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沖縄の植物を用いた子どものための染め物ワークショップに関する研究 : 就学前幼児のための造形染物プログラムの実践と考察: 沖縄地域学リポジトリ

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(1)

ムの実践と考察

Author(s)

佐久本, 邦華; 吉岡, 由恵; 東條, 公輝

Citation

沖縄キリスト教短期大学紀要(47): 111-132

Issue Date

2018-01-20

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/22187

Rights

沖縄キリスト教短期大学

(2)

沖縄キリスト教短期大学紀要第47号 (2018)

沖縄の植物を用いた子どものための染め物ワークショップに関する研究

~就学前幼児のための造形染物プログラムの実践と考察~

Dyeing Workshop Using Okinawan Native Plants for Children.

-Workshop and Consideration on Dyeing Native Plants for Preschool children-

佐久本邦華

1)

・吉岡 由恵

2)

・東條 公輝

3)

Kunika Sakumoto・Yoshie Yoshioka・Kimiteru Tojyo

要 約 本研究は、「保育所・保育園における沖縄の植物を用いた造形活動」についてのアンケート(2016年7月実施 )および「幼稚園における沖縄の植物を用いた造形活動」についてのアンケート(2017年6月実施) を基 に、「沖縄の自然の美しさを感じながら、かつ創造性を刺激できるような幼児のための造形プログラムの作成」を 目指し、ワークショップ経験豊富な公益財団法人沖縄こどもの国と、その地元の保育所の協力 を得ながら取り組 んだ2回(1回目:2016年10月、2回目:2017年7・8月)にわたるワークショップに関しての共同研究で ある。 は じ め に 1 .ワークショップ全体概要 2.第1回ワークショップ 2.1 第1回前半ワークショップ概要 2.2 第1回前半ワークショップアンケートおよび集計結果 2.3 第1回前半ワークショップアンケート結果の分析 2.4 第1回後半ワークショップ概要 2.5 第1回後半ワークショップアンケートおよび集計結果 2.6 第1回後半ワークショップアンケート結果の分析 2.7 第1回ワークショップについての考察とまとめ 3.第2回ワークショップ 3.1 第2回前半ワークショップ概要 3.2 第2回前半ワークショップ後のアンケートおよび集計結果 3.3 第2回前半ワークショップアンケート結果の分析 3.4 第2回後半ワークショップ概要 3.5 第2回後半ワークショップアンケートおよび集計結果 3.6 第2回後半ワークショップアンケート結果の分析 3.7 第2回ワークショップについての考察とまとめ 4.まとめ ―考察と課題― 参考・引用文献 【付録1】第1回ワークショップアンケート(2016年実施) 【付録2】第2回ワークショップアンケート(2017年実施)

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はじめに

子どもたちは生まれ育った土地と、そこに暮らす人々に育まれる。そして土地に根差した行 事や芸能、生みだされる音やリズム、紡ぎ出される言葉や響き、伝統工芸品や民芸品などから 目に飛び込んでくる色彩や文様などが、子どもたちの「感性」を形作っていく。このような視 点から、地域環境に根差した素材を用い、子どもたちの感性を育て、かつ創造性を刺激できる ような魅力的で楽しい造形プログラムを作成したいと考えた。そして沖縄の自然や文化的環境 がより子どもたちの身近なものとなるよう働きかけたいと思うに至った。 造形プログラムの作成に先立ち、幼児教育現場の現状を把握すべく2016年に保育所・保育園 を対象とした調査研究を、翌2017年には幼稚園を対象とした調査を実施した。2016年に行った アンケート調査(佐久本邦華,2017,沖縄県内保育所・保育園における地域に根差した造形教 育の取り組み,沖縄キリスト教短期大学紀要第45号,pp.63-77.)、および2017年に行ったアンケ ート調査(佐久本邦華,2017,沖縄県内幼稚園における地域に根差した造形教育の取り組み, 沖 縄キリスト教短期大学紀要第46号,pp.19-39.)では、保育所・保育園、そして幼稚園ともに 「ムーチーづくりやエイサーなど、沖縄に伝承されてきた祭祀や行事等を取り入れている」園 の割合は高かったが、「沖縄の植物を用いた昔ながらの玩具制作(ソテツの葉の虫かごや、ア ダ ンの葉で作る風車等)を取り入れている」園の割合はともに低かった。しかし昔ながらの玩具 制作を「過去に」取り入れたことがあると答えた園の割合は高く(保育所・保育園59.0%、幼 稚園54.3%)、技の継承が滞っている現状が伺えた。一方「落ち葉を用いた貼り絵や、大きな葉 を使ったお面づくり、身近な植物での色水遊びなど、沖縄の植物を用いた造形活動を取り入れ ている」園の割合は保育所・保育園では約半数、幼稚園では半数を超えたが、「身近な沖 縄の 植物を用いた「絞り染め」や「叩き染め」などの、染め物制作を取り入れている」園の割合は極 端に下がった。以下表1に両研究から得られた結果の一部を比較し示す。 表1 県内の保育所保育園および幼稚園に対するアンケート結果の比較 質 問 項 目 保育所・保育園 幼 稚 園 ムーチーづくりやエイサーなど、沖 縄に伝承されてきた祭祀や行事等を 取り入れている。 97.2% 82.7% 沖縄の植物を用いた昔ながらの玩具 制作(ソテツの葉の虫かごや、アダ ンの葉で作る風車等)を取り入れて いる。 11.1% 過去に取り入れたことが ある:59.0%) 12.7% 過去に取り入れたことが ある:54.3%) 落ち葉を用いた貼り絵や、大きな葉 を使ったお面づくり、身近な植物で の色水遊びなど、沖縄の植物を用い た造形活動を取り入れている。 49.0% 56.1% 身近な沖縄の植物を用いた「絞り染 め」や「叩き染め」などの、染め物 制作を取り入れている。 8.4% 12.1%

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地域の伝統行事を取り入れている園が多いことは幼児の感性を形作るよい経験となっている と思われる。しかし民芸や玩具の伝承が難しくなってきている現状は、沖縄の自然に宿る美に 触れる機会が減少しているということであり、危惧されるべき事柄である。アダンの葉などで 作る風車やソテツの葉の虫かごのような伝承玩具は人から人へと技を伝えるほうがうまくいく ことを実感する作業である。このような編組工芸・民芸などは写真付きのマニュアルがあって も制作が難しい。祖父母や地域のお年寄りに加え、保育士・幼稚園教諭自ら技を受け継ぎ、子 どもたちへと伝えていく必要があるのではないかと感じる。また身近な沖縄の植物を用いた「絞り 染め」や「叩き染め」を取り入れている園の割合は、さらに低い値を示した。しかし「絞り染め」 や「叩き染め」は、解説マニュアルがあれば比較的容易に作品を制作することができる。制作に必要 な用具は主にキッチンにあるものでまかなえる。伝承玩具制作よりも現場での取り入れが容易ではな いだろうか。 一方、落ち葉を用いた貼り絵や、大きな葉を使ったお面づくり、身近な植物での色水遊びなど、沖縄 の植物を用いた造形活動を取り入れている園の割合は半数近くあることがわかった。こうした自然遊びに 加え、簡単な草木染めを活動に取り入れることによって、より子どもたちの感性を育て、創造性を刺激し 、沖縄の自然や文化的環境がより幼児たちの身近なものとなるよう働きかけていきたい。

