• 検索結果がありません。

コロナ禍での勉強会の試み オンラインでの法科大学院における学生同士の学び合う環境・雰囲気づくりを目指して

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "コロナ禍での勉強会の試み オンラインでの法科大学院における学生同士の学び合う環境・雰囲気づくりを目指して"

Copied!
27
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

学院における学生同士の学び合う環境・雰囲気づく

りを目指して

著者

赤石 圭裕, 都築 直哉, 松村 幸亮, 丸崎 潤也, 得

津 晶

雑誌名

東北ローレビュー

8

ページ

106-131

発行年

2020-11-30

URL

http://hdl.handle.net/10097/00129837

(2)

コロナ禍での勉強会の試み

オ ン ラ イ ン で の 法 科 大 学 院 に お け る 学 生 同 士 の 学 び 合 う 環 境 ・ 雰 囲 気 づ く り を 目 指 し て 弁 護 士 赤 石 圭 裕 弁 護 士 都 築 直 哉 弁 護 士 松 村 幸 亮 弁 護 士 丸 崎 潤 也 東 北 大 学 大 学 院 法 学 研 究 科 教 授 得 津 晶1 1. は じ め に 2. 例 年 の 取 り 組 み ― 2017 年 度 の 未 修 者 教 育 の 改 革 ― 3. 並 行 企 画 の 紹 介 4. 2020 年 度 の 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 の 内 容 ( 1) 未 修 1 年 次 ( L1) 学 生 向 け 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 の 内 容 ( 2) 既 修 1 年 次 ・ 未 修 2 年 次 ( L2) 学 生 向 け 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 の 内 容 5. 実 施 上 の 困 難 6. 担 当 修 了 生 か ら の フ ィ ー ド バ ッ ク ( 1) 未 修 1 年 次 ( L1) 学 生 向 け オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 ( 2) 既 修 1 年 次 ・ 未 修 2 年 次 ( L2) 学 生 向 け オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 7. 学 生 か ら の フ ィ ー ド バ ッ ク ( 1) 未 修 1 年 次 ( L1) 学 生 か ら の フ ィ ー ド バ ッ ク ( 2) 既 修 1 年 次 ・ 未 修 2 年 次 ( L2) 学 生 か ら の フ ィ ー ド バ ッ ク 8. 総 括 1 弁 護 士 ( 阿 部 ・ 佐 藤 法 律 事 務 所 )、 弁 護 士 ( 弁 護 士 法 人 平 松 剛 法 律 事 務 所 仙 台 事 務 所 )、 弁 護 士 ( 瞑 想 の 松 法 律 事 務 所 )、 弁 護 士 ( エ ー ル 法 律 事 務 所 )、 東 北 大 学 法 科 大 学 院 副 院 長 。 本 稿 は 、 教 育 プ ロ グ ラ ム ( 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 ) を 実 施 し た 赤 石 、 都 築 、 松 村 、 丸 崎 の 4 名 か ら 提 出 さ れ た レ ポ ー ト を 得 津 が ま と め 直 す と い う 形 で 執 筆 さ れ た 。

(3)

1 . は じ め に

2020 年 に 世 界 中 を 襲 っ た 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 拡 大 の 混 乱 は 、日 本 で も 多 く の 大 学 は 4 月 か ら 予 定 さ れ て い た 新 学 期 の 開 始 を 遅 ら せ 、授 業 は 全 面 的 に オ ン ラ イ ン 化 さ れ る こ と と な っ た 。 東 北 大 学 法 科 大 学 院 で も 、 4 月 8 日 に 予 定 し て い た 新 学 期 の 開 講 を 20 日 に 遅 ら せ 、 全 授 業 の ほ か 個 別 履 修 指 導 と い っ た ガ イ ダ ン ス 類 も 含 め て オ ン ラ イ ン で 実 施 す る こ と と し た 。 さ ら に 4 月 16 日 に 緊 急 事 態 宣 言 の 対 象 が 所 在 地 た る 宮 城 県 を 含 む 全 国 に 拡 大 し た こ と を 受 け て 自 習 室 を 含 む 施 設 等 の 利 用 を 4 月 21 日 の 正 午 を も っ て 禁 止 す る こ と と な っ た 。 こ の よ う な オ ン ラ イ ン 化 は 、 一 方 で は 正 規 の 授 業 を 今 ま で 通 り 実 施 で き る の か と い う 問 題 を 招 来 し た 。 特 に 、 ソ ク ラ テ ィ ッ ク メ ソ ッ ド ( 問 答 対 話 式 ) と い っ た 学 生 と 教 員 と の 間 の イ ン タ ラ ク テ ィ ブ な 議 論 を 埋 め 込 ん だ 法 科 大 学 院 の 授 業 を オ ン ラ イ ン で 実 施 が 可 能 な の か と い う 点 が 問 題 と な っ た 。 し か し 、 こ の 問 題 は 、 諸 外 国 の 例 に 倣 い 、 Zoom や Meet と い っ た イ ン タ ー ネ ッ ト 会 議 ア プ リ ケ ー シ ョ ン を 活 用 し 、 イ ン タ ー ネ ッ ト を 通 じ て リ ア ル タ イ ム に 対 話 形 式 の 授 業 を 提 供 す る こ と が 可 能 で あ り 、 相 当 程 度 解 決 し た 。 だ が 、 他 方 で 、 こ の よ う な オ ン ラ イ ン 授 業 を 実 施 し た と し て も 、 学 生 同 士 の つ な が り を 醸 成 す る こ と が 難 し い と い う こ と が 当 初 よ り 問 題 視 さ れ た 。 特 に 、法 科 大 学 院 に お い て 最 も 効 果 的 な 勉 強 法 は 、学 生 同 士 の 任 意 の「 勉 強 会 」 ( 自 主 ゼ ミ ) で あ る と い う こ と が 強 く 言 わ れ て お り2、 東 北 大 学 法 科 大 学 院 で も 、 学 生 同 士 の 勉 強 会 を 促 進 し て き た 。 後 述 ( 2 .) の 通 り 、 2017 年 度 以 降 は 、 未 修 者 を 対 象 に 修 了 生 の 弁 護 士 が 講 師 と な っ て 、 勉 強 会 の や り 方 を 実 践 し な が ら 教 授 し て い く 少 人 数 の セ ミ ナ ー (「 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 」) を 実 施 し 、 学 生 同 士 が 勉 強 会 を 実 施 す る た め の 支 援 を し て き た 。 し か し 、 オ ン ラ イ ン に な っ て 「 勉 強 会 」 自 体 の 実 施 が 難 し く な っ た 。 授 業 と 同 様 、 勉 強 会 自 体 を オ ン ラ イ ン で 実 施 す る と い う 方 法 が あ る も の の 、 勉 強 会 の 開 催 に は 、 そ も そ も そ れ 以 前 に 学 生 間 の ネ ッ ト ワ ー ク な い し 人 間 関 係 が 必 要 で あ る と こ ろ 、 前 述 の よ う な オ ン ラ イ ン 授 業 の み で は 、 勉 強 会 を 開 始 す る た め の 人 間 関 係 を 醸 成 す る に は 非 常 に 困 難 で あ る と 考 え ら れ た 。 そ し て 、 実 際 に 既 修 コ ー ス 新 入 生 の 学 生 か ら も 勉 強 会 開 催 に 向 け た 支 援 の 要 望 が 届 け ら れ て い た 。 2 松 本 恒 雄 「 日 本 の 法 科 大 学 院 制 度 と 新 司 法 試 験 及 び 予 備 試 験 の 現 状 と 展 望 」 一 橋 法 学 12 巻 1 号 ( 2013) 27 頁 。 司 法 試 験 に 限 ら ず 、 論 述 式 試 験 や 口 述 試 験 の あ る 資 格 試 験 に お い て 仲 間 と の 勉 強 会 が 有 用 で あ る こ と に つ い て 乾 喜 一 郎 「 資 料 2・ 大 学 院 が 社 会 人 学 習 者 か ら 選 ば れ る 教 育 機 関 と な る た め に 」 中 央 教 育 審 議 会 大 学 分 科 会 大 学 院 部 会 第 95 回 ( 2019 年 9 月 19 日 ) 配 布 資 料 11、 17 頁 参 照 ( https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2019/09/__icsFiles/afieldfile/2019/09/18/1421377_2. pdf)。

(4)

そ こ で 、 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー と い う 法 科 大 学 院 生 の 質 問 に 答 え る チ ュ ー タ ー の よ う な 制 度 に ご 協 力 い た だ い て い る 東 北 大 学 法 科 大 学 院 修 了 生 の 弁 護 士 の 先 生 方 に 、 今 回 も ご 協 力 を お 願 い し 、 ご 相 談 の 上 、 ① L1 生 ・ L2 生 の 新 入 生 ・ 進 級 生 の ネ ッ ト ワ ー キ ン グ 、 ② オ ン ラ イ ン で 「 勉 強 会 」 の 実 施 、 ③ 勉 強 す る 環 境 ・ 雰 囲 気 作 り の 3 点 を 目 標 に 、 学 生 を 少 人 数 の グ ル ー プ に 分 け 、 修 了 生 の 先 生 が 指 導 し な ら 勉 強 会 を 実 施 し て い く オ ン ラ イ ン の 少 人 数 セ ミ ナ ー ( 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 ) を 実 施 し た 。 本 稿 は 、 か か る オ ン ラ イ ン で の 勉 強 会 指 導 の 記 録 で あ る 。 今 後 、 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 問 題 が 終 息 し た と し て も 、 高 等 教 育 の オ ン ラ イ ン 化 の 方 向 は 進 ま ざ る を 得 な い も の と 思 わ れ る 。 そ の 中 で 、 一 方 通 行 型 の 授 業 の 発 信 の み な ら ず 、 教 員 と 各 学 生 と の 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に つ い て は IT 技 術 の 発 展 で 大 き く 改 善 さ れ て い る 。し か し な が ら 、教 育 学 に お い て 、「 ピ ア・エ フ ェ ク ト 」( peer effect)と い う 他 の 学 生( 同 級 生 )か ら 受 け る 影 響 こ そ 重 要 で あ る と い わ れ な が ら も3、学 生 同 士 の 学 び 合 い の 機 会 を い か に 確 保 し て い く か と い う 観 点 か ら の 実 践 は ま だ 発 展 途 上 で あ る 。 そ こ で 、 1 つ の 個 別 事 例 で あ っ て も 、 そ の 記 録 を 残 し て お く こ と に 意 義 が あ る と 思 い 、 本 誌 に 掲 載 を お 願 い し た 次 第 で あ る 。

