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集合住宅を対象とした用途別エネルギー消費量分析に基づく省エネ提案及びその効果 その2 全電化集合住宅も含めた検討

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Academic year: 2021

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(1)A-35 集合住宅を対象とした用途別エネルギー消費量分析に基づく省エネ提案及びその効果 その 2 全電化集合住宅も含めた検討 Effects of energy-saving advice based on energy consumption in apartment houses Part2 Analysis including all electrified apartment house 学生会員. ○清 原. 勇 樹(東京理科大学). 正 会 員. 高 瀬. 幸 造(東京理科大学). Yuki KIYOHARA*1. 特別会員. Takashi INOUE*1. 井 上. 隆(東京理科大学). Kozo TAKASE*1. *1 Tokyo University of Science Continued from the previous report, the authors made the energy-saving advice based on energy consumption of each household in all electrified apartment house. Then, we analyzed effects of the advice by comparing energy consumption in households that we made the advice and the others. In addition, including electric and gas combined housing apartment houses, we considered the relationship between energy consumption and the household attribute.. 空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2019.9.18 〜 20(札幌)} 第9巻. -145-. 表1 調査対象集合住宅の概要 集合住宅S. 集合住宅K. 所在地. 都内. 東京近郊. 竣工年. 2014年. 2010年. 規模. RC造,43階. RC造,7~25回の住棟6棟. 住戸面積. 約55~90㎡. 約64~132㎡. 使用エネルギー種別. 電力. 電力・ガス. 給湯器 (タンク容量/ 消費電力). ヒートポンプ給湯器 (全物件共通※タンク容量460L) (中間期:1.230kW 夏期:0.815kW 冬期2.000kW). 潜熱回収型ガス給湯器. 暖房設備・機器. 温水式床暖房(熱源は給湯器) エアコン. 計測項目. 電力・水道消費量. 温水式床暖房(熱源は給湯器) 浴室乾燥暖房機(熱源は給湯器) エアコン 電力・ガス・水道消費量. 計測間隔. 10分毎. 10分毎. 計測件数. 585件. 880件. 計測期間. 2014/4~. 2010/9~. レポート送付世帯. レポート非送付世帯. 100 50 0. ~5. ~10. ~15. ~20 ~25 ~30 ~35 ~40 二次エネルギー消費量[GJ/年]. ~45. ~50. 50~. 図1 省エネレポート送付世帯の 2017年度年間エネルギー消費量分布(集合住宅S) 省エネルギーレポート. 1. あなたの世帯の消費タイプは 1番目. 照明・家電等. 2番目. 暖房. 3番目. 給湯. 1番目. 暖房. 2番目. 給湯. 3番目. 照明・家電等. 8000. 電力消費量[kWh/年]. 2. 6000 5000 4000. 2000. 1000 0. 冷房(kWh/年). 485. (216番目). 3599. (114番目). 1335. (123番目). 1754. (62番目). 479. (91番目). 照明・家電等 0. 給湯. 1000. 2000. 電力 水道 電力 水道 電力 水道 電力 水道. 3000. 暖房 4000. 冷房 5000. 水道. 6000. 7000. 欠損. 0. 100. 200. 8000. 5 300. 400. 500. 600. 上軸:電力消費量(kWh/年) 下軸:水道消費量(L/日). 月別日平均用途別消費量 給湯. 暖房. 25. 6. 20 15 10 5. 150番目. 200番目. 250番目. 300番目. 350番目. 400番目. 450番目. 300番目. 350番目. 400番目. 450番目. 300番目. 350番目. 400番目. 450番目. 300番目. 350番目. 400番目. 450番目. 給湯 他世帯との比較. 8. 2000 1000. 0 100番目. 150番目. 200番目. 250番目. 暖房 他世帯との比較. 5000 4000 3000 2000. 1000 0. 500. 400 300 200 100. 