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亜鉛はインタ-フェロンα・βの
抗ウイルス作用を増強する
群馬大学大学院保健学研究科
研究背景-1
インターフェロン(
Interferon)
とは?
☆インターフェロン(
IFN)は動物体内でウイルスなどの侵入に反
応して細胞が分泌する蛋白質(サイトカインの一種)。
☆インターフェロンの型(ヒト)
*
IFN typeⅠ型
IFN-α
:
13種類
IFN-β
:
1種類
IFN-ω、 IFN-ε、 IFN-ε、 IFN-κ :其々1種類
*
IFN typeⅡ:
IFN-γ
*
IFN typeⅢ :
IFN-λ
☆
IFN-α、βは抗ウイルス薬(B型、C型肝炎)や抗腫瘍薬(腎癌、
骨髄腫、白血病など)として臨床応用されている。
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I型インターフェロン(
IFNα,β)の抗ウイルス機序(仮説)
mRNA 不活性型 endoRNase 活性型 endoRNase eIF-2α Mx蛋白質,その他 リン酸化eIF-2α ウイルス mRNA分解 ウイルス増殖抑制 ウイルスペプチド鎖合成開始阻害 ウイルス由来 二本鎖RNA 2,5-OAS系核
IFN-α,β
(IFNα/β受容体) PK系 シグナル 細胞膜IFNAR1
IFNAR2
研究背景
--2
亜鉛
亜鉛酵素:
活性中心に亜鉛を必要とする約300種類の酵素
例:アルカリフォスファターゼ、アルコール脱水素酵素、
プロテインキナーゼC、 ホスホリパーゼC、RNアーゼ
機能:炭水化物、脂質、蛋白質、核酸などの合成と分解
構造性亜鉛含有蛋白
*蛋白の高次構造を維持し、遺伝情報の発現に関与
例:亜鉛フィンガー
*
メタロチオネイン
:チオール基が2個の亜鉛と結合
機能:ラジカルスカベンジャー
重金属の代謝
抗ウイルス作用
HIV-1, herpes simplex virus
5
メタロチオネイン
分子量 6
,000
アミノ酸の30%をシステインが占める
システインのチオール基が亜鉛と結合
ー生理活性ー
金属(Zn,Cu)の代謝
重金属の解毒作用
ラジカル消去作用
.
細胞増殖・分化
ー誘導ー
金属(Zn,Cd)
グルココルチコイド
活性酸素
TNF-α,IL6
インターフェロン
新技術の基となる研究
-1
: 亜鉛、インターフェロンαによるメタロチオネイン 誘導
Zn100μM
IFN100U/mL
+ Zn100μM
Control
細胞内亜鉛濃度
(μg/dL)
Zn100μM 39
Zn100μM
+ IFNα/β100IU/ml
64
Control 14
TRL1215細胞
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肝組織メタロチオネイン染色とインタ-フェロンα治療成績
メタロチオネイン
染色強度
インターフェロンα著効率
治療前
治療後
(±) (+) (++) (+++) 0/0 2/5 2/4 1/4 5/10 5/6 2/2 1/1(50%)
(58%)
(33%)
(86%)
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新技術の基となる研究-2
:
難治性C型慢性肝炎68例に対する
インターフェロンα+亜鉛併用療法(1996~98年)
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インターフェロンレセプター 発現はC型慢性肝炎の
インターフェロンα 治療効果と関連する
・ Effectiveness of interferon-alpha therapy in chronic hepatitis C is associated with the amount of interferon-alpha receptor mRNA in the liver. Fukuda R, et al.Hepatology 1997.
・ FN-a receptor mRNA expression in a United States sample with
predominantly genotype 1a/I chronic hepatitis C liver biopsies
correlates with response to IFN therapy. Mathai J, et al. J Interf Cytok Res 1999.
・ Immunohistochemical analysis of hepatic interferon alpha-beta receptor level: relationship between receptor expression and
response to interferon therapy in patients with chronic hepatitis C. Yatsuhashi H, et al. J Hepatol 1999.
・ Expression of interferon alpha/beta receptor in the liver of chronic
hepatitis C patients. Mizukoshi E, et al. J Med Virol 1998.
・ Type 1 interferon receptor and response to interferon therapy in
chronic hepatitis C patients: a prospective study. Fujiwara D, et al. J Viral Hepat 2004.
