Title
沖縄米軍基地と法の果たす役割
Author(s)
仲地, 博
Citation
法律時報, 68(12): 39-43
Issue Date
1996-11
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/10119
Rights
日本評論社
[
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沖縄米軍基地と法の果たす役割
はじめに
││基地維持のための法 寸沖縄振興開発六法﹂なるものがあ る。最初の版と思われる五二年版の冒 頭で、編集者である沖縄開発庁総務局総 務課長は、﹁沖縄県という一 つ の 地方公 共団体を対象として制定された法令は、 他に例 のないほど複雑多岐で広範なもの となっており、国法レベルの各分野にわ たって一つの体系を成し、これを理解す ることは容易なととではないしと述べて いる。あたかも一国二制度といわんばか りでいささかおおげさな表現のような気 もするが、他の府県に例のない六法であ ることはまちがいなく、﹁長年にわたり 本土と隔絶していたことから生じた沖縄 の特殊事情 ﹂を象徴している 。五四年版 の は し が き は 、 ﹁ 沖縄に関する法制には、 復帰に伴う特別の指置内容として本土の 従来の法令とは異質なものが多く、ま た、沖縄県自体の法令や復帰前後の外交 文書も含めて沖縄関連法令を総合的な観 点に立脚してそしゃくしなければ沖縄復 帰に対する施策を完全に理解することが む ず か し い ﹂ こ と を 指摘L
ている 。新 し い版においてこのような表現は消えてい き、六法そのものが平成元年版をもって 最後とな っ ているが、ここで指摘された ことは、基本的にはなお妥当し、寸総合 的観点に立脚してそしゃく﹂しなければ ならないという視点を政府が忘れたとこ ろで、政府を窮地に追い込んだ知事の機 関委任事務の拒否という昨今の状況が生 じ た の で あ る 。 ﹁ 異質﹂という表現が適切かどうかは さておくとしても、法制度において今日 でも本土と異なる部分を例示すると、組 織法としては地域開発のための中央官庁 である沖縄開発庁と、国の地域出先機関 を統合した沖縄総合事務局が存在する。 政府予算において、各省庁の国直轄事 業・補助事業とも沖縄開発庁に一括計上 する仕組みがとられており(北海道開発 庁も同様であるてまた、他の府県の基 本計画に相当する沖縄振興開発計画は、 国策定 の 計画である。政府の金融政策を 一元的に扱う沖縄振興開発金融 公 庫も沖 縄のみの制度である。 基地確保のための法制度も特殊であ る。すでに失効したと判断され討が、地 主との合意なくして公 用 地 を 一0
年間強 制使用できるとする公用地法 ( ﹁ 沖 縄県 における公用地等の斬固定使用に関する法 律 ﹂ ) 、 本 来 全 国 的 法 律 で あ るのだが今日 では事実上沖縄においてのみ適用される いわゆる米軍土地特措法等である。 在日米軍基地を根拠 e つけるのが安保条 約と地位協定であるが、米軍基地の存在仲地
博
は、沖縄 の 社 会を 特質 ε つけるほど高密度 である。安保条約と地位協定が市民生活 に直接影響をもたらす程度が他 の 地域に 比類ないほど大きいという意味で、ま た、沖縄を契機として安保条約と地位協 定の内容が関われることがあるという意 味 で ﹁ 異 質 ﹂ と 言 え よ う 。 こ のような寸 異質﹂な部分が生じた理 由が 、戦 後二七年間 の 米 軍統治 で あ り 、 さらにその後も引き続き存在する米軍基 地にあることは異論がなかろう 。 それゆ え、法制度の﹁異質﹂の部分は、①日本 の統治システムへの編入過程、 ② 米軍統 治 のひずみの是正 、 ③米軍基地の維持を めぐって生ずることになる。復帰から年 月がたつにつれ①つい で②の比重は小さ く な る が 、 国にと っ て ③ の重要性は変わ ら な い 。 日本の戦後史を規定するも っ とも大き な要因の一つが日米安保条約であるこ3