50番目. 100番目. 150番目. 50番目. 100番目. 150番目. 200番目. 250番目. 3000. 冷房 他世帯との比較. 2000 1000 0. 200番目. 250番目. 多消費 標準 省エネ. 0. 0. 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月. 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 18000. 月別日平均水道消費量. 600. 冷房. 30. 100番目. 3000. 50番目. 電力消費量[kWh/年]. 照明・家電等. 水道消費量[L/日]. 35. 50番目. 4000. 6000. 電力消費量[kWh/年]. 4. 暖房(kWh/年). (84番目). 2017 2016 2015 2014 年度 年度 年度 年度. 水道(L/日). 給湯(kWh/年). 7167. 電力消費量[kWh/年]. 5000. 年間電力・水道消費量 年推移. パークタワー東雲(462世帯)内の順位(1位の世帯が最も消費量が大きい). 照明・家電等(kWh/年). 電力消費量[kWh/日]. 7000. 3000. パークタワー東雲の平均的な世帯より約20%以上多く消費しています。本レポートを参考に、消費量が大きい用途の省エネ 行動を増やしてみましょう。 総電力消費量(kWh/年). 照明・家電等 他世帯との比較. 10000 9000. 冬期で大きな 電力消費用途(推計)は. 3. ※あなたの世帯の年間消費量(推計値)を図中の矢印の位置に表示. やや多消費型 11000. 年間で大きな 電力消費用途(推計)は. 電力消費量[kWh/年]. 世帯数[戸]. 150. 総電力消費量 他世帯との比較. 照明・家電等. 給湯. 暖房. 冷房. 15000. 省エネルギーレポートについて. 12000 9000 6000. 各消費量データは2017年4月~2018年3月のデータを用いています。. 3000 0. 水道消費量[L/日]. 1.はじめに 我が国のエネルギー消費において、住宅の占める割合 は大きく、その削減方法を検討することは重要である。こ れまで、高断熱・高気密化や高効率設備機器等の採用によ る様々な削減方法の提案・効果検証が行われてきたこと に対して、居住者の行動に着目した事例は少ない。このよ うな状況を踏まえ、既報では、電力・ガス併用集合住宅に おいて、居住者のエネルギー消費実態を踏まえた省エネ 提案を行いその効果を検討した。本報では、全電化集合住 宅の数十世帯において省エネ提案及びアンケート調査を 行い、前年度に同様の提案を行った電力・ガス併用集合住 宅との比較の後、経年による世帯属性の変化も踏まえて 効果を検討した。 2.調査概要 調査対象集合住宅の概要を表 1 に示す。 集合住宅 S は、 全電化であり全 585 世帯にヒートポンプ給湯器が設置さ れている。また、CT(電流計測器)・流量計により、全世帯 を対象として電力・水道消費量を 10 分間隔で計測してい る。集合住宅 K は、電力・ガス併用であり、電力・水道 消費量に加えて、パルス発信機能付きメータによりガス 消費量も 10 分間隔で計測している。 3.省エネ提案概要 省エネ提案の実施にあたり、調査協力世帯を募り、e メ ールにて 2019 年 2 月 12 日に PDF 形式の省エネレポート を送付した。図 1 に省エネレポート送付世帯(調査協力世 帯)の 2017 年度年間エネルギー消費量分布を示す。特定 の消費量階級に偏ることなく、消費量が小さい世帯から 大きい世帯まで広く分布していた。今回も世帯毎に 2017 年度の用途別エネルギー消費量データを載せた省エネレ. 2000 1800 1600 1400 1200 1000 800 600 400 200 0. 50番目. 100番目. 150番目. 水道消費量 他世帯との比較. 7. 200番目. 250番目. 300番目. 350番目. 400番目. 450番目. 消費タイプについて パークタワー東雲の各世帯の年間総電力消費量を母集団として、 ①多消費型、②やや多消費型、③標準型、④やや省エネ型、⑤省エネ型の5タイプのいずれかに正規分布を仮定して分類しています。. 照明・家電等. 50番目. 100番目. 150番目. 200番目. 250番目. 300番目. 350番目. 400番目. 多消費 標準 省エネ ※あなたの世帯の年間消費量を図中の矢印の位置に表示 ※「他世帯との比較」は、全ての世帯(462世帯)の年間の電力・水道消費量を大きい方から順に並べたものです。. 450番目. 照明器具や冷蔵庫等の家電機器の電力消費量。IHコンロ、電子レンジなどの調理器具も含む。. 暖房. エアコンや電気ファンヒーター等による暖房電力消費量。. 冷房. エアコンによる冷房電力消費量。. 給湯. 夜間にお湯を作るために消費される電力消費量。(日中の沸き上げや追い焚きは含まれておりません。). ※ネットワークの不具合等によりデータが欠損している場合があります。ご了承ください。本分析でのデータ入手総数は462件です。 ※本分析は、電力・水道の時々刻々の消費データにのみ基づくものであり、精度には限界があります。ご了承ください。. レポートを参考に、より環境に配慮しつつ無理のない範囲で快適にお過ごし下さい。引き続き調査にご協力お願いします。. 図2 省エネレポートの内容(集合住宅S).

