集合住宅を対象とした用途別エネルギー消費量分析に基づく省エネ提案及びその効果 その2 全電化集合住宅も含めた検討
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(2) 空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2019.9.18 〜 20(札幌)}. -146-. 表2 アンケート調査概要(集合住宅S) 1回目 調査内容 配布時期 回収時期 有効回答数 うち2017年度 有効サンプル. 2回目. 省エネレポート閲覧状況 世帯情報(人数、年齢) 省エネ提案前後の意識や行動 冷房使用状況 暖房機器使用状況 家電機器使用状況 給湯機器使用状況 2019年2月2日 2019年2月27日 2019年2月10日 2019年3月6日 57件. 30件. 45件. 25件. レポート全体に目を通した 内容の一部を読んだ 図やグラフをちらっと見た レポートをまったく見ていない. 0%. 25%. 50%. 75%. とても役に立った 少し役に立った あまり役に立たなかった 全く役に立たなかった. 100%. 0%. 25%. 50%. 75%. 100%. 図3 省エネレポートの閲覧度と役立ち度 (左:閲覧度 右:役立ち度) 照明家電. 厨房. 給湯 二次エネルギー消費量[GJ/日・戸]. 二次エネルギー消費量[GJ/日・戸]. 30 25 20 15 10 5 0. ※集合住宅Sは2017年度の消費量. 暖房. 冷房. 30 25 20 15 10 5 0. ※環境省全国試験調査の 関東甲信地方集合住宅平均. 図4 省エネ行動の実施割合とエネルギー消費量 (左:集合住宅S(31個中) 右:環境省統計(18個中)) 省エネルギーに努めている どちらかと言えば努めていない. どちらかといえば努めている 省エネルギーには努めていない. 送付前 送付後. 0%. 20%. 40%. 60%. 80%. 100%. ━レポート送付世帯日平均エネルギー消費量(N=43) ━レポート非送付世帯日平均エネルギー消費量(N=419) ━外気温(アメダスデータ:集合住宅S最寄り地点「東京」) 40. 20. 送付前2週間 送付後2週間 (1/29~2/11) (2/12~2/25). 30. 15. 20. 10. 10. 5. 0 2018/12/1. 0 2019/1/1. 2019/2/1. (2/12)省エネ レポート送付日. 図6 レポート送付前後2週間の日平均外気温 と日平均エネルギー消費量の関係 22.44. 21.22. 23.10. 給湯 21.84. 20 15 10 5. 0. 提案前 提案後 提案前 提案後 2週間 2週間 2週間 2週間 レポート レポート 送付世帯 非送付世帯. 暖房. 日平均水道消費量[L/日]. 照明家電 25. 水道. 600 500. 470.7. 467.6. 500.3. 495.4. 400 300 200 100 0. 提案前 提案後 提案前 提案後 2週間 2週間 2週間 2週間 レポート レポート 送付世帯 非送付世帯. 図7 レポート送付の有無と送付前後2週間 における日平均消費量(世帯群平均). 日平均外気温[℃]. 日平均エネルギー消費量[kWh/日]. 図5 レポート送付前後の省エネ意識. 日平均消費電力量[kWh/日]. ポートを送付して、省エネアドバイス等レポート内容を 参考に各自で省エネ行動を実践してもらう手法をとった。 図 2 に省エネレポートの内容を示す。省エネレポートに は、①消費タイプ、②消費量が大きい用途 3 つ(年間・冬 期)、③省エネアドバイス、④集合住宅 S 内での各用途の 消費量順位、⑤年間消費量推移(4 年分)、⑥月毎の用途別 エネルギー・水道消費量、⑦全住戸の中での総エネルギ ー・水道消費量の位置づけ・順位、⑧全住戸の中での用途 別エネルギー消費量の位置づけ・順位を掲載した。また、 これに付随して用途別に効果的と考えられる省エネ行動 の一覧も配布した。 4.アンケート調査による分析 4.1 アンケート調査概要 設備・家電の使用状況や省エネレポートの送付による 居住者の省エネ行動や省エネ意識の変化がエネルギー消 費に与える影響を把握するため web アンケート調査を実 施した。表 2 にアンケート調査概要を示す。省エネレポ ート送付の前後に計 2 回実施しており、世帯情報、設備・ 家電の使用状況、省エネ提案前後における省エネ意識や 実践した省エネ行動の変化について調査した。図 3 に省 エネレポートの閲覧度と役立ち度を示す。