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卒論『消費者信用業界の戦略について\(仮題\)』         商学部ファイナンス学科

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流通科学大学卒業論文

崔 相鐵ゼミ

消費者金融業界の研究

~マーケティングの視点から~

商学部ファイナンス学科

38990059 井谷 太郎

提出日:

2002 年 12 月 20 日

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目次

はじめに・・・2 1章 消費者金融業界の概要・・・3 ①消費者信用の意味・・・3 ②販売信用とは・・・3 ③消費者金融とは・・・3 ⅰ)事業内容・・・3 ⅱ)事業特性・・・4 2章 消費者金融のマーケティング・・・6 ①チャネル・ネットワーク・・・6 ⅰ)店舗ネットワーク・・・6 ⅱ)自動契約機・・・7 ⅲ)インターネットサービス・・・8 ②データベースマーケティング・・・8 3章 健全な市場形成のための取組み・・・10 A)消費者啓発活動の推進・・・10 B)カウンセリング機能の充実・・・12 C)与信業務の一層の厳格化・・・12 D)広告表現の見直し・・・13 E)ディスクロージャーの実施・・・13 4章 消費者金融の問題点・・・14 ①多重債務・自己破産の実態・・・14 ②悪徳業者・違法業者の実態・・・14 5章 他業種による新規参入の考察・・・16 ①スタッフィ(阪急電鉄)・・・16 ②@ローン(三井住友銀行)・・・16 6章 終わりに(消費者金融は今後どうあるべきか)・・・18 参考文献・・・19

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はじめに

この数年、消費者金融業界の躍進が目立っている。2001 年度連結経常利益ランキングで は、9 位武富士、17 位アコム、26 位プロミス、27 位アイフルと上位 30 社中 4 社を消費者 金融会社が占めた。ちなみに他の金融業を見れば、12 位に野村ホールディングスがランク インしているのみである。業界規模も成長が止まらない。融資残高は、1992 年の 3 兆 6000 億円から、現在では10 兆円近くに急伸している。かれこれ 16 年も増加を続けているのだ。 消費者金融は90 年代、世間では「失われた 10 年」と酷評される企業が多い中、銀行や保険、 証券業よりも圧倒的に多い広告をうち、その存在感を顕わにしてきた。80 年代前半、消費 者金融は「サラ金」と呼ばれ、多額で高利な貸付け、暴力的な取り立てが、マスコミや世 間から集中砲火を浴び、社会からは人生を台無しにする最低の存在として認識されていた。 しかし今では、テレビコマーシャルでの、若者が気軽にキャッシングするスタイルがもは や、かっこ良く表現されている。先の見えない長引く不況下おいて何故、これだけのビジ ネスが成り立つのだろうか。そもそも消費者金融業界にとってのマーケティングとは、単 に、お金を借りてもらい利子を上乗せして返してもらうにはどうすれば良いかというよう な単純なものではない。いくらお金を融資しても、債務者が自己破産すれば元もこうもな いし、何より社会からの厳しい視線が待っている。そこで本論文では消費者金融業のマー ケットを「市場創造」と「健全な市場形成のための取組み」の二つの主な柱を視点として捕ら えていきたい。このように、現在では未だに成長している消費者金融業界であるが、この 成長はいつまでも続くものではない。金融ビッグバン構想により金融業の規制緩和が進ん でおり、借り手は低金利状態で資金を調達しやすく、貸し手は低金利により利益が少ない 状況に陥っている。そこで低金利時代の高収益期待事業として、銀行、鉄道などの他業種 が消費者金融事業に参入し、業界をめぐる状況は大きく変化しようとしている。かつての 日本企業は、消費者金融のイメージの悪さから多角化に伴う新規事業として消費者金融事 業に参入することは無かった。本論文では後半、銀行、鉄道の参入例を検証し今後の既存 消費者金融のどのような影響が出るか述べていきたい。いよいよ、消費者金融業界は供給 余剰の時代に入る。この業界で生き残るには、社会悪というイメージの払拭はもちろん、 企業の利益第一主義から、消費者保護と利益を図りつつ運営する方式への転換が必要では ないかと仮定する。それでは各項目にて、それぞれの問題点を考えていく。

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1章 消費者金融業界の概要

①消費者信用の意味 「消費者信用産業」はその言葉が表すとおり、個人を対象としてその個人の信用をもと にサービスの提供や資金決済、融資業務を行なう企業群を指す。つまり、不動産などの担 保によらず、信用力においてのみ審査し前倒しでサービスや金銭を提供する無担保小口金 融事業の事である。「消費者信用産業」は、消費者が商品やサービスを購入する際に代金の 立て替え払いをする「販売信用」と直接に資金の融資を行なう「消費者金融」の二つに大別で きる。 ②販売信用とは 販売信用会社に区分されるクレジットカード会社は、その経営母体によって、銀行系カ ード会社(JCB、VISA、マスター、ダイナース、アメックス、UC、DC、MC)、 流通系カード会社(クレディセゾン、オーエムシーカード、イオンクレジットサービスな ど)に大きく分けることができる。銀行系は全国に加盟店を増やすことで汎用性のある決 済カードとしての特徴を持ち、流通系はグループ内の百貨店、スーパーなどで利用するこ とで特典を設けるなどして、決済機能とともに自グループの商品販売を促すという特徴を 持っている。カードによる決済という点では、信販会社もカード化を進めることで、顧客 から見ればクレジットカード会社と区別がつきにくくなっている。信販会社の主なところ は、日本信販、オリコ、ジャックス、アプラス、セントラルファイナンス、ライフ等であ り元々は商品の購入代金を分割で支払う仕組みの開発に始まり、「割賦販売」をシステム化 してきた。現在では商品購入ごとに割賦販売契約をすることよりも、これらの信販会社が 発行するカードにより、加盟店での決済ができ、また、VISAやマスターとの提携によ り国外での利用も可能な汎用カードとなっている。 ③消費者金融とは 消費者金融会社は、上記「消費者信用産業」における「消費者金融事業」のみに特化し て事業を展開してきた会社を指し、大手といわれるのは武富士、アコム、プロミス、レイ ク、アイフルで、この 5 社で消費者金融会社が有する総貸付残高の 60%超を占めている。 ⅰ)事業内容 消費者金融事業とは、消費者が個人で消費する財やサービスの債務に対して、消費者の 信用を担保にして金銭を直接貸し付ける事業と定義されている。消費者金融会社は、消費 者向け小口・無担保ローンを主力商品に、貸付から与信管理・債権管理まで独自のノウハ ウを構築し、積極的に事業展開をしてきた。信販会社・クレッジト会社・民間金融会社な ど他業態と消費者金融会社の競争力を対比すると、消費者金融会社は、金利・貸付限度額

