検証報告 心中以外 の虐待死 0日死亡 若年妊娠あり 望まない妊娠/計画 していない妊娠あり 計 第1次(2005年) 25 1(4.0) - - 25 第2次(2006年) 50 6(12.0) - - 50 第3次(2007年) 56 8(14.3) 4(7.1) 7(12.5) 56 第4次(2008年) 61 8(13.1) 8(13.1) 10(16.4) 61 第5次(2009年) 78 16(20.5) 12(15.4) 11(14.1) 78 第6次(2010年) 67 22(32.8) 15(22.5) 21(31.1) 67 第7次(2011年) 49 6(12.2) 7(14.3) 11(22.4) 49 第8次(2012年) 51 9(17.6) 14(27.5) 10(19.6) 51 第9次(2013年) 58 7(12.1) 14(24.1) 18(31.0) 58 第10次(2014年) 51 11(21.6) 4(7.8) 14(27.5) 51 第11次(2015年) 36 4(11.1) 6(16.7) 8(22.2) 36 合計 582 98(19.3) 84(16.6% )* 110(21.7% )* 582 *第3次-11次の合計507に対する割合
⼦ども虐待対応の⼿引き(平成25年8⽉改訂版)
厚⽣労働省雇⽤均等・児童家庭局総務課 P31 3.市区町村の⼦育て⽀援策 (2)妊娠期からの⽀援 ②特定妊婦への ⽀援 対象者の考え方 ①すでに養育の問題がある妊婦:要保護児童、要支援児童を養育している親 の妊娠 ②支援者がいない妊婦:未婚またはひとり親で親族など身近な支援者がいな い妊婦、夫の協力が得られない妊婦など ③妊娠の自覚がない・知識がない妊婦、出産の準備をしていない妊婦 ④望まない妊娠をした妊婦:育てられない、もしくはその思い込みがある、婚 外で妊娠をした妊婦、すでに多くの子どもを養育しているが経済的に困窮して いる状態で妊娠した妊婦など ⑤若年妊婦 ⑥こころの問題がある妊婦、知的問題がある妊婦、アルコール依存、薬物依 存など ⑦経済的に困窮している妊婦講義④ 「健やか親子21(第2次)」の重点課題における保健指導②
〜妊娠期からの児童虐待への予防的な対応〜
人口動態統計 2.4 1.5 1.2 1 1 0.8 0.9 1.2 1.4 1.4 1.7 1.6 1.3 1.3 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 % 年 人口動態特殊統計 12.6 21.0 26.3 26.6 25.3 47.4 67.0 81.7 83.2 81.5 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 % 総 数 15~19歳 20~24 25~29 30~34 35歳以上 年 2009年
人口動態統計 9.0 6.8 5.9 5.3 5.0 5.2 7.6 9.0 9.3 11.3 15.4 18.7 26.1 30.7 0 5 10 15 20 25 30 35 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 % 年 全体 若年 20~24歳 25~29歳 2014年 人口動態統計 勤労者(1):常用勤労者、従業員1~99人 勤労者(2):勤労者(1)にあてはまらない常用勤労者 1.4 7.2 33.3 44.1 8.5 1.8 3.7 1.1 6.8 40.9 16.4 13.6 12 9.2 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 農 家 自営 業 勤 労 者 (1 ) 勤 労 者 (2 ) そ の 他 無 職 不詳 % 全出生 10代
人口動態統計 16.7 6.7 6.8 13.9 17.6 31.0 37.1 36.3 5.2 2.3 2.6 3.8 5.9 8.5 12.4 12.7 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 % 年 全体: 夫 全体: 妻 20歳未満: 夫 20歳未満: 妻 2014年 2014年に女性444,219人が初めて結婚し、161,303人が離婚