閲覧度に関し ては、 「レポート全体に目を通した」 「内容の一部を読ん だ」と回答した世帯が 7 割を超えた。また、役立ち度に ついても、 「とても役に立った」 「少し役立った」と回答し た世帯の割合が 8 割に達したことから、多くの世帯にお いて、レポートを読んだ上で役立ちそうな省エネ行動を 把握した様子がうかがえる。閲覧度・役立ち度ともに、前 報の集合住宅 K における調査結果と比較すると少ない様 子であったが、この原因としては、後述の両集合住宅にお ける居住者属性の違いや、省エネレポートの媒体が集合 住宅 K では紙面形式なのに対して、集合住宅 S では web 形式であったことなどが考えられる。 4.2 省エネ行動に関する分析 図 4 に省エネ行動の実施割合とエネルギー消費量を示 す。集合住宅 S において、省エネ提案前から既に実施し ていた省エネ行動数が多い世帯ほど、2017 年度のエネル ギー消費量が小さい傾向が明らかとなった。用途別に見 ると、照明・家電において、消費量の違いが顕著であった。 調査対象の省エネ行動の内容や個数が異なるため、単純 な比較は困難だが、環境省統計 1)(関東甲信・集合住宅)に おいても、省エネ行動の実施割合が最も多い世帯群の消 費量が最も小さい。このことから、今後も省エネ行動の実 施数が少ない世帯に対する働きかけを行うとともに、既 に多くの省エネ行動を実施している世帯においては、省 エネ行動を継続していくことが重要である。 4.3 省エネ意識に関する分析 図 5 にレポート送付前後の省エネ意識を示す。レポー ト送付世帯のうち、送付前に「省エネに努めている」 「や.
(3) 空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2019.9.18 〜 20(札幌)}. -147-. 増加世帯 (N=9). 30 20. y = 0.9351x + 0.2344. 10. 減少世帯 (N=34). 0. 800. 40 増加世帯 (N=98). 30 20. y = 0.8988x + 1.0729. 10. 減少世帯 (N=321). 0. 0 10 20 30 40 50 60. 0 10 20 30 40 50 60. 提案前2週間の日平均 消費電力量[kWh/日]. 提案前2週間の日平均 消費電力量[kWh/日] 1000. 送付世帯 (N=43). 600 400. 非送付世帯 (N=419). 50. 提案後2週間の日平均 消費電力量[kWh/日]. 40. 1000. 提案後2週間の日平均 水道消費量[L/日]. 60. 送付世帯 (N=43). 50. 提案後2週間の日平均 水道消費量[L/日]. 提案後2週間の日平均 消費電力量[kWh/日]. 60. 増加世帯 (N=22) y = 1.033x - 18.671. 200 減少世帯 (N=21). 0 0. 非送付世帯 (N=419). 800 600. 増加世帯 (N=191). 400. y = 0.9292x + 30.5. 200 減少世帯 (N=232). 0 0. 200 400 600 800 1000 提案前2週間の日平均 水道消費量[L/日]. 200 400 600 800 1000 提案前2週間の日平均 水道消費量[L/日]. 図8 レポート送付の有無と送付前後2週間 における各世帯の日平均消費量 (上段:電力 下段:水道) 28.52. 給湯. 27.15. 25. 21.91. 20. 暖房 日平均水道消費量[L/日]. 日平均消費電力量[kWh/日]. 照明家電 30. 20.80. 15 10 5 0. 提案前 提案後 提案前 提案後 2週間 2週間 2週間 2週間 省エネ意識 省エネ意識 向上世帯 非向上世帯 (N=7) (N=19). 水道. 600 482.9. 473.1. 500. 489.2. 469.96. 400 300. 200 100 0. 提案前 提案後 提案前 提案後 2週間 2週間 2週間 2週間 省エネ意識 向上世帯 (N=7). 省エネ意識 非向上世帯 (N=19). 図9 省エネ意識の変化と送付前後2週間 における日平均消費量(世帯群平均) 給湯. 27.32 20.45. 20. 18.86. 15 10 5 0. 提案前 提案後 提案前 提案後 2週間 2週間 2週間 2週間 省エネ行動 省エネ行動 増加世帯 非増加世帯 (N=11) (N=15). 暖房. 日平均水道消費量[L/日]. 27.99. 25. 水道. 600 508.0. 500. 524.1 466.5. 433.9. 400 300 200 100. 0. 