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〈論文〉ニックリッシュの『経営経済』についての一考察(その③)

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ニックリッシュの『経営経済』についての一考察

(その③)

要旨 本稿では,ニックリッシュの経営学の体系を明らかにするため,彼の著『経営経済』 の第2巻を3分割し,その2番目の部分(S.322443)を,適宜に翻訳しながら,検討する。 本稿では,まず,経営の要素である,「資産」と「資本」が, 本質・構造・調達という3つ の視点から,検討される。その後,インフレーションが資本の循環に与える影響を考慮して, 「経営での価値の関係の均衡維持」から,従来の評価論,秘密準備金と商号の価値について 検討される。 キーワード ニックリッシュ,経営での価値の循環,資産と資本 原稿受理日 2017年5月16日

Abstract  In this treatise, we conducted research on Nicklisch’s book “Business Economy”, in German “Die Betriebswirtschaft”. This paper divide the second volume into three parts, and traces the second part(pp.322443), by discretionary translation.  First, we considered his opinion of assets and capitals, wich make the business fac-tors, from viewpoints of essence, structure and the roots to get together. Secondly, we investigate how inflation has the effects upon the circulation of value in business process. By this consideration, Nicklisch asserts the main problems made by traditional approach to estimate value, to make reserve funds secretly, to increase the value of corporate brands, under the main subject to maintain the balance of value relations in business unity.

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は じ め に

『経営経済』が書かれた, ワイマール期の社会問題としては,たとえば,巨大トラスト の形成,産業資本と金融資本の癒着,インフレーション,機械化,固定資産(過剰設備) と非主体的な失業者の増加などがあげられるが,その源泉は復活と発達した独占資本が推 進した,「合理化運動」にある。 この運動の狙いは,労働の強化による, 経済性の向上, 生産費の削減(低賃金水準)のために,あらゆる方策を検討し, 適用することにあった (参照。吉田和夫1976. 2639頁 184191頁)。その際,ラーテナウの「労使協調路線」に率 いられた A.E.G. に代表される,電気・化学独占資本のグループはアメリカと密接な関係 があったが(参照。吉田和夫1976. 131133頁),アメリカの「無駄排除運動」に刺激され て,米語の economy and efficiency を,ドイツでは「経済性」(Wirtschaftlichkeit)と いう概念で表わされた(参照。吉田和夫1976. 9899頁 89頁)。このため,合理的(rational) という米語が,相互依存関係にある投入物が目標である算出物に対して有効な関係を保持 することと解され,経済上での原則(o¨ konomisches Prinzip)が,経済性原則,すなわち, 最小手段の原則(Prinzip des kleinsten Mittels)と同じ意味を有すると解された(参照。 吉田和夫1976. 103頁)。この点,ニックリッシュは,第5版の『経済的経営学』以降,「経 済性」(Wirtschaftlichkeit)という概念を多用している。 本稿で検討する,「資産」と「資本」は,第7版の『経営経済』では,「労働」と共に, 経営の要素として取り扱われ,かつ,本質・構造・調達という3つの視点から,統一して 検討されているが,各要素に対して,労働市場と資産市場と資本市場が想定される。この 点,「資産市場の限定(Abgrenzung)は,労働市場よりも,より広く行われる(erfolgen)。 資産市場で共通しているモノは,自らの経営での給付に対する価値ではなくて,外部価値 ( Fremdwert ),開始価値に対するモノである。 このような境界は完全に明白に引かれる (verlaufen)。〈【筆者補足】しかし〉,境界の線引き(Grenzziehung)は,資本市場に比 べれば,より困難である。資本から見れば,解決は最も容易に現われる。参加資本,ある いは,信用関係が示唆する総ては,資本市場に属する。これに続いて,有価証券は,これ が貨幣価値証券(Geldwertpapier)である限り,資本市場に属し,更に,抽象的な価値に 対する権利は,いずれの基礎が利用されても,価値を保証するために,〈【筆者補足】利用 されるため,資本市場に属する〉。総てのその他の財は資産市場の対象である」(Nicklisch, H. 1929/32. S.363.)。

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また,ローマ数字ではなくて,三番目のギリシャ文字である,Γ(ガンマ)で区分され た「経営での価値の関係の均衡の維持」での,本稿で検討する「評価論」でも,「経済恐 慌期」(1929年から1933年1月)に顕著になった,市場価値(Marktwert)に関連した経 営の問題が再検討される。この問題は,同期にドイツの企業と経営経済学が取り組むべき 課題,つまり,社会問題の1つであったが,軽視されてきた。 本稿では,『経営経済』の第2巻「経営」の枠組に即して, 2 経営の構造と活動のⅠ経 営の構造の2)経営の要素の内,既に検討した労働を除いた,資産と資本と,3 ) 経営での価値の関係の均衡の維持の評価論について検討する。  資産  ① 資産の本質 経営経済上の意味での資産は,自立した経営により1つの統一体に統合される(zusammen- faßen),経済上での財を自らに含む。〈【筆者補足】しかし〉,その法律上での基礎として, 所有物(Besitz),あるいは,所有権(Eigentum)とみなされるのかは疑問になりうる。 たとえば,〈【筆者補足】リース契約で所有する設備のような〉,賃借りされた価値は,特 定の時点で満期になる,返還の義務がこれらに対応している時にも,経営の資産を確かに 増加させるため,後者の〈【筆者補足】所有権〉はこれには適していないとみなされる (Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.322.;Vo¨ lker, G. 1961. S.11.;参照。渡辺朗訳1996. 42頁; 参照。五十嵐邦正1996. 363頁 497頁)。このような関係が考慮されるべき時には,所有物 (Besitz)がより正当とみなす(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.322.)。 また,資産は資本と混同されることは認められない。このための詳細な証明は,この本 の共通した部分〈【筆者補足】つまり, 第1巻〉でもたらされた。 そこでは, 資産と資本 は,これらに非常に密接な相互関連があるとしても,異なる事物(Ding)であることが証 明された。ここでは,この論議(Auseinandersetzung)が想い起こされるべきである。 また,資本で更に続く,解説で指摘される(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.323.;参照。 市原季一1954. 159頁;市原季一1971. 181頁;市原季一1982. 105頁)。「総資産は資産部分 から構成される。すなわち,個々の目的に対する価値は,具体的か,抽象的である。実物 価値(Sachwert),有価証券と,有価証券で示される,価値に対する権利とは異なるモノ である。〈【筆者補足】たとえば,先払いによる賃金の未経過期間での給付のように〉,純 粋な給付価値(Leistungswert)は,資産では,必要経費価値(Aufwandswert)で表わ されうる」(Nicklisch, H. 1929/32. S.323.;Vgl.Vo¨ lker, G. 1961. S.61.;参照。渡辺朗訳