⼦ども虐待対応の⼿引き(平成25年8⽉改訂版)
厚⽣労働省雇⽤均等・児童家庭局総務課 P31 3.市区町村の⼦育て⽀援策 (2)妊娠期からの⽀援 ②特定妊婦への ⽀援 対象者の考え方 ①すでに養育の問題がある妊婦:要保護児童、要支援児童を養育している親 の妊娠 ②支援者がいない妊婦:未婚またはひとり親で親族など身近な支援者がいな い妊婦、夫の協力が得られない妊婦など ③妊娠の自覚がない・知識がない妊婦、出産の準備をしていない妊婦 ④望まない妊娠をした妊婦:育てられない、もしくはその思い込みがある、婚 外で妊娠をした妊婦、すでに多くの子どもを養育しているが経済的に困窮して いる状態で妊娠した妊婦など ⑤若年妊婦 ⑥こころの問題がある妊婦、知的問題がある妊婦、アルコール依存、薬物依 存など ⑦経済的に困窮している妊婦 ⑧妊娠届出の未提出、母子健康手帳未交付、妊婦健康診査未受診または回 数の少ない妊婦 なお、未受診となった背景を把握することが重要である0日の死亡児 4人 複数回答 望まない妊娠 2人(50.0%) 若年(10代)妊娠 1人(25.0%) 母子健康手帳の未発行 3人(75.0%) 妊婦健診未受診 3人(75.0%) *0か月死亡 0人 厚労省社会保障審議会専門委員会 子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について 第11次報告 第10次報告では「望まぬ妊娠と関連する妊娠期の問題」として ○0日の死亡児 4人 母子健康手帳の未発行・妊婦健診未受診 100% 〇1日以上1か月未満の死亡児 0人 ○1か月~1歳未満 4人 母子健康手帳の発行・妊婦健診未受診 25.0% 母子健康手帳の発行・妊婦健診受診 75.0% ○1歳以上 5人 母子健康手帳の発行・妊婦健診受診 100% 調査年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 事例数 152 148 254 307 285 262 若年(% ) 15.8 14.9 15.7 18.6 17.5 17.6 予定外の妊娠(% ) - 54.7 30.3 51.1 57.5 69.8 無職(% ) 58.6 64.2 58.7 54.4 54.7 57.3 生活保護受給(% ) 26.3 31.8 27.2 27.7 29.5 21.4 助産制度利用(% ) 24.3 33.1 35.0 28.3 31.2 24.8 未受診の理由:経済的理由(% ) 33.0 30.0 33.0 29.0 29.0 20.4 児:低出生体重児(% ) 26.3 26.0 22.0 22.0 22.0 21.9 児:N IC U 入院(% ) 31.7 27.0 22.8 19.5 26.0 24.1 未受診は受診回数3回以下または最終受診日から3か月以上の 受診がない妊婦と定義。飛び込み分娩も当然含まれる。 大阪府内の分娩を扱うすべての施設に調査。 大阪産婦人科医会
妊娠・出産・子育てと現行のサービス・支援
H26年度 妊娠 出産 妊娠届出・ 母子健康手帳交付 妊婦訪問 産婦訪問 新生児訪問 未熟児訪問 乳児家庭全戸訪問事業 3~5か月・ 1歳6か月・ 3歳児健診 養 育 支 援 訪 問 事 業 経 過 就学へ 妊婦健診 児童福祉法によ る 事業 母子保健法によ る 事業 出産後の届出:0.23% 平均受診:9.98回 出生数の2.5% 出生数の70.3% 出生数(未熟児除く)の 26.8% 未熟児の56.3% 出生家庭の90.6% 受診率95.3%、 95.5%、 94.1% サービ ス の隙間の母子 サービスを利用しない少数の親子に問題 全体の6人に1人が子どもの貧困150万年前にホモサピエンスは進化の岐路。食料を
木の実などに頼らない飢餓的状態は加齢の速度を遅
らせ、シナプスを皮質ニューロンに変形させ知能が増
大したのではないか
100万年前に直立歩行で産道が狭くなり、ぎりぎり頭
が通過する胎齢
9か月で(ゴリラは胎齢20か月で出
生)、大人の
23%の脳サイズで出生
原則単胎で、脳が完成するまで長い子育てを徹底的
に個人ではなく群れとして子育てをしていた