2 . 例 年 の 取 り 組 み ―2017 年 度 の 未 修 者 教 育 の 改 革 ―

ま ず 、 コ ロ ナ 禍 以 前 に 東 北 大 学 法 科 大 学 院 が 実 施 し て い た 「 勉 強 会 」 へ の 支 援 プ ロ グ ラ ム を 説 明 す る 。こ れ は 、2017 年 度 の 4 月 期 に 開 始 し た も の で あ り 、未 修 コ ー ス 1 年 生( 東 北 大 学 法 科 大 学 院 で は L1 と 表 記 す る )を 対 象 に 、3 つ 程 度 の グ ル ー プ に 分 け 、 そ れ ぞ れ 修 了 生 の 弁 護 士 が 担 当 し 、 1 年 次 科 目 刑 法 の 2 回 目 の 授 業 の 予 習 を テ ー マ に し て 、 法 科 大 学 院 の 授 業 の 予 習 の や り 方 、 法 律 学 の 勉 強 の 仕 方 や 法 科 大 学 院 で の 勉 強 会 の 開 催 の コ ツ と い っ た こ と を 教 え る 少 人 数 の セ ミ ナ ー (「 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 」) を 実 施 し た 。 東 北 大 学 法 科 大 学 院 の L1 学 生 は 原 級 留 置 者 を 含 め 18 名 程 度 で あ る の で 、 1 つ あ た り 6 名 程 度 が 割 り 振 ら れ る こ と に な る 。 こ の 企 画 は 、 2016 年 度 の L1 学 生 の 進 級 率 が 大 幅 に 低 下 し た こ と に 起 因 す る (【 表 1】 参 照 )。 東 北 大 学 法 科 大 学 院 の L1 の 2 年 次 ( 既 修 コ ー ス 1 年 目 と 総 称 し て L2 と し て い る ) へ の 進 級 率 は 、 従 前 、 7 割 程 度 ( 6~ 8 割 の 間 を 推 移 し て い た ) で あ っ た と こ ろ 、 入 学 定 員 を 従 前 の 25 名 か ら 20 名 へ と 削 減 し た 2014 年 度 か ら 5 割 程 度 に ま で 落 ち 込 み 、 2016 年 度 は 14 名 中 進 級 で き た の は わ ず か 3 名 、 3 中 室 牧 子 『「 学 力 」 の 経 済 学 』( デ ィ ス カ ヴ ァ ー ・ ト ゥ エ ン テ ィ ワ ン ・ 2015) 62- 73 頁 参 照 。

(5)

進 級 率 は 21.4% と な っ て し ま っ た 。う ち 1 名 は 原 級 留 置 者 で あ っ た た め 、2016 年 度 入 学 者 に 限 定 す れ ば 12 名 中 2 名 し か 進 級 で き な い と い う 状 況 で あ っ た 。 【 表 1】 東 北 大 学 法 科 大 学 院 L1 学 生 進 級 率4 そ こ で 、2016 年 度 末 に FD 委 員 会 を 中 心 に「 未 習 者 の 学 業 パ フ ォ ー マ ン ス 低 下 」 問 題 に つ い て 検 討 を 開 始 し た 。 FD 懇 談 会 の 開 催 の ほ か 、L1 の 必 修 科 目 を 担 当 し て い る 教 員 を 集 め 、意 見 を 徴 収 し 、対 策 を 検 討 す る ミ ー テ ィ ン グ を 開 催 し 、ま た 、 成 績 の み な ら ず 、 授 業 評 価 ア ン ケ ー ト 等 の 様 々 な 指 標 を 調 査 し た 。 そ こ で は 、 授 業 評 価 ア ン ケ ー ト を 基 準 に 算 出 し た 学 生 の 自 習 時 間 が 減 少 し て い た こ と が 発 覚 し た (【 表 2】 参 照 )。 こ の 勉 強 時 間 の 減 少 と い う の は 、 授 業 担 当 教 員 の 学 生 を 観 察 し た 感 想 と 一 致 す る も の で あ っ た 。 そ こ で 、 対 応 策 と し て 、 ま ず は 学 生 の 勉 強 時 間 を 増 や す こ と が 必 要 で あ る と い う こ と に な り 、 そ の た め の ア イ デ ィ ア を FD 懇 談 会 等 で 検 討 し た 。 そ こ で は 、 学 生 同 士 で 勉 強 す る 雰 囲 気 な い し 環 境 に 欠 け て い る こ と が 問 題 だ と 認 識 さ れ 、 学 生 4 東 北 大 学 法 科 大 学 院 年 次 報 告 書 ほ か よ り 作 成 。 77.4% 78.6% 60.9% 75.0% 55.6% 47.4% 21.4% 50.0% 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 【 表 2】 東 北 大 学 法 科 大 学 院 L1 生 自 習 時 間

(6)

同 士 の 勉 強 会 を 実 施 す る よ う に 仕 向 け る こ と が 提 案 さ れ た 。 ま た 、 東 北 大 学 法 科 大 学 院 に は 、 教 員 と は 別 に 、 授 業 に 関 す る 質 問 や 勉 強 法 に 関 す る 相 談 、 書 い た 答 案 の 添 削 な ど 学 生 か ら の 多 岐 に わ た る 相 談 を 修 了 生 ( 司 法 試 験 合 格 者 ) が 受 け る 「 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 」 と い う 制 度 が あ る 。 こ の 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー を 担 当 し て い る 修 了 生 の 中 に は 、「 母 校 」の 危 機 に こ れ ま で 以 上 に 手 を 貸 し て く れ る 方 や こ れ ま で 以 上 に 法 科 大 学 院 で の 教 育 に 関 与 し て く れ る で あ ろ う 方 が い る の で は な い か と い う 意 見 も で た た め 、 オ フ ィ ス ア ワ ー 担 当 修 了 生 に 未 修 者 向 け の 勉 強 会 の 実 施 を お 願 い す る と い う 方 向 で 結 論 が 出 た5 そ の 後 、実 際 に オ フ ィ ス ア ワ ー 担 当 修 了 生 の 先 生 方 と 相 談 し 、2017 年 度 は 以 下 の 4 つ の 企 画 を 実 施 し た 。① L1 学 生 を 3 つ に 分 け 、そ れ ぞ れ の グ ル ー プ( 5 名 程 度 ) を 修 了 生 1 名 が 担 当 し 、 4 月 に 刑 法 の 第 2 回 目 の 授 業 の 予 習 を 素 材 に 予 習 の 方 法 に 焦 点 を 当 て た セ ミ ナ ー の 開 催(「 予 習 オ フ ィ ス ア ワ ー 」と す る )、② L1 学 生 全 員 を 対 象 に 刑 法 の 第 2 回 授 業 後 に ど う い う 復 習 を す れ ば よ い の か を 中 心 に 法 科 大 学 院 で の 勉 強 法 ・ 法 律 の 勉 強 法 を 学 ぶ セ ミ ナ ー を 開 催 ( 復 習 オ フ ィ ス ア ワ ー )、 ③ 6 月 に L1 学 生 を 3 つ に 分 け 、 L1 学 生 を 対 象 と す る 学 習 支 援 科 目 「 法 律 基 礎 演 習 」( L1 学 生 を 対 象 に 法 律 学 、 法 的 思 考 力 、 文 章 表 現 力 な ど 、 法 律 科 目 学 習 に 必 要 な 能 力 の 獲 得 と す る 授 業 ) の 中 で 出 題 さ れ た 民 法 の 事 例 問 題 の 解 答 を 実 際 に 作 成 し 、 そ れ を 検 討 ・ 添 削 す る セ ミ ナ ー の 開 催 ( ア ウ ト プ ッ ト ・ オ フ ィ ス ア ワ ー )、 ④ 後 期 に L1 学 生 全 員 に 加 え 希 望 者 も 対 象 に 、 定 期 試 験 な ど で 出 題 さ れ る 事 例 問 題 の 解 き 方 に つ い て の セ ミ ナ ー の 開 催 (「 事 例 問 題 検 討 の 方 法 」6)。 以 上 の 4 つ の 企 画 は 、学 生 の ア ン ケ ー ト 結 果 は い ず れ も 好 評 で あ っ た 。そ し て 、 2017 年 度 の L1 学 生 は 、 自 習 時 間 の 改 善 に も 成 功 し (【 表 2】 参 照 )、 ほ ぼ 従 来 の 水 準 に 戻 っ た 。 進 級 率 も 元 の 水 準 に 戻 す こ と に 成 功 し (【 表 1】 参 照 )、 ま た 、 予 習 ・ 復 習 オ フ ィ ス ア ワ ー の 対 象 で あ っ た 刑 法 は 全 学 生 が 単 位 を 取 得 で き た 。 こ の よ う に 概 ね 成 功 で あ っ た と 評 価 で き る も の の 、個 別 に は 反 省 点 も 見 ら れ た 。 L1 学 生 に は 前 述 の「 法 律 基 礎 演 習 」と い う 学 習 支 援 科 目 も 設 置 さ れ て い る こ と に 加 え 、 ア ウ ト プ ッ ト ・ オ フ ィ ス ア ワ ー は 前 期 の 授 業 期 間 に 平 常 授 業 の 予 習 復 習 を こ な し な が ら 答 案 を 作 成 す る と い う の は L1 学 生 に と っ て は 負 担 が 大 き く 参 加 率 が 低 か っ た こ と 、L1 学 生 の 多 く は「 答 案 の 書 き 方 」よ り も 基 礎 知 識 の 習 得 が 欠 け て い る 点 に 問 題 が あ る 中 で ア ウ ト プ ッ ト の 重 要 性 を 指 摘 す る 企 画 は 一 部 の 学 生 を 基 礎 概 念 の 理 解 ・ 暗 記 と い っ た 取 り 組 む べ き 課 題 か ら 目 を 逸 ら さ せ て お り 有 害 無 5 こ の よ う な 若 手 修 了 生 の 教 育 の 現 場 へ の 活 用 は 全 国 的 に 法 科 大 学 院 で も 見 ら れ る こ と に つ い て 中 田 裕 康 ほ か 「 座 談 会 ・ 平 成 の 法 学 教 育 」 法 律 時 報 91 巻 9 号 ( 2019) 88 頁 〔 中 田 裕 康 〕。 6 同 企 画 は 、 読 売 新 聞 ( 宮 城 ) 2017 年 12 月 22 日 朝 刊 29 頁 「 司 法 試 験 合 格 増 に 全 力 」( 宇 田 和 幸 ) で 紹 介 さ れ た 。