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1996. 88頁)。その際,棚卸し表(Inventar)では,〈【筆者補足】利子損失を負担している ため〉,手元現金(bares Geld)に関する有り高は,資産では,補完的にのみ,つまり, 事業の秩序正しい処理(ordnungsgema¨ ße Abwicklung)の保証のために,考えるべきで ある。この要求を上回って保持される,貨幣有り高は,予備の価値(Reservewert),ある いは,過剰である。棚卸し表(Inventar)は,資産部分を文字で表わした一覧表である。 この編成に基づき,資産は貸借対照表の借り方に記載される(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.323.;Vo¨ lker, G. 1961. S.61.;参照。渡辺朗訳1996. 88頁)。 貸借対照表では,資産は「借り方」というタイトル(U berschrift)を有する。ここに非¨ 常に深い意義がある。経営の全体の継続した活動は資産により実施される。総ての事業行 為は,直接か,あるいは,間接に,資産に関係している。最初に事業用資産を獲得するた めに行われるモノも,企業を解散することを目指すモノも,決して除くことはできない。 このため,個々の資産部分を「積極財産」(Aktivum),総資産を「現在財産」(Aktiva) と呼ぶことは,たとえ,これにより,資産が経営では,本来,活気のあるモノ(Lebendige) という誤った印象が呼び起こされるとしても,ある程度,正当に行われる。これにより, 活気のあるモノが,資産の内で,資産により,現われることのみが示される(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.324.;Vo¨ lker, G. 1961. S.6162.;参照。渡辺朗訳1996. 88頁;Nicklisch, H. 1912. S.54.;参照。五十嵐邦正1996. 497頁 54頁)。

資産によるこのような積極的な状態(Aktivsein)が資産から初めて統一体(Einheit) を形成するが,統一体は,共通の目的に対する使用により発生し,維持される,多様な部 分の相互の多様な関係による。この統一体は,個々の資産部分から全体を形成する,資産 の内部組織である(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.324.;Vo¨ lker, G. 1961. S.6162.;参 照。渡辺朗訳1996. 88頁)。

このような統一体が成長できる,規模(Gro¨ ße )は,企業の安全性( Sicherheit )と収 益性(Rentabilita¨ t )を脅かすことなしに,事業部門の活動により充足されるべき需要の 規模, この与えられた需要の充足を巡る競争の志願者( Bewerber )の人数と激しさ (Heftigkeit),問題になっている商品と給付の種類,経営が実施する活動の種類,部所で の(lokal)価値の関係,経営の法律上での形態と最も密接に関連している資本の調達(Kapital- 棚卸し表に関連して,負債を除いた時に存在する資産の総額の「残余」(Rest)に対して,「純 資産」(Reinvermo¨ gen)という名称が時々使用される。この規模を確定する,計算は棚卸し表と 結び付いている。しかし,この純資産は資産部分ではない(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.323.)。 この点,ニックリッシュは,「『純資産』は,経営の所有者(Betriebsinhaber)の支払い手段(Mittel) から誘導された部分である。とりわけ,個人商人と人的会社の法律形態が重視する。この状況は 純資産計算を資本計算として特徴付ける」(Nicklisch, H. 1929/32. S.324.)と述べている。

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beschaffung )の可能性, 個々の資産部分の関係により, 相互の資産を統一して結合で きる,個々の事業部門での可能な総額により, 左右される(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.324.)。 また,1 つの意志によりどれ程の資産が統合されうるのかは,意志の表明の強さと不変 さ(Stetigkeit)と,このような意志の伝達(U bertragung)のための制度の合理性と統¨ 一に依存する。同様の強さと良い意志を前提にすれば,この限界は,分権的な企業よりも, 集権的な企業でより広く及ぶ。企業では,中央から行われうるより,地域上でより良く達 成できる,本部(Hauptstelle)より少し離れた基地(Stu¨ tzpunkt)での意志が認められ る。このような基地は,通常,より共通して向けられた本部の意志(Hauptwill)を個別(Einzel-heit)のために転換する(umbilden)という,特殊な課題を有する(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.325.)。 個々の事業部門で,正に,個々の企業で異なる,特定の規模(Gro¨ ße)より,設備(Anlage) の安全性が今までより悪くないとしても,資産を同様に有益に使用することは難しい。設 備の可能性は,特定の時点と,一般に,件数(Zahl)と範囲(Umfang)により,制限さ れている。同一の目的のために1つの経営によりより多くの資産が投入される程,益々, 経営は制限された需要の充足を自らに引き付けようとする。経営は,最終的には,これを, 今までより不都合な条件で契約するか,あるいは,今までより不確実で,損失が効用(Nutzen) を削減する,あるいは,帳消しにする,あるいは,全く超過する,事業を恐れない時にの み,できる(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.325.)。反面,もちろん,正に,事業部門によ り,個々の経営にとり,作業できる,更に,最適な可能な成果で作業できるための,資産 の最低基準(Mindestmaß)は必要である(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.325.)。また, 家計にも,経済活動者が活動し,死なない,資産の最低基準が存在する。これらは個々人 にとり異なる。この点,特に,賃金と給付の間での関係の規制の開始点として,個々人に 対して全く妥当するのではないが,経済活動者の最低資産と,このために必要な所得につ いての使用可能な観念が必要とされる(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.325.)。  ここでは,ニックリッシュは,資本の循環において,過大なリスクを負担しないという安全性 (Sicherheit)と,資本利益率を向上させるという収益性(Rentabilita¨ t)をめざす,財務管理論 の基本目標から観ると,投下資本量に対して諸制約が存在することを指摘している。  ニックリッシュは,派生的な経営では,制限された需要から,設備投資と共に,投資のリスク は増加し,家計では,所得による購買力の制限により,同一資産の追加における「効用の逓減」 が存在すると考えている。

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② 資産の構造  a)資産が構成される,財のグループ 資産を形作る(ausmachen)財は,[経営のための]目的(Betriebszweck)により, 直接的に結び付けられる(binden)か,あるいは,間接的に,あるいは,全く結び付けら れない。これは最初の重要な肢体化をもたらす。財の第一のグループは労働では直接的に 使用される。第二のグループは予備( Reserve )のために取って置かれ,第三のグループ では過剰な財が問題になる。また,[予備のための]財(Reservgu¨ ter)も[目的のために] 結び付けられるが(zweckbinden),第一のグループへの過程(Weg)である。というの は, これら第二のグループは,[経営のための]目的に対する後者の第一のグループに関 係して,[予備のための]地位( Reservestellung )にあるからである( Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.326.;Vo¨ lker, G. 1961. S.62.;参照。渡辺朗訳1996. 89頁)。[経営による] 業績(Betriebsergebnis)に対しては,総ての3つのグループは似ているが,しかし,異 なる関係(ein a¨ hnlich verschiedenes Verha¨ ltnis)を有する。すなわち,2 つの初めのグ ループは[経営による]業績と有機的な関連にあり,しかも,第一のグループは,第二の グループより,[経営による]業績により密接である。 第三のグループは[経営による] 業績とは全く有機的な結び付きを有しない。 これは, 文献, とりわけ, マールベルク (Mahlberg, W.:Bilanztechnik und Bewertung bei schwankender Wa¨ hrung, 2.Aufl.,

Leipzig 1922.)により,また,「過剰価値」(U berwerte)という言葉で特徴付けられてい¨ る。この第一の肢体化は,このグループが経営の価値の総体で採る,異なる場所(Platz) により,重要である。場所のこのような相違は,価値での相違を表わすが,総ての3つの グループで現われる, 同一種類の財に対してさえ,〈【筆者補足】相違は現われる〉。この 点に関しては,評価論(Bewertungslehre)の叙述で,再び想い出されるべきである。ま た,『[経営のための]フォンド』(Betriebsfond)という概念の意義(Sinn)も,この肢 体化に結び付いている(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.326327.;Nicklisch, H. 1925. S.259263.;Nicklisch, H. 1912. S.204207.;Vo¨ lker, G. 1961. S.62.;参照。渡辺朗訳 1996. 89頁)。 また,資産は,その構成要素(Bestandteil)が経営プロセスに参加する,様式(Art) により肢体化される。このような価値の循環は,獲得された[経営による]給付の売却ま での財の調達と使用による「流入」(Hin)と,運動と,これと共に全体の価値の循環の前 半の再生にとり有用になる,財の調達のための再使用までの,売上げとしての対価の流入 による「放出」(Her)から構成される。両者の運動の方向の財のグループは異なる種類で