脳が発達する期間が長く、これは好奇心が強い時間
を長くし、試行錯誤し新しいことに挑戦させ、道具や
言葉が生まれた
しかし、影響を受けやすい子ども時代が長いことは、
子育てによる悪影響を受けやすい
・大人から受容された育ちか ・対人関係の問題は無いか ・社会的スキルのレベルは ・困難に対応できていたか ・SOSを出せて、人間に頼れる力があるか ・どのような人間に惹かれるか ・出会ったいきさつはどうか ・先のことが考えられか ・情報収集・選択ができるか ・決定・実行できるか ・子どもを受容できるか ・メンタルの不調 ・経済苦 ・DV ・育てにくい子ども ・支援を要する家族等 子育て負担大 その人間の 「ひととなり」 女性「性」と 望んだ妊娠か どうか 外的変動
外的
変動
女性「性」 望んだ妊娠 かどうか中核は
「ひとと
なり」
妊娠・出産・子育ては、他の健康課題とは違い、きわめてその人間の生き様に 影響されると同時に影響を与えることがらである。「ひととなり」を中核として その人間をアセスメントし、さらにこの子どもとの関係をアセスメントし、外的変動 がないかモニタリングし、適切な介入支援を行うことが重要である。妊娠期からの虐待予防の視座
知識は、 このどの レベルに も良い影 響を与え うる揺さぶら
れ症候群
【養育者の要因】 孤立、うつ状態、イ ライラ、経験不足 【赤ちゃんの要因】 月齢、泣き声、ニー ズの多さ 【環境要因】 赤ちゃんを決して揺 さぶってはいけない という知識の欠如⼼中以外の虐待死:加害の動機
(第2次報告〜第11次報告) 0 5 10 15 20 25 30 第2次 第3次 第4次 第5次 第6次P(peak of crying):
どんなによい養育者でも泣き声発作は 2か月頃まで増強し、その後減退U(unexpected):
予測不能、自然発生的で説明不能R(resists soothing):
どんなに慰めてもおさまらないP(pain‐like face):
痛そうに見えるL(long lasting):
泣き声は平均30~40分、生後2~3か月 に特徴的で5か月頃には終わることが多いE(evening):
午後遅くから夕方にかけて起こる ロナルド・G・バルら 自尊心の低い母親は、自分を非難されているようにとらえ、 ますます自信をなくす 父親はどうしてよいかわからず“揺さぶられ症候群”を引き 起こすことも 泣くことについての正しい知識と、決して揺さぶらないことの 啓発を 乳幼児揺さぶられ症候群の予防と赤ちゃんの“泣き”への対処法の動画『赤 ちゃんが泣きやまない』を厚生労働省 動画チャンネル(YouTube)で公開 【対処法】おむつかえ、熱・体の異常がないか確認、げっぷをさ せて授乳、おしゃぶり、室温の確認、肌を触れあわせて抱っこ など、歌を歌う・穏やかな音楽を流す、ゆっくり揺らす、ベビー カーで散歩、ドライブなど →それでも泣き止まないときは、深呼吸、気分転換、 安全を確認して部屋を離れる https://www.youtube.com/watch?v=T09gzgGUOnY&feature=c4‐ overview&list=UUVgZUHlkoN51FOwoNMBGjfw 自尊心の低い母親は、自分を非難されているようにとらえ、 ますます自信をなくす 父親はどうしてよいかわからず“揺さぶられ症候群”を引き 起こすことも 泣くことについての正しい知識と、決して揺さぶらないことの 啓発を 乳幼児揺さぶられ症候群の予防と赤ちゃんの“泣き”への対処法の動画『赤 ちゃんが泣きやまない』を厚生労働省 動画チャンネル(YouTube)で公開 【対処法】おむつかえ、熱・体の異常がないか確認、げっぷをさ せて授乳、おしゃぶり、室温の確認、肌を触れあわせて抱っこ など、歌を歌う・穏やかな音楽を流す、ゆっくり揺らす、ベビー カーで散歩、ドライブなど →それでも泣き止まないときは、深呼吸、気分転換、 安全を確認して部屋を離れる https://www.youtube.com/watch?v=T09gzgGUOnY&feature=c4‐ overview&list=UUVgZUHlkoN51FOwoNMBGjfw
パンフレットを渡したら終わりではな
い啓発が必要!