(7)

益 と な っ て い る こ と 等 を 踏 ま え 、翌 2018 年 度 以 降 は 、当 初 の 自 主 的 な「 勉 強 会 」 の 開 催 に つ な が る よ う な 勉 強 す る 雰 囲 気 ・ 環 境 づ く り に 特 化 し 、 予 習 オ フ ィ ス ア ワ ー に 重 点 を 置 い て 「 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 」 と し て 実 施 し て い く こ と と な っ た 。

3 . 並 行 企 画 の 紹 介

な お 、本 稿 で 紹 介 す る 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 以 外 に も 、2020 年 度 前 期 に 学 生 同 士 の ネ ッ ト ワ ー キ ン グ を は か る 企 画 を い く つ か 実 施 し た 。 ① 4 月 上 旬 に 学 生 同 士 で ネ ッ ト ワ ー キ ン グ を す る た め の プ ラ ッ ト フ ォ ー ム と し て 教 員 側 で Slack ( グ ル ー プ で メ ッ セ ー ジ を や り 取 り す る プ ラ ッ ト フ ォ ー ム ) の 「 チ ャ ン ネ ル 」 を 学 年 ご と に 作 成 し 、 東 北 大 学 法 科 大 学 院 の 学 生 が 日 々 参 照 す る プ ラ ッ ト フ ォ ー ム で あ る TKC ( 多 く の 法 科 大 学 院 で 採 用 さ れ て い る 法 科 大 学 院 向 け の LMS 〔 Learning Management System〕)を 用 い て 告 知 し た( TKC は 学 生 か ら の 情 報 発 信 は で き な い )。 ② 4 月 24 日 に 在 学 生 ( L3 生 〔 既 修 2 年 次 ・ 未 修 3 年 次 学 生 〕) 主 導 に よ る Zoom を 用 い た 新 入 生 と 在 学 生 の ミ ー テ ィ ン グ が 開 催 さ れ た 。 ③ 東 北 大 学 全 学 レ ベ ル で 在 学 生 が 新 入 生 と 交 流 を 図 る ピ ア サ ポ ー タ ー 制 度 の 導 入7。④ 東 北 大 学 全 学 レ ベ ル で 法 科 大 学 院 の 新 入 生 を 含 め た 全 学 生 に ア ド バ イ ザ ー 教 員 を 配 当 し た 。 こ の う ち 最 も 機 能 し た の は ② 新 入 生 と 在 学 生 の Zoom ミ ー テ ィ ン グ で あ る8。参 加 任 意 の イ ベ ン ト で あ る に も か か わ ら ず 、38 名 の 学 生 が 参 加 し た 。こ れ は 、在 学 生 の 代 表 者 が zoom の 主 催 者 と な り ( 開 催 日 の 4 月 24 日 は 教 育 機 関 の ア カ ウ ン ト 〔 末 尾 が ac.jp の メ ー ル ア ド レ ス で 作 成 し た ア カ ウ ン ト 〕 で あ れ ば 有 料 ア カ ウ ン ト で な く と も 複 数 人 と の zoom ミ ー テ ィ ン グ に 時 間 制 限 の な い 特 別 措 置 が あ っ た )、ま ず は 全 員 が 1 つ の ミ ー テ ィ ン グ ル ー ム に 参 加 し 、全 体 的 な 説 明 を 行 っ た 。 そ の 後 、 在 学 生 5 名 が そ れ ぞ れ 1 つ ず つ zoom の ミ ー テ ィ ン グ ル ー ム を 主 催 し 、 予 め 新 入 生 を 5 つ の グ ル ー プ に 割 り 振 っ て 、少 人 数 で の 情 報 交 換 会 を 実 施 し た 模 様 で あ る 。教 員 は 冒 頭 の あ い さ つ に 副 院 長 と し て 本 稿 共 著 者 の 1 名 が 参 加 し た が 、 そ の 後 は す ぐ に 退 室 し た 。 法 科 大 学 院 の 勉 強 に 不 安 を 感 じ て い る 新 入 生 に 対 し 、 在 学 生 有 志 が 法 科 大 学 院 で の 勉 強 法 、 授 業 の 受 け 方 、 司 法 試 験 に 向 け た 準 備 な ど の 勉 強 会 の み な ら ず 、 仙 台 で の 生 活 等 、 教 員 や 事 務 に は 聞 き に く い こ と を 含 め て 7 ピ ア サ ポ ー タ ー 制 度 に つ い て は 東 北 大 学 ウ ェ ブ サ イ ト ( https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2020/05/news20200501 -03.html) 参 照 。 同 制 度 は 新 聞 で も 報 道 さ れ た 。 河 北 新 報 2020 年 4 月 24 日 朝 刊 3 頁 「 困 窮 学 生 ら へ 4 億 円 支 援 」、 河 北 新 報 2020 年 5 月 20 日 朝 刊 21 頁 「 給 付 型 の 奨 学 金 学 生 3581 人 に 支 給 」。 8 新 入 生 と 在 学 生 の Zoom ミ ー テ ィ ン グ の 内 容 に つ い て は 、 東 北 大 学 オ ン ラ イ ン 授 業 グ ッ ド プ ラ ク テ ィ ス ・ ウ ェ ブ サ イ ト ( http://onlg.cds.tohoku.ac.jp/practices/48.html ) 参 照 。

(8)

イ ン フ ォ ー マ ル な 情 報 提 供 を 行 っ て く れ た 模 様 で あ る 。 こ れ に 対 し て 他 の 企 画 は 目 に 見 え た 成 果 は 確 認 さ れ て い な い 。 ① Slack の チ ャ ン ネ ル は 、 4 月 期 に 新 入 生 同 士 の 挨 拶 が 数 件 見 ら れ た 程 度 で あ り 、 本 稿 が 紹 介 す る 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 や ② 新 入 生 と 在 学 生 Zoom ミ ー テ ィ ン グ の 告 知 を す る の に 用 い る こ と は あ っ て も 、 学 生 か ら の 投 稿 は す ぐ に な く な っ た 。 こ れ は 、 純 粋 に 学 生 の み に よ る メ ッ セ ー ジ 交 換 を LINE 等 の 他 の ツ ー ル を 用 い る よ う に な っ た か ら で あ ろ う 。そ れ で も 4 月 の 混 乱 期 に 情 報 伝 達 の ツ ー ル の 1 つ と し て 機 能 し た こ と は 過 小 評 価 す べ き で は な い か も し れ な い が 、 後 述 す る よ う に 、 こ の 時 期 は 、新 入 生 へ の 連 絡 手 段 が 確 立 し て い な い と い う 問 題 が あ り 、「 と り あ え ず で き る こ と は 何 で も や る 」 と い う こ と が 大 事 で あ っ た と い う だ け で あ ろ う 。 こ の ほ か 、③ ピ ア サ ポ ー タ ー は ピ ア サ ポ ー タ ー と な る 学 生 の 決 定 が 5 月 半 ば 以 降 で 、 正 式 な 稼 働 は 6 月 か ら で あ り 、 す で に 前 期 の 授 業 も 半 ば と な っ て お り 、 時 機 を 失 し て い た 。 ④ 担 当 ア ド バ イ ザ ー 教 員 の 配 当 も 4 月 末 で あ り 、 ま た そ の 業 務 内 容 も 特 に 決 ま っ て い な か っ た 。

4 . 2020 年 度 の 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 の 内 容

2 . で 紹 介 し た よ う に 2019 年 度 ま で は 、 未 修 者 を 対 象 に 法 科 大 学 院 で の 勉 強 の 仕 方 、 予 習 の や り 方 や 勉 強 会 の 開 催 方 法 な ど を 学 ぶ 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 を 実 施 し て き た と こ ろ 、 2020 年 度 4 月 は 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 拡 大 の 問 題 に 伴 い 、 こ れ ま で の よ う に 参 集 式 で 行 う こ と が で き な か っ た 。 仮 に 実 施 す る の で あ れ ば 、 授 業 同 様 、 オ ン ラ イ ン で 実 施 す る 必 要 が 生 じ た 。 ま た 、 コ ロ ナ 禍 に お い て は 、自 主 的 な 勉 強 会 の 開 催 が 困 難 で あ る の は 未 修 者 に 限 ら れ な い 。そ こ で 、2020 年 度 は 、 こ れ ま で L1 生 を 対 象 に 実 施 し て き た 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 の 企 画 を 、 既 修 者 コ ー ス の 1 年 生 を 含 む L2 生 に も 実 施 す る こ と に し た9 オ フ ィ ス ア ワ ー 担 当 修 了 生 と オ ン ラ イ ン で 、 Zoom や Meet の 利 用 法 を 確 認 し な が ら 、そ の 内 容 を 相 談 し た 。そ の 結 果 、L1 生 に つ い て は 従 来 通 り 法 律 基 本 科 目 の 刑 法 の 第 2 回 の 予 習 、 L2 生 に つ い て は 法 律 基 本 科 目 の 基 幹 刑 法 の 第 2 回 の 予 習 を 素 材 に す る こ と と し 、 L1 生 に つ い て は 3 つ の グ ル ー プ 、 L2 生 に つ い て は 8 つ の グ ル ー プ に 分 け て 少 人 数 の セ ミ ナ ー を 実 施 す る こ と に し た 。L1 に つ い て は オ フ ィ ス ア ワ ー 担 当 修 了 生 の 中 で 未 修 コ ー ス 出 身 の 3 名 の 修 了 生 が 担 当 し 、 L2 に つ い て は 担 当 修 了 生 4 名 全 員 が そ れ ぞ れ 2 回 ず つ 担 当 す る こ と に な っ た 。 実 施 し た 内 容 は 、 刑 法 ・ 基 幹 刑 法 の 第 2 回 目 に 向 け て 予 習 が ち ゃ ん と で き て い 9 2020 年 度 の 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 の 概 要 に つ い て は 東 北 大 学 オ ン ラ イ ン 授 業 グ ッ ド プ ラ ク テ ィ ス ・ ウ ェ ブ サ イ ト ( http://onlg.cds.tohoku.ac.jp/practices/4 9.html) も 参 照 。

