~腰痛予防・対策を行い
安心・安全な介護を!~
2015.3 加々美特別養護老人ホーム めぐみの里 発表者:小嶋雅啓、三浦真澄 ○ サークル名:楽BODY ○ 構成メンバー:介護職員6名、リハビリ職員1名 ○ 当メンバーでの活動歴:18か月 ○ 施設QC活動年数:6年 ○ メンバー平均年齢:33歳 ○ 主な活動時間:業務時間外 ○ 本テーマの活動期間:18か月 ○ ミーティング回数・時間:26回・28時間
腰痛対策は、職員の健康、そして利用者へのサービスにも 直接影響する重要な課題です。メンバーでQC手法を勉強し、 身近な問題にも活用できるように取り組んでください。
施設紹介
高齢者福祉のプロとして、ご利用者1人1人が生きがいを実感できるよう自立支援
介護を目指しています。また、地域福祉の拠点として、未来の人材育成や地域の
方々が安心して老後を過ごせるよう社会貢献に努めています。
~事業内容~
入所(長期78床・短期12床)、通所(30名)、地域密着型ユニット(20床)
太陽会ケアプランセンター OHANA、
鴨川市委託業務(
緊急通報システム、高齢者相談センター、配食サービス) 2015.6 皆見 ~施設長コメント~ ~所在地~ 千葉県 鴨川市テーマの選定理由
◎ 5点 ○ 3点 △1点 2015.6 小嶋 上司 方針 緊急 性 期待 効果 費用 難易 度 所要 時間 協力 総合 得点 順位口腔ケア
◎ ◎ ○ ○ ○ △ ○23 3
腰痛予防
◎ ◎ ○ ◎ ○ 〇 〇27 1
入浴の質の向上
△ 〇 〇 〇 △ △ 〇15 6
清拭
△ 〇 〇 ◎ ◎ ◎ △23 3
楽しみのある生活
△ △ △ △ △ △ ◎11 7
車いすの掃除
△ △ ○ ○ ◎ ◎ △19 5
節電・節水
◎ ○ ○ ◎ ○ ◎ △25 2
2013年11月に実施した法人内での腰痛のアンケート調査において、当施設では 30人/41人(73%
)の介護職員が腰痛あり
と回答し、そのうち22名(73%
)が職場
で腰痛になったと回答している。また、2013年度中に腰痛を理由に離職・休 職した職員数は2名であった。社会・
心理的
要因
腰痛
個人
要因
環境
要因
動作
要因
腰痛の要因
2015.3 三浦 <厚生労働省 腰痛予防対策指針より>これら3つの要因について
現状把握を行った
法人内でメンタルヘルス チェックを実施・対策中67% 33% あり なし 65% 35% あり なし
腰痛の有無
現状把握 Ⅰ‐ ① <個人要因>
~腰痛に関するアンケート結果より~
*2014年4月実施性別問わず半数以上が腰痛持ち
年齢、経験年数の増加に伴い腰痛率も増加傾向
65%
35%
あり なし 2015.3 三浦 30人 16人 11人 10人 5人 20人 n= 15 n= 31 n= 46 <全体> <男性> <女性> 0% 50% 100% 5年未満 5~10年 11~15年 16年以上 40% 67% 70% 82% 年代別
介護経験年数別
0% 50% 100% 10代 20代 30代 40代 50以上 100% 60% 63% 67% 72% 1人/ 1人 6人/10人 8人/12人 10人/16人 5人/7人 7人/16人 4人/10人 9人/11人 10人/15人現状把握 Ⅰ‐ ② <個人要因>
~腰痛に関するアンケート結果より~
*2014年4月実施 2015.3 三浦Q.腰痛予防の為に何か工夫
していますか?
1.体操、ストレッチ、筋トレを行って
いる(13名)
2.業務中は腰ベルトを装着している
(9名)
3.福祉用具を使用している(4名)
など
腰痛を意識し対策している職員は比較的多い!
