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といって 危険も ちょっと な訳ではない 危険は どんなに ちょっと の作業であってでも厳然と存在し 常にある 常在しているのである NO. NO.5は 刈払機を使用する際にはいつも必ずしているゴーグルを NO.は夕方 4 時半から5 時頃まで ちょっとの間 だからと思って またNO.5は 前日の作

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(1)

Ⅱ.人に関わる事故様態

1.ちょっとの間、でも危険は常在

「ちょとの作業だから」、「ちょっとで済むから」、「ちょっとの距離だから」といつも

必ずする安全防護や安全対策をせずに起こった事故がある。しかし、「ちょっと」だから

NO性 別 年 齢 年 月 日 時 間 事故状況 主要な原因 提案・改善策 医療情報 傷病名 入 通 院 1 2 57 2 0 0 8 8 # 17 いつもは、ゴーグルをして草 刈をするのだが、その日に 限って、「少しの時間だか ら」とゴーグルをせずに草刈 り中、チップソーのチップが目に 飛込む 防護の不備、ま た草刈機の安全 カバーは、草が 絡むと言うこと で外してあった 防護の徹底 軽トラで帰宅、 近医受診、翌日 総合病院紹介、 入院 右眼眼 内異物 右眼角 膜裂傷 入 2 1 84 1 9 8 8 4 # 18 一枚の田の耕起を終え、す ぐ隣の田へ移動の際、いつ もは必ずしている、ブレー キペダルを左右連結せず、 また作業機を上げたまま坂 道を上がっていたとき、前 部が浮いて、3m下に転落 約11度の斜度、 道幅1mでトラクター走 行にかなり困難 な場所を、ロータリー の尾輪をいつも は下ろしている のに、下ろして いなかった。集 落の会合が予定 されていて、考 え事をしてい た。また、ブレーキ の連結ロックもして いなかった ・傾斜地である 角度以上になっ たらブレーキの 連結ロックがか かっていなかっ たら、警報がな る装置の開発を ・農道を自分で 拡幅した 職場の近くのよ く知っている医 院まで1時間半か けて入った。 右上腕 骨遠位 部の亀 裂骨折 右腕に 大量の 皮下血 腫 通 3 1 76 2 0 0 1 4 11 圃場の出入口を斜度16°を ギアをM2に入れてすぐ横の圃 場に移るため、トラクターで上っ ていたときに、ハンドルを切 り、ブレーキペタルを踏んだと き、おそらく連結ロックをして おらずトラクターが半回転して、 右側の圃場にトラクターごと転落 し、足がトラクターのタイヤの下敷 きになった。 ・ブレーキの連 結ロックをして いない ・圃場を上がる 前にどんな短い 距離であっても ブレーキの連結 ロックをする ・傾斜地では、 スピードを落と す 軽度の 打撲、 医療機 関に行 かず - 4 1 61 2 0 1 2 9 9 16 畑の摘果は7月に終わってい たが、庭先の1本を当日、 三脚にて摘果作業中、転倒 し、横脇腹打撲 三脚を設置した とき、一番下の 段が、庭の石の 上に乗ってい て、すごしぐら ついていたのだ が、大丈夫と 思って作業をし ようとした。 「ほんのちょと だから」と、い つも取っている 安全対策を取っ ていなかった 奥さんに総合病 院へ、入院2 日、固定のみ 右肋骨 多発骨 折 入 5 1 67 2 0 0 9 6 2 1 0 数日前に道路際の草刈りを 数人で行った。事故当日、 残り3m幅くらいの刈り残 しの草刈りをしようとし た。いつもは身につける ゴーグルも、わずかな時間 で終わると思い、しなかっ た。開始わずか1分も経た ないうちに、右目に何かが 飛び込んで目が開けられな くなった。手で押さえて、 手を見てもそんなに出血は していなかった。また、痛 みもそんなに感じなかっ た。 保護メガネ、 ゴーグルなどを 着けずに草刈り をした。わずか な時間という安 易な気持ちも あった。 草刈りのとき は、ゴーグル、 フェイスガー ド、保護メガネ などは必須であ る。どんなに短 い時間でも、い つも事故が潜ん でいることを自 覚する必要があ る。 近くにいた仲間 に事故にあった ことを伝え病院 につれて行って もらった。そこ では手に負えな いということで 医大に娘につれ ていってもらっ た。2日間抗生 物質を点滴し て、落ち着いて から手術をし た。右目にチップ ソーのチップが2個 入っていた。2ヶ 月後歯科で義眼 をつくっても らった。治療に 約4年かかった。 右目失 明 入

表7-9 ちょっとの間、でも危険は常在

(2)

といって、危険も「ちょっと」な訳ではない。危険は、どんなに「ちょっと」の作業であ

ってでも厳然と存在し、常にある、常在しているのである。

NO.1、NO.5は、刈払機を使用する際にはいつも必ずしているゴーグルを、NO.1は夕方4

時半から5時頃まで「ちょっとの間」だからと思って、またNO.5は、前日の作業残りの約

3mだけの草刈りだからとゴーグルをせずに作業をし、共に作業開始から数分もしない間

に、チップソーのチップが目に飛び込んだ事例である。特にNO.5は目に2個のチップが入

り失明した事例である。

NO2、3はトラクターで1枚の田んぼの耕起の後、すぐ隣りの圃場に移る際、すぐ隣りだ

からと、いつもは必ずしているブレーキの連結ロックをせずに坂道を昇り、前輪が浮き、

ハンドルを切り損ねたために、急ブレーキを踏んで、急旋回し転落した事例である。「す

ぐ隣り」、「ちょっとの間」であっても、危険は常在しているのである。

NO.4は、果樹園で脚立を使って摘果や剪定作業の時、脚立を立てる際には、最下段に乗

って足を踏み込ませる「トントン」をして安定させる動作を必ずするのだが、自宅の庭の

1本の柿の木の摘果の際には、「1本ぐらいだから」、「すぐ終わるから」とその動作をせ

ずに脚立を立てた。その際、最下段の踏み板に石が乗り上げたが、かまわず昇り、作業す

るまもなく脚立が横転し、肋骨を何本も折った事故である。

このように、「ちょっとの間」、「ちょっとの距離」であっても、いつも行う危険回避、

安全策を面倒でも行うべきである。

<表7-9・NO.2事例>

前輪が浮き上がって 後ろ向きにひっくり返 り、左の法面を転落 こ この圃場を耕し 終えて、上の圃場に 上 がるときに起き た。 現在は地形が かわっている 本人は下の 石の上に転落 トラクターは 川の向こうへ 転落

隣の田圃に移動時、ブレーキの連結ロックせず、作業機を上

げて走行、前輪が浮き上がり、(おそらくブレーキを踏ん

だ)本人は3m下の石の上に、トラクターは川向こうに着地。

(3)