実際に泣き声を聞き、どうしたらよい
か考える啓発を、母親・両親教室の
プログラムに取り入れたり、医療機
関と連携して行うべきである
母子保健は、きわめて動物でもあり、ヒトでもある人間を ベースとした公衆衛生活動 支援者は、性に対する偏見がないか自分の物差しを知 り、自分の生育歴を消化しておく必要がある 公的サービスを利用しない・利用しにくい支援を要する妊 婦等に対する想像力を持ち、受容する支援が重要である
標準的なモデル作成のための論点
乳幼児健診での虐待の気づきや予防的な支援に関する手 引きや研修が必要である。 乳幼児揺さぶられ症候群は発生機序に関する知識と、 泣き止まないことに対する対応の啓発が重要である。 論点9 妊娠期からの児童虐待防止対策 「提言」p.20 「論点整理」p.64 第Ⅳ章 「健やか親子21(第2次)」の 重点課題における乳幼児健診の保健指導全国調査(市区町村)
乳幼児期の健康診査を通じた新たな保健指導手法等の開発のための研究乳幼児健診の面談やその問診票で、新たに虐待
の疑いを把握したときのマニュアルや取り決め等
市町村 中核市・政令 市・特別区 計 該当数 比率 該当数 比率 該当数 比率 親子の様子のアセスメント 410 73.6% 42 79.2% 452 74.1% 上司に報告等の組織的対応 438 78.6% 46 86.8% 484 79.3% 健診スタッフが認識する仕組み 477 85.6% 45 84.9% 522 85.6% 親子の心情に寄り添う関わり 311 55.8% 30 56.6% 341 55.9% 担当保健師につなぐ等の橋渡し 476 85.5% 49 92.5% 525 86.1% その他 93 16.7% 7 13.2% 100 16.4% 「マニュアルや取り決めが ある」と回答した600自治体 (52.0%)の内容 全国市区町村1,741か所都道府県保健所366か所、47都道府県の母子保健主管部(局)等を対象に、平成27年8月に実 施。回答数(率):市区町村1,172件(回答率67.3%)都道府県保健所218件(59.6%)、都道府県39件(83.0%) 0 20 40 60 80 100 (%) P<0.001 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 取り決め・マニュアルがある 親子の様子のアセスメント 上司に報告等の組織的対応 健診スタッフが認識する仕組み 親子の心情に寄り添う関わり 担当保健師につなぐ等の橋渡し自治体規模別の状況
乳幼児期の健康診査を通じた新たな保健指導手法等の開発のための研究乳幼児健診の面談やその問診票で、新たに虐待
の疑いを把握したときのマニュアルや取り決め等
階層 市町村数 範囲(単位:人) 第I層 23 <8 第II層 206 8≦ <54 第III層 503 54≦ <391 第IV層 369 391≦ <2916 第V層 57 2916≦乳幼児期の健康診査を通じた新たな保健指導手法等の開発のための研究 ・規模の小さな自治体では、取り決めやマニュアルは明らかに少 ない 医師や看護師などの非常勤職員も含め、健診従事者間で一定 の対応を行う工夫が必要 ・児童虐待予防には、健診担当者がハイリスク者等の情報を事 前に共有し、地区担当保健師等が対応するなど健診の場から確 実に支援につなげることが必要 全国調査から事前に取り決めているのは半数程度であったこと から、標準化に向けた対応策の検討が必要。 都道府県や保健所の一層の関与が望まれる。
乳幼児健診で虐待の疑いを把握した時の対応
乳幼児健診において、明白な虐待の場合は児童福祉機関に通 告が必要であるが、保健機関は親と対立するのではなく、あくま でよく受診してくれたというスタンスで望みたい。 疑いの場合は、親の認識の有無にかかわらず育児の困難が ベースにあり、親の支援を行うという理由で支援へのつなぎを必 ず行うことが重要である。 このため、乳幼児健診での虐待の気づきや予防的な支援に関す る手引きや研修が必要である。乳幼児健診で虐待の疑いを把握した時の対応
妊娠届出がほとんど初めての公的支援への接点