Q.業務中、腰痛予防を
意識していますか?
74%
26%
はい いいえ 12人 34人 n= 46上位5項目をピックアップ
現状把握 Ⅱ- ① <動作要因>
~腰痛に関するアンケート結果より~
*2014年4月実施介助・業務別の腰痛発生数
27 25 24 24 23 21 19 15 11 10 10 9 4 3 3 33.3% 71.5% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 おむ つ交換 ベッド -車椅子間移 … ベッド 上体位変換 入浴時の着脱介助 入浴 時の 立ち上 が … トイレ 介助 更 衣動作 介助 シ ー ツ 交換 車 椅子移 動介助 整 容動作 介助 洗体、洗髪介助 ポ ータ ブ ルトイレ洗浄 食事介助 食事配膳介助 配膳車移動 人数 累計比率上位5項目の全てが入浴に関連する介助
n= 228 2015.3 三浦 入浴時 の移乗 介助 ベッド- 車椅子 間移乗 27 25 24 24 23 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 おむつ交 換 ベッド上体 位変換 人数 累計比率 入浴時 の着脱 介助 n= 123現状把握 Ⅱ‐ ② <動作要因>
~ビデオ撮影での検証①~
ベッド-車椅子間の移乗介助
•
腰の位置が高い
まま介助 • 利用者の体勢を整えずにそのまま介 助している • 腕の力だけで力任せ
に介助•
勢いよく
介助している 腰を低くし重心を落として
介助している 低い位置での作業は前かがみの
ま までなくしゃがんで
行っている 動作をゆっくり
行っている腰痛に
なりにくい
介助方法
腰痛に
なりやすい
介助方法
2015.4 三浦<腰痛が
ない
職員の場合>
<腰痛が
ある
職員の場合>
現状把握 Ⅱ‐ ③ <動作要因>
~ビデオ撮影での検証②~
特浴用ストレッチャー-ベッド間の移乗介助
›
ベッドとストレッチャー間の移動距離が長い
(写真1)
›
2人介助で息が合わないと持ち上がらない
›
ベッドへドスンッと落としてしまいがち
›
時間に追われて急いでいる
⇒ 自分の姿勢を気にせずに介助
›
スライドシートを使用していても正しく使え
ていない(写真2)
<写真1> <写真2>ご利用者・職員ともにリスクの高い環境
福祉用具の正しい使用法が周知されていない
2015.4 三浦現状把握 Ⅱ- ④ <動作要因>
~腰への負担を数値化~
① 1人(全介助)で移乗した場合の背筋への負担は? {(介助者の体重×3)+利用者の体重}×移乗する人数 ② 2人での抱え上げ介助をした場合の背筋への負担は? {(介助者の体重×3)+(利用者の体重÷2)}×移乗する人数 ①+② = 特浴移乗介助時の腰へ負担値として算出 *全体の平均値より… 男性職員の体重70Kg、女性職員の体重55Kg、ご利用者の体重44Kg として計算入浴者数
月・木 AM3人
PM9人
火・水 AM5人
PM8人
土 PM5人
特浴入浴時の移乗介助だけで 平均 の負荷が腰にかかっている! 男性職員 女性職員 月・木 AM 1458 1188 PM 4374 3564 火・水 AM 2430 1980 PM 3888 3168 土 PM 2430 1980 平均 2916 2376 単位:Kg 2015.5 三浦 <腰への負担値の算出方法> ● 前かがみでの腰への負担値 =介助者の体重×2 ※1 ● 前かがみでの重量物持ち上げ時 の腰への負担値 =介助者の体重×3 ※2 とした ※1ナッケムソン 「姿勢の変化による椎間板内圧の変化」より ※2大塚洋,腰痛ゼロマニュアルより① 1人全介助で車椅子⇒ストレッチャー ② 2人介助(抱え上げ)でストレッチャー⇒ベッド へ移乗介助した場合の腰への負担値 2人介助+スライドボードの使用により 平均約 背筋群への負担が軽減される計算!
