピストンの実験をしたり,みんなと話し合ったりして,本当に空気ってすごいって感じ ました。」と感想を書いた児童がいた。これからも,子どもが豊かに「人・もの・こと」に かかわっていくプロセスを大切にし,理数の面白さを味わわせていきたいと感じた。 参考文献:「つくってなるほど『親子おもしろサイエンス』」(平成12年 新潟県地区理科 センター研究協議会)

参照

関連したドキュメント

前章 / 節からの流れで、計算可能な関数のもつ性質を抽象的に捉えることから始めよう。話を 単純にするために、以下では次のような型のプログラム を考える。 は部分関数 (

しかし何かを不思議だと思うことは勉強をする最も良い動機だと思うので,興味を 持たれた方は以下の文献リストなどを参考に各自理解を深められたい.少しだけ案

議論を深めるための参 考値を踏まえて、参考 値を実現するための各 電源の課題が克服さ れた場合のシナリオ

タップします。 6通知設定が「ON」になっ ているのを確認して「た めしに実行する」ボタン をタップします。.

このように、このWの姿を捉えることを通して、「子どもが生き、自ら願いを形成し実現しよう

子どもが、例えば、あるものを作りたい、という願いを形成し実現しようとする。子どもは、そ

ているかというと、別のゴミ山を求めて居場所を変えるか、もしくは、路上に

直流電圧に重畳した交流電圧では、交流電圧のみの実効値を測定する ACV-Ach ファンクショ