(2) 空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2019.9.18 〜 20(札幌)}. -146-. 表2 アンケート調査概要(集合住宅S) 1回目 調査内容 配布時期 回収時期 有効回答数 うち2017年度 有効サンプル. 2回目. 省エネレポート閲覧状況 世帯情報(人数、年齢) 省エネ提案前後の意識や行動 冷房使用状況 暖房機器使用状況 家電機器使用状況 給湯機器使用状況 2019年2月2日 2019年2月27日 2019年2月10日 2019年3月6日 57件. 30件. 45件. 25件. レポート全体に目を通した 内容の一部を読んだ 図やグラフをちらっと見た レポートをまったく見ていない. 0%. 25%. 50%. 75%. とても役に立った 少し役に立った あまり役に立たなかった 全く役に立たなかった. 100%. 0%. 25%. 50%. 75%. 100%. 図3 省エネレポートの閲覧度と役立ち度 (左:閲覧度 右:役立ち度) 照明家電. 厨房. 給湯 二次エネルギー消費量[GJ/日・戸]. 二次エネルギー消費量[GJ/日・戸]. 30 25 20 15 10 5 0. ※集合住宅Sは2017年度の消費量. 暖房. 冷房. 30 25 20 15 10 5 0. ※環境省全国試験調査の 関東甲信地方集合住宅平均. 図4 省エネ行動の実施割合とエネルギー消費量 (左:集合住宅S(31個中) 右:環境省統計(18個中)) 省エネルギーに努めている どちらかと言えば努めていない. どちらかといえば努めている 省エネルギーには努めていない. 送付前 送付後. 0%. 20%. 40%. 60%. 80%. 100%. ━レポート送付世帯日平均エネルギー消費量(N=43) ━レポート非送付世帯日平均エネルギー消費量(N=419) ━外気温(アメダスデータ:集合住宅S最寄り地点「東京」) 40. 20. 送付前2週間 送付後2週間 (1/29~2/11) (2/12~2/25). 30. 15. 20. 10. 10. 5. 0 2018/12/1. 0 2019/1/1. 2019/2/1. (2/12)省エネ レポート送付日. 図6 レポート送付前後2週間の日平均外気温 と日平均エネルギー消費量の関係 22.44. 21.22. 23.10. 給湯 21.84. 20 15 10 5. 0. 提案前 提案後 提案前 提案後 2週間 2週間 2週間 2週間 レポート レポート 送付世帯 非送付世帯. 暖房. 日平均水道消費量[L/日]. 照明家電 25. 水道. 600 500. 470.7. 467.6. 500.3. 495.4. 400 300 200 100 0. 提案前 提案後 提案前 提案後 2週間 2週間 2週間 2週間 レポート レポート 送付世帯 非送付世帯. 図7 レポート送付の有無と送付前後2週間 における日平均消費量(世帯群平均). 日平均外気温[℃]. 日平均エネルギー消費量[kWh/日]. 図5 レポート送付前後の省エネ意識. 日平均消費電力量[kWh/日]. ポートを送付して、省エネアドバイス等レポート内容を 参考に各自で省エネ行動を実践してもらう手法をとった。 図 2 に省エネレポートの内容を示す。省エネレポートに は、①消費タイプ、②消費量が大きい用途 3 つ(年間・冬 期)、③省エネアドバイス、④集合住宅 S 内での各用途の 消費量順位、⑤年間消費量推移(4 年分)、⑥月毎の用途別 エネルギー・水道消費量、⑦全住戸の中での総エネルギ ー・水道消費量の位置づけ・順位、⑧全住戸の中での用途 別エネルギー消費量の位置づけ・順位を掲載した。また、 これに付随して用途別に効果的と考えられる省エネ行動 の一覧も配布した。 4.アンケート調査による分析 4.1 アンケート調査概要 設備・家電の使用状況や省エネレポートの送付による 居住者の省エネ行動や省エネ意識の変化がエネルギー消 費に与える影響を把握するため web アンケート調査を実 施した。表 2 にアンケート調査概要を示す。省エネレポ ート送付の前後に計 2 回実施しており、世帯情報、設備・ 家電の使用状況、省エネ提案前後における省エネ意識や 実践した省エネ行動の変化について調査した。図 3 に省 エネレポートの閲覧度と役立ち度を示す。閲覧度に関し ては、 「レポート全体に目を通した」 「内容の一部を読ん だ」と回答した世帯が 7 割を超えた。