・おまたせしました。妊娠届出、ありがとうございます (「おめでとう」でうまくいかないケースも) ・足りないところを指摘する・指導する姿勢でなく、まずは自己紹介。自分 はどのような職種で何をする者であるか ・話はあくまで妊婦に目線を合わせ、妊婦にする ・アンケートをなぞるばかりでなく、「何か困っていることはありませんか」 ・「何かあったら相談して下さいね」ではなく、具体的に心身、胎児、夫婦関 係、経済状況、医療機関、支援者などを例示生育歴、これまでの生活の把握は必須
・小さい頃はどんな子どもだったんでしょうね。小さい頃でよく覚えているこ とはどんなことでしょう ・何でもいいんですが、働いたことはありますかパートナーとの関係を把握
・子どもさんのお父さんはどんな方でしょうね乳幼児健診では・・・必須問診項目⑬
<3~4か月児、1歳6か月児、3歳児> 〇子どもを虐待していると思われる親の割合 「ここ数か月の間に、ご家庭で以下のようなことがありましたか 3~4か月児・1歳6か月児: 1しつけのし過ぎがあった 2感情的に叩いた 3乳幼児だけを家に残し て外出した 4長時間食事を与えなかった 5感情的な言葉で怒鳴った 6子どもの口をふさいだ 7子どもを激しく揺さぶった 8いずれも該当しない 3歳児: 1しつけのし過ぎがあった 2感情的に叩いた 3乳幼児だけを家に残し て外出した 4長時間食事を与えなかった 5感情的な言葉で怒鳴った 6子どもを激しく揺さぶった 7いずれも該当しない 子ども虐待の発生率を把握する項目ではない。親が問題育児の認 識があるかどうか、認識していてもそのことを指摘されたくない、など の場合は実際の育児を把握することはできない。 しかし、親子の関係から問題の有無を把握することはできる。必須問診項目⑬
1~7(3歳では5)を回答した場合、「そうなんですね、○○したくなる、 ○○するほど、大変なんですね」「お母さんもつらい、しんどいです ね」「どのようなときにそうしています?」「私はお母さんのことが心配 です。少し育児が楽になることを一緒に考えてみましょう」「少し、おう ちにお邪魔させていただけませんか」 「お父さんがそうするんですね」「そのとき、お母さんはどんな気持ち になります?」「お母さんもつらいですね」「お母さんも叩かれたりして いませんか」「私は、お父さんがそうするのがとても心配なんで、もう 少し話をお伺いしたいです」「今日、お時間があったら、違うお部屋で ゆっくりお話しできるようにします」 本当に虐待かどうか判断する、通告するための問診項目ではない。 応えてくれた場合は、親からのSOSと受け止めるべきである。また、 虐待行為があることを関係者が知っているのに該当する答えをする 場合は、認識していない、あるいは隠したいとして、これも支援を行う 必要がある。 H22年度幼児健康度調査子どもを虐待しているのではないか
と思うことがありますか
1歳 1歳6か月 2歳 3歳 4歳 5-6歳 全体 はい 7.2% 8.3% 11.5% 15.9% 13.3% 11.6% 10.7% いいえ 82.5% 79.4% 74.1% 86.9% 72.0% 68.4% 74.7% 何ともいえない 9.9% 11.6% 14.4% 16.5% 14.8% 19.4% 14.1% 1歳 1歳6か月 2歳 3歳 4歳 5-6歳 全体 たたくなど 48.6% 47.2% 54.9% 45.5% 47.7% 38.9% 46.8% 食事制限や放置 1.4% 0.0% 0.0% 2.0% 1.2% 0.0% 0.7% しつけのし過ぎ 14.9% 18.0% 17.6% 18.2% 19.8% 20.4% 18.3% 感情的な言葉 79.9% 76.4% 78.0% 89.9% 89.5% 89.8% 84.3% その他 2.7% 6.7% 1.1% 1.0% 1.2% 2.8% 2.6%それはどのようなことですか
“虐待ハイリスクへは集中的家庭訪問以外に有
効な介入方法はない”