1.ワークショップ全体概要

第1回ワークショップは、2016年10月に2回に分けて実施した。前半は2016年10月12日午前 9時半~11半ごろまで。後半は、同月19日午前9時半~11半ごろまでである。 第2回ワークショップは、2016年7月と8月に分けて実施した。前半は2017年7月5日日午 前9時半~11半ごろまで。後半は同年8月2日午前9時半~11半ごろまでである。 ワークショップでは輪ゴムで縛ることで絞り模様をつける作業や、ハンマーを用いた作業が含 まれるため、ある程度手先が器用で、かつ腕力のある就学前4・5歳児を対象とした。

2.第1回ワークショップ

内容:前半ワークショップ(2016年10月12日実施)で講師が用意した布地にフクギによる絞 り染めを行い、後半ワークショップ(2016年10月19日実施)では、前半ワークショッ プで染めた布地に、幼児が採取した植物で叩き染めを行う。 目的:①子どもたちが、身近な植物を素材とした作品を制作することを通し、身の回りの自 然が多彩で多様であることを知る。②共同制作を通し、仲間意識や連帯感を高めなが ら、制作物が美術作品として昇華される過程を体感し、達成感を得る。

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2.1 第1回前半ワークショップ概要 表2 「第 1 回ワークショップ前半部分」 実施状況 前 半 2016年 10 月 12 日 9:30 – 11:30 タ イ ト ル 巨大パラシュート制作① ~フクギによる絞り染め~ 内 容 フクギの葉による絞り染め 準 備 ・フクギ、ハイビスカス、ブルーベリー、ヨモギ、赤土の実物と、それら で染めた実物 ・フクギの葉 ・ミョウバン、石灰、輪ゴム、タライ、ザル、菜箸、寸胴鍋、電気コンロ ね ら い ・身近な植物から美しい色が生まれ、染物ができることを学ぶ。輪ゴムを 用いて模様が染められることを学ぶ。 ・共同作業で仕上げた作品を遊具として用いることにより、友達との交流 経験を豊かにする。 参 加 園 沖縄市立胡屋あけぼの保育所4・5歳児 18 名、引率保育士3名 その他参加者 沖縄こどもの国職員1名 流 れ 導入:ハイビスカス、赤土、フクギ、ヨモギなどで染めた布を見せる。い ろいろなもので染められることを伝える。(各見本を用意) 展開: 1)園児がフクギの葉をハサミで刻み、鍋に入れ煮沸させる。染液を作っ ている間にパラシュートを輪ゴムで1人3か所以上縛る。 2)縛ったものを染める。浸染(30 分)→ミョウバン水(5分)→石灰水(5 分)、浸染(10 分)→ミョウバン水(5分)→石灰水(5分)、最後に すすぎで終わり。 まとめ:すすぎまで終わったら脱水し、外に出て布の両端を持ち、風にあ おって風を感じる。乾かしながらみんなでパラシュート遊びをし て風を感じる。音楽にのせて、ハンドルを持って歩いたり走った り、または膨らませたり、パラシュートの中に隠れたりして、染 めた布の色と匂いを感じながら遊ぶ。 ※まとめについて。色の染め付きが弱く、時間外で浸染処理を再度行った ため、まとめは実施できないまま終了となった。 様 子 写真1:子どもたち自身で絞り 写真2:保育士が縛りを確認する 染め模様のための縛りを行う 写真3:染液の中に布を入れる

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2.2 第1回前半ワークショップアンケートおよび集計結果 引率である3名の先生方からの回答は以下の通りとなった。 表3 前半アンケートと集計結果 。 活動名:「巨大パラシュート制作①」~フクギによる絞り染め~ Q.1 先生(アンケートを答えて下さっている先生)は染め液に浸して染める「浸染」を体験 したことはありますか? 1.はい 0名 2.いいえ 3名 無回答 0名 Q.2 今回フクギの葉を使った浸染は楽しかったですか? 1.はい 3名 2.まあまあ 0名 3.いいえ 0名 無回答 0名 Q.3 子どもたちは楽しんでいるようでしたか? 1.はい 3名 2.まあまあ 0名 3.いいえ 0名 無回答 0名 Q.4 フクギの葉で染められることを知っていましたか? 1.はい 1名 2.いいえ 2名 無回答 0名 Q.5 フクギの浸染は簡単だと感じられましたか? 1.はい 2名 2.まあまあ 0名 3.いいえ 1名 無回答 0名 Q.6 問5で(2.まあまあ)もしくは(3.いいえ)と答えた先生方へ。また、どのあたり が難しい(改良したほうが良い)と思われましたか? ・子どもたちにとって輪ゴムでしばる作業が大変。 ・葉にかぶれそう。 ・熱湯を使うのが安全性の面で気になる。例えば園で行う場合は、個人のいすに座って見る など、環境設定を工夫すれば安全面は問題なく出来ると思います。 ・フクギの葉の量により、染まり方や色の濃さに違いがあるのではないかと感じた。 Q.7 子ども向けでカラー写真入りの、染め制作マニュアル本のようなものがあれば、園でも 取り入れてみたいと思いましたか? 1.はい 1名 2.まあまあ 1名 3.いいえ 0名 無回答 1名 Q.8 全体の時間配分はどのように感じられましたか? 1.短い 0名 2.適度である 3名 3.少し長い 0名 4.長い 0名 Q.9 そのほか、お気づきの点があればご記入いただけると嬉しいです。是非、今後の研究活 動の参考にさせていただきます。 ・沖縄の自然に触れ散策しながら、子どもたち自ら葉を採取するということで、フクギの木 の葉の形を知り、他の植物に関心を深められたのではないかと思いました。 ・フクギの木の下で紙芝居を読むことで、「こどもの国の精霊」※ をイメージでき、「見た い、会いたい」期待へとつなげられたと思います。 ・今回すごく良い体験をさせていただきました。時間的に余裕があれば、フクギの葉をとる ところからやってみたかったです。たまたまこどもの国からの帰り道でフクギ並木があり 、落ち葉で気づいた子がいましたが、実際にフクギから葉をつむ作業を経験できればなお よかった気がしました。 ・今回、ワークショップへの参加は子どもたちにとっても私にとっても貴重な体験となりま した。どうもありがとうございました。 ・大きな布は玄関に広げて展示し、保護者の方にも見てもらっています。 ※当日はこどもの国を題材にした「こどもの国の精霊」という絵本の読み聞かせを行った