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は銀行を除く他業態と変わらないが、与信面・返済面・サービス面などで優位に立ってい る。消費者金融は、融資業務に特化してきただけあり、効率的な融資業務を構築するシス テム化がこのような結果をもたらしたと判断できる。 消費者金融会社と多業態との競争力比較 出典:消費者金融連絡会会員社資料 消費者金融 信販会社 銀行系 クレジット 流通系 クレジット 銀行 金 利 △ △ △ △ ◎ 限 度 額 △ △ △ △ ◎ 与信の確実性 ◎ ○ △ ○ △ 与信の敏速性 ◎ △ △ ○ △ 返済の随意性 ◎ △ △ △ ◎ 取引の融通性 ◎ △ △ △ △ 契約の秘匿性 ◎ △ △ △ △ ⅱ)事業特性 消費者金融の利用者の借り入れ動機からみると消費者金融には次の特性がある。 ① 即時性(Speed):敏速に融資判断をしてくれるか ② 利便性(Simple):商品内容・利用面・サービス面などで使い勝手が良いか ③ 秘匿性(Secret):プライバシーが守られるか ④ 安全性(Safety):安心して利用できるか これらを消費者金融の事業特性を表す「4つのS」とする。①即時性(Speed)であるが、 契約審査の最大の目的は、顧客に資金需要や返済能力を超えた貸付を行なわないように するためであり、いくら即時性が売りといっても、貸倒れリスクは最小限に留めなけれ ばならない。消費者金融各社では、受付から契約・審査までの手順や、貸付対象者の資 格要件を厳密に定め、高度な審査技術やノウハウを用いて適正与信の実行を徹底し、か つ、素早く顧客に融資できるようシステムを構築している。申し込みからカード発行ま で30~40 分という即時審査を行っている。②利便性(Simple)では、顧客がお金を必要と 思ったときに、すぐに適切な金利でキャッシングが出来る環境が整備されているかが重 要になってくる。また疑問が生じたときの問い合わせ窓口も、利便性に入る。申し込み 手数料は不要、繰り返し利用できるリボルビング方式の採用、顧客の計画に合わせた自 由返済システム、利息は貸付金利の日割り計算で後払い、自動契約機による土・日・祝 日の申し込み受付、充実したCD・ATMネットワークなどは、サービス面で利便性と することが出来るであろう。③秘匿性(Secret)では、与信業者は与信に際して信用情報機 関を利用することが貸金業規制法および割賦販売法で義務付けられている。また、信用

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情報機関の業務運営・情報の取り扱いに関しては、個人のプライバシー保護の観点から 事務ガイドラインなどで細かく規定され、その遵守が求められている。信用情報機関へ 信用情報を登録や照会・利用するにあたっては、利用者の同意を得た上で行なっている。 ④安全性(Safety)は、消費者金融でしばしば問題化されている。以前、武富士弘前支店に 強盗が押入り、多くの従業員が犠牲になるという痛ましい事件が発生し、各社では大型 の消化設備の設置、遠隔監視システムの導入、巡回警備の強化などを行い、防犯・防火 対策に万全を期している。また、社員への教育面ではマニュアルによる研修や定期的な 訓練などを充実させている。

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2章 消費者金融のマーケティング活動

①チャネル・ネットワーク 有人店舗を顧客との主要なインターフェイスとして成長を遂げてきた消費者金融事 業は、近年のIT技術の進展や、消費スタイルのなどを背景に、様々な顧客との契約チ ャネルを開拓してきた。従来型の有人店舗以外にも、自動契約機とATMで構成される 無人店舗、インターネットを活用したバーチャル店舗など多面的なチャネル・ネットワ ークの拡充によって、いつでもどこでも申し込みや契約、出入金が出来る体制づくりが 進んでいる。それでは、各チャネルの検証に進む。 ⅰ)店舗ネットワーク 消費者金融の店舗は顧客との最も重要な接点としての役割を担っている。消費者金融 各社はこの数年、積極的な店舗展開を行い、大手6 社合計の総店舗数は 9094 店(2002 年3 月末)にのぼる。後に説明するが、自動契約機の導入により無人店舗の設置が可能 となり、現在では約7 割が無人店舗となっている。このような無人店舗増加の背景には、 IT 技術の急速な進歩により、遠隔地から集中オペレーションをおこなう自動契約機で も、有人店頭での対面契約と同等の与信審査が超高速のオンライン回線を利用して可能 になったという点にある。その店舗の構成を見ると、有人店舗の平均的なレイアウトは 下図のように①受付・契約・相談カウンター②自動契約コーナー③ATMロビー④待合 室の4 つで構成されており、店舗面積は約 30 坪、従業員は約 5 名で、受付から与信審 査・契約・カード発行・債権管理・カウンセリングなどの業務を行なっている。無人店 舗の場合は、①自動契約コーナー②ATMロビー③待合室の3 つで構成されており、店 舗面積は約10 坪、従業員はいないが、受付から与信審査・契約・カード発行までを自 動契約コーナーで行なうことができる。これにより、出店にかかる人的コスト、イニシ ャルコスト、ランニングコストが低減でき、従来の有人店舗では難しかったニッチなエ リアへも出店が可能となった。店舗立地戦略では、利用者の利便性の観点から、時間と 距離、顧客心理、安全性などの側面で検討されている。消費者のライフスタイルの変化 や人口移動・商圏の変化などに応じて、従前の駅前(繁華)中心型から車社会に対応した 郊外型(ロードサイド)へも対応している。 有人店舗数と無人店舗数の推移 0 2000 4000 6000 8000 10000 ’94 ’95 ’96 ’97 ’98 ’99 ’00 ’01 ’02 (年) (店) 有人店舗 無人店舗