現状把握 Ⅱ- ⑤ <動作要因>
~腰への負担を比較~
2015.5 三浦 男性職員 女性職員 月・木 AM 1116 891 PM 3348 2673 火・水 AM 1860 1485 PM 2976 2376 土 PM 1860 1485 平均 2232 1782 ③ 2人介助で車椅子⇒ストレッチャー ④ スライドシート使用しストレッチャー⇒ベッド へ移乗介助した場合の腰への負担値 男性職員 女性職員 月・木 AM 1458 1188 PM 4374 3564 火・水 AM 2430 1980 PM 3888 3168 土 PM 2430 1980 平均 2916 2376 単位:Kg 単位:Kg ①{(介助者の体重× 3 )+利用者の体重}×入浴者数 ②{(介助者の体重× 3 )+(利用者の体重 / 2 )}×入浴者数+
スライドシート使用時の腰への負担 =前かがみでの腰への負担値×入浴者数 =(介助者の体重×2)×入浴者数 ③{(介助者の体重× 3 )+(利用者の体重 / 2 )}×移乗者数 ④(介助者の体重× 2 )×入浴者数+
2015.5 三浦 介助する には低い
昇降でき
ない
<特浴ストレッチャー>
錆びて 動きが悪い現状把握 Ⅲ <環境要因>
~特浴介助に関連する環境~
<更衣介助用ベッド>
福祉用具が使用できない、
前かがみ姿勢での介助に
移動する際、必要以上に
力が必要⇒腰の負担↑
現状把握のまとめ
2015.5 三浦個人要因
•男女問わず6割以上の職員が腰痛持ち
•ストレッチ、筋トレなどの効果が少ない
動作要因
•入浴に関連した介助時の腰痛発生率高い
•2人介助+福祉用具の使用で負担軽減可?
環境要因
•電動ベッドでないため福祉用具の使用困難
•特浴ストレッチャーの老朽化
目標の設定
計画 実施 計画 実施 計画 実施 計画 実施 計画 実施 計画 実施 計画 実施 7月 8月 2015年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 12月 8月 対策の立案・実施 効果の確認 2014年 活動/ 計画 標準化・管理の定着 10月 11月 9月 テーマ選定 活動計画 現状把握・目標設定 要因解析 3月 4月 5月 6月 7月 活動ステップ
活動計画
2015.6 飯沼要因解析
2015.6 三浦 福祉用具の必要性を 理解していない 福祉用具を使 用していない 福祉用具の便利さ を理解していない 福祉用具の適用 を理解していない 福祉用具の使い 方が分からない 福祉用具を使うのが面倒 腰痛に対する 認識が希薄 教育不足 安易に介助 している チームワー クに欠けて いる 前かがみ・同一 姿勢が多い 洗体、洗髪、移乗介助 を同じ職員が行う 流れ作業 無理しがち 早く終わる 事が良い事 と認識 職員主体の業 務になりがち (時間優先) 正しい方法 のマニュア ルが無い 早く終えてゆっく り休みたい 職員によって方法 がバラバラ マニュアルを作る 人がいなかった やる気のない職員 がいる 福祉用具 が足りない 福祉用具の必要 性が周知されて いない ベッドの高さ調 整ができない 風呂の数が 限られている 無理して適用ではな い浴槽に入れている デイサービスも 同じ風呂を使用 1日に入浴できる人数が限られる 電動ベッドは居室優先 になっている 特浴ストレッ チャーが老朽 化している ストレッチャーが 耐用年を超過し ている メンテナンス不足 前かがみになる 個浴が狭い 物がたくさん置かれ ている 整理整頓不足 他の介助より 身体的負担が 大きい 途中で小休止 できない 休憩をとりづらい雰囲気 職員間のコミュニ ケーション不足 休憩する習慣がない 危機感がない 湿度が高く疲労しやすい 滑りやすく注 意が必要 1階に特浴がない 送迎に時間 がかかる物品