また、役立ち度に ついても、 「とても役に立った」 「少し役立った」と回答し た世帯の割合が 8 割に達したことから、多くの世帯にお いて、レポートを読んだ上で役立ちそうな省エネ行動を 把握した様子がうかがえる。閲覧度・役立ち度ともに、前 報の集合住宅 K における調査結果と比較すると少ない様 子であったが、この原因としては、後述の両集合住宅にお ける居住者属性の違いや、省エネレポートの媒体が集合 住宅 K では紙面形式なのに対して、集合住宅 S では web 形式であったことなどが考えられる。 4.2 省エネ行動に関する分析 図 4 に省エネ行動の実施割合とエネルギー消費量を示 す。集合住宅 S において、省エネ提案前から既に実施し ていた省エネ行動数が多い世帯ほど、2017 年度のエネル ギー消費量が小さい傾向が明らかとなった。用途別に見 ると、照明・家電において、消費量の違いが顕著であった。 調査対象の省エネ行動の内容や個数が異なるため、単純 な比較は困難だが、環境省統計 1)(関東甲信・集合住宅)に おいても、省エネ行動の実施割合が最も多い世帯群の消 費量が最も小さい。このことから、今後も省エネ行動の実 施数が少ない世帯に対する働きかけを行うとともに、既 に多くの省エネ行動を実施している世帯においては、省 エネ行動を継続していくことが重要である。 4.3 省エネ意識に関する分析 図 5 にレポート送付前後の省エネ意識を示す。レポー ト送付世帯のうち、送付前に「省エネに努めている」 「や.

(3) 空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2019.9.18 〜 20(札幌)}. -147-. 増加世帯 (N=9). 30 20. y = 0.9351x + 0.2344. 10. 減少世帯 (N=34). 0. 800. 40 増加世帯 (N=98). 30 20. y = 0.8988x + 1.0729. 10. 減少世帯 (N=321). 0. 0 10 20 30 40 50 60. 0 10 20 30 40 50 60. 提案前2週間の日平均 消費電力量[kWh/日]. 提案前2週間の日平均 消費電力量[kWh/日] 1000. 送付世帯 (N=43). 600 400. 非送付世帯 (N=419). 50. 提案後2週間の日平均 消費電力量[kWh/日]. 40. 1000. 提案後2週間の日平均 水道消費量[L/日]. 60. 送付世帯 (N=43). 50. 提案後2週間の日平均 水道消費量[L/日]. 提案後2週間の日平均 消費電力量[kWh/日]. 60. 増加世帯 (N=22) y = 1.033x - 18.671. 200 減少世帯 (N=21). 0 0. 非送付世帯 (N=419). 800 600. 増加世帯 (N=191). 400. y = 0.9292x + 30.5. 200 減少世帯 (N=232). 0 0. 200 400 600 800 1000 提案前2週間の日平均 水道消費量[L/日]. 200 400 600 800 1000 提案前2週間の日平均 水道消費量[L/日]. 図8 レポート送付の有無と送付前後2週間 における各世帯の日平均消費量 (上段:電力 下段:水道) 28.52. 給湯. 27.15. 25. 21.91. 20. 暖房 日平均水道消費量[L/日]. 日平均消費電力量[kWh/日]. 照明家電 30. 20.80. 15 10 5 0. 提案前 提案後 提案前 提案後 2週間 2週間 2週間 2週間 省エネ意識 省エネ意識 向上世帯 非向上世帯 (N=7) (N=19). 水道. 600 482.9. 473.1. 500. 489.2. 469.96. 400 300. 200 100 0. 提案前 提案後 提案前 提案後 2週間 2週間 2週間 2週間 省エネ意識 向上世帯 (N=7). 省エネ意識 非向上世帯 (N=19). 図9 省エネ意識の変化と送付前後2週間 における日平均消費量(世帯群平均) 給湯. 27.32 20.45. 20. 18.86. 15 10 5 0. 提案前 提案後 提案前 提案後 2週間 2週間 2週間 2週間 省エネ行動 省エネ行動 増加世帯 非増加世帯 (N=11) (N=15). 暖房. 日平均水道消費量[L/日]. 27.99. 25. 水道. 600 508.0. 500. 524.1 466.5. 433.9. 400 300 200 100. 0. 提案前 提案後 提案前 提案後 2週間 2週間 2週間 2週間 省エネ行動 増加世帯 (N=11). 