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ⅱ)自動契約機 自動契約機は、1993 年に業界で初めてアコムが導入し、1995 年から急速に普及した。 大手6 社の設置台数は、2002 年 3 月末時点で 9002 台と、1998 年の 4653 台と比べる と4 年間で約 2 倍になった計算になる。先に述べた店舗ネットワークが、9094 店であ るからほぼ全店舗に自動契約機が設置されている計算だ。このように急激に普及した自 動契約機であるが、これには次のようなエピソードがあった。当初、アコムの自動契約 機「むじんくん」は、プライバシー保護、つまり秘匿性(Secret)の観点から、「誰にも会わ ずにカードがつくれます」ということで始めたシステムであった。「むじんくん」の登場によ り、新規の申し込み受付は年中無休になり、営業時間延長も可能となった。結果、効率化 が可能となったのだが、そもそもアコムの場合、目的はお客様サービスの向上であったわ けで、効率化ではなかった。アコムは、時代の変化、お客様のライフスタイルの変化を、 お客様の立場から考えていけば、結果的に効率化につながるという戦略を立てていたのだ。 「むじんくん」の展開に際しては、全国を回ってみて、お客様がどういう行動をされて、ど のように反応されているか、実際に現場に行って確認し、その調査結果を利用しやすい配 置や、環境づくりに反映させた。自動契約機が普及した要因には、もちろんIT 技術の進 展、与信業務の集中処理ができる機械を低コストで導入できるようになった等、ハード 面の要因もあるが、お客様の要求を満たせば結果的に効率化がついてきたというサービ ス向上に事業の方向性をかけたアコムの精神も忘れてはいけない。結果として、ロード サイド店や無人店など、顧客のアクセス手段に合わせた多様なチャネルが実現し利便性 は向上したのだ。また、近年の急速な携帯電話普及に見られるように、機械操作に慣れ 親しんでいる若者層などが自動契約機に興味を持ち消費者金融未経験層の開拓につな がった事も考えられる。現代人は、コミュニケーションが苦手と言われるが、その中で この自動契約機は魅力を与えたのかも知れない。それでは、「むじんくん」の裏側を説明 する。横浜市保土ガ谷区にあるアコム、サービスコンタクトセンターでは、全国にある アコム無人契約機の集中管理を行なっている。「むじんくん」に客が来店すると、モニタ ーに映し出される。彼は、機械に向かっているだけと思うかもしれないが、このセンタ ーでは様々な与信作業が繰り返される。機械の上に置かれた免許証の画像が送られてく ると、真偽の確認から、住所付近の地図確認、勤務先の状況チェックなどを即座にチェ ックする。モニター上の姿も、挙動不審な点がないか、チェックされる。

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ⅲ)インターネットサービス 90 年代の急速な消費者金融の発展と、ITの普及を同一グラフ上に表すと驚くほど 同じ放物線を描いている。インターネットが、この業界の成長を助長したのは間違いな いだろう。普段我々は、詳しく知りたいが知る方法のないものに対してインターネット を利用することが多い。もちろん情報料が無料で、しかも確かなものである。消費者が 頼りにし始めたものを、消費者金融業界が見逃すはずはない。業界各社はインターネッ トという新しい通信インフラの普及に対して、インターネットを活用したサービスの充 実に取り組んでいる。例えば、家庭のパソコンや携帯電話などから、融資の申込み、指 定口座への振込み、残高照会、各種変更手続きなどのサービスを、24 時間対応で提供 している。「融資可能額シミュレーション」、「返済シミュレーション」は、大手各社の全 てがホームページ上で検索できるようになっている。特徴的なのが武富士の「医療ホッ トライン24」で、ここにアクセスすれば、健康のチェック、健康相談まで受付けてくれ る。本業とは全く関係ないが、顧客サービスとしては印象に残るものである。また、イ ンターネット・キャッシングには欠かすことの出来ない通信上のセキュリティー確保に ついても、安全性の高い最新の電子認証システムや暗号化システムを導入し、情報漏洩 や不正利用などの未然防止に万全の対策を講じている。インターネットの登場により、 消費者金融会社は利用者に身近に感じてもらうことが可能となり、将来的にも大きなサ ービスチャネルに成長すると期待されるが、現行法上の制約もあるのが実情だ。インタ ーネットを通じた契約書面等の交付は正式のものと認められないため、インターネット だけを利用して契約の全てを完結させることができず、他の業態のネットサービスと比 べると顧客の利便性が大きく損なわれている。これに関しては、通信のハード上の問題 であり、企業努力では解決できない。将来の100%安全なネット社会を待つのみない。 ②データベースマーケティング 消費者金融が発展した経緯には、顧客データの管理なくして語れない。「サラ金」時代の 貸し付けは、店長や社員の裁量に任せる部分が多かった。店に入ってきた時の表情と服装 を見れば、どれだけ貸せるか判断できたと言われるほどである。しかし、このような制度 では、それぞれの社員が数字を伸ばそうと顧客の返済能力を超えた過剰融資をしてしまい、 結果、80 年代前半の自己破産者の急増とマスコミによるサラ金批判を引き起こしてしまっ た。83 年に「サラ金地獄」が最高潮に達していた頃、プロミスは他社に先駆けて自動与信 システムを導入した。当時の福田吉孝社長は、「もはや非科学的な経営では立ち行かなくな る」と述べている。このシステムは顧客の属性、情報を入力すれば、自動的に与信リスクと 貸付限度額を算出するというもので、その後、大手各社が相次いで導入している。アコム のシステムでは、過去750 万件の取引事例をデータ化し、計算式を構築している。新規に 借り入れを申し込んだ客を、リスク別に101 分類するという詳細さを誇る。今後のデータ を蓄積していけば、さらに精度が上がるであろう。静岡に本社を構える準大手のクレディ