2.重量を分散することで防ぐことができる事故

NO.1、3は田植機、トラクターに給油中に起きた事故である。給油口の位置が高かった

り、あるいは給油タンクを置く場所がなく無理な姿勢で給油をしていて転倒、転落した事

例である。このような場合、給油タンクは最初から満タンにしておかず、扱いやすい分量

に小分けにして数回に分けて給油することでこのような事故は防ぐことができる。

もちろん、最近の機械は、給油タンクを仮り置きできるスタンドを取り付けたり、さら

には、給油口の位置を下げて、トラクターや機械の上にタンクを持ち上げず給油できるも

のもできている。

NO.2の事例は、非弱な女性が20kgの肥料を一気に持ち運ぼうとして起こった事故である。

この事例でも、扱いやすい分量に小分けして運搬することで負荷を少なく運搬することが

可能である。

<表7-10・NO.1事例>

NO 性 年 月 日 時 事故状況 主要な原因 提案・改善策 医療情報 傷病名 入 通 院 1 1 50 2 0 0 9 5 10 10 田植機に給油作業を行おう としたが、田植機の足場か ら足を踏み外し、田植機の 下にお尻から落下し、腿の 上に満タンの給油タンクが落ち負 傷した。 給油しようとし て田植機から落 下。 田植機には給油 するタンクの置き場 がない。小分け などの給油方法 の検討が必要。 内出血が酷かっ たが病院には行 かなかった。治 療すべきだった と反省 右足太 もも打 撲:治療 せず なし 2 2 62 2 0 0 8 9 4 10 20kgの肥料を一輪車に積ん で、畑で下ろす際、重くて 横倒しになり、胸椎を骨 折。 体型が華奢で、 病院では典型的 な骨粗鬆症と診 断された。女性 が持つには重す ぎる。 今後は、風袋が もっと軽い重量 のものを製造す る必要があるの ではないか。 家にとにかく戻 り、親戚の人に 病院に連れて 行ってもらっ た。コルセットをして 1ヶ月入院 第12 胸椎圧 迫骨折 院 3 1 71 2 0 1 3 3 6 10 20Lのポリタンクの給油缶に一杯 に軽油を入れて、50馬力のト ラクターのボンネットの給油口に給 油していた。直径83cm・ 幅20cmのタイヤに両足で乗っ て、給油缶を高さ143cmの高 さのボンネットに置こうとした 時、タイヤが土で滑り安く、滑 り、給油缶を持ったまま、 後方にバックドロップのように 給油缶を抱えたままコンクリート に墜落した。 給油する位置が 高く、タイヤに 乗って作業する ことになり、タ イヤから滑りや すかったために 転落した。 事故後、ドラム缶 から直接給油で きるようにホースを 長くした。ま た、新しいトラクター の給油口は80cm 下がった位置に あり給油しやす い。また、給油 缶には一杯に入 れず何回かに分 けて給油するこ とも一案であ る。 通りかかった60 歳代の女性が異 変に気づき、奥 さんに事態を告 げ、救急車を呼 び、医療センターに 搬送された。CT を撮られたが特 に異常がなかっ た。後頭部裂傷 で、コンクリートは血 の海だったとの こと。12針縫 合。 後頭部 裂傷 通 院

表7-10 重量を分散することで防ぐことができる事故

田植機にガソリン缶で給油しようと

して、床に転落、タンクが大腿直撃

20L満タンのガソリン缶 缶の設置場所がない、 足場狭い(20cm) 高さ75cmから床に転落、ガソリン缶大腿 直撃、内出血、治癒に2ヵ月

・給油タンクの設置場所の確保を!

*給油口の位置を低く

・以後、7L缶に小分けして給油

(4)

3.危険行動、いつもは大丈夫、だがいつかは重大事故に

元々、危険行動であると言われていることを日常的に行っている人の中には、「危ない

と言うけど、事故に遭った訳でもないし」と平気で言う人がいる。しかし、これはたまた

ま事故に遭っていないだけであり、いつかは、重大事故に遭うことになる。

NO.1は、白菜のマルチをかけていて、そのまま道路にトラクターを乗り上げていたとこ

ろ、車が来てクラクションを鳴らされたので、慌ててトラクターに飛び乗ろうとした時、

トラクターが自然にバックして、回転していたロータリーに足を巻き込まれ、4箇所開放

骨折、ドクターヘリにて搬送された事例である。後方の車輪が道路端にかかっており、ロ

ータリーの回転の振動で、車輪が道路から外れバックしたようである。この時、駐車ブレ

ーキもかけていなかった。

この方は、日常的に駐車時に駐車ブレーキをすることもなく、また作業以外の時でもロ

ータリーのPTOを切らず、さらに今回の事故には直接関係ないが、走行時にブレーキの連

結ロックをすることもなかった。このように危険行動を日常的に行っていると、条件が揃

うと取り返しのつかない重大事故となる。この方は、結局現在車いす生活である。

NO.2の方は、トラクターを運転する時、日常的にスコップなどを片手に持ち、片手ハン

ドルを行っている人であった。この時は、左手に先端に杭がついたロープを持って片手ハ

ンドルで運転をしており、たまたま杭が運転席に落ち、これを拾おうとして、ハンドル操

作を誤り、用水に転落した事例である。また、この方は走行中もブレーキの連結ロックを

されていない人であり、この時も片ブレーキとなり、さらに、安全フレームつきではある

が、安全フレームを立てておらず、骨盤骨折、大腿骨骨折等重大な怪我となった。

ここに掲げた事例のみならず、日常的に刈払機の安全カバーを外していたり、防護をせ

ずに草刈りをしての負傷、日常的にブレーキの連結をしないなど、危険と分かっていても

対応をしない事例が数多くある。

また、調査事例にはないが、子どもをトラクターに日常的に乗せていて、ある時、突然

に転落、死亡という事故も発生している。

NO 性 年 月 日 時 事故状況 主要な原因 提案・改善策 医療情報 傷病名 入 通 院 1 1 54 2 0 0 3 9 28 7 白菜のマルチがけをし、終 了してトラクターを道路に 上げてマルチを切っていた ところ、トラクターが自然 にバックしてきて、回転し ていたロータリーに下半身 を巻き込まれた トラクターのサ イドブレーキを 掛けなかった。 ロータリーの回 転を止めなかっ た。道路がわず かに傾斜してい たのと、道路端 が長年の間に崩 落していた 降りて作業する ときには、エン ジンを停止する 基本を徹底す る。 近くのハウスに いた人が気づき 大腿部止血、救 急車要請、ドク ターヘリ搬送 右大腿 骨、4 カ所開 放骨折 入 院 2 1 57 2 0 1 0 4 24 1 0 : 3 0 トラクターに乗車中、片手 運転をしており、農道にト ラクターとともに転落し た。 左手にロープを 持ってトラク ターを運転し た。水路に転落 基本的な安全意 識の欠如 自力で這い上が り救助を求め た。通りがかり の人が自宅に戻 り電話で救急車 要請、処置対応 ができないと他 の病院に転送 右手中 指挫 傷・腰 骨盤骨 折・右 大腿骨 ヒビ 入 院

表7-11 いつもは大丈夫、いつかは重大事故に

(5)

<表7-11・NO.2事例>

時々、スコップを持ったりして片手ハンドル運転。このときは、ロープの先に杭を付

け片手ハンドル、その杭が落ちたので拾おうとして、運転を誤って、用水に転落、

いつも大丈夫、がついに用水に転落、骨盤骨折、右大腿骨骨折、右第三指挫傷

2008. 8.22;午前6時20分頃・兵庫県

田んぼで、祖父(64歳)が孫の女の子(6歳)を

乗せてトラクターで農作業中発進したはずみで転落。

ロータリーに巻き込まれ死亡。

2012. 4. 8;午前11時40分頃・茨城県

水田で、4歳の男の子が曽祖父(79歳)が運

転するトラクターから転落してロータリーに巻き込まれ、

死亡。

かわいい子は、農機に乗せるな

(6)