(9)

る の か の 確 認 を 素 材 に 、 法 律 の 勉 強 を ど う や っ て 進 め る の か に つ い て 学 ぶ と い う も の で あ り 、 参 加 学 生 か ら の 質 問 な ど に も 応 じ る こ と が で き る よ う に 細 部 は 担 当 修 了 生 の 裁 量 に ゆ だ ね た 。 実 際 に 実 施 し た 内 容 の い く つ か を 以 下 に 紹 介 す る 。

( 1) 未 修 1 年 次 (L1) 学 生 向 け 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 の 内 容

L1 向 け 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー の 特 別 回 の 参 加 者 数 は 11 名 で あ り 、 L1 全 学 生 19 名 か ら 比 べ る と 出 席 率 は 57.9%で あ っ た(【 表 3】参 照 )。2020 年 度 新 入 生 に 限 れ ば 出 席 率 は 78.9%と 高 率 で あ る 。例 年 、L1 新 入 生 の 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 へ の 出 席 率 は ほ ぼ 100% で あ る こ と を 考 え る と 低 い も の が あ る が 、 オ ン ラ イ ン 化 に よ る ロ ジ ス テ ィ ッ ク ス の 煩 雑 さ を 考 え る と 、 こ れ で も 高 率 と い っ て よ い も の と 思 わ れ る 。 他 方 で 、原 級 留 置 者( い わ ゆ る「 留 年 」)の 出 席 率 は 0% と い う の も 例 年 通 り で あ る 。 こ れ は 、 一 つ に は 原 級 留 置 者 が 4 月 期 に 新 入 生 と 一 緒 に 勉 強 す る こ と へ の 気 恥 ず か し さ の よ う な も の が あ る の か も し れ な い が 、 そ れ よ り も 、 同 一 内 容 の 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 を 対 面 式 で 前 年 度 開 催 し て い る か ら で あ り 、 ま た 、 対 象 科 目 で あ る 刑 法 の 単 位 は 前 年 度 履 修 済 み で あ る た め 2020 年 度 に 刑 法 の 授 業 を 履 修 し な い 学 生 も 含 ま れ て い る と い っ た 理 由 が 大 き い と 考 え ら れ る 。 学 生 間 の ネ ッ ト ワ ー キ ン グ ・ 勉 強 し 合 う 雰 囲 気 ・ 環 境 づ く り に 主 眼 が あ る の で あ れ ば 、 原 級 留 置 者 も 参 加 し や す い よ う に 特 定 の 授 業 を 対 象 に す べ き で は な い と い う 考 え 方 も あ ろ う 。だ が 、他 方 で 、L1 学 生 は 必 修 科 目( 法 律 基 本 科 目 )の 学 習 だ け で 精 い っ ぱ い で あ る と こ ろ 、 学 習 支 援 と し て 、 法 律 基 本 科 目 の カ リ キ ュ ラ ム と 全 く 無 関 係 に 教 育 内 容 が 提 供 さ れ れ ば 、 そ の 分 、 法 律 基 本 科 目 の 予 習 復 習 に 割 く 時 間 が 減 少 し 、 法 律 基 本 科 目 の 習 得 の 程 度 が 下 が る と い う 事 態 も 引 き 起 こ し か ね な い と い う 問 題 も あ る 。 オ リ ジ ナ ル な 負 担 を 課 す よ う な 教 育 プ ロ グ ラ ム は 本 当 に フ ォ ロ ー が 必 要 な 法 律 基 本 科 目 の 予 習 復 習 が 満 足 に で き て い な い 学 生 に と っ て 望 ま し く な い と 考 え て い る10 【 表 3】 L1 学 生 出 席 率 1 0 こ の 点 は 、 前 述 の 2 . で 紹 介 し た 2017 年 度 の 様 々 な プ ロ グ ラ ム で 確 認 し た こ と で あ る 。 6 月 期 に 実 施 し た ア ウ ト プ ッ ト ・ オ フ ィ ス ア ワ ー の 参 加 率 が 低 下 し た 理 由 で 最 も 大 き か っ た の は 、 授 業 期 間 中 の 学 生 は 通 常 授 業 の 予 習 復 習 で 忙 し く 答 案 作 成 の 時 間 が 十 分 に と れ な い と い う も の で あ っ た 。

(10)

【 担 当 修 了 生 A 】 ・ 法 科 大 学 院 で の 勉 強 の 仕 方 等 一 般 に つ い て ( 50 分 程 度 ) - 司 法 試 験 の 科 目 や 日 程 等 - 法 科 大 学 院 で 身 に つ け る べ き 能 力 は - 教 材 の 選 び 方 - 自 主 ゼ ミ - オ フ ィ ス ア ワ ー の 利 用 の 仕 方 - 法 科 大 学 院 に お け る 予 習 復 習 の 仕 方 - 法 的 三 段 論 法 - 定 期 試 験 対 策 な ど ・ 刑 法 の 予 習 の 仕 方 ( 40 分 程 度 ) - 刑 法 の 勉 強 の 仕 方 - L 1 刑 法 第 2 講「 実 行 行 為 と 危 険 概 念 」を 題 材 と し た 、法 科 大 学 院 に お け る 予 習 の 仕 方 【 担 当 修 了 生 B 】 ・ 法 律 の 適 用 例 に つ い て ( 刑 法 を 素 材 に ) ・ 法 的 三 段 論 法 に つ い て ・ 教 科 書 の 読 み 方 に つ い て ・ 勉 強 会 の 進 め 方 に つ い て ・ 刑 法 第 2 回 の 授 業 内 容 に つ い て ( 特 に , 法 的 三 段 論 法 を 意 識 し た 説 明 方 法 に つ い て ) 【 担 当 修 了 生 C 】 ・ 学 生 の 自 己 紹 介 ・ 弁 護 士 作 成 の 資 料 を 基 に 勉 強 の 仕 方 、 予 習 ゼ ミ の 疑 似 体 験 - 一 般 的 な 勉 強 の 仕 方 - 「 評 価 対 象 の 摘 示 → 規 範 定 立 → 事 実 の 評 価 → 結 論 」 - 勉 強 会 に つ い て - 予 習 ゼ ミ の 疑 似 体 験 - 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 制 度 の 紹 介 セ ミ ナ ー の 内 容 を 見 る と 、 刑 法 第 2 回 目 の 授 業 の 予 習 に 限 定 せ ず 、 幅 広 く 勉 強 の 仕 方 に つ い て 情 報 提 供 を し 、 相 談 に 乗 っ て く れ て い る こ と が う か が え る 。 そ の

(11)

中 で も 、法 的 三 段 論 法 の 重 要 性 の 指 摘11の ほ か 、東 北 大 学 法 科 大 学 院 か ら は 、基 本 概 念 の 理 解 ・ 暗 記 の 重 要 性 に つ い て 指 摘 す る よ う に 依 頼 し た 。 法 科 大 学 院 教 育 に お け る 一 般 的 な 弱 点 と し て「 答 案 練 習 が で き な い 」「 実 際 に 答 案 を 書 け る よ う に な ら な い 」 と い っ た 論 述 能 力 の 涵 養 を 看 過 し て き て し ま っ た こ と が 問 題 視 さ れ 、 2019 年 に は 専 門 職 大 学 院 設 置 基 準・連 携 法( 法 科 大 学 院 の 教 育 と 司 法 試 験 等 と の 連 携 等 に 関 す る 法 律 ) が 改 正 さ れ 、 法 科 大 学 院 の 授 業 に 「 論 述 の 能 力 」 の 涵 養 が 求 め ら れ る こ と が 明 文 で 規 定 さ れ る 事 態 と な っ た ( 専 門 職 大 学 院 設 置 基 準 20 条 の 3 第 2 項 括 弧 書 ・ 20 条 の 5、 連 携 法 4 条 2 号 )。 こ の よ う な 批 判 は 、 東 北 大 学 法 科 大 学 院 の 教 育 に も 少 な か ら ず 妥 当 す る と こ と が あ ろ う 。 し か し な が ら 、 東 北 大 学 法 科 大 学 院 で の 調 査 で は 、 L1 の 進 級 が で き る か で き な い か の レ ベ ル の 学 生 は 、 論 述 が で き な い の で 期 末 試 験 が 解 け な い の で は な く 、 基 本 概 念 の 習 得 が 不 十 分 で あ る こ と に 原 因 が あ っ た 。に も か か わ ら ず 、L2 以 上 の 学 生 や 成 績 優 等 生 に 感 化 さ れ て か 、 学 生 側 は 「 答 案 練 習 が 足 り な い 」 と 思 い 込 ん で お り 、 基 本 概 念 の 習 得 と い う 自 身 の 喫 緊 の 課 題 か ら 目 を 逸 ら し て い る と い う 問 題 が あ っ た12

( 2) 既 修 1 年 次 ・ 未 修 2 年 次 (L2) 学 生 向 け 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー

特 別 回 の 内 容

L2 生 向 け に つ い て は い く つ か の 回 で 出 席 者 数 を カ ウ ン ト で き て い な い た め 、出 席 者 数 の 完 全 な 把 握 は で き て い な い 。し か し 、そ れ で も 、L1 よ り も 高 い 出 席 率 が 確 認 さ れ て い る (【 表 4】 参 照 )。 【 表 4】 L2 学 生 出 席 率 1 1 法 科 大 学 院 の 学 生 が 事 例 問 題 を 解 く に あ た っ て の 「 法 的 三 段 論 法 」 の 意 義 と 重 要 性 を 指 摘 す る も の と し て 西 内 康 人 「 事 例 問 題 の 特 徴 」 法 学 教 室 477 号 ( 2020) 41― 42 頁 参 照 。 1 2 こ の こ と も 2 . で 紹 介 し た 2017 年 度 に 実 施 し た 一 連 の プ ロ グ ラ ム で 確 認 し た 。 具 体 的 に は 、 授 業 「 法 律 学 基 礎 演 習 」 で 解 説 し た 問 題 を 、 そ の 後 、 事 例 問 題 と し 、 答 案 を 書 か せ て み た と こ ろ 、 L1 学 生 も 十 分 な 論 述 を す る こ と が で き た こ と が 分 か っ た 。 し か し な が ら 、 対 象 科 目 で あ る 民 法 の 期 末 試 験 で は 、 十 分 な 論 述 が で き な い 答 案 が 多 く 、 そ の 主 な 原 因 は 基 本 概 念 の 習 得 不 足 に よ る も の で あ っ た 。 に も か か わ ら ず 、 L1 学 生 か ら 最 も 強 か っ た 要 望 は 「 答 案 の 書 き 方 の セ ミ ナ ー を や っ て ほ し い 」 と い う も の で あ っ た 。