提案前 提案後 提案前 提案後 2週間 2週間 2週間 2週間 省エネ行動 増加世帯 (N=11). 省エネ行動 非増加世帯 (N=15). 20 15 10 5 0. 集合住宅S N=47. 世帯数. 世帯数. 図10 省エネ行動の変化と送付前後2週間 における日平均消費量(世帯群平均) 集合住宅K N=43. 20 15 10 5 0. 1人世帯 2人世帯 3人世帯 4人世帯 5人世帯. 1人世帯 2人世帯 3人世帯 4人世帯 5人世帯. 図11 各集合住宅における世帯人数分布 20 10 0. 集合住宅K N=43. 30. 世帯数. 集合住宅S N=47. 30. 世帯数. 20 10. 0. 23~30 31~40 41~50 51~60 61~65 66~70 歳 歳 歳 歳 歳 歳. 23~30 31~40 41~50 51~60 61~65 66~70 歳 歳 歳 歳 歳 歳. 図12 各集合住宅における世帯主年齢分布 照明家電 250. その他(ガス) 集合住宅S(N=43). 200. 150 100 50 0. 提案前 2週間 (2019/1/29~ 2019/2/11). 提案後 2週間平均 (2019/2/12~ 2019/2/25). 給湯. 日平均1次エネルギー 消費量[MJ/日]. 日平均消費電力量[kWh/日]. 照明家電 30. 日平均1次エネルギー 消費量[MJ/日]. や省エネに努めている」と回答した世帯は、7 割弱であっ た。送付後に意識が向上した世帯は、2 割を超えており、 その割合は、集合住宅 K より大きい結果となった。 5.省エネ提案による効果の検討 5.1 送付世帯と非送付世帯の比較 省エネレポート送付前後 2 週間において、集合住宅 S における削減効果を検討した。図 6 にレポート送付前後 2 週間の日平均外気温と日平均エネルギー消費量の関係 を示す。提案後 2 週間は、外気温の上昇に伴い暖房負荷 が小さくなり、エネルギー消費量は減少傾向にあるため、 レポート送付世帯群のみでは、省エネ提案による削減効 果の分析が困難である。そこで、レポート送付世帯群と非 送付世帯群の消費量推移の比較を行った。図 7 にレポー ト送付の有無と送付前後 2 週間における日平均消費量(世 帯群平均)を示す。今後の消費量の変化に注意を要するも のの、少なくとも送付後 2 週間の時点では、両世帯群と も、エネルギー消費量の減少量は同程度であり、明確な差 は見られなかった。両世帯群とも減少量の殆どは暖房用 途によるものであった。レポート送付世帯群(調査協力世 帯)は、非送付世帯群と比較すると、同時期のエネルギー 消費量と水道消費量が小さいことから、普段から省エネ に関心を持って生活している世帯である可能性も考えら れる。次いで図 8 にレポート送付の有無と送付前後 2 週 間における各世帯の日平均消費量を示す。エネルギー消 費量の減少世帯の割合は、僅かにレポート送付世帯の方 が非送付世帯と比較して高いものの、明らかな差ではな く、省エネ提案による効果の有無は、今後も継続して検討 する必要があると考えられる。 5.2 省エネ意識・行動の変化を加味した検討 省エネレポート送付後に省エネ意識や行動が変化した 世帯群に関して、それらが変化しなかった世帯群との消 費量の比較による削減効果の検討を試みた。図 9 に省エ ネ意識の変化と送付前後 2 週間における日平均消費量を 示す。省エネ意識向上世帯においては非向上世帯と比較 すると、僅かに総エネルギー消費量の削減量が大きいも のの明確な差は確認されなかった。図 10 に省エネ行動の 変化(実施数)と送付前後 2 週間における日平均消費を示 す。省エネ行動増加世帯においては、非増加世帯と比較す るとエネルギー消費量の削減量が小さい様子であったが、 先述の通り、あくまで送付後 2 週間の時点での比較検討 であり、今後の消費量の変化には注意を要する。 5.3 電力・ガス併用集合住宅との比較 使用エネルギー種別の違いによる削減効果検討のため、 集合住宅 S と集合住宅 K における省エネレポート送付世 帯において、省エネ提案前後のエネルギー消費量の変化 を比較した。比較に先立って、先のアンケート調査により 両集合住宅における居住者の特性を把握した。図 11 に各 集合住宅における世帯人数分布を示す。両集合住宅とも 2. 暖房(ガス) 暖房(電力) 250 集合住宅K(N=47) 200 150 100 50. 0. 提案前 2週間平均 (2017/11/24~ 2018/12/7). 提案後 2週間平均 (2017/12/8~ 2017/12/21). 図13 各集合住宅におけるレポート送付前後2週間 における日平均エネルギー消費量.