省エネ行動 非増加世帯 (N=15). 20 15 10 5 0. 集合住宅S N=47. 世帯数. 世帯数. 図10 省エネ行動の変化と送付前後2週間 における日平均消費量(世帯群平均) 集合住宅K N=43. 20 15 10 5 0. 1人世帯 2人世帯 3人世帯 4人世帯 5人世帯. 1人世帯 2人世帯 3人世帯 4人世帯 5人世帯. 図11 各集合住宅における世帯人数分布 20 10 0. 集合住宅K N=43. 30. 世帯数. 集合住宅S N=47. 30. 世帯数. 20 10. 0. 23~30 31~40 41~50 51~60 61~65 66~70 歳 歳 歳 歳 歳 歳. 23~30 31~40 41~50 51~60 61~65 66~70 歳 歳 歳 歳 歳 歳. 図12 各集合住宅における世帯主年齢分布 照明家電 250. その他(ガス) 集合住宅S(N=43). 200. 150 100 50 0. 提案前 2週間 (2019/1/29~ 2019/2/11). 提案後 2週間平均 (2019/2/12~ 2019/2/25). 給湯. 日平均1次エネルギー 消費量[MJ/日]. 日平均消費電力量[kWh/日]. 照明家電 30. 日平均1次エネルギー 消費量[MJ/日]. や省エネに努めている」と回答した世帯は、7 割弱であっ た。送付後に意識が向上した世帯は、2 割を超えており、 その割合は、集合住宅 K より大きい結果となった。 5.省エネ提案による効果の検討 5.1 送付世帯と非送付世帯の比較 省エネレポート送付前後 2 週間において、集合住宅 S における削減効果を検討した。図 6 にレポート送付前後 2 週間の日平均外気温と日平均エネルギー消費量の関係 を示す。提案後 2 週間は、外気温の上昇に伴い暖房負荷 が小さくなり、エネルギー消費量は減少傾向にあるため、 レポート送付世帯群のみでは、省エネ提案による削減効 果の分析が困難である。そこで、レポート送付世帯群と非 送付世帯群の消費量推移の比較を行った。図 7 にレポー ト送付の有無と送付前後 2 週間における日平均消費量(世 帯群平均)を示す。今後の消費量の変化に注意を要するも のの、少なくとも送付後 2 週間の時点では、両世帯群と も、エネルギー消費量の減少量は同程度であり、明確な差 は見られなかった。両世帯群とも減少量の殆どは暖房用 途によるものであった。レポート送付世帯群(調査協力世 帯)は、非送付世帯群と比較すると、同時期のエネルギー 消費量と水道消費量が小さいことから、普段から省エネ に関心を持って生活している世帯である可能性も考えら れる。次いで図 8 にレポート送付の有無と送付前後 2 週 間における各世帯の日平均消費量を示す。エネルギー消 費量の減少世帯の割合は、僅かにレポート送付世帯の方 が非送付世帯と比較して高いものの、明らかな差ではな く、省エネ提案による効果の有無は、今後も継続して検討 する必要があると考えられる。 5.2 省エネ意識・行動の変化を加味した検討 省エネレポート送付後に省エネ意識や行動が変化した 世帯群に関して、それらが変化しなかった世帯群との消 費量の比較による削減効果の検討を試みた。図 9 に省エ ネ意識の変化と送付前後 2 週間における日平均消費量を 示す。省エネ意識向上世帯においては非向上世帯と比較 すると、僅かに総エネルギー消費量の削減量が大きいも のの明確な差は確認されなかった。図 10 に省エネ行動の 変化(実施数)と送付前後 2 週間における日平均消費を示 す。省エネ行動増加世帯においては、非増加世帯と比較す るとエネルギー消費量の削減量が小さい様子であったが、 先述の通り、あくまで送付後 2 週間の時点での比較検討 であり、今後の消費量の変化には注意を要する。 5.3 電力・ガス併用集合住宅との比較 使用エネルギー種別の違いによる削減効果検討のため、 集合住宅 S と集合住宅 K における省エネレポート送付世 帯において、省エネ提案前後のエネルギー消費量の変化 を比較した。比較に先立って、先のアンケート調査により 両集合住宅における居住者の特性を把握した。図 11 に各 集合住宅における世帯人数分布を示す。両集合住宅とも 2. 暖房(ガス) 暖房(電力) 250 集合住宅K(N=47) 200 150 100 50. 0. 提案前 2週間平均 (2017/11/24~ 2018/12/7). 提案後 2週間平均 (2017/12/8~ 2017/12/21). 図13 各集合住宅におけるレポート送付前後2週間 における日平均エネルギー消費量.