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アでは、「第4 次自動与信システム」を 2002 年 7 月に導入した。これは、全国の人の特性を 5 種類に分類して、それぞれの計算式を構築するという、珍しいものである。これまで、ア コム、クレディアのシステム例を見てきたが、これらのデータを各社の垣根を越えて管理 する全国信用情報センター連合会(全信連)という組織がある。サラ金時代は身分証明と しての健康保険書にこっそり穴を開け、その数で他からの借り入れを把握するというお粗 末な方法で多重債務を確認していたという話もあるくらい各社は多重債務者を重視して監 視する必要があった。全信連は1600 万人分のデータを保有し、過去に延滞歴があるなどの いわゆる「ブラック情報」も把握している。これらはもちろん、重大なプライバシー情報で あるため消費者金融会社しか入手できず、厳しい管理下に置かれている。この「他社情報」 と自社のシステムの相互効果によって、極めて正確に貸付限度額を算出することが可能な のだ。なお、先に述べた自動契約機はこのシステムがなければ、展開不可能であったであ ろう。また、各社のホームページでは利用希望者の限度額を個別に試算するサイトも登場 している。このサイトでは、過去の取引データに基づいて、顧客を一定の属性群に分別し 算出し、すでに大手はもとより、準大手クラスでも導入して、年々精度が上がっている。

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3章 健全な市場形成のための取組み

この業界のマーケティングを語る上で、消費者金融の健全な適正使用の啓発は欠かせな い。この業種が他の、製造業やサービス業のマーケティングと決定的に相違する点は、貸 倒れリスクが伴うということである。いくら、新規に需要を開拓しても、貸したお金が戻 らないのであれば元もこうもない。そこで各社は、他社との垣根を越えて業界団体を作り、 共同で啓発活動を行なっている。そもそも消費者金融各社は、過去の「サラ金」批判で多大 なイメージダウンを伴い、社会への信頼性回復の為、社会、消費者とのパイプ役となる業 界団体の設立が必要とされていた。そこで1997 年 1 月に、消費者啓発・教育活動などの諸 活動を通じて、消費者の保護や利益を守りながら、消費者金融業界の健全な発展を目指す 消費者金融専業6 社が自主的に集まり、消費者金融連絡会が発足した。主な活動内容とし て、A)消費者啓発活動の推進,B)カウンセリング機能の充実,C)与信業務の一層の 厳格化,D)広告表現の見直し,E)ディスクロージャーの実施、がある。それぞれを検 証する。 A)消費者啓発活動の推進 ・啓発広告…消費者金融連絡会のキャラクター「タパルス博士」を登場させて、キャッシン グの計画的利用や使用上の注意を喚起する啓発広告を毎月実施している。連載媒体は全国 紙5 紙、ブロック紙 3 紙・地方紙 39 紙・スポーツ紙・夕刊紙・雑誌などで、1999 年 12 月 からはテレビによる啓発広告もスタートしている。啓発内容は、業界に対する正しい理解 を促すもの、悪徳業者に対する注意を喚起するもの、キャッシングや契約に関する知識を 紹介するものなど多岐にわたっている。以下の媒体を見れば分かるように、消費者金融を 利用することが出来る年代を対象とした媒体のほぼ全てを使用しているため、どういう媒 体を読んでいるかという個人の特性にかかわらず、啓発活動が可能と言える。 媒体広告一覧 ● 中央紙:朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日経新聞、産経新聞 ● ブロック紙:北海道新聞、中日新聞、西日本新聞 ● 県紙:河北新報ほか38 紙 ● テレビ局:日本テレビほか58 局 ● スポーツ紙:スポーツニッポン、日刊スポーツ、産経スポーツ ● 夕刊紙:夕刊フジ、日刊ゲンダイ ● 雑誌:週間ポスト、週刊現代、ヤングジャンプ、ヤングマガジン ・「消費者啓発強化月間」の展開…近年の悪質な紹介屋や整理屋、また出資法金利を超える 違法業者(ヤミ金融)による金融事犯が増加している中、悪質な手口は一度起こると、集中す る可能性がある。そこで消費者金融連絡会では、消費者がより安心して利用できるように、 その事案が発生するたびに、集中的に注意を喚起する「消費者啓発強化月間」をスタートさ せた。例えば、平成14 年 8 月 1 日~31 日に実施した「キャッシングトラベル撲滅キャンペ