(4) 空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2019.9.18 〜 20(札幌)}. 表3 集合住宅データ取得状況 ()内は人数把握数. 集合住宅S. 集合住宅K. 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度. ━ ━ ━ 131世帯(13世帯) 481世帯(45世帯) 478世帯(45世帯) 462世帯(45世帯). 54世帯(6世帯) 122世帯(16世帯) 233世帯(23世帯) 329世帯(36世帯) 292世帯(41世帯) 329世帯(47世帯) 244世帯(38世帯) 集合住宅K日平均消費量 集合住宅K冬期外気温平均. 0.12. 20. 0.09. 15. 0.06. 10. 0.03. 5. 冬期日平均外気温[℃]. 日平均2次エネルギー消費量[GJ/日・世帯]. 集合住宅S日平均消費量 集合住宅S冬期外気温平均 東京都日平均消費量. 0. 0. 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 [年度] ※東京都の世帯数(3は年度別ではなく年別の値を参照した. 図14 各集合住宅及び東京都におけるエネルギー 消費量年推移と冬期(12月~2月)平均外気温. 3人世帯. 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 (N=2) (N=4) (N=7) (N=9) (N=7) (N=9) (N=8) [年度]. 4人世帯. 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 (N=2) (N=5) (N=6) (N=11) (N=9) (N=10) (N=11). 水道消費量[千L/日]. 暖房(ガス). 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0. 水道消費量[千L/日]. 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 (N=1) (N=4) (N=9) (N=14) (N=20) (N=22) (N=16) [年度]. 給湯 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0. 1次エネルギー消費量[GJ/日]. 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0. 2人世帯. 水道消費量[千L/日]. 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0. その他(ガス). 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0. 1次エネルギー消費量[GJ/日] 1次エネルギー消費量[GJ/日]. 1次エネルギー消費量[GJ/日] 1次エネルギー消費量[GJ/日] 1次エネルギー消費量[GJ/日]. 照明家電. 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0. 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0. 暖房(電力). 図15. 2011. 2012. 2013. 2014. 2015. 2016. 2017. 3人世帯. 2011. 2012. 2013. 2014. 2015. 2016. 2017. [年度]. 4人世帯. 2011. 2012. 2013. 2014. 2015. 2016. 2017. [年度]. 世帯人数別日平均消費量年推移(集合住宅K) (左:全世帯平均 右:世帯別) 0.35. 就学前児童あり(N=6). 0.3. 0.25 0.2. K2. 0.15. 水道. [年度]. 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0. 1次エネルギー消費量[GJ/日]. 0.35. 冷房. 2人世帯. [年度]. 1次エネルギー消費量[GJ/日]. 人世帯と 4 人世帯が特に多く、次いで 3 人世帯も多い様 子であった。集合住宅 S に関しては、1 人世帯も一定数確 認された。図 12 に各集合住宅における世帯主年齢分布を 示す。