4.2人以上の作業では、必ずコミュニケーションルールを

2人以上の人間が、同時に作業する範囲=作業圏で重なり合う際には、必ずコミュニケ

ーションルールが発生する。

ある行為をする時、「黙ってする」のはもってのほかである。「行くぞ」と言ってすぐ

に行動するのもダメである。

必ず最初に「相手の了解の確認」、次いで行動開始直前に、「どのような行動を開始す

るかの伝達の確認」のスタート合図が必要であり、相方の了解必要である。

例えばNO.5の事例では、くい打ちで、杭を支える補助者はくい打ち作業が終わったと思

い、手を杭の上に置いたところを、相方が「もう一丁」とカケヤで杭を打った際、補助者

の手を打ち砕いた事例である。

この場合は、くい打ちの人A、杭を支える補助者Bは

A:「もう一丁打ちます」

ゴツン

×

B:「了解」

ゴツン

×

A:「では、打ちます」

ゴツン

×

B:「了解」

ゴツン

通常、①、②で終わるが、必ず③、④まで声かけして行動することが必要である。③で

ゴツンもダメであり、最後の④の段階で初めて、Aが行動を起こす、杭を打つ、が大切で

ある。

コミュニケーションが必要なのは、2人以上で作業している時ばかりではない。

NO.1、2は借用機械で起こった事故である。同じトラクターだから「操作は分かる」で

はなく、基本的なブレーキや癖、さらには最後の駐車・停車の仕方の癖など個々人で違う

ことが多い。このような情報が伝達・コミュニケートされていないと事例のような事故に

つながる。サイドブレーキのかけ方が自分のトラクターと異なっていた、また借りたとき

停車の仕方が異なっていて、スタートした途端、自分の思っていた動きと異なる動きが急

に起きた事例である。

また、NO.3は秋の収穫前にコンバインを業者に整備してもらい、その業者がスロワーの

カバーをし忘れて、確認のために手を入れて受傷した事例である。整備をしてもらった時、

業者は本人に「ここと、ここを整備したよ」と具体的に機械の整備部分を示して伝達・コ

ミュニケーションすることが大切である。その確認の際に、カバーのし忘れも確認できた

可能性が高い。まさか「整備士が忘れるとは」の事故であるが、このようなコミュニケー

ションが必要である。「整備しておいたよ」、「おっ、ありがとう」だけでなく、内容伝達

が必要である。

NO.4~14は、いずれも複数の作業員が関わった作業での事故である。先に述べた「コミ

ュニケーションルール」をあらかじめ確認しておくことで防ぐことができる事故である。

とくに、農業機械の場合一旦作業が始まると、作業機の音が大きく、声だけでは指示や

了解の合図が分からないことが多い。そのような場合の伝達方法なども事前に決めておく

必要がある。

(7)

NO 性 年 月 日 時 事故状況 主要な原因 提案・改善策 医療情報 傷病名 入 通 院 1 1 58 2 0 1 1 5 14 12 代かきを終えて乗用トラク ターから降りて作業中、突 然トラクターが動き出した ので、止めようと飛び乗っ たが、危ないと判断し、飛 び降りたとき受傷 トラクターのサ イドブレーキが しっかり掛けて なかった。 借用機械であ り、サイドブレーキの 方向が自分のも のと違ってい た。同じトラクターで あっても、コミュニ ケーションが必要 昼頃の事故、夕 方になって痛 み、病院受診 右肩打 撲 通 2 1 80 1 9 9 9 8 25 11 土の運搬作業を行うため、 自宅横の格納庫の前で、トラク ターにフロントローダーの取り付けを していたところ、フロントローダー の油圧シリンダーが急に伸び、ト ラクターキャビンのフロントガラスに取り 付け部が接触し破損。その 際、破損ガラスが長靴に入り 両足に受傷(切り傷)。 借りた機械であ り、レバーが ローダーが最も 上に上がるよう にセットされて いた 他から借りた機 械は、常にコミ ニュケーを 切り傷 - 3 1 59 2 0 1 0 9 21 9 秋作業前に、業者に点検の ためコンバインをオーバーホールをし てもらった。3条のコンバイン で稲刈りを始めたところ、 籾がタンクに貯まる音がしな かったので、籾の搬送部の 蓋からもれていると思い、 確認のため降り籾搬送部に 手で確認したところ、搬送 部のカバーがされてなく、左 手を入れた時、ラセン部分 で指4本を皮一枚残して切 断。業者が点検した際、カ バーを外したままにしてい た。カバーは納屋の隅に立て かけてあった。 脱穀クラッチを 切らずに、らせ ん部に手を入れ た、またオー バーホール時の 業者が、整備不 良であった 詰まりや、らせ ん部の点検時 は、エンジンを 切る、脱穀部ク ラッチを切る また、他人に整 備や修理を依頼 したとき、受け 渡し時に修理点 検箇所の確認を する 携帯電話で直接 救急車を呼ん だ。迷ったよう だが携帯電話で 誘導した。動脈 は切れていな かった。RH- の血液型であ り、幸い輸血を 必要としない手 術であった 左手指 4本裂 傷 入 4 1 22 2 0 0 8 5 4 2 0 田植機の修理作業中カバー を取り付けようとした時、 機械とカバーの間に指を挟 む 2人作業で行っ ており、相方 が、こちらの作 業状況を確認せ ずにカバーかけた 2人作業の場 合、常に声かけ 等、コミュニケーションを 取る 自車にて受診 手指は さまり 通 5 2 70 2 0 1 1 6 13 12 畝端への杭打ちで杭を支え ていたときに、もういいと 思っていたが、相方がもう 少し打ち込もうと「もう一 回」とカケヤを振り下ろし て、杭の上に手を置いてい てカケヤで手を打たれた。 相方との意思疎 通の欠如 ・二人作業の場 合、コミュニケーションを とり必ず次の行 動をする時には 声を掛け合う ・大量の杭打ち をする場合は、 市販の杭支えな どを使用する 左手第3 第4指の 圧挫 傷、基 節骨複 雑骨折 通 6 1 69 2 0 0 9 6 1 1 2 カントリーでのフレコンをコンテ ナに移す作業で、軽トラの 上で、フォークリフトの爪 にリフトの爪にかけてい た。作業が終わり、降りよ うとした時、相方が軽トラ を発進させ、後頭部からア スファルトの地面に転倒。 相方が、まだ作 業者が乗ってい るとは思わな かった コミニュケー ションの徹底 以後、作業手順 マニュアルを改 善 後頭部 打撲 入 7 1 56 2 0 1 1 7 3 12 トレーラーをトラクターに連結しよう としいて、後から、合図な しで別の人がフォークリフトで後を 持ち上げ、トレーラーの支柱を支 えていた一輪車が倒れ、突 然、手に全ての重みがかか り、落下、足を直撃 コミュニケー ション無しで相 方の作業に介入 し、思いがけな い動きに、つい ていけなかった ・日頃の作業時 に、コミュニケーション、 声かけの習慣化 ・重量物を扱う ときは、常に落 下を前提とした 対処、今回の場 合は、落下した 時に足とコンクリート の間に隙間が出 来るよう、木の ころを入れるな ど。 自分で近医受 診、日曜でレン トゲンも撮って もらえず、湿布 と添え木のみ、 翌日骨折との事 で1ヵ月入院 右足第 1~3 趾骨 折、挫 滅 入

表7-12① コミュニケーション

(8)

