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チョウの幼虫の食草

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Academic year: 2021

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Jun.15,2019,No.543 発行:姫路科学館 (〒671-2222 姫路市青山 1470-15 電話:079-267-3961) https://www.city.himeji.lg.jp/atom/

生物シリーズ

グルメな虫たち

チョウの幼虫の食草

Larval food plants of butterflies

姫路科学館 学芸・普及担当 徳重 哲哉 ■チョウの餌 チョウの成虫は花から花へと舞いながら蜜を吸います(写真1)。 チョウと花、どちらも多種多様ですが、どのチョウがどの花の蜜を 吸うという決まった関係はないようです。 一方、チョウの幼虫は種によって餌とするものが違います。シジ ミチョウの仲間には幼虫が肉食のものやアリに養われるものもい ますが、ほとんどのチョウの幼虫は植物を食べます。しかし、何で も食べるわけではなく、選り好みをします。ここでは、身近なチョ ウの幼虫が何を食べているか(食性)を紹介します。 ■野菜派…モンシロチョウ キャベツ畑でモンシロチョウが飛んでいるのを見かけます(写真 2)。キャベツの葉につく青虫はモンシロチョウの幼虫です。キャ ベツ以外にも、カブ、ハクサイ、コマツナ、ダイコンなど、いろい ろな野菜の葉を食べます。特別に野菜を選んで食べているのではな く、モンシロチョウが食べるアブラナ科の植物に、野菜として栽培 されるものが多いのです。アブラナ科は捕食者から身を守るために、 毒性を持つカラシ油配糖体を作りますが、モンシロチョウは逆に、 カラシ油配糖体の匂いで食草を探すように適応しています。 農作物は定期的に収穫されるため、野菜畑は生息環境としては不安定です。しかし、モ ンシロチョウはアブラナ科であれば、野菜だけでなく河川敷のセイヨウカラシナや道端の ナズナなどの野草も食べるので、モンシロチョウが絶滅することはないでしょう。 写真2 キャベツ畑の モンシロチョウ 写真1 キアゲハの吸蜜

姫路科学館 サイエンス トピック

ま な こ

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■主に柑橘派…アゲハチョウ属 ミカン、レモン、ユズ、キンカン、サンショウなどのミカン科の 木には、ナミアゲハ、モンキアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハ などのアゲハチョウ属がやってきます。ミカン科を食べるとはいっ ても、幼虫が食べるのは葉です。若齢幼虫は鳥のフンに似ています が、終齢幼虫は緑色で、葉にまぎれるような模様があります(写真 3)。なお、キアゲハの幼虫はミカン科だけでなく、セリ科(セリ、 ニンジンなど)やキク科も食べます。キアゲハの終齢幼虫は節ごと に黒い紋があり、他のアゲハチョウ属とは姿や食性が違います。 ■グルメではないアゲハチョウ…ジャコウアゲハ、アオスジアゲハ 姫路の市蝶ジャコウアゲハの食草は、毒性を持つウマノスズクサ です。姫路城を築城した池田輝政の揚羽紋にちなんで市蝶を選ぶと き、種類の多いアゲハチョウの仲間から、姫路で見かけるアゲハの 仲間では珍しく農作物を食害しないジャコウアゲハが選ばれまし た。柔らかい突起のある幼虫(写真4)や、お菊虫と呼ばれる蛹の 姿はアゲハチョウ属とは全く違います。 クスノキの生えているところでは、黒地に鮮やかな水色の紋があ るアオスジアゲハ(写真5)を見かけます。幼虫はクスノキ科の葉 を食べます。ふ化したての幼虫は黒っぽい毛虫状ですが、2齢幼虫 から終齢幼虫までは全身が緑色のイモムシです。 ■チョウの系統と食草 上述のように、姫路で見られるアゲハチョウの仲間は種 類によって食草や幼虫の姿が違います。アゲハチョウ科全 体で見ても、系統(分類)ごとに食草が決まっていて、多 くはモクレン類を食べます。ミカン科などを食べるアゲハ チョウ属は温帯域に進出するに伴い、食草を変えて環境に 適応していったのだと考えられています。 アゲハチョウ以外のチョウも種によって食草が違います。 地面近くを飛ぶ小さなヤマトシジミはカタバミ科を、ツマ グロヒョウモンはスミレ科を食べます。園芸種も食草にな るため、花壇やプランターでもいろいろなチョウが繁殖し ます。植生によって、食草の違うチョウが見られます。草 原のチョウ、林のチョウなどいろいろ探してみましょう。 写真3 レモンの葉を食べる ナミアゲハの終齢幼虫 アオスジアゲハ モクレン類 クスノキ目クスノキ科 ジャコウアゲハ モクレン類 コショウ目ウマノスズクサ科 アゲハチョウ属 真性双子葉類 バラ類ムクロジ目ミカン科 キク類セリ目セリ科 キク類キク目キク科 図1 姫路で見られるアゲハチョウ 亜科の系統と食草の関係 アゲハチョウ亜科はもともとモ クレン類を食べていたが、アゲハチ ョウ属は温帯域に進出するのに伴 い違う植物を食べるように適応し たと考えられている。植物の分類は APGⅢおよびⅣによる。 写真4 ウマノスズクサと ジャコウアゲハの幼虫 写真5 アオスジアゲハ 特別展「夏のむし・ムシ大集合6」は「グルメな虫たち」がテーマです。 会期は 2019 年6月14日~7月7日です。お見逃しなく!

参照

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