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2.3 第1回前半ワークショップアンケート結果の分析 Q.1「先生(アンケートを答えて下さっている先生)は染め液に浸して染める「浸染」を体験 したことはありますか?」では、3名すべての先生が「いいえ」と答えた。あらためて浸染が あまり浸透していない現状が分かる結果であった。Q.2「今回フクギの葉を使った浸染は楽しか ったですか?」およびQ.3「子どもたちは楽しんでいるようでしたか?」では、3名すべての先 生方が「はい」と回答しており、先生も子どもたちも浸染を楽しんでいる様子が伺えた。 Q.4「フクギの葉で染められることを知っていましたか?」では、3名中2名の先生が「いいえ」と 答えており、フクギを含め様々な植物で染物が出来るという理解を広げる必要性を感じた。 Q.5「フクギの浸染は簡単だと感じられましたか?」では、1名の先生が「いいえ」と答えて おり、その理由としてQ.6で「子どもたちにとって輪ゴムでしばる作業が大変」と回答している 。4・5歳児にとって、輪ゴムを何回も巻き付けて縛る作業は確かに難しいようであった。一方、 丁寧に縛り方を教えていくと、縛る作業が出来るようになる子どもたちが増え、できた子ができな い子へ教えるという「教え合い」の姿が見られ、子どもたちの心の育ちが見えた。これは「協働性 の現れ」と捉えることができる。そして“どうしたら上手に縛れるだろう”と考え工夫することは 「思考力の芽生え」にもつながったのではと感じた。しかし園児だけで縛り作業を行うと絞りがど うしても甘くなるため、最終的な縛りの確認を保育者側で行った。 Q.6「どのあたりが難しい(改良したほうが良い)と思われましたか?」のその他の回答とし て「葉にかぶれそう」、「熱湯を使うのが安全性の面で気になる」という回答もあった。木の葉に関 しては、葉の採取時に樹液が出てくるので多少かぶれる心配はあるが、フクギに関しては過去のワー クショップでかぶれる報告を受けたことがなく、今回も大丈夫であろうという判断であった。しかし 皮膚の弱い園児に関しては手袋の着用など、今後配慮が必要と思われる。熱湯を使うことに関しては 「環境設定を工夫すれば安全面は問題なく出来ると思います」と解決策を提示いただき、今後の課題と なった。また、「フクギの葉の量により、染まり方や色の 濃さに違いがあるのではないかと感じた。」 という記述があり、毎回むらなく濃く染めること が難しいのではないか、といった印象を受けたようで あった。植物は季節により、また採取した場所により染め液の色の出に違いが出てくるものである。花が 咲き実をつける前と後で色素の含有量が異なり、毎回同じ分量で同じように染まるということはない。そ れが自然環境というものなので、そのことはあらかじめ伝えておく必要があるかもしれない。沖縄こども の国の吉岡からは、そのままの布だと思ったより発色が弱く、子どもたちが(色を)鈍く感じる。あらか じめ布に濃染剤(炭酸カルシウム)で下処理をし、発色が出やすいようにしたほうが子どもたちには分か りやすいのではないだろうか、という指摘があった。第2回目のワークショップではぜひ改善したい点で あった。 Q.7「子ども向けでカラー写真入りの、染め制作マニュアル本のようなものがあれば、園でも 取り入れてみたいと思いましたか?」では「はい」と「まあまあ」という回答が一人ずつとな り、比較的肯定的な結果となった。Q.8「全体の時間配分はどのように感じられましたか?」で は三名の先生方ともに「適度である」と答えており、第2回ワークショップもこのような時間 配分で進めていくこととした。 Q.9では、フクギの葉を子どもたち自身で摘ませたほうがよかったという意見が2名の先生 方から聞かれた。そのほうがより作品と自然とのつながりが意識できることになると考えられ る。第2回のワークショップでの取り入れを検討したい。

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2.4 第1回後半ワークショップ概要 表4 「第 1 回ワークショップ後半部分」 実施状況 、 後 半 2016年10月19日 9:30 – 11:30 タ イ ト ル 巨大パラシュート制作② ~公園の植物を用いた叩き染め~ 内 容 前半で染めた布地に叩き染めを行う 準 備 ・ハンマー、ビニール、ベニヤ板 ね ら い ・ハンマーで葉を布に打ち付けることによって、葉の形や色がそのまま転 写される面白さを知り、叩き染めを楽しむ。 ・身近な植物の色と形の多様性を知る。 ・共同作業で仕上げた作品を遊具として用いることにより、友達との交流 経験を豊かにする。 参 加 園 沖縄市立胡屋あけぼの保育所4・5歳児18名、引率保育士2名 その他参加者 沖縄こどもの国職員1名 流 れ 導入:一つの葉で叩き初めの実演をする。ハンマーで葉を布に打ち付ける ことによって、葉の形や色がそのまま転写される工程を知る。 展開: 1)叩き染めのために中央公園を散策し、染められそうな植物を1人5枚 程度採集する。植物の解説も交えながら、身の回りにある植物の形色 の多様性に触れ、興味関心を高める。 2)建物内に戻り、ハンマーの扱い方をこどもの国の職員に指導してもら う。 3)ベニヤ板の上に布を敷き、自分の摘んできた葉を置き、ビニールをか ぶせ、ハンマーで叩き、葉の形と色を染め付ける。 まとめ:パラシュートは園へプレゼントする。 様 子 写真4:中央公園で植物採集する園児たち 写真5:屋内へ戻り、前半ワークショップで 染めた布に叩き染めを行う 写真6:ひとり2、3種類ずつ叩き染めを行う 写真7:筆者が中央公園で採取した葉を 叩き染めたもの