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ある。すなわち,初めの方向では製造価値(Erzeugungswert)が,第二の方向では,支 払い手段,決済財(Regulierungsgu¨ ter)が流れる(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.327.; Vo¨ lker, G. 1961. S.63.;参照。渡辺朗訳1996. 89頁)。両グループの間での分離(Scheidung) は原則上である。この分離は,あるグループの代表が他のグループで全く現われないと解 釈することは許されない。〈【筆者補足】たとえば,自社商品が代価として現物支給される 時のように〉, 初めの種類の財が支払いで採用される時には,その調達は, 直接, 売却財 の譲渡と結び付いている。 このようなケースにとっては, 価値の循環は, 対価の逆流 (Ru¨ cklauf),つまり,[経営による]給付の開始値の再調達までの売却の行程(Strecke)

が,短縮される。このようなケースでは,決済財の領域では全く価値は現われない。しか し,それにも係わらず, 両グループの間での分離を原則上でのみ理解することは正しい (Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.327.)。 また,価値の循環の初めの部分を更に追求すると, 今や, 消耗( Gebrauch ), 前使用 (Vorverbrauch),使用(Verbrauch)と利用(Nutzung)の上記の区別が示唆に富むモ ノ( fruchtbar )として示される。製造価値の循環での価値の内容は,一部で,前使用価 値,他の部分で,使用価値から構成される。前使用価値では,原材料と補助材料,すなわ ち,現物(Sache),あるいは,ただ価値により[経営による]給付と結び付けられた,実 物価値(Sachwert)が問題になる。消耗されたモノは,利用された,消耗財(Gebrauchs- gu¨ ter)の価値の内での減耗価値(Abnu¨ tzungswert)である。すなわち,現物でなくて, むしろ,純粋な価値である。これに加えて,土地と,循環を可能にする,価値を具体化し た,抽象的な資本の利用(Nutzung)の価値が加えられる。最後に,価値には,労働者の 人的な給付が含まれる。ここで注意されるべき所は,総ての列挙された下位グループ(Un-tergruppen)の主な価値は循環に対して異なる態度を採ることである。原材料と補助材料 の価値は, ―単位毎に―循環により,完全に捉えられる。循環は,消耗財〈【筆者補 足】たとえば,償却資産〉の価値を,割当てに応じて,つまり,経営プロセスでの減耗に 応じてのみ,捉える。〈【筆者補足】たとえば,車は利用による破損額ではなくて,減価償 却されるように〉,利用される財の価値は,利用による損害(Einbuße)を処理するのでは ないため,この価値は間接的にのみ循環と結び付ている。労働者の給付は,利用財(Nutzungs- gu¨ ter )と消耗財,原材料と補助材料に含められる。その際,その価値は,これら財の部 分価値であり,循環が成長させられる,主な価値のように,循環に比例する(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.327328.)。「資産の肢体を, これらが価値の循環で参加する,様式(Art) で区分し,外観上で列挙する試みは,[基礎になる]資産(Fundierungsvermo¨ gen),消耗

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資産(Gebrauchsvermo¨ gen)と[循環する]資産(umlaufendes Vermo¨ gen)をあげな ければならないが, これらの内,最後の資産は販売の担い手(Umsatztra¨ ger )と支払い 手段を含む。その上で経営が活動する,土地(Grundstu¨ ck )と, 事業関係が安全にされ るべき, 参加資本は,私の知識ではまずゾンマーフェルト( Sommerfeld, H.:Der Un-ternehmer als Verwalter von Volksvermo¨ gen, Hamburg 1934.)により利用されたよ うに,[基礎になる]資産の概念にとり特徴的である。このため,土地資産(Grundver- mo¨ gen)と呼ぶことは,これに土地のみが所属するのではないため,また,土地は,様々 な資産の肢体の他の部分で,たとえば,レンガ製造の鉱山業で,発生しうるために,誤り をもたらしうる。しかし,基礎資産(Grundstockvermo¨ gen)という名称は可能である。 また,非減耗可能な設備資産(nicht abnu¨ tzbares Anlagevermo¨ gen)という呼称は適切 である。この種の資産の特徴は既に上記で強調された。これらは,その価値の部分自体に よってではなくて,その利用によってのみ,循環に参加する」( Nicklisch, H. 1929/32. S.328329.;Vgl.Vo¨ lker, G. 1961. S.63.;参照。渡辺朗訳1996. 90頁)。「また,消耗資産 は減耗可能な設備資産(abnu¨ tzbares Anlagevermo¨ gen)と呼ばれうる。これは減耗価値 (Abnu¨ tzungswert)により循環に参加する」(Nicklisch, H. 1929/32. S.329.;Vgl.Vo¨ lker,

G. 1961. S.63.;参照。渡辺朗訳1996. 90頁)。[循環する]資産に属する,価値は,直接的 に,そして,完全に,循環により捉えられる。その際,同一の目的に対する準備は異なる 様式で明らかになる。〈【筆者補足】たとえば,インフルエンザのワクチンの生産での,流 行に備えての自社の在庫保有と,政府による委託生産のように〉, 実物財の価値が問題に なる限り,これらは,在庫品の保有( Vorratshaltung )と,財を特定の満期日に,ある いは,また正当な経営の請求で提供する,義務を他の経営に負う,権利の獲得により,生 ずる。ここは,在庫処理の非常に困難に追求された問題の領域であり,品行方正なビジネ スマンの最近の時代に, 非常に熱心に追求される問題の領域である( Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.329.)。循環に参加する人的な給付は,もちろん,在庫品(Lagervorrat)とし ては確保されえないが,だがしかし,人間にこのような給付を義務付ける,権利の形式で は,〈【筆者補足】確保されうる〉。経営共同体の参加者が問題になる限り, ここには,こ のような共同体がその典型( Inbegriff )を形成する, 義務と権利のシステムが問題にな る。経営外部者の純粋な給付が調達されるべきケースでは,これは, 外部への金額〈【筆 者補足】たとえば,報酬の支払い〉でのみ生じうる(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.329.; Vo¨ lker, G. 1961. S.64.;参照。渡辺朗訳1996. 91頁)。内部の経営の連関は,この場合, [経営による]給付でより,非常に僅かな程度でのみ協働できる。このため,[経営による]

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労働の経過では,契約の権利の時間上での調整は困難である。給付の準備は,常に,労働 の前準備(Arbeitsvorbereitstellung)に属する。これらは,資材側を補完する,給付側 を構成する(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.329.)。