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一一沖縄米軍基地と法の果たす役割と、安保の本質が米国への基地提供義務 にあること、そしてその義務の七五%を 沖縄が果たしていることからすれば、国 にとって沖縄の価値は、基地を負担する 地域ということにある。つまり、国の対 沖縄政策は、基地の安定的維持を柱にし たと評価してよい 。 その意味から ② の 中 身である、寸本土 し と沖縄の経済的な格 差の是正と振興 開発 も 、 ③ に奉仕する 側 面を持つ こ と を指摘しておきたい 。振 興 開発も基地の代償としての性格を持つの で あ る 。 以上のような視点から基地と国法との 関係を見ると、沖縄開発三法を含め沖縄 関係の法は一体となって基地を維持する 作用を果たしてきたのである 。 これを象 徴する法律の例を二つ紹介しよう。 いわゆる基地周辺整備法は、沖縄にの み 適用される法律 ではない 。 ただ、同法 施行令の附則において民生安定施設に対 する補助率の沖縄 特例を定 めている 。 基 地周辺整備法は、基地により生ずる障害 の 防 止と関 係住民の生 活 の安定等を目的 としている。沖縄基地の過密性を考えれ ば 、 沖縄特例 の必要性も理解できるが、 その場合は、その特例が、一六の補助対 象事業すべてについているはずである。 しかし、対象事業のうち八件のみが特例 の 補 助率 となっている にすぎない 。 こ の 八件が選択された理由は恐らく 沖縄振興 開発特別措置法の補助対象事業と の 兼ね 合いであり、沖振法以上に補助率を引き 上 げることを目的としていると推測され る 。 基地があれば自治体にとって財政的 に有利であるという状況を作り出してお り、自治体の基地容認を導く立法政策 と い え よ う 。 次に地籍明確化法( ﹁ 沖縄県の区域内 における位置境界不明地域内の各筆の土 地の位置境界の明確化等に関する特別措 置法﹂)である。沖縄戦で土地に関する 公 図公簿 の ほとんどが焼失し、他方、現 地は基地の設営で土地の形状が変わり、 土地の境界が不明となった。このような 地籍不明地が、復帰時点において沖縄本 島 面積の九 %もあった。土 地 の 境 界の明 確化は、権利保全 の 大前提であり、戦後 処理の一環であったのである。国は、地 籍明確化 の 特別法を立法したが、そ の 附 則で前記 の 公 用地法の暫定使用期間を延 長するという 離れ業を演じた。また、土 地の境界 の 明確化は、米軍土地特措法を 沖縄で適用する前提作業とな っ た。境界 が不明な土地の収用は、いわゆる不能の 行政行為であり、強制使用 の 手続きがで きないからである。地籍明確化法は、地 籍明確化という、沖縄の強い要求に 一 面 応えつつ、基地維持という国策を遂行す る法律となったのである。当時マスコミ が 基 地確保新法と呼んだゆえん で あ る 。
軍転法の成立