(12)

【 担 当 修 了 生 A】 ・ 法 科 大 学 院 で の 勉 強 の 仕 方 等 一 般 に つ い て ( 20 分 程 度 ) - 教 材 の 選 び 方 - 自 主 ゼ ミ - オ フ ィ ス ア ワ ー の 利 用 の 仕 方 - 法 科 大 学 院 に お け る 予 習 復 習 の 仕 方 - 法 的 三 段 論 法 - 定 期 試 験 対 策 な ど ・ 刑 法 の 予 習 の 仕 方 ( 50 分 程 度 ) - 刑 法 の 勉 強 の 仕 方 - L 2 基 幹 刑 法 第 1 講「 正 犯 と 共 犯 」を 題 材 と し た 、法 科 大 学 院 に お け る 予 習 の 仕 方 【 担 当 修 了 生 B】 ・ 法 的 三 段 論 法 に つ い て ( 条 文 の 文 言 の 指 摘 の 重 要 性 , 解 釈 → あ て は め の 順 序 の 重 要 性 , 事 実 を 抽 出 し て 評 価 す る こ と の 重 要 性 を 含 む ) ・ 法 律 文 書 の 起 案 方 法 ( 刑 法 答 案 の 書 き 方 を 例 に , 特 に 法 的 三 段 論 法 の 重 要 性 を 強 調 ) ・ L 2 と し て の 刑 法 の 学 習 方 法 に つ い て ・ 勉 強 会 の 進 め 方 に つ い て ( 特 に , 相 互 に 文 章 を 添 削 し 合 う べ き こ と に つ い て ) ・ 刑 法 第 2 回 の 授 業 内 容 に つ い て ( 但 し , 触 れ る 程 度 ) 【 担 当 修 了 生 C 】 ・ 学 生 の 自 己 紹 介 ・ 弁 護 士 作 成 の 資 料 を 基 に 勉 強 の 仕 方 、 予 習 ゼ ミ の 疑 似 体 験 - L2 で 求 め ら れ る 法 律 学 の レ ベ ル ( 事 案 の 処 理 ) - 一 般 的 な 勉 強 の 仕 方 - 「 評 価 対 象 の 摘 示 → 規 範 定 立 → 事 実 の 評 価 → 結 論 」 - 勉 強 会 に つ い て - 予 習 ゼ ミ の 疑 似 体 験 - 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー の 紹 介 L2 生 に 向 け て も 、 L1 生 同 様 、 法 律 基 本 科 目 で あ る 基 幹 刑 法 の 予 習 に と ど ま ら ず 、 一 般 的 な 法 科 大 学 院 で の 勉 強 法 に つ い て 幅 広 く 情 報 提 供 ・ 相 談 が な さ れ た 。

(13)

中 で も 、論 述 の 方 法 で あ る 法 的 三 段 論 法 の 重 要 性 の 指 摘 が な さ れ 、2019 年 改 正 専 門 職 大 学 院 設 置 基 準 の 求 め る 「 論 述 能 力 の 涵 養 」 を 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー が 担 っ て い る 現 状 が 示 さ れ て い る 。

5 . 実 施 上 の 困 難

本 企 画 を 実 施 す る に あ た り 、 い く つ か の 困 難 が あ っ た の で そ れ を 紹 介 し た い 。 そ れ ら の 大 本 は 、 学 生 同 士 の ネ ッ ト ワ ー ク が 全 く な い と い う 点 に あ る 。 具 体 的 に は 、 ま ず 、 勉 強 会 の 存 在 を 新 入 生 に 伝 達 す る 方 法 が な い と い う こ と が あ っ た 。 在 学 生 で あ れ ば 東 北 大 学 法 科 大 学 院 の プ ラ ッ ト フ ォ ー ム で あ る TKC の 閲 覧 は ほ ぼ 日 課 と な っ て い る が 、 新 入 生 は TKC を 毎 日 チ ェ ッ ク す る よ う な 習 慣 が つ い て い る と は 限 ら な い 。し か も 、2020 年 度 は 授 業 の 完 全 オ ン ラ イ ン 化 に 伴 い 、 授 業 動 画 を 録 画 し 受 講 で き な か っ た 学 生 等 が 閲 覧 で き る よ う に ア ッ プ ロ ー ド す る こ と に な っ た と こ ろ 、TKC に 当 該 授 業 動 画 を ア ッ プ ロ ー ド す る よ う な 仕 組 み・容 量 は な く 、東 北 大 学 と Google 社 と の G Suite 契 約 に 基 づ き 、Google 上 の Classroom に ア ッ プ ロ ー ド す る こ と と な り 、 今 年 度 は 、 プ ラ ッ ト フ ォ ー ム が 従 来 の TKC か ら Google Classroom へ と 移 り か ね な い 状 況 で あ り 、「 TKC で の 確 認 が 日 課 」と い う 慣 習 が 今 後 は 維 持 さ れ る か 定 か で は な か っ た 。 電 子 メ ー ル に つ い て も 、 新 入 生 に は 東 北 大 学 ア カ ウ ン ト に よ る メ ー ル ア ド レ ス を 発 行 し た ば か り の 段 階 で あ り 、 そ の 利 用 法 に つ い て 十 分 な 習 熟 が な さ れ て い な い 状 況 で あ っ た 。 例 年 、 4 月 に 実 施 し て い る ガ イ ダ ン ス ( 新 入 生 オ リ エ ン テ ー シ ョ ン 、 履 修 指 導 ) の よ う に 、 一 度 で も 対 面 で 集 ま る 機 会 が あ れ ば 、告 知 で き る の で あ る が 、2020 年 度 は こ の 手 の ガ イ ダ ン ス 系 の イ ベ ン ト も す べ て オ ン ラ イ ン と な っ て お り 、 新 入 生 の 中 で も イ ン タ ー ネ ッ ト 機 器 等 に 習 熟 し て い な い 学 生 は 十 分 に 情 報 を キ ャ ッ チ ア ッ プ し て い る か 不 安 が あ っ た 。 そ こ で 、 TKC、 電 子 メ ー ル の ほ か 、 2 . で 紹 介 し た Slack の チ ャ ン ネ ル な ど 、 で き う る 限 り の 方 法 で 情 報 提 供 を 行 っ た 。 次 に 問 題 と な っ た の が 、 オ ン ラ イ ン で オ フ ィ ス ア ワ ー を 実 施 す る 場 合 の ア プ リ ケ ー シ ョ ン を ど う す る の か と い う 問 題 で あ っ た 。 本 企 画 は 4 月 上 旬 な い し 半 ば か ら 計 画 さ れ て い た と こ ろ 、 当 時 は 、 東 北 大 学 法 科 大 学 院 の あ る 仙 台 市 の 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 者 は ま だ 少 な く 、 緊 急 事 態 宣 言 の 対 象 と な っ て い な か っ た た め 、 当 地 の 弁 護 士 の 日 常 業 務 は ま だ 完 全 オ ン ラ イ ン 化 は な さ れ て い な か っ た 。 当 地 の 弁 護 士 に オ ン ラ イ ン 会 議 シ ス テ ム と し て よ く 利 用 さ れ て い た の は 裁 判 所 と も 契 約 関 係 に あ る Microsoft 社 の Teams で あ り 、 東 北 大 学 が 利 用 し て い る Google Hangouts Meet13や 法 学 研 究 科 ・ 法 科 大 学 院 が 利 用 し て い る Zoom の 利 用 は 普 及

(14)