今まで,製造価値(Erzeugungswert),販売の担い手(Umsatztra¨ ger)について語っ た。これらは,[循環する]資産(umlaufendes Vermo¨ gen)において,支払い手段(Zahlmit-tel)と対向している(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.329.;Vo¨ lker, G. 1961. S.64.;参照。 渡辺朗訳1996. 91頁)。 [循環する]資産を[経営のための]資産(Betriebsvermo¨ gen)と呼ぶことは,かなり 普及している。しかし,これは,誤解である(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.329.)。[経 営のための]資産という名称は,〈【筆者補足】農業,林業と園芸などを含めた〉, 法律の 意味での営業(gewerblicher Betrieb)に制限されている。特に,国家評価法(Rechsbe- wertungsgesetz)が,[経営のための]資産,つまり,様々な補足により,控除可能な負 債を除いた,自己資本(Das eigene Kapital)を,資産の課税価値(Steuerwert)とし ていることが,〈【筆者補足】問題である〉(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.329331.)。

ところで,[経営のための]資産で,[循環する]資産(umlaufendes Vermo¨ gen)を補 足している,資産部分が,[基礎になる]資産(Fundierungsvermo¨ gen)と消耗資産(Ge-brauchsvermo¨ gen )であり,設備資産(Anlagevermo¨ gen )として統合されうる。[循環 する]資産と設備資産の間での関係の研究が,更に付け加えられるべきであるが,今まで の叙述の基礎で簡単にできる。両者の境界が流動的であることをわれわれは既に知ってい る。設備の一部,つまり,消耗資産はその価値の割当てにより循環に参加する。そして, 消耗資産がこのような対象の全体の価値に等しい「割当て」を内容とすることがありうる。 このようなケースでは,[循環する]資産に,しかも,補助材料( Hilfsstoffe )と直接的 には似ている(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.331.)。対象の全体の価値の内で,消耗によ り価値の循環に移転する減耗価値の段階(Abstufung)の多様性は,対象の種類,経営プ ロセスの過程に対するその関係と,これが消耗されうる,時間の長さにより,小さい端数 まで,残存価値(Altmaterialwert)を減少させることは,経営経済を存続させる,最も 困難な計算問題と清算問題の1つであるが, 簡単に洞察される。利用( Nutzen )の価値 と,製造される価値の分配を,継続して規定することは同様に困難であるが,これにより, また,[基礎になる]資産は循環に参加する(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.331.;Vo¨ lker,

 Nationalo¨ konomie では,資本家や地主による,[労働による]給付に対する「前給付」(Vor-leitung)をあげてきたが,ニックリッシュは,労働者による,資格取得や訓練と共に,時間上で の労働日や労働時間の調整も前準備(Vorbereitstellung)と捉えた。

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G. 1961. S.6364.;参照。渡辺朗訳1996. 90頁)。また,[循環する]価値(umlaufender Wert)なしには経営は可能でない。[経営のための]資産で具体化される,価値の一部は, このため,常に,このような価値の形式を採るべきである。このような必要性は,[循環 する]資産に,設備と同様の性質を付与する。本質上での相違は,設備が,これが個々に 有する,具体的な形式で,存続するのに対して,[循環する]資産では, 具体的な部分が 流出したり,流入したりするが, このような資産は常にそこにあるべきである。総てが [循環する]資産とみなされるべきでない時には,これにより,経営プロセスが中断〈【筆 者補足】たとえば,品切れ〉から保護されるために,必要である大きさで,これらの内の 多くは確かにそうであり,これにより経営のプロセスは中断から保護される。ここに恒常 的な有り高(eiserner Bestand)の問題にわれわれは出会う(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.332.;Vo¨ lker, G. 1961. S.6465.;参照。渡辺朗訳1996. 91頁)。 なお,ニックリッシュは,直線上に中心があり,外周の1点を共有する,大きさの異な る4つの円を例示する。そして,一番大きな外円は,生産プロセスと呼ぶ,経営プロセス の一部に投入されるために,準備された,給付価値を加算した,保持される,手元在庫(Vorrat) の価値を示す。これより小さい円は, 総て,[循環する]資産を示すが, 開始価値と,経 営共同体の給付から構成される。その際,これら給付の価値の総額は[経営による]給付 と呼ばれる。また,開始価値は,これ以前にプロセスに存在すべき,財であり,原材料と 補助材料,減耗価値,利用価値(Nutzwert),第三者の給付により,生ずる。特定期間中 での経営の給付は,最小の円で示す,完成した個々の給付,少し大きな円で示す,プロセ ス内にまだある,未完成のモノを加えた,給付,そして,更に,大きな円は,これら[循 環する]資産の構成部分の総てを考えた,支出価値( Ausgabenwert ),あるいは,必要 経費価値(Aufwandswert)である(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.332333.)。

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b)資産の結晶

ここでは,関連で資産の構造( Aufbau )での過程( Vorgang )〈【筆者補足】結晶化 ( Kristallisierung ),つまり,純粋な結合構造〉が問題になる限り,関連が考察される。 「正に,[経営のための]目的(Betriebszweck)の実現のために調達される,経営での資 産の現存(Vorhandensein)が,[経営のための]資産(Betriebsvermo¨ gen)の最高の結 合でないことを示すことに注目されてきた。このような[経営のための]資産は,経営が 活動を始めることにより,初めて発生する。[経営による]活動(Betriebsleben)の過程 が手元にある資産の個々の部分を把握する限り,[経営のための]資産は現にある(bestehen)。 このような把握された資産は,他の資産と,より強い結合により,区分される(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.334.;Vo¨ lker, G. 1961. S.66.;参照。渡辺朗訳1996. 9293頁)。それは,こ れにより特定時点で経営が活動する,[資産による]フォンド(Vermo¨ gensfonds )であ る。とりわけフィンダイゼン(Findeisen, F.:Unternehmung und Steuer, Stuttgart 1923.)により行われたように,これを[経営のための]フォンド(Betriebsfonds)と呼 ばれることもある。総ての時点で,[経営のための]フォンドに結合していない資産は厄 介なモノ( Last )である。必然的な予備もまた既に結合されたモノで,[経営のための] フォンドに属するモノとみなされるべきであるため, ある時点でこの[経営のための] フォンドで把握されない総ての資産は,このような資産で具体化される資本での利用(Nutzung) の中止と,このような資産対象の価値の減少により,労働の総業績を減少させる,厄介な モノであると言える(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.334 u. S.326327.;Vo¨ lker, G. 1961. S.66.;参照。渡辺朗訳1996. 93頁)。 今まで,実際(Ist)より,[経営のための]フォンドについて語られてきた。この実際 に予測(Soll)が対立してきた。この予測は与えられた操業度からのみ算定でき,この与 えられた操業度に対する[経営のための]資産の最適な構成も含まれる。予測は,時点毎, 正に,操業度により,変化する。〈【筆者補足】しかし〉,実際(Ist)はこのように簡単に は従えない(folgen)。そこで,状況の判定にとり大きな意義がある,乖離(Abweichung) が生ずる。これを抑制する試み(Beka¨ mpfung)は困難である。乖離は操業度の変動によ り惹き起こされるため,特に,また,資産の困難な部分が適応されうる程に,速く,この 乖離を予測することが課題になる。もちろん,通常では,本来の[経営のための]装置は, 容易に,充分に,縮小したり,あるいは,拡大したりさせられないが,少なくとも,変動 が,経営の給付能力に対応した,操業の領域の限界を下方で越える時には,〈【筆者補足】 縮小されるべきである〉(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.334.;Vo¨ lker, G. 1961. S.6667.;