「方法」
U937細胞
1x10
4個を
37℃、5%CO
2で 培養した。塩化亜鉛(0、50、100、
200 μM)添加し、24、48時間培養後細胞を回収し、遠心した。一次抗体
(抗
IFNα/β受容体抗体)300μl を添加し、1時間反応。遠心後、FACS
bufferで洗浄し、2次抗体FITC(1%)を添加し1時間反応。遠心、洗浄を3回
繰り返し、暗所で固定後、再び遠心。
FACS buffer 1mlに細胞を懸濁、ポリ
スチレンチューブに入れ測定した。
「測定」
BECTON DICKINSON FACSCalibur 4Sを使用し、FSC(前方散乱光)、
SSC(側方散乱光)、FL1(蛍光強度)を測定した。そして、BECTON
DICKINSON CELL Questを使用しFL1(蛍光強度)のヒストグラムを作成し
た。
#U937細胞:ヒト慢性骨髄性白血病細胞株
#一次抗体:ポリクロナールインターフェロンα
/β受容体抗体
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塩化亜鉛によるインターフェロンα
/β受容体mRNA誘導
「方法」
U937細胞
1x10
4個を 37℃
,5%CO
2で培養。塩化亜鉛(0、50,100,200
μM)を添加」し、24時間培養。細胞を回収し、遠心後上清を除去し
RLT
buffer+β-ME350μl加え細胞を溶解。トータルRNAをU937細胞から抽出し、
ランダムプライマーを用いて、
cDNAを作成した。2μlのcDNAを用い、18μl
の
QuantiTect SYBR Green PCR Master MIX中で増幅反応を行った。
次に、PCRを
95℃15分1サイクル、続いて94℃20秒、60℃15秒、72℃15
秒、50サイクル行い、各サイクル後の72℃で蛍光の検出を行った。
インタ-フェロンα
/β受容体mRNAの定量はLight Cyclerで行い、コント
ロール(
18SリボゾームRNA)に対する比で表した。
#インターフェロンα
/β受容体mRNAプライマー:Hs IFNAR11 SG
「方法」
U937細胞1×10
4個を、5%CO2,37℃で培養。
ポラプレジンク(亜鉛 0、50、100、150、200μM)を添加し、
さらに12、24時間培養。インターフェロンα/β受容体蛋白発現
をFACSで測定した。
またL-カルノシン(0、10 、100、1000μg/mL)を添加し、24時
間後のインターフェロンα/β受容体蛋白発現を測定した。
• ポラプレジンク(亜鉛 0、50、100、150、200μM)投与12,24
時間後のインターフェロンα/β受容体mRNA発現をreal time
PCR法で測定した。
#ポラプレジンク:亜鉛とL-カルノシンの錯体
ポラプレジンクによるインターフェロンα/β受容体蛋白の誘導
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ポラプレジンクによるインターフェロンα
/β受容体蛋白の誘導
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L-カルノシンによるインターフェロンα/β受容体蛋白の誘導
Green: カルノシン 1000 μg/mL Blue: カルノシン 100 μg/mL Orange: カルノシン 10 μg/mL Purple: カルノシン 0従来技術とその問題点
*食道癌培養細胞において、抗癌剤(5-Fluorouracil)はインタ
ーフェロンα/β受容体mRNAを誘導すると報告されている
(Anticancer Res 2005)。しかし、インターフェロンα/β蛋白
発現は確認されていない。
*亜鉛製剤は感冒症候群の罹患期間を短縮すると報告されて
いる(Am J Ther 2003) 。海外では感冒薬として亜鉛は広く使
用されているが、亜鉛の抗ウイルス作用は十分には解明され
ていない。
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新技術の特徴・従来技術との比較
*感冒症候群における亜鉛製剤の抗ウイルス作用機序が明らか
となる。さらにポラプレジンクよりもインターフェロンα/β受容
体誘導作用の強い亜鉛錯体を開発することによって、新たな
る感冒症候群の治療薬になることが期待される。
*インターフェロンα、βは骨髄抑制、インフルエンザ様症状、
倦怠感など副反応が高頻度出現することから、投与量の増大
は制約をうける。インターフェロンα/β受容体を誘導する亜
鉛および亜鉛錯体の併用はC型慢性肝炎に対するインターフ
ェロン治療の副反応軽減に繋がると推察される
。
想定される用途
①インターフェロンα、β製剤と亜鉛および亜鉛錯体の併用による
抗ウイルス効果の増強および副作用の軽減
②亜鉛および亜鉛錯体による感冒症候群の予防や臨床症状の改善
③慢性骨髄性白血病、腎細胞癌、肝細胞癌などの悪性腫瘍に対する
インターフェロン療法の補助剤として使用
想定される業界
「利用者・対象」
①感冒薬としての亜鉛錯体の参入
②C型慢性肝炎に対するインタ-フェロンα、β+リバビリン治療と亜鉛
錯体の併用
③B型慢性肝炎に対するインターフェロンα、β治療と亜鉛錯体の併用
「市場の規模」
①感冒症候群は日常経験する最も頻度の高い疾患群の1つであり、
市場規模は大きい
②インタ-フェロンα・β製剤で治療されるC型慢性肝炎症例は年間2~
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