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資料4(第2回原案作成委員会 H25.6.25) 平成 25 年 6 月 25 日 2×4 製材 JAS 原案作成委員会資料 森林総合研究所 加藤英雄 1.国産樹種の強度特性値(基準強度)に関する検討 国産樹種のスギ、ヒノキ、カラマツについて目視等級区分の強度特性値(信頼水準75%における 95% 下側許容限界値)を検討するため、寸法形式204 について得られた実験結果に基づいて樹種および目視 等級ごとにASTM D 1990-07 に従って強度特性値を算出した。特性値算出に際して、平成 21 年度林野 庁補助事業2X4住宅部材の開発事業、長野県林業総合センターが技術協力した平成 21 年度地域木造住 宅市場活性化推進事業(国土交通省)、北海道立総合研究機構林産試験場の道産材を用いた枠組壁工法 用製材の性能評価と利用技術の開発、平成24 年度林野庁補助事業内装木質化等住宅部材試験開発等支 援事業で得られた結果の一部を用いた。なお、強度データの調整方法及び特性値の算出方法は次の通り である。 (1)含水率の調整 実験結果の強度を含水率15%に調整した。なお、調整範囲は、含水率 10〜23%とし、23%以上は 23%、 10%未満は 10%と見なした。 1)曲げ強度(MOR)、縦引張り強度(UTS)、縦圧縮強度(UCS)の調整MOR≦16.6N/mm2、UTS≦21.7N/mm2、USC≦9.6N/mm2のときは調整しなかった。
MOR>16.6N/mm2、UTS>21.7N/mm2、USC>9.6N/mm2のときは次式で調整した。
S2 = S1 + ( S1 - B1 ) / ( B2 - M1 )×( M1 - M2 ) ここで、S1、S2:それぞれ含水率M1、M2における特性値(N/mm2) M1、M2:それぞれ含水率1、含水率2(%) B1、B2:表 1 の含水率定数 表 1 ASTM D 1990-07 における含水率定数 特 性 値 B1 B2 曲 げ 強 度 16.6 40 縦 引 張 り 強 度 21.7 80 縦 圧 縮 強 度 9.6 34 曲 げ ヤ ン グ 係 数 1.857 0.0237
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2)曲げヤング係数の調整 曲げヤング係数は、次式で調整した。 S2 = S1 ( B1 - B2 M2 ) / ( B1 - B2M1 ) ここで、S1、S2:それぞれ含水率M1、M2における曲げヤング係数(kN/mm2) M1、M2:それぞれ含水率1、含水率2(%) B1、B2:表1 の含水率定数 (2)強度特性値の算出結果 強度特性値(以下、下限値)を算出した等級は、JAS 規格の甲種枠組材の特級、1 級、2 級、3 級、 およびスギ、カラマツについては年輪幅を品質基準から除いた場合の2 級(以下、②級と称す)とした。 なお、試験体の等級区分は、原則的にグレーダによる判定に基づいて区分し、これらの情報がない場合 には試験体から測定された節径や年輪幅等によって区分した。 スギの目視等級区分における下限値の算出結果を表 2 に示した。分布の適合度を示す検出力は、正規 分布または対数正規分布が各強度で高かった。また、検出力の高い分布で②級の曲げ強度の下限値を2 級のそれと比較すると、減少率は最大で6.2%だったが、それでも現行の 2 級の曲げ基準強度 (16.8N/mm2)より30%程度高い値となった。 ヒノキの目視等級区分における下限値の算出結果を表 3 に示した。分布の適合度を示す検出力は、縦 圧縮強度と縦引張り強度では正規分布または対数正規分布が高く、曲げ強度では正規分布またはワイブ ル分布が高かった。ヒノキの2 級の曲げ強度の下限値を現行の 2 級の曲げ基準強度(18.0N/mm2)に比 べると、スギと同様、30%程度高い値となった。ただし、スギの曲げ強度が特級と 2 級との間でそれほ ど大きな違いがないのに対し、ヒノキは特級の曲げ強度の下限値は2 級のそれの約 1.5 倍の値であった。 カラマツの目視等級区分における下限値の算出結果を表 4 に示した。分布の適合度を示す検出力は、 正規分布または対数正規分布が各強度で高かった。また、検出力の高い分布で②級の下限値を2 級のそ れと比較すると、曲げ強度の減少率が4%程度であったのに対し、縦引張りについては 19.5%だった。3