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参照。渡辺朗訳1996. 93頁)。 [経営のための]フォンドのために算定される,個々の財の有り高は,その大きさでは, 完全に一義的に規定されえない。このため,個々の財の有り高に対して,最小と最大の限 界が存在する。初めの最小の限界は,不足する財の容量により,経営の活動の順調な持続 (Fortgang)が危なくならないようにという理由から,第二の最大の限界は,過大な有り 高が,しかし利子が支払われる,利用されない資本を含み,余剰の価値の管理のための超 過支出を発生させるため,〈【筆者補足】規制される〉。最大の限界は, 正に,これらが価 値の有り高により一貫して適用される(hindurchla¨ ufen )限り,この[経営のための] フォンドを資産の余分な部分から分離する境界である。述べたことは,銀行預金,[循環 する]実物財(umlaufendes Sachgut),契約上での権利,消耗財と[基礎になる]資産 (Fundierungsvermo¨ gen)と同様に,手元現金についても妥当する。経営の負担の軽減の ために行われる,有り高の規制では,様々な財の種類が様々な条件の下で活動し,余分な 資産による超過支出と価値の損失( Wertverlust ), 投げ売り(Abstoßung )と再調達の ケースに対する支出と価値の損失の間での関係についての洞察が,決定のための基礎を形 成すべきである(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.334335.;Vo¨ lker, G. 1961. S.67.;参照。 渡辺朗訳1996. 9394頁)。商品,原材料,補助材料,完成した財が問題になる限り,これ に関して,財の処理の最も重要な課題の1つが問題になる(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.335.;Vo¨ lker, G. 1961. S.67.;参照。渡辺朗訳1996. 94頁)。このような領域で,再び, 恒常的な有り高(eiserner Bestand)について語られる。しかもまた,このような概念は 他の資産部分にも,しかも例外なしに,適用されうるため,設備と同様に,現金(Kasse) での恒常的な有り高について語られうる。最近では,賞賛に値する,進歩した経済学者に おいて,〈【筆者補足】たとえば, 車や機械のリース契約などにより〉, 利用するモノを適 切な調達のための契約の締結により,自らの代わりに,他者に用意させうるため,恒常的 な有り高を時代遅れの規模(u¨ berwundene Gro¨ ße )とみなす,傾向が目立ってきた。ま た,〈【筆者補足】たとえば, わが国の下請け制度のように,主要部品の調達先との〉, コ ンツェルン関係のように,狭義の経営上での優先的な提携( Vorzugsverbindung )は, この恒常的な有り高をもたらすことができ,時々,このような方向での印象(Eindruck) が惹き起こされる。しかし,このような様式で,保有(Haltung)が恒常的な有り高を除 去できないで,むしろ,他者に転嫁されるのみか,そして,このような転嫁が,常に長期 的ではなくて,適切な超過支出( Mehrausgabe )なしに一時的にのみ,可能であること は困難ではない(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.335.)。

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これまでは,[経営のための]フォンド(Betriebsfonds)の量的な関係(Verha¨ ltnis) が強調されてきた。この他に,今やまた,質的な関係が考慮されるべきである。個々の資 産部分の合目的な性質(Beschaffenheit)がどの程度達成されているのかが問題になる。 〈【筆者補足】たとえば,結果研究が示唆するように〉,設備では,これは最も容易に明ら かになる。また,不適切な土地,不適切な参加資本,不適切な建物,拙く分割された空間, 不適切な[経営のための]制度(Betriebseinrichtung)は,[経営のための]フォンドの 外のみではなくて,[経営のための]フォンドの内では経営にとり厄介なモノ( Last )で ある。 不適切な資産部分から不都合な作業関係が生ずる(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S. 335336.;Vo¨ lker, G. 1961. S.6768.;参照。渡辺朗訳1996. 94頁)。 また,集中化,あるいは,分散化の方向での全体の構成も,資産の結晶化(Kristallisierung) 〈【筆者補足】つまり,純粋な結合構造〉の過程に属する(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S. 336.;Vo¨ lker, G. 1961. S.68.;参照。渡辺朗訳1996. 94頁)。このような現象は資産の様々 な構成部分を様々に捉える。 まず,販売の担い手(Umsatztra¨ ger )では,調達側と販売 側で分散化が存在する。商品取引きでは,タバコのように,製造物の集中買い占めが問題 になる所で調達側で同様の関係が生ずる。販売側では,非常に広い販売領域にサービスを する,〈【筆者補足】たとえば,加工食品,本や家電品のような〉 ,郵便注文専門店(Post-versandha¨ user )は,地域での在庫を展開し,そこから,個別の注文を実行できる。〈【筆 者補足】たとえば, 木材や鉄鉱石の輸入のような〉,運送費の高い商品では, 大量の長所 と好都合な運送費をもたらすため,領域部分のための在庫により販売領域を分散化するこ とは明らかである。設備の分散化は,特に,製造業と運輸業の問題である。動機は,高い 関税率, あるいは,貿易を困難にする要因〈【筆者補足】たとえば, 原産地規則や現地調 達規制〉など,様々である(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.336337.)。「また,自立した 経営では,一般に,その規模が分散化の傾向をもたらしうることは,明らかである。資産 の分散化によるリスクの分解( Zergliederung )を惹き起こすべき,ケースはこれに似て いる。たとえ,資本の調達が,通常,資本の要求の増大と,リスクの分解,あるいは,制 限のための努力により,行われるとしても,資本の調達の問題との関係はそれほど容易に は認識されえない」(Nicklisch, H. 1929/32. S.338.)。この点,ニックリッシュは,「使用 可能な洞察を獲得しようとすれば,一方で,初めから偶然は排除されるべきである。他の ケースでは,給付可能性,あるいは,給付の業績の改善の可能性を惹き起こすこと(Herbei- fu¨ hrung )が問題になる。分散化( Dezentralsation )が現われる,総てのケースが慎重 にあげられ,偶然が排除される時,そこから支配的になる件数(Zahl)は,給付可能性を

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惹き起こすことが問題になる,グループに属するのである」(Nicklisch, H. 1929/32. S.338.) と述べている。 c)決算値での資産の構造 このような構造を示すことは非常に困難である。過程を閉ざす,主に,3 つの障害が存 在する。まず〈【筆者補足】第一に〉, 様々な資産部分の相互の数値の関係(Zahlenver- ha¨ ltnis)が,(資本部分のそれもまた同様であるが),景気の変動により影響され,このた め,継続して変化する。同様に,季節の影響,あるいは,〈【筆者補足】たとえば,借入金 の満期や,建物の利用契約の終了などによる〉, 企業の状態を期間の締め切りの時点で準 備すべきであったり,その解体を新しい期間で準備したりする方策の影響が存在する。 第二に,調査される企業の事業部門により,資産の構成の判定が〈【筆者補足】異なる〉。 第三に,同一の貸借対照表項目( Bilanzposten )での評価の統一性が前提とされる (Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.339340.)。総てのこのような困難を考慮して,調査の2 つの方法が生ずる。第一の方法では,事業部門の調査が可能である。この点,このような 先行研究として,アメリカでは,ビリス(Bliss, J.:Financial and Operating Ratios in Management, 1923.),スェーデンでは,セリェン(Sille’n, O.:Bilanzanalytische Untersuchungen u¨ ber den Vermo¨ gensaufbau und die Kapitalquellen in verschiedenen Gescha¨ ftszweingen Schwedens, in.Annalen der Betriebswirtschaft IIBd. 1928, S.19 53.)があるが,シュマルツ(Schmaltz, R.:Bilanz- u. Betriebsanalyse in Amerika, 1927.)が,相対的な展開傾向をより良く判定できるように, 指数ベースに結果を換算し た。第二の方法では,特徴のある経営(charakteristischer Betrieb)についての特殊研 究である。これは同一種類の経営の大きな比較可能性などをもたらすが,資料に難しい問 題がある。このため,ニックリッシュは,「資産の構造の統計は経営経済学上での目的に とり非常に限定された価値を有する」(Nicklisch, H. 1929/32. S.341.)とみなす。また, 〈【筆者補足】たとえば,法律や企業制度の改正,技術革新,企業環境の変化などにより〉, 「もちろん,企業が特徴のある性格を失った時には,中断されるべきである」( Nicklisch, H. 1929/32. S.341.)。彼は,具体例として,商業では,事業報告書と貸借対照表を公表し ている,ドイツの大きな百貨店のコンツェルンとして,第一次世界大戦後に,垂直的な展 開をめざした Rudolph Karstadt-A. G. と,他の百貨店と同様に,水平的な〈【筆者補足】 つまり,地域の〉拡大をめざした Leonhard Tietz-A. G. を選択し,異なる経営政策の影 響を調査した(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.341342.)。そして,たとえば,商品有り高

