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集団的認知責任の向上を促す分析機能を統合した掲示板システムの提案

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 81 回全国大会. 2H-05. 集団的認知責任の向上を促す分析機能を統合した掲示板システム の提案 近藤秀樹† 九州工業大学†. 大﨑理乃‡ 遠山紗矢香. 山田雅之. 産業技術大学院大学‡ 静岡大学 星槎大学. 1. はじめに 協調的な学習に集団的認知責任が関与するこ とが明らかになりつつある.集団的認知責任と は仕事に対する責任のみならず,自身がコミュ ニティ(集団)の中で共同で仕事を行うことに責 任を持つ姿勢である.Zhang ら[1]は,電子掲示 板での議論に対してスレッドを単位としたネッ トワーク分析を行うことで、 参加者の相互作用 における次数中心性や媒介中心性を算出し、集 団的認知責任に対しての検討が可能になること を示唆した。 しかし電子掲示板を活用した協調的な活動に おいて,構成員自らが集団的認知責任の向上を 検討しようとしても,コミュニティの全体像か らみた自身の位置を適切に把握する手段は少な い.たとえば,社会ネットワーク分析によって 算出される次数中心性や媒介中心性が構成員に 対してリアルタイムに示されることは少なかっ た.このため,構成員の活動の結果がコミュニ ティに対してどのように影響を及ぼすのかは構 成員自身にとって明らかではない.定量的なフ ィードバックがないまま手探りで活動をするし かなく,コミュニティの中での活動の改善を試 みようとしても具体的に検討することが難しか った.. てリアルタイムに指標を提供することにより, コミュニティ全体からみた自身の位置を把握す る支援を実現し,集団的認知責任の向上を構成 員各自が自発的に検討可能となることを狙う.. 3. 対象. 九州工業大学に設置されたアクティブラーニ ング教室 MILAiS の日々の業務において用いられ るウェブ上のスレッド型の電子掲示板 HighNyammer(以下,HighNyammer と表記)を対象 とした. MILAiS はプログラミング等の情報系専門科目 を実施可能な ICT 基盤を持つアクティブ・ラー ニング教室として整備された[2].設備と施設だ けでなく,学生スタッフを中心とした協調的な 運営体制が構築されており,授業担当教員と連 携してネットワークや情報機器の構成を含めた 環境を大きく変更したり,教育工学や学習科学 に関する理論に基づき設備活用方法を提案した りする「創造的な業務」がなされてきた. 業務での各種連絡や情報共有,日報などのや りとりは,原則としてスレッド型の電子掲示板 を通じて行ってきた.HighNyammer では,記事に 対してリプライとなる子記事を投稿できる.全 体として,投稿された記事群は木構造を形成す ることになる.掲示板の利用は 2012 年から始ま り,記事データを移し替えながらシステムを移 2. 目的 行し,現行の HighNyammer にも約 7 年の書き込 本研究は,電子掲示板を介して創造的で協調 的な活動を行うコミュニティの構成員に対して, みが受け継がれてきた.リプライも含めた全記 事数は約 4 万件,卒業生等を含むのべ登録ユー 集団的認知責任の向上を促すことを目指した指 ザ数は約 60 名で,現在にいたるまで業務で活用 標を提供する.業務や学習のプロセスを事後的 されてきた. に研究者が評価するために中心性などの指標を. 用いるのではなく,コミュニティ構成員に対し Proposal of the BBS which integrated network analysis function to promote to improve Collective Cognitive Responsibility † Hideki KONDO, Kyushu Institute of Technology ‡ Ayano OHSAKI, Advanced Institute of Industrial Technology Sayaka TOHYAMA, Shizuoka University Masayuki YAMADA, Seisa university. 4. 提案手法 コミュニティの構成員が集団的認知責任の向 上について検討するために,以下の二つの手法 を提案する. 4.1.一時的なコミュニティの抽出と中心性の計算 掲示板に書き込まれた記事は基本的に消える ことがなく,蓄積されつづける.しかしスタッ. 4-295. Copyright 2019 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 81 回全国大会. フは原則として学生であるため,卒業などの事 情で関与しなくなる構成員が出る.一方で,卒 業後も稀に掲示板に投稿する元構成員もいる. このため,蓄積されている全期間の記事のリプ ライ関係や登録ユーザすべてをコミュニティと して考えることは妥当ではない. 本研究では「とある期間内の記事群のリプラ イ関係から社会ネットワークを抽出し,その社 会ネットワークのメンバーについて中心性を計 算する手法」を提案する.たとえばある 1 週間 だけに注目し,その週に書き込まれた記事とそ れに対するリプライだけを全記事の中から抽出 する.ここで抽出された記事及びリプライ記事 の著者だけでコミュニティが構成されているも のと考える.このコミュニティを「一時的なコ ミュニティ」と呼ぶ.この一時的なコミュニテ ィを対象として,ネットワークの中心性を求め てユーザに提示する.この手法により,ユーザ は自身の集団的認知責任の向上について,たと えば「今週一週間」についてのフィードバック を得ることを目指す.一週間を単位として一時 的なコミュニティを抽出し,その中でのユーザ の中心性を常時画面内に提示する.試作した機 能の実行例を図 1 に示す.. るが,当該の一週間に活動した 8 名だけからな る一時的なコミュニティとして視覚化され,互 いのリプライがエッジによって示されている.. 図 2 一時的なコミュニティの視覚化. 5. まとめ. 図 1 電子掲示板システムへの中心性の明示 この実行例では,通常の掲示板としての画面 の上部に,一週間を単位とした一時的なコミュ ニティにおける,自身の媒介中心性が常に提示 されている.. 4.2.一時的なコミュニティの視覚化 リプライ関係から作り出された一時的なコミ ュニティの状況をネットワーク状に視覚化する 機能を提案する.特定の期間内でのコミュニテ ィ全体と構成員自身の関係を直感的に把握させ ることを目指す.たとえば一週間を単位として 一時的なコミュニティを抽出し,ネットワーク を視覚化しつつ,同時に各構成員の中心性を提 示する.試作した機能の実行例を図 2 に示す. HighNyammer にはのべ約 60 名のユーザが存在す. 協調的に創造的な業務に従事するコミュニテ ィの集団的認知責任の向上を促すことを目指し て,一時的なコミュニティのリアルタイムでの 分析機能を掲示板システムに統合することを提 案した.今後,実際の業務での利用を通じて, コミュニティのメンバーの集団的認知責任の向 上にどのように寄与したかを検討する.. 参考文献 1) ZHANG,J., SCARDAMALIA,M., REEVE, R., MESSINA, R.: “DESIGNS FOR COLLECTIVE COGNITIVE RESPONSIBILITY IN KNOWLEDGE BUILDING COMMUNITIES”, JOURNAL OF THE LEARNING SCIENCES, VOL.18, NO.1, PP.744,(2009) 2) 近藤秀樹,田川真樹,楢原弘之:情報系専門科 目を実施可能 なアクティブラーニング環境 の構築,日本教育工学会論文誌,VOL.38, NO.3,PP.255-268(2014). 4-296. Copyright 2019 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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