表 2 スギの目視等級区分における下限値の算出結果 ワイブル (NPE) 2P 3P 特級 636 14.8 17.1 18.2 55% 100% 32% 41% OK 1級 170 18.0 21.1 20.5 100% 75% 30% 39% OK 2級 307 18.5 20.3 20.8 54% 100% 29% 34% OK 3級 172 18.6 19.9 19.1 100% 83% 48% 53% OK ②級 479 18.7 20.3 20.1 42% 100% 20% 23% OK 特級 732 15.3 18.1 17.9 28% 100% 14% 19% OK 1級 284 14.7 16.9 17.0 51% 100% 24% 30% OK 2級 409 13.8 16.6 16.5 50% 100% 28% 37% OK 3級 156 13.9 15.4 14.7 100% 58% 55% 72% OK ②級 565 13.5 16.2 15.6 32% 100% 18% 23% OK 特級 776 25.6 27.9 27.6 46% 100% 19% 23% OK 1級 275 22.3 24.3 23.6 100% 50% 51% 67% OK 2級 369 23.2 24.7 23.1 100% 30% 48% 51% OK 3級 213 20.4 22.1 20.6 81% 100% 48% 55% OK ②級 582 21.9 23.6 21.6 100% 52% 44% 59% OK 荷重 縦 圧 縮 縦 引 張 り 曲 げ 正規 対数 正規 正規 対数 正規 検定 結果 甲種等級 データ数 下限値 検出力 ワイブル 表 3 ヒノキの目視等級区分における下限値の算出結果 ワイブル (NPE) 2P 3P 特級 154 28.4 29.9 30.1 66% 100% 32% 35% OK 1級 149 25.0 27.0 28.5 67% 100% 30% 33% OK 2級 252 25.1 26.3 26.6 58% 100% 22% 25% OK 3級 71 24.2 24.4 23.6 100% 80% 85% 81% OK 特級 593 19.0 22.8 23.2 30% 100% 18% 24% OK 1級 264 15.4 18.1 19.3 47% 100% 34% 37% OK 2級 309 12.9 16.4 17.0 53% 100% 37% 48% OK 3級 195 10.4 14.1 13.6 97% 100% 73% 88% OK 特級 585 34.4 35.0 32.7 70% 43% 100% 100% OK 1級 230 24.6 26.6 23.5 89% 61% 100% 97% OK 2級 300 22.5 24.6 22.1 82% 40% 100% 99% OK 3級 195 20.8 21.5 18.8 100% 52% 71% 86% OK 荷重 縦 圧 縮 縦 引 張 り 曲 げ ワイブル 検定 結果 甲種等級 n 下限値 検出力 正規 対数 正規 正規 対数 正規4
表 4 カラマツの目視等級区分における下限値の算出結果 ワイブル (NPE) 2P 3P 特級 123 24.6 26.6 23.5 100% 100% 33% 35% OK 1級 108 23.0 24.0 24.1 87% 100% 51% 55% OK 2級 107 20.8 22.3 23.0 80% 100% 41% 45% OK 3級 157 20.8 21.4 20.6 84% 100% 42% 44% OK ②級 264 20.5 21.6 21.4 53% 100% 21% 23% OK 特級 156 15.3 19.4 19.0 49% 100% 29% 37% OK 1級 147 11.5 15.9 16.2 54% 100% 36% 47% OK 2級 150 11.2 