公用地法、地籍明確化法と直接基地の 使用権原を確保する法律のみでなく、基 地周辺整備法が沖縄特例を設ける等、国 法は基地維持の作用を果たした 。 その逆 に、沖縄県は、基地の返還促進を目的と する法律 の 制定を求 めた。いわゆる軍転 法である 。 一九九五年議員立法 でようやく成立し た軍転法は、その立法過程も内容も異色 である 。 軍転法を、現行法令集からさが しだそうとする人はとまどうに違いな い。箪転法とい う 略称か ら 、そ の 正 規 の 題名を推測することは不可能であ るから である 。 ﹁沖縄県における駐留軍用地の 返還に伴う特別措置に関する法律 ﹂、こ れが正規の名称である 。辛 うじ て﹁軍 し という字は入っているが、 ﹁ 転 ﹂ の字は どこにも見えない。普通なら、米軍基地 返還特措法あたりが、略称となったであ ろ う 。 ﹁ 転 L の字は、何に由来するのか。一 八年前の 一 九七 八年 、沖縄県は、﹁沖縄 県における軍用地の転用及び軍用地跡地 の 利用促進に関する特別措置 法 ﹂ の 制定 を国に要請している。これが、軍転法の 源流である。この名称からわかるよう に 、 駐留軍用地 に 限 定 せ ず 、 自衛隊 も含 む 寸 軍 ﹂ 用地を平和的事業への ﹁ 転 用 し についての特別措置を求めたのである。 沖縄県が作成した法案要綱 の 内 容 は 、 次の通りであった。 ①軍 用地を計画的に返還すること、 ② 区画整理や土地改良を行ってから返還す ること 、 ③ その事業費は全額国庫負担で あ る こ と 、 ④ 事業施行中の土地の賃料を 繍償すること、⑤県は跡利用計画を、市 町村は市町村計画を定めること、⑥公用 地 の取得は全額国庫負 担である こ と 、 ⑦ 起債に つ い て 配慮し、元利償還金は国庫 負担であること、⑧跡利用は、平和利用 への転換である こ と 、 等 で あ る 。 土地を 取られ基地を押し付け ら れた沖縄の要求 が、もろにかつ精一杯に表明されてい 広 三 法律時報68巻12号一一40 この法案は、国に正式に要請されたも のの、立法への動きにつながらず、立ち 消 えになった。要請 直後に、知事が、基 地を基 本 的 に容認する保守へと 代わ っ た こ とが大 きな理由であ っ た。政府からす れば、安保という国家政策に真 っ 向から 反す る 受け 入 れがたい法案であり、ま た、検討するに値しない過大な要求と受 け取 っ た のであろう 。 軍転法が 、沖縄 の最大の 政治課題とし て登場するのは 、冷戦構造の崩壊に伴 ぃ 、 大幅 な基地返還 もあり うるという期 待感と不安感を背景にしてであった。折しも、基地の撤去を主張する革新知事が 登場した。九一年、沖縄県は、新しい法 案要綱を作成し、国に対し再び立法化を 要請した 。 七 八 年要綱から九一年要綱へ、そ の 内 容 は ど の よ う に 変 わ っ た か 。 二 一 百 言 ヨ 百 日 で = 三 = ば、九一年要綱は、返還要求の性格を薄 め 、 跡利用 の促進に 的をしぼ っ た現実的 な要求とな っ たのである。すなわち、 ① 国は返還実施計画を策定する義務がある が、それは返還が 日米間 で合意された基 地についてであること、②自衛隊基地は 復帰後提供されたものであり、対象外と する、③七八年要綱では全額国庫負担と された跡利用事業は、補助対象事業へと 変わった、ただし高率の 国庫補助を行 う こ と 、 ④ 返還された後も 、所有 者 に 一 定 期間 賃 料相当額 を支払うこと、ただし、 すべての土地についてではなく、跡利用 事業が行われる土地についてであるこ と 、 ⑧ 公共施設のため 必要があ る時は固 有財産譲与等の特例を定めること、等で あ る 。 九一年要綱は、かなりに現実的 │ │ 表 現を変えれば妥協的内容であったにもか か わ ら ず 、 政府に それを取り 上 げる動き はなか っ た 。 政府の指摘する主要な問題 点は、第 一 に、基地の計画的返還を謡う のは安保条約との整合性がない 。 第 二 に、沖 縄 にはすで に沖縄振興開発特別措 置法で高率補助が行われており、現行法 で対応できる。第三に、地主への補償を 返還後まで行うのは法的根拠がない、と いうことであった。第二の理由に注目し ていただきたい。