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*非会員 福島大学共生システム理工学類(Faculty of Symbiotic Systems Science, Fukushima University) **正会員 福島大学共生システム理工学類(Faculty of Symbiotic Systems Science, Fukushima University)

第 1 章 研究の背景と目的 岩手県・宮城県・福島県の 3 県は、2011 年 3 月 11 日に 三陸沖を震源とする東日本大震災による地震、津波などの 影響により、多くの死者・行方不明者などの人的被害や、 多くの建築物の倒壊・浸水などの物的被害を受けた。沿岸 部は、内陸部と比較して、津波被害により大量の瓦礫や泥 などの観光資源への流入、宿泊施設の損壊や交通インフラ の寸断など、観光業への甚大な被害を受けた。また、福島 第一原子力発電所事故(以下、原発事故)の発生に伴う放 射能汚染により、福島県では避難指示区域が設定され、住 民は避難を余儀なくされたほか、観光客が急減する、地域 の特産物が売れなくなるなどの風評被害を受けた。 震災翌年、被災 3 県を訪れる観光客は大きく減少したも のの、年々回復傾向にある。しかしながら 2015 年時点で震 災前の観光客数まで回復している市町村は僅かである(表 1)。観光庁では、特に被害の大きかった福島県に対して国 内観光振興、教育旅行について支援を行っている。さらに 早期の観光復興を最大限に促進するため、同県が実施する 風評被害対策及び震災復興に資する国内観光関連事業に対 して補助する「福島県における観光関連復興支援事業」を 実施している。 また近年、我が国では観光立国の推進、観光庁の設立、 訪日ビザの緩和、円安などの影響により訪日外国人が急増 している。少子高齢化・人口減少等の問題を抱える我が国 にとって、訪日外国人の増加は、地域経済の活性化に資す るものとして期待されている。しかしながら東北地方では、 風評被害の影響等により全国的なインバウンド急増の効果 を享受できていないのが現状である。そこで観光庁は、東 北の観光復興に向けて、2016 年を「東北観光復興元年」と して、観光復興関連予算を大幅に増額し、国土交通省等の 関係省庁と連携して東北の観光復興を力強く推進していく としている。東京オリンピックが開催される 2020 年には、 外国人宿泊者数を 150 万人泊とすることを目標に設定して いる。国は東北観光復興対策交付金の創設、東北観光復興 プロモーションや「新しい東北」交流拡大モデル事業等を 実施し、インバウンド急増の効果を東北地方にも波及させ 表 1.津波被災市町村における観光客入込数の状況 出典:総務省「2015 年国勢調査」、観光庁「2010 年・2015 年観光入込客統 計」、国土地理院(2011)「津波浸水範囲の土地利用別面積について」 ることにより、東北の復興・創生を図る考えである。 東日本大震災および原発事故の発生に伴う観光資源の被 災状況や観光復興に向けた取り組みに関する既往調査・研 究として、例えば、財団法人日本交通公社(2011) 1)は、 観光資源を資源タイプ・地域別に分類して被災状況を整理 しており、沿岸部に位置する観光資源のうちキャンプ場、 海水浴場などが特に甚大な被害を受けたことを明らかにし ている。加えて、沿岸部だけでなく、内陸部に立地してい る観光施設についても、施設自体に対する影響は見られな いものの、施設が被災者の避難所や仮設住宅用地として利 用されていたり、ボランティアセンターや自衛隊など震災 復旧(復興)関係者の拠点として利用されていたりするな

東日本大震災による津波被災市町村における観光復興の実態と課題

Actual state and issues of tourism revival in Tsunami affected municipalities by the Great East Japan Earthquake.

五十嵐 悠貴*・川﨑 興太** Yuki Igarashi*,Kota Kawasaki** This study discusses the current state and future issues of tourism revival in 37 municipalities of Iwate Prefecture, Miyagi Prefecture and Fukushima Prefecture affected by the tsunami disaster by the Great East Japan Earthquake. It clarifies that (1) the speed of tourism revival is slow, (2) almost all municipalities are faced with challenges of tourism revival, (3) the rate of municipalities tackling inbound tourism is 50%. Finally, this study points out the necessity of enrichment of soft measures as well as restoration and development of tourism resources as future issues.

Keywords: Tourism Revival, Inbound, Tsunami Affected Municipalities, Great East Japan Earthquake, Fukushima Nuclear Accident

キーワード:観光復興, 津波被災市町村, インバウンド, 東日本大震災, 福島原発事故 人口 (人) 観光客入込数 (人) 人口 (人) 観光客入込数 (人) 陸前高田市 23,300 945,719 19,757 498,924 232 13 6 大船渡市 40,737 969,841 38,068 994,794 321 8 2 釜石市 39,574 780,835 36,812 276,747 443 7 22 大槌町 15,276 147,915 11,732 20,000 200 4 2 山田町 18,617 199,428 15,826 231,276 263 5 2 宮古市 59,430 1,084,119 56,569 1,216,295 1,259 10 1 岩泉町 10,804 431,908 9,839 429,024 989 1 0 田野畑村 3,843 625,940 3,461 551,870 156 1 1 普代村 3,088 39,095 2,796 65,801 70 1 1 野田村 4,632 285,856 4,127 281,662 84 2 3 久慈市 36,872 545,865 35,644 802,109 623 4 1 洋野町 17,913 769,646 16,694 865,380 303 1 0 58 20 35 51 29 56 228 3 1 石巻市 160,826 2,612,359 147,236 2,380,009 556 73 13 塩釜市 56,490 2,323,216 54,195 2,207,048 18 6 34 気仙沼市 73,489 2,540,589 64,917 1,349,200 333 18 5 名取市 73,134 1,127,812 76,719 828,065 98 27 28 多賀城市 63,060 682,999 62,128 612,049 20 6 31 岩沼市 44,187 2,310,663 44,704 2,336,598 61 29 49 東松島市 42,903 1,123,233 39,518 415,534 102 37 5 亘理町 34,845 916,718 45,912 703,489 74 35 47 山元町 16,704 48,618 12,314 57,592 64 24 38 松島町 15,085 3,568,621 14,424 2,809,753 54 2 5 七ヶ浜町 20,416 347,799 18,651 280,131 13 5 36 利府町 33,994 1,475,272 35,881 2,119,333 45 0.5 1 女川町 10,051 696,005 6,334 381,259 66 3 4 南三陸町 17,429 1,083,630 12,375 804,841 163 10 6 新地町 8,224 80,950 7,776 43,260 46 11 24 相馬市 37,817 1,806,914 8,218 620,257 197 29 15 いわき市 342,249 10,766,595 350,237 8,117,637 1,231 15 1 楢葉町 7,700 970,379 975 24,384 103 3 3 広野町 5,418 64,458 4,319 20,272 59 2 3 南相馬市 70,878 1,328,721 57,797 1,880,359 398 39 10 浪江町 20,905 266,464 - - 223 6 3 双葉町 6,932 85,873 - - 51 3 6 大熊町 11,515 101,805 - - 79 2 2 富岡町 16,001 451,310 - - 68 1 2 震災後(2015年) 面積(㎢) 浸水面積(㎢) 浸水率(%) 岩手県 県 市町村 震災前(2010年) 宮城県 福島県 太白区 仙台市 19,789,520 1,082,185 22,293,853 宮城野区 若林区 1,045,986