両集合住宅とも、30 代から 50 代にかけての世帯主 が多く、世帯人数分布と鑑みると、夫婦と子供によって構 成される世帯が多いといえる。図 13 に各集合住宅におけ るレポート送付前後 2 週間における日平均エネルギー消 費量を示す。レポートの送付時期が両集合住宅で異なる ものの、いずれも暖房用途以外における消費量は変化が 少ない様子であった。 5.4 世帯属性の変化を加味した検討 世帯構成の変化を捉えるため、両集合住宅の長期に亘 る消費量データを分析した。表 3 に集合住宅(S,K)データ 取得状況を示す。集合住宅 S では 4 年間、集合住宅 K で は 8 年間、各種消費量データを取得している。図 14 に各 集合住宅及び東京都におけるエネルギー消費量(2 年推移 と冬期平均外気温を示す。集合住宅 S は、2015 年以降は 増加傾向にある。集合住宅 K は 2011 年から 2014 年まで は減少傾向にあったが、2015 年以降は集合住宅 S 同様に 増加傾向にある。首都圏に位置する各集合住宅のエネル ギー消費量と最寄りの気象観測所における年度別月平均 気温の関係より、外気温の影響を受けている様子は見ら れるものの、2015 年から 2016 年度にかけては、東京都の エネルギー消費量推移よりも明確な増加傾向を示してい ることから、外気温以外の要因も関わっている可能性が 考えられる。そこで、3、4 人世帯も多く、世帯属性が多 様な集合住宅 K において、その属性が変化することによ る影響について検討した。図 15 に世帯人数別日平均消費 量年推移を示す。全世帯平均消費量と世帯別消費量とも に、3 人世帯での増加傾向が顕著であった。世帯別消費量 に関しては、集合住宅 S においても、同様の傾向が確認 された。集合住宅 K では、4 人世帯においてもゆるやか な増加傾向が示されたが、2 人世帯では、明瞭な増加傾向 は見られなかった。集合住宅 K において、増加傾向が顕 著であった 3 人世帯に関して、より詳細な分析のため、 子供の年齢に着目して分析を行った。図 16 に就学前児童 の有無と消費量推移を示す。アンケート調査を実施した 2017 年度と 2018 年度において、就学前児童のいる世帯 では、そうでない世帯と比較して消費量の増加傾向が明 らかであった。就学前児童のいる世帯のうち、省エネ提案 以前の 2016 年度までは、毎年増加傾向にあったものの、 省エネ提案を実施した 2017 年度において、初めて前年度 の消費量から減少に転じた世帯(K1,K2)に関しては、削減 量は極わずかであるものの、省エネ提案により本来の増 加傾向を抑えられた可能性も考えられる。 6.まとめ 前報に引き続き、全電化集合住宅においても、約 50 世 帯を対象に、世帯毎の前年度の消費実績に基づく用途別. K1. 0.1 0.05. 0. 就学前児童なし(N=6). 0.3. 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05. 0 2011. 2012. 2013. 2014. 2015. 2016. 2017. 2011. 2012. 2013. 2014. 2015. 2016. 2017. 図16 就学前児童の有無と消費量推移 (集合住宅K 3人世帯). 消費量を示した上で省エネ提案を行い、その効果を検討 した。その結果、省エネ提案後 2 週間の時点では、全電 化集合住宅における削減効果は明確にならなかったが、 限られた期間の取得データを対象とした分析のため、今 後も継続して検討していく必要がある。また、3 人世帯や 4 人世帯では世帯属性の変化に伴い消費量年推移が増加 傾向にあることを示し、特に就学前児童がいる世帯では、 その傾向が大である可能性が高いことなどを示した。 【参考文献】 1)環境省:家庭からの二酸化炭素排出量の推計に係る実態調査全国試験調査 2015 2)東京都環境局:都における最終エネルギー消費及び温室効果ガス排出量総合調査 3)東京都総務局統計部:住民基本台帳による東京都の世帯と人口. 【謝辞】 本調査の実施にあたり、居住者の皆様、KJN ネクスト松木義也氏、アイフォーコム・スマートエコロジ ー株式会社池上文悟氏にご協力を頂き、分析の実施にあたっては松浦 由樹氏(当時卒論生) によるとこ ろが大きい。また、本研究は JSPS 科研費 JP18K04466 の助成を受けたものです。記して謝意を表します。. -148-.
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