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2.5 第1回後半ワークショップアンケートおよび集計結果 表5 後半ワークショップアンケート質問項目 。 2.6 第1回後半ワークショップアンケート結果の分析 引率である2名の先生方からの回答は以下の通りとなった。 Q.1、Q.2、およびQ.4から、叩き染めの技法は知っているが、体験したことはない。しかし 今回の体験は楽しかったという回答があり、叩き染めは大人が参加しても楽しいプログラムで あることが分かった。Q.3「子どもたちは叩き染めを楽しんでいるようでしたか?」の設問に 先生方2人とも「はい」と答えていただいており、子どもたちも楽しんでいたことが分かる。 Q.6およびQ.7の結果から、中央公園での散策を兼ねての材料集めが楽しそうであったことが 分かるが、よく見かける植物について解説はあったほうが良かったという回答であった。楽し い経験が知識と繋がるよう、講師自身の事前学習や、職員への解説依頼が必要であったと思 活動名:「巨大パラシュート制作②」~摘んできた葉で叩き染め~ Q.1 叩き染めという技法を知っていましたか? 1.はい 2名 2.いいえ 0名 無回答 0名 Q.2 叩き染めを体験したことはありますか? 1.はい 0名 2.いいえ 2名 無回答 0名 Q.3 子どもたちは叩き染めを楽しんでいるようでしたか? 1.はい 2名 2.まあまあ 0名 3.いいえ 0名 無回答 0名 Q.4 叩き染めは簡単だと感じられましたか? 1.はい 2名 2.まあまあ 0名 3.いいえ 0名 無回答 0名 Q.5 問4で(まあまあ)もしくは(いいえ)と答えた先生方へ。どの辺が難しい、もしくは 改良したほうが良いと思われましたか? 回答なし Q.6 中央公園での散策は子どもたちは楽しそうでしたか? 1.はい 2名 2.いいえ 0名 無回答 0名 Q.7 中央公園でよく見かける植物について解説はあったほうが良かったと思われますか? 1.はい 2名 2.いいえ 0名 無回答 0名 Q.8 カラーのマニュアルのようなものがあれば、園でも取り入れてみたいと思いましたか? 1.はい 2名 2.まあまあ 0名 3.いいえ 0名 無回答 0名 Q.9 全体の時間配分はどのように感じられましたか? 1.適度である 2名 2.少し長い 0名 3.大幅に長い 0名 Q.10そのほか、お気づきの点があればご記入いただけると嬉しいです。是非、今後の研究活 動の参考にさせていただきます。 ・完成した布でパラシュート遊びまで紹介していただけると良かった。 ・葉の種類により染まりの良い葉を教えてもらうと良い。 ・力加減できれいに葉の形が転写されることに驚き、子どもたちは興味を示していたので、A4 サイズで一人一人の作品となれば叩き染めワークショップに参加した思い出製作になった。 ・毒性のある植物について事前に子どもたちに知らせることができればいいなと感じました ・植物の下調べや、ハンマーの安全な使い方の説明の必要性を感じました。

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う。次回からの課題である。 Q.8「カラーのマニュアルのようなものがあれば、園でも取り入れてみたいと思いましたか ?」において、先生方二人ともに「はい」と答えていただいた。今後マニュアルの制作にとり かかりたい。 Q.9の回答から、ワークショップ活動時間は適切であったと思われる。第2回目のワークシ ョップでも同様の時間構成で行うこととする。 Q.10の記述欄では、パラシュート遊びまで展開して欲しかったという記述があった。次回 パラシュート制作を行う際にはぜひ実現したい。しかし今回のアンケートで「A4サイズで一 人一人の作品となれば叩き染めワークショップに参加した思い出製作になった。」という意見 があった。確かに小さな作品であれば各自作品を家に持ち帰り、家族とワークショップについ て話をする機会を作り出すことができるだろうと考えられる。したがって、第2回ワークショップ では主にA4サイズの作品制作を試みることとした。 2.7 第1回ワークショップについての考察とまとめ ワークショップ実践とそのアンケート結果から、教材としての浸染と叩き染めの可能性を十 分に知ることができた。現場で簡単に取り入れられるよう今回課題に挙がった点を修正しなが ら第2回ワークショップを企画したいと思う。沖縄こどもの国の吉岡と東條からは、叩き染め に関して琉球藍やソメモノカズラなどのわかりやすいものを準備して、自分で採ってきた植物 と比べても楽しいと思うという意見や、毒のある植物などは、怖がらせすぎないように状況に 応じて子どもたちに説明したほうが良いのではという意見があがった。次回は琉球藍など、染 物に適した植物を取り入れることで、他の植物との違いを感じさせたいと思う。また、かぶれ の恐れのある植物なども、職員に説明を加えてもらいながら、安心して植物採取ができるよう、配 慮したい。

3.第2回ワークショップ

第2回ワークショップは、以下の点に修正を加え行うこととなった。 ①浸染、および叩き染めにおいて、個人で作品を完成し持ち帰れるハンカチや、A4サイズの エコバッグの製作とした。 ②浸染において、フクギの葉を採取するところからワークショップに取り入れるため、場所を ふるさと園へと移した。 ③叩き染めにおいて、散策前に引率の先生方に対し、かぶれる草花があること、そこでは説明 を加えることを伝えることとした。 内容:前半ワークショップ(2017年7月9日実施)で講師が用意したガーゼハンカチにフクギ による絞り染めを行い、後半ワークショップ(2017年8月2日実施)では、園児が採取 した植物を使ってA4サイズの無地エコバッグに叩き染めを行う。 目的:①子どもたちが身近な植物を素材とした作品を制作することを通し、身の回りの自然が 多彩で多様であることを知る。②制作物が美術作品として昇華される過程を体感し、達 成感を得る。

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3.1 第2回前半ワークショップ概要 表6 「第2回ワークショップ前半部分」 実施状況 。 前 半 2017年 月5日 9:30 – 11:30 タ イ ト ル 染めてみよう!① 内 容 フクギの葉による絞り染めで、ガーゼハンカチを制作する。 ね ら い ・身近な植物から美しい色が生まれ、染物ができることを学ぶ。 輪ゴム を用いて模様が染められることを学ぶ。 ・絞り染めを用いて、自分だけのオリジナルハンカチを制作し、日常で使 うことに喜びを感じる。 参 加 園 沖縄市立胡屋あけぼの保育所4歳児13名、5歳児7名、引率保育士3名 その他参加者 沖縄こどもの国職員1名、補助2名、カメラマン1名 流 れ 導入: ヨモギ、月桃、フクギなどで染めた布を見せる。いろいろなもので染 められることを伝える。(各見本を用意) 展開: 1)フクギの木から、園児1人1~2枚ずつフクギの葉を採取し、ハサミ で細長に切り洗濯ネットへ入れ、鍋に入れ煮沸させる。 2)染液を作っている間に名札の付いたガーゼハンカチを配布し、絞り模 様のための縛り方のお手本を見せる。その後園児がビー玉と輪ゴムゴム で自分のハンカチを数か所縛り、絞り染めの模様作りにチャレンジする (最後に保育士と補助で、縛りが弱い部分の確認をし、強く縛る。) 2)縛ったものを染める。浸染(30分)→ミョウバン水(5分)→石灰水 (5分)、浸染(10分)→ミョウバン水(5分)→石灰水(5分)、最 後にすすぎで終わり。 3)すすぎまで終わったら手で脱水し、輪ゴムとビー玉を外す。 まとめ:お互いの作品を鑑賞し合い、記念写真を撮る。 様 子 写真8:フクギの葉の採取 写真 10:ビー玉と輪ゴムを使っ てガーゼを数か所縛る 写真9: フクギの葉をハサミで細長く刻む