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ーン」は、紹介屋詐欺が横行したことを受け、急きょ実施したキャンペーンである。これら の臨機応変な対応は、消費者に理解され、評価されるであろう。 ・フリーダイヤルの設置…上記で述べた啓発広告を全国で展開するにあたり、読者の反応 を確かめ、求められている啓発内容を探り、次回の広告に活かすことを目的に、一般消費 者からの問い合わせ窓口となるフリーダイヤルを設置している。2002 年 3 月現在で、1651 件の広告に対する問い合わせや意見があった。そのデータを分析してみると、悪徳業者関 係の相談が37%、苦情関係(DM、取り立て)が 14%、家族の借金が 8%…となっており、 やはり早期に対処すべき課題は悪徳業者対策ということになる。一般消費者が望んでいる 啓発広告を適時的確に展開するにあたり、このフリーダイヤルは、一つの指標として重要 である。 ・啓発ポスター、パンフレット、ガイドブックの作成…まず、ポスターであるが、利用者 が「アルバイト名義貸し」や「悪質な紹介屋・整理屋」等の被害に遭わないように注意を喚起 するために、97 年より店頭や自動契約着、CD・ATM を設置してあるコーナーなどに貼付 している。より注意喚起を強めるために、2002 年 8 月実施の「キャッシングトラブル撲滅 キャンペーン」に伴って改訂を行い、詳しい情報の提供を目的としてURL も明記している。 また、契約や取引にあたって知っていなければならない点や、注意点を分かりやすくまと めたパンフレット・ガイドブックを1997 年 3 月から各社店頭や自動契約機コーナーに設置、 配布している。現在(2002 年)では、利用者をはじめ、一般消費者に対しても契約や情報セ ンターのしくみ、また計画的な利用のためのヒントとなる情報を満載した「啓発ハンドブッ ク」(仮称)を制作している。これらの制作にあたっては、消費生活センターの相談員や学識 者など外部の有識者を招いた制作委員会が行なっている。 ・消費者教育…日本の初等教育の中で、実践社会の学習が不十分であると言う指摘が多い。 例えば、金銭教育、消費者教育などである。アメリカでは、小学校レベルで小切手や銀行 の利用法を教え、高校レベルではローン会社の社員を招くなどして、実用性を重んじた指 導・教育を行っているという。この教育に関して教えるに早すぎるという事はない。逆に 早い時期に教えることで、社会に興味を持ち、考えると言う意味で効果的である。しかも 学習内容と生活とが結びつくことで、興味が増大するかもしれない。消費者を取り巻く環 境が年々激しさを増す中で、消費者教育の中でも金銭教育はますます重要になっている。 このことを踏まえ、消費者金融連絡会では高校授業向けビデオ教材「緊急リサーチ!カード 社会をどう生きる~信用と自己責任~」を制作した。制作にあたっては、パンフレット・ガ イドブック同様、制作委員会を設け、教育者現場の第一線で活躍されている高校教諭をは じめとし、大学教授など有識者から意見を伺いながら行なった。このビデオは、視聴覚教 材として各高校の家庭科、公民科などの授業で使用されている。しかしながら、消費者教 育に充てられる時間は、学校教育全体から見ればごくわずかであり、その限られた時間の 中で、クレジットやローンをテーマにした授業の機会は、教師の問題意識・取組み姿勢に よって大きく異なっているのが現状である。

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B)カウンセリング機能の充実 クレジットの返済が困難になった債務者に対して、専門的な技能を持ったカウンセラー が債権者の生活状況を診断し、本人の支出行動や家計管理の改善を図りながら、無理のな い債務の返済を促し、最終的には生活の再建を支援していく一連の活動をクレジットカウ ンセリングというが、このクレジットカウンセリングの重要性が今、注目されている。消 費者信用市場が拡大し、利用者の裾野が大きく広がる一方で、経済状況の悪化や、クレジ ットシステム自体に対する知識や理解不足のために、多重債務に陥る債務者が増えている。 クレジットカウンセリングは、こうした債務者に対して、クレジット利用の正しい知識や 家計管理の方法を教えていくことによって、自力で債務を返済するきっかけを与え、再び 同じことを繰り返さない正しい金銭管理感覚の確立を図っていくものである。健全なクレ ジット社会を構築していくためにも、専門的な知識と技術をもったカウンセラーを育成し、 クレジットカウンセリングの実践の場を広げていくことは、消費者金融業界にとって極め て重要な取組みの一つとなっている。 C)与信業務の一層の厳格化 ・新規契約…契約審査の最大の目的は、貸金業規制法第13 条が定めるように、顧客の資金 需要や返済能力を超えた貸付を行わないようにすることにある。消費者金融各社では、受 付から、受付から審査・契約までの手順や、貸付対象者の資格要件を厳密に定め、高度な 審査技術やノウハウを用いて適正与信の実行を徹底している。新規契約においては、次の ような手順で行われ、これは店頭でも自動契約機でも変わりは無い。なお、所要時間は30 ~40 分程度である。 ① 申し込み:審査に必要な事項を申込書に記入する。 ② 受付:記入事項に基づき、担当者から審査項目の聞き取り確認を行う。続いて本人の 借入意思を確認するため、借入申込書を作成。同時に、信用情報機関の説明を行い、 顧客の個人信用情報の利用・登録に対する同意を得るほか、いわゆる「名義貸し」や「マ ルチ商法」がらみの利用でないか等についても説明と確認を行う。 ③ 確認:本人確認書類を確認し、間違いなく本人のものであるか、偽造されたものでな いか等もチェック。また自宅や勤務先に対して、本人の住居や在籍を電話確認する。 並行して、自動与信システムに申込者データを入力し、既存の借入状況についても信 用情報機関に情報照会を行う。 ④ 審査:自動与信システムの結果を踏まえ」、支店長が総合的な判断を行って、与信の 可否と融資額を決定する。 ⑤ 契約:契約事項に関する重要事項を説明し、理解を得た後、契約書類の作成を行なう。 契約書とATMカードを交付した後、新規契約の一連の手続きが終了する。 ・途上審査…新規契約から一定期間を経過すると、顧客の信用状況が契約当初と異なって くる場合がある。こうした信用の変化をいち早く察知し、必要に応じて与信そのものを見