し て い な か っ た 。 参 加 す る 学 生 に 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 の た め だ け に 新 た な ア プ リ ケ ー シ ョ ン を ダ ウ ン ロ ー ド し て も ら い 、 そ の 利 用 法 を 習 熟 し て も ら う の は 、 手 続 コ ス ト が 高 く な り 、 学 生 の 参 加 率 低 下 を 招 き か ね な い 。 そ こ で 、 最 終 的 に は 、学 生 に Teams を 利 用 さ せ る の で は な く 、担 当 修 了 生 に Zoom あ る い は Meet の 利 用 を お 願 い す る こ と に な っ た 。 今 回 の 企 画 の 打 ち 合 わ せ と し て 、 Zoom で 担 当 修 了 生 と 副 院 長 と で Zoom や Meet を 用 い た ミ ー テ ィ ン グ を 行 う こ と で 、 担 当 修 了 生 に Zoom の 利 用 法 を 習 熟 し て い た だ い た 。も ち ろ ん 、2020 年 9 月 現 在 に お い て は 、 仙 台 市 の 若 手 弁 護 士 に と っ て Zoom の 利 用 の 習 熟 は も は や 当 然 の こ と と な っ て お り 、 将 来 、 同 じ 課 題 が 発 生 す る こ と は な い と 思 わ れ る 。 ま た 、2020 年 4 月 は 、前 述 の よ う に Zoom は 教 育 機 関 の ア カ ウ ン ト を 有 し て い れ ば 無 料 ア カ ウ ン ト で も 機 能 制 限( 3 名 以 上 参 加 の ミ ー テ ィ ン グ で も 40 分 の 時 間 制 限 解 除 ) が な さ れ て い て お り 、 ま た 、 操 作 方 法 も 比 較 的 容 易 で あ る こ と か ら 、 Zoom で 実 施 を す る こ と と な っ た 。 し か し な が ら 、 担 当 修 了 生 は 弁 護 士 で あ り 、 東 北 大 学 の ア カ ウ ン ト を 有 し て い る わ け で は な い た め 、 Zoom で オ フ ィ ス ア ワ ー を 実 施 す る に あ た り 、 ミ ー テ ィ ン グ ル ー ム の 設 定 を 教 育 機 関 の ア カ ウ ン ト を 有 し て い る 学 生 に し て も ら う 必 要 が あ っ た 。 こ れ が 、 上 記 の 学 生 へ の 連 絡 が で き な い こ と 、 学 生 同 士 で 連 絡 し て も ら お う に も 学 生 間 の ネ ッ ト ワ ー ク が な い こ と と い う 問 題 か ら 、 な か な か う ま く い か な か っ た 。 依 頼 内 容 を 理 解 し 、 所 定 の 時 間 帯 に Zoom の ミ ー テ ィ ン グ を 設 定 し 、そ の ミ ー テ ィ ン グ の URL を 担 当 修 了 生 あ る い は 他 の 教 職 員 に 電 子 メ ー ル 等 で 伝 え る と い っ た 業 務 を 行 う に は 、 あ る 程 度 の リ ー ダ ー シ ッ プ や 最 低 限 度 の IT に 関 す る 基 礎 的 素 養 が 必 要 で あ る と こ ろ 、 司 法 試 験 準 備 に 特 化 し て 勉 強 し て い る 法 科 大 学 院 の 学 生 の 中 で 、 ど の 学 生 で あ れ ば 問 題 な く 依 頼 で き る の か 、 と い っ た 判 断 を 新 入 生 相 手 に 行 う の は 法 科 大 学 院 ・ 教 員 に は 難 し か っ た 。 結 局 、 学 生 証 番 号 順 に 並 べ て 機 械 的 に ミ ー テ ィ ン グ ル ー ム 設 定 の 学 生 を 割 り 振 っ た も の の 、機 能 し た と こ ろ と 機 能 し な か っ た と こ ろ が 生 じ た 。こ れ が 、 既 に 学 生 間 の ネ ッ ト ワ ー キ ン グ が あ る 程 度 な さ れ て い れ ば 、 こ う い っ た 業 務 に 向 い て い る 学 生 に 依 頼 す る こ と も 可 能 と な ろ う し 、 予 め 指 定 し た 学 生 が こ う い っ た 業 務 に 不 向 き で あ れ ば 、 他 の 学 生 が 代 わ り に や っ て あ げ る 、 と い う こ と が な さ れ て い た は ず で あ る 。だ が 、2020 年 度 4 月 期 は 当 初 よ り 一 切 、対 面 式 で 人 間 関 係 を 形 成 す る 機 会 が な い 中 で の 運 営 で あ っ た た め 、 ト ラ ブ ル は 避 け ら れ な か っ た 。 そ れ で も 、 な ん と か 、 す べ て の グ ル ー プ で オ フ ィ ス ア ワ ー を 実 施 で き た 。 そ の ほ か 、 オ ン ラ イ ン 化 と は 無 関 係 な 細 か い 点 と し て 、 こ う い っ た 任 意 参 加 の プ ロ グ ラ ム を 実 施 す る に あ た り 、 正 規 授 業 の 時 間 割 と の 調 整 ( 単 に 同 時 間 帯 に 授 ロ ー ド 制 限 ) が な さ れ 、 他 方 で 、 2020 年 7 月 か ら Microsoft 社 と の ラ イ セ ン ス 契 約 が 発 効 し た こ と か ら 、 オ ン ラ イ ン 授 業 の ア プ リ ケ ー シ ョ ン と し て Meet か ら Microsoft Teams へ の 変 更 が な さ れ た 。

(15)

業 が あ る と い う だ け で な く 、 理 想 的 に は 予 習 復 習 に 必 要 な 時 間 も 考 え る こ と が 望 ま し い ) が 相 変 わ ら ず 手 間 と な っ た 。

6 . 担 当 修 了 生 か ら の フ ィ ー ド バ ッ ク

( 1) 未 修 1 年 次 (L1) 学 生 向 け オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回

担 当 修 了 生 か ら の 実 施 報 告 書 を ま と め る と 以 下 の よ う な 指 摘 が あ っ た 。 オ フ ィ ス ア ワ ー で 実 際 に 集 中 的 に 取 り 扱 わ れ た の は 「 勉 強 法 」 と 「 法 的 三 段 論 法 」 で あ っ た 。「 勉 強 法 」 に 関 し て は 、 論 述 能 力 も さ る こ と な が ら 、 L1 生 に は 基 本 概 念 の 理 解 暗 記 が 必 要 で あ る こ と を 重 点 的 に 話 し て い た だ い た 。 そ の ほ か 、 勉 強 会 の 開 催 や 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー の 利 用 を す す め た 。 ま た 、 法 律 学 の 論 述 方 法 と し て 、「 法 的 三 段 論 法 」に よ る 論 述 が 重 要 で あ る と こ ろ 、学 生 か ら は ま だ そ の 内 容 を 理 解 で き て い な い こ と へ の 不 安 が 示 さ れ て い る 。 問 題 点 と し て 指 摘 さ れ て い る の は 、 学 生 が カ メ ラ を オ ン に し て く れ な い 場 合 が あ り 、 そ の 場 合 に 、 学 生 の 反 応 が わ か ら ず 、 ど の 程 度 理 解 し て い る の か 従 来 以 上 に 不 明 で あ る と い う 点 で あ り 、 正 規 授 業 の オ ン ラ イ ン 化 に お け る 問 題 と し て 指 摘 さ れ て い る こ と と 共 通 す る 。 そ の ほ か 、 完 全 未 修 者 の 学 生 な ど コ ロ ナ や 完 全 オ ン ラ イ ン 化 に よ っ て 今 後 ど の よ う に 勉 強 し て い け ば よ い の か と い う 不 安 が 平 時 に も 増 し て 高 ま っ て い る と い う 指 摘 が あ っ た 。

( 2) 既 修 1 年 次・未 修 2 年 次(L2)学 生向 け オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回

L2 学 生 で も「 勉 強 法 」と「 法 的 三 段 論 法 」に か な り ウ ェ イ ト が 割 か れ た 。特 に 、 L2 学 生 は 、 L1 学 生 と 比 較 し て も 、 よ り 論 述 の 能 力 涵 養 が 重 要 な 課 題 と な っ て い る た め 法 律 文 書 の 起 案 方 法 を 重 点 的 に 学 ん だ 。他 方 で 、L2 学 生 に も 基 本 概 念 の 暗 記 も 必 要 で あ る こ と を 強 調 し た 。 L1 学 生 と 同 様 、学 生 が カ メ ラ を オ フ に さ れ る と 反 応 が わ か り に く く 、オ フ ィ ス ア ワ ー が や り に く か っ た と こ ろ 、 カ メ ラ を オ ン に す る よ う に 依 頼 す れ ば 、 全 員 で は な い に し て も 多 く の 学 生 が カ メ ラ を オ ン に し て く れ て 、 学 生 の 反 応 も わ か り や す く な っ た 。 ま た 、 グ ル ー プ に よ っ て 、 学 生 か ら 活 発 に 質 問 が 出 る グ ル ー プ と 出 な い グ ル ー プ と に 分 か れ た 。 L2 学 生 の 中 に は 、学 部 生 時 代 に す で に 学 生 同 士 の 勉 強 会 を 経 験 し て い る 者 も お り 、勉 強 会 の 推 奨 と オ ン ラ イ ン で も 勉 強 会 が 可 能 で あ る こ と を 紹 介 し た 。そ し て 、 実 際 に 勉 強 会 の 開 催 に 向 け て 具 体 的 な 相 談 が 行 わ れ た オ フ ィ ス ア ワ ー も あ っ た 。 他 方 で 、 そ の ま ま 開 催 の 方 向 に 話 が 進 ん だ と こ ろ も あ れ ば 、 開 催 を 提 案 す る 学 生

(16)

に 対 し て 、「 誰 が ど の く ら い で き る の か 分 か ら な い 」、「 個 々 人 の キ ャ ラ ク タ ー も 分 か ら な い た め 即 答 で き な い 。」と い う 不 安 を 述 べ る 学 生 が 多 く 、直 ち に 開 催 に は 向 か わ な か っ た と こ ろ も あ り 、 オ ン ラ イ ン の み で の 学 生 間 の ネ ッ ト ワ ー キ ン グ が 直 ち に は 難 し い こ と を う か が わ せ る 。 学 生 か ら の 質 問 と し て は 、 平 均 的 に 評 価 さ れ や す い 答 案 は ど の よ う に 訓 練 で き る か 、 教 員 間 や 教 科 書 間 で 異 な る 説 明 が な さ れ て い る と こ ろ は ど ち ら を 選 べ ば よ い か と い っ た 直 近 の 勉 強 や 司 法 試 験 を 念 頭 に 置 い た も の も あ れ ば 、 実 務 上 役 立 つ 選 択 科 目 は あ る か 、 コ ロ ナ ウ ィ ル ス に よ っ て 実 務 に 変 化 は あ る の か と い っ た 、 実 務 家 で あ る 弁 護 士 が 担 当 し て い る か ら な ら で は の 質 問 も あ っ た 。 通 常 時 の 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー に つ い て も 関 心 が あ り 、 特 に 、 学 生 が 作 成 し た 答 案 の 添 削 に 対 す る ニ ー ズ が あ る こ と を 感 じ た 。 そ の ほ か 、 オ ン ラ イ ン 化 に 伴 い レ ジ ュ メ の 配 布 方 法 等 ロ ジ ス テ ィ ッ ク ス の 細 か な 点 に 不 具 合 が あ っ た 。

7 . 学 生 か ら の フ ィ ー ド バ ッ ク

本 プ ロ グ ラ ム に 関 す る 学 生 か ら の フ ィ ー ド バ ッ ク は 以 下 の よ う な も の で あ っ た 。 期 末 試 験 ( オ ン ラ イ ン 授 業 の た め レ ポ ー ト が 中 心 で あ っ た ) 後 の 調 査 で あ り 、 実 施 か ら 時 間 が た っ て し ま っ た こ と と 、 オ ン ラ イ ン 調 査 で あ っ た こ と か ら 、 回 収 率 は 低 率 に と ど ま っ て い る 。 L1 生 か ら は 7 件 、 L2 生 か ら は 18 件 と 回 答 率 は 30% 半 ば と 低 率 に と ど ま っ て い る (【 表 5】 参 照 )。 【 表 5】 ア ン ケ ー ト 回 収 率