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前 半 2017年7月5日 9:30 – 11:30 様 子 写真 11:浸染と媒染の過程 を2回繰り返す 写真 12:すすぎ後、輪ゴムとビー玉を外す 写真 13:完成 3.2 第2回前半ワークショップ後のアンケートおよび集計結果 表7 「第2回ワークショップ前半部分」 実施状況 染めてみよう!① 浸染(しんぜん)アンケート(7月5日実施ワークショップ)回答数3 1.染め液に浸して染める「浸染」を体験したことはありましたか? 1.はい 2名 2.いいえ 1名 無回答 0名 2.ふくぎの浸染は楽しかったですか? 1.はい 3名 2.まあまあ 0名 3.いいえ 0名 無回答 0名 3.子どもたちは楽しんでいるようでしたか? 1.はい 3名 2.まあまあ 0名 3.いいえ 0名 無回答 0名 4.フクギの葉で染められることを知っていましたか? 1.はい 0名 2.いいえ 3名 無回答 0名

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染めてみよう!① 浸染(しんぜん)アンケート(7月5日実施ワークショップ)回答数3 5.フクギの浸染は簡単だと感じられましたか? 1.はい 2名 2.まあまあ 1名 3.いいえ 0名 無回答 0名 6.問5で(2.まあまあ)もしくは(3.いいえ)と答えた先生方へ。どのあたりが難しい(改 良したほうが良い)と思われましたか? ・葉にかぶれそう。 ・熱湯を使うので安全性の面で気になる。熱湯がすぐ近くにあったので気になりました。「触れ ないでね」の声かけも大事ですが、大きな鍋一つに沸かし、離れたところで見せるのも良かっ たかなと思いました。 7.カラーの写真や、イラスト入りのマニュアルなどがあれば、園でも取り入れてみたいと 思いましたか? 1.はい 3名 2.まあまあ 0名 3.いいえ 0名 無回答 0名 8.全体の時間配分はどのように感じられましたか? 1.短い 0名 2.適度である 0名 3.少し長い 4.大幅に長い 1名 2名 【その他、浸染に関するご意見・ご要望】 ・とても長く感じました。 3.3 第2回前半ワークショップアンケート結果の分析 Q.1、Q.2、Q.4の結果から、今回引率の先生方は浸染を体験したことはあるが、フクギの葉で 浸染ができることは知らなかったようだ。しかし、浸染の作業は楽しかったことがわかる。ま たQ.3の結果から、子どもたちも同様に浸染を楽しんでいたことが伺える。今後も様々な植物で 染められることを現場に伝えていきたいと思う。 Q.5「フクギの浸染は簡単だと感じられましたか?」では、「はい」という回答が2名、「まあ まあ」が1名であった。「まあまあ」と回答した先生は添え書きとして、「大人としては簡単、子ども としてはまあまあ」とのことであった。大人の適切な援助があれば大丈夫であると考えられる。 Q.6の改善点では、第1回目のワークショップと同様、沸騰した鍋が子どもたちの近くにあった のが心配だったようだ。寸胴鍋のサイズが小さいため、子どもたちに見てもらおうとするとどうし ても距離が近くなってしまった。ガス釜を用意し、シンメー鍋(大鍋)などで染め、園児には離れ た場所で見てもらう、さらに十分な数の大人を常に鍋のそばに配置しておくといった配慮が必要と なる。設備・備品・人員の面で今後とも課題が多い部分である。 Q.7では、改めて現場で使える草木染マニュアルの作成の必要性が感じられる結果となった。 すぐに取り組んでいきたい。 Q.8では、7月の暑い中、屋外での浸染ワークショップということで、長く感じられた先生 が多かったようだ。開催時期について配慮してほしいとの声が聞かれた。子どもたちが熱中症 にならないか心配されるほどの暑さであった。次回はぜひ涼しい時期に開催したいと思う。

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3.4 第2回後半ワークショップ概要 表8 「第2回ワークショップ後半部分」 実施状況 後 半 2017年8月2日 9:30 – 11:30 タ イ ト ル 染めてみよう!② 内 容 A4サイズのエコバックへの草葉を用いた叩き染め ね ら い ・ハンマーで葉を布に打ち付けることによって、葉の形や色がそのまま転 写される面白さを知り、叩き染めを楽しむ。 ・転写することで改めて草や葉の形を見つめ直し、身の回りの自然が多彩 で多様であることを知る。 ・自分で収集した葉を用いてオリジナルの作品を制作することを通し、作 る楽しさや喜びを味わう。 参 加 園 沖縄市立胡屋あけぼの保育所4歳児13名、5歳児7名、引率保育士4名 その他参加者 沖縄こどもの国職員1名、補助1名、カメラマン1名 流 れ 導入:一つの葉で叩き初めの実演をする。ハンマーで葉を布に打ち付ける ことにより葉の形や色がそのまま転写される工程を知る。引率の先生 には、かぶれる葉のある場所では随時説明を加える旨を伝えておく。 展 開 : 1 )中央公園を散策し、叩き染めで染められそうな植物を1人5枚程度採 集する。職員による植物の解説も交えながら、身の回りにある植物の 形、色の多様性に触れ、興味関心を高める。 2)ふるさと園敷地内に戻り、ハンマーの扱い方をこどもの国の職員に指 導する。 3)地面の上にエコバックを敷き、自分の摘んできた葉を置き、ビニール をかぶせ、ハンマーで叩き、葉の形と色を染め付ける。 4)ミョウバン水に浸し、発色・定着処理を行う。 まとめ:お互いの作品を鑑賞し合い、記念写真を撮る。 様 子 写真14:草や葉を採取する 写真16:慣れてきたら自分で2枚目、 3枚目を叩き染める 写真15:先生の指導を受けながら ハンマーを使って叩いてみる