Grey,Kemp:妊娠中からの家庭訪問で親子の結びつきが強くなり、 身体的虐待減少(1977) Cohn,Daro:ハイリスクを含めた虐待への介入の有効性と費用対効 果で、集団療法や自助グループなどに比して家庭訪問と家事 サービスが虐待を著明に減少(1988) Olds:次のスライドのNFP ポイントは、 ・出産前あるいは出産後から家庭訪問開始 ・一定のリスクの新しい母親は誰でも家庭訪問が受けられる ・母親の積極的な自由意志に基づく ・家庭訪問を軸に地域資源との連携を図る ・母親が援助者と信頼関係を作りやすくする福祉対策などの実施 ・明確な基準による定期的かつ頻回の家庭訪問 1991年USA諮問委員会 NY州エルミラの効果 1977~ 対象:初産婦、十代、未婚、経済的問題のある親 方法:妊娠中1/2wに1回訪問平均9回、 生後6wまでは1/w、4mまでは1/2w、14mまでは1/3w、 20mまでは1/4wなど 2年間に平均23回訪問 訪問で 子どもの発達についての理解を深める、 ケアのサポート、 他の健康サービスにつなぐなど 結果:2年後:虐待が4%(コントロール19% P<0.001)、 子どもの間隔↓、アルコール・薬物↓ 3年後:子どもの数↓、妊娠間隔↑、食事スタンプ↓ 15年後:虐待↓(P<0.01)、子どもが他の未婚と比して↓、 アルコール・薬物↓、拘留↓ニューヨーク州エルミラ(白人、1977~)、テネシー州メンフィス(9 割がアフリカン、1988~)、コロラド州デンバー(5割がヒスパ ニック、1994~) 周産期における母児の健康改善(未熟児、SIDS) 小児期に受ける外傷の減少 子どもの生まれる間隔の延長 パートナーとの関係の安定性増加 福祉の家族の利用を減少(現金援助。食物スタンプとメディ ケード) 母の雇用の増加 心理的刺激で母児関係改善、認識や言語能力改善 1家族あたり17,000ドル(約170万)の費用対効果、1ドルにつ き2.80ドルから5.70ドルの効果
Nurse‐Family Partnership の概要
①クライアントは、自発的にNFPプログラムに関与する。 ②クライアントは、初産婦。 ③クライアントは、低収入の基準を満たす。 ④クライアントは妊娠初期にプログラムに登録され、28週末までに、第 1回目の訪問を受ける。 ⑤クライアントは、1対1(1妊婦または家族に1訪問)で訪問される。 ⑥クライアントは、彼女の家で訪問される。 ⑦クライアントは、NFPガイドラインに従い、妊娠中及び子どもが2歳ま で訪問される。 ⑧看護師訪問員と看護師長は、看護の学士号以上を持っている。 ⑨看護師家庭員と看護師長は、NFP全米サービスオフィスによるセッ ションを完了して、NFPモデルに従い介入する。 ⑩看護師訪問員は、専門の知識、判断と技術でNFP訪問ガイドライン の内容を実行するが、個々のストレングスと可能性により配分をか える。 HPより佐藤作成Nurse‐Family Partnership の概要 ⑪看護師訪問員は、臨床的な訪問を行うとともに、このプログラムを支 えている理論的なフレームワーク(セルフエフィカシィ、人類エコロ ジーと愛着理論)を実行する。 ⑫フルタイムの看護師訪問員は、25ケース以上は担当しない。 ⑬フルタイムの看護師長は、8人以上の看護師訪問員は監督しない。 ⑭看護師長は看護師訪問員に、各種理論を統合しながら、1対1の臨 床監督、症例会議、チーム会議等の管理活動を行い、NFPが円滑 に進められるようにする。 ⑮看護師訪問員と看護師長は、NFP全米サービスオフィスによって指定 されるデータを集めて、報告を行い評価し、クリニカルスーパーバイ ザーに報告し、プログラムの質を高め、効果を示す。 ⑯NFPを実行する機関は、低収入家族に予防的サービス提供を継続で きるよう、地域で、よく知られている機関によって運営される。 ⑰NFPを実行する機関は、プログラムに対する地域支援システムの向 上、プログラムの質と継続性を向上させるために、少なくとも年四回 地域委員会を召集する。 ⑱このような体制は、看護師訪問員と看護師長をサポートし、データが タイムリーにデータベースに正確に入れられることを保証する。 於:第17回日本子ども虐待防止学会 2011