基地維持のためであれ ば、周辺整備法のように沖縄特例まで設 けて沖振法より高率の補助を行うが、返 還促進につながる場合は、沖振法を盾と するのである。各省庁、が自らのせまい行 政範囲の秩序の保守にとらわれ、沖縄の 基地の成り立ちと現状を総合的大局的に 理解できなかったのである。 沖縄県は、当初、軍転法が内閣提出法 案として立法されることを期待した 。 軍 転法のような政策的法律は、成立後の政 令・省令の策定ゃ、そのスムースな執行 を考えると、内閣提出法が望ましいのは 当然の ことであ る 。 しかし、官僚 の 壁 は あっく 、 一 貫して軍転法を推進した沖縄 選出の上 原康助代議土が、沖縄担当 の 国 務大臣の椅子にあってすらついにこの壁 を破ることはできなかった。結局、議員 立法として成立したが、官僚 の 意向を受 けてこの法案に消極的であった自民党と の妥協の 中で、法案 の三本 柱 であった 、 ① 基地の計画的返還、 ② 自治体の財政対 策 、 ③ 返還後一定期間の地料相当額の補 償のうち、①と②は削除され、 ③ は原案 より広い範囲、すなわち跡利用事業の有 無にかかわらず、地料相当額を補償する 方向で修 正され残ることにな っ た 。 軍転 法は、基地返還の法←跡利用促進の法← 地主援護の法 へ と そ の 性格を変えたので ある。軍転法は、地主 の 返 還後の不安を 少々解消しただけに止ま っ た の で あ る 。 法律は政策 の 具体化 である 、といわれ るが、軍転法は そのことをあます 所なく 示した のである 。
国家責任
の法を
基地の整理縮小は、 今年 ( 九六年)九 月八日に行われた県民投票 の 結果が示す ように(投票者 の 九割が基地縮小に賛成 し、その全有権者に占 める 割 合 は 五 三 一 %)県民世論であ る。ただし 、軍用地主 は県民投票自体に消極的 であり、基 地 の 返還に反対している(地主 会 のアンケ ー ト調査 では七五%が返還に反対してい る)。地主が返還に反対する理由は、返 還された軍用地が有効利用されるまで時 間がかかりすぎる こ と 、時に利用される ことなく放置され ることに あ る 。 すでに述べたが、国は、沖縄の米軍基 地を維持するた めに、契約 拒否をしてい る地主の土地の使用権原を確保せねばな ら ず 、復帰時点におい て公用 地法を、復 帰五年目に地籍明確化法を制定した 。 復 帰 一O
年目からは、米 軍土地特措法によ り強制使用を行 っている 。 その反商、返 還 の 障害となるものを除去し、返還への 不安を解消するための法律 はなか っ た 。 基地を維持するための法律は制定して も、返還が結果として促進される法律は できるだけネグレクトする l i ! ぞ れ は 、 安保堅持・基地維持を基本政策とする国 から見 れ ば当然のこ ととも言える 。たと え ば 、 跡利用を促 進する法 律が できそし て そ の 施策 が 展開 されれば、返還への障 害 がなくなり基地返還の声はいよいよ高 まることは自に見えており 、政府 がこの ような事態を歓迎するはずがないことは 容易 に 想像 できるから である。もし、返 還軍用地 の 跡利用について不安がないよ うに法的制度を整えると、地主も基地返 還要求の側にまわり、基地は法的にます ます不安定となる。だから 、地 主を基 地 容認にしばるには、高い軍 用地料、低い 跡利用政策が効果を持つのである。政府 が跡利 用 に ついて熱意を持たなかったの は、その基盤に 基地維持の政策があ っ た といってもよいので ある。政府が軍転法 に熱意を持たないのはこの面から当然で あり、政府が望まない法律の制定は、強 い 世論 と そ し て 法 の 正統性の理論が両輪 あいま っ て始めて可 能となる のであろ A ノ 。 