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の絶対額を比較すると,両者の数値がほぼ同様の景気変動による推移をしていることを読 み取れるが,資産構成比率では,Rudolph Karstadt-A. G. は,1924年から1929年に半分 以下に減少しているのに対して,Leonhard Tietz-A. G. では,1925年まで増大した後, 減少し,25年度の水準を下回っていること,また,土地と建物の総額では,Rudolph Karstadt-A. G. と Leonhard Tietz-Karstadt-A. G. は,1926年まで減少し,その後,急増していることが読 み取れる。また,ニックリッシュは,192 8年に初めて公表された国家統計局の資料(Sta-tistischen Jahrbuch fu¨ r das Deutsche Reich)の1929年版による,商品取引きでの60社 の株式会社のデータと比較して,百貨店と他の商業部門の販売での異なる制約,具体的に は売掛債権( Debitor )の影響を削除しても,1926年と1927年のデータで,貨幣性資金 (flu¨ ssiges Mittel)では修正されるが,手元在庫と,参加資本と有価証券では相違が認め られると述べる(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.344346.)。他方,ニックリッシュは, 銀行業では,支店経営(Filialbetrieb)で,私経済的に管理されてきた Deutschen Bank と,支店経営ではなかったが,最近5年間でこのように展開されている Reichskreditge- sellschaft -A. G. を比較している。そして,構成比率においては,「個々の会社,あるい は, 統合されたグループでの100%の範囲で,上方や下方への,他の会社, あるいは,グ ループとの乖離は,1 つ,あるいは,複数の項目(Posten)での差異から構成されるプラ スが,同様に構成される,同一規模のマイナスと対比されることにより,調節されるべき である。ここで取り扱われる問題は,ただ,1 つの会社,あるいは,グループが,ある追 加の目的,あるいは,またその肢体の目的のために,追加の資産を保持するのに対して, その他では,関係は本質上で乖離しない,あるいは,会社,あるいは,グループの関係が 複数の方向で本質上で異なり,乖離が,このような多様な差異の複合現象を示唆するのか である」(Nicklisch, H. 1929/32. S.347348 u. Vgl.S.485.)と主張する。そして,Reichs- kreditgesellschaft-A. G. と国家統計局の資料(Statistisches Reichsamt)を比べて,前 者に対する後者の差異を比較して,1926年では, 設備の3.2%と, 手元在庫の7.1%の合計 であるマイナス10.3%は,ポートフォリオの4.8%と,未払い債務と貨幣性資金(Debitoren und flu¨ ssige Mittel)の5.5%の合計であるプラスの10.3%と一致していることを指摘する (Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.354.)。  また,同様に,1927年では,設備の4.82%と,手元在庫の5.3%の合計であるマイナス10.1%は, ポートフォリオの1.1%と,未払い債務と貨幣性資金の9.0%の合計であるプラスの10.1%と一致し ていることを指摘する(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.354.)。  なお,アメリカのデータを用いて,ビリス(Biliss, J.)は,1913年を通常年度として,1914年 から1921 年の対戦間の数値を分析し(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.340.),シュマルツ(Schmaltz, R.)は,1914年の危機の年度を基準にして,各年度の相対的な展開傾向をより良く分析するため

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③ 資産の調達  a)資産の調達と解されるモノ 対象は,[経営による]給付(Betriebsleistung)を実行するために必要な,資産の調達 である。これは,既に詳細に上記で与えられた,意味での開始値(Anfangswert)である (Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.355.)。 資本の調達が資産の調達として考察されうるという考えは除外される。資産を調達する という要求は,この目的のために,資本が使用される時にのみ,充足されうることは正し いため,資本の調達が先行されるべきである。しかも,これは労働の調達に対して同様に 妥当する。これにより,資本の調達自体も区分される(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.355.; Vo¨ lker, G. 1961. S.65.;参照。渡辺朗訳1996. 91頁)。 b)資産の調達のための原則 原則は2・3の少数の命題に纏められるが,その際,調達は[経営による]給付(Betriebs- leistung)を可能にすべきであることから始められる。そこには,この[経営による]給 付が売却できるべきであること,しかも,必要経費価値( Aufwandwert )と,これに関 連した外部価値(Fremdwert),あるいは,開始価値(Anfangswert)〈【筆者補足】つま り,経営内と経営外で創造された価値〉の総額を補償する,対価で売却できることが含ま れている。そこでは,経営の現存(Dasein)が維持され,その発展が保証されうるように 行われるべきである。ここから,販売の可能性の決定的な影響の下で原則(Grundsatz) を設定しなければならないことが生ずる。このような関係の思考上での厳密さにとり,価 値の貫流(Durchlauf)が,短期か,長期に亙るかはどちらでもかまわない(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.355356.;Vo¨ lker, G. 1961. S.65.;参照。渡辺朗訳1996. 9192頁)。しか し,この間隙が長い時には,その間に,可能性のより高い程度で,予想されえない,かな りの価値の変動が市場で発生する。また,調達の時点の選択が,これにより好都合な価値 の関係を目指せるため,重要である(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.356.)。 個々では,調達は経営にとり最良の程度の適性の財を見付けるべきである(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.356.;Vo¨ lker, G. 1961. S.65.;参照。渡辺朗訳1996. 92頁)。これが販売を 保証するのかは,もちろん,小さな生産プロセス( kleiner Produktionsprozeß )に依存 に,増減率を算定した。このような方法は,基準年度と調査期間の選択が適切であれば,景気変 動と企業の状態の影響を分析できる(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.340341.)。この点,ニック リッシュの主張には,「どれ程の資産をどの資本調達源泉から」(Isaac, A. 1923. S.5960.;Vgl. Nicklisch, H. 1925. S.171172.)という観点から,経営方針は資産構成と資本構成の比率に反映 されるとみなして,企業間の構成比率の変化の相互関係を,直接,比較した所に特色がある。