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直す業務のことを「途上審査」という。信用状況の変化は先で紹介した個人信用情報センタ ーに紹介することで他の借り入れ状況の確認を行うことの他、返済状況(延滞状況や支払い 額など)や、基本属性(勤務状況など)の変化などの情報を加味して、融資限度額の設定を行 っている。すなわち、消費者金融の特性として、広い範囲への与信を可能にしている反面、 契約以後の取引状態などから信用状態をその都度判断を行い、適正与信の設定をしている。 消費者金融連絡会各社の場合、新規契約後3 ヶ月間は毎月 1 回、それ以降は 3 ヶ月に 1 回、 情報照会を行う。情報センターへの照会は①他社の借入件数②他社の借入残高③他社の延 滞状況などである。こうした情報照会や自社との取引状況から、顧客の信用状況を定期的 にチェックし、新規契約時より変化している場合は、当初の条件を見直すことが必要とな る。途上審査の意義は、このように絶えず変化する顧客の信用状況に応じた与信枠や金利 を設定し、無理のない利用を継続してもらうことにある。 D)広告表現の見直し 消費者金融は、給料日までどうしてもお金が足りない時など、非常に役立つものである が、一度誤った使用をすると極めて危険である。消費者金融会社は、テレビ広告や新聞広 告で優良な新規顧客を増やしたい一方、望まない顧客へのアプローチも行っていることに なる。望まない顧客とは、多重債務者で融資を他社の返済に充てようとする客、返済する 能力・意思が明確でない客などである。これらの望まない顧客をひろわない為に、最大限 の努力をしている。例えば、「簡単」「ラクラク」「誰にも会わずに」などは、安易な利用を避 けるため使用しない。また、自動契約機は無人なので、借り易いという概念が植付けられ てしまう為、「自動契約機も店頭と同じ審査を行っています」というメッセージを、明示し ている。その他、無謀な返済計画での借入を防止する為、「使いすぎ借りすぎに注意しまし ょう。ご利用は計画的に」というメッセージも明示されている。 E)ディスクロージャーの実施 消費者金融業界について、報道機関をはじめとした業界に係わる機関に、より一層の理 解をしてもらうため様々な形で情報提供をしている。消費者金融連絡会の消費者啓発活動 を紹介するニュースリリースや自動契約機の実態を知ってもらう為の見学会や説明会の開 催、さらにはホームページ「TAPALS.com」などがある。 ・自動契約機見学会、説明会の開催…急増した自動契約機についての疑問や誤解を解消す ることを目的に、1997 年から全国の主要都市で参加者を募って開催されている。どのよう な与信審査を行っているかを実際に体験することが出来る。これまで消費者団体、行政、 マスコミ、法曹関係者、学生などの見学もあった。 ・ホームページの開設…より広い範囲の人に対する情報提供の手段として、1998 年よりホ ームページを開設している。2007 年 7 月にはタルパス博士を登場させるとともに、消費者 金融に関するさまざまな疑問や質問に答えるコーナーの、ホームページへのリンクもある。

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4章 消費者金融の問題点

①多重債務・自己破産 消費者金融産業の市場規模が73 兆円にも達し、順調に市場が拡大する一方で、長引く景 気低迷による失業率の増加、給与所得の伸び悩み、リストラの拡大など、消費者の生活を 取り巻く経済的環境は厳しさを増している。こうした経済的状況を背景に、返済困難に陥 る消費者の増加と、これに伴う多重債務者の発生や自己破産申立件数の拡大が社会問題に なっている。この問題を解決し、より健全な市場の形成を目指していくには、消費者が破 綻に陥る前の段階で、正しい利用の知識や自己責任原則について啓発し、さらには返済困 難になった人を救済していく社会的な仕組み、すなわちセーフティーネットの構築が必要 である。 ・現状…多重債務とは「債務者がその時点で自分の債務返済能力以上の債務を抱えている」 状態を指すが、バブル崩壊後の長引く景気低迷により債務者を取り巻く環境も大きく変わ り、多重債務に伴う自己破産の申立件数は1997 年以降急激に増加している。その背景とし て、リストラ、企業倒産による失業、給与の伸び悩み、地価下落による住宅ローンの重圧 などが考えられる。また、自己破産を申請する人が増加した背景には、2000 年 10 月より 施行となった弁護士による広告の解禁があげられる。この結果、自己破産制度の認知が高 まり、自己破産件数の伸びにつながった。このように様々な要因が複合して多重債務や自 己破産といった状態に陥ると考えられるが、日本においては、自己破産申立における債務 内容や金額、自己破産に陥った過程についての実態分析などの情報公開はなされていない。 このようなデータの開示があれば、更なる対策が可能になるため、早急な情報開示を求め たい。 自己破産申立件数の推移 23288 43144 43545 40385 43414 56494 71299 103803 122741 139280 160419 0 50000 100000 150000 200000 ’91 ’92 ’93 ’94 ’95 ’96 ’97 ’98 ’99 ’00 ’01 消費者金融連絡会 白書2002 より ②悪徳業者・違法業者 ・現状…警察庁の生活安全局生活環境課が発表した「平成13 年度中における生活経済事 犯の取締り状況について」によると、金融事犯は、前年比22%増の 216 の事件があり、 検挙人員は、前年比9.3%増の 540 人にのぼった。これは事件数および検挙人員とも過 去5 年間で最悪の結果となっている。事犯別では、無登録・高金利事犯が全体の 46%、