41一一沖縄米軍基地と法の果たす役割 沖縄基地の返還と跡利用の促進をはか る法は、いわば国の責任を 明 らかにする 法律である。跡利 用は国家責任の問題 であり、他の地域振興法(離島、山村、豪 雪、過疎、半島等の振興を図る法﹀と異 なり、国の活動に起因した不当な結果を 是正する法としてその性格を捉えなけれ ばならない。すなわち、沖縄基地の端緒 は本土防衛の盾として築かれた日本軍の 蕃地であり、さらに米軍によ っ て 地上戦 遂行・本土攻撃を目的として設置された 基地であった。その後の拡張と維持は、 本土か ら の 行政分離下で行われた。戦争 も行政分離も国家 の 行為であり、国の政 策によるものであった。 また、権利者の方からみれば基地の成 立当時において、地主の同意もそれに代 わる適法な法的手続きもなかったことに 留意しなければならない。ほとんどの地 主がその後契約に応じたが、基地という 既成事実を前提にし、仮に契約を拒否す れば強制使用が待 っていることは 明 らか な状況において、その契約は自由な意思 によるものとはいいがたい。 沖縄における軍事基地を市民の生活と 生産の事業へ転用することは、戦後処理 の問題であり、土地をその発端において 強制的に使用された権利者の保護は、国 家責任 の課 題である。基地のスムースな 解消は、国の責任において行われるべき であり、軍転法は、単なる地域振興法で はなく、国家責任に基 づく 国家保障法的 性格をもっ法律として把握されねばなら なかったのである。
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沖 縄 の た めの
法 九 月 一O
日橋本首相は、 ﹁ 沖縄問題に ついての 内閣総理大臣談話 L を発表し た。談話は、政府 の こ れまでの努力が 不十分 の も のであることを反省し、基地 問題解決 の 努力を表明してい る。さら に、沖縄県が構想している ﹁ 一 二 世 紀 ・ 沖縄のグランドデザインしに言及してい る。この構想は、沖縄に、平和交流・技 術協力・経済文化協力を行う南の国際 交 流拠点となる国際都市を形成しようとす るものである。首相談話は述べる。﹁政 府とし ては、この 構想を踏まえ、通信、 空港、港湾の整備と国際経済交流、文化 交流の拠点の整備を行うとともに、自由 貿易地域 の 拡充等による産業や貿易の振 興、観光施策の新たな発掘と充実、亜熱 帯の特性に配慮し、医療、環境、農業等 の分野を中心とした国際的な学術交流の 推進とそれに伴う関連産業の振興等のプ ロ ジェク ト に つ い て 沖縄県と共に検討を 行い、沖縄県が地域経済として自立し、 雇用が確保され、沖縄県民の生活の向上 に資するよう、また、わが国経済社会の 発展に寄与する地域として整備されるよ う、与党の協力を得て全力を傾注してま いります ﹂ 。 沖縄県はこれに先立ち、政府に国際都 市の形成をめざした寸規制緩和等産業振 興特別措置に関する要望書 ﹂を 提出して い る 。 内 容 は 、ω
自由貿易地域の拡充強 化による経済特別区の形成について、ω
那覇港の ﹁ べl
スポート ﹂ 指定に つ い て 等五項目である。具体的には、政策的財 政的な措置で実現できるものもあるが、 法人税の軽減・独自関税制度の導入等の 税制上 の 特例措置、特別法人 の設置 に係 る法律 の 整備、ノl
ピザ制度の拡充、情 報関連産業 の 起業促進 のための 税制 上 の 特別措置等のように法的措置が必要と思 われるものもある 。 国際都市の形成のた めには、基地の跡利用を促進する法律を もう 一 度検討することも必要 で あ る 。 二O
世紀の後半五0