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ど、その多くは観光利用が不可となっていたことを報告し ている。また、日本政策投資銀行東北支店(2016) 2)は、 海外旅行経験者を対象とするインターネット・アンケート 調査を通じて、震災後から風評被害は着実に解消されつつ あり、東北地方に期待する「自然・景観」への期待が高ま っている一方で、東北の地名度の低さや決済・通信環境等 の問題が今後の課題であることを明らかにしている。 本研究は、こうした既往研究で得られた知見を踏まえつ つ、津波被災市町村である岩手県の 12 市町村、宮城県の 15 市町、福島県の 10 市町の合計 37 市町村を対象として、 観光資源の現状や観光復興に向けた取り組みの現状、国が 推進するインバウンド政策における現状を明らかにし、そ こから浮かびあがる今後の観光復興に向けた課題を明らか にすることを目的とするものである。第 2 章では被災 3 県 の観光の現状について整理する。第 3 章では津波被災市町 村へのアンケート調査結果に基づく観光復興に向けた取り 組みに関する詳細分析を行い、第 4 章では本研究のまとめ として今後の課題について考察を行う。 第 2 章 被災 3 県の観光の現状 第 1 節 観光の状況 図 1 は県別の観光客入込数の推移である。震災直後、3 県ともに急激に観光客が減少している。2012 年からは回復 傾向にあり、2015 年には岩手県では震災前の数値を上回っ 図 1.県別の対象地域の観光客入込数 出典:観光庁「2010 年~2015 年観光入込客統計」 図 2.被災 3 県における観光消費額 出典:観光庁「2010 年~2015 年旅行・観光消費動向調査」 ているものの、宮城県と福島県では未だ震災前の数値を下 回っており、依然として厳しい状況が続いている。また、 図 2 は 3 県の宿泊・日帰りを併せた観光消費額の推移を表 したものである。観光消費額とは、「観光客入込数」と「観 光消費単価(観光入込 1 人の 1 回あたりの旅行における当 該都道府県での観光消費額)」を乗じたものである。3 県と もに震災翌年から右肩下がりであるが、2015 年には前年と 比較すると福島県のデスティネーションキャンペーンや宮 城県の新規観光施設のオープン・イベントの開催期間が長 く設定されたことなどの影響で上昇している。しかしなが ら、未だ震災前の数値を下回っている。 第 2 節 外国人宿泊者数 図 3 は被災 3 県の震災前を基準とした外国人宿泊者数の 伸び率を表したものである。全国的に急増している訪日外 国人だが、震災の影響に加え首都圏からのアクセスの悪さ、 観光地としての認知度の低さなどにより東北地方は伸び悩 んでいるのが現状である。特に、福島県は原発事故に伴う 風評被害による影響で他の 2 県と比較しても外国人宿泊者 数の伸び率が震災前の約半分に留まっており、著しく低い 値となっている。 また、図 4 は 2015 年の被災 3 県における国籍別の外国人 宿泊者数の割合を表したものである。3 県ともに台湾の割 図 3.2010 年比の被災 3 県における 外国人延べ宿泊者数の伸び率(従業員 10 人以上の施設) 出典:観光庁「2010 年~2015 年宿泊旅行統計調査」 図4.2015 年の被災3 県における国籍別外国人延べ宿泊者数 (従業員 10 人以上の施設) 出典:観光庁「2015 年宿泊旅行統計調査」 225,668 206,036 476,744 388,559 499,552 463,558 0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 (百万円) 岩手県 宮城県 福島県 2,787 2,899 6,129 6,066 5,718 5,031 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 (万人) 岩手県 12市町村 宮城県 15市町村 福島県 10市町村 11% 6% 8% 14% 13% 8% 3% 3% 5% 25% 32% 54% 4% 6% 2% 14% 12% 5% 3% 2% 3% 26% 26% 15% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 福島県 宮城県 岩手県 韓国 中国 香港 台湾 タイ アメリカ オーストラリア その他 100.0% 119.1% 101.1% 55.2% 232.5% 0.0% 50.0% 100.0% 150.0% 200.0% 250.0% 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 岩手 宮城 福島 全国