(4) 空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2019.9.18 〜 20(札幌)}. 表3 集合住宅データ取得状況 ()内は人数把握数. 集合住宅S. 集合住宅K. 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度. ━ ━ ━ 131世帯(13世帯) 481世帯(45世帯) 478世帯(45世帯) 462世帯(45世帯). 54世帯(6世帯) 122世帯(16世帯) 233世帯(23世帯) 329世帯(36世帯) 292世帯(41世帯) 329世帯(47世帯) 244世帯(38世帯) 集合住宅K日平均消費量 集合住宅K冬期外気温平均. 0.12. 20. 0.09. 15. 0.06. 10. 0.03. 5. 冬期日平均外気温[℃]. 日平均2次エネルギー消費量[GJ/日・世帯]. 集合住宅S日平均消費量 集合住宅S冬期外気温平均 東京都日平均消費量. 0. 0. 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 [年度] ※東京都の世帯数(3は年度別ではなく年別の値を参照した. 図14 各集合住宅及び東京都におけるエネルギー 消費量年推移と冬期(12月~2月)平均外気温. 3人世帯. 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 (N=2) (N=4) (N=7) (N=9) (N=7) (N=9) (N=8) [年度]. 4人世帯. 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 (N=2) (N=5) (N=6) (N=11) (N=9) (N=10) (N=11). 水道消費量[千L/日]. 暖房(ガス). 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0. 水道消費量[千L/日]. 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 (N=1) (N=4) (N=9) (N=14) (N=20) (N=22) (N=16) [年度]. 給湯 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0. 1次エネルギー消費量[GJ/日]. 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0. 2人世帯. 水道消費量[千L/日]. 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0. その他(ガス). 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0. 1次エネルギー消費量[GJ/日] 1次エネルギー消費量[GJ/日]. 1次エネルギー消費量[GJ/日] 1次エネルギー消費量[GJ/日] 1次エネルギー消費量[GJ/日]. 照明家電. 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0. 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0. 暖房(電力). 図15. 2011. 2012. 2013. 2014. 2015. 2016. 2017. 3人世帯. 2011. 2012. 2013. 2014. 2015. 2016. 2017. [年度]. 4人世帯. 2011. 2012. 2013. 2014. 2015. 2016. 2017. [年度]. 世帯人数別日平均消費量年推移(集合住宅K) (左:全世帯平均 右:世帯別) 0.35. 就学前児童あり(N=6). 0.3. 0.25 0.2. K2. 0.15. 水道. [年度]. 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0. 1次エネルギー消費量[GJ/日]. 0.35. 冷房. 2人世帯. [年度]. 1次エネルギー消費量[GJ/日]. 人世帯と 4 人世帯が特に多く、次いで 3 人世帯も多い様 子であった。集合住宅 S に関しては、1 人世帯も一定数確 認された。図 12 に各集合住宅における世帯主年齢分布を 示す。