14.9 15.1 45% 100% 22% 27% OK 3級 152 8.1 10.2 9.3 100% 48% 77% 78% OK ②級 302 9.1 12.0 11.2 100% 97% 59% 69% OK 特級 154 20.0 23.8 21.9 61% 100% 41% 51% OK 1級 141 18.9 22.7 23.6 71% 100% 48% 61% OK 2級 154 12.9 17.7 18.5 42% 100% 29% 38% OK 3級 146 13.4 16.4 15.7 80% 100% 45% 56% OK ②級 300 12.9 17.0 16.9 30% 100% 13% 15% OK 荷重 縦 圧 縮 縦 引 張 り 曲 げ 正規 対数 正規 正規 対数 正規 ワイブル 検定 結果 甲種等級 n 下限値 検出力5
【参考】 204 材の強度試験方法と測定項目 (1)曲げ試験 スパン(支点間距離)を材せい(長辺)の 21 倍の 3 等分点 4 点荷重方式で実施した。したがって、204 材のスパンは 1869mm とした。なお、試験中、荷重をロードセルによって測定するとともに、スパン中央 部に設置した変位計によって全スパンに対するたわみを測定した。 (2)縦圧縮試験 材長を 204 材では 225mm(λ=20.5)、206 材では 325mm(λ=29.6)とし、短柱縦圧縮試験を実施した。 (3)縦引張り試験 チャック間距離を長辺の 9 倍、すなわち 204 材では 801mm、206 材では 1260mm として縦引張り試験を 実施した。 なお、すべての試験体について、各試験終了後、厚さ 20mm 程度の含水率測定用試験体を採取し、全 乾法により含水率を求めた。 各試験よって測定した各項目は以下の表 A のとおりである。また、試験体のサンプリング地域は、 表 B の通りである。 表 A 各強度試験で測定した項目 試験の種類 測定項目 曲げ試験 曲げ強度、曲げヤング係数、密度、中央部の最大単独節、、中央部の最大集中 節径、材縁部の最大単独径、材縁部の最大集中節径、繊維傾斜、平均年輪幅、 含水率 縦引張り試験縦引張り強度、密度、中央部の最大単独節、、中央部の最大集中節径、材縁部 の最大単独径、材縁部の最大集中節径、繊維傾斜、平均年輪幅、含水率 縦圧縮試験 縦圧縮強度、密度、中央部の最大単独節、、中央部の最大集中節径、材縁部の 最大単独径、材縁部の最大集中節径、繊維傾斜、平均年輪幅、含水率(曲げ試 験体と同値) せん断試験 せん断強度、密度、含水率(曲げ試験体と同値) 表 B 試験体のサンプリング地域 樹 種 サンプリング地域 ス ギ 秋田、福島、栃木、埼玉、三重、和歌山、岡山、徳島、熊本、大分、宮崎、鹿児島 ヒノキ 栃木、長野、三重、和歌山、岡山、愛媛 カラマツ 北海道、岩手、長野6
2 スギ、ヒノキ、カラマツの甲種枠組材,乙種枠組材に関する新たな基準強度の試算 (2)で算出した対数正規分布の下限値を用いて、スギ、ヒノキ、カラマツの各等級の基準強度の算 定を試みた。また、スギ、カラマツの2級の下限値は、目視等級区分の年輪幅の基準見直しを想定して ②級のデータから算出した値を採用した。各強度の特級および2 級を除く等級の下限値の計算は、ASTM D1990-07 にしたがい次の式で行った。ただし、スギの甲種枠組材の縦圧縮強度の場合、特級の下限値 が2級より小さかったため、1級と2級の基準強度は、特級と同じとした。また、スギの甲種枠組材の 縦引張り強度と曲げ強度の場合、1級のGrade Quality Index を 55 として算出した。基準強度の試算結果を表 5 に示した。 (曲げ・縦引張り強度) 1 級 :(特級の実験値+2 級の実験値)/2×0.85 3 級 :2 級の実験値×0.58 コンストラクション:(2 級)×0.76 スタンダード :(2 級)×0.42 ユーティリティ :(2 級)×0.20 (縦圧縮) 1 級 :(特級の実験値+2 級の実験値)/2×0.95 3 級 :2 級の実験値×0.61 コンストラクション:(2 級)×1.14 スタンダード :(2 級)×0.94 ユーティリティ :(2 級)×0.61