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後 半 2017年8月2日 9:30 – 11:30 様 子 写真17:叩いて染めつけた後に、 写真18:完成 媒染処理を行う 3.5 第2回後半ワークショップアンケートおよび集計結果 表9 「第2回ワークショップ後半部分」 実施状況 染めてみよう!② 叩き染めアンケート(8月2日実施ワークショップ)回答数4 1.叩き染めという技法を知っていましたか? 1.はい 0名 2.いいえ 4名 無回答 0名 2.叩き染めを体験したことはありますか? 1.はい 0名 2.いいえ 4名 無回答 0名 3.叩き染めは楽しかったですか? 1.はい 4名 2.まあまあ 0名 3.いいえ 0名 無回答 0名 4.子どもたちは叩き染めを楽しんでいるようでしたか? 1.はい 4名 2.まあまあ 0名 3.いいえ 0名 無回答 0名 5.叩き染めは簡単だと感じられましたか? 1.はい 4名 2.まあまあ 0名 3.いいえ 0名 無回答 0名 6.問5で(2.まあまあ)もしくは(3.いいえ)と答えた先生方へ どの辺が難しい(改善したほうが良い)と思われましたか? 回答なし 7.ふるさと園での散策は、子どもたちは楽しそうでしたか? 1.はい 4名 2.いいえ 0名 無回答 0名 8.ふるさと園での職員さんによる植物の解説は良かったですか? 1.はい 3名 2.まあまあ 1名 3.いいえ 0名 無回答 0名 9.かぶれたり、毒のある植物についての事前説明はもっと詳しいほうが良かったですか? 1.はい 4名 2.まあまあ 0名 3.いいえ 0名 無回答 0名 10.カラーの写真や、イラスト入りのマニュアルなどがあれば、園でも取り入れてみたいと 思いましたか? 1.はい 4名 2.まあまあ 0名 3.いいえ 0名 無回答 0名

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染めてみよう!② 叩き染めアンケート(8月2日実施ワークショップ)回答数4 11.全体の時間配分はどのように感じられましたか? 1.少し短い 0名 2.適当な長さである 4名 3.少し長い 0名 4.大幅に長い 0名 【その他、叩き染めに関するご意見・ご要望】 ・かなづちの大きさが大小あり、大きいかなづちを使っている園児は、しばらくすると「重 い」と行っていた。人数分、小さなかなづちがあるといいです。 ・葉の輪郭やぼやけ具合は、あれはあれで味があり、素敵な作品になったと思います。 3.6 第2回後半ワークショップアンケート結果の分析 今回の引率の先生方4名からアンケートの回答を得た。 Q.1、Q.2、Q.3から、叩き染めという技法については知っていても、体験したことはない、し かし叩き染めが楽しかったという結果であった。またQ.4から子どもたちも楽しんでいる様子が うかがえた。これは第1回ワークショップの時と同様の反応であり、やはり大人も子どもも楽 しめるプログラムであるということが改めてわかる結果となった。 Q.5から、叩き初めが簡単だと感じられたことが分かったが、アンケート最後の記述欄では 「かなづちの大きさが大小あり、大きい金槌を使っている園児は、しばらくすると「重い」と 言っていた。人数分、小さなかなづちがあるといいです。」という記述があった。試行錯誤で2、3種 類のかなづちを購入したが、子どもたちに合ったあったサイズのかなづちが人数分揃っていなかった。 今回の反省点である。 Q.7から、園児が沖縄ふるさと園周辺の散策を楽しんでいた様子がわかる。また、職員による 植物解説もよかったという回答が多かった。しかし講師自身の学習の必要性も感じられた。ま た、Q.9「かぶれたり、毒のある植物についての事前説明はもっと詳しいほうが良かったですか ?」の質問に4名全員が「はい」と答えている。必要以上に怖がらせたくはなかったのだが、 やはり「かぶれる」という言葉にとても反応している様子が伺えた。引率の先生方への事前学 習も、ある程度時間をとって行う必要があるかもしれないと感じた。 Q.10「カラーの写真や、イラスト入りのマニュアルなどがあれば、園でも取り入れてみた いと思いましたか?」では4名全員に「はい」と答えていただいており、前半の浸染ワークショップと同 様、現場で使えるマニュアルの必要性を感じた。 3.7 第2回ワークショップについての考察とまとめ 第1回目のワークショップで出た反省点を基に第2回ワークショップを行った。浸染ではフ クギの葉を自分たちで採取するように変更し、ガーゼハンカチやA4サイズのエコバックにす るなど改良した点もあったが、まだ課題も多い。 浸染について、フクギの葉を自分たちで採取し染めるという工程は、植物が染め液へ、そし て作品へという繋がりが見られたという点でとても良かったと思う。身の回りの自然について の見方が一つ深まったのではないだろうか。ただ、「染め液→ミョウバン液→石灰水」の順序を 説明する際、石灰の粉を園児の目の前で水に溶かし入れたのだが、石灰は強いアルカリ性である ため、本来は園児から距離を置き、粉が目などに入らないよう配慮すべきであった。石灰の粉は

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点から今後はもう少し距離を置くか、あらかじめ水に溶かしておくようにしたい。 叩き染めに関しては、当初は沖縄ふるさと園屋内で長テーブル上にベニヤ板を置き、生地と 植物との間にサンドペーパーを敷き、ハンマーで叩いて染め付ける予定であったが、畳間の机 上にベニヤ板とサンドペーパーだけではうまくハンマーの力が伝わらず、上手に染め付けられ なかった。急きょ屋外の地面で行うこととなったが、屋外の石畳は琉球石灰岩で凹凸が多く、 コンクリート上で行うような鮮やかな輪郭が出ず、想像していたより輪郭がぼやけてしまい子 どもたちに申し訳ない思いであった。子ども用には木槌を使うなど工夫が必要である(吉岡) という意見もいただいた。ハンマーに関してその種類と特性、叩き染めに用いる際の向き・不 向き、場所との相性(机上で行うのか、コンクリート地面で行うのか)など改善が必要である。 さらに、せっかく持参した琉球藍を取り入れることも失念してしまい、染物に用いられる植物 の出す色と、その他の植物の出す色の違いを伝えることができなかった。重ねて残念である。 また叩き染めに用いる植物については、かぶれを気にする保育士も多かったので、今後は樹木 の葉ではなく、かぶれる心配の少ないタンポポやシロツメクサの葉などの身近で、小さく、染 付にあまり力のいらない草葉を勧めることを検討したい。

