• 検索結果がありません。

乳酸発酵による米の新規用途開発

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "乳酸発酵による米の新規用途開発"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

乳 酸 発 酵 に よる米 の 新規 用 途 開発

新 潟 県食 品研 究所 江川 和徳 宍戸 功一 諸 橋敬 子

1.は じ め に 米 を 利 用 す る 加 工 食 品 は 、 米 飯 、 餅 、 団 子 、 米 菓 等 の 伝 統 的 製 晶 か ら 、 米 ス ナ ッ ク 、 ラ イ ス ヌ ー ドル 、 米 カ ス テ ラ 、 米 パ ン と 生 活 様 式 の 変 遷 に 伴 う 新 し い ニ ー ズ に 対 応 し た も の ま で 広 く 多 様 化 が 図 ら れ て い る 。 ま た 、 一 方 ニ ー ズ の 多 様 性 に 合 わ せ て 加 工 品 の 生 産 も 多 品 目 少 量 生 産 へ と シ フ ト し て い る 。 こ の よ う な 状 況 の 中 で 米 の 需 要 拡 大 を 図 る に は 、 米 に 新 し い 機 能 を 付 し て 幅 広 く種 々 の 食 品 の 副 原 料 と し て 利 用 で き る よ う に す る こ と が 必 要 で あ る 。 食 資 材 に 求 め ら れ る 機 能 と し て は 、 近 年 の 食 の 洋 風 化 志 向 や グ ル メ 志 向 に 合 わ せ 、 風 味 の 増 強 機 能 を 有 す る 資 材 や 油 脂 の 使 用 量 の 増 加 に 伴 い 並 行 的 に 増 加 す る 乳 化 剤 に つ い て も 健 康 志 向 の 高 ま り か ら 、 天 然 の 乳 化 機 能 を 有 す る 資 材 が 求 め ら れ て い る 。 一 方 、 食 品 流 通 に 目 を 転 じ て も 食 の 簡 便 化 や 高 級 化 を反 映 し、 で き た て の 製 品 や 生 地 を そ の ま ま 冷 凍 し て 流 通 す る 冷 凍 流 通 が 中 心 的 流 通 方 式 と な っ て き 、 冷 凍 製 品 を 解 凍 し た 時 に 、 で き た て と 同 じ 状 態 に 復 元 で き る 機 能 を 有 す る 天 然 系 の 資 材 が 探 索 さ れ て い る 。 そ こ で 、 米 に こ う し た 機 能 を 付 し 油 脂 を 利 用 す る 食 品 や 冷 凍 食 品 へ の 利 用 を 進 め る た め 、 乳 酸 菌 の 持 つ 幅 広 い 加 工 利 用 上 の 特 性 に 着 目 し 、 乳 酸 発 酵 を 利 用 し て 、 米 に こ れ ら 機 能 を 付 与 す る 方 法 に つ い て 検 討 す る こ と と し た 。 2.乳 酸 菌 の 機 能 乳 酸 菌 の 食 品 加 工 上 有 益 な 機 能 に つ い て の 報 告 や 経 験 的 に 調 理 に 利 用 さ れ て い る 特 性 を 調 べ る と 、 ① 澱 粉 の 改 質 性:タ イ の 麺 状 食 品 カ ノ ム チ ー ン の 物 性 改 善 に 、 浸 漬 し た 米 を 発 酵 す る 方 法 が 用 い ら れ て い るn。(た だ し 、 乳 酸 発 酵 と 限 定 は さ れ て い な い) ② 蛋 白 質 の 低 減 化:コ ー ン ス タ ー チ 製 造 工 程 中 に 自 然 発 生 す る 乳 酸 菌 に よ る 、 蛋 白 質 の 可 溶 化 に よ る 低 減 効 果 が 知 ら れ て い る2)。 ③ 保 存 性 の 向 上:野 菜 の 貯 蔵 に 乳 酸 菌 を 利 用 す る 方 法 が あ る3)。 ④ う ま み 付 与:発 酵 漬 物 の う ま み に 及 ぼ す 乳 酸 菌 の 効 果 が 述 べ ら れ て い る4)。 ⑤ 乳 酸 生 成:乳 酸 飲 料 に 利 用 さ れ て い る5)。 ⑥ 蛋 白 質 の 改 質:乳 蛋 白 質 の 凝 乳 、 ヨ ー グ ル ト化 。 ⑦ 油 脂 の 乳 化 性:煮 菜 等 の 乳 酸 発 酵 し た 漬 物 を 油 妙 め 後 に 煮 し め る と 、 乳 化 に よ る コ ク 味 向 上 効 果 が 出 る 調 理 上 の 現 象 。 の よ う に 数 多 く の 機 能 が あ り利 用 さ れ て い る 。 そ こ で 、 米 よ り乳 酸 菌 を 分 離 し て 乳 酸 発 酵 に 利 用 し 、 米 へ の 乳 化 機 能 の 付 与 や 米 の 冷 凍 食 品 の 解 凍 復 元 機 能 の 獲 得 性 に つ い て 検 討 す る こ と と し た 。 3.乳 酸 菌 の 分 離 と 米 の 乳 酸 発 酵 米 由 来 の 乳 酸 菌 を 分 離 す る た め 米 糠1部 に6%程 度 の 食 塩 水2部 を 添 加 混 合 し 、 ポ リ エ チ レ ン 袋 に 密 封 し て30℃ で10日 間 放 置 し た 後 、GYP培 地 に て 乳 酸 菌 を 分 離 し た 。 分 離 菌 は 、 米 にGYPブ ロ ー ス を 混 合 し て か ら 接 種 し三 角 フ ラ ス コ レ ベ ル の ス ケ ー ル で 乳 酸 発 酵 し 、 発 酵 後 、 米 に 着 色 が な く 香 り の 良 い 株 を 選 定 し た 。 選 定 し た 菌 株 は 、Lac七 〇b 一79一