NO 性 年 月 日 時 事故状況 主要な原因 提案・改善策 医療情報 傷病名 入 通 院 8 2 58 2 0 0 7 5 上 11 田植機を乗せるため に、台車を用意しよ うとして、後ろ向き に引いてきたとこ ろ、苗を積んでいる トラックがバックし てきたので、その間 に挟まれ、腸間膜出 血。 相方がいつもと 違い、リズムがあ わなかった。早 く仕事を進めよ うと焦ってい た。相方とコミュニ ケーションを取らずに 台車を引き、ま た相手方も合図 をせずに車をバッ クさせた。 相方が替わる場合、 いつもと当然要領が 異なるので、作業手 順の簡単な打合せを 必ずする事が必要と 考えられる。 ご主人が携帯電話で 救急車を要請。目 標、山川のポンプ場 で了解。迷ったらし いが、手を振って合 図、5分後には到 着。ICUに入る事 もなく、普通病棟で 入院1週間。 腸間膜 出血 入 9 1 63 2 0 0 8 4 19 10 オペレーターが荒起 こし中、声を掛けて ロータリーのバネを 調整中、オペレー ターとの連携が悪 く、ロータリー部が 突然上がり、指を切 創。 オペレーターと の声かけが十分 でなく、それぞ れの思いで、ば らばらに作業、 操作していた。 主作業のみならず、 補助的に近づく人な どもいたら、すでに 共同作業に入ってい るとの考えで、声か けの徹底。 近医にて止血、抗生 剤をもらい、3日く らいガーゼ交換に通 う。今も、切ったと ころは感覚がない 左環指 末節部 挫創 通 10 1 58 2 0 1 0 6 12 15 田植えの際、1条分の 欠株があった。植え 付け部分の一部にゴ ミが詰まっている事 に気づき運転手に止 まるよう伝えた。田 植機が止まったので ゴミの除去をしよう と手を入れた時、田 植機が動き出し爪に 指を巻き込まれた。 通常ならエンジ ンを切って除去 するが、雨も 降って終了しよ うとしていた時 でもあり、気が 焦っていた。運 転手に聞こえた と思い込んでし まった。 必ずエンジンをきっ てから、除去作業を することを徹底し た。共同作業の時は お互いの意思疎通を よく確認する。 一緒の作業仲間の1人 が消防隊員で救急車 の手配をし、応急処 置も行った。救急車 は2,30分で来たが、 日曜日で病院が見つ からず連絡してから 搬送先到着まで1時間 はかかった。 右手中 指第1関 節断裂 入 11 2 47 2 0 1 1 9 28 9 畝脇の石礫をどかし ていたとき、ポテトハー゙ スターが急に動き出して タイヤに右足を轢か れた 被害者に合図し ないでトラクタ を動かした トラクタが完全に止 まるまでポテトハーベスター に乗らない・降りな いようにしている 被害者の妹が病院に 連れて行き、診察を 受けた 右足甲 の打撲 通 12 1 19 2 0 1 3 6 12 15 畜産農家で事業主が バケットでビール滓 をすくい上げようと したとき、バケット の前にいてビール滓 を包んであった袋を 取ろうとして、足を だし、バケットとコ ンクリー壁に左足を 挟まれ、切創。 二人の呼吸が合 わず、いつもの 動きとは違っ た。また、壁が あり、足の逃げ 場所がなかっ た。 バケットには運転席から の死角であり、相方 の足の位置が見得が 見えずなかった。ビ ニールをうまく外すため タイミングが大切だが、 いつものコンビと違 い、事故に繋がった と思われる。 すぐに事業主が家に 帰り電話し、救急車 を要請。約15分で 到着、約1週間休 業。 左足切 創 通 13 1 72 2 0 1 1 6 4 14 麦刈り取り中、補助 作業車としてコンバイン 前方に詰まった草を 取り除いていた。コン バイン運転席からは死 角となり見えず、オペ レーターは草の除去作業 が終了したと思い、コ ンバインむを発進してし まい轢かれてしまっ た。肋骨骨折。 普段、二人で行 う作業を補助に 一人増やして3人 で行ったため、 死角の関係もあ り、意思疎通が うまくいかず、 轢いてしまっ た。 コンバインの死角の多さ が問題である。死角 域を少なくする補助 ミラーの設置などを 検討する必要があ る。また、コミュニケーション ルールの徹底も重要であ る。 携帯電話ですぐに消 防署に連絡し、約10 分くらいで救急車が 到着した。総合病院 で治療。1ヶ月入院後 リハビリをし順調に 回復。後遺症もな い。 肋骨骨 折 入 14 2 30 2 0 1 1 10 18 15 サツマイモ掘取機に補助者 として乗車、運転者 が収穫したサツマイモの バックを地上に降ろ し、バックをかける部 分を戻した時、補助 者がその部分につい ている土を落として いて、戻った機械の 間に挟まれ、指骨折 機械操縦者の位 置からは、補助 者の手元が見え ず、死角となっ ていた。 雇用している中国人 に、ある一定の時間 事前講習が必要であ る。また、補助者の 動きが機械操縦者に 見える構造の機械開 発も課題。 本人は、「大丈夫」 と言っていたが、表 情が青く、雇用主が すぐに医院に連れて 行き、レントゲンにて骨 折判明。近くの総合 病院にて手術。現 在、中指は十分に反 り返らないが、日常 活動に支障はない。 右中指 基節骨 骨折 入

表7-12② コミュニケーション

(9)

<表7-12・NO.5事例>

<表7-12・NO.8事例>

*いずれにしても、2人以上の作業の際は、両者の作業圏や行動範囲が重なる場合のコ

ミュニケーションルールを必ず決めておくことが必要である。

58歳女性は、田植え中のご主人が、田植え終了後すぐに田植機を台車に乗せ、次

に運搬出来るようにと、台車を後ろ向きにトラックに近づけようと、後ろ向きに引っ

張っていた。反対にトラックの運転手もバックして、台車に近づけようとして間に挟

まれた。当日は、親戚の方が応援に来ていただいていたが、主人とは違い、呼吸

が合わず、朝からイライラしていた。お互いの動きを確認する事なく作業をしていた。

ご主人は田植機に乗って真横から見ていた。 「危ない!」と叫んだが聞こえなかった。 田植機

杭を支えていた補助者が、相方がカケヤでくい打ちを終わったと思って、

杭の上に手を置いたところへ、「もう一丁」と相方がカケヤを打ち下ろし、

補助者の左手、中指・薬指の基節骨複雑骨折、圧挫創。

(10)