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している。 これら生産プロセスは,開始財の適性を,[経営による]給付が含まれる,完 成品の適性に転換するのかに依存している。更に,この[経営による]給付の販売は,販 売自体に,特に,その一部の「広告」に依存している。すなわち,完成品の適性について 効果的に承認させることに広告が成功するのかに依存している。 しかし,これは総て調 達の領域の外にあるため, ここではただ補完的にのみ記載されうる(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.356.)。〈【筆者補足】たとえば,サプリメントや化粧品の販売のように〉,調達 の側には,適性が調べられうることと,また,少ない適性の財の給付に対する保証のため に,試験手続きが適用されうることが含まれる(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.356.;Vo¨ lker, G. 1961. S.65.;参照。渡辺朗訳1996. 92頁)。その際,ニックリッシュは,取引所での論争 についての先行研究を詳細に注記しているが,貿易実務では,ヘラウァー( Hellauer, J.:Kauftvertra¨ ge in Warenhandel und Industrie, Berlin 1927.)の著作を評価してい る(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.356357 Fußnote 1.)。しかし,調達される価値の適性 のみでは充分ではない。 調達は好都合な価値額〈【筆者補足】つまり, 交換価値〉で行わ れるべきである(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.357.;Vo¨ lker, G. 1961. S.65.;参照。渡 辺朗訳1996. 92頁)。要求は,経営の給付が,販売の時点で,同様の他の経営に比べて,総 ての個々の給付単位で,開始価値,あるいは,開始価値の部分で最小の負担をすることで ある(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.357.)。この点,大きな設備を有する経営では,調達 は,給付能力のある設備を,その減耗で,貫流する財の単位に分配される,減耗価値を, 同種の他の経営でより,少なくするような,好都合な価値額で調達する課題を有する(Vgl. Nicklisch, H. 1929/32. S.358.)。また,調達の側では,好都合な価値額の保証のために は,コンツェルンに給付会社を取り組むことが役に立つ。これは,仕入れ先の選択での自 由を排除するという欠点を有する。また,これ以外にも,更に少なく負担されるべき,価 値の損失が容易に発生する(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.358.;Vo¨ lker, G. 1961. S.65.; 参照。渡辺朗訳1996. 92頁)。 適性の保証と,価値の保証の外に,〈【筆者補足】ジャスト・イン・タイムのように〉使 用される瞬間に,開始価値の準備を調達は行うべきである(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.359.;Vo¨ lker, G. 1961. S.6566.;参照。渡辺朗訳1996. 92頁)。すなわち,調達が適宜 に行われなければ,作業計画の変更が企画されるか,あるいは,全体の部門,あるいは, 全体の経営が停止されるため,損失と同一視される,非生産的な必要経費が生ずる。反面,  その際,設備調達政策の効果は,できる限り多くの単位に利用価値と減耗価値を分配すること にあるべきである(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.356.)。また,個々の財が負担する,原材料と 補助材料に係わる価値の割当ては操業度に依存する(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.358.)。

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手元在庫,あるいは,その他の予備の資産が過剰である時には,資本が拙く利用されるた め,必要より多い資本が投入される。過剰に消耗された資本の利用( Kapitalnutzung ) と,これに結び付いたより大きな在庫と管理のための必要経費は,再び,損失と同一視さ れる。「過小」によるリスクと,「過剰」によるリスクの間での正しい方法(Weg)を見付 けることは,経営経済上では,調達の特徴のある課題である(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.359.;Vo¨ lker, G. 1961. S.66.;参照。渡辺朗訳1996. 92頁)。その際,[循環する]資産 (umlaufendes Vermo¨ gen)のための手元在庫の保持と,設備,機械の予備の部分の有り 高は,調達の領域では,資産準備の形成(Bildung von Vermo¨ gensreserve)と呼ばれる。 注文から給付までに経過する,期間(Frist)〈【筆者補足】いわゆる,引き渡し期間〉が決 定的な役割をする(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.360.)。反面,有り高の節約のための総 ての手段は作業の妨害と,[作業のための]必要経費(Arbeitsaufwand)に係わる損失に より経営を脅かす。〈【筆者補足】使用財では〉,調達は,色々の種類の手段を組み合わせ るべきである。しかし,〈【筆者補足】物価が上昇する時には〉, これらは,外部にあるモ ノで,〈【筆者補足】わが国では,「少資源化」と呼ばれているが,外部からの調達量が少 ない〉小さな生産プロセスが稼働する(ablaufen)ような方法により支援されない時には, 有り高の保持を目指すことが合目的な基準(Maß)である。この生産プロセスは非常に大 きな有り高を伴う中間在庫を形成し,貫流(Durchlauf)にまた比較的大きな容量(Menge) が含まれれば,開始価値の価値額を高め,〈【筆者補足】たとえば,仕掛品でも,販売可能 であれば,売却すると〉, 価値の下落を少なくする,使用される資本の利用と消耗価値に 係わる余剰が生ずる。〈【筆者補足】しかし, 生産と調達が継続されるならば〉,ここでは 調達は役に立たない。むしろ,生産プロセスの改善が必要である(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.360. )。そこで,設備では,更新が問題になる限り,正しい調達の問題は非常に難しい (Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.361.)。なお,「適性,価値額,適宜の現存と,経営での給 付者への対価の給付を保証すべき,調達契約の条件は様々な事業部門で様々に展開されて きた」(Nicklisch, H. 1929/32. S.361.)。その際,ニックリッシュは,購入契約についての 先行研究に触れ,ここでも,ヘラウァーの著(Hellauer, J.:System der Welthandelslehre. 1.Bd.;Allgemeine Welthandelslehre, 3.8.Aufl., 1920.)が種目別に記載したことを評

価する(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.361.)

 価値の循環を考える,ニックリッシュにとっては,「調達」は「支出」を発生させ,「開始価値」 の規模を左右する行為,また,「販売」は「収入」を獲得して,「最終価値」を決定する行為であ り,経営内で行われる「製造」と分離することは不可能とみなされている。もちろん,これら行 為の対価として,「支出」と「収入」が生ずるため,「財務」も不可分の関連を有する。この点,

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c)資産市場 「労働市場からの資産市場の限定( Abgrenzung )は既により詳細に上記で行われた (erfolgen)。資産市場で共通しているモノは,自らの経営での給付に対するこのようなモ ノではなくて,外部価値(Fremdwert),開始価値に対するモノである。このような境界 は完全に明白に引かれる( verlaufen )。〈【筆者補足】しかし〉,境界線は,資本市場に比 べれば,より困難である。資本から見れば,解決は最も容易に現われる。参加資本,ある いは,信用関係が示唆するモノの総ては,資本市場に属する。これに続いて,有価証券は, これが貨幣価値証券(Geldwertpapier)である限り,資本市場に属し,更に,抽象的な価 値に対する権利が,価値を保証するために,いずれの基礎が利用されても,資本市場に属 する。総てのその他の財は資産市場の対象である」(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.363.)。 「可能な区分の内,われわれの関連にとり,〈【筆者補足】第一番目の〉一般市場と特殊 市場(General- und Spezialmarkt)での区分は紙一重である。区分は明白であるように 思われるが,だがそうではない。ここでは,「一般」(allgemein)は様々な意味を有する。 一方では,個々のこのように標識の付いた市場は,一種類の価値のみに関係していないこ とが表わされていた。そして,これは既に再び多義的である。というのは,1 つの価値の 種類が取引きされる,市場では,共通したモノが生じうるからである。しかもまた,これ は,このような価値の1つの亜種(Unterart)に限定できる。そこで,名称で表示される 価値の1つの亜種のみが取引きされるのではない時も,取引所を適用して,一般取引所 (Handelsbo¨ rse),一般証券取引所(Effektenbo¨ rse),一般商品相場取引所(Warenbo¨ rse),