両集合住宅とも、30 代から 50 代にかけての世帯主 が多く、世帯人数分布と鑑みると、夫婦と子供によって構 成される世帯が多いといえる。図 13 に各集合住宅におけ るレポート送付前後 2 週間における日平均エネルギー消 費量を示す。レポートの送付時期が両集合住宅で異なる ものの、いずれも暖房用途以外における消費量は変化が 少ない様子であった。 5.4 世帯属性の変化を加味した検討 世帯構成の変化を捉えるため、両集合住宅の長期に亘 る消費量データを分析した。表 3 に集合住宅(S,K)データ 取得状況を示す。集合住宅 S では 4 年間、集合住宅 K で は 8 年間、各種消費量データを取得している。図 14 に各 集合住宅及び東京都におけるエネルギー消費量(2 年推移 と冬期平均外気温を示す。集合住宅 S は、2015 年以降は 増加傾向にある。集合住宅 K は 2011 年から 2014 年まで は減少傾向にあったが、2015 年以降は集合住宅 S 同様に 増加傾向にある。首都圏に位置する各集合住宅のエネル ギー消費量と最寄りの気象観測所における年度別月平均 気温の関係より、外気温の影響を受けている様子は見ら れるものの、2015 年から 2016 年度にかけては、東京都の エネルギー消費量推移よりも明確な増加傾向を示してい ることから、外気温以外の要因も関わっている可能性が 考えられる。そこで、3、4 人世帯も多く、世帯属性が多 様な集合住宅 K において、その属性が変化することによ る影響について検討した。図 15 に世帯人数別日平均消費 量年推移を示す。全世帯平均消費量と世帯別消費量とも に、3 人世帯での増加傾向が顕著であった。世帯別消費量 に関しては、集合住宅 S においても、同様の傾向が確認 された。集合住宅 K では、4 人世帯においてもゆるやか な増加傾向が示されたが、2 人世帯では、明瞭な増加傾向 は見られなかった。集合住宅 K において、増加傾向が顕 著であった 3 人世帯に関して、より詳細な分析のため、 子供の年齢に着目して分析を行った。図 16 に就学前児童 の有無と消費量推移を示す。アンケート調査を実施した 2017 年度と 2018 年度において、就学前児童のいる世帯 では、そうでない世帯と比較して消費量の増加傾向が明 らかであった。就学前児童のいる世帯のうち、省エネ提案 以前の 2016 年度までは、毎年増加傾向にあったものの、 省エネ提案を実施した 2017 年度において、初めて前年度 の消費量から減少に転じた世帯(K1,K2)に関しては、削減 量は極わずかであるものの、省エネ提案により本来の増 加傾向を抑えられた可能性も考えられる。 6.まとめ 前報に引き続き、全電化集合住宅においても、約 50 世 帯を対象に、世帯毎の前年度の消費実績に基づく用途別. K1. 0.1 0.05. 0. 就学前児童なし(N=6). 0.3. 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05. 0 2011. 2012. 2013. 2014. 2015. 2016. 2017. 2011. 2012. 2013. 2014. 2015. 2016. 2017. 図16 就学前児童の有無と消費量推移 (集合住宅K 3人世帯). 消費量を示した上で省エネ提案を行い、その効果を検討 した。その結果、省エネ提案後 2 週間の時点では、全電 化集合住宅における削減効果は明確にならなかったが、 限られた期間の取得データを対象とした分析のため、今 後も継続して検討していく必要がある。また、3 人世帯や 4 人世帯では世帯属性の変化に伴い消費量年推移が増加 傾向にあることを示し、特に就学前児童がいる世帯では、 その傾向が大である可能性が高いことなどを示した。 【参考文献】 1)環境省:家庭からの二酸化炭素排出量の推計に係る実態調査全国試験調査 2015 2)東京都環境局:都における最終エネルギー消費及び温室効果ガス排出量総合調査 3)東京都総務局統計部:住民基本台帳による東京都の世帯と人口. 【謝辞】 本調査の実施にあたり、居住者の皆様、KJN ネクスト松木義也氏、アイフォーコム・スマートエコロジ ー株式会社池上文悟氏にご協力を頂き、分析の実施にあたっては松浦 由樹氏(当時卒論生) によるとこ ろが大きい。また、本研究は JSPS 科研費 JP18K04466 の助成を受けたものです。記して謝意を表します。. -148-.

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