5.「ついで」作業を行っていて

機械の操作をしながら、本来のその機械の操作以外の作業を移動しつつ行っていて起こ

った事故。本来の作業と、ついでの作業は別々に行うべきところを、ついつい手を出して

遭った事故が起こっている。

NO.1は、たばこ移植機で苗を移植中、移植爪が取り残した苗を取っていて、次の爪に指

を突き刺された事例である。この場合、移植作業と、取り残し苗のピックアップは別の作

業であり、この場合、クラッチを切って移植作業を一旦停止し、次いで取り残しの苗をピ

ックアップするなど、別々に行うことで防ぐことができた事故である。

NO.2は、SSで農薬散布しながら柑橘類の樹間を走行中、摘果の取り残しをSSから体を乗

り出して摘果していて、右足が600Lの液剤の入ったSSの前輪に巻き込まれ、さらに後輪

にも踏まれ両足・脚を骨折、股関節脱臼した事例である。この場合、取り残しの摘果作業

を先に一巡して行っておれば問題がなかったと思われる。

<表7-13・NO.1事例>

NO 性 年 月 日時 事故状況 主要な原因 提案・改善策 医療情報 傷病名 入通 院 1 1 18 2 0 0 4 320 頃 午 前 中 たばこ移植機で苗を移植 中、移植機が取り残した 苗を、もったいないので 取り除こうとして、次の 苗をつかみに来た爪に手 を突き抜かれた。 本来クラッチを切って行う べき作業を、移植のス ピードは遅く、取り除く のに十分間に合うと思 い、手を入れた。ある 意味、暇な時ほどしな くてもいいこと、また は確実にやるべき事を 手抜きをする。機械と のスピードと人間の作業ス ピードとのミスマッチ ・本来の植え付けを 「しながら」、補助作 業の取り残し除去作業 を「ついで」に行って いた。 ・機械を更新してから は、移植機の苗の取り 残しはなくなり、この ような作業自体がなく なった 爪は、自動的に抜け た。父親に病院に連れ て行ってもらった。幸 い骨や神経を傷つけて おらず、消毒程度で終 わった。 右手第1 指と第2 指の間刺 創(貫通 創) 通 2 1 41 2 0 0 7 8 1 11 SSでみかん園の農薬散布 中、運転しながら摘果し たり、剪定をしていて、 手を伸ばしたときに足が 地面に着き、SSのタイヤ に右足が巻き込まれた。 右足は股割り状態にな り、園地に横倒し。その 右足の上を1.1tの農薬を 乗せたSSに踏まれた。 SSで農薬散布をしなが ら、摘果や剪定をする という「ついで作業」 「ながら作業」とな り、つい手を伸ばしす ぎ、足が巻き込まれ た。 農作業現場では、「同 時進行的に別作業を行 う」ことは日常茶飯事 であるが、安全対策と して、「ながら作業」 だからこそ発生する危 険性について考える必 要がある。以後、運転 席から足を下ろすこと はしなくなった。 たまたま携帯電話を所 持していたので、仲間 に電話をし、救急車も 呼んだ。園地まで救急 車が入ってくれ、近く のグランドからドクターヘリ で病院へ搬送された。 右足はボルト3本で固定 した。翌年、翌々年も 高熱が出た。 右足舟状 骨骨折、 右脚股関 節脱臼、 左膝下挫 滅創 入

表7-13 ついで作業

(11)

6.思わずしらず、ゴミをとるため手を出して

たれ下がった1本の藁、これが気になりついつい手を出し、手が巻き込まれた事例があ

る。表中にはないが、息子がトラクターで荒起こしをしているのを、親父が畦で息子の作

業を眺めていて、畦際でUターンした際、ロータリーに垂れ下がっている藁を取ろうとし

てロータリーに手を跳ねられた事故があった。また、乾燥機の上部の横方向の籾搬送スロ

ワーに垂れ下がっている藁を取ろうとして、指を跳ねられた事故があった。

NO.1は柿のヘタ取り機の向こう側にあるゴミを取ろうとして、手前のヘタ切り刃に触れ

て指を切った事例であり、NO.2は、ハーベスターの藁排出部分に藁があり気になり取ろう

として手が巻き込まれた事例である。

紹介する事例は2例だが、藁やゴミがあっても作業性に無関係であるにも関わらず、手

を出した事故が多発している。

いずれも必要のない行動であり、刃物や機械が回転している場所には、少々何かが起

こっていても手を出さないことが肝要である。

<表7-14・

NO.1事例>

N O 性 別 年 齢 年 月 日 時 間 事故状況 主要な原因 提案・改善策 医療情報 傷病名 入 通 院 1 2 51 2 0 0 9 11 14 10 手動式へた取り機使用中、 カッターの向こうにあるゴ ミを除こうとして、手前の へた取りカッターで右手を 負傷 機械には、カッ ター注意と書い てあるが、思わ ず、ゴミのみに 注意が集中して 手が出た カッターとバックの背 景の機械本体の 色の配色が悪く カッターの存在が見 にくく、カッターや 本体の配色の工 夫が必要、 家人に知られた くなく、何気な い様子で抜け出 して受診 右手切 創 通 2 1 61 2 0 1 3 11 2 14 ハーベスタの稲束排出ロー ター部に藁が1本あったの で、取ろうとしてベルトに 挟まれ右第2指の先端を負傷 した。 一人作業者が少 ないことも焦り につながった。 ローター部の1本 の藁が気になっ て、何気なく手 を出した。 ベルトがある部 分には必ずカ バーをつける必 要がある。 自分で運転し自 宅に戻り、近く の病院に電話を したが、外科医 がいないという ことで大きな病 院を受診した。 右第2 指末端 部挫創 通

表7-14 つい、ゴミを取ろうと手を出して

注意書

ヘタくず

ヘタ切り刃

柿のヘタ切りをしていて、ヘタ屑が奥側に溜まったので、手で払おうとして、手前に

ある「ヘタ切り刃」で手の甲を切った。屑に意識が行っていて、手前の刃の存在を

一瞬失念。屑を払わなければ機械が動かないほどではなかった。

(12)

7.切った木の、後の動きで

森林組合の方や木の伐採を専門に行っている作業者の方では、常に考慮されている事故

である。

剪定などで木の枝を切っていて、その木の枝が垂直に落ちてきて、頭部裂傷。雪に埋も

れた枝を切っていて、突然雪をはねのけて枝が跳ね上がり、顔面強打。斜面で伐採した木

を切った途端、その木が自分を押し出すようにして転がり、崖下に転落等々。

この木を切ったら、またはこの枝を切ったら、この木や枝の次の動きはどうなるだろう

か。プロフェッショナルな方々では、常にそのような木の「次の行動」を予測しながら、

NO 性 年 月 日 時 事故状況 主要な原因 提案・改善策 医療情報 傷病名 入 通 院 1 1 50 2 0 1 1 11 22 11 畑の土手の木をチェーンソーで 切っていたら、一気に木が 倒れてきて頭に当たり受傷 した。 蔓で絡まってい たために、一気 に大量の木が倒 れた。 ヘルメットの着 用の義務化。 近くに居た父親 の車で病院搬送 頭部裂 傷 2 1 61 2 0 1 2 2 11 1 3 : 3 0 脚立に上って35年もののプ ルーンの枝きりを、高枝切機で 作業中、切った枝が落ちて くるのを防ごうと首を前に 倒して、むち打ち症になっ た。 高枝ハサミで枝を切 ると、鋭角な切 り口が自分に向 かって落ちてく る。 防護用ヘルメッ トの着用義務化 脚立から自力で 降り、しばらく 休んだが、吐き 気止まらず、2日 後受診 首むち 打ち症 通 3 2 72 2 0 1 0 1 27 1 3 : 3 0 自宅裏山にて崖淵の急傾斜 の所の椿の木をチェーンソーで 切っている際に、切った木 が足下にぐらっと転がり、 体をがけしたに押し出すよ うに寄りかかってきて、踏 ん張り切れず足を滑らせ8m 程下に転落した。落ちる際 に、自ら足を蹴って、飛び 降りるような形で落ちたの で、頭から落ちなかった。 真下はコンクリートであったが、 飛んだため、先に落として おいた木の枝や葉の塊の上 に落ち、クッションとなった 昔、チェーン ソーを使った事 もあり、危ない とは思いつつ、 特に対策を取ら なかった。昔は 山作業の時は、 いのち綱など安 全対策をしてい たが、林の管理 は兼業であり、 プロ的意識で作 業に望んでいな かった 命綱を着ける 妻が見ていたの で、救急車を呼 んでもらった。 医療圏の関係で 最初、圏内の総 合病院へ行った が、治療が難し い、との事で別 の圏内の総合病 院に問合せ、忙 しいとの事で、 別の医療圏の総 合病院へ。事故 後2時間半後。 左骨盤, 左恥骨, 左坐骨, 左腸骨 骨折,左 外傷性 血胸 入 4 1 84 2 0 1 3 4 13 16 40年ものの梅の木(幹周り 80cm)を伐採しようと、 チェーンソー(40cc、刃渡り 30cm)で上の枝から切って いたら、直径2cmぐらいの枝 が頭に突き刺さるように落 ちてきた。帽子は被ってい なかった。頭に手をやる と、血がべたっと付いた。 帽子を被らず に、チェーン ソーで枝切りを した。 枝切り作業など には、ヘルメット着用 義務化を。枝な どに絡まって脱 げてしまうの で、着用しな かったようだ が、軽くて丈夫 な、被りやすいヘ ルメットの開発が望 まれる。 休日だったが、 夕方6時までなら いいと言われ、 車で10~15分の ところにある医 院を受診、3針 縫った。破傷風 の予防に1日置き に3回通院。抜糸 は2週間後。 頭部刺 創 通 5 1 50 2 0 1 1 5 8 9 地区の総普請で作業中、道 路脇の木を伐採していたと ころ、木がはねて頭にあた り、転倒し頭をうった 雪が残ってい て、枝が雪に埋 没しており、枝 を切ったとき一 気に浮き上が り、顔面直撃 雪に埋もれてい る部分から切っ ていく事として いる CTを撮り、唇縫 合、頭を強打し ているというこ とで10日間入院 安静、10日後再 度CTにて、異常 なしにて退院 歯牙欠 損(前 歯喪 失) 通 6 1 79 2 0 1 3 1 26 11 二股に分かれた檜の枝 (幹)を斧で切り落とした ところ、その枝が右足甲に 落ちた。 安全靴を履かず に一人で作業し た。 安全靴やヘルメットの 着用が必要だっ た。 帰宅した受傷者 に驚いた息子が 運転して受診。 右足甲 挫傷 7 1 77 2 0 1 2 2 10 17 切断済みの枝が他の枝に 引っかかっていたが、強風 にあおられ、落下。左肩、 頭に当たった。 上から順に枝を 落としてきたは ずだが、落ちて いなかった。 ヘルメットを使 用する。 かかりつけ医が 手術で対応でき ないというの で、3日後に受 診。 左肩甲 骨骨折 通