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高金利事犯が同40%を占めている。このようなデータが示しているように、ヤミ金融 が急増している。中小消費者金融239 社を中心とする任意団体である全国庶民金融連 絡会の調べによると、法定金利を大きく上回る高金利で貸し付け、違法な取立行為を行 うヤミ金融業者による被害が急増していると言う。東京・神田駅を起点に約300 メー トルの範囲で、1999 年 4 月に悪質(金利 1000%以上などの高金利)と思われる業者が 165 社だったものが、2 年半後の 2001 年 9 月には 394 社に増加していたというデータもあ るくらいだ。このような悪徳業者の存在は、消費者金融会社にとって、同じ金貸しとい う事もあり、イメージの低下は避けられないであろう。対策として、先で述べてきた消 費者啓発活動・健全な市場形成のための取組み、などを地道に遂行するしかない。 整理屋…新聞・雑誌などに「あなたの債権を整理します」などの広告を出し、整理手 付金などの名目で現金等を預けるが、実際には債務整理をせずに金銭を騙し取る商 法。弁護士の名前を借りる、あるいは名前をかたって消費者を信用させ、違法に法 律事務を行うケースも多い。 紹介屋…あたかも自社が低金利で融資するような宣伝文句で多重債務者を呼び込 み、「信用状態が良くないので当社では貸せないが、他社を紹介する」「信用度を上 げるため、指定する店で借りてくれ」などと言って、実際には関係のない他の店を 紹介。借りてきた中から多額の紹介料や手数料を騙し取る商法。 買取屋…融資の条件として、指定する商品(AV 機器やカメラ、カーナビ等の換金性 の高い商品)を消費者個人のクレジットカードで買わせ、これを安価に買い取った 上、さらに高金利の融資を行う商法。消費者には、業者からの借金の他にクレジッ トカード会社への支払いが残ってしまう。 アルバイト詐欺…「調査会社からの依頼で消費者金融会社の審査実態を調べてい る」など、架空の調査をかたってアルバイトを募集。「返済は当社が行う」といって キャッシングカードを作らせ、借りた現金とカードを預かりアルバイト料を渡すが、 1~2 回返済が行われた後、行方をくらませてしまう一種の名義貸し商法。返済義 務は被害者側に残る。若者層に集団的な被害が多い。 高金利業者…多重債務者をターゲットに広告やDM を出し、連絡をしてきた消費 者に「融資金3 万円から手数料 3000 円を引いて振り込む」といった形で金銭を交付。 「10 日後に利息と元金の一部として 2 万円を支払え」などと繰り返し返済を迫るも の。利息を年利換算すると数1000%にも及ぶことが少なくない。 こうした悪徳業者は、短期間に荒稼ぎをしてすぐに姿をくらませてしまうことが多く、 行政の検査や警察の捜査がなかなか追いつかないことに大きな問題がある。しかも広告 に信頼性を持たせるため、貸金業登録を受けている悪徳業者も多いため、こうした業者 を登録業者から排除していく手段を講じる必要性がある。

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5章 他業種による新規参入の考察

①スタッフィ(阪急電鉄) 大手私鉄の阪急電鉄は、中堅の消費者金融業者・大新クレジットビューローを30 億 円余りで買収、「ステーションファイナンス(株)」を設立し、本格的に消費者金融事業に 乗り出した。名称は「スタッフィ」で、駅で便利なキャッシングを掲げている。社長に業 界大手レイクの元社長を迎え入れ、与信・回収ノウハウも手に入れた。大新から引き継 いだ32 店舗を出発点に、3 ヶ月間で店舗を倍増させている。2003 年末までに駅構内・ 周辺を中心に100 店舗に広げ、2006 年度末までに融資額を現在の約 7 倍の 1200 億円 のまで拡大する強気の計画である。そもそも本業の鉄道事業は、旅客輸送人員の減少に 歯止めがかからず、鉄道収入は前年同期に比べて1~3%台減った。遊園地閉鎖などの 影響で03 年度 3 月期に 600 億円前後の特別損失計上を予定している阪急電鉄は、通期 で無配となる見通しである。このような厳しい状況下で、新たな収入源の柱と位置付け ているのが、「スタッフィ」である。阪急は、関西の他の私鉄よりも圧倒的に高いブラン ド力を有し、消費者金融に抵抗のある主婦らにも安心して利用してもらえるという。1 日約180 万人の鉄道利用者の 2~3 割に需要があるとみており、定期券代わりになると して来年度中に導入するIC カード乗車券にもキャッシング機能を盛り組む。金融機関 から資金を借りる場合も、阪急の後ろ盾で低利に調達ができ、利ざやが専業大手と同レ ベルまで大きくなる。大手消費者金融会社が、駅前立地の店舗を拡充させている中、駅 の中に店舗を作れば、既存のライバル各社への影響は避けられないであろう。 ②@ローン(三井住友銀行) 三井住友銀行が70%出資している@ローン(アットローン)は、am/pm の店舗を利 用したCVS チァネル展開を売りにしている。@ローンの申込みの利便性と借入れ・返 済の利便性を、生活インフラとして定着しつつあるCVS 、am/pm のネットワークを 介し、同時に実現していこうとする、これまでにないビジネスモデルである。はたして、 消費者金融新規申込場所としてam/pm は有効なチャネルとなりえるのだろうか。 am/pm に設置されている@ローン端末は 24 時間利用可能ではなく、平日 7:00~23: 00 土日祝日は 7:00~19:00 が利用可能時間となっている。これはコンビニエンスス トアの24 時間営業という売りを全く反映していないと言える。しかも@ローンは無店 舗展開のため、唯一の顧客対応となるコールセンターがあるのだが、受付時間が9:00 ~20:30 である。利用者は@ローン利用可能時間であってもコールセンターの対応を 受けられない時間帯が存在することになる。客は、実際にその場所にある件で何か不具 合、疑問が生じたとき、その場でクレームの問い合わせをすることが多い。初めて消費 者金融を利用するという客が「お金を借りる」行為についてコンビニエンスストアの店 員に聞くというメンタルな面での障壁があるとも推測できる。@ローンがターゲットと

