• 検索結果がありません。

ダンボールコンポスト3~生ごみの再資源化を目指して~(PDF:297KB)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ダンボールコンポスト3~生ごみの再資源化を目指して~(PDF:297KB)"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

優良賞 ダンボールコンポストⅢ~生ごみの再資源化を目指して~ 千葉市立こてはし台中学校 2年 木子 絢葉 1 研究の動機や目的 「可燃ごみの 35%を占める生ごみの減量」がごみ問題解決の鍵であると知り、小学校 4 年生から 『生ごみの減量・再資源化』をテーマに研究を行ってきた。以後、継続した観察を続け、6 年時に 始めた「ダンボールコンポスト法」による堆肥作りを中学 1 年時も継続して研究した。 本研究では、冬場での堆肥作りや身近なもので土中温度を上げる実験を行うとともに、完成した 堆肥の良し悪しをいろいろな角度から調べ、まとめた。 2 研究の方法と内容 (実験 1)冬の堆肥作り~パート 2~ 1 ビニールの色の違い 中学 1 年時の研究で、箱にビニールをかぶせることで土中温度が上がることが分かった。そ こで、無色透明のビニールより黒色のビニールの方がより日光を吸収するのではないかと思い、 比較した。 2 身近な食品の投入 分解に必要な担子菌を含むキノコ類、微生物のおやつとなるイワシの内臓と廃油、コンポス トの主軸を担う放線菌グループのビフィズス菌を含むヨーグルトの投入を行った。 3 水分を調節して温度上昇をはかる 中学 1 年時の研究で水分量を 6 に保つことで微生物が活発に活動できると分かったので、今 回は水分調節を行って 6 に保つことを目標にする。 (実験 2)身近なものでより高い温度まで上げるには 1 堆肥作り タネ菌(小学校 6 年時に作った堆肥を使用)、腐葉土、ヨーグルト(実験1で効果あり)、生 ごみ処理材(他の物の比較対象としていれた)、納豆(ビフィズス菌と同じ放線菌の仲間)、標 準(従来の堆肥作りの方法)の 6 つの箱に分けて実験を行い、その効果を調べた。 2 投入終了時の様子 残留物や堆肥の様子を観察した。 3 投入終了から1か月後の様子 残留物や堆肥の様子を観察した。 (実験 3)完成した堆肥の効果を調べる 1 植害試験 植害試験とは、肥料を使う際に植物の生育を阻害しないかを調べる試験方法のことである。 今回は実験 2 で作った堆肥の効果を調べるため、各箱それぞれの堆肥と古土を一定の割合で混 ぜて鉢に入れたものと、比較対象となる市販の園芸用土と古土のみの鉢に小松菜の種をまいた。 (虫に食われないよう、鉢を菜園コンテナに入れ、家庭菜園用不織布をかぶせた。)

(2)

そして 20 日後に収穫し、それぞれの鉢の小松菜の長さや葉の色、 重さについては含水体重と、乾燥後の乾燥体重の2項目について 計測した。 乾燥には学校の乾燥機(左写真)をお借りした。 型番名…Nakamuraya 定温乾燥機 2 排水性・保水性 良い堆肥の条件には、養分だけではなく、排水性・保水性があるか どうかも重要である。そこで、今回は植害試験前後のものを使用し、 排水性・保水性の実験を行う。なお、試験方法については前例がない ため、 自分なりの方法を確立した。(右写真) 3 研究の成果と課題 (実験 1)冬の堆肥作り~パート 2~ 1 ビニールの色の違い 黒色のビニールを使うことで、土中温度にはほとんど差は出なかったが、水分量の振れ幅が 小さく、箱が傷みにくくなった。 2 身近な食品の投入 ヨーグルトは投入した翌日から急に土中温度が上がり始めたが、他の 3 つの方法は効果がな かった。よって、菌を投入するということは冬場の堆肥作りにおいて土中温度を上げるのに非 常に効果があると分かった。 3 水分を調節して温度上昇をはかる 水分量を 6 に保つと土中温度を上げられると確認できた。水分計を使用しなくても適度な水 分量を保つ方法を見つけ出すことを来年の課題にしていきたい。 (実験 2)身近なものでより高い温度まで上げるには 1 堆肥作り グラフ上,グラフ下から、 6 箱中タネ菌、生ごみ処理 材、納豆の箱は土中温度が 高かったといえる。また、3 箱の中でも、水分量の推移 からタネ菌の箱が 1 番6に 近いことが多く、箱の傷み が少ないことも分かった。 このことから、冬場の堆肥 作りには何かを加えなけれ ば微生物の活動を活発化さ せることは難しいことが再 確認できた。 2 投入終了後の様子 箱ごとの温度差の比較 -10.0 -5.0 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 02/27 PM 03/03 AM 03/06 PM 03/10 AM 03/13 PM 03/17 AM 03/20 PM 03/24 AM 03/27 PM 03/31 AM 04/03 PM 04/07 AM (日付) (温度) 温度差(タネ菌) 温度差(腐葉土) 温度差(標準) 温度差(ヨーグルト) 温度差(生ごみ処理材) 温度差(納豆) 箱ごとの水分量の比較 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 02/27 PM 03/03 AM 03/06 PM 03/10 AM 03/13 PM 03/17 AM 03/20 PM 03/24 AM 03/27 PM 03/31 AM 04/03 PM 04/07 AM (日付) (水分量) 水分量(タネ菌) 水分量(腐葉土) 水分量(標準) 水分量(ヨーグルト) 水分量(生ごみ処理材) 水分量(納豆)