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合が最も高くなっており、岩手県では全体の外国人宿泊者 数の半数以上を占めている。次いで中国、韓国が高い割合 を占めており、この 3 ヵ国で岩手県では全体の 70%、宮城 県では 51%、福島県では 50%と高い割合を占めている。ア ジア圏以外ではアメリカが最も高い割合を占めている。 第 3 章 津波被災市町村における観光復興に向けた取り組み 2016 年 12 月 9 日から 2017 年 1 月 5 日にかけて、岩手県・ 宮城県・福島県の沿岸部地域の津波被災 37 市町村を対象に アンケート調査を実施し(表 2)、その結果に関するヒアリ ング調査を補足的に実施した。アンケート調査票について は、電子メールで配付し、回収した。アンケートの回収数 は名取市、亘理町、田野畑村を除く 34 市町村であり、回収 率は 92%であった。以下にアンケート調査結果の分析を行 う。 第 1 節 観光資源への被害状況と現状について (1)観光資源の被害と現状 34 市町村のうち、津波被災地域内の観光資源で津波によ る何らかの被害があったのは 30 市町村(88%)であった(表 3、図 5)。これらの市町村における代表的な観光資源であ る 78 件のうち、「観光資源の一部に重大・軽微な影響があ った」及び「元の姿を全く留めていない」観光資源は合わ せて 75 件(96%)であり、海浜公園や海水浴場をはじめと して、沿岸部のほとんどの代表的な観光資源が被害を受け た。現状については、何らかの被害のあった観光資源の 75 件のうち、26 件(35%)が「完全復旧・修繕済み」、12 件 表 2.アンケート調査の概要 (16%)が「一部復旧・修繕済み」、11 件(15%)が「被 災当時のままであり、今後復旧・修繕の予定」、「被災当時 のままであり、今後も復旧・修繕予定はない」が 7 件(9%) となっている。津波被災地域内の観光資源は被害が大きく、 復旧・修繕に時間を要すると考えられる。津波により元の 図 5.津波被災地域における主な観光資源の被害状況と復旧・修繕状況 目的 東日本大震災における津波被災 37市町村の観光復興の現状と課題 対象 東日本大震災により津波被災した 岩手県・宮城県・福島県の沿岸部37市町村 調査内容 1 . 市町村の観光状況について 1-1. 観光資源について ①津波被災地域内外の観光資源の被害と現状 ②宿泊施設について ③震災遺構について ④震災後に整備した観光資源について 1-2. 市町村の観光復興に向けた取り組み ①観光復興に向けた取り組み ②観光復興に向けた課題 2 . イン バウン ド 政策について ①外国人観光客・宿泊者数の統計の有無 ②インバウンド政策実施の有無 ③インバウンド政策の取り組み ④受入・誘客促進している国について ⑤国が支援する事業について ⑥インバウンド政策の課題 実施期間 2016年12月9日~2017年1月5日 配付数 37 回収数 34

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表 3.観光資源の状況 注: 「-」は無回答であることを指す。 影響なし 重大・軽微な影響がある観光資源の一部に 元の姿を全く留めていない 影響なし 重大・軽微な影響がある観光資源の一部に 全く留めていない元の姿を 陸前高田市 ■高田松原 ■野外活動センター ■海と貝のミュージアム ○氷上山 ○黒崎仙峡温泉 ●気仙大工左官伝承館 大船渡市 ▲国立公園碁石海岸 ●三陸鉄道 ▲海(海水浴・海産物) ○五葉温泉 ▼大船渡おさかなセンター ※費用面で完全復旧は困難 ●道の駅「さんりく」 釜石市 ▼観光船はまゆり ▼根浜海岸観光施設 ▼青出し浜トイレ、東屋 ※いずれも復旧については検討中 ○旧青の木グリーンパーク ●鉄の歴史館●釜石物産センター 大槌町 ▲吉里吉里海岸 ●蓬莱島(ひょっこりひょうたん島) ▼浪板海岸 ※被災当時のままであり、今後一部復旧・修繕の見込み ○鯨山 ○新山高原 ▲浪板不動滝 山田町 ■オランダ島 ▲鯨と海の科学館船 ●浦の浜海水浴場 ▼越家族旅行村 ※エリアの一部が復興工事の置き場となっており、 復旧の見込みを立てられない。 