4.まとめ ―考察と課題―

沖縄の自然や文化的環境が、より子どもたちの身近なものとなるよう働きかけることができ る造形プログラムを作成することを目指し、今回のワークショップは行われた。毎回ハプニン グも多かったが、園児の心の成長が伺える場面にも立ち会えた。そして園児と直接関わること でたくさんの気づきが得られた。また現場の保育士の先生方とも意見を交換できる貴重な機会 でもあった。保育士・幼稚園教諭養成課程においては、今後保育・教育実習がさらに重要視さ れる。保育士・幼稚園教諭養成校は現場や地域社会とつながりをもち、意見交換を通して保育 課題を共有し、解決へと向かう姿勢が求められている。そのためにも今後も地域の施設、保育 所・保育園、幼稚園や認定こども園、そして保育士・幼稚園教諭養成校というつながりを大事 にしていきたい。 制作に関しては、第2回ワークショップにおいて持ち帰りができる作品を制作するというこ とでハンカチやA4サイズのエコバックを用いたが、造形美術はやはり大きくダイナミックな ものほど子どもたちの心を解放しやすいのではないかと感じた。相手のことを考えグループワ ークができるようになる4・5歳児だからこそできるような草木染めワークショップの形も今 後は模索したい。ただ、大きな作品となると後々作品の保存に困るので、サイズに関してはま だまだ検討が必要である。もちろん、持ち帰りのできる作品の良さもあった。持ち帰りサイズ の作品はプログラム全体の導入と位置づけし、小作品から大作品へと展開していくワークショ ップの企画等についても考えていきたい。 小さな作品を導入として用いるという点では、吉岡、東條ともに同意見であったが、「身近 な自然とかかわる」ことを目的とするのであれば、叩き染め以外にも植物観察などを通して身 近な植物に興味を持ってもらい、さらに楽しんでもらう、そういう“楽しかった”という体験 を入り口として提供できればよいのではないかという意見があがった。“楽しかった”体験から 得た知識を利用して、何か次のことをしようとするのはもう少し後の学齢になるのではないか。 例えば、植物染料にこだわらなければ、インクでの葉脈スタンプ制作活動ができる。布用インク を使えば葉脈スタンプで染め物もできる。はがきや栞、ハンカチやTシャツ制作を通し

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て植物に興味を持たせ、その後草木染めへと展開することも考えられる。“楽しかった”とい う気持ちとともに興味付けをすることに対して意識を向けてはどうだろうか、という意見であ った。 またワークショップの時間について、90分や120分という時間は4・5歳児にとっては長い のではないかという意見も出た。集中力が持続しない子どもたちが出てくると、保育士はそち らに手を取られてしまう。そのことを考えるともう少し短い時間が適切ではないだろうか。た だ、途中で絵本の読み聞かせを取り入れたときには子どもたちの集中力が再度高まるのを実感 したので、開催時間が長めになるのであれば、途中で一度絵本の読み聞かせや手遊びなどの気 分転換をすることでワークショップ継続が可能になると思う、という意見であった。 最後に危険な植物の周知についてであるが、保育士側の不安を考慮すると、保育士へ植物に 対するオリエンテーションの時間と場を設け、不安を軽減する必要性があるかもしれないとい う意見で一致した。もしくは植物に詳しい施設職員を活用するなどの方法があるという提案も あった。しかし一方で危険なものを全て遠ざけるだけではなく、経験して後に危険であること を知ることも大事だという意見もあった。安全性を確保することと、経験を通して危険を知る こととの折り合いをどうつけてゆくのか課題である。 沢山の課題と発見があり、大変実りのあるワークショップであった。今回出てきた課題につ いて考えながら、今後の活動の展開について考えていきたい。

謝 辞

最後に、暑い中2回のワークショップに参加し協力していただいた沖縄市立胡屋あけぼの保 育所4・5歳児の子どもたちと保育士の皆さんに深く感謝したい。また今回の研究は、公益財 団法人沖縄こどもの国職員との共同研究であり、ワークショップ経験豊富な職員の目線から意 見を取り入れることができ、非常に実り多いものであった。今後も養成校、地元の施設、そし て幼児教育の現場との連携のもとに、様々な試みを行っていきたい。 1) 沖縄キリスト教短期大学、2) 公益財団法人沖縄こどもの国、3) 公益財団法人沖縄こどもの国

【参考文献】

1.佐久本邦華,2017,沖縄県内保育所・保育園における地域に根差した造形教育の取組み~ 身近な植物を用いた造形や染め織りの実践に関しての調査~,沖縄キリスト教短期大学紀 要第45号,pp.63-77,沖縄キリスト教短期大学 2.佐久本邦華,2017,沖縄県内保育所・保育園における地域に根差した造形教育の取組み~ 身近な植物を用いた造形や染め織りの実践に関しての調査~,沖縄キリスト教短期大学紀 要第46号,pp.19-39,沖縄キリスト教短期大学 3.佐藤寛之・新垣志保・吉岡由恵・杉尾幸司,2013,身近な自然を題材にした草木染めワー クショップの開催 -社会人向け生涯学習プログラムの一例- 琉球大学教育学部紀要第 83号,pp.49-54,琉球大学. 4.村田浩子著,2013,子どもと楽しむ染め時間! ~つくって四季を感じよう~ かもがわ出版. 5.高山静子著,2017,学びを支える保育環境づくり:幼稚園・保育園・認定こども園の環境

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6.井上美智子・無藤隆・神田浩行編著,2010,むすんでみよう子どもと自然 ―保育現場で の環境教育実践ガイド― 北大路書房.

7.Mariah Bruehl著,2011,Playful Learning –Develop Your Child’s Sense of Joy and Wonder-, Roost Books. 8.小串里子,2011,みんなのアートワークショップ ―子どもの造形からアートへ― 武蔵 野美術大学出版局. 10.山下久美監修,2012,フレーベルの図鑑ナチュラふしぎをためす図鑑,フレーベル館. 11.沖縄生物教育研究会編著,2014,フィールドガイド沖縄の生きものたち改訂版,新星出版 株式会社. 12.安里肇栄著,2013,おきなわの山の花さんぽ,ボーダーインク. 13.沖縄県立博物館・美術館編集・発行,2010,ものづくり今昔 ―自然の恵みを活かす― 14.松本道子著,2011年,楽しんで、ナチュラル染色 ―子どもも一緒に楽しめる染色の本― 学校法人文化学園文化出版局.