一般生産物取引所(Produktenbo¨ rse)の表示(Ausdruck)が見付けられる。このため, 〈【筆者補足】第二番目の〉「『一般』の他の意味は,共通した規定(Bestimmung)が妥当 する,市場の間での権利と,特別な(besonder)法律上での規制(Regelung)を有する 他の権利を区分することに由来する。しかし,たとえ,また,他の市場の特別な規制(Sonderre-gelung)の事実がそこに表わされるとしても,共通した規定(Bestimmung)が1種類の 市場に対してのみ妥当するのではないため,共通した規定は一般と呼ばれる」(Nicklisch, H. 1929/32. S.363364.)。これは,法律上での意味で,また,市場が一般〈【筆者補足】共 ニックリッシュの主張は,Nationalo¨ konomie が,経済上での循環の一般的な本質を,「流通」 (Zirkulation),「社会的生産物」(Sozialprodukt)と「分配」(Verteilung)という3つの理念 で表わされると主張して(Vgl.Schumpeter, J. 1914. S.44 u. S.77.;参照。中山伊知郎・東畑精 一訳1980. 86頁 204頁),この経済上での循環を解明するという課題に対して, 最小の必要経費 (Aufwand)で最大の個人的な欲求の充足を目指す努力,すなわち,経済上での原則(wirtschaftliches

Prinzip)を仮定していたことに基づく(Vgl.Schumpeter, J. 1914. S.43.;参照。中山伊知郎・ 東畑精一訳1980. 83頁)。

(20)

通〉とみなされるが,経済上で見れば,これらを補完する,他の商品が代替するとしても, 都市の[生活手段のための]市場(Lebensmittelmarkt)のような,特殊市場(Spezial- markt)であることと,[クリスマスイブのための]市場(Weihnachtsmarkt)と[教会 寄進祭のための]市場(Kirchweinmarkt)のような,特別な機会での市場は,たとえ, これら市場が,共通の価値により,取り扱われ,価値の統合をするとしても,法律上では 特別な市場(Sondermarkt)とみなされることをもたらす。法律上での区分によれば,特 殊な権利を有する取引所は決して一般市場ではない。正に持ち出されたモノと非常に類似 している,〈【筆者補足】第三番目の〉区分として,更に,たとえ,だれが個々でその担当 者であり,私的な市場によれば,市場に類似した構成体であるとしても,発生が当局の授 権(Erma¨ chtigung )に負うモノのみを公的として妥当するという意味を有する,公的な 市場と私的な市場(o¨ ffentlicher und privater Markt)の区分が引用される(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.364.)。この点,公的な市場は,一般的と,また,特別なモノ(besonders) でありうる。私的な市場は,通常,特殊市場である(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.364.)。 四番目の意味は,共通したヒトの要求を,直接的に,1 つの市場過程で充足することを, 市場に可能にするために,意味を,共通のヒトのための市場(Markt fu¨ r den gemeinen Mann )に合わせることにより,この関連での一般という言葉に対して,生ずる。このた めに価値の種類により特殊化される,比較的小さい専門家の層(Kreis von Fachleute) のための市場は異なる。このような専門家は,通常,まだ最終の購買者ではない,彼らの 購買者の需要の基礎に基づいて取引きする。容量(Menge)は,対応して,最初のケース 〈【筆者補足】つまり, 最終の購買者〉より,より大きい。対比は,「小売り取引きのため の市場と,卸し取引きのための市場」の対比により,特徴付けられる。しかし,この区分 は,再び,最初に市場の範囲で区分し,取引きされる価値の種類の件数により評価する。 というのは,卸売り取引市場は,また1つの価値の種類に制限されない時でも,特別な市 場(Sondermarkt)であるからである。解は,「一般」(allgemein)という表示が様々な 根拠から,ここで強調される,市場の領域の根拠では,様々なレベル(Ebene)で用いら れることにある。すなわち,一般は,可能な市場財(Marktgu¨ ter )の全体の内での一般 と,総ての亜種,あるいは,少なくとも,その内で,表示が更に権利を与えられる程の多 くの種類が含まれる,価値の1つの種類の内での一般で用いられる。この意味で,表示は, 同時に,正に,卸売り取引き制度である,取引所の名称で更に上記では使用されている。 これら制度は,たとえ,これらが特殊市場(Spezialmarkt)とみなされるべきであるとし ても,上記では一般と呼ばれる(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.364365.)。今や,更に,

(21)

「一般」 (allgemein)という言葉の五番目の意味に注目すべきである。これは,制度(Ein-richtung)の区分から始める。1 つの市場は一般の通常の市場と呼ばれるのに対して,他 の市場は特別に展開された。この対比は,大部分で,最後に解説した,小売り取引きと卸 売り取引きにより,市場が規定される,様々なヒトの層と重複している。しかし,既に, 大都市での生活手段の販売のための地区の常設市場( Bezirksmarkthall )の制度が証明 しているように,これらは完全には重複していない。特別な制度で,有機的に,卸売り取 引き市場の専門性と,訪問客(Besucher)の専門上での欲求から,生ずる,総ての市場技 術が理解される限り,もちろん,取引きに参加する人間と制度の区分はその活動領域で完 全にカバーする。卸売り取引き市場は,正に,市場財において,代替可能な価値が問題に なるのか否かにより,その特別な技術を様々な方針で展開すべきである。最高潮は,1 つ の方向では,営業対象として,固定された,あるいは,決められた市場財のタイプ,確定 された営業の締結(Abschluß)のための契約のタイプ,営業の仲介のより正確な規制と, ここではまたこのための仲介裁判所が考えられるが,営業の清算のための制度を有する, 取引所と,〈【筆者補足】市場ではなくて, 生産現場である〉工場にある,対象が付け値 (Angebotsmuster)により代表される,卸売り取引き定期市(Gro¨ ßehandelsmesse),見 本の配置と,流通(Verkehr)の可能性と実施(Durchfu¨ hrung)のための特別な制度を 有する,見本市(Mustermessen)である。他の方向では,最高潮は,毛皮と獣毛のよう に,代替できない商品の項目(Posten)で販売が探される限りでの,卸売り取引き定期市 と,代替できない製品と同様に,大きな項目で,市場の売りに出された対象を形成する, 特別な輸入品が,これらに競り売り(Versteigerung)により需要が集中される限りでの, 競売(Auktion)と登録(Einschreibung)である。〈【筆者補足】たとえば,公共事業の 入札のように〉,競い売り市場の基本原則の転用は,重要な常設市場( Marktfall ),官庁 の管理の要求の基本原則が適用されて,請負制度(Verdingungswesen)をもたらす。特 定の種類の商品の容量,あるいは,給付の容量,あるいは,両者を包括する,特定の作業 量に対して, そこに, 現われた需要での供給が集中される限り,〈【筆者補足】そうであ る〉。ここでは,価値の品質が,充分に,また,見本によってのみ,予め規定でき,給付 の品質の規定のために,手続きの確定が採られることが,とにかく,完成後の作業(Werk) の試験が決定的な特徴を得ることなしに,更に補足して,追加されるべきである(Vgl.Nicklisch, H. 1929/32. S.365366.)。 歴史上では,生活手段による都市への供給のための今日の週市(Wochenmarkt)は, 都市の最初の発展期間での,都市と田舎(Land)の間での共通した財の交換に仕えた,市

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