宮古市 ●浄土ヶ浜レストハウス ●シートピアなあど ●姉吉キャンプ場 岩泉町 ○熊の鼻展望台 ▼龍泉洞※2017年3月まで台風10号豪雨災害の影響 により閉洞中 田野畑村 普代村 ○自然遊歩道 ▲普代浜公園●まついそ公園 ○国民宿舎くろさき荘 ○北緯40度体感ランド ○鵜鳥神社 野田村 ●愛宕神社参道 ■十府ヶ浦海岸トイレ 久慈市 ●小袖海女センター●久慈地下水族科学館もぐらんぴあ 洋野町 ●種市海浜公園▼種市ふるさと物産館 ※新たな施設を建設し再開 ○たねいち産直ふれあい広場 ○アグリパークおおさわ ○おおのキャンパス 仙台市 ●仙台城跡▲瑞鳳殿 石巻市 ●石ノ森萬画館 ●サンファンバウティスタパーク ●マンガアイランドロッジ ●桃生インフォメーションプラザ ●鳴神沼公園 塩竃市 ●旧亀井邸 ●鹽竈神社 ■浦戸地区遊歩道 ●水産物仲卸市場 気仙沼市 ●海の市●道の駅「大谷海岸」 ■エースポート ○モ~ランド本吉 ●リアス・アーク美術館●ビジターセンター 名取市 多賀城市 ●沖の井(沖の石) ▲貞山運河 ●大代横穴墓群 ○多賀城跡 ○多賀城碑 ▲東北歴史博物館 岩沼市 ○渡邉庭園 ▲貞山掘 ◆弘法大師堂 ○竹駒神社 ○金蛇水神社 ○グリーンピア岩沼 東松島市 ●奥松島縄文村歴史資料館 ▼野蒜海水浴場 ※防潮堤工事が完了次第の為、変動の可 能性あり。 ▼奥松島観光情報センター ※被災元にて再建、移転復旧 ○滝山公園 ○鷹来の森運動公園 ※仮設住宅用地として利用されている ○アトムサーキット 亘理町 山元町 ▲磯崎山公園■磯浜海水浴場 ▼山元町農産物直売所「夢いちごの郷」※別の場所で仮設店舗で営業中、同じ役割を担う施設を 作る予定 ○深山山麓少年の森 ○山元町歴史民俗資料館 松島町 ▲瑞巌寺(参道) ▼マリンピア松島水族館 ※復旧再開後、閉館 ●福浦橋 ●藤田喬平ガラス美術館 ▲円通院 七ヶ浜町 利府町 ◆天然の桟橋「馬の背」のようなものが沿岸部に点在 女川町 ▼マリンパル女川※取り壊し 南三陸町 新地町 ▼釣師浜海水浴場※砂浜の清掃等は定期的に行っており、再 開に向け、今後本格的な調査を行う予定 ■観海堂 ■海釣り公園 ○鹿狼山 ○新地貝塚 ○くるめがすりの家 相馬市 ▲原釜尾浜海水浴場 ▲潮干狩り場 ●和田観光苺組合 ○相馬中村神社 ○涼ヶ岡八幡神社 ◆百尺観音 いわき市 ●アクアマリンふくしま ●いわき・ら・ら・ミュウ ●塩屋埼灯台 ●スパリゾートハワイアンズ ●いわき市石炭・化石館ほるる ●国宝白水阿弥陀堂 楢葉町 ■岩沢海水浴場 ●天神岬スポーツ公園 ●木戸川渓谷遊歩道 ◆上繁岡の大堤 広野町 ◆海浜公園 ◆奥州日の出の松 ▼Jヴィレッジスタジアム ※2018年スタジアム内に仮設宿舎を建設 ●二ツ沼総合公園 ▲五社山ふるさとの森 南相馬市 ▲北泉海浜総合公園 ◆村上海水浴場 ▼パークゴルフ場 ※別の場所へ同規模の施設を整備 ○野馬追通り銘醸館 ○道の駅南相馬 ▲鹿島カントリークラブ 浪江町 ▼マリンパークなみえ ※解体予定、再開予定 ▼パークゴルフ場※未定 ▼陶芸の杜おおぼり ※帰還困難区域のため別の場所で再開を検討中 ▼いこいの村なみえ ※2017年3月一部解体、修繕し増築予定 双葉町 ▼双葉海水浴場 ※海岸防災林・中間貯蔵施設整備予定 ▼双葉海浜公園 ※海岸防災林・中間貯蔵施設整備予定 ◆双葉バラ園 ◆双葉町歴史民俗資料館 ◆せんだん温泉 大熊町 ▼福島第一原子力発電所※廃炉に向けて工事中 ◆熊川海水浴場 ○坂下ダム ■日隠山 富岡町 ▼馬の瀬▼小名浜海水浴場 ※未定・いずれも復旧可能性も不明 ◆ろうそく岩※自然の景勝地であり、復旧不可能 ▼夜の森地区▼滝川渓谷 ※維持管理を行っている。 ※未定 ▼夜ノ森駅構内のツツジ ※事業者により伐採 観光資源の被害と現状(代表的なものを3件以内) 宮城県 津波被災地域内 岩手県 復旧・修繕状況          ●:完全復旧・修繕済み          ▲:一部復旧・修繕済み          ■:被災当時のままであり、今後復旧・修繕予定          ◆:被災当時のままであり、今後も復旧・修繕の予定はない          ▼:その他          ○:被害の影響を受けていないもの 県名 市町村名 -被災状況 被災状況 -福島県 津波被災地域外