年間沖縄は、基地 を負担した。沖縄県は、基地返還のアク ションプ ログラムを準備してい る 。 漸次 基地を返還し三O
一五年に基地を全廃す るという構想である。言葉を変えれば、 かつて沖縄が主張したように即時無条件 全面返還ではなく、あと二0
年間は、墓 地を引き受けるということになる 。想定 通り進展しても計七0
年 間の基地負担と いうことになる。法はこれまで基地維持 のために機能してきたが、今度は新しい 沖縄創造 のために機 能することができる か、あるいは、どうすればそのような法 を現実のものにすることができるのか、 政治と法と国民が問われるのであ ろ う 。 法律時報68巻12号一一4
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( 1) 沖 縄 開 発 庁 総 務 局 総 務 課 監 修 司 沖 縄 振 興 開 発 六 法 ﹄ ( 全 国 加 除 法 令 出 版 ﹀ 。 ( 2 ) 内 容 は 、 三 部からなり、第一部は、 ﹁ 沖 縄 振 興 開 発 特 別 措 置 法 L 、 寸 沖 縄 開 発 庁 設 置 法 ﹂ 、 ﹁ 沖 縄 振 興 開 発 金 融 公 庫 法 ﹂ の い わゆる開発三法を 中 心 とし、第 二 部 は 、 ﹁ 沖 縄 の 復 帰 に 伴 う 特 別 措 置 に 関 す る 法 律 ﹂ を は じ め と す る 復 帰 の 特 措 法 令 や 沖 縄 基 地 の 土 地 問 題 に 関 連 す る い わ ゆ る ﹁ 地 籍 明 確 化 法﹂等を中 心 と し 、 第 三 部は参考法令 で 、 全 国 的 法 令 で あ る が 沖 縄 に お い て 重 要 な 意 味 を も つ い わ ゆ る 1 基 地 周 辺 整 備 法 ﹂ 、 ﹁ 駐 留 軍 関 係 離 職 者 等 臨 時 措 置 法 L 等 で あ り 、 全 部 で 一 五O
件 余 を 収 録 し て い る 。 ( 3 ) 類 似 の 組織に北海道開発庁 が あ る が 、 目 的 が 異 な る 。 北 海 道 開 発 庁 は 、 ︹ 戦 後 の ) 経 済 復 興 、 人 口 問 題 解 決 、 資 源 の 総 合 的 開 発 な ど 全 国 的 視 野 か ら の 開 発 行 政 を 行 う 機 関 で あ る が 、 沖 縄 開 発 庁 は 、 沖 縄 の 特 殊 事 情 に 対 応 す る 開 発 行 政 機 関 で あ る ロ 北 海 道 開 発 庁 は 、 公 共 事 業 中 心 で あ る が 、 沖 縄 開 発 庁 は 、 教 育 関 係 、 保 健 衛 生 関 係 予 算 な ど を 扱 う 点 で も 異 な る 。 仲 地 博 ﹁ 続 沖 縄 開 発 庁 論 ( 一 ﹀ ( こ ど 琉 大 法 学 四 八 号 、 五O
号 参 照 。 ( 4 ) 類 似 の 組織とし て 北海道開発局があ る 。 そ の 違 い は 、 北 海 道 開 発 局 が 、 建 設 、 農 林 水 産 、 運 輸 の 三 省 の 出 先 機 関 と し て の 性 格 を 持 つ の に 対 し 、 沖 縄 総 合 事 務 局 は 、 公 正 取 引 委 員 会 、 大 蔵 、 農 林 水 産 、 通 商 産 業 、 運 輸 、 建 設 の 六 つ の 委 員 会 と 省 の 総 合 的 出 先 機 関 で あ る 。 ( 5 ) 沖 縄 の み を 対 象 と し 、 日 本 開 発 銀 行 、 中 小 企 業 金 融 公 庫 、 国 民 金 融 公 庫 、 住 宅 金融公庫、農林漁業金融公庫、医療金融公庫 および環境衛生金融公庫の融資保険業務等 を 行 う 。 ( 6 ﹀ いわゆる公用地法 の 立法目的は、土地 の強制的な暫定使用であり、使用期間であ る ﹁ 一