(2)

acillusとStoreptococcusが 混 在 し て い る た め 、 更 にLBS寒 天 培 地 に 塗 布 しLactobacill usを 得 た 。 分 離 し たLactobacillusは 表1の よ う な 生 理 的 性 質 を 示 しLactobacilluscasei種 と 判 断 さ れ た 。 表1=分 離乳酸菌の性質

米 の 発 酵 は選 定 した菌 株 を前培 養 し・洗 浄 した米 に3%∼15%の

糖 液 も し くは4%の

食 塩 水 を仕 込 み液 と して合 わ せ た もの に ・添加 ・密封 して40℃

にて3日

間発 酵 す る。 発

酵 後 、 米 を仕 込 み液 と共 に磨 砕 し米磨 砕 乳 液 と して米 の乳 酸発 酵 体 とす る 。

4.米

の 乳 酸発 酵 磨 砕液 の 性 質 と利 用性

米 の 乳 酸発 酵 液 の性 質 は 表2の

よ うに集約 され る 。食塩 存下 の発酵 は ア ミノ酸 生 成 が多

く風味 増 強効 果 が 高 い。 一方 、糖 存在 下 の発 酵 は乳 酸 生成 が盛 ん で米 を利用 した乳 酸発 酵

飲 料 に適 用 され た り、 表3の

よ うに蛋 白質 の低減 効 果 が高 くな る ため低 蛋 白質 米 飯 の製 造

に利 用 さ れ る6㌔ 現 在 この技 術 は メ ーカ ーサ イ ドで 更 に技 術 発展 し多 くの 腎疾 患者 の食事

療 法 に役 立 って い る.

表2発

酵 条件 と特 徴

表3乳

酵中の タンパ 贋 舖(乾

物当た り)

の変化

零TN×5。95コ シ ヒ カ リ90%精 日 米 乳 化 機 能 は 表4の よ う に 食 塩 及 び 糖 の ど ち ら の 発 酵 に よ っ て も 高 い 乳 化 性 が 得 ら れ ・ 既 に パ ン や マ ー ガ リ ン に 乳 酸 発 酵 し た 米 が 利 用 さ れ て い る 。 冷 凍 食 晶 の 解 凍 復 元 性 は 、 炊 飯 時 の 炊 き 水 に1%量 の 磨 砕 液 を 添 加 し て 炊 飯 し た 米 飯 を 冷 凍 し 、 電 子 レ ン ジ 復 元 性 を 調 査 し た ◇ そ の 結 果 ・ 表5の よ う に 無 添 加 区 に 比 し改 善 効 果 が 認 め ら れ た 。 こ れ ら の 結 果 か ら 米 を 乳 酸 発 酵 す る こ と に よ り 、 食 品 加 工 上 有 効 な 機 能 が 付 与 で き る こ と が 確 認 さ れ た 。 一80一

(3)