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-姿を留めていない観光資源は現在、そのほとんどが復旧・ 修繕されておらず、今後の予定についても未定や検討中で あるものが多かった。 他方、津波被災地域外の観光資源で何らかの被害があっ たのは 20 市町村(59%)であった。これらの市町村におけ る代表的な観光資源である 69 件のうち、「観光資源の一部 の重大・軽微な影響があった」及び「元の姿を全く留めて いない」観光資源は合わせて 37 件(54%)であった。現状 については 17 件(46%)が「完全復旧・修繕済み」、6 件 (16%)が「一部復旧・修繕済み」、5 件(14%)が「被災 当時のままであり、今後も復旧・修繕予定はない」となっ ている。内陸部の観光資源は、沿岸部と比較して被害も少 なく、復旧状況についても進んでいる傾向が見られた。 (2)宿泊施設について 宿泊施設については、30 市町村から回答が得られたが、 仙台市を除く(1)29 市町村における震災前の宿泊施設の数は 1,051 施設であった(表 4)。「廃業・休業」となっている宿 泊施設は 460 施設(44%)、「再開済み」となっているのは 591 施設(56%)であった。また震災後、「新規開業」した 宿泊施設は 186 施設であった。4 割以上の宿泊施設が廃業 または休業中となっており、震災後に新規開業した宿泊施 設と合わせても震災前には達しておらず、多くの市町村が 観光客の宿泊受入について課題を抱えていると考えられる。 (3)震災遺構について 震災遺構は、被災地観光の振興や震災の風化防止、津波 被災の痕跡をそのまま残す歴史資料として大きな役割を果 たすことが期待されている。回答が得られた 34 市町村のう ち、「震災遺構がある」と回答したのは 8 市町村(24%)で あった。震災遺構としては、宿泊施設や交番、教育施設跡 地など各地域において様々であり、今後も重要な遺産とし て維持管理していく必要があると考えられる。 (4)震災後新たに整備した観光資源について 「震災後に新たに整備した観光資源がある」と回答した のは 18 市町村(53%)であった。整備された観光資源の中 では、陸前高田市の「高田松原津波復興祈念公園」や仙台 市の「せんだい 3.11 メモリアル交流館」、宮古市の「震災 メモリアルパーク中の浜」、相馬市の「相馬市伝承鎮魂記念 館」など、震災に関する施設が多い傾向が見られた。 第 2 節 観光復興に向けた取り組みについて (1)観光復興へ向けた取り組み 34 市町村のうち観光復興に取り組んでいたのは、行政区 域の全域に避難指示区域が設定されている双葉町、大熊町 を除く 32 市町村(94%)であった。 項目別では、「観光資源の復旧等」に取り組んでいるのは 30 市町村(88%)であった。その中でも「観光資源の復旧・ 修繕」が 29 市町村(85%)で最も多かった。次いで「観光 資源の整備」が 18 市町村(53%)、「観光資源の保存」が 9 市町村(26%)であった。多くの市町村が観光施設の修繕 に加え、海水浴場等の整備に取り組んでいる。 「観光復興に向けたソフトの充実」について取り組んで いるのは 29 市町村(85%)であった。「観光プロモーショ ンの実施」が 23 市町村(68%)と最も高い割合を占めてお り、主に首都圏に向けたプロモーション活動を実施してい る市町村が多かった。次いで「教育旅行の受入・誘致促進」 が 22 市町村(65%)、「語り部ガイドの育成・実施」が 20 市町村(59%)と多く、防災教育に関する取り組みが多く 見られた。次に多かったのは「復興イベントの開催」が 15 市町村(44%)、「被災地を巡るツアーの実施」が 12 市町村 (35%)であった。 「受入環境の整備」について取り組んでいる市町村は、 28 市町村(82%)であった。「宿泊施設・飲食店等の整備・ 改善」が 22 市町村(53%)と最も多かった。次に多かった のは「無料無線 LAN 等の情報基盤の整備」が 18 市町村 (53%)、「防災インフラの整備・改善」が 13 市町村(38%) であった。防災インフラについては、防潮堤の整備に取り 組んでいる市町村が多くなっている。「交通インフラの整 備・改善」は 10 市町村(29%)であった。 「組織体制の強化」について取り組んでいるのは、30 市 町村(88%)であった。そのうち、「観光協会などの観光団 体との連携強化」と「他市町村との連携強化」が 25 市町村 (74%)で最も多かった。具体的には、前者については観 光団体と連携したイベントの開催、後者については近隣市 町村と連携した広域観光の推進(2)などに取り組んでいる市 町村が多く見られた。次いで「県・国との連携強化」が 17 市町村(50%)、「住民や NPO 等との連携強化」が 16 市町 村(47%)、「市町村内での強化」が 15 市町村(44%)と多 くなっており、「旅行業界との連携強化」が 12 市町村(35%) であった。 (2)観光復興に向けた課題 今後の観光復興に向けて、岩沼市・南三陸町・大熊町の 3 市町村を除く 31 市町村(91%)は、「観光資源の復旧等」 「観光復興に向けたソフトの充実」「受入環境の整備」「組 織体制の強化」のいずれかに「課題がある」と回答した。 項目別に見ると、「観光復興に向けたソフトの充実」が 26 市町村(76%)で最も多かった。特に観光業を担う人材 が不足しているという意見が多く見られた。 次いで「受入環境の整備」が 24 市町村(71%)と多く、 宿泊施設の整備が最も大きな課題となっている。課題内容 としては、無料無線 LAN・多言語表記のパンフレット・ Web サイト等のインバウンドに関する整備等が必要である と回答している。 「観光資源の復旧等」が 23 市町村(68%)であり、海水 写真 1.女川交番 写真 2.旧野蒜駅