表7-15 切った後に、

(13)

切ったりするのであろうが、必要に応じて年に数回、あるいは数年に1度しか経験しない

作業のため、このような木の次の行動を予知する訓練がほとんどなく、起こっている事故

である。

高さ8m

5m

6

8

70

°

落ちる瞬間、コンクリート壁からなるべく遠くに離れるため飛んだ。落ちたところには、

先に小枝等などの塊の山に落ちた。それでも、骨盤、恥骨、座骨、腸骨骨折、気胸。

り倒

した

自宅の裏の椿の木を伐採していた。伐採した途端、その切り倒した木

が体に寄りかかり、体を崖側に押しだし、8m崖下に墜落

(14)

Ⅲ.環境に関わる事故様態

1.境界不鮮明

農作業現場では、境界が不鮮明なために転落などの事故が起こる。例えば草の生えてい

ない季節には道路幅や路肩が確認できていても、草が生い茂ってくると境界が不鮮明とな

り、境界を過ち、路肩や崖からの転落・転倒事故が起きている。

この問題は、ハザードマップを作成する際にも注意を要することである。つまり、草の

生えていない時に巡回して、問題なしとした場所であっても、夏場の草が生い茂った時期

には、境界が良く分からず、極めて危険地帯に変身する。また、天気のいい時は問題ない

場所であっても、雨の後には、溝が深くなり危険地帯に変身し、さらに路肩などが脆くな

り境界が不鮮明となる。このようなことは、工場作業などでは基本的にないことである。

NO.1は昇降する道の草は刈ってあったが、道でない路肩部分も道路面と同じ高さで草が

刈ってあったため、道路と見誤り路肩を踏み外し、崖下にコンバインが1回転して転落、

本人は投げ出されほぼ即死された事例である。境界にポールなどの設置が必要であった。

<表7-16・NO.1事例>

NO 性 年 月 日 時 事故状況 主要な原因 提案・改善策 医療情報 傷病名 入 通 院 1 1 74 2 0 1 0 10 15 1 5 : 0 0 汎用コンバインでソバ を刈っていた。 下の水田のソバを 刈り取り、上の 水田に移動する 時、進入路の手 前で高さ2.6mの 所からコンバインと ともに転落し死 亡した。 道路斜面が草刈 りされており、 進入路と勘違い し、転倒した。 山間地には不向 きな大型なコン バイン。もう少 し小さなコンバ インはないか 集落から5分ぐらい離れたと ころで携帯電話通じず、下 りて救急車を呼んだ。来る のに長く感じた 胸圧迫 (死 亡) 死 亡 2 1 60 2 0 1 2 6 23 14 管理機で大豆の 培土後、昇降路 を出ようとして 転倒 下敷きになる 昇降路を上る 際、昇降路の横 から上ろうとし て左右のバラン スを崩して横転 管理機は高床で ありもともとバ ランスが悪い。 昇降路には正対 して上る 直後、乗りかかった管理機 を押しのけようと、必死に 力を振り絞った。奥さんが 近くにいて、近所の人を呼 び下敷き状態から、引き出 される。5分後に救急搬 送。 全身打 撲、擦 過傷 入 3 2 52 2 0 1 3 7 12 7 スイカ畑で、ス イカを積み上げ る作業中、畑の 境界の1.7m 下に後ろ向きに 転落。脊髄圧迫 骨折。 この境界が草む らで大変わかり にくく、傾斜が どの程度かも外 見ではわからな い。 わずか1.7m の高さとはい え、「1mは、 一命を取る」と 言われる通り、 フェンス等の墜 落防止柵する事 が望まれる。 転落直後約30分位、そのま ま、その後、おんぶで軽ト ラに運んでもらい、自宅に 帰った。家で1時間、その 後自家用車で約30分の医療 機関を受診。レントゲンでは以 上なし、との事であった が、子供が、「様子がおか しい」と別の医療機関を午 後2時ころ受診。MRIを撮 り、脊椎の圧迫骨折と診 断。翌日入院。 第12 ~13 脊椎圧 迫骨折 入 4 1 67 2 0 1 1 12 12 16 棚田地帯で次の 水田に移動する 際、鋭角な角を 曲がりきれず、 一旦バックしよ うとしたら、そ のまま9m下の 崖下にトラクターとと もに墜落。死 亡。 道路には草が繁 茂し、境界が判 できず。そのた め、鋭角な角も よく分からず、 バックする道路幅 もよく分からな かった。また、 夕方で薄暗く なっていた。 なくなる前に道 路舗装を希望さ れていた道路 が、見事にアス ファルト舗装さ れていた。これ なら事故は起こ らなかったのに と残念であっ た。 奥さんが悲鳴を聞きつけて 事故を確認。すぐに携帯電 話で、おじさん、面談者の いとこさんに連絡。また救 急車を要請。途中までおじ さんが車で運び、途中から 救急車に乗せ病院へ搬送し たが、死亡が確認された。 死亡 死 亡

表7-16 境界不鮮明

(15)

NO.2は、管理機で大豆培土後昇降路を上がる際、草で昇降路の構造が分かりにくく、斜

めから昇ろうとして横転した事例である。管理機自体高床であり不安定であったため、簡

単に横転した事例である。

NO.4は、やはり草で境界が不明瞭であり、昇降路の途中から突っ込み、再度バックして

境界

本来の道筋

実際の経路

斜度13.7°

の上り坂

下のそば畑での収穫を終えて、斜度約14°を坂道を昇り、

本来、「

」の線に従って次のそば畑に入るべきところ、途

中、「

」の線を進んで、境界線を踏み越えて、下の畑に転

落、即死。たまたま、境界を越えて

A

の部分が道路面と同じ

高さに刈り取ってあり、「道路」と間違えたと考えられる。

A

コンバイン

転落した場所は、転落位置から7m下。本人はさ

らに5m先に墜落、転倒。発見時はすでに死亡。

(16)