表4乳

試 料:サ ラダ 油 留(↑:1)超 音 波 型 ホ モ ジナ イ ザ ー で 乳 化 し、 エ マル ジ ョ ンを 遠 心 に よ り(500rpm5mln)崩 壊 させ 次 式 に よ り乳 化安 定 性 を 求 めた 。 ES=0.5T-X/0.5T×100(%) T:エ マ ル ジ ョ ン全 容 積(ml) ×:水 層 の 容 積(ml) 表5乳 醗 酵米粉 ,輝 砕乳液の米飯への使用 による撒 米飯の翫 縣 5.乳 酸 発 酵 米 磨 砕 乳 液 の 製 造 法7) 具 体 的 な 米 の 乳 酸 発 酵 法 は 図1の よ う に 行 う 。 原 料 玄 米 を 精 白 し洗 米 す る 。 洗 米 は 乳 酸 発 酵 中 に 異 常 発 酵 が 生 じ な い よ う に 、 精 白 米 に 付 着 す る 雑 菌 を 流 去 す る た め0・1瓢のMgC12 水 溶 液 で2回 洗 米 し 、 つ い で0.2%の ク エ ン 酸 水 溶 液 で2回 洗 米 す る 。 こ の 洗 米 法 で 米 に 汚 染 す る 細 菌 は 乳 酸 発 酵 に 支 障 の な い レベ ル に 低 減 す る 。 更 に ・0・5洲aC1水 溶 液 で 洗 米 し 米 に 付 着 す る 真 菌 類 を 除 く 。 洗 米 操 作 を 終 了 し た 米 は 、 加 熱 殺 菌 し た 後40℃ に 冷 却 し た 食 塩 水 も し く は 糖 液 を 仕 込 み 液 と し て 混 合 さ れ る 。 こ れ に 予 め 前 培 養 し た 乳 酸 菌 種 を106/mlに な る よ う に 添 加 、 密 封 す る 。 .これ を40℃ に て3日 間 発 酵 して 磨 砕 す れ ば 前 記 機 能 を を 有 す る 乳 醸 発 酵 米 磨 砕 乳 液 が え ら れ る 。 図1米 の 乳 酸 発 酵 フ ロ ーチ ャ ー ト 一81一

(4)

本技 術 は新 潟県 に お いて 特 許 出 願中 で ある 。

参 考 文 献 1)岡 田 憲 幸 、 醸 協 、87、9(1992) 2)二 国 二 郎 監 修 、 澱 粉 科 学 ハ ン ドブ ッ ク 、306(1980)朝 倉 3)北 原 覚 雄 編 、 乳 酸 菌 の 研 究 、507(1969)東 京 大 学 出 版 会 4)北 原 覚 雄 編 、 乳 酸 菌 の 研 究 、508(1969)東 京 大 学 出 版 会 5)鳥 越 崇 興 、 川 口 芳 文 、 板 橋 勝 彦 、 水 沢 孝 夫 、 特 許 公 報 、書公 開 昭55甲9756(1980) 6)江 川 和 徳 、 日 本 食 品 科 学 土 学 会 関 東 支 部 平 成7年 度 大 会 講 演 要 旨 集 、13(1995) 一82一

参照

関連したドキュメント

「 Platinum leaf counter electrodes for dye-sensitized solar cells 」 Kazuhiro Shimada, Md. Shahiduzzaman,

「 Platinum leaf counter electrodes for dye-sensitized solar cells 」 Kazuhiro Shimada, Md. Shahiduzzaman,

再生可能エネルギーの中でも、最も普及し今後も普及し続けるのが太陽電池であ る。太陽電池は多々の種類があるが、有機系太陽電池に分類される色素増感太陽 電池( Dye-sensitized

M…剛曰劉Ⅱ 、=3 2)TBAF 1)Bu3SnH ,鍼:苧 ace トトト 123 mm、 一一一一一一 111 ?99 bdf ●●●●。● nnn コ聿罰

主として、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開

株式会社 8120001194037 新しい香料と容器の研究・開発を行い新規販路拡大事業 大阪府 アンティークモンキー

SuperLig® 樹脂は様々な用途に合うよう開発された。 本件で適用される 2 樹脂( SuperLig®605 は Sr 、 SuperLig®644 は Cs 除去用)は Hanford Tank

発電機構成部品 より発生する熱の 冷却媒体として用 いる水素ガスや起 動・停止時の置換 用等で用いられる