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浴場・潮干狩り場・避難道路の整備等沿岸部に関する課題 や被災した観光資源の移転に関する課題が多く挙げられた。 「組織体制の強化」は 20 市町村(59%)であり、多くの 市町村が現在の組織体制に課題があると感じている。 第 3 節 インバウンド政策について (1)外国人観光客の統計 「外国人観光客入込数の統計をとっている」と回答した 市町村は 9 市町村(26%)であった(表 5)。また、「外国 人宿泊者数の統計をとっている」と回答した市町村は 12 市町村(35%)であった。東北地方は訪日外国人自体が少 ないことから、外国人観光客入込数・宿泊者数の統計をと っている市町村は少ないのが現状である。 (2)インバウンド政策の取り組みについて インバウンド政策に取り組んでいるのは、17 市町村 (50%)であった(表 6)。岩手県・宮城県では半数以上の 市町村がインバウンドに積極的に取り組んでいるものの、 福島県は沿岸部の市町村の多くが避難指示区域に設定され ていたこともありインバウンド政策を実施しているのはい わき市のみであった。 インバウンド政策に取り組んでいる 17 市町村のうち、実 施内容に関して最も多かったのは「多言語パンフレット・ マップの整備」で 15 市町村(88%)であり、ほとんどの市 町村が取り組んでいる。次に多かったのは「無料無線 LAN の整備」と「海外向けプロモーションの実施」で 11 市町村 (65%)であった。また、「観光関連事業者と連携した受入 環境の整備」と「多言語 Web サイトの整備」がそれぞれ 9 表 4.観光復興に向けた取り組み状況 注1: 宿泊施設数の「再開済み」の施設には、休業せず継続して営業していた施設及び移転して別の場所で営業再開した施設も含む。 注2: 「-」は無回答であることを指す。 [] 整備状況 陸前高田市 22 16 6 8 ○ ・奇跡の一本松  (陸前高田ユースホステル内) ・気仙中学校 ・道の駅高田松原タピック45 ○ ●奇跡の一本松 ●陸前高田ホタテとワカメの炙りしゃぶ しゃぶ御膳(食の観光資源) ◎高田松原津波復興祈念公園 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 大船渡市 39 16 23 13 ○・吉浜 津波石 × ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 釜石市 × × ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 大槌町 14 5 9 1 × × ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 山田町 13 6 7 3 × ○●浦の浜海水浴場管理棟●荒神園地休憩所施設 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 宮古市 48 20 28 2 ○・震災メモリアルパーク中の浜・津波遺構たろう観光ホテル ○ ●崎山貝塚縄文の森ミュージアム ●津波遺構たろう観光ホテル ●震災メモリアルパーク中の浜 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 岩泉町 14 2 12 × × ● ● ● ● ● 田野畑村 普代村 2 2 × ○●普代駅前復興ふれあい広場 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 野田村 4 1 3 × ○●みちのく潮風トレイルコース ● ● ● ● ● ● ● ● ● 久慈市 20 20 × × ● ● ● ● ● ● ● ● 洋野町 × ○●ひろの水産会館UNIQUE(ウニーク) ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 仙台市 244 × ○●せんだい3.11メモリアル交流館 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 石巻市 110 68 42 27 × ○○かわまち観光交流拠点整備 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 塩竃市 14 5 9 × ○●旧ゑびや旅館 ●塩竈市杉村惇美術館 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 気仙沼市 89 36 53 7 ○・旧気仙沼向洋高等学校跡地 × ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 名取市 多賀城市 8 8 1 × × ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 岩沼市 9 9 ○・千年希望の丘 ○○千年希望の丘 ● ● ● ● ● ● ● 東松島市 41 29 12 2 ○・JR仙台線旧野蒜駅プラットフォーム ※観光資源としては位置づけしていない ○ ●東松島市奥松島観光物産交流センター (建物は新規のものだが、震災前の市民セン ター、観光情報施設を統合した施設としての 位置づけとなる。) ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 亘理町 山元町 1 1 × × ● ● ● ● ● ● ● ● 松島町 22 4 18 2 × × ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 七ヶ浜町 × ○●うみの駅七のや ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 利府町 3 3 × × ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 女川町 53 40 13 1 ○・女川交番 ○●JR女川駅(女川温泉ゆぽっぽ)●駅前商業エリア(シーパルピア女川) ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 南三陸町 46 26 20 × ○ ○南三陸さんさん商店街 ○伊里前福幸商店街 ○サンオーレそではま ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 新地町 8 6 2 × × ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 相馬市 52 23 29 4 × ○ ●相馬市歴史資料収蔵館 ●郷土蔵 ●相馬市伝承鎮魂祈念館 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● いわき市 346 112 234 84 × ○●ワンダーファーム ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 楢葉町 8 2 6 30 × × ● ● ● ● 広野町 × ○●富士フィルムファインケミカルズ広野工場太陽発電設備 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 南相馬市 27 4 23 1 × ○●サービスエリア利活用拠点施設セデッテかしま ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 浪江町 14 14 × × ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 双葉町 1 1 × × ● ● 大熊町 5 5 × × 富岡町 18 18 ○ ・双葉31号(津波被災パトカー) ・災害対策本部関係資料群 ・被災時計群 ※観光資源としては位置づけしていない × ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 8 18 29 18 9 23 22 20 15 12 22 18 13 10 25 25 17 16 15 12 23 26 24 20 -観 光 資 源 の 復 旧 等 に つ い て ※2015年11月時点 で215施設 -課題点 観光資源 の復旧等 観光復興に向けた ソフトの充実 受入環境の整備 観 光 資 源 の 復 旧 ・ 修 繕 観 光 資 源 の 整 備 旅 行 業 界 と の 連 携 強 化 市 町 村 内 で の 連 携 強 化 住 民 や N P O 等 と の 連 携 強 化 県 ・ 国 と の 連 携 強 化 他 市 町 村 と の 連 携 強 化 観 光 協 会 な ど の 観 光 団 体 と の 連 携 強 化 交 通 イ ン フ ラ の 整 備 ・ 改 善 組 織 体 制 の 強 化 に つ い て 受 入 環 境 の 整 備 に つ い て 観 光 復 興 に 向 け た ソ フ ト の 充 実 に つ い て 県名 観光復興に向けた取り組み 防 災 イ ン フ ラ の 整 備 ・ 改 善 市町村名 名 称 震 災 前 震災遺構 (代表的なものを3件以内) 宿泊施設数 震災後新規に整備した観光資源(代表的なものを3件以内) 有 無 組織体制の強化      ●整備済み      ○整備中      ◎構想段階 宿 泊 施 設 ・ 飲 食 店 等 の 整 備 ・ 改 善 無 料 無 線 L A N 等 の 情 報 基 盤 の 整 備 有 無 ※避難指示解除の時期が未定のため、具体的な議論ができる段階にない -被 災 地 を 巡 る ツ ア ー の 実 施 復 興 イ ベ ン ト の 開 催 合計 語 り 部 ガ イ ド の 育 成 ・ 実 施 教 育 旅 行 の 受 入 ・ 誘 致 促 進 観 光 プ ロ モ ー シ ョ ン の 実 施 観 光 資 源 の 保 存 廃 業 ・ 休 業 再 開 済 み 新 規 開 業 岩手県 宮城県 福島県