職員
環境
業務
福祉用具を使い こなせない 居室からの 導線が長い(1次手段対策項目 ) 対策案 対策案の詳細 誰が いつまでに どのように 入 浴 の 移 乗 介 助 時 の 腰 痛 を 予 防 す る た め に は 福祉用具の必要性 を理解する 福祉用具に関する勉強会 を行い知識をつける 実際に福祉用具を使用し 安楽に行えることを体感 グループ リーダー、 QCメンバー 2015年6月 までに リハビリ職員を 中心に進行する 福祉用具を増やす (各グループ1個ずつ) 実際の介助場面で使用法 のレクチャーを受ける リハビリ職員 2015年3月 までに リハビリ職員を 中心に進行する 正しい介助方法のマ ニュアルを作成する 正しい介助方法の マニュアルを作る ご利用者の状態別に介助 方法のフローを作成する 副主任、 グループ リーダー 2015年6月 までに 副主任、グループ リーダーを集めて 会議をする 途中で休憩する 習慣をつける 浴室にポスターを 掲示する 職員間で声かけをする QCメンバー 2015年3月 までに 委員が先立って 摂取する 着脱介助用ベッドを 電動に変更する 3モーターベッドへ 交換する ご利用者の身体レベルを 考慮してベッドを交換する QCメンバー 2015年3月 までに 現在のベッド使用 状況を確認する
対策の立案
2015.6 三浦 ○ ○ ○ 16 採 ○ ○ ○ 16 採 △ ○ △ 11 採 ○ △ ○ 13 採 △ ○ △ 11 採 福祉用具に関する勉強会 を行い知識をつける 職員間で互いに声掛けし 福祉用具の使用促す 途中休憩する 習慣をつける 着脱介助用ベッドを 電動ベッドに変更する 福祉用具の必要性を 理解する 正しい介助方法の マニュアルを作成する 福祉用具を使用する 事を習慣化する 福祉用具を使用しない ことの弊害を知る 現状を評価する 介助内容別に正しい 介助方法を検討する 休憩をとることの 重要性を周知する ベッドを交換する ご利用者の状態別に介助 方法フロー図を作成 電動ベッドに変更した 事を周知し使用を促す 浴室にポスターを掲示 実現性 継続性 効果 評価点 採否 評価基準:×1点 △3点 ○5点 <1次手段> <2次手段> <3次手段>対策の実施Ⅰ
~勉強会の開催~
2015.6 富川 車椅子⇔ ベッド間の 移乗介助 特浴ストレッ チャー⇔ベッド 間の移乗介助<グループ
リーダー対象
の勉強会
>
<リーダーから
グループ内へ
実際場面を利用
しての勉強会
>
入浴介助 移乗介助対策の実施Ⅱ
~ポスターの作成・掲示~
2015.6 富川 前かがみ予防 車の重さに例えて 福祉用具の使用、 2人介助を推奨 入浴介助時の 水分摂取励行福祉用具の導入
対策の実施Ⅲ
~環境整備~
2015.6 吉田 これに決定!! 様々なタイプのスライドシートをデモレンタル 電動ベッドへの変更 特浴ストレッチャーのキャスター交換 福祉用具の選定ケアプラン会議 *ケア方法決定 <移乗介助> ① 自立 ② 見守り ③ 一部介助 ④ 全介助 スライドボード使用 ⑤ スライドボード未使用 ⑥ 2人介助 スライドシート使用 ⑦ スライドシート未使用 ⑧ ケアプラン配布 グループ内周知 ⇒副主任中心に *2人介助者の一覧作成(ヘルプできた職員が分かるように) *車椅子に『2人介助』の札を付ける ケアプラン会議 ケア方法の再検討
対策の実施Ⅳ
~マニュアル作成~
2015.6 三浦 フロー図 手順書対策の実施Ⅴ
~腰痛個別チェック&フォロー~
職員健診の際に腰痛チェック
2015.6 三浦
チェックシートの結果で個々に 合ったエクササイズ方法を指導