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【付録1】第1回ワークショップアンケート(2016年実施) 活動名:第 1 回ワークショップ 「巨大パラシュート制作① ~フクギによる絞り染め~」 1 . 先生( アンケートを答えて下さっている先生) は染め液に 浸して染める「浸染(しんせん)」を体験したことは ありますか? 1.はい 2.いいえ 2.今回フクギの葉を使った浸染は楽しかったですか? 1.はい 2.まあまあ 3.いいえ 3.子どもたちは楽しんでいるようでしたか? 1.はい 2.まあまあ 3.いいえ 4.フクギの葉で染められることを知っていましたか? 1.はい 2.いいえ 5.フクギでの浸染は簡単だと感じられましたか? 1.はい 2.まあまあ 3.いいえ 6.問5で(2.まあまあ)もしくは(3.いいえ)と答えた先生方へ 。どのあたりが難しい(改良したほうが良い)と思われました か? 1.下準備が大変そう 2.葉を刻むのが大変 3.葉にかぶれそう 4.ミョウバン水や石灰水を使うのに抵抗がある 5.熱湯を使うのが安全性の面で気になる 6.子どもたちにとって輪ゴムでしばる作業が大 変 7.その他 7.子ども向けでカラー写真入りの、染め制作マニュアル本の ようなものがあれば、園でも取り入れてみたいと 思いましたか? 1.はい 2.まあまあ 3.いいえ 8.全体の時間配分はどのように感じられましたか? 1.短い 2.適度である 3.少し長い 4.長い 9.そのほか、お気づきの点があればご記入いただけると嬉しいです。是非、今後の研究活動の参考に させてい ただきます。

フキギ染めワークショップのアンケート

ワークショップ実施日 10 月 12 日(水)・10 月 19 日(水)

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活動名:第2回ワークショップ 「巨大パラシュート制作② ~摘んできた葉で叩き染め~」 1.叩き染めという技法を知っていましたか? 1.はい 2.いいえ 2.叩き染めを体験したことはありますか? 1.はい 2.いいえ 2.叩き染めは楽しかったですか? 1.はい 2.まあまあ 3.いいえ 3.子どもたちは叩き染めを楽しんでいるようでしたか? 1.はい 2.まあまあ 3.いいえ 4.叩き染めは簡単だと感じられましたか? 1.はい 2.まあまあ 3.いいえ 6.問4で(2.まあまあ)もしくは(3.いいえ)と答えた先生方へ 。どの辺が難しい( 改良したほうが良い) と思われましたか ? 1.下準備が大変そう 2.葉を摘むのが大変 3.葉にかぶれそう 4.ハンマーを使うのに抵抗がある 5.その他 5 . 中央公園での散策は、子どもたちは楽しそうでした か? 1.はい 2.いいえ 6. 中央公園で、よく見かける植物について解説はあっ たほうがよかったと思われますか? 1.はい 2.いいえ 7.かぶれたり、毒のある植物についての事前説明について、 必要性を感じましたか? 1.はい 2.いいえ 8.カラーのマニュアルのようなものがあれば、園でも取り 入れてみたいと思いましたか? 1.はい 2.まあまあ 3.いいえ 9.全体の時間配分はどのように感じられましたか? 1.適度である 2.少し長い 3.大幅に長い 10.そのほか、お気づきの点があればご記入いただけると嬉しいです。是非、今後の研究活動の参考 にさせていただきます。 胡屋あけぼの保育所の先生方、子どもたち、浸染・叩き染めへのご参加、ありがとうございました! 沖縄キリスト教短期大学 保育科講師 佐久本邦華

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【付録2】第2回ワークショップアンケート(2017年実施) 今回、参加していただいた先⽣⽅へ、アンケートをお願いいたします。 1 しんぜん ①浸染アンケート( 7 ⽉ 5 ⽇実施ワークショップ) 1 .染め液に浸して染める「浸染( しんせん・ しんぜん)」を体験したことはありました か? 1. はい 2 . いいえ 2. ふくぎの浸染は楽しかったですか? 1. はい 2.まあまあ 3. いいえ 3 . ⼦どもたちは楽しんでいるようでした か? 1. はい 2 . まあまあ 3. いいえ 4. ふくぎの葉で染められることを知ってい ましたか? 1. はい 2 . いいえ 5. ふくぎの浸染は簡単だと感じられました か? 1. はい 2 . まあまあ 3. いいえ 6. 問5で(2 . まあまあ) もしくは( 3 . いいえ)と答えた先⽣へ。どのあたりが難し い(改善したほうが良い)と思われましたか ? 1. 下準備が⼤変そう 2. 葉を刻むのが⼤変 3. 葉にかぶれそう 4. ミョウバン⽔や⽯灰⽔を使うのに抵抗がある 。 5 .熱湯を使うので、安全性の⾯で気になる。 6. その他 7. カラーの写真や、イラスト⼊りのマニュアル などがあれば、園でも取り⼊れてみ たいと思いましたか? 1. はい 2 . まあまあ 3. いいえ 8. 全体の時間配分はどのように感じられました か? 1. 少し短い 1. 適当な⻑さである 2. 少し⻑い 3. ⼤幅に⻑い 【その他、浸染に関するご意⾒・ご要望】 た た き ぞ め 叩き染めアンケート( 8 ⽉ 2 ⽇実施ワークショップ) 1 . 叩き染めという技法を知っていました か? 1. はい 2 . いいえ 2. 叩き染めを体験したことはありますか? 1. はい 2 . いいえ 以 上 染めものワークショップのアンケート①② ワークショップ実施⽇ ① 7 ⽉ 5 ⽇( ⽔) 9 : 30 〜11 : 30 ② 8 ⽉ 2 ⽇(⽔) 9 :3 0〜 1 1 :3 0 場所: 沖縄こどもの国 ふるさと園 ワークショップ参加者:沖縄市⽴胡屋あけぼの保育所 4 ・5 歳児 20 名

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3. 叩き染めは楽しかったですか? 1. はい 2.まあまあ 3. いいえ 4 . ⼦どもたちは叩き染めを楽しんでいるよ うでしたか? 1. はい 2 . まあまあ 3. いいえ 5. 叩き染めは簡単だと感じられましたか? 1. はい 2.まあまあ 3. いいえ 6 . 問5で( 2 .まあまあ)もしくは(3 . いいえ)と答えた先⽣⽅へ。どの辺が難しい (改善したほうが良い)と思われましたか? 1. 下準備が⼤変そう 2. 葉を摘むのが⼤変 3. 葉にかぶれそう 4. ハンマーを使わせるのに抵抗がある 5. その他 7 . ふるさと園での散策は、⼦どもたちは楽 しそうでしたか? 1. はい 2 . まあまあ 3. いいえ 8 . ふるさと園での職員さんによる植物の解 説は良かったですか? 1. はい 2 . まあまあ 3. いいえ 9 . かぶれたり、毒のある植物についての事前 説明はもっと詳しいほうが良かったで すか? 1. はい 2 . いいえ 10.カラーの写真や、イラスト⼊りのマニュアル などがあれば、園でも取り⼊れてみ たいと思いましたか? 1. はい 2 . まあまあ 3. いいえ 11.全体の時間配分はどのように感じられました か? 1. 少し短い 1. 適当な⻑さである 2. 少し⻑い 3. ⼤幅に⻑い 【その他、叩き染めに関するご意⾒・ご要望】 その他、お気づきの点や感想などを宜しくお願いいたします。( できれば現場の先⽣の声として 、冊⼦に挿⼊したいと考えております。) ワークショップ、およびアンケートへのご協⼒、誠にありがとうございました。

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参照

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