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市町村(53%)であった。次いで「多言語案内表示の整備」 で 8 市町村(47%)であった。多言語対応などの受入環境 の整備は積極的に取り組んでいるのに対し、交通インフラ の整備や外国人宿泊者に対応した宿泊施設の整備、多言語 注1: 「△」は今後実施予定であること、「-」は無回答であることを指す。 対応可能な人材の設置や育成に関しては取り組んでいる市 町村がほとんどないのが現状である。 (3)受入・誘客を促進している国について インバウンド政策に取り組んでいる 17 市町村のうち、 「受入・誘客を推進している国がある」と回答したのは 13 市町村(76%)であり、多くの市町村が重点的に受入・誘 客を推進している国があることがわかった。最も多かった のは台湾で 12 市町村(71%)であった。次いでタイが多く 4 市町村(24%)、アメリカが 3 市町村(18%)、中国・韓 国・香港・シンガポールがそれぞれ 1 市町村(6%)であっ た。台湾を推進する市町村が多かった理由として、現在の 訪日外国人の中で割合的に最も高いこと、震災時に台湾か ら多くの支援があったこと、親日国であること、仙台空港 からの直行便がでていることなどが挙げられた。 (4)国が支援する事業について インバウンド政策に取り組んでいる 17 市町村のうち、観 光庁が支援する事業については「広域観光周遊ルート形成 促進事業」が 7 市町村(41%)で最も多く、「東北地方への インバウンド推進による観光復興事業」が 6 市町村(35%)、 「JNTO によるビジット・ジャパン事業」と「国と地方の 連携によるビジット・ジャパン事業」がそれぞれ 4 市町村 (24%)であった。国が支援する事業に最も多く取り組ん でいるのは松島町であり、4 つの事業に該当している。し かしながら今回調査を行った沿岸部地域では、国が支援す る事業に取り組んでいる市町村は比較的少なかった。 表 6.インバウンド政策の取り組み状況(2) 注1: 「課題点」は自由記入欄を整理したものである。 注2: 「-」は無回答であることを指す。 表 5.インバウンド政策の取り組み状況(1) 外国人観光客入込数 外国人宿泊者数 陸前高田市 ○ ○ ○ 大船渡市 ○ ○ ○ 釜石市 △ △ ○ 大槌町 △ △ × 山田町 × × × 宮古市 △ ○ ○ 岩泉町 ○ × ○ 田野畑村 普代村 × × × 野田村 × × × 久慈市 ○ × ○ 洋野町 ○ ○ × 仙台市 × ○ ○ 石巻市 ○ ○ ○ 塩竃市 △ ○ ○ 気仙沼市 × ○ ○ 名取市 多賀城市 × ○ ○ 岩沼市 × × ○ 東松島市 △ △ ○ 亘理町 山元町 × × ○ 松島町 ○ ○ ○ 七ヶ浜町 ○ ○ × 利府町 × × × 女川町 × ○ × 南三陸町 - - ○ 新地町 × × × 相馬市 △ × × いわき市 △ △ ○ 楢葉町 × × × 広野町 × × × 南相馬市 × × × 浪江町 × × × 双葉町 × × × 大熊町 × × -富岡町 ○ × × 9 12 17 インバウンド政策の実施の有無 計 県名 市町村名 宮城県 岩手県 福島県 統計の有無 -【国】 観 光 関 連 事 業 者 と 連 携 し た 受 入 環 境 の 整 備 市 民 と 連 携 し た 受 入 環 境 の 整 備 多 言 語 パ ン フ レ ッ ト ・ マ ッ プ の 整 備 多 言 語 W e b サ イ ト の 整 備 多 言 語 案 内 表 示 の 整 備 多 言 語 対 応 可 能 な 人 材 の 育 成 一 次 交 通 の 整 備 二 次 交 通 の 整 備 無 料 無 線 L A N の 整 備 海 外 向 け プ ロ モ ー シ ョ ン の 実 施 外 国 人 向 け の 観 光 資 源 や イ ベ ン ト の 実 施 外 国 人 観 光 客 に 対 応 可 能 な 宿 泊 施 設 の 整 備 外 国 人 観 光 客 に 対 応 可 能 な 宿 泊 施 設 の 情 報 発 信 免 税 店 の 整 備 ①台湾 ②タイ ③アメリカ ④中国 ⑤韓国 ⑥香港 ⑦シンガ   ポール 受 入 環 境 ・ 体 制 の 整 備 市 民 ・ 観 光 関 連 事 業 者 等 の 受 入 の 意 欲 の 向 上 外 国 人 向 け コ ン テ ン ツ の 充 実 誘 客 活 動 市 民 ・ 観 光 関 連 事 業 者 ・ 他 市 町 村 等 と の 連 携 強 化 多 言 語 化 対 応 そ の 他 陸前高田市 ● ● ● ● ● ● ● ● ○ ③・⑦ ● ○ ● ● 大船渡市 ● ● ● × ○ 釜石市 ● ○ ① ● ○ ● ● ● ● 宮古市 ● ● ● × ○ ● 岩泉町 ● ● ● ○ ① × 久慈市 ● ● ● ● ○ ① ○ ● 仙台市 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ○ ①・②・③ ④・⑤・⑥ ● ● ● ○ ● ● ● ● ● 石巻市 ● ● ● ● ● ○ ① ● ○ ● ● 塩竃市 ● ● ● ● ● ○ ①・② ● ● ○ ● 気仙沼市 ● ● ● ● ● × ● ● ○ ● ● 多賀城市 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ○ ① ● ○ 岩沼市 ● ○ ① ○ ● 東松島市 ● ● ● ● ● ● ● ○ ① ● ● ○ ● 山元町 × ○ ● 松島町 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ○ ①・②・③ ● ● ● ● ○ ● 南三陸町 ● ● ● ● ● ● ● ● ○ ① ● ● ● ○ ● 福島県 いわき市 ● ● ● ● ○ ①・② ● ○ ● 9 5 15 9 8 4 2 1 11 11 5 4 3 1 13 - 7 6 4 4 16 8 5 2 2 2 1 4 インバウンド政策の課題 有 無 課題点 有 無 広 域 観 光 周 遊 ル ー ト 形 成 促 進 事 業 東 北 地 方 へ の イ ン バ ウ ン ド 推 進 に よ る 観 光 復 興 事 業 J N T O ( 日 本 政 府 観 光 局 ) に よ る ビ ジ ッ ト ・ ジ ャ パ ン 事 業 受入・誘致 促進している国 国が支援する事業 国 と 地 方 の 連 携 に よ る ビ ジ ッ ト ・ ジ ャ パ ン 事 業 -計 宮城県 岩手県 ※現在、近隣の市町村と連携し、様々なインバウンド観光の取り組みを始めている 全般 県名 市町村名 観光 資源 誘客 活動 通信 交通 多言語対応 インバウンド政策の取り組み内容 決 済 宿泊