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する、「今までに消費者金融を利用したことが無い層」を狙うのであれば、いつでも問い 合わせ可能な24 時間サービス体制が重要である。 銀行…低金利時代の高収益事業として、銀行の消費者金融事業参入が目立ってきた。銀 行が本格的に参入することで、リテール分野の新たな収入源として捉えていることは間 違いない。三菱東京フィナンシャルグループ、UFJ 銀行、三井住友ホールディングス などの大手銀行が、ライバルであった消費者金融業者と手を組み、消費者金融に参入し ている。銀行にとっては、住宅ローンの10 倍近い収益を見込める市場は、とてつもな く魅力的に映るであろう。これまで銀行は、カード子会社を作り、自らカードを発行し て無担保ローン業務に取り組んできたが、いずれも成果をあげていない。リスクに慎重 のあまり、自行に口座を持っている大企業の社員という信用のある層を中心に貸してき たためだが、このような層は実際には資金ニーズが薄い。しかも、年収、資産状況など 細かい審査があり、実際に口座に振り込まれるまでには1 週間以上も要し、緊急にお金 が必要というニーズに応えられていなかった。そもそも武富士などの既存消費者金融業 者は、年収ベースで200 万~500 万円を主なターゲットとしている。金利 25%で前後 顧客を開拓し、50 万円前後という小口貸出しを行っているのだが、全く同じターゲッ トでは、余り発展は望めない。そこで銀行の場合、年収500~800 万円で金利は 15~ 18%と既存業者が手がけてこなかったニッチ層をターゲットに市場創造している。プロ ミスと組み「モビット」を作ったUFJ 銀行ではゼロに近い調達金利を活用し、できるだ け貸倒れ比率を下げるように審査・リスク管理ノウハウはプロミスに提供してもらって いると言う。これに銀行という信用力、社会的イメージを加えて残高を増やす方針であ る。2002 年 6 月から UFJ 銀行の無人店舗 100 ヶ所に自動契約機「すぐモビ」を設置し、 1 時間以内に顧客口座に振り込むことにした。銀行の参入は、既存の消費者金融とは違 う層をターゲットとしているため、顧客の奪い合いのような現象は、最小にとどまるも のと考えられる。銀行本業での収益が悪化している状況下で、このニッチに注目したと ころは革新的と言える。銀行の参入で、既存の消費者金融と競合する可能性は低く、消 費者金融業界の脅威となる存在ではないと考えられる。しかしながら、銀行による消費 者金融参入は、今までのイメージの悪さを払拭できる可能性が考えられ、良い競争相手 となることはあるだろう。いずれにせよ、利用者の選択肢が増えると言うことは、全体 としてのサービス向上につながると判断できる。

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6章 終わりに(消費者金融の今後)

法改正によって年29.2%に引き下げられた出資法の上限金利は、2003 年度 6 月をめどに 再度その見直しが予定されており、その行方によっては、わが国の消費者金融市場はさら なる合従連衡へと進むことも考えられる。しかし、こうした規制の強化の一方で、消費者 金融市場をめぐっては、様々な新ビジネスへの参入チャンスも開かれており、大手各社を 中心にクレジットカードやサービサー事業、銀行の個人ローン・中小企業ローンの保証業 務など、従来の消費者金融会社の枠組みにとらわれない新業態への進出が加速されるであ ろう。また、進展するIT 技術は、これからの消費者金融市場にさらに新しい商品やサービ スの登場を促すものと期待されている。これまで培ってきた高度な与信や債務管理のノウ ハウを武器に、消費者金融各社は、それぞれの個性を生かしたチャレンジをさらに続けて いくべきである。一方、市場が拡大、進化していく中で、副作用的に発生している問題に、 多重債務・自己破産の増加や、悪質な紹介屋や整理屋、また出資法金利を超える違法業者 (ヤミ金融)による金融事犯の増加といった問題がある。この業界にとってマーケットを 発展させるには、イメージ低下の原因となっている解決しなければならない。これらの諸 問題を解決するには、消費者金融業界のみならずクレジット・信販・銀行業界など消費者 信用市場に携る全ての業界が連携し、また行政当局や違法業者を取り締まる警察当局の協 力を求めて行動する必要がある。そのためには、徹底した消費者啓発・教育の推進、問題 化予防のためのカウンセリング機関の創出、家計管理技術の提供、さらには法的整備や規 制緩和の問題を含めて、広範囲にわたる社会的なセーフティネットの構築がある。消費者 保護と利益を図りつつ、借り手・貸し手双方が自己責任原則のもと、公平で公正なマーケ ットで、自由に競争していく市場の創造 ―これが21 世紀の消費者金融業界の仮題といえる。

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参考文献・データ

月刊「消費者信用」2002-10 『サービス向上が効率化を導き出す』8~9 項 TALPAS 白書 2002 消費者金融連絡会編 2000 年消費者金融サービス研究学会年報 消費者金融サービス研究学会編 日経ビジネス『武富士狂気の経営』 日経BP 社編 全国庶民金融協議会データ

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(参考)系統連系希望者がすべて旧費用負担ルール ※4 適用者 ※5 の場合における工事費用 特定負担 約830百万円.. ※2