(3)

内容物を見ると、タネ菌、生ごみ処理材、納豆の箱が良く野菜くずが分解されていて、分解 されていない野菜くずがほとんど見つからなかった。これまでは、冬場の堆肥作りではほとん ど野菜くずが残っていたので、これは非常に大きな進歩であるといえる。 3 投入終了 1 か月後の様子 箱を開けたら、投入期間中にあまり土中温度が上がらなかった腐葉 土、標準、ヨーグルトの箱にじゃがいもの芽が出ていた。気になっ て他の箱も調べたところ、土中温度が高かったタネ菌、生ごみ処理 材、納豆の箱には出ておらず、茎、ヘタも分解されて野菜くずはほ ぼ残っていなかった。このことから、じゃがいもの野菜くずを投入 終了間際に入れ、そこから芽が出るか出ないかによってその堆肥の 完成度をある程度判断できると分かった。 (実験 3)完成した堆肥の効果を調べる 1 植害試験 結果、納豆を投入することで市販の生ごみ処理材と同じくらいまで完成度を高められると分 かったが、自分で作った堆肥を有効活用したタネ菌の箱においてあまり良い結果が得られなか った。だから、来年は生ごみのさらなる再資源化に近づけるため、タネ菌を使って質の良い堆 肥を作ることを課題にしていきたい。 2 排水性・保水性 古土を除き、それぞれの土壌の保水性・排水性にはほとんど差がなかった。このことから、 今回の植害試験での小松菜の成長具合の違いは土壌の排水性、保水性にはほとんど関係がない といえる。 4 研究のまとめ 本研究では、小学校 6 年時に行ったダンボールコンポスト法による堆肥作りを継続し、冬の時期 でも土中温度を上げるため、身近なものを使った自分なりの方法を見つけ出すことを目的とした。 実験 1 では、黒色のビニールを使うことで箱の傷みを少なくできると分かったが、それだけでは 土中温度は上げられないと知り、菌を投入するという発想に転換することができた。ただ、今回は 手軽な水分調節の方法を見い出すことができなかったので、それは来年の課題にしていきたい。 実験 2 では、実験 1 のヨーグルトの投入の効果から身近にあるものの投入による効果に着眼点を おいて 6 種類の箱で実験を行った。今回は真冬からの立ち上げにもかかわらず、土中温度と外気温 との差が 15℃を超す日もあり、菌を投入することは冬場の堆肥作りにおいて大変重要なことである と分かった。また、投入終了 1 か月後の様子からじゃがいもの発芽の有無は堆肥の完成度を手軽に 判断するバロメーターであると発見でき、自分なりの方法を見つけ出すことの大切さと面白さを感 じることができた。 ただ、今回は植害試験において、自分で作った堆肥を有効活用して作ったタネ菌の堆肥の効果が あまり得られなかった。だから、今後はタネ菌を使った土壌づくりを改善し、完成した堆肥を次の 堆肥作りのタネとしても使うというサイクルを確立したい。全ては、生ごみの再資源化のために! 5 指導と助言 「生ごみの再資源化」という社会貢献への強い意志が、研究への情熱の根源になっている。それが 「研究の継続」となり、様々なアイデアを生み出す原動力となっている。 (指導者:高野展也)

参照

関連したドキュメント

 近年、日本考古学において、縄文時代の編物研究が 進展している [ 工藤ほか 2017 、松永 2013 など ]

狭さが、取り違えの要因となっており、笑話の内容にあわせて、笑いの対象となる人物がふさわしく選択されて居ることに注目す

しかしながら生細胞内ではDNAがたえず慢然と合成

 トルコ石がいつの頃から人々の装飾品とし て利用され始めたのかはよく分かっていない が、考古資料をみると、古代中国では

非自明な和として分解できない結び目を 素な結び目 と いう... 定理 (

絡み目を平面に射影し,線が交差しているところに上下 の情報をつけたものを絡み目の 図式 という..

した標準値を表示しておりますが、食材・調理状況より誤差が生じる場合が

本人が作成してください。なお、記載内容は指定の枠内に必ず収めてください。ま