ハンドルを切り返そうとしてバックし過ぎ、9m下にトラクターごと下の田んぼに転落し

て亡くなった事例である。以前から危険を察知しておられ、すぐ近くの道路は本人の要望

で舗装されていたが、事故現場は残念ながら未だ未舗装であった。

NO.3はスイカの収穫時にスイカを畑の隅に積み上げていて、畑と下の樹園地の境目が不

鮮明で下の園地に仰向けに転落した事例である。草が生い茂っていてやはり境界が不鮮明

で起こったと考えられる。

2.傾斜面が事故原因に

一般の工場作業において、作業面が傾斜していることはほとんどない。しかし、農作業

現場では普遍的に存在する。

例えば、水平面の水田であっても、出入り口の昇降路は傾斜している。農業機械の出入

りの際にこの傾斜面が、事故原因となっている。また、広々とした平野であっても、畦は

傾斜しており、さらに用水に向かって法面が傾斜している。ここを刈払機で草刈りをして

いて転倒して事故に遭う事例も枚挙にいとまがない。

また、果樹園の中には日光の当たりを求めて敢えて傾斜面で栽培している地域も全国に

多数存在している。この傾斜地で転倒したり、脚立を立てたが不安定であり、転倒、転落

事故も起こっている。さらに、小さいでこぼこや傾斜は、圃場のあっちこっちに存在して

いる。

一方、土木作業等ではこのような傾斜面作業もあるが、基本的に労安法等で厳格に作業

手順が定められ、事故発生を防ぐ手立てが前提で工事が行われる。

3.狭い道

普通、車を運転していて、狭い道を無理に突っ込むことはよほどのことがない限りなく、

迂回路をとったりする。しかし、農作業現場では、例えば数十年前の区画整理時に作った

農道は、当時の耕耘機等のサイズには十分余裕があっただろうが、トラクターや新しい大

型の機械には道幅が狭く、機械のサイズには狭すぎる場合がよくある。しかし、他に道が

ない場合は、そこを通らざるを得ない。また、狭いのですぐに拡幅する資金的余裕もある

訳ではない。

表7-17は、そのような事例である。事故後にようやく狭かった道を拡幅した事例もある。

いずれにしても、一般の車道と異なり簡単に道路を改良できず、事故の原因を作ってい

るケースが至る所に存在している。

(17)

NO 性 年 月 日 時 事故状況 主要な原因 提案・改善策 医療情報 傷病名 入 通 院 1 1 79 2 0 1 2 5 15 17 畑の耕耘をする ため20mの農道 (傾斜度10~23 度、幅130cm) 登っている時 に、トラクターがスリッ プして8.7m下に 転落、その後事 故者が7m下に転 落した。トラクターが スリップした時に下 に転落すると思 い、トラクターからお り山側の土手の 草に?まった が、草が切れて 下に落下した。 小雨が降り農道 が濡れていた。 滑るのではない かと歩いて確認 したが、大丈夫 であると判断し てトラクターで 農道を登った。 年をとったら無 理な作業をしな い。なれたとこ ろほど危ないの で注意する。慎 重に作業に当た る。 携帯電話で自宅にいる妻に 連絡する。事故者は舗装さ れた農道まで50mほど移 動して救急車を待つ。 頚椎骨 折、肋 骨骨 折、指 先にし びれ 入 院 2 1 54 2 0 1 0 4 25 11 トラクターで畑の耕う ん作業を終えて 狭い入退路を退 出移動中、左側 前輪が路肩を踏 み外し、2.7m程 下の畑にトラク タごと転落し た。トラクター が覆い被さる用 にして受傷。単 独作業であった ため、近所の人 が通りかかり1時 間後に発見。 通路が狭く、傾斜 があった。事故 トラクタは約25 年前に義父が購 入、使用してい たもので、副変 速が固定されて いて3速になって いる整備不良車 であった。ま た、投票日で 焦っていた。 事故後、通路を 拡幅した。農業 は他の人に委託 した。 近所の人が救急車を呼び、 約10㌔離れた所まで搬送さ れ、そこからドクターヘリ で大学病院へ収容され緊急 手術を受けた。入院3か月、 途中転院しリハビリを受け る。後遺症:足に少しのし びれ 骨盤粉 砕トラ クター 骨折、 内腸臍 動脈断 裂。後 遺症 (足の しび れ) 入 院 3 1 63 2 0 1 2 4 13 11 本来、人が歩く ために作った自 宅横の狭い通路 でトラクターを運転し て通行中、脱輪 して転倒・転 落。トラクターが本人 の上を転がって いった。 狭い通路を無理 をして通行し た。 広い道を通るこ とにした。急が ば回れ。 息子があらかじめ病院に連 絡し連れて行ってくれた。X 線、CT異常なし。 左腰部 ならび に右胸 部打撲 入 院 4 1 74 2 0 1 3 3 12 1 2 ? 田んぼの荒耕し に出かけた。そ の帰り道と思わ れるが、田んぼ より1.2m高い農 道から転落し た。 幅員を見誤りハ ンドルを急速に きりすぎたので は?と推測され る。シートベル トをしていな かった。 面倒でも必ず シートベルトを する。 午後2時頃、近所の人(同じ 営農組合)が農作業に出かけ た時に発見し、119番通報し た。救急車で病院に搬送さ れたが約1時間半後に亡く なった。 死 亡 5 1 78 2 0 1 1 7 22 18 運搬車で肥料を 30aの田んぼに追 肥をした帰り、 側溝に転落し、 意識不明 ・本人死亡のた め、十分分から ないが、側溝と 道路幅が接近、 狭隘 ・道路改修 通りがかりの人が見つけ、 消防に連絡、そのときは意 識があった。 脳梗塞 にて、 60日後 死亡 死 亡 6 1 64 2 0 1 3 5 1 16 乗用トラクター で傾斜路を登坂 中、前輪が浮い て右に旋回し25 m下の水田に転 落。事故者は途 中の15m下の農 道に転落して左 手小指の骨折。 農道の傾斜は20 ~30度、転落し たのは15~20度 程度であった。 雨が降り出し急 いで走行してい た。 農道幅は2.5mと 狭く、圃場進入 路も直角でない ので、改善が必 要と感じてい る。 事故直後手首から下が腫 れ、その後も腫れが引かな かった。13日後別の治療で の通院日に診察を受けた。 左手小 指の骨 折、頭 部・腹 部・腕 の打撲 通 院

表7-17① 狭い道

(18)

NO 性 年 月 日 時 事故状況 主要な原因 提案・改善策 医療情報 傷病名 入 通 院 7 1 76 2 0 0 4 5 6 11 道幅1.4m、斜度 18度の農道を田 植機で上り、道 路の崖側を補強 のため敷いた板 (雨で濡れてい た)に乗り上げ、 前輪が横すべ り、脱輪、田植 機ごと1m転落、 本人・小川に転 落、田植機が上 から降ってきた が、小川に橋渡 しになるように 止まり直撃は避 ける。妻は前輪 が浮き上がらな いように、田植 機前部に重し代 わりに乗ってい たが、転落直前 に空き地に飛び 降り、ケガせ ず。 ・棚田地帯の狭 隘な道路、きつ い斜度 ・しっかりした 構造物ではない 板で、道路を補 強したつもりで あった ・事故後、法面 を少し削って道 幅を広げた 軽度の 打撲、 医療機 関に行 かず - 8 1 80 2 0 1 3 2 28 午 小型バックホーに乗 り、畦畔場を走 行しながら、山 の芋圃場の周り に明渠をつくっ ていたが、方向 変換の時機体が 転倒し、右足を 挟まれた。 狭い畦畔を幅ぎ りぎりの小型 バックホーで走 行するだけでも 困難だが方向変 換はもっと危険 である 運転に注意をは らう 携帯電話で友人に連絡し、2 人かけつけたが機体が持上 がらず、さらに2人呼び4人 でやっと少し持上がったの で、そのすきに足を抜い た。 右足打 撲 内 出血 治 療 せ ず 9 1 60 2 0 0 9 9 傾斜12°の強い 未舗装の農道を 軽トラックで バックで下りて きて、カーブのと ころでスリップして 小川(1~2m下) に転落しかけ た。 安全確認を十分 せずに一気に バックで迂ろう とした ・狭隘な道での バックは小刻 み、または、降 りての安全確 認、 ・道はその後拡 幅された なし - 10 1 58 2 0 0 6 8 29 16 コンバイン乗車中に 直進走行してい て、進入路に入 るため、大回り をして回転しよ うとしたら、コン バインが路肩から ずれて横転し、 そのはずみで乗 車中の者が放り 出され、田んぼ へ転落 コンバインは大 型化したが、道 路幅は、昔のま まであり、ギリ ギリであり、機 械と環境のミス マッチ 新規に入った機 械について、視 覚の確認や、目 線で、キャタビ ラの幅の確認等 が必要 自分ですぐに医療機関へ 手関節 骨折 通 院