( 1) 未 修 1 年 次 (L1) 学 生 か ら の フ ィ ー ド バ ッ ク

L1 学 生 の う ち ア ン ケ ー ト 提 出 に 協 力 し て く れ た 学 生 は 全 員 2020 年 度 入 学 者 ( 新 入 生 ) で あ り 、 オ フ ィ ス ア ワ ー 参 加 者 で あ っ た (【 表 6】 参 照 )。

(17)

【 表 6】 ア ン ケ ー ト 提 出 学 生 の 属 性 ( L1) 「 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 は 勉 強 を 進 め る う え で 役 に 立 ち ま し た か ? 」 と い う 質 問 に は 、「 と て も 役 に 立 っ た 」「 あ る 程 度 役 に 立 っ た 」 と い う 回 答 し か な く (【 表 7】 参 照 )、 対 面 式 で 実 施 し て き た こ れ ま で と 同 様 、 教 育 プ ロ グ ラ ム と し て 好 評 で あ る こ と を 示 し て い る 。 【 表 7】 勉 強 へ の 有 用 性 評 価 ( L1) こ れ に 対 し て 、「 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 は ク ラ ス メ ー ト と の ネ ッ ト ワ ー キ ン グ ( 知 り 合 い を 作 る ・ 仲 良 く な る ) の 点 で 役 に 立 ち ま し た か ? 」 と い う 質 問 とても役に 立った 57% ある程度役に 立った 43% 普通・わから ない 0% あまり役に立 たなかった 0% 役に立たな かった 0%

(18)

に 対 し て は 、「 と て も 役 に 立 っ た 」「 あ る 程 度 役 に 立 っ た 」と い う 回 答 で 70% を 占 め る も の の 、「 あ ま り 役 に 立 た な か っ た 」と い う 回 答 も 多 く み ら れ た 。オ ン ラ イ ン で の 少 人 数 セ ミ ナ ー と い う 企 画 が 有 用 で あ る と し て も 、 決 し て 万 能 薬 で は な く 、 限 界 も あ る こ と が 示 唆 さ れ る 。 【 表 8】 ネ ッ ト ワ ー キ ン グ へ の 有 用 性 評 価 ( L1) そ れ で は 、結 果 と し て 、勉 強 会( 自 主 ゼ ミ )を 実 施 し て い る の か 。ま ず 、「 前 期 の 授 業 期 間 中 ・ 試 験 期 間 中 に オ ン ラ イ ン ・ 対 面 問 わ ず に ( 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 以 外 に ) 学 生 同 士 に よ る 自 主 的 な 勉 強 会 ( 試 験 の 準 備 会 等 も 含 む ) を 実 施 し ま し た か ? 」 と い う 質 問 に は 、 7 人 中 5 名 が オ ン ラ イ ン で 勉 強 会 を 実 施 し た と い う こ と で あ る(【 表 9】参 照 )。今 回 の 調 査 に あ た り 、最 大 の 欠 点 は 、従 来 、ど の 程 度「 勉 強 会 」( 自 主 ゼ ミ )を 実 施 し て き た の か に つ い て 正 式 な 調 査 が な さ れ た こ と が な い と い う 点 が あ り 、 オ ン ラ イ ン 以 前 と の 比 較 が で き な い 。 し か し な が ら 、 在 学 生 へ の 聞 き 取 り 調 査 に よ る と 、 近 時 の L1 生 が 学 生 同 士 の 勉 強 会 を 開 催 す る 例 は あ る も の の 、 ご く 少 数 で 1 グ ル ー プ 程 度 と さ れ て い る 。 こ の 情 報 が 仮 に 正 し い な ら ば 、 本 年 度 は 例 年 よ り も 勉 強 会 の 開 催 が 積 極 的 で あ っ た と 評 価 で き る 。 とても役に立っ た 28% ある程度役に 立った 43% 普通・わからな い 0% あまり役に立た なかった 29% 役に立たなかっ た 0%

(19)

【 表 9】 前 期 期 間 の 勉 強 会 開 催 実 績 ( L1) 次 い で 、「 こ れ か ら 学 生 同 士 で の 自 主 的 な 勉 強 会( オ ン ラ イ ン・対 面 い ず れ で も よ い )を 始 め る 予 定 は あ り ま す か ? 」と い う 質 問 に 対 し て も 7 名 中 4 名 が「 も う す で に 勉 強 会 を 開 催 し て い る 」「 夏 休 み 中 は 勉 強 会 を 実 施 し な い が 後 期 か ら 開 始 し よ う と 考 え て い る 。」と 回 答 し て お り(【 表 10】参 照 )、勉 強 会 の 開 催 に 向 け て 例 年 よ り 積 極 的 な 態 度 が う か が え る 。 0 1 2 3 4 5 6 対面式の勉強会を実施した。 オンラインでの勉強会を実施 した。 実施しなかった。

(20)

人 数 も う す で に 勉 強 会 を 開 始 し て い る 。 2 夏 休 み 中 に 勉 強 会 を 開 始 す る 予 定 で あ る 。 0 夏 休 み 中 は 勉 強 会 を 実 施 し な い が 後 期 か ら 開 始 し よ う と 考 え て い る 。 2 今 の と こ ろ 勉 強 会 を 開 催 す る 予 定 は な い 。 3 【 表 10】 今 後 の 勉 強 会 開 催 の 予 定 ( L1) そ の ほ か 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 に 関 す る 自 由 記 載 欄 に は 以 下 の よ う な 回 答 が あ っ た 。 ・ オ フ ィ ス ア ワ ー が ど う い う も の か 理 解 で き た 。 ・ 予 習 の や り 方 が 勉 強 に な っ た 。 ま た 、 法 律 文 書 を 書 く 上 で 必 要 な 考 え 方 に つ い て も 勉 強 に な っ た 。 ・ 勉 強 の 方 針 に 迷 っ て い た と こ ろ 、 筋 道 を 示 し て い た だ い て 参 考 に な り ま し た 。 ・ 具 体 的 に は 、「 授 業 は 復 習 中 心 に す べ き 」 と か 、「 学 生 同 士 の 勉 強 会 の 重 要 性 」 な ど に つ い て 実 体 験 か ら 説 明 い た だ い た こ と 。 もうすでに勉強 会を開始してい る。 28% 夏休み中に勉強 会を開始する予 定である。 0% 夏休み中は勉強 会を実施しない が後期から開始 しようと考えて いる。 29% 今のところ勉強 会を開催する予 定はない。 43%

(21)

( 2) 既 修 1 年 次 ・ 未 修 2 年 次 (L2) 学 生 か ら の フ ィ ー ド バ ッ ク

L2 学 生 の 中 で ア ン ケ ー ト を 提 出 し て く れ た 学 生 は 18 名 で あ り 、 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 に 参 加 し な か っ た 学 生 も 2 名 提 出 し て く れ た 。 ま た 、 出 身 大 学 は 東 北 大 学 と そ れ 以 外 の 大 学 と が 50% ず つ で あ っ た (【 表 11】 参 照 )。 欠 席 理 由 は 、「 内 容 か ら 判 断 し て 自 分 に は 必 要 な い と 思 っ た 」と「 通 信 環 境 の 不 良 」 が 1 名 ず つ で あ っ た 。 前 者 は 、 L1 か ら の 進 級 学 生 の 中 で 、( 対 象 科 目 で あ る 刑 法 に つ い て は ) す で に 勉 強 会 を 開 催 し て い る た め 欠 席 す る 旨 の 申 し 出 も あ っ た と こ ろ で あ り 、L1 か ら 進 級 し た L2 生 の う ち 、既 に 勉 強 の サ イ ク ル に の っ て い る 学 生 は こ の 企 画 の メ イ ン タ ー ゲ ッ ト と な ら な い こ と が 認 識 で き た 。 【 表 11】 ア ン ケ ー ト 提 出 学 生 の 属 性 ( L2) 「 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 は 勉 強 を 進 め る う え で 役 に 立 ち ま し た か ? 」 と い う 質 問 に は 、「 と て も 役 に 立 っ た 」「 あ る 程 度 役 に 立 っ た 」 と い う 回 答 で 8 割 強 を 占 め て お り (【 表 12】 参 照 )、 L1 生 ほ ど で は な い に し て も 教 育 プ ロ グ ラ ム と し て 有 用 で あ る こ と が 示 唆 さ れ て い る 。「 普 通・わ か ら な い 」と い う 回 答 も 一 定 あ る も の の 、「 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 」の 企 画 は 、こ れ ま で の L1 生 の み な ら ず 、 L2 に ま で 拡 大 さ せ て も よ い の で は な い か と い う 方 向 に 議 論 が 進 ん で く る 。

(22)

【 表 12】 勉 強 へ の 有 用 性 評 価 ( L2) こ れ に 対 し て 、「 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 は ク ラ ス メ ー ト と の ネ ッ ト ワ ー キ ン グ ( 知 り 合 い を 作 る ・ 仲 良 く な る ) の 点 で 役 に 立 ち ま し た か ? 」 と い う 質 問 に 対 し て は 、L1 生 以 上 に 厳 し い 評 価 が さ れ て い る 。「 と て も 役 に 立 っ た 」「 あ る 程 度 役 に 立 っ た 」と い う 回 答 も あ る も の の 、そ れ 以 上 に 、「 あ ま り 役 に 立 た な か っ た 」 「 役 に 立 た な か っ た 」と い う 回 答 が 多 か っ た(【 表 13】参 照 )。オ ン ラ イ ン で の 少 人 数 セ ミ ナ ー は 、 全 く 効 果 が な い わ け で は な い も の の 、 や は り ネ ッ ト ワ ー キ ン グ を 目 的 と し た 場 合 の 効 果 は 限 定 的 で あ る こ と に 留 意 す べ き こ と と な ろ う 。 とても役に立っ た 37% ある程度役に 立った 50% 普通・わからな い 13% あまり役に立た なかった 0% 役に立たなかっ た 0%

(23)

【 表 13】 ネ ッ ト ワ ー キ ン グ へ の 有 用 性 評 価 ( L2) 「 前 期 の 授 業 期 間 中 ・ 試 験 期 間 中 に オ ン ラ イ ン ・ 対 面 問 わ ず に ( 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 以 外 に )学 生 同 士 に よ る 自 主 的 な 勉 強 会( 試 験 の 準 備 会 等 も 含 む ) を 実 施 し ま し た か ? 」 と い う 質 問 に は 、 18 人 中 12 名 が 勉 強 会 を 実 施 し た ( う ち 1 名 は 対 面 式 で 実 施 し た ) と 回 答 し た(【 表 14】参 照 )。在 学 生 へ の 聞 き 取 り 調 査 に よ る と 、 近 時 の L2 生 が 学 生 同 士 の 勉 強 会 を 開 催 す る 割 合 は 6 割 程 度 で は な い か と の こ と で あ っ た の で 、 本 調 査 は 、 コ ロ ナ 禍 で も 従 来 と 同 様 の 勉 強 会 の 開 催 が な さ れ て い た と 推 測 さ れ る 。 特 に 、 学 部 時 代 か ら 実 施 し て い た 勉 強 会 を 継 続 す る こ と の 多 い 東 北 大 学 出 身 者 ( 今 回 の 調 査 で は 9 名 中 6 名 が 前 期 期 間 中 に 勉 強 会 を 実 施 し た と 回 答 )と は 異 な り 、 東 北 大 学 以 外 の 大 学 出 身 者 は 、 全 く 新 し い 人 間 関 係 の 中 、 完 全 オ ン ラ イ ン 化 で 勉 強 会 を 開 催 で き る よ う な ネ ッ ト ワ ー キ ン グ が で き な い の で は な い か と い う 点 が 心 配 さ れ て い た 。 し か し な が ら 、 東 北 大 学 以 外 の 大 学 出 身 の L2 生 も 9 名 中 5 名( う ち 3 名 は 2020 年 度 既 修 コ ー ス 入 学 者 、1 名 は 原 級 留 置 生 、1 名 は 未 修 か ら の 進 級 者 )が す で に 勉 強 会 を 実 施 し た と 回 答 し て お り 、勉 強 会 の 形 成 に つ い て は 、 コ ロ ナ 禍 で も 従 前 ど お り に 行 わ れ た と 理 解 で き る 。 とても役に 立った 20% ある程度役に 立った 20% 普通・わから ない 13% あまり役に立 たなかった 20% 役に立たな かった 27%

(24)

【 表 14】 2020 年 前 期 勉 強 会 の 開 催 実 績 ( L2) 「 こ れ か ら 学 生 同 士 で の 自 主 的 な 勉 強 会 ( オ ン ラ イ ン ・ 対 面 い ず れ で も よ い ) を 始 め る 予 定 は あ り ま す か ? 」 と い う 質 問 に 対 し て は 18 名 中 6 名 が 「 も う す で に 勉 強 会 を 開 催 し て い る 」、2 名 が 夏 休 み か ら 、4 名 が 後 期 か ら の 開 催 を 予 定 し て お り (【 表 15】 参 照 )、 L2 生 は 、 例 年 同 様 、 勉 強 会 開 催 に 向 け て 動 い て い る こ と が う か が え る 。 対面式の勉強会 を実施した。 5% オンラインでの 勉強会を実施し た。 58% 実施しなかっ た。 37%

(25)

【 表 15】 今 後 の 勉 強 会 開 催 計 画 ( L2) そ の ほ か 、L2 学 生 か ら 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 に 寄 せ ら れ た 自 由 記 載 欄 の 意 見 は 以 下 の 通 り で あ る 。 ・ 短 答 問 題 演 習 の 重 要 性 や 、 自 主 ゼ ミ で 何 を す る と よ い か を 知 る こ と が で き ま し た 。 ・ 知 り 合 い を 作 る こ と が で き た ・ 自 分 で 用 意 し た 予 習 課 題 の 内 容 が 十 分 で あ る か 不 安 で し た が , 具 体 例 を 示 し て い た だ い た こ と で 以 降 の 講 義 の 準 備 も 不 足 な く , ま た , 予 習 に 時 間 を か け す ぎ る こ と も な く 学 習 を 進 め て い く こ と が で き ま し た 。 ・ 予 習 ・ 復 習 ・ 自 主 ゼ ミ の や り 方 ・ オ フ ィ ス ア ワ ー を 利 用 す る イ メ ー ジ が 湧 き や す く な っ た 点 。 顔 見 知 り の 学 生 が や や 増 え た 点 。 ・ 刑 法 の 予 習 の 仕 方 が わ か っ た こ と もうすでに勉強 会を開始してい る。 34% 夏休み中に勉強 会を開始する予 定である。 11% 夏休み中は勉強 会を実施しない が後期から開始 しようと考えて いる。 22% 今のところ勉強 会を開催する予 定はない。 33%

(26)

・ グ ル ー プ 内 で 勉 強 会 を 組 む き っ か け に な っ た ・ 予 習 の 仕 方 を 教 え て も ら え た こ と 。 ・ 周 囲 の 学 習 の 状 況 を 聞 け て 、 自 分 と 比 較 し 危 機 感 が 持 て た ・ 勉 強 会 の や り 方 を 細 か く 教 え て い た だ け た ・ 予 習 ・ 復 習 ・ 自 主 ゼ ミ の や り 方 ・ 勉 強 方 法 に 関 す る 情 報 な ど が 得 ら れ た 。

8 . 総 括

冒 頭 に 述 べ た よ う に 、 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 に は 、 ① L1 生 ・ L2 生 の 新 入 生 ・ 進 級 生 の ネ ッ ト ワ ー キ ン グ 、 ② オ ン ラ イ ン で 「 勉 強 会 」 の 実 施 、 ③ 勉 強 す る 環 境 ・ 雰 囲 気 作 り と い う 3 つ の 目 標 が あ っ た 。 そ し て 、 結 果 と し て 、 ② 「 勉 強 会 」 の 実 施 に つ い て は 、 L1 生 に つ い て は 例 年 以 上 、 L2 生 に つ い て も 例 年 通 り の 結 果 を 残 す こ と に 成 功 し た 。 し か し な が ら 、 学 生 か ら の 評 価 と し て 、 修 了 生 オ フ ィ ス ア ワ ー 特 別 回 自 体 が ① 学 生 の ネ ッ ト ワ ー キ ン グ に 有 用 だ っ た か 否 か の 評 価 に つ い て は 、 肯 定 的 な 評 価 も 有 力 で あ る も の の 、 必 ず し も 全 員 か ら 高 く 評 価 さ れ て い る わ け で は な い 。 こ れ は 、 学 生 自 身 が 評 価 を 誤 っ て い る と い う 可 能 性 も あ る が 、 そ れ よ り も 、 勉 強 会 開 催 の 素 地 と し て 必 要 に な る ① 学 生 の ネ ッ ト ワ ー キ ン グ に つ い て は 、 2 . で 紹 介 し た 本 企 画 と は 別 の 企 画 で あ る と こ ろ の 学 生 主 導 の 「 新 入 生 と 在 学 生 の Zoom ミ ー テ ィ ン グ 」 が 寄 与 し て く れ た の で は な い か と 思 わ れ る 。 つ ま り 、 本 企 画 と 新 入 生 と 在 学 生 の Zoom ミ ー テ ィ ン グ イ ベ ン ト と が 相 補 性( complementarity) が あ り 、 こ れ に よ っ て 対 面 式 と 同 様 な い し 従 来 以 上 の 勉 強 会 形 成 へ の モ メ ン ト と し て 機 能 し た と 思 わ れ る 。 こ の 結 論 は 、 一 方 で は オ ン ラ イ ン 授 業 や セ ミ ナ ー の ① 学 生 間 へ の ネ ッ ト ワ ー キ ン グ へ の 寄 与 に は 限 界 が あ る こ と を 示 す も の の 、 他 方 で は 、 オ ン ラ イ ン で あ っ て も 、 狭 義 の 教 育 プ ロ グ ラ ム に こ だ わ ら な い こ と で 、 対 面 式 教 育 に お け る 人 間 関 係 形 成 へ の あ る 程 度 の 代 替 性 ( substitutability) を 果 た し う る こ と を 示 唆 す る 。 そ し て 、 コ ロ ナ 禍 が 収 束 し た と し て も 、 教 育 の オ ン ラ イ ン 化 が 進 ん で い っ た 場 合 に 、従 来 の 教 育 プ ロ グ ラ ム を 1 対 1 に オ ン ラ イ ン 化 す る の で は な く 、 対 面 式 で は 実 施 し て い な か っ た 新 た な プ ロ グ ラ ム を 発 案 す る な ど の 工 夫 の 大 事 さ を 示 唆 し て く れ る 。 な お 、 本 稿 は 、 学 生 間 の 勉 強 会 開 催 を 無 条 件 に 肯 定 的 に 評 価 し て い る か の よ う に 議 論 を 進 め て い る が 、 ピ ア ・ エ フ ェ ク ト が 常 に プ ラ ス の 効 果 を 有 す る わ け で は な く 、場 合 に よ っ て は 望 ま し く な い 場 合 も あ る14。オ ン ラ イ ン か 否 か に 拘 ら ず 、ど 1 4 中 室 ・ 前 掲 注 (3)文 献 66- 67 頁 、 70 頁 に は 、 レ ベ ル の 高 す ぎ る グ ル ー プ に 無 理 に 入 れ る

(27)

う い う 形 で 勉 強 会 を す す め る の が い い の か に つ い て も 調 査 ・ 検 討 を 進 め る べ き で あ ろ う 。

こ と や 問 題 を 抱 え る 子 ど も を 放 置 し て お い た 場 合 の 負 の ピ ア ・ エ フ ェ ク ト 、 習 熟 度 別 学 級 に し た 場 合 に 子 ど も の 学 齢 が 低 い と 格 差 が 拡 大 し 平 均 的 な 学 力 も 下 が っ て し ま う こ と な ど が 指 摘 さ れ て い る 。

参照

関連したドキュメント

今日は13病等の短期入院の学生一名も加わり和やかな雰囲気のなかで

一貫教育ならではの ビッグブラ ザーシステム 。大学生が学生 コーチとして高等部や中学部の

 昭和大学病院(東京都品川区籏の台一丁目)の入院棟17

関西学院大学社会学部は、1960 年にそれまでの文学部社会学科、社会事業学科が文学部 から独立して創設された。2009 年は創設 50

社会学研究科は、社会学および社会心理学の先端的研究を推進するとともに、博士課

1アメリカにおける経営法学成立の基盤前述したように,経営法学の