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(5)インバウンド政策における課題 インバウンド政策に取り組んでいる 17 市町村のうち、 「インバウンド政策に課題がある」と回答したのは岩泉市 を除く 16 市町村(94%)であり、非常に多くの市町村がイ ンバウンドに課題があると回答した。課題として「受入環 境・体制の整備」が 8 市町村(47%)と最も多く挙げられ た。次に多かったのが「市民・観光関連事業者等の受入の 意欲の向上」で 5 市町村(29%)であった。各地域、まだ インバウンド政策は始まったばかりであり、課題は多いも のの訪日外国人誘致に前向きな意見が多くみられた。 第 4 章 結論 第 1 節 総括 (1)観光資源の被害と現状 東日本大震災によって津波被害を受けたほとんどの市町 村では、観光資源が津波または地震によって何らかの被害 を受けている。既に震災から約 6 年が経過しているが、津 波被災地域内の代表的な観光資源のうち、完全復旧・修繕 済みのものは 3 分の 1 程度にとどまっている。 観光資源のみならず、宿泊施設も大きな被害を受けてお り、震災前に営業していたものの再開率は 5 割程度であり、 震災後に新規開業したものと合わせても震災前の数には達 していない。また、震災遺構がある市町村は 4 分の 1 程度 であり、震災後に新たに整備した観光資源があるのは 5 割 程度で、主として震災に関する施設が多くなっている。 (2)観光復興に向けた取り組み 行政区域の全域に避難指示区域が設定されている双葉 町・大熊町を除き、全ての市町村において、観光復興に取 り組んでいる。取り組みの内容としては、「観光資源の復旧 等」「観光復興に向けたソフトの充実」「受入環境の整備」 「組織体制の強化」のいずれについても、8 割以上の市町 村が取り組んでおり、「観光資源の復旧等」については、観 光資源の復旧・修繕、「観光復興に向けたソフトの充実」に ついては観光プロモーションの実施、「受入環境の整備」に ついては宿泊施設・飲食店等の整備・改善、「組織体制の強 化」については観光協会などの観光団体との連携強化が特 に多い。 また、観光復興に向けた今後の課題としては、ほとんど の市町村が「観光資源の復旧等」「観光復興に向けたソフト の充実」「受入環境の整備」「組織体制の強化」のいずれか に課題を抱えている。具体的には、8 割程度の市町村が「観 光復興に向けたソフトの充実」、7 割程度の市町村が「受入 環境の整備」と「観光資源の復旧等」、6 割程度の市町村が 「組織体制の強化」に課題を抱えている。 (3)インバウンド政策 観光庁は、東北の観光復興に向けてさまざまな取り組み を進めているが、津波被災市町村において、外国人観光客 入込数・宿泊者数の統計をとっている市町村は 4 割未満で あり、インバウンド政策に取り組んでいるのは、重大な原 子力被害を受けた福島県の市町村では 1 市町村であること もあって 5 割となっている。 インバウンド政策に取り組んでいる市町村では、多言語 パンフレット・マップの整備、無料無線 LAN の整備、海 外向けプロモーションの実施などに取り組んでいるところ が多いが、観光庁が支援する事業を実施しているところが 少ないこともあってのことか、ほとんどの市町村はインバ ウンド政策に関する課題を抱えており、特に受入環境・体 制の整備、市民・観光関連事業者等の受入の意欲の向上な どが課題となっている。 第 2 節 観光復興に向けた課題と展望 国は 2020 年までを復興期間としており、残り 3 年程であ る。これまで津波被災市町村では、観光復興に向けて被災 した観光資源の復旧をはじめ、様々な取り組みをおこなっ てきており、国もまた東北の観光復興に向けて様々な施策 に取り組んできた。しかしながら本研究で明らかにした通 り、津波被災地域内における被害を受けた代表的な観光資 源は 3 分の 1 程度しか完全復旧・修繕済みになっていない こと、震災以前の宿泊施設の再開率は 5 割程度にとどまっ ていることなどもあり、被災地の観光復興は依然として厳 しい状況が続いている。また、2020 年には東京オリンピッ クの開催も控えており、東北においても訪日外国人による 経済効果は大いに期待できる。国は東北のインバウンドを 推進しているものの、今回調査を実施した市町村のうち取 り組んでいたのは 5 割程であり十分な状況であるとは言え ない。 各市町村は、観光復興に関して多くの課題を抱えており、 特に観光復興に向けたソフトの充実が課題となっている。 今後は、観光資源の復旧・整備とあわせ、訪日外国人にも 対応できる観光関連業の人材育成や宿泊施設などの観光客 の受け入れの基盤を整備するとともに、効果的な観光プロ モーションを実施していくことが重要な課題だと考えられ る。 補注 (1) 仙台市は「廃業・休業」「再開済み」「新規開業」となっている宿泊施 設数の内訳が不明であったため除く。 (2) 広域観光の一例として宮古市では陸中海岸魚彩王国実行委員会の設 置、東松島市では奥松島・金華山石巻圏周遊観光協議会の設置、相馬 市ではふくしま観光圏(福島市・相馬市・二本松市・伊達市)による 協議会の設置、いわき市では東京都港区との商業協定による復興支援 や小金井市との連携協定締結などに取り組んでいる。 参考文献 1) 財団法人日本交通公社(2011),「東北地方太平洋沖地震後の陸中海岸地 域における観光資源の状況把握調査 報告書」 2) 株式会社日本政策投資銀行東北支店(2016),「2015 東北インバウンド (アジア 8 地域)意向調査-インバウンドの波は地方へ、東北のありの ままの価値を伝えるチャンスを活かせ-」

表 3.観光資源の状況  注:  「-」は無回答であることを指す。 影響なし 観光資源の一部に 重大・軽微な影響がある 元の姿を全く留めていない 影響なし 観光資源の一部に 重大・軽微な影響がある 元の姿を 全く留めていない陸前高田市■高田松原■野外活動センター■海と貝のミュージアム○氷上山○黒崎仙峡温泉●気仙大工左官伝承館大船渡市▲国立公園碁石海岸●三陸鉄道▲海(海水浴・海産物)○五葉温泉▼大船渡おさかなセンター※費用面で完全復旧は困難●道の駅「さんりく」釜石市▼観光船はまゆり▼根浜海岸観光施設▼青出し浜

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