表7-17② 狭い道

(19)

<表7-17・NO.2事例>

<表7-17・NO.10事例>

トラクターの退出方向

①左前輪路肩

をはみ出す

②トラクター

2.7m下に

転落・下敷き

退出路の道幅が狭く、右の土手にロータリーが接触しないよう左に少し寄っていた。①

の地点で左前輪がわずかに浮き上がり、路肩をはみ出し、そのまま、②の地点にトラ

クターもろとも転落、下敷きとなる。その後、トラクターは横 に転がる。単独作業であっ

たので、発見は1時間後。骨盤粉砕骨折、内腸臍動脈断裂。

本来取るべきコース

本人が取ろうと思ったコース

実際たどったコース

キャタピラ幅180cm、刈り幅210cmの5条のコンバインで、青線に従って右

の圃場に入るべきところ、直角に曲がるのを嫌い、黄色線に沿って入ろうと

して、左に寄りすぎて赤線のごとく、道路をはみ出し横転。本人投げ出され、

手首骨折。コンバイン全壊。道幅は3m。キャタピラの位置は、オペレーター

の運転席からは死角で見えず、コンバインは道路幅一杯に見える。

(20)

4.直角・鋭角カーブ

農作業現場で直角カーブや鋭角カーブが多く存在する。それも「平面」から「平面」へ

のカーブだけでなく、「平面→斜面」、「斜面→平面」、「斜面→斜面」など一般道ではあま

りないケースが数多く存在する。

例えば、圃場から昇降路を上がって、上がったところの道幅が狭く、直ぐに直角に曲が

る必要のある場所も一般的に存在する。

一方、一般道路の交差点で対向車や、その他障害になる構造物がある場所には、一旦停

止の標識や信号機が設置されていたり、停止線などが設けてある。また、カーブではスピ

ードを緩めて曲がることが、自動車教習場で何度も教えられる。

これら一般道を走行する自動車とは異なり、農道での農機の運転操作は、かなりハイレ

ベルの走行環境にある。

特に直角カーブ、鋭角カーブを曲がりきれずに転倒、転落した事例も多く報告されてい

る。

NO 性 別 年 齢 年 月 日 時 間 事故状況 主要な原因 提案・改善策 医療情報 傷病名 入 通 院 1 男 72 2 0 1 0 10 20 16 ブロードキャスターで珪カルを散 布して隣の水田に移るた めに、一旦道路に出よう とした。昇降路をスピード の出しすぎて、道路を飛 び出し、向かいの圃場に 本人は投げ出され、腹部 をトラクターの後輪が轢いて いった、内臓破裂。 圃場から出ると き、昇降路前で 一旦停止せず、 かつブレーキの 連結ロックをす るとの基本が全 く守られていな い。スピードの 出し過ぎ。、 圃場から出ると き、昇降路前で 一旦停止し、ブ レーキの連結 ロックをする。 また、フットア クセルを使える 構造に改善す る。 近くにいた仲間が救 急車を呼んでくれ だ。10分で到着。手 術はせず、集中治療 室へ。3か月入院。 その後リハビリ。 内臓破 裂 入 院 2男 44 2 0 1 3 10 末 夕 1連のレーキ付きトラクター圃場 に向う途中、30°の鋭角 の角を曲がるとき、ハンドル を切りすぎて、少し下 がった地点の左側の石積 みの壁に左前輪をぶつ け、その反動で、右側に 車体が飛ばされ、そのま ま、右側の崖下にトラクターも ろとも数回転して墜落し た。トラクターは、仰向け、左 前タイヤはパンクしていた。 トラクターのパ ワステの油切れ で油圧が正常で はなかった可能 性があり、ハン ドル操作がうま くいかなかっ た。かなりのス ピードを出して 急ハンドルを 切った可能性も ある。 不具合を感じた 時点で、パワス テの油圧点検を しておく必要が あった。けば良 かった。鋭角の 角をゆっくり切 り返せば、ぶつ かることは避け られた。 7m下にトラクターと も転落したが、落ち た場所に草が茂って おり、体を少し打っ た程度でほとんど無 傷。 全身打 撲 治 療 せ ず 3 男 64 2 0 1 3 5 1 16 乗用トラクターで傾斜路を登坂 中、前輪が浮いて右に旋 回し25m下の水田に転 落。事故者は途中の15m 下の農道に転落して左手 小指の骨折。 農道の傾斜は20 ~30度、転落し たのは15~20度 程度であった。 雨が降り出し急 いで走行してい た。 農道幅は2.5mと 狭く、圃場収入 路も直角でない ので、改善が必 要と感じてい る。 事故直後手首から下 が腫れ、その後も腫 れが引かなかった。 13日後別の治療での 通院日に診察を受け た。 左手小 指の骨 折、頭 部・腹 部・腕 の打撲 通 院 4男 67 2 0 1 1 12 12 16 棚田地帯で次の水田に移 動する際、鋭角な角を曲 がりきれず、一旦バック しようとしたら、そのま ま9m下の崖下に転落。 死亡した。 道路には草が繁 茂しており、境 がよく見えな かった。そのた め、鋭角な角も よく分からず、 バックする道路幅 もよく分からな かった。また、 夕方で薄暗く なっていたこと も影響したもの と思われる。 なくなる前に道 路舗装を希望さ れていた道路 が、見事にアス ファルト舗装さ れていた。これ なら事故は起こ らなかったのに と残念であっ た。 奥さんが悲鳴を聞き つけて事故を確認。 すぐに携帯電話で、 おじさん、面談者の いとこさんに連絡。 また救急車を要請。 途中までおじさんが 車で運び、途中から 救急車に乗せ病院へ 搬送したが、死亡が 確認された。 死亡 死 亡

表7-18 直角・鋭角カーブ

(21)

<表7-18・NO.1事例>

以上、3年間を通じて、農機等の種類等が異なっていても、横断的に共通の問題をはら

むと考えられる事故様態を紹介した。

これ以外に、農具関係の事故様態や、農機・農具などが直接関わらない「特になし」の

事故様態の共通性も今後検討する必要があると考えられる。

ブロードキャスターで珪カルを散布後、昇降路をスピードを落とさずほぼ直角に右折し

ようとして上り、軽トラがいたので、大きく回り過ぎ、向かいの田に飛び出し、振り

飛ばされ、その上をブロードキャスターが踏みつけ、内蔵破裂。

男性・72歳

飛ばされた体の上をブロードキャスターが轢き、そのまま、

無人で走行